説明

厚膜型熱電発電モジュールの構造

【課題】曲面形状への設置が可能で、大きな発電出力を発生する厚膜型熱電発電モジュールの構造を提供する。
【解決手段】N型1とP型2の半導体の熱電素子の厚膜が絶縁基板4上に形成された熱電変換モジュールであって、当該絶縁基板は熱電素子の1/2から1/100の範囲の熱伝導率を有する材料から構成され、熱電変換モジュールを構成するN型とP型の半導体を対とする熱電素子の厚膜が絶縁基板上に形成されており、また、当該絶縁基板の背面には空冷構造5を備え、前記N型とP型の半導体の熱電素子を電気的に接続させた構造を有し、絶縁基板の端面より熱を流入させることで発電するようにしたことを特徴とする熱電変換モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然冷却でも熱電発電モジュールに発生する温度差を大きくすることができる厚膜型熱電発電モジュールの構造に関するものであり、更に詳しくは、熱電素子の厚膜を特定の熱伝導率を有する絶縁基板上に形成し、かつ当該絶縁基板の背面に空冷構造を配設した構造を有する厚膜型熱電変換モジュールに関するものである。本発明は、熱電変換モジュールを構成する熱電素子に、自然冷却でも、発電に十分な温度差を形成して大きな発電出力を発生させることが可能であり、また、モジュールの設置面が平面に限定されることなく、曲面形状へも設置することが可能な新しい厚膜型熱電変換モジュールを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
熱電変換装置は、プラントや自動車といった産業機器や、民生機器から常に発生する廃熱を、直接に電気エネルギーに変換することができる技術であり、エネルギー効率の向上に貢献することが期待されている。この熱電変換装置は、N型とP型の半導体の熱電素子が電気的に接続された構造を有し、熱電素子に温度差を与えることで起電力を発生させて発電を行うものである。
【0003】
この起電力は、熱電素子に与えられる温度差に比例して増大するため、発電量を増加させるには、熱電素子に与えられる温度差を大きくとれるようにすることが重要となる。熱電素子は、以下の式で定義される熱伝導率に対する性能指数が高いものであることが望ましいとされている。
Z=σS/κ
ここで、σは電気伝導率、Sはゼーベック係数、κは熱伝導率である。σとSが高いほど、また、κが低いほど、熱電変換装置の効率が向上する。
【0004】
熱電変換装置の熱電素子に温度差を与える方法としては、装置の冷却側に放冷フィンを取り付けた自然冷却や、水冷等により強制冷却する方法が、既知の技術として知られている。また、従来の熱電変換装置では、熱源部と装置との電気的な絶縁を達成するために、酸化アルミニウム等のセラミックスに熱電素子を配置した構造となっている。
【0005】
すなわち、従来の熱電変換装置では、熱源部と熱電素子との絶縁性を確保するために、セラミックス平板を熱源部と熱電素子に介在させる必要があり、そのため、熱電変換装置を、曲面形状へ設置することが困難であるという問題があった。この問題を解決する方法として、円弧形状や管形状等の曲面を有する場合に設置することができる熱電変換モジュールを提供するために、基板に柔軟性を有する材質からなる電気絶縁性フィルム等を使用する熱電変換素子が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0006】
しかし、これらの先行技術のうち、特許文献1の熱電変換モジュールでは、熱電素子に温度差を発生させる構造については何も考慮されておらず、一方、特許文献2では、2種類以上の熱伝導率の異なる材料で構成された柔軟性を有するフィルム状基板を設け、熱伝導率の低い方は絶縁体であり、熱電変換モジュール側に位置するように構成することで、熱電素子に温度差を発生させる構造が提案されているが、基板に柔軟性を有する材質を使用した熱電変換素子では、熱電素子が薄膜形状であるため、熱電素子の電気抵抗が高く、発電出力が低いという問題がある。
【0007】
また、他の先行技術として、絶縁基板の表面にn型とp型の酸化物半導体厚膜をそれぞれ細線状に形成した厚膜熱電素子が提案されている(特許文献3)。この文献の厚膜熱電素子では、絶縁基板へのペースト焼き付けによる厚膜形成方法が、薄膜よりも安価で容易であることが記載されているが、熱電素子に有効に温度差を発生させる構造に関しては何も考慮されていない。
