説明

原子炉内に所定の向きを有する燃料アセンブリを取り付けるためのアセンブリおよび方法

【課題】所定の向きを有する燃料アセンブリを原子炉の中に取り付けるためのアセンブリおよび方法を提供すること。
【解決手段】燃料アセンブリを原子炉10に取り付けるためのアセンブリおよび方法は、燃料アセンブリ22の中の燃料棒50および燃料アセンブリ噛合せ取付け具52の付いた下部タイプレート48を有する燃料アセンブリ22を含む。燃料担体36は、燃料担体36への燃料アセンブリ22の取付け中に燃料アセンブリ噛合せ取付け具52に選択的に係合するように構成された燃料担体噛合せ取付け具54を含む。燃料担体噛合せ取付け具54および燃料アセンブリ噛合せ取付け具52は、噛み合わせるとき燃料担体36に対する燃料アセンブリ22の所定の向きを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原子炉に関し、より詳細には、燃料アセンブリおよび炉心で燃料アセンブリを支持する燃料担体に関する。
【背景技術】
【0002】
この節での陳述は、本開示に関係した背景情報を単に提供するだけであり、従来技術を構成しない可能性がある。
【0003】
原子炉圧力容器(RPV)は、おおむね円筒形であり、両端が、例えば下部ヘッドおよび取り外し可能な上部ヘッドによって閉じられている。上部案内が、RPVの中に炉心板の上に間隔を開けて配置されている。炉心シュラウド、すなわちシュラウドが、炉心板を囲繞し、シュラウド支持構造で支持されている。特に、シュラウドは、おおむね円筒形であり、炉心板と上部案内の両方を囲繞している。上部案内は、いくつかの開口を含み、燃料アセンブリがその開口を通して挿入され、炉心板で支持されている。炉心板は、複数の梁で支持された平らな板を含む。
【0004】
原子炉炉心は、その炉心を動作させる戦略に影響を及ぼす様々な特性を有する複数の個々の燃料アセンブリを含んでいる。例えば、原子炉炉心は、一般に、異なる特性を有する数百の個々の燃料アセンブリを有し、各燃料バンドルが複数の燃料棒を有している。燃料アセンブリは、燃料アセンブリ間の相互作用が規制上かつ原子炉設計上の指針および制約を満たすように炉心内に配列される。さらに、炉心配列はサイクルエネルギーを決定する。サイクルエネルギーは、炉心に新しい燃料エレメントを補給することが必要になる前に原子炉炉心が発生するエネルギー量である。炉心ローディングの配列によって、好ましくは、炉心サイクルエネルギーが最適化される。
【0005】
炉心サイクルは、1つの定期的な炉心燃料補給から2回目の炉心燃料補給までで決定される。動作サイクルの過程で、炉心のエネルギー能力を決定する余剰反応度は、2つの方法で制御される。具体的には、可燃性ポイズン、例えばガドリニアが、新しい燃料に組み込まれる。初期可燃性ポイズンの量は、ユーティリティおよびNRCによって一般に定められる設計制約によって決定される。可燃性ポイズンは、余剰反応度の全てではないが大部分を制御する。第2の方法は、炉心内の制御棒の操作によっている。制御棒は余剰反応度を制御する。具体的には、炉心は制御棒を含み、その制御棒は安全停止を確実なものにし、最大出力ピーキング係数を制御する主要な機構を実現する。利用可能な制御棒の総数は、炉心の大きさおよびジオメトリで変化し、一般にひとつの炉心に50から269である。制御棒の位置、すなわち、完全挿入、完全引き抜き、またはその間の状態は、余剰反応度を制御しかつ最大炉心出力ピーキング係数などの他の動作制約を満たす必要性に基づいている。
【0006】
冷却材は炉心に導入されて、炉心を冷却し、かつエネルギー発生のための作用流体として蒸気に変わる。通常の冷却材流は、低サブクール冷却材とともに単層流として燃料アセンブリに入る。この流れは、縦方向上向きに燃料担体に近づき、それから、燃料アセンブリを支持する燃料担体の入口に入るときに横向きに向きを変える。次に、この流れは、燃料担体のオリフィスを通過して、燃料アセンブリに対する冷却材分布を助けるように圧力降下を生じる。次に、流れは、縦方向に向きを変え、燃料アセンブリの下部タイプレートに入り、燃料アセンブリの個々の燃料棒の周りに分布される。
【0007】
