説明

即席麺類及びその製造方法

【課題】 本発明の課題は、ウェーブの無い、ノンフライ即席麺であり、うどん、そば等の従来の即席麺にはない、生麺を茹でたときと同様なつるっとした滑らかさと粘弾性とを有し、また、麺帯蒸熱処理の際火脹れが生ぜず、調理時及び喫食時に縦割れや短麺がなく、ほぐれが良好な即席麺類を提供することにある。
【解決手段】 この種の即席麺類の製造方法に採用されている通常の製造工程を特定の順序に変更した上で、すなわち麺帯を蒸熱処理してアルファー化し、該蒸熱処理した麺帯を切り出して麺線化する製造工程を採用した上で、この方法にさらに、混練を減圧条件下で行う方法、製麺用副資材として粉末油脂等及び/又はレシチンを用いる方法、製麺用副資材としてグルテンを用いる方法、麺帯の蒸熱処理の直前に、水、乳化油脂溶液、レシチン溶液を麺帯表面に散布する方法の少なくとも1つの方法を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席麺類、特にウェーブの無いノンフライ即席麺類及びその製造方法に関する。より詳細には、ウェーブが無くとも調理・喫食時にほぐれが良く、かつ生麺を茹でたときと同等の優れた滑らかさ及び粘弾性を有するウェーブの無いノンフライ即席麺類及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
即席麺類は、小麦粉、そば粉等の製麺用粉を主原料とし、これに食塩、かんすい、麺質改良剤等の製麺用副資材と水を加えて製麺し、油揚げ処理、蒸熱・熱風等の方法により乾燥し、これに適宜スープや薬味を添付したもので、簡便な調理で喫食できる麺類である。これら即席麺類は、その製造過程で用いられる乾燥方法の違いに基づいて、フライ麺、ノンフライ麺、凍結乾燥麺等に分類されている。すなわち、フライ麺は蒸熱処理後油揚げ処理によって、ノンフライ麺は蒸熱処理後熱風乾燥又はマイクロ波乾燥によって、そして、凍結乾燥麺は茹で後凍結乾燥処理によって、それぞれ乾燥されている。これらの即席麺類は、一般的に、麺線を一旦アルファー化した後に乾燥する。
【0003】
従来、即席麺類には、製造時の蒸熱処理工程におけるアルファ化の効率を上げる目的や、麺線同士の付着を防止し、調理時や喫食時の麺線のほぐれや湯戻りを良くする目的で、ウェーブ(ちぢれ)が付けられている。しかし、本来ウェーブを付すべきでない「うどん」、「そうめん」、「そば」、「博多ラーメン」、「ソウキソバ」、「スパゲティ」といった麺においても、これらの理由でウェーブを付けざるをえないのが現状である。これらの麺に関して、ウェーブは不自然なもので、本来の麺のイメージからほど遠いものである。また、最近では、健康志向の食品が注目され、この種の即席麺類としても、油の使用によるカロリーの高いフライ麺よりは、ノンフライ麺が要求されるようになってきている。
【0004】
ノンフライ即席麺の製造法としては、小麦粉等の製麺用粉に、食塩、かんすい、麺質改良剤等の製麺用副資材及び水を添加し均一に分散混合し混練して生地を得た後、該生地を適宜な厚みに複合・圧延して生麺帯となし、その後切歯等で切断して生麺線を得、次いで該生麺線を蒸熱処理してアルファー化し更に乾燥して即席麺を得る方法が一般的である。しかし、この方法では、しばしばアルファー化が不均一で、喫食時に熱湯で復元しても均一に復元せず、生麺を茹でたときと同様の良好な食感並びに風味を呈さない欠点を有する。この方法の改善として、小麦粉を主体とし、水分含有率が少なくとも30質量%の生麺帯を蒸煮し、次いで該蒸煮麺帯を予備乾燥して、水分含有率を15〜35質量%に調整した後切断して麺線となし更に乾燥するノンフライ乾燥即席麺の製造法(例えば、特許文献1参照)が知られている。また、麺類原料と、原料に対して120〜200質量%の水とを加え、混合して得られた生地を帯状あるいは線状に板体上で展延し、これを蒸気などで加熱した後そのまま若しくは線切りして麺類を得、凍結乾燥する即席麺類の製造法(例えば、特許文献2参照)等が知られている。しかしながら、これらの方法においては、麺帯を蒸煮する際に火脹れが生じやすく、これを麺線化してノンフライ即席麺を製造した場合に、麺線の縦割れや短麺になり易いという欠点があった。
【0005】
また、ウェーブの無い、かつノンフライで乾燥するノンフライ麺の製造法として、原料の混合工程、混合原料の麺帯化工程、麺帯の麺線化工程、蒸煮工程、蒸煮麺線の麺玉化工程及び乾燥工程を含むノンフライ乾燥即席麺の製法であって、蒸煮麺線の麺玉化を、麺線の水分分布状態として内部水分が表面と等しいかそれよりも少ないこと、平均水分量が10質量%以上30質量%未満であるノンフライ乾燥即席麺の製法(例えば、特許文献3参照)が、また、塩溶液での麺線の茹で処理及び茹で処理した麺線の水洗を経て製造された即席麺類であって、該塩溶液が、20%(w/v)〜飽和濃度の塩濃度の溶液である、ウェーブの無いノンフライ即席麺類(例えば、特許文献4参照)等が知られている。しかしながら、これらの方法においては、製造工程が長すぎたり、コントロールが困難であり、得られる即席麺の麺線同士の付着が多くほぐれが悪く、また食感においても生麺を茹でたときと同等の優れた滑らかさ及び粘弾性には及ばないという欠点があった。
【0006】
【特許文献1】特開昭54−95755号公報
【特許文献2】特開昭55−9737号公報
【特許文献3】特開昭59−48056号公報
【特許文献4】特開2000−189089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ウェーブの無い、ノンフライ即席麺であり、うどん、そば等の従来の即席麺にはない、生麺を茹でたときと同様なつるっとした滑らかさと粘弾性とを有し、調理時及び喫食時に麺線が均一に復元して、ほぐれが良好な即席麺類を提供することにある。また、麺帯を蒸熱処理する際に火脹れが生じず、これを麺線化してノンフライ即席麺を製造しても麺線の縦割れや短麺が生じないものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、従来のノンフライ即席麺類が、しばしばつるっとした滑らかさと粘弾性に欠け、麺線の縦割れや短麺が生じ、本来の麺とはかけ離れた食感になるとの欠点を改善すべく鋭意検討した結果、ノンフライ即席麺類の製造方法に採用されている工程の一部を特定の順序に変更した上で、すなわち麺帯を蒸熱処理してアルファー化し、蒸熱処理した麺帯を麺線に切断する工程に順序を変更した上で、この方法にさらに、混練を減圧条件下で行う方法、製麺用副資材として粉末油脂及び/又はレシチンを用いる方法、製麺用副資材としてグルテンを用いる方法、麺帯の蒸熱処理の前に、水、乳化油脂溶液、レシチン溶液を麺帯表面に散布する方法の少なくとも1つの方法を採用することにより、生麺を茹でた時と同様のつるっとした滑らかさと粘弾性を有し、しかも麺線の縦割れや短麺がなく、麺線にウェーブを付与しなくても麺線同士が結着せず、復元性とほぐれやすさに優れた、ウェーブの無い即席麺類を得ることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、(1)製麺用粉、製麺用副資材及び水を混合・混練して麺生地を得、これを複合・圧延して麺帯を形成し、該麺帯を蒸熱処理した後、麺線に切断し、次いで乾燥するウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法であって、以下の方法のうち少なくとも1つの方法を採用することを特徴とするウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法(1)混練を減圧条件下で行う方法。(2)製麺用副資材として、粉末油脂及び/又はレシチンを用いる方法。(3)製麺用副資材として、グルテンを用いる方法。(4)麺帯の蒸熱処理の前に、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液を麺帯表面に散布する方法に関する。
