説明

即時放出及び徐放型イブプロフェンの投与法

非ステロイド性抗炎症薬を投与する方法、特にイブプロフェンのようなプロピオン酸誘導体を投与する方法が提供される。本発明の剤形は、好ましくは単回投与工程により、NSAIDの初回の放出及びNSAIDの第二の持続型の放出を提供する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、非ステロイド性抗炎症薬、特に、プロピオン酸類の新規投与法に関する。この投与法は、長時間にわたる持続性治療効果を提供する。
【0002】
〔背景技術〕
疼痛、炎症、及び発熱を処置する治療薬は、鎮痛薬、抗炎症薬、及び解熱薬を含む。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はかかる治療薬の一種である。これらは、プロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、フェナミン酸誘導体、ビフェニルカルボン酸誘導体、オキシカム、及びシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)選択的NSAIDsを含む。
【0003】
プロピオン酸類は、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、及びケトプロフェンを含む。イブプロフェンは特に広範に用いられており、鎮痛性と解熱性を保有する著名なNSAIDである。化学的にはイブプロフェンは、2−(4−イソブチルフェニル)−プロピオン酸として知られる。イブプロフェンは、各種の形態で数年にわたり店頭で市販されている。
【0004】
一般的にNSAIDsは、1日当たり約50〜約2000mg、好ましくは、約100〜約1600、最も好ましくは、約200〜約1200mgの1日投与量で、1日当たり1〜4回投与される。
【0005】
NSAIDs及び他の薬剤を12又は24時間中に複数回投与することが知られている。例えば、同量のイブプロフェンを12又は24時間中に複数回投与することが知られている。イブプロフェンを含有する徐放剤形も知られている。
【0006】
パルミサノ(Palmisano)ら、Advances in Therapy,Vol.5,No.4,「一次性月経困難の治療に対するケトプロフェン及びイブプロフェンの研究の報告1988年7月/8月(July/August 1988 reports on a study of ketoprofen and ibuprofen for treating primary dysmenorrhea)」。この参照文献は、ケトプロフェン(150mgの初回用量、次いで75mgの後続用量)及びイブプロフェン(800mgの初回用量、次いで400mgの後続用量)の複数回投与の使用を開示している。
【0007】
特定のイブプロフェンの投薬計画の薬物動態学的及び薬力学的な有効性と安全性のプロファイル評価のために、単一施設での、二重盲検、無作為、パラレル、プラシーボ・コントロールの歯痛のPK/PD試験が、12時間にわたる観察時間で遂行された。具体的には、中程度から重度の術後歯痛の処置において、600mgのイブプロフェン持続放出カプレットの単回投与と、異なる3種類の投与計画により投与された、同じ合計投与量の、200mgのイブプロフェン即時放出カプレット、及びプラシーボが比較された。イブプロフェンは、600mgのイブプロフェン持続放出カプレット又は1つ以上の200mgのイブプロフェン即時放出カプレットとして投与された。患者のサブグループの1つは薬物動態学的及び薬力学的評価を受けた(PK群)。他の患者のサブグループは、鎮痛の有効性の評価のみを受けた(非PK群)。両サブグループの患者は、以下の5つの処置のうちの1つに無作為に割り当てた:
【表1】

【0008】
患者による疼痛強度及び疼痛緩和の評価、並びに血漿中のイブプロフェン分析のための血液検体が、試験施設において、0、0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、4.5、5、6、7、8、8.5、9、10、11及び12時間の時点で採集された。有意の疼痛緩和の発現の測定にはストップ・ウオッチ法が用いられた。12時間の全試験期間にわたり、イブプロフェンの400/200/0投与が優れた疼痛緩和をもたらすことが、この試験により見出された。最初の4時間の間、400/200/0処置は、600/0/0即時放出処置とともに、他の処置に比べて、より優れた疼痛緩和をもたらした。4時間から12時間の間隔の間では、最初の4時間以降にイブプロフェンが投与されないという事実にも関わらず、400/200/0処置のみが、最高の疼痛緩和スコアをもたらした。
【0009】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
本出願人は、ここに、周知の投与計画と比較して、改善された治療効果、特に疼痛緩和、及びより使用/服薬遵守がしやすい剤形を達成するために、特定の単回投与工程によるイブプロフェンの哺乳動物、好ましくはヒトへの提供がなし得ることを発見した。特に、イブプロフェンの第一の即時放出の用量を与え、引き続き、遅延した第二の徐放型のイブプロフェンの用量を与える、1つの剤形としてのイブプロフェンを哺乳動物に与えることができる。前記剤形の薬剤の投与後、少なくとも約8時間まで、5〜10mcg/mLのCminを提供するには、それ以上の投薬は不要である。
【0010】
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、哺乳動物に、第一の用量のNSAID及び遅延した第二の徐放の前記NSAIDの用量を、単回投与工程で提供することからなる、NSAIDを投与する方法を提供し、剤形の即時放出部分及び徐放部分からのNSAIDは、8時間、より好ましくは10時間、最も好ましくは12時間の持続時間を有する。
【0011】