【0008】
これらの方法とは別に、他の先行技術として、金属製の板状体の放熱フィンに熱電素子を配置し、放熱フィンを熱源に設置する熱電変換装置が提案されている(特許文献4)。しかしながら、この文献の熱電変換装置では、金属製の板状体の高い熱伝導率のために、熱電素子に温度差がつきにくいという問題がある。また、他の先行技術として、ほぼ2直角に開いた扇形状の熱電厚膜素子とすることで、温度差を有効に発生するようにした熱電気変換モジュールが提案されている(特許文献5)。
【0009】
この文献の熱電気変換モジュールによれば、熱源側と冷却側の受熱面積と放熱面積に差があるため、温度差がつきやすい構造となっているが、熱電素子材料の熱伝導率が高い場合には、熱電素子に温度差をつけることが難しく、水冷等の強制空冷が必要となり、また、絶縁基板の熱伝導率が高い場合にも、熱電素子に温度差が低下するため、出力低下が起こるという問題がある。
【0010】
このように、従来技術として、種々の構造を有する熱電変換装置が提案されているが、当技術分野においては、上述の熱電変換装置にみられるような問題がなく、厚膜型熱電変換装置で、構造が簡単で、作製が容易であり、自然冷却でも熱電素子に有効な温度差を発生させることが可能で、しかも、曲面形状への設置が可能な新しい熱電変換装置の開発が強く要請されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3390829号公報
【特許文献2】特開2000−286463号公報
【特許文献3】特開2006−186255号公報
【特許文献4】特開平2−260581号公報
【特許文献5】特開平7−153998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、構造が比較的簡便で、自然冷却でも発電に十分な温度差を形成して大きな発電出力を発生させることが可能であり、また、モジュールの設置面が平面に限定されることなく、曲面形状への設置が可能な熱電変換モジュールを開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、熱電素子に対して特定の熱伝導率を有する絶縁基板にN型とP型の半導体を対とする熱電素子の厚膜を形成し、かつ当該絶縁基板の背面に空冷構造を形成した構造とすることにより所期の目標を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明は、上記のような厚膜型熱電発電モジュールの構造とすることで、自然冷却でも発電に十分な温度差を形成することが可能な厚膜型熱電変換モジュールを提供することを目的とするものである。また、本発明は、設置面が平面に限定されることがなく、曲面形状への設置を可能とした厚膜型熱電変換モジュールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を達成するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)N型とP型の半導体の熱電素子の厚膜が絶縁基板上に形成された厚膜型熱電変換モジュールであって、当該絶縁基板は熱電素子の1/2から1/100の範囲の熱伝導率を有する材料から構成され、熱電変換モジュールを構成するN型とP型の半導体を対とする熱電素子の厚膜が絶縁基板上に形成されており、当該絶縁基板の背面に空冷構造を備え、前記N型とP型の半導体の熱電素子を電気的に接続させた構造を有することを特徴とする熱電変換モジュール。
(2)絶縁基板の端面より熱を流入させ、絶縁基板の背面の空冷構造の冷却フィンより放熱させることで発電する、前記(1)に記載の熱電変換モジュール。
(3)前記空冷構造が、複数の構成要素に分割された分割構造体からなり、熱電変換モジュールの低温側における冷却能力が当該熱電変換モジュールの高温側の冷却能力よりも高いものである、前記(1)又は(2)に記載の熱電変換モジュール。
(4)前記空冷構造が、熱源に接触しないモジュール構造を有する、前記(1)から(3)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
(5)前記熱電素子の厚膜が、厚さ100μmから5mmである、前記(1)から(4)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