【0010】
また本発明は、(2)減圧条件が、−0.04MPa以下であることを特徴とする前記(1)記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法や、(3)製麺用粉に対して、粉末油脂を0.5〜5.0質量%及び/又はレシチンを0.1〜2.0質量%添加することを特徴とする前記(1)又は(2)記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法に関する。
【0011】
さらに本発明は、(4)製麺用粉に対して、グルテンを0.5〜5.0質量%添加することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法や、(5)麺帯の蒸熱処理の前に、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液を麺帯に散布する際の散布量を、麺帯質量に対して5〜40%とすることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ウェーブの無い、湯で戻したときに均一に復元するノンフライ即席麺とすることができ、ウェーブが無くとも調理・喫食時にほぐれが良く、かつ生麺を茹でたときと同等の優れた滑らかさと及び粘弾性を有する即席麺を得ることができる。また、麺帯の蒸熱処理の際火脹れが生じず、したがって、これを麺線化してノンフライ即席麺を製造したときに、縦割れや短麺のない良質な即席麺を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明では即席麺類の種類は特に限定されず、即席和風麺類(即席うどん、即席きしめん、即席素麺、即席ひやむぎ、即席日本そば)、即席中華麺、即席スパゲティなどを包含し、それらのうちでも特に即席うどん、即席素麺、即席そば、即席中華麺の製造に適している。
【0014】
本発明のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法としては、製麺用粉、製麺用副資材及び水と混合・混練して麺生地を得、これを複合・圧延して麺帯を形成し、該麺帯を蒸熱処理してアルファー化し、蒸熱処理した麺帯を麺線に切断し、次いで乾燥する即席麺類の製造方法であって、この方法にさらに、(1)混練を減圧条件下で行う方法、(2)製麺用副資材として、粉末油脂及び/又はレシチンを用いる方法、(3)製麺用副資材として、グルテンを用いる方法、(4)麺帯の蒸熱処理の前に、好ましくは直前に、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液を麺帯表面に散布する方法のうち、少なくとも1つの方法を採用する即席麺類の製造方法であればよく、特に制限されるものではないが、前記(1)〜(4)の方法のうち、少なくとも2つ以上の方法を採用することが好ましい。特に前記(1)の方法を優先的に採用し、これに他の(2)〜(4)の方法を併用することが好ましい。例えば、前記(1)の方法と(4)の方法の2つの方法を採用する製造方法や、(1)の方法と(3)の方法と(4)の方法の3つの方法を採用する製造方法を特に好適に例示することができ、このように2つ以上の方法を採用することにより、復元性等即席麺に求められる性質が全てにわたり優れているばかりでなく、食感も極めてよい各種即席麺を得ることができる。
【0015】
本発明において、上記「ウェーブの無いノンフライ即席麺類」とは、ウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出すなど、その製造工程中、麺線にウェービング処理を施すことなく、湯で戻したときにウェーブの無い麺線が得られるノンフライ即席麺類をいう。
【0016】
本発明に用いる製麺用粉は、穀粉類及び/又は澱粉類からなり、穀粉類としては、小麦粉、そば粉、コーンフラワー、ライ麦粉、大麦粉、オーツ粉、米粉等が例示され、澱粉類としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、甘藷澱粉等およびこれらの架橋、エステル化、エーテル化、酸化、アルファー化等の加工品等が例示される。
【0017】
また、本発明に用いる製麺用副資材としては、食塩、かんすい、麺質改良剤等が挙げられる。麺質改良剤としては、例示すれば、卵白粉、全卵粉等の卵粉;キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム等のガム類、アルギン酸及びその塩、増粘多糖類、ゼラチン、ペクチン等の増粘剤;動植物油脂(粉末油脂)、乳化油脂、ショートニング等の油脂類;レシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤;炭酸塩、リン酸塩等の無機塩類;グルテン、大豆蛋白質、カゼイン等の蛋白類;その他ソルビット、エチルアルコール、酵素剤等が挙げられるが、本発明では動植物油脂(粉末油脂)、レシチン、グルテン、乳化油脂を例示することができる。
【0018】
蒸熱処理する前の麺帯の形成は、通常の麺類の製法において採用されている製麺ロールを用いて、麺生地を複合、圧延する方法により行うことができる。
【0019】
本発明における蒸熱処理は、麺帯を、水蒸気式蒸熱処理機等の蒸熱処理設備を用いてアルファー化するが、蒸熱処理条件としては95℃以上の水蒸気で2〜10分間程度処理する方法を挙げることができる。
【0020】
本発明においては、上記のように麺帯を蒸熱処理した後、以下の方法のうち少なくとも1つの方法を採用する。
(1)混練を減圧条件下で行う方法;本発明において、混練を減圧条件下で行うには、−0.04Mpa以下、好ましくは−0.06Mpa以下で行い、このように、減圧した状態で混練すると、原料の内部に空気が混入するのを阻止でき、密実な麺を製造することができる。この結果、より弾力性に優れ、高強度を備えた歯ごたえのよい麺を得ることができる。
【0021】
(2)製麺用副資材として、粉末油脂及び/又はレシチンを用いる方法;本発明で用いる粉末油脂としては、動物性粉末油脂や植物性粉末油脂を用いることができる。動物性粉末油脂としては、融点が20℃以上の牛脂、豚脂等の動物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる粉末等を挙げることができ、植物性粉末油脂としては、パーム油、ヤシ油、大豆油、綿実油等の植物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる粉末等を挙げることができる。また、その配合割合は、製麺用粉に対し、0.5〜5.0質量%、好ましくは、1.0〜3.0質量%である。このような、粉末油脂を前記の割合で配合することにより、特に復元性、ほぐれ、滑らかさが向上する。
【0022】
また、本発明に用いるレシチンとしては、卵黄由来又は大豆由来などその由来は特に制限されず、また酵素処理をしたレシチンを用いることができる。レシチン配合割合は、製麺用粉に対し、0.1〜2.0質量%、好ましくは、0.5〜1.0質量%であり、レシチンを用いることにより、粉末油脂と同様に、特に復元性、ほぐれ、滑らかさが向上する。
【0023】