炉心設計は、燃料アセンブリ格子内の制御棒の設計および配置によって変わることがあることは知られている。しばしば、燃料アセンブリの格子は、燃料アセンブリが定められた向きであるように、様々に構成された燃料棒で構成されている。炉心は、原子炉の性能および動作を改善するために複数の方向付けされた燃料アセンブリを用いて設計される。しかし、燃料アセンブリは、一般に、燃料担体で画定される丸い穴またはオリフィスと噛み合うように構成された丸い形状のタイプレートを有している。タイプレートの棒状端部は、燃料担体からの流体流を受け取る内腔を含む。現在のタイプレート、燃料アセンブリ、および燃料担体は、燃料アセンブリが、設計され指定されたような炉心内の向きで燃料担体の上に確実に取り付けられるようにする能力を備えていない。燃料アセンブリの向きは、目視検査に基づいた燃料アセンブリ取付け作業員の責任である。したがって、原子炉設計の実施で遭遇する一般的な問題は、回転バンドルエラーと一般に呼ばれる間違った向きで取り付けられた燃料アセンブリが原因のエラーである。本発明の発明者によって明らかにされたように、回転バンドルエラーを無くすか少なくとも最小限にする改善されたアセンブリおよび方法が望ましい。
【特許文献1】米国特許第4,904,443号公報
【特許文献2】米国特許第5,229,068号公報
【特許文献3】米国特許第5,383,751号公報
【特許文献4】米国特許第6,418,178号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者は、燃料アセンブリの取付け中に、炉心内の燃料アセンブリの不適切な向きによる回転バンドルエラーを減少させ、ことによると完全に無くすアセンブリおよび方法を設計することに成功した。該アセンブリおよびこれの使用は、燃料担体に対する燃料アセンブリの向きを保証するために、燃料アセンブリ、特に燃料アセンブリのタイプレートと、燃料担体の間の噛合せ構成を含む。そのような改善された燃料アセンブリおよび燃料担体は、回転バンドルエラーの減少、ことによると除去を可能にすることができる。
【0009】
一態様によれば、燃料アセンブリを原子炉に取り付けるためのアセンブリは、燃料棒を燃料アセンブリの中に含み、かつ燃料アセンブリ噛合せ取付け具の付いた下部タイプレートを含む燃料アセンブリと、燃料担体噛合せ取付け具を含む燃料担体と、を含む。燃料担体噛合せ取付け具は、燃料担体に対する燃料アセンブリの所定の向きを実現するために、燃料アセンブリを燃料担体への取付け中に燃料アセンブリ噛合せ取付け具に選択的に係合するように構成されている。
【0010】
他の態様によれば、原子炉の燃料アセンブリは、上部開口を画定する上端部、下部開口を画定する下端部、および空洞を画定する細長い本体を含んでいる。複数の細長い燃料棒が、所定の向きを有する所定のパターンで空洞の中に位置決めされ、かつ上端部と下端部の間に位置決めされる。下部タイプレートは、本体の下端部に取り付けられ、下部開口を通って空洞の中に流体流を受け入れるためのオリフィスを含んでいる。下部タイプレートは、空洞内の燃料棒に対して下部タイプレートの向きを画定するように構成された噛合せ取付け具を含んでいる。
【0011】
さらに他の態様によれば、原子炉の燃料担体は、上端部および下端部を有する本体と、本体上端部のまわりに位置決めされ、かつ本体に対して所定の向きで燃料アセンブリを選択的に収容するように構成された開口と、を含む。
【0012】
さらに他の態様によれば、原子炉に燃料アセンブリを取り付ける方法は、燃料アセンブリの下部タイプレートの向きに対して所定の向きを有する燃料アセンブリの中に複数の燃料棒をひとつのパターンで挿入すること、および燃料アセンブリの下部タイプレートを燃料担体の開口の中に取り付けることを含む。燃料アセンブリは、下部タイプレートを受け取るための所定の向きを含む。また、本方法は、燃料アセンブリの向きを燃料担体の向きと選択的に合わせることによって取り付けることを含む。
【0013】
本開示のさらなる態様は、以下である程度明らかになり、またある程度指摘されるだろう。理解されるべきことであるが、本開示の様々な態様は、個々に、または互いに組み合わせて実現されてもよい。また、理解されるべきことであるが、詳細な説明および図面は、ある特定の例示の実施形態を示すが、例示の目的だけのためであり、本開示の範囲を限定するように解釈されるべきでない。
【0014】
理解されるべきことであるが、図面全体にわたって対応する参照数字は、同様な、または対応する部分および特徴を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下の説明は、本質的に単に例示に過ぎず、本開示または開示の用途もしくは使途を限定しようと意図されていない。
【0016】