更に本発明は、12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、初回用量の約30〜約120分後に、前記哺乳動物において約10〜30mcg/mLのプロピオン酸誘導体の第一のピーク血漿濃度を提供し、初回用量の投与の最大約6時間後に、より好ましくは最大約8時間後に、前記プロピオン酸誘導体の第一のピーク血漿濃度に続く、少なくとも約10mcg/mLのプロピオン酸誘導体の第二の血漿濃度を提供すること、を含む、投与方法を提供する。
【0012】
一実施形態では、本発明は更に、徐放用量単回投与工程での12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、12時間の期間の開始時点で哺乳動物に初回用量のプロピオン酸誘導体を、次いで、前記初回用量投与の約2〜10時間後に、前記第二用量の徐放型プロピオン酸誘導体を、与えること、を含み、前記第二の用量において前記プロピオン酸誘導体の初回負荷量が、第二の用量のプロピオン酸誘導体の負荷量の少なくとも約2倍であり、前記12時間の期間中にそれ以上のプロピオン酸誘導体が与えられない、投与方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】実施例1に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【図1B】実施例1に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【図2A】実施例2に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【図2B】実施例2に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【図3A】実施例3に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【図3B】実施例3に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【図4A】実施例4に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【図4B】実施例4に報告された投与法における、時間の関数としてのイブプロフェンの溶解プロファイル及び吸収レベルを図示。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において使用される、「ATDAIRD」は、特定の活性成分の「即時放出用量の作用の平均治療持続時間(average therapeutic duration of action of an effective immediate release dose)」を意味する。例えば、即時放出剤形のイブプロフェン又はケトプロフェンの作用の一般的な持続時間は、約4〜6時間である。したがって、イブプロフェン又はケトプロフェンのATDAIRDは5時間である。ナプロキセンの即時放出剤形の一般的な作用持続時間は、約8〜約12時間である。ナプロキセンのATDAIRDは、したがって10時間である。特定の活性成分の作用の治療的持続時間は、その特定の活性成分を含む即時放出製品の包装中の投薬指示から容易に決定し得る。
【0015】
本発明で有用なNSAIDsはプロピオン酸誘導体のNSAIDs及び、その薬学的に許容可能な塩である。
【0016】
特に好適な実施形態では、NSAIDはプロピオン酸誘導体から選択される。プロピオン酸誘導体は、一般的に、直接又はカルボニル官能基を介して環系、好ましくは芳香環系に結合する、自由酸である−CH(CH)COOH若しくは−CHCHCOOH又は、−CH(CH)COO−Na+若しくはCHCHCOO−Na+などの、その薬学的に許容可能な塩の基を有する、薬学的に許容可能な鎮痛剤/非ステロイド性抗炎症薬である。
【0017】
有用なプロピオン酸誘導体の例としては、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン(benoxaprofen)、ナプロキセンナトリウム、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、フェンブプロフェン(fenbuprofen)、ケトプロフェン、インドプロフェン(indoprofen)、ピルプロフェン(pirprofen)、カルプロフェン(carprofen)、オキサプロフェン(oxaprofen)、プラノプロフェン(pranoprofen)、ミクロプロフェン(microprofen)、チオキサプロフェン(tioxaprofen)、スプロフェン(suproprofen)、アルミノプロフェン(alminoprofen)、チアプロフェン酸(tiaprofenic acid)、フルプロフェン(fluprofen)及びブクロクス酸(bucloxic acid)が挙げられる。
【0018】
本発明の一実施形態ではプロピオン酸誘導体は、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、及びそれらの薬学的に許容可能な塩、並びにそれらの組み合せから選択される。
【0019】
好ましくは、プロピオン酸誘導体は、イブプロフェン、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸、又はイブプロフェンのアルギニン、リジン、又はヒスチジン塩などの薬学的に許容可能な塩である。他のイブプロフェンの薬学的に許容可能な塩は、米国特許第4,279,926号、同第4,873,231号、同第5,424,075号及び同第5,510,385号に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
本発明によると、治療、特に疼痛緩和治療を必要とする哺乳動物に、長期間、好ましくは12時間の期間にわたる特定の投与法によりNSAIDが与えられる。0時間において、哺乳動物に初回用量のNSAID、及び第二の徐放用量のNSAIDを含む単回投与工程が、与えられる(すなわち、投与される)。残りの時間の期間には、NSAIDは投与されない。
【0021】