(3)製麺用副資材として、グルテンを用いる方法;本発明に用いるグルテンとしては、例えば、小麦グルテン、コーングルテンを挙げることができ、特に小麦グルテンが好ましい。水分を含んだ状態のもの(ウェットグルテン)、凍結状態のもの、あるいは変性を軽減させながら乾燥して得られる乾燥グルテン(バイタルグルテンの名で流通されている)等があるが、特に乾燥グルテンが好ましい。グルテンの配合量は、製麺用粉に対し、0.5〜5.0質量%、好ましくは、1.0〜3.0質量%であり、この範囲の使用によって、火脹れの防止や、復元性、ほぐれ、滑らかさ、粘弾性の向上を図ることができる。
【0024】
(4)麺帯の蒸熱処理の前に、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液を麺帯表面に散布する方法;本発明に用いる乳化油脂としては、水に溶解し易くしたものであればいずれのものでもよく、植物油とグリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤からなる製剤などを例示することができる。また、本方法におけるレシチンとしては上記(2)の方法において例示したレシチンを用いることができる。本発明の方法では、蒸熱処理の前、好ましくは直前に、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液を麺帯表面に散布するが、散布の方法としては麺帯表面に均一に散布できるものであればどんな方法でもよく、噴霧等の方法が好ましく用いられる。これらの溶液を噴霧することによって、後の工程における麺線同士の付着を防止することができる。また、散布量は、麺帯質量に対し、5〜40%、好ましくは10〜20%であり、乳化油脂溶液及びレシチン溶液の濃度は0.3〜5.0%、好ましくは1.0〜3.0%である。
以下に実施例等により本発明のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法を、うどん、そば、中華麺、素麺の順により具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0025】
[うどん比較例1]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を調製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.3mmの麺帯にし、切刃10番の角刃を使用して常法によりウエーブを付与し、ウェーブ付きの麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の蒸気で2分間蒸熱処理し、次いで、この麺線を30cm長に切断した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、縦割れ・短麺はなかったが、ウェーブが付いているため違和感のあるものであった。
【0026】
[うどん比較例2]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)70質量部、エーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)15質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)15質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.3mmの麺帯にし、切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の蒸気で2分間蒸熱処理し、次いで、この蒸熱処理麺線を30cm長に切断した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウエーブがなく、縦割れ・短麺もなかったが、麺線同士が結着している部分が多かった。
【0027】
[うどん比較例3]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部、エーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いて、この麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.3mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の蒸気で2分間蒸熱処理し、次いで、この蒸熱処理麺帯を切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。得られた麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く違和感は無かったが、麺線の縦割れ・短麺が多く存在していた。
【0028】
[うどん実施例1]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いて、この麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.3mmの麺帯にした。次いで、この麺帯を温度100℃の蒸気で2分間蒸熱処理し、次いで、この蒸熱処理麺帯を切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。得られた麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感の無いものであった。また、縦割れ・短麺は全く生じていなかった。
【0029】
[うどん実施例2]
減圧用ミキサーを用いて混練する減圧条件を−0.04Mpaに代えた以外はうどん実施例1と同様にして、麺生地製造、麺帯蒸熱処理、麺線切り出し、型詰め、乾燥を行い、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感は無かった。また、縦割れ・短麺も殆ど気にならないものであった。
【0030】
[うどん実施例3]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)2質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いて、この麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.3mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。次いで、この蒸熱処理麺帯を切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、得られた麺線を30cm長に切断して、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺もなかった。
【0031】
[うどん実施例4]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに粉末レシチン(日清オイリオ(株)社製「ベイシスLP2070R」)0.5質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いて、この麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.3mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。次いで、この蒸熱処理麺帯を切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、さらに、この麺線を30cm長に切断して、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感の無いものであった。また、縦割れ・短麺も全く存在しなかった。
【0032】
