説明

即席油揚げ麺類の製造方法

【課題】 製麺性、食味食感等に悪影響を与えずに、麺塊中の油脂含量を低減できる即席油揚げ麺類の製造方法を提供する。
【解決手段】 小麦粉等の主原料粉にイヌリンを添加して製麺し、以降常法によって即席油揚げ麺を製造する。好ましいイヌリンの配合量は、小麦粉等の主原料粉重量に対し、0.5〜7.5重量%であり、イヌリンを主原料粉に対して粉体で添加混合することによって、練水に溶解させて添加する場合に比べて、さらに油脂含量低減効果が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席油揚げ麺類の製造方法、特に油脂含量が低減された即席油揚げ麺類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
即席油揚げ麺は、熱湯を注加して数分間放置するだけ、あるいは数分間炊いて調理するだけで喫食でき、簡便性に極めて優れているとともに、水分含量が低く保存性にも優れている。このような即席油揚げ麺の優れた特性は、α化処理された麺を、高温の油で油熱乾燥処理することによって付与されるものであるが、油で揚げるために麺線中に油脂を含有する。含有する油脂の量は、一般的に油熱乾燥処理後の麺塊重量の約15〜20%程度であるが、近年の健康志向のなかで、油脂含量の少ない即席油揚げ麺が求められている。
【0003】
このような、即席油揚げ麺の油脂含量の低減方法としては、油熱乾燥処理直後の麺塊から油脂を吸引装置で吸引する方法や、予めα化した麺に熱風乾燥等を施して予備乾燥を行った後、予備乾燥後の麺を油熱乾燥処理する方法等、物理的、あるいは工程的工夫によって削減する方法と、麺原料に特定の物質を添加することによって、油脂含量を低減する方法がある。麺原料に特定の物質を添加することで油脂含量を低減する技術としては、特定の酵素やペプチド、糖類等を用いる技術が知られているが、本出願人は、既に、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを多量に添加し、同時に酸性物質を麺原料に添加することで油脂含量を低減できることを知見し、特許文献1として特許出願している。
【0004】
一方、本発明は、即席油揚げ麺の製造において、麺原料に多糖類の一種であるイヌリンを添加することで油脂含量を低減することを発明の要旨とするものであるが、糖類を用いて即席油揚げ麺の油脂含量を低減する先行技術としては、下記の特許文献2、3がある。特許文献2は、多糖類粉砕物、特に平均粒子径20μm以下に粉砕した多糖類を含有させることで吸油量を低減する技術であり、特許文献3は、少糖類を乳酸ナトリウムと併用して添加することで吸油量を低減する技術である。しかし、特許文献2は特殊な処理を行って、多糖類が微粉末状で分散性を有することを要件としており、また、特許文献3は、乳酸ナトリウムの併用を必須とするもので、併用しない場合には効果が得られない実験例がある。なお、即席麺類において、油脂含量の低減目的ではなく、食感改良等を目的として増粘多糖類や食物繊維を添加する技術は多数あるが、これらの物質をある程度以上の量添加して即席油揚げ麺を製造する場合、物質によっては食味食感だけでなく、製麺適性に悪影響を与えたり、油熱乾燥処理時においてかん焼けによる着色が発生してしまう等の問題があり、即席油揚げ麺の製造には使用が困難なものもある。
【0005】
本発明は、多糖類の一種であるイヌリンを用いるものであるが、イヌリンは他の増粘多糖類や食物繊維と違って、麺類に添加する先行技術がほとんど無い物質である。本出願人が知るイヌリンを添加した麺類の先行技術として、特許文献4及び5があるが、特許文献4は、イヌリンやビタミン、ミネラル等の栄養摂取を目的として、これらを多く含む菊芋を用いた麺製品の製造方法であり、特許文献5はモチモチとした食感を得る目的でイヌリンを添加した麺の技術である。しかし、いずれの先行技術もイヌリンを即席油揚げ麺に用いるものではなく、また、即席麺の油脂含量を低減する技術である引用文献2、3においても、イヌリンの例示や示唆は全くない。