第二の用量の工程は、薬学的活性物質の持続放出を与える。持続型放出は、例えば、ゼロ次又は1次であってよい。ゼロ次放出は、持続型又は放出制御型薬剤システムの一変形であり、これにより、一定の血漿プロファイルで薬剤が放出されるように長時間にわたる定常状態での薬剤放出が実現される。1次薬剤放出では薬剤の血漿からの離脱速度が血漿濃度に比例する。特定の実施形態では、第二の用量は、遅延時間を有しており、薬剤は第二の用量から、約1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間又は4時間で放出される。
【0022】
NSAIDの初回用量は、例えば約0.10〜約15mg/kgの範囲、及び第二の徐放用量は、例えば、約0.05〜約7.5mg/kgであることができ、この場合、「kg」は薬剤を与えられる被験者の体重を意味する。一実施形態では、NSAIDの初回用量は第二回用量の少なくとも約2倍である。イブプロフェンが使用される本発明の特定の実施形態では、初回用量は約400〜約800mg、又は約5.7〜約12mg/kgであり、第二の徐放用量は約200〜約300mg、又は約2.9〜約4.3mg/kgである。別の実施形態では、イブプロフェンの初回用量は、約300〜600mg、又は約4.3〜約8.6mg/kgであり、第二の徐放用量は約300〜約600mg、又は約4.3〜約8.6mg/kgである。別の実施形態では、初回用量及び第二の用量は、ほぼ同量の活性成分を送達する。
【0023】
イブプロフェンが使用される本発明の特定の実施形態では、初回用量は約400mg又は約5.7mg/kgであり、第二の徐放用量は約200mg、又は約2.9mg/kgである。更に、かかる実施形態における初回用量は、使用される特定の活性成分の治療範囲量内にあり、同じく使用される特定の活性成分の治療範囲量内にある第二の用量のレベルの約2倍である。イブプロフェンが使用される本発明の別の実施形態では、初回用量は約300mg、又は約4.3mg/kgであり、第二の徐放用量も約300mg、又は約4.3mg/kgである。
【0024】
本発明の好適な実施形態では、12時間の開始時点で、最初に初回用量のプロピオン酸誘導体を哺乳動物に与え、更に第二の徐放用量のプロピオン酸誘導体も与え、初回用量が第二用量の少なくとも2倍である、単回投与工程により、12時間の期間にわたり哺乳動物にプロピオン酸誘導体が投与される。12時間の期間の間に更にプロピオン酸誘導体は与えられない。
【0025】
特定の実施形態では、本発明は、初回用量の投与から特定の活性成分のATDAIRDの約0.5倍の時間が経過する時間までの内に、使用される特定の活性成分の治療範囲量内にある第一のピーク血漿濃度を提供し、初回用量の投与から特定の活性成分のATDAIRDの約0.8倍〜1.2倍の時間が経過するまでの間に、使用される特定の活性成分の治療範囲量内にある第二の血漿濃度を提供する。一実施形態では、初回用量の投与よりATAIRDの約2倍の時間が経過した後のNSAIDの血漿濃度は、使用される特定の活性成分の既知の治療範囲量未満である。
【0026】
活性成分が約5時間のATDAIRDを有する特定の実施形態では、本発明は、使用される特定の活性成分の治療範囲量内の第一のピーク血漿濃度を、初回用量の投与から約10〜約30分後に提供し、使用される特定の活性成分の治療範囲量内の第二の血漿濃度を、初回用量投与後の約2〜約6時間の間、又は約2〜約8時間の間に提供する。一実施形態では、初回用量投与後約10時間でのNSAIDの血漿濃度は、使用される特定の活性成分の既知の治療範囲量未満である。
【0027】
イブプロフェンが使用される特定の実施形態では、本発明は、哺乳動物において約20〜約30mcg/mLのイブプロフェンの第一のピーク血漿濃度を、初回用量の投与から約10〜約120分後に提供し、約10〜約30mcg/mLのイブプロフェンの第二の血漿濃度を、初回用量の投与から約3〜約6時間後に提供する。イブプロフェンが使用される別の特定の実施形態では、本発明は、哺乳動物において約20〜約30mcg/mLのイブプロフェンの第一のピーク血漿濃度を、初回用量の投与から約30〜約120分後に提供し、約10〜約30mcg/mLのイブプロフェンの第二の血漿濃度を、初回用量の投与から約3〜約8時間後に提供する。一実施形態では、初回用量投与後約10時間におけるイブプロフェンの血漿濃度は、約10mcg/mL未満である。別の実施形態では、第二の用量から約6時間後のイブプロフェンの血漿濃度は、約15mcg/mL未満である。
【0028】
NSAIDは例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセルなどの固体剤形、シロップ及び懸濁液などの液体剤形などの各種の剤形で、好ましくは各種の溶解性を持った複数のNSAIDのコアを有する錠剤の剤形で投与されることができる。初回及び第二の用量を単回投与工程で投与することができる。一実施形態では初回及び第二の用量は単回投与工程、好ましくは単一固体剤形で投与される。例えば、かかる剤形は、初回用量のNSAIDを含む即時放出部分、及び第二の用量のNSAID又はアセトアミノフェンを含む徐放部分を含む単回投与工程を含むことができる。かかる単一固体剤形は、第一の即時放出用量が1層により提供され、第二の徐放用量が第二の層により提供される多層の錠剤であってよい。単一固体剤形は、第一の即時放出用量が微粒子の1部分により提供され、第二の徐放用量が微粒子の第二の部分により提供されるなどの多微粒子錠剤で提供されてよい。
【0029】
初回用量は、米国薬局方(United States Pharmacopeia(USP))における、その活性成分を含む即時放出錠剤の規格に適合する。例えば、イブプロフェン錠剤については、USP 24はpH7.2のリン酸緩衝液中で、50rpmのUSP装置2(パドル)を用いて、薬剤注入後60分以内に、その剤形に含まれるイブプロフェンの少なくとも80%が剤形から放出されることを規定している(USP 24、2000年版19〜20及び856(1999)を参照のこと)。
【0030】