[うどん実施例5]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いて、この麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.3mmの麺帯にした。この麺帯表面に水を麺帯質量の20%量噴霧した後、温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。次いで、この蒸熱処理麺帯を切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線を30cm長に切断して、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感の無いものであった。また、縦割れ・短麺も全く存在しなかった。
【0033】
[うどん実施例6]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いて、この麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.3mmの麺帯にした。この麺帯表面に2%レシチン溶液(日清オイリオ(株)社製「ベイシスLP2070R」)を麺帯質量の20%量噴霧した後、温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。次いで、この蒸熱処理麺帯を切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線を30cm長に切断して、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感の無いものであった。また、縦割れ・短麺も全く存在しなかった。
【0034】
[うどん実施例7]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「特雀」)80質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いて、この麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.3mmの麺帯にした。この麺帯表面に2%乳化油脂溶液(理研ビタミン(株)社製「エマテックS−550」)を麺帯質量の20%量噴霧した後、温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。次いで、この蒸熱処理麺帯を切刃10番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線を30cm長に切断して、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感の無いものであった。また、縦割れ・短麺も全く存在しなかった。
【0035】
[官能試験等]
以上の比較例1〜3及び実施例1〜7で得られた各うどん麺塊65g/食を入れた容器中に、450mlの沸騰水を注ぎ5分間かけて復元し、粉末のうどんつゆを入れた。この麺を10名のパネラーに食してもらって、「復元性」、「ほぐれ」、「滑らかさ」及び「粘弾性」につき、下記の表1に示す評価基準にしたがって官能試験等を行い、その平均値を求めた。結果を4つの平均値の和である総合点と共に表2に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
表2に示すとおり、本発明のうどん実施例1〜7により得られたうどんは、比較例1〜3により得られたうどんに比較して、復元性、ほぐれ、滑らかさ、粘弾性において、優れたものである。実施例3〜7のうどん、特に実施例6及び7のうどんは、滑らかさ、粘弾性の食感に優れていた。
【0039】
[そば比較例1]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練してそば生地を製造した。続いて、このそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.1mmの麺帯にし、切刃22番の角刃を使用して、常法によりウエーブを付与し、ウェーブ付きの麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。次いで、この蒸熱処理麺線を30cm長に切り出した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが付いているため違和感があったが、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0040】
[そば比較例2]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練してそば生地を製造した。続いて、このそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.1mmの麺帯にし、切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。次いで、この麺線を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。この蒸熱処理麺線を30cm長に切断した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブは無いが麺線同士が結着している部分があった。縦割れ・短麺は全くなかった。
【0041】
[そば比較例3]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練してそば生地を製造した。続いてこのそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。この麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感が無かったが、また、縦割れ・短麺が多く存在していた。
【0042】
[そば実施例1]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練してそば生地を製造した。続いてこのそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、さらに麺線を30cm長に切り出した。切り出した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0043】
[そば実施例2]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2.0質量部を均一に混合し混合物を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記の混合物に加えて、常圧下において15分間混練してそば生地を製造した。続いてこのそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。次いで、この麺帯を温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。さらにこの麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0044】