【0006】
【特許文献1】特願2006−356709
【特許文献2】特開2003−210118
【特許文献3】特開2001−352924
【特許文献4】特開2004−129643
【特許文献5】特開2006−75043
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、製麺性、食味食感等に影響を与えずに、油脂含量が低減された即席油揚げ麺類の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、即席油揚げ麺の油脂含量を低減できる技術について、特に多糖類を中心に検討してきた。しかし、多糖類の種類によっては、油脂含量を低減できない多糖類や、その低減効果が弱い多糖類、あるいは、低減できるが製麺性や食味食感、色調の悪化などの理由により使用が困難なものが多々あった。その中で本発明者らは、即席油揚げ麺には使用実績のないイヌリンに、高い油脂含量低減効果と、即席油揚げ麺の製麺性等に悪影響を与えない高い製麺適性を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、麺原料にイヌリンを添加することを特徴とする即席油揚げ麺類の製造方法、である。この場合イヌリンの配合量としては、前記麺原料の主原料粉重量に対して0.5〜7.5重量%、特に好ましくは1.0〜5.0重量%であることが好ましい。
このように本発明によれば、麺原料にイヌリンを添加するだけで、製麺性や食味食感等に悪影響を与えずに、油熱乾燥処理後の麺の油脂含量低減することができる。しかも、イヌリンは難消化性の食物繊維であるために、食物繊維としての栄養生理効果が見込まれ、また腸内において、ビフィズス菌の増殖を促進することによって整腸作用を発現するため、即席油揚げ麺に優れた機能性(栄養生理効果)を付与することもできる。
【0010】
本発明による即席油揚げ麺類は具体的には以下の工程によって製造される、
A)小麦粉等主原料粉に対し、0.5〜7.5重量%のイヌリンを粉体混合した後、練水を加えて混練してドウを調製し、
B)前記ドウを押し出して生麺線とするか、又は圧延した後に切出して生麺線とし、
C)前記生麺線を蒸煮又は茹でによってα化処理し、
D)α化処理した麺線をフライリテーナに投入して、油熱乾燥処理する、前記A〜Dの各工程を含む製造方法である。
【0011】
また、前記A)の工程に替えて、次のa)の工程を採ることもできる。すなわち、a)小麦粉等主原料粉に対し、0.5〜7.5重量%のイヌリンを練水に溶解又は分散させて加え、混練してドウを調製する。なお、上記A)の工程によってイヌリンを粉体混合で添加する方が、a)の工程によって練水で添加するよりも、油脂含量低減効果は高い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の即席油揚げ麺類の製造方法によれば、麺原料にイヌリンを添加するだけで、製麺性や食味食感等に悪影響を与えずに製品麺塊中の油脂含量を低減でき、さらにイヌリンが添加されることで、イヌリンの有する機能性(栄養生理効果)も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を製造工程に従って具体的に説明する。
本発明では、麺原料粉にイヌリンを必須に添加するが、イヌリンとはチコリ、アーティチョーク、菊芋等の植物に多く含まれる多糖類であって、これら植物から抽出したものが食品として市販されている。また、イヌリンはフルクトースの重合体であり、合成も可能で、最近ではシュークロースから酵素合成されたものも市販されている。イヌリンは、人が消化することのできない難消化性の多糖類であるため、ダイエット食品用素材、糖尿病食等としても使用され、また、腸内でのビフィズス菌の増殖促進に有効であることも知られている素材である。
【0014】