本発明の各種の投薬法の薬剤動態の血液プロファイルは、シミュレーション・プログラムを用いて計算された。シミュレーションズ・プラス社(Simulations Plus,Incorporated)から入手可能であるGastroplus(商標)シミュレーター・ソフトウエアのPKPlus(商標)モジュール部分が、最初に、即時放出イブプロフェン投与の最良型のACAT(Advanced Compartmental Absorption and Transit)モデルの決定のために使用された。イブプロフェンの静脈血漿内のデータは、マーチン(Martin)・W.,コーロスク(Koelowske)・G.,トベリッヒ(Toberich)・H.,カークマン(Kerkman)・T.「ヒトにおけるイブプロフェンリジン塩の経口投与後の薬物動態及び絶対的生体利用効率(Pharmacokinetics and absolute bioavailability after oral administration of ibuprofen lysine in man)」,Biopharmaceutics&Drug Disposition 11(3):265〜78,April,1990の試験により得られた。
【0031】
5分間の注入時間内に、200mg、又は400mgのイブプロフェンが静脈注入溶液として投与された。以下の時点(時間単位)での血漿濃度がPK Plusモジュールに入力された;0.0、0.017、0.033、0.05、0.067、0.1、0.167、0.333、0.5、0.667、1.0、1.5、2.0、3.0、4.0、6.0、8.0。血漿濃度対時間のデータは、シルク・サイエンティフィック社(Silk Scientific Inc.)から入手可能なUN−SCAN−ITTM graph digitizing softwareのサマリー・グラフ(summary graph)を用いて抽出された。PK Plusモジュール部分は、薬物動態学的パラメーターを算出し、適合度(goodness of fit)及びNoncompartment、One−Compartment、Two−Compartment及びThree−Compartmentモデルについての赤池の情報量基準(Akaike Information Criterion)の計算を実行した。最小の赤池の情報量基準値に基づき、two及びthree−compartmentモデルが最適の適合度を有するものとして選ばれた。
【0032】
上記の情報に基づき、薬物動態学的モデルが得られると直ぐに、経口投与に基づく吸収モデルが選択された。これらのモデルに基づき、イブプロフェン200mgの4時間間隔での3回の投与、イブプロフェン600mgの単回投与、及び400mg投与、続いて4時間後に200mg投与、の3つの即時放出の処置について、シミュレートされた血漿濃度(Cp)対時間の曲線が導出された。この曲線の検査により、three−compartmentモデルは、非常に僅かな適合の利益しか与えないことが決定され、two compartmentの線形薬物動態学的モデルが考慮された。
【0033】
Gastroplus(商標)ソフトウエアのいくつかの異なるスクリーンは、最適用量曲線を発生させるように修正された。化合物スクリーンは以下の可変のパラメーターを有する:
剤形:複数混合用量
初回用量(mg):400(実施例)
後続用量(mg):200(実施例)
投与間隔(時間):4
薬剤容積(mL):250
基準のためのpH溶解度:1
溶解度(mg/mL@pH=7):1
平均沈降時間(sec):900
薬剤粒子密度(g/mL):1.2
有効粒子半径(μ):25
沈降係数(cm×10)=0.9388
Peff−有効透過率(cm/s×10):10
分子量=206.28
参照Log D=3.72@pH=1
Gastroplus(商標)の生理学スクリーンは以下の可変のパラメーターを有する:
胃:有効透過率=10;pH=6.70;輸送時間(時間)=0.25
十二指腸:有効透過率=10;pH=6.00;輸送時間(時間)=0.47
空腸1:有効透過率=10;pH=6.20;輸送時間(時間)=0.47
空腸2:有効透過率=10;pH=6.40;輸送時間(時間)=0.47
回腸1:有効透過率=10;pH=6.60;輸送時間(時間)=0.47
回腸2:有効透過率=10;pH=6.80;輸送時間(時間)=0.47
回腸3:有効透過率=10;pH=7.20;輸送時間(時間)=0.47
回腸4:有効透過率=10;pH=7.50;輸送時間(時間)=0.47
結腸:有効透過率=10;pH=5.00;輸送時間(時間)=18.00
【0034】
Gastroplus(商標)のpKaテーブル・スクリーン(table screen)は、基準化合物のpHによる溶解度を、加えられたpKa値に応じて計算する。
【0035】
これらのシミュレーションに基づき、最適クリアランス及びミクロ定数(micro-constant)がヒト絶食消化管モデルを用いて導出された。血漿中の非結合イブプロフェンの画分は、1.5%に設定され、ヒトの体重に基づき最適クリアランス値は0.04789リットル/時間/kgに設定された。
【0036】
以下の実施例は、更に本発明を例示するが、本発明をいかなる様式においても限定することは意図されていない。
【実施例】
【0037】
(実施例1〜4)
上記の図は、シミュレートされた溶解曲線から導出された。イブプロフェン錠剤の一般的な溶解は、37℃で、900mLのpH7.2のリン酸緩衝液中で50rpmで回転するUSP装置#2(パドル)を用いる。リン酸緩衝液は、6.067gの無水リン酸水素二カリウム及び2.067gの無水リン酸二水素カリウムを800mLの脱イオン水に溶解して調製される。次いでそれを脱イオン水により1000mLに希釈し完全に混合する。さまざまな時点(グラフに示される)において、約10mLのサンプルを溶解容器から取り出し、Waters μ−Bondapak(登録商標)C−18カラム及び254nmに設定されたUV検出器を装備した、高圧液体クロマトグラフィーにより分析する。流速は2.0mL/分である。注入容積は100mcLである。移動相は、それぞれ55:45の比率で調製されたアセトニトリルと0.1M酢酸である。