いくつかの実施形態では、燃料アセンブリを原子炉に取り付けるためのアセンブリは、燃料アセンブリの中に燃料棒を含んだ燃料アセンブリを含む。燃料アセンブリは、燃料アセンブリ噛合せ取付け具の付いた下部タイプレートを含み、燃料担体は燃料担体噛合せ取付け具を含んでいる。燃料担体噛合せ取付け具は、燃料担体に対する燃料アセンブリの所定の向きを実現するために、燃料担体に燃料アセンブリを取り付けているとき、燃料アセンブリ噛合せ取付け具に選択的に係合するように構成されている。他の実施形態では、燃料アセンブリを原子炉に取り付けるためのアセンブリは、燃料アセンブリの中に燃料棒を含んだ燃料アセンブリを含む。燃料アセンブリ噛合せ取付け具の付いた下部タイプレートおよび燃料担体噛合せ取付け具の付いた燃料担体が設けられる。燃料担体噛合せ取付け具は、燃料担体に対する燃料アセンブリの所定の向きを実現するために、燃料担体に燃料アセンブリを取り付けているとき、燃料アセンブリ噛合せ取付け具に選択的に係合するように構成されている。これらおよび他の実施形態は、図を参照してもっと良く理解することができる。
【0017】
図1の例示の動作環境により理解されるように、従来の沸騰水型原子炉(BWR)は、原子炉圧力容器10および原子炉圧力容器10内に同心円状に配列された炉心シュラウド12を有し、その間に環状領域すなわち下降管アニュラス14がある。理解すべきことであるが、ここでBWRが描かれているが、本開示は他の型の原子炉にも同様に適用される。BWRでは、炉心シュラウド12は、核燃料炉心13を囲繞するステンレス鋼シリンダである。特に、炉心シュラウド12は、シュラウド頭部(図示されない)を支持するためのシュラウド頭部フランジ12a、シュラウド頭部フランジ12aに溶接された上端部を有する円筒形上部シュラウド壁12b、上部シュラウド壁12bの下端部に溶接された環状上部案内支持リング12c、上部案内支持リング12cに溶接された円筒中間シュラウド壁溶接アセンブリ12d、および中間シュラウド壁12dの底部および下部シュラウド壁12fの上部に溶接された環状炉心板支持リング12eを備える。
【0018】
図1に見られるように、シュラウド12は、複数のシュラウド支持脚16によって垂直に支持され、各シュラウド支持脚16は原子炉圧力容器10の下部ヘッド17に溶接されている。炉心シュラウド12は、環状シュラウド支持板18によって横方向を支持され、この環状シュラウド支持板18は、その内径が炉心シュラウド12に溶接され、外径が原子炉圧力容器10に溶接されている。シュラウド支持板18は、複数のジェットポンプアセンブリ(図示されない)のディフューザと流れ連通した複数の円形開口20を有する。
【0019】
BWRの燃料炉心13は、アレイに配列された多数の真っ直ぐに立った平行な燃料バンドルアセンブリ22からなる。各燃料アセンブリ22は、ジルコニウムをベースにした合金から作られた燃料チャネルの中に燃料棒のアレイを含む。燃料バンドルアセンブリ22の各アレイは、上部を上部案内24で支持され、底部を炉心板26とその下にある支持構造27で支持されている。炉心板26は、原子炉を燃料炉心13と下部プレナム15にさらに分割している。炉心上部案内24は、燃料アセンブリ22の上部に対する横方向支持を行っている。炉心板26は、燃料アセンブリ22の底部に対する横方向支持を行っている。この横方向の支持は、制御棒ブレード29を含む制御棒28の燃料アセンブリ22間の垂直方向移動を可能にするように、各アレイに適切な燃料チャネル間隔を維持している。
【0020】
原子炉の出力レベルは、燃料バンドルアセンブリ22が静止状態で保持されている間に炉心13の中で制御棒28を上下に位置決めすることによって維持され、または調節される。各制御棒28は、直角になった4個のウイングまたは制御棒ブレード29から成る十字形の断面を有している。各ブレード29は、一列に溶接された多数の平行管からなり、各管が中性子吸収材料で満たされたカプセルの積重ねを含んでいる。各制御棒28は、制御棒案内管30で支持されて関連した制御棒駆動装置33によって上下され、この制御棒駆動装置33は、その上部のスパッドによって制御棒28の底部のソケットに解除可能に結合されることがある。
【0021】
制御棒駆動装置33は、核分裂速度および核分裂密度を制御するようにBWR中に制御棒を位置決めするために、さらに、炉心寿命において最も活性な時に任意の正常動作または事故状態から原子炉を遮断するように適切な余剰負反応度を与えるために、使用される。各制御棒駆動装置33は、スタブ管34に溶接された制御棒駆動装置ハウジング32の中に垂直方向に取り付けられ、このスタブ管34は、今度は、原子炉圧力容器10の下部ヘッド17に溶接されている。制御棒駆動装置33は、機械的にラッチされた複動水圧シリンダである。制御棒駆動装置33は、通常原子炉動作の場合にゆっくりした制御された速度で制御棒28を挿入することができ、または引き出すことができ、さらに、原子炉の急速な停止を必要とする緊急事態の場合には迅速な制御棒28の挿入(スクラム)を行うことができる。