本発明においては、市販されているいずれのイヌリンも使用できる。配合量としては麺原料の主原料粉重量に対して0.5〜7.5重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%添加する。本発明における主原料粉とは、小麦粉又は小麦粉の他に澱粉、そば粉等の粉体を混合した主たる原料粉をいい、該主原料粉に対して、前記配合量のイヌリンを添加する。イヌリンの添加方法は、該主原料粉に粉体のまま混合しても、練水に溶解又は分散させて混合させても良い。ただし、イヌリンを粉体のまま麺原料粉に添加混合して用いたほうが、油脂含量低減効果が高くなる傾向があるため、即席油揚げ麺の油脂含量をなるべく低くするためには、イヌリンは主原料粉に対して粉体で添加混合することが好ましい。また、イヌリンの配合量が主原料粉重量に対して0.5重量%以下では油脂含量低減効果が充分ではない場合があり、一方、7.5重量%を超えると油脂含量低減効果は頭打ちになり、また製麺性等にも問題が生じ始める。
【0015】
さらにイヌリン以外に副原料として、かんすい、リン酸塩、食塩、増粘剤、グルテン、卵白、色素等を必要に応じて添加することもできる。これら副原料は主原料粉と共に粉体で添加しても良いし、練水に溶かすか、懸濁させて添加しても良い。このように、主原料粉にイヌリン、副原料、練水を添加した後、ミキサーでよく混練して、麺生地を作成後、これを圧延して麺帯とし、切出して麺線とするか、又はパスタマシーン等で押し出して麺線とする。
【0016】
このようにして得られた生麺線は、次いで蒸煮又は茹でによってα化処理し、必要に応じて食塩や調味料を溶解した水溶液で着味した後、所定重量にカットしてフライリテーナに投入される。前記の着味工程は、食塩や調味料を溶解した水溶液を麺線に噴霧、又は該水溶液に麺線を浸漬して行うが、本工程は省略してもよい。また、麺線のカットは、フライリテーナ投入の直前でなく、α化処理前の生麺線の段階やα化処理後の着味を行う前の段階でもかまわない。フライリテーナへの投入は、カップ入り即席麺の場合は、カップ容器形状のフライリテーナに麺塊を上方から落下させて充填するか、フライリテーナに押し込んで充填する方法が一般的である。袋入り即席麺の場合には、搬送されて来る連続麺線を折り畳みながらフライリテーナに充填する方法が一般的である。
【0017】
油熱乾燥処理はフライリテーナを閉蓋し、フライ槽にフライリテーナごと浸漬して、通常の即席油揚げ麺と同様、130〜160℃、好ましくは150℃前後の温度で、120秒〜240秒程度行い、麺塊中の水分含量が5重量%以下、好ましくは1〜3重量%程度になるように油熱乾燥する。フライ油は、各種油脂が使用可能であるが、酸化等に対する安定性が高いパーム油等が特に好ましく用いられる。また、保存性を向上させるために、ビタミンE等の抗酸化剤をフライ油に添加することもできる。このようにして油熱乾燥処理された麺を、フライリテーナから取り出し、冷却後、必要に応じてかやく、スープ等とともにカップ状容器又は軟包材で包装して、それぞれカップ入り即席油揚げ麺、袋入り即席油揚げ麺とする。
【0018】
本発明の製造方法によって製造された即席油揚げ麺類は、熱湯注加、あるいは炊いて調理、喫食することが可能である。また、本発明の製造方法では中華麺タイプ即席油揚げ麺、あるいは和風麺タイプ即席油揚げ麺のいずれも製造可能である。
そして、本発明の製造方法によって製造された即席油揚げ麺類は、油熱乾燥処理後の麺塊の油脂量(前述の吸油量と同じ意味)を、イヌリンを添加せずに同様の方法で製造された即席油揚げ麺類に比べて約10〜20%程度低下させることができる。
【実施例】
【0019】
以下、比較実験等を示して本発明を実施するための最良の形態について詳述するが、本発明は以下の実験結果をもとに限定的に解釈されるべきものではない。