(6)前記熱電素子が、ビスマスもしくはテルルを含む材料からなる、前記(1)から(4)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
(7)前記熱電素子が、ケイ素を含む材料からなる、前記(1)から(4)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
(8)前記熱電素子が、酸化物を含む材料からなる、前記(1)から(4)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
【0015】
本発明は、N型とP型の半導体の熱電素子の厚膜が絶縁基板上に形成された厚膜型熱電変換モジュールの構造に係るものであり、絶縁基板は、熱電素子の1/2から1/100の範囲の熱伝導率を有する材料から構成され、熱電変換モジュールを構成するN型とP型の半導体を対とする熱電素子の厚膜が絶縁基板上に形成されていること、また、熱電発電モジュールは、絶縁基板の背面に空冷構造を備え、前記N型とP型の半導体を電気的に接続させた構造を有し、絶縁基板の端面より熱を流入させることで発電させること、を特徴とするものである。
【0016】
本発明は、温度差を利用して熱を電気に変換する熱電変換装置に係るものであり、熱電素子よりも低い熱伝導率を有する板材にN型とP型の半導体を対とする熱電素子の厚膜が形成されており、それらのN型とP型の半導体を電気的に接続させた構造を有する。本発明では、熱は、絶縁基板の端部を通して流入させ、主に、絶縁基板の背面の空冷構造体より放熱させる。図1に、本発明の厚膜型熱電変換モジュールの構成例(1:N型半導体、2:P型半導体、3:電極、4:絶縁基板、5:冷却フィン)を示す。
【0017】
本発明では、熱電素子の厚膜を絶縁基板上に形成し、当該絶縁基板の端部を通して熱をモジュールに流入させる。したがって、熱電変換モジュールの温度分布をコントロールし、ひいては熱電変換モジュールに発生する温度差を最大化するために、絶縁基板の熱伝導率の選定が重要となる。
【0018】
本発明では、絶縁基板の熱伝導率は、熱電素子の熱伝導率を考慮して選定する必要があり、絶縁基板の熱伝導率は、熱電素子の1/2から1/100の範囲、より好ましくは、1/10から1/50の範囲、更に好ましくは、1/20から1/30の範囲にすることが重要である。絶縁基板の熱伝導率が、熱電素子の熱伝導率の1/2よりも大きい場合には、絶縁基板に生ずる温度分布が一様となり、大きな温度差を形成することが困難となり、そのため、熱電変換モジュールの発電出力は、非常に小さな値となってしまうので好ましくない。
【0019】
一方、絶縁基板の熱伝導率が、熱電素子の熱伝導率の1/100よりも小さい場合には、絶縁基板が、断熱材のように働くため、熱電素子の温度は一様な値となり、その結果、発電出力が低下するので好ましくない。
【0020】
絶縁基板の材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、石英に加え、アルミナ系、マグネシア系、シリカ系、チタニア系等の材料が例示される。また、熱電素子の材料としては、例えば、ビスマスないしテルルを含む材料、ケイ素を含む材料、酸化物を含む材料等が例示される。しかし、本発明は、これらの材料に限定されるものではなく、絶縁基板と熱電素子の材料は、絶縁基板が熱電素子の1/2から1/100の範囲の熱伝導率を有する条件を満たすものであれば適宜使用することができる。
【0021】
N型とP型の半導体の熱電素子の厚膜は、例えば、半導体熱電素子の材料ペーストをスクリーン印刷法で基板に積層させる方法、半導体熱電素子の材料を溶射ガンを用いた溶射法により基板上に形成する方法、遠心力を加えながら溶融凝固させる方法、粉末を高速で吹き付ける方法、等を利用して、適宜の形態及び厚さの熱電素子厚膜を形成することができる。熱電素子の厚さは、通常、1μm〜5mmとされるが、本発明は、熱電素子の材料、厚膜の厚さ及び形態については、特に制限されるものではない。
【0022】
次に、更に発電出力を増大させるには、絶縁基板からの放熱量を増加させることが有効である。空冷による放熱を行う際には、空冷フィンの表面積が大きい場合ほど冷却効率が向上する。このような空冷構造を容易に達成するには、絶縁基板の背面に、空冷フィンを設置することが有効である。この場合、絶縁基板の側面に空冷構造を設置することも可能であるが、厚膜型熱電変換モジュールでは、絶縁基板の側面の設置面積はそれほど大きくないために、界面での熱抵抗が大きくなる傾向にあり、その効果は、限定的である。