[そば実施例3]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2.0質量部を均一に混合し混合物を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製し、これを上記の混合物に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練してそば生地を製造した。続いてこのそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。次いでこの麺帯表面に水を麺帯質量の10%量噴霧した後、温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。さらにこの麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0045】
[そば実施例4]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記の製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練してそば生地を製造した。続いてこのそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯表面に水を麺帯質量の10%量噴霧した後、温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。さらにこの麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0046】
[そば実施例5]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2.0質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記混合物に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練してそば生地を製造した。続いてこのそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯表面に水を麺帯質量の10%量噴霧した後、温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。さらにこの麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0047】
[そば実施例6]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「ミリオン」)60質量部とそば粉(石森製粉(株)社製「特エビス」)30質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2.0質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1質量部を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記混合物に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練してそば生地を製造した。続いてこのそば生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯表面に2%乳化油脂溶液(理研ビタミン(株)社製「エマテックS−550」)を麺帯質量の10%量噴霧した後、温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃22番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。さらにこの麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0048】
[官能試験等]
以上の比較例1〜3及び実施例1〜6で得られた各そば麺塊65g/食を入れた容器中に、450mlの沸騰水を注ぎ5分間かけて復元し、濃縮のそばつゆを入れた。この麺を10名のパネラーに食してもらって、「復元性」、「ほぐれ」、「滑らかさ」及び「粘弾性」につき、上記の表1に示す評価基準にしたがって官能試験を行い、その平均値を求めた。結果を4つの平均値の和である総合点と共に表3に示す。
【0049】
【表3】

【0050】
表3に示すとおり、本発明のそば実施例1〜6により得られたそばは、比較例1〜3により得られたそばに比較して、復元性、ほぐれ、滑らかさ、粘弾性において優れたものである。実施例4、特に実施例5及び6のそばは滑らかさ、粘弾性等の食感に優れていた。
【0051】
[中華麺比較例1]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「特ナンバーワン」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製 「なかしゃり」)10質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1.5質量部、かんすい0.4質量部(オリエンタル酵母(株)社製「赤かんすい」)を水35質量部に溶かした水溶液を作製し、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.1mmの麺帯にし、切刃18番の角刃を使用して常法によりウエーブを付与し、ウェーブ付きの麺線に切り出した。ついでこの麺線を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。この蒸熱処理麺線を30cm長に切断した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、縦割れ・短麺は全くなかったが、ウェーブが付いているため違和感があった。
【0052】
[中華麺比較例2]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「特ナンバーワン」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1.5質量部、かんすい0.4質量部(オリエンタル酵母(株)社製「赤かんすい」)を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.1mmの麺帯にし、切刃18番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。この蒸熱処理麺線を30cm長に切断した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は,ウェーブが無く、縦割れ・短麺はなかったが、麺線同士が結着している部分が多かった。
【0053】
[中華麺比較例3]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「特ナンバーワン」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1.5質量部、かんすい0.4質量部(オリエンタル酵母(株)社製「赤かんすい」)を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃18番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、さらにこの麺線を30cm長に切断した。この切断した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く全く違和感は無いものであったが、縦割れ・短麺が非常に多く存在し、商品価値が無いものであった。
【0054】