なお、以下の各実験例は、Aタイプ、Bタイプの2種類の即席油揚げ麺で実験を行っている。Aタイプは、麺線厚が薄く比較的油脂含量の高い即席油揚げ麺である。Bタイプは、麺線厚がAタイプに比べて厚く、さらに本出願人が油脂含量低減効果を見出している本発明とは別の方法(特許文献1)、すなわち、炭酸塩(かんすい)の配合量を増量した上に酸性物質を添加する方法によって製造された即席油揚げ麺であり、即席油揚げ麺としては油脂含量が非常に低いものである。
【0020】
なお、以下の実験例では、「かんすい」として炭酸ナトリウムと炭酸カリウムが2:1で混合されているものを使用した。
また、麺塊中の油脂含量はジエチルエーテルによるソックスレー抽出法により測定した(以下、各表中の油脂含量のデータは、油熱乾燥処理後の麺塊重量を100gとした時に含有する油脂の重量gで示した)。麺の色調は目視により評価した。麺の食味食感は、得られた即席油揚げ麺を即席麺用カップに入れ、熱湯注加して3分間放置して調理後、官能検査して評価した。
【0021】
[実験例1](各種多糖類の油脂含量低減効果確認試験)
次の方法によって即席油揚げ麺を製造した。
(Aタイプ)小麦粉900g、澱粉100gからなる主原料粉1kgに、イヌリン、プルラン、グアーガム酵素分解物をそれぞれ50g粉体で添加し、これに食塩15g、かんすい2g、重合リン酸塩0.5gを溶解した練水340mlを加えて、これらをミキサーで15分間混練した。得られたドウを常法に従って複合後、連続圧延機で圧延し、0.7mm厚の麺帯とした後、角刃20番で切出して麺線とした。該生麺線を600kg/m/hrの通常蒸気で120秒間蒸煮してα化し、着味液に浸漬後、一食分約105gにカットした。着味液の組成は、水に食塩100g、醤油10ml、グルタミン酸ソーダ20gを溶解して1lとしたものである。これを一食分づつ直径65mmの略円筒形で容積約300cmのサイズのフライリテーナに充填し、フライリテーナを閉蓋した後、150℃のパーム油で150秒間油熱乾燥処理して乾燥させた。油熱乾燥処理後直ちにフライリテーナを反転させて麺塊をフライリテーナから取り出し、麺塊の天面を下にして静置し、そのまま冷却させて即席油揚げ麺を製造した。このようにして製造された即席油揚げ麺の油脂含量、色調、食味食感及び製麺性についての結果を表1に示す。なお、該製造された即席油揚げ麺の重量はいずれも約65g、水分含量は約2%であった。
【0022】
(Bタイプ)小麦粉850g、澱粉150gからなる麺原料1kgに、イヌリン(2種類)、プルラン、難消化性デキストリン、サイリウム種皮、メチルセルロース、グルコマンナンをそれぞれ50g粉体で添加し、これに食塩20g、かんすい3g、リン酸1ナトリウム2g、重合リン酸塩2gを溶解した練水370mlを加えて、これらをミキサーで15分間混練した。得られたドウを常法に従って複合後、連続圧延機で圧延し、1.0mm厚の麺帯とした後、角刃20番で切出して麺線とした。該生麺線を600kg/m/hrの通常蒸気で120秒間蒸煮してα化し、着味液に浸漬後、一食分約105gにカットした。着味液の組成は、水に食塩60gを溶解して1lとしたものである。これを一食分づつ直径65mmの略円筒形で容積約300cmのサイズのフライリテーナに充填し、フライリテーナを閉蓋した後、145℃のパーム油で150秒間油熱乾燥処理して乾燥させた。油熱乾燥処理後直ちにフライリテーナを反転させて麺塊をフライリテーナから取り出し、麺塊の天面を下にして静置し、そのまま冷却させて即席油揚げ麺を製造した。このようにして製造された即席油揚げ麺の油脂含量、色調、食味食感及び製麺性についての結果を表2に示す。なお、該製造された即席油揚げ麺の重量はいずれも約60g、水分含量は約2%であった。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