【0023】
また、空冷構造を構成する構造体は、例えば、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料で構成されるために、空冷構造体が熱源に接触した場合には、ほとんどの熱が、直接、空冷構造体に流入・放出され、熱電変換モジュールに温度差がつかない。そのため、空冷構造体が熱源に接触しない熱電変換モジュール構造とすることが重要である。
【0024】
また、空冷構造体を一体構造に構成して連続体とした場合には、温度差がつきにくいため、複数の構成要素から構成した分離構造、例えば、複数のくし型放熱フィンを温度勾配の方向と垂直方向に間隔を開けて設置すること等が望ましい。その際、熱電変換モジュールの低温側の空冷構造体の冷却能力を高温側の冷却能力よりも高いものとすると、熱電変換モジュールに発生する温度差を大きくすることができる。このために、表面積の異なる放熱フィンを取り付けることが好ましい。
【0025】
放熱フィンの取り付けには、該放熱フィンと基板との接触面での熱伝達ロスを少なくすることが必要であり、絶縁基板の熱伝導率よりも高い熱伝導率の接着剤・接合材、例えば、ろう材、フィラー含有高熱伝導性接着剤、金属ペーストによって放熱フィンを固定することが望ましい。また、同様の冷却効果を生むために、熱電素子の配置面に電気絶縁を行い、絶縁基板の背面と同様な冷却構造を設置することも可能であるが、この場合、熱電発電モジュールの構造が複雑となる可能性がある。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)熱電素子の厚膜を、当該熱電素子に対して特定の熱伝導率を有する絶縁基板上に形成し、当該絶縁基板の背面に空冷構造を配設し、絶縁基板の端面を通して熱を熱電変換モジュールに流入させる厚膜型熱電変換モジュールを提供することができる。
(2)このような厚膜型熱電変換モジュールの構造とすることで、熱電素子に自然冷却でも発電に十分な温度差を形成することが可能となり、大きな発電出力を発生する熱電変換装置を提供することが可能となる。
(3)熱電発電モジュールの設置面が平面に限定されることなく、曲面形状への設置が可能な熱電変換モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の厚膜型熱電変換モジュールの構成例を示す。1は、N型半導体、2は、P型半導体、3は、電極、4は、絶縁基板、5は、冷却フィン、である
【図2】発電出力と熱伝導率の関係を示す。縦軸は、発電出力(Power)、横軸は、基板の熱伝導率(κsub)と熱電材料の熱伝導率(κTE)の比率である。実線は、MnSi1.73及びMgSiの熱伝導率の評価結果であり、点線は、熱電素子の熱伝導率を10及び30W/mKと想定した場合の解析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0029】
P型の熱電素子を、MnSi1.73とし、N型の熱電素子を、MgSiとし、これらの熱電素子をアルミナ珪酸質複合材料からなる絶縁基板に遠心加圧溶融法により厚膜を形成した。熱電素子の厚膜は、上記熱電素子に、約1,000Gの遠心力を付加させた状態で、1,100〜1,200℃の溶融の保持時間20分程度及び冷却による、溶融及び凝固のプロセスを行う遠心加圧溶融法により作製し、絶縁基板上に所定の形状に形成した。いずれも、熱電素子の形状を、厚さ1mm、長さ30mm、幅7mmとし、P型半導体とN型半導体の2対の構造とし、それらの端部を電気的に接続した。基板の寸法は、33×33×1mmとした。高温端を450℃とし、冷却は、自然冷却とした。空冷フィンを取り付けない場合の最大出力を評価した。
【0030】
図2に、発電出力と熱伝導率の関係を示す。縦軸は、発電出力(Power)、横軸は、基板の熱伝導率(κsub)と熱電材料の熱伝導率(κTE)の比率である。実線は、MnSi1.73及びMgSi熱電素子の熱伝導率の評価結果であり、点線は、熱電素子の熱伝導率が実際の熱伝導率よりも高い場合を想定した解析結果である。これらの結果より、基板の熱伝導率は、熱電素子の熱伝導率の1/2から1/100の範囲、特に、1/10から1/50の範囲にすることが有効であることが分かる。
【実施例2】
【0031】