[中華麺実施例1]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「特ナンバーワン」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会「なかしゃり」)10質量部とエーテル馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)5質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1.5質量部、かんすい0.4質量部(オリエンタル酵母(株)社製「赤かんすい」)を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。ついで得られた蒸熱処理麺帯を切刃18番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。得られた麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線はウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0055】
[中華麺実施例2]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「特ナンバーワン」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)3質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1.5質量部、かんすい0.4質量部(オリエンタル酵母(株)社製「赤かんすい」)を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記混合物に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の水蒸気で2分30秒間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃18番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。ついでこの麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く、全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全く存在しなかった。
【0056】
[中華麺実施例3]
粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)3質量部の代わりに粉末レシチン(日清オイリオ(株)社製「ベイシスLP2070R」)1質量部を用いた以外は中華麺実施例2と同様にして麺生地製造、麺帯蒸熱処理、麺線切り出し、型詰め、乾燥を行い、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く、全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0057】
[中華麺実施例4]
粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)3質量部の代わりに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)4質量部を用いた以外中華麺実施例2と同様にして麺生地製造、麺帯蒸熱処理、麺線切り出し、型詰め、乾燥を行い、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く、全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0058】
[中華麺実施例5]
乾燥グルテン(グリコ栄養食品「AグルG」)の混合量を2質量部にした以外は中華麺実施例4と同様にして麺生地製造、麺帯蒸熱処理、麺線切り出し、型詰め、乾燥を行い、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く、全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0059】
[中華麺実施例6]
乾燥グルテン(グリコ栄養食品「AグルG」)の混合量を1質量部にした以外は実施例4と同様にして麺生地製造、麺帯蒸熱処理、麺線切り出し、型詰め、乾燥を行い、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く、全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0060】
[中華麺実施例7]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「特ナンバーワン」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1.5質量部、かんすい0.4質量部(オリエンタル酵母(株)社製「赤かんすい」)を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記混合物に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。次いでこの麺帯表面に2%乳化油脂溶液(理研ビタミン(株)社製「スーパーフレンジ−M」)を麺帯質量の10%量噴霧した後、温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃18番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。ついでこの麺線を30cm長に切断し、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く、全く違和感が無かった。また、縦割れ・短麺も全くなかった。
【0061】
[中華麺実施例8]
強力小麦粉(日清製粉(株)社製「特ナンバーワン」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会「なかしゃり」)10質量部とエーテル化馬鈴薯澱粉((株)J−オイルミルズ社製「ジェルコールBO−15」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品「AグルG」)2質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1.5質量部、かんすい0.4質量部(オリエンタル酵母(株)社製「赤かんすい」)を水35質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記の製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.1mmの麺帯にした。ついでこの麺帯表面に2%乳化剤溶液(理研ビタミン・スーパーフレンジーM)を麺帯質量の10%量噴霧した後、温度100℃の蒸気で2分間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃18番の角刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、さらに得られた麺線を30cm長に切断した。この切断した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線は、ウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0062】
[中華麺実施例9]