表1のイヌリン(HP)は商品名「ベネオHP」(オラフティー社製)でチコリ抽出物由来の食物繊維高含有タイプのものである。表2のイヌリン(ST)は商品名「ベネオST」(オラフティー社製)でチコリ抽出物由来の標準タイプのもの、イヌリン(フジ)は商品名「フジFF」(フジ日本製糖株式会社製)で酵素合成品である(以降の実験例も同様の略号)。いずれのイヌリンについても、多糖類を添加していない即席油揚げ麺と比較して麺塊の油脂量を10〜20%低減しており、また色調や食味食感、製麺性に与える影響は少なく良好であった。一方、サイリウム種皮、メチルセルロース、グルコマンナンにはいずれも油脂含量の低減効果が認められず、食味食感も良くないものであった。さらにサイリウム種皮、グルコマンナンについては製麺時のドウの繋がりが悪く製麺性の点でも問題が見られた。プルランは油脂含量の低減効果は高かったが、製麺性が非常に悪く麺帯が切れやすいものであった。難消化性デキストリンは油脂含量の低減効果が弱く、かん焼けが生じた。グアーガム酵素分解物は油脂含量の低減効果は認められるものの強いかん焼けが生じた。
【0026】
[実験例2](イヌリンの有効配合量確認試験)
実験例1のBタイプと同じ製造方法で、イヌリン(ST)の配合量を主原料粉重量に対して0.5重量%、1.0重量%、2.5重量%、5.0重量%、7.5重量%として即席油揚げ麺を製造した。このようにして製造された即席油揚げ麺の油脂含量、色調、食味食感及び製麺性についての結果を表3に示す。(なお、該製造された即席油揚げ麺の重量及び水分含量は実験例1と同程度であった。)
【0027】
【表3】

【0028】
表3に示した通り、イヌリンの配合量が主原料粉重量に対して0.5重量%程度でも油脂含量の低減効果が認められた。一方、イヌリンの配合量が主原料粉重量に対して7.5重量%になると、ドウの繋がりがやや悪くなり、さらにかん焼けによる麺の着色傾向が見られた。したがって、イヌリン配合量は、主原料粉重量に対して0.5〜7.5重量%、特に好ましくは1.0〜5.0重量%程度が良いと考えられた。
【0029】
[実験例3](イヌリンの添加方法試験)
実験例1のAタイプ、Bタイプの両方の製造方法で、イヌリンを粉体で主原料粉に添加混合した方法(粉体添加)と、練水に溶解して添加混合した方法(練水添加)とで、油脂含量の低減効果について検討した。Aタイプ、Bタイプいずれの実験も、イヌリン(HP)を用い、粉体添加も練水添加も配合量を主原料粉重量に対して3.0重量%として即席油揚げ麺を製造した。このようにして製造された即席油揚げ麺の油脂含量、色調、食味食感及び製麺性についてのAタイプの結果を表4に、Bタイプの結果を表5にそれぞれ示す。(なお、該製造された即席油揚げ麺の重量及び水分含量は実験例1と同程度であった。)
【0030】
【表4】

【0031】
【表5】

【0032】
表4、5に示した通り、粉体添加、練水添加のいずれの場合も油脂含量の低減効果が見られたが、イヌリンを粉体添加した方が練水添加よりも油脂含量の低減効果は高いことが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺原料にイヌリンを添加することを特徴とする即席油揚げ麺類の製造方法。
【請求項2】
前記麺原料に添加するイヌリンの量が、前記麺原料の主原料粉重量に対して0.5〜7.5重量%である請求項1に記載の即席油揚げ麺類の製造方法。
【請求項3】
A)小麦粉等主原料粉に対し、0.5〜7.5重量%のイヌリンを粉体混合した後、練水を加えて混練してドウを調製し、
B)前記ドウを押し出して生麺線とするか、又は圧延した後に切出して生麺線とし、
C)前記生麺線を蒸煮又は茹でによってα化処理し、
D)α化処理された麺線をフライリテーナに投入して、油熱乾燥処理する、
前記A〜Dの各工程を含む即席油揚げ麺類の製造方法。
【請求項4】
a)小麦粉等主原料粉に対し、0.5〜7.5重量%のイヌリンを練水に溶解又は分散させて加え、混練してドウを調製し、
b)前記ドウを押し出して生麺線とするか、又は圧延した後に切出して生麺線とし、
c)前記生麺線を蒸煮又は茹でによってα化処理し、
d)α化処理した麺線をフライリテーナに投入して、油熱乾燥処理する、
前記a〜dの各工程を含む即席油揚げ麺類の製造方法。