【0038】
以下の実施例のそれぞれが、1投与当たり2用量の錠剤を表わしている。
【0039】
実施例1:200mgの即時放出(IR)層及び100mgの徐放(SR)層より成り、即時放出に次いで遅延された1次の放出の放出プロファイルを有するイブプロフェン300mgの二層錠(コーティングなし)。
【表2】

【表3】

【0040】
剤形は、表1及び表2の成分を用いて以下のように製造した。
【0041】
調合:
(a)イブプロフェン粉末、クロスカルメロースナトリウム及び食品、医薬品及び化粧品用黄色6号(表1)を個別に#40メッシュの篩により脱塊した。
(b)(a)からの脱塊されたイブプロフェン粉末、クロスカルメロースナトリウム及び医薬品及び化粧品用黄色6号を適切なV−混合装置(V-blender)中で15分間混合した。
(c)ステアリン酸マグネシウム(表1)も#40メッシュの篩を通して脱塊し、(b)の混合物に加えて3分間混合した。
(d)イブプロフェン粉末、ラクトース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び食品、医薬品及び化粧品用赤色40号(表2)を#40メッシュの篩を通して脱塊した。
(e)(d)からの脱塊されたイブプロフェン粉末、ラクトース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び食品、医薬品及び化粧品用赤色40号を、適切なV−混合装置中で15分間混合した。
(f)ステアリン酸マグネシウム(表2)も#40メッシュの篩を通して脱塊し、(e)の混合物に加えて3分間混合した。
【0042】
錠剤化:
(1)(f)からの最終混合物を秤量(338.98mg)し、アッパー・パンチ0.95cm(3/8インチ)で金型の内側を手で僅かに軽くたたいて、第一の圧縮前の層を形成する。
(2)(c)からの最終混合物も秤量(212.8mg)し、金型の中の第一の圧縮前の層の表面上に充填して、第二の層を形成する。
(3)二層錠(551.78mg)を、0.95cm(3/8インチ)の丸型の浅い凹面のツールセットを備えたカーバー圧縮装置(Carver Press、ウイスコンシン州メノモニーフォールズ)(Menomonee Falls,WI)中で、13,344.7N(3000ポンド)の圧縮力で形成する。
【0043】
実施例2:150mgのIR層及び150mgのSR層より成り、即時放出に次いで遅延された1次の放出の放出プロファイルを有するイブプロフェン300mgの二層錠(コーティングなし)。
【表4】

【表5】

【0044】
調合:
(a)イブプロフェン粉末、クロスカルメロースナトリウム、及び結晶セルロース並びに食品、医薬品及び化粧品用黄色6号(表3)を個別に#40メッシュの篩を通して脱塊する。
(b)(a)からの脱塊されたイブプロフェン粉末、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース及び食品、医薬品及び化粧品用黄色6号を適切なV−混合器中で15分間混合する。
(c)ステアリン酸マグネシウム(表3)も#40メッシュの篩を通して脱塊し、(b)の混合物に加えて3分間混合した。
(d)イブプロフェン粉末、ラクトース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び食品、医薬品及び化粧品用赤色40号(表4)を#40メッシュの篩を通して脱塊した。
(e)(d)からの脱塊されたイブプロフェン粉末、ラクトース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び食品、医薬品及び化粧品用赤色40号を、適切なV−混合装置中で15分間混合した。
(f)ステアリン酸マグネシウム(表4)も#40メッシュの篩を通して脱塊し、(e)の混合物に加えて3分間混合した。
【0045】
錠剤化:
(1)(f)からの最終混合物を秤量(340.91mg)し、アッパー・パンチ0.95cm(3/8インチ)で金型の内側を手で僅かに軽くたたいて、第一の圧縮前の層を形成する。
(2)(c)からの最終混合物も秤量(214.3mg)し、金型の中の第一の圧縮前の層の表面上に充填して、第二の層を形成する。
(3)二層錠(555.21mg)を、0.95cm(3/8インチ)の丸型の浅い凹面のツールセットを備えたカーバー圧縮装置(Carver Press、ウイスコンシン州メノモニーフォールズ)(Menomonee Falls,WI)中で、13,344.7N(3000ポンド)の圧縮力で形成する。
【0046】
実施例3:200mgのIR層及び100mgのSR層より成り、即効(即時)型放出に次いで遅延されたゼロ次の放出の放出プロファイルを有するイブプロフェン300mgのコーティングされた二層錠。
【表6】

【0047】
工程A:ゼラチンのコーティング溶液の調製(表5)
1.適切なビーカーを、75℃の水浴中に浸漬する。
2.ビーカーに水を加え、水温を平衡させる。
3.ゼラチンをビーカー内にゆっくりと分散させ、全てのゼラチンが溶解するまでミキサーを撹拌し続ける。
4.ゼラチン溶液を60℃のオーブン中に12時間配置する。
【表7】

【0048】
工程B:ポリマー性コーティング分散の調製(表6)
1.適切なビーカーを、90℃の水浴中に浸漬する。
2.ビーカーに水を加え、水温を平衡させる。調製処理中にわたって、温度を90℃に維持する。
3.ジェランガムLT 100をビーカー内にゆっくりと分散させ、溶解するまでミキサーを撹拌し続ける。
4.ゲルカリンGP 812をビーカー内にゆっくりと分散させ、溶解するまでミキサーを撹拌し続ける。
5.HPMCをビーカー内にゆっくりと分散させ、十分に分散するまでミキサーを撹拌し続ける。
【0049】
実施例1で得られた二層錠剤のSR層(表2で調製された第二の層)の底面の周囲を表6のポリマー溶液で被覆し、表5のゼラチン溶液でIR層(表1で調製された第一の層)の上部表面の周囲を被覆する。これにより、突発放出に続くゼロ次の放出を持つ剤形が達成される。
【0050】