麺帯表面への2%乳化剤溶液(理研ビタミン・スーパーフレンジーM)の噴霧を2%レシチン溶液に代えた以外は中華麺実施例8と同様にして、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線はウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0063】
[中華麺実施例10]
乾燥グルテン(グリコ栄養食品「AグルG」)2質量部の代わりに、粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)を2質量部用いた以外は実施例8と同様にして、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線はウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0064】
[中華麺実施例11]
粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)2質量部の代わりに粉末レシチン(日清オイリオ(株)社製「ベイシスLP2070R」)1質量部を用いた以外は中華麺実施例10と同様にして、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊を沸騰水で復元した後の麺線はウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0065】
[官能試験等]
以上の比較例1〜3及び実施例1〜11で得られた各麺塊65g/食を入れた容器中に、450mlの沸騰水を注ぎ5分間かけて復元し、市販の濃縮ラーメンスープを入れた。この麺を10名のパネラーに食してもらって、「復元性」、「ほぐれ」、「滑らかさ」及び「粘弾性」につき、上記の表1に示す評価基準にしたがって官能試験等を行い、その平均値を求めた。結果を4つの平均値の和である総合点と共に表4に示す。
【0066】
【表4】

【0067】
表4に示すとおり、本発明の中華麺実施例1〜11の方法により得られた中華麺は、比較例1〜3により得られた中華麺に比較して、復元性、ほぐれ、滑らかさ、粘弾性において、優れたものであることが分かる。実施例3、8、9特に実施例8,9の中華麺は滑らかさ及び粘弾性の食感に優れていた。
【0068】
[素麺比較例1]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「金すずらん」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とタピオカ澱粉(松谷化学(株)社製「さくら」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水37質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.0mmの麺帯にし、切刃26番の丸刃を使用して常法によりウエーブを付与し、ウェーブ付きの麺線に切り出した。ついでこの麺線を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。この蒸熱処理麺線を30cm長に切断した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、強めのウェーブが付いているため、強い違和感があったものの、縦割れ・短麺は全く存在していなかった。
【0069】
[素麺比較例2]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「金すずらん」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とタピオカ澱粉(松谷化学(株)社製「さくら」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水37質量部に溶かした水溶液を作製し、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して、厚さ1.0mmの麺帯にし、切刃26番の丸刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。さらにこの蒸熱処理麺線を30cm長に切断した後、1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、ウェーブは無いが、麺線同士が結着している部分があった。縦割れ・短麺は全くなかった。
【0070】
[素麺比較例3]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「金すずらん」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とタピオカ澱粉(松谷化学(株)社製「さくら」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、塩1質量部を水37質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記製麺用粉に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.0mmの麺帯にした。ついでこの麺帯を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃26番の丸刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線をさらに30cm長に切断した。この切断した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線はウェーブが無く、全く違和感は無いものであったものの、縦割れ・短麺が部分的に存在し、かなり気になるものであった。
【0071】
[素麺実施例1]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「金すずらん」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とタピオカ澱粉(松谷化学(株)社製「さくら」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。別途、食塩1質量部を水37質量部に溶かした水溶液を作製し、これを上記製麺用粉に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.0mmの麺帯にした。この麺帯を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃26番の丸刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線をさらに30cm長に切断した。切断した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線はウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0072】
[素麺実施例2]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「金すずらん」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とタピオカ澱粉(松谷化学(株)社製「さくら」)10質量部を均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2質量部とを均一に混合し混合物を得た。別途、食塩1質量部を水37質量部に溶かした水溶液を作製し、これを上記混合物に加えて、常圧下において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.0mmの麺帯にした。ついでこの麺帯を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃26番の丸刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線をさらに30cm長に切断した。切断した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、ウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0073】