【0022】
制御棒駆動装置ハウジング32は、制御棒案内管30の下部フランジにボルトで固定された上部フランジを有する。各制御棒案内管30は、関連した制御棒駆動装置ハウジング32の上に位置し、この制御棒駆動装置ハウジング32によって垂直に支持されている。制御棒案内管30の最上部は、炉心板26の対応する円形の炉心板開口35を突き抜けている。140を超える制御棒案内管30が(炉心板26の)等しい数の円形の炉心板開口35を突き抜けていることがあり、各炉心板開口35の直径は、一般に、制御棒案内管30の外径よりも僅かに大きい。
【0023】
制御棒駆動装置ハウジング32および制御棒案内管30には、2つの機能がある。すなわち、(1)制御棒駆動装置33の機構および制御棒28をそれぞれ収容すること、および(2)燃料アセンブリ22の燃料の重さを部分的に支えること、である。燃料の重さは、制御棒案内管30の上だけでなく炉心板26およびその下にある支持構造27の上にも位置決めされた燃料担体36のオリフィスで対処されている。制御棒案内管30および制御棒駆動装置ハウジング32は、燃料の重さを支える柱として作用する。
【0024】
原子炉の動作中に、下部プレナム15の水は燃料担体36の入口に入る。この水は、燃料担体36の中で、燃料アセンブリ22の下部タイプレートの内腔に送られる。水は、燃料アセンブリ22および燃料炉心13の中で上昇し続け、かなりの量が、電気エネルギーの生成で使用される可能性がある水蒸気になる。
【0025】
ここで図2を参照すると、1つの例示の実施形態は、炉心板26の炉心板開口35の中への燃料担体36の取付けを示す。2つの燃料アセンブリ22(22aおよび22bと示されている)が、燃料担体36の燃料担体開口40の1つに取り付けるために位置決めされる。当業者には知られているように、燃料担体36は、一般に、4つの燃料アセンブリ22を支持するので、4つの燃料担体開口40を有している。しかし、図示を簡単かつ容易にするために図2には2つだけが示されている。燃料担体36は、制御棒28およびそれのブレード29を受け入れ保持するための制御棒チャンバ42を含む(図2では、例としてただ1つのブレードが示されている)。燃料担体36は、一般に、制御棒を送るための制御棒案内管30に結合されている。燃料担体36は、下部プレナムから直接的に、または制御棒案内管30を通すなどして間接的に冷却材を受け取る。内腔46は、燃料担体36を通して各燃料アセンブリ22の下部タイプレート48の中に流体を送るために(Cおよび矢印で示される)、各開口に取り付けられている。タイプレート48に入った後で、流体は、燃料アセンブリ22を通って、この中に含まれた格子51に形成された燃料棒50のまわりを流れる。格子51は、ただ1つの設計上の向きを持つことを含んで所望の性能を実現するために複数の異なる燃料棒50を有するように設計されることがある。一般に、燃料アセンブリ22は、上部開口62の付いた上端部60、下部開口66を画定する下端部64、および空洞68を画定する細長い本体を有している。
【0026】
下端部64および下部開口66は、燃料アセンブリ22の下部タイプレート48に画定されることがある。下部タイプレート48は、燃料担体開口40の中の燃料担体噛合せ取付け具54に結合し係合する1つまたは複数の燃料アセンブリ噛合せ取付け具52を含むことができる。燃料アセンブリ22の中の燃料棒50および格子51に対する特定の向きを実現するために、燃料アセンブリ噛合せ取付け具52は、燃料アセンブリ22または下部タイプレート48で画定された軸からほぼ放射状構造に位置決めされることがある。噛合せ取付け具52および54は、各々、互いに噛み合うように設計され、互いに対する所定の限られた向きを実現する。そのようなやり方で、燃料アセンブリ22は、燃料担体36の燃料担体開口40の中に所定の向きで完全に取り付けられるだけでよい。燃料アセンブリ噛合せ取付け具52および燃料担体噛合せ取付け具54は、それぞれスロットおよび穴であるように図2に示されている。しかし、理解すべきことであるが、各々は、互いに対する所定の向きを達成するために他方に噛み合うことができる任意の形であるかもしれない。いくつかの実施形態では、取付け具は多数の所定の向きを含むことがあり