実施例4:150mgのIR層及び150mgのSR層より成り、即効(即時)型放出に次いで遅延されたゼロ次の放出の放出プロファイルを有するイブプロフェン300mgの二層錠。
実施例2で得られた二層錠剤のSR層(表4で調製された第二の層)の底面の周囲を表6のポリマー溶液で被覆し、表5のゼラチン溶液でIR層(表3で調製された第一の層)の上部表面の周囲を被覆する。これにより、突発放出に続くゼロ次の放出を持つ剤形が達成される。
【0051】
第I部:錠剤の被覆手順(実施例3及び実施例4)
0.95cm(3/8インチ)の寸法の丸型の形状を持つ実験室スケールの熱サイクル成形ユニットを二層錠剤のコアへのシェル部分の塗布に用いた。成形ユニットは、上部型空洞を含む上部金型組み立て品部分及び下部型空洞を含む下部金型組み立て品部分より形成される単一金型組み立て品を含む。二組のコーティングされた錠剤が、実施例3及び実施例4に記載された方法に従い調製される。実施例1又は実施例2に記載された方法に従い調製された二層錠のコアは、型空洞の中に挿入される。下部金型組み立て品部分は、まず90℃のホットステージに2分間循環される。工程Bに記載された方法に従って調製されたポリマー性コーティングのコーティング溶液(表6)が、錠剤のSR層部分(表2又は表4)を覆うために下部型空洞の中に注入される。
【0052】
空の上部金型組み立て品部分は下部金型組み立て品部分と嵌合される。次いで金型組み立て品は第一のコーティング部分を硬化するために2℃のコールドステージに60秒間循環される。空の上部金型組み立て品部分は下部金型組み立て品部分から取り除かれる。上部金型組み立て品部分は、90℃のホットステージに2分間循環される。
【0053】
2℃に維持されている下部金型組み立て品部分は、上部金型組み立て品部分と、実施例1又は実施例2のコアが上部金型組み立て品の第一のコアステーションに嵌合されるように嵌合される。
【0054】
工程Aで記載され調製されたゼラチンコーティング溶液(表5)が、錠剤コアのIR層の部分(表1又は表3)を覆うために上部金型組み立て品部分に注入される。次いで、上部金型組み立て品部分は、第二のコーティング部分を硬化するために2℃のコールドステージに90秒間循環される。次いで、下部金型組み立て品部分が取り除かれ、仕上がりの剤形である、2等分された2つのコーティング物質により被覆された、成形された錠剤が上部型空洞から押し出される。コーティング材料による重量の増加(すなわち、コアと仕上がり剤形の間の重量差)が記録される。次いで被覆された錠剤はオーブン中で50℃で24時間乾燥される。
【0055】
〔実施態様〕
(1) 非ステロイド性抗炎症薬の投与方法であって、哺乳動物に、初回の即時放出用量の前記非ステロイド性抗炎症薬と、前記初回の即時放出用量以下の第二の徐放用量の前記非ステロイド性抗炎症薬とを与えること、から成り、前記非ステロイド性抗炎症薬が、前記第二の用量が投与された後、少なくとも約6時間持続する治療効果の持続時間を有する、非ステロイド性抗炎症薬の投与方法。
(2) 前記初回用量が、前記第二の用量の少なくとも約2倍である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記初回用量が、前記第二の用量と同量である、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記初回用量及び前記第二の用量が、同量の薬学的活性成分を提供する、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記第二の徐放用量が、ゼロ次である、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記第二の徐放用量が、1次である、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記初回用量が、イブプロフェンであり、約5.7mg/kg〜約12mg/kgを提供し、前記第二の用量のイブプロフェンが、約2.5mg/kg〜約4mg/kgである、実施態様2に記載の方法。
(8) 前記初回用量が、イブプロフェンであり、約5.7mg/kgを提供し、前記第二の徐放用量のイブプロフェンが、約2.86mg/kgである、実施態様2に記載の方法。
(9) 前記初回用量が、イブプロフェンであり、約4.3mg/kg〜約8.6mg/kgを提供し、前記第二の用量のイブプロフェンが、約4.3mg/kg〜約8.6mg/kgである、実施態様3に記載の方法。
(10) 前記初回用量が、イブプロフェンであり、約4.3mg/kgを提供し、前記第二の徐放用量のイブプロフェンが、約4.3mg/kgである、実施態様3に記載の方法。
【0056】
(11) 前記非ステロイド性抗炎症薬が、プロピオン酸誘導体である、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、ナプロキセンナトリウム、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブプロフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロフェン、プラノプロフェン、ミクロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、及びブクロクス酸、よりなる群から選択される、実施態様6に記載の方法。
(13) 前記プロピオン酸誘導体がイブプロフェンである、実施態様7に記載の方法。
(14) 前記初回用量及び前記第二の用量が、前記哺乳動物に単回投与工程で投与される、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記単回投与工程が、前記初回用量の非ステロイド性抗炎症薬を含む即時放出部分、及び、前記第二の用量の非ステロイド性抗炎症薬を含む徐放部分を含む、実施態様13に記載の方法。
(16) 前記単回投与工程が、固体剤形である、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記治療効果が、疼痛緩和である、実施態様1に記載の方法。