[素麺実施例3]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「金すずらん」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とタピオカ澱粉(松谷化学(株)社製「さくら」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1質量部を水37質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記の混合物に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.0mmの麺帯にした。ついでこの麺帯を温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃26番の丸刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線をさらに30cm長に切断した。切断した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、ウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺はなかった。
【0074】
[素麺実施例4]
乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2質量部の代わりに粉末油脂(ミヨシ油脂(株)社製「マジックファット202」)2質量部を用いた以外は、素麺実施例3と同様にして水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、ウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0075】
[素麺実施例5]
乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2質量部の代わりに粉末レシチン(日清オイリオ(株)社製「ベイシスLP2070R」)1質量部を用いた以外は、素麺実施例3と同様にして水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、ウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺は全くなかった。
【0076】
[素麺実施例6]
中力小麦粉(日清製粉(株)社製「金すずらん」)80質量部と生の馬鈴薯澱粉(ホクレン農業共同組合連合会製「なかしゃり」)10質量部とタピオカ澱粉(松谷化学(株)社製「さくら」)10質量部とを均一に混合し、製麺用粉を得た。この製麺用粉にさらに乾燥グルテン(グリコ栄養食品(株)社製「AグルG」)2質量部を均一に混合して混合物を得た。別途、食塩1質量部を水37質量部に溶かした水溶液を作製しておき、これを上記の混合物に加えて、減圧用ミキサーを用いて減圧条件下(−0.08Mpa)において15分間混練して麺生地を製造した。続いてこの麺生地を、製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.0mmの麺帯にした。次いでこの麺帯表面に水を麺帯質量の10%量噴霧した後、温度100℃の水蒸気で2分間蒸熱処理した。得られた蒸熱処理麺帯を切刃26番の丸刃を使用してウェーブの付いていない直線的な麺線に切り出し、この麺線をさらに30cm長に切断した。切断した麺線を1食分ずつ型に詰め、100℃の熱風で約15分間乾燥して、水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、ウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺はなかった。
【0077】
[素麺実施例7]
麺帯表面への噴霧を水の代わりに、2%乳化油脂溶液に代えた以外は素麺実施例6と同様にして水分約9%の麺塊65g/食を得た。この麺塊に沸騰水を注いで復元したところ、麺線は、ウェーブが無く、全く違和感は無いものであった。また、縦割れ・短麺はなかった。
【0078】
[官能試験等]
以上の比較例1〜3及び実施例1〜7で得られた各素麺麺塊65g/食を入れた容器中に、450mlの沸騰水を注ぎ5分間かけて復元し、濃縮素麺つゆを入れた。この麺を10名のパネラーに食してもらって、「復元性」、「ほぐれ」、「滑らかさ」及び「粘弾性」につき、前記の表1に示す評価基準にしたがって官能試験を行い、その平均値を求めた。結果を4つの平均値の和である総合点と共に表5に示す。
【0079】
【表5】

【0080】
表5に示すとおり、本発明の素麺実施例1〜7の方法により得られた素麺は、比較例1〜3により得られた素麺に比較して、復元性、ほぐれ、滑らかさ、粘弾性において、優れたものであることが分かる。実施例3〜7、特に実施例3、6の素麺は滑らかさ、粘弾性の食感に優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製麺用粉、製麺用副資材及び水を混合・混練して麺生地を得、これを複合・圧延して麺帯を形成し、該麺帯を蒸熱処理した後、麺線に切断し、次いで乾燥するウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法であって、以下の方法のうち少なくとも1つの方法を採用することを特徴とするウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法。
(1)混練を減圧条件下で行う方法。
(2)製麺用副資材として、粉末油脂及び/又はレシチンを用いる方法。
(3)製麺用副資材として、グルテンを用いる方法。
(4)麺帯の蒸熱処理の前に、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液を麺帯表面に散布する方法。
【請求項2】
減圧条件が、−0.04MPa以下であることを特徴とする請求項1記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法。
【請求項3】
製麺用粉に対して、粉末油脂を0.5〜5.0質量%及び/又はレシチンを0.1〜2.0質量%添加することを特徴とする請求項1又は2記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法。
【請求項4】
製麺用粉に対して、グルテンを0.5〜5.0質量%添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法。
【請求項5】
麺帯の蒸熱処理の前に、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液を麺帯に散布する際の散布量を、麺帯質量に対して5〜40%とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のウェーブの無いノンフライ即席麺類の製造方法。