P型の熱電素子を、MnSi1.73とし、N型の熱電素子を、MgSiとし、これらの熱電素子をアルミナ珪酸化合物からなる絶縁基板に、遠心加圧溶融法により厚膜を形成した。いずれも、熱電素子の形状を、厚さ1mm、長さ30mm、幅7mmとし、P型半導体とN型半導体の2対の構造とし、それらの端部を電気的に接続した。基板の寸法は、33×33×1mmとした。高温端を450℃とし、冷却は、自然冷却とした。基板の背面に冷却フィンを取り付けない場合は、60mWの出力であったが、冷却フィンを設置することにより、73mWの出力となり、出力が約20%向上した。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上詳述したように、本発明は、厚膜型熱電発電モジュールの構造に係るものであり、本発明により、出力特性の高い熱電変換モジュールが得られる。また、本発明により、熱電素子の厚膜を特定の熱伝導率を有する絶縁基板上に形成し、当該絶縁基板の端面を通して熱をモジュールに流入させることで発電する厚膜型熱電変換モジュールを提供することができる。また、熱電素子に自然冷却でも発電に十分な温度差を形成することが可能で、大きな発電出力を発生する熱電変換装置を提供することが可能であり、また、モジュールの設置面が平面に限定されることなく、曲面形状への設置が可能な熱電発電モジュールを提供することができる。本発明は、熱電素子に自然冷却でも発電に十分な温度差を形成して大きな発電出力を発生することが可能な厚膜型熱電変換モジュールを提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0033】
(図1の符号)
1 N型半導体
2 P型半導体
3 電極
4 絶縁基板
5 冷却ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N型とP型の半導体の熱電素子の厚膜が絶縁基板上に形成された厚膜型熱電変換モジュールであって、当該絶縁基板は熱電素子の1/2から1/100の範囲の熱伝導率を有する材料から構成され、熱電変換モジュールを構成するN型とP型の半導体を対とする熱電素子の厚膜が絶縁基板上に形成されており、当該絶縁基板の背面に空冷構造を備え、前記N型とP型の半導体の熱電素子を電気的に接続させた構造を有することを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項2】
絶縁基板の端面より熱を流入させ、絶縁基板の背面の空冷構造の冷却フィンより放熱させることで発電する、請求項1に記載の熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記空冷構造が、複数の構成要素に分割された分割構造体からなり、熱電変換モジュールの低温側における冷却能力が当該熱電変換モジュールの高温側の冷却能力よりも高いものである、請求項1又は2に記載の熱電変換モジュール。
【請求項4】
前記空冷構造が、熱源に接触しないモジュール構造を有する、請求項1から3のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
【請求項5】
前記熱電素子の厚膜が、厚さ100μmから5mmである、請求項1から4のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
【請求項6】
前記熱電素子が、ビスマスもしくはテルルを含む材料からなる、請求項1から4のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
【請求項7】
前記熱電素子が、ケイ素を含む材料からなる、請求項1から4のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
【請求項8】
前記熱電素子が、酸化物を含む材料からなる、請求項1から4のいずれかに記載の熱電変換モジュール。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−192776(P2010−192776A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37196(P2009−37196)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【出願人】(300068834)新東ブイセラックス株式会社 (8)