(18) 前記治療効果が、発熱の低下である、実施態様1に記載の方法。
(19) 12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、前記初回用量の約30〜約120分後に、前記哺乳動物において約20〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第一のピーク血漿濃度を提供し、前記初回用量の投与の約3〜約6時間後に、約10〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第二の血漿濃度を提供すること、を含む、投与方法。
(20) 12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、前記初回用量の約30〜約120分後に、前記哺乳動物において約20〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第一のピーク血漿濃度を提供し、前記初回用量の投与の約3〜約6時間後に、約10〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第二の血漿濃度を提供すること、を含む、投与方法。
【0057】
(21) 前記初回用量投与後約3〜約8時間のイブプロフェンの第二の血漿濃度が、約10〜約30mcg/mLである、実施態様19に記載の方法。
(22) 12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、前記12時間の期間の開始時点で初回用量の前記即時放出型プロピオン酸誘導体を、それに付随して第二用量の徐放型プロピオン酸誘導体を、与えること、を含み、前記初回用量が、プロピオン酸誘導体の前記第二用量の少なくとも約2倍であり、前記12時間の期間中にそれ以上のプロピオン酸誘導体が与えられない、投与方法。
(23) 前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェンである、実施態様21に記載の方法。
(24) 前記初回用量が、300〜400mgであり、前記第二の用量が、200〜300mgである、実施態様17に記載の方法。
(25) 即時放出用量の非ステロイド性抗炎症薬を含む即時放出部分と、第二の用量の前記非ステロイド性抗炎症薬を含む徐放部分と、を含み、前記初回用量が、前記第二の用量の少なくとも約2倍である、剤形。
(26) 前記非ステロイド性抗炎症薬が、プロピオン酸誘導体である、実施態様24に記載の剤形。
(27) 前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、ナプロキセンナトリウム、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブプロフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロフェン、プラノプロフェン、ミクロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、及びブクロクス酸、よりなる群から選択される、実施態様25に記載の剤形。
(28) 前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェンである、実施態様23に記載の剤形。
(29) 前記剤形が、固体剤形である、実施態様23に記載の剤形。
(30) 前記即時放出用量が、約5〜約12mg/kgであり、前記第二の徐放用量が約2.5〜約6mg/kgである、実施態様23に記載の剤形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ステロイド性抗炎症薬の投与方法であって、哺乳動物に、初回の即時放出用量の前記非ステロイド性抗炎症薬と、前記初回の即時放出用量以下の第二の徐放用量の前記非ステロイド性抗炎症薬とを与えること、から成り、前記非ステロイド性抗炎症薬が、前記第二の用量が投与された後、少なくとも約6時間持続する治療効果の持続時間を有する、非ステロイド性抗炎症薬の投与方法。
【請求項2】
前記初回用量が、前記第二の用量の少なくとも約2倍である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初回用量が、前記第二の用量と同量である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記初回用量及び前記第二の用量が、同量の薬学的活性成分を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第二の徐放用量が、ゼロ次である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第二の徐放用量が、1次である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記初回用量が、イブプロフェンであり、約5.7mg/kg〜約12mg/kgを提供し、前記第二の用量のイブプロフェンが、約2.5mg/kg〜約4mg/kgである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記初回用量が、イブプロフェンであり、約5.7mg/kgを提供し、前記第二の徐放用量のイブプロフェンが、約2.86mg/kgである、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記初回用量が、イブプロフェンであり、約4.3mg/kg〜約8.6mg/kgを提供し、前記第二の用量のイブプロフェンが、約4.3mg/kg〜約8.6mg/kgである、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記初回用量が、イブプロフェンであり、約4.3mg/kgを提供し、前記第二の徐放用量のイブプロフェンが、約4.3mg/kgである、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記非ステロイド性抗炎症薬が、プロピオン酸誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、ナプロキセンナトリウム、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブプロフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロフェン、プラノプロフェン、ミクロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、及びブクロクス酸、よりなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記プロピオン酸誘導体がイブプロフェンである、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記初回用量及び前記第二の用量が、前記哺乳動物に単回投与工程で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記単回投与工程が、前記初回用量の非ステロイド性抗炎症薬を含む即時放出部分、及び、前記第二の用量の非ステロイド性抗炎症薬を含む徐放部分を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記単回投与工程が、固体剤形である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記治療効果が、疼痛緩和である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記治療効果が、発熱の低下である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、前記初回用量の約30〜約120分後に、前記哺乳動物において約20〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第一のピーク血漿濃度を提供し、前記初回用量の投与の約3〜約6時間後に、約10〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第二の血漿濃度を提供すること、を含む、投与方法。
【請求項20】
12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、前記初回用量の約30〜約120分後に、前記哺乳動物において約20〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第一のピーク血漿濃度を提供し、前記初回用量の投与の約3〜約6時間後に、約10〜約30mcg/mLの前記プロピオン酸誘導体の第二の血漿濃度を提供すること、を含む、投与方法。
【請求項21】
前記初回用量投与後約3〜約8時間のイブプロフェンの第二の血漿濃度が、約10〜約30mcg/mLである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
12時間の期間にわたる、プロピオン酸誘導体の哺乳動物への投与方法であって、前記12時間の期間の開始時点で初回用量の前記即時放出型プロピオン酸誘導体を、それに付随して第二用量の徐放型プロピオン酸誘導体を、与えること、を含み、前記初回用量が、プロピオン酸誘導体の前記第二用量の少なくとも約2倍であり、前記12時間の期間中にそれ以上のプロピオン酸誘導体が与えられない、投与方法。
【請求項23】
前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェンである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記初回用量が、300〜400mgであり、前記第二の用量が、200〜300mgである、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
即時放出用量の非ステロイド性抗炎症薬を含む即時放出部分と、第二の用量の前記非ステロイド性抗炎症薬を含む徐放部分と、を含み、前記初回用量が、前記第二の用量の少なくとも約2倍である、剤形。
【請求項26】
前記非ステロイド性抗炎症薬が、プロピオン酸誘導体である、請求項24に記載の剤形。
【請求項27】
前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、ナプロキセンナトリウム、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブプロフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロフェン、プラノプロフェン、ミクロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、及びブクロクス酸、よりなる群から選択される、請求項25に記載の剤形。
【請求項28】
前記プロピオン酸誘導体が、イブプロフェンである、請求項23に記載の剤形。
【請求項29】
前記剤形が、固体剤形である、請求項23に記載の剤形。
【請求項30】
前記即時放出用量が、約5〜約12mg/kgであり、前記第二の徐放用量が約2.5〜約6mg/kgである、請求項23に記載の剤形。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2010−536748(P2010−536748A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520972(P2010−520972)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/075990
【国際公開番号】WO2009/023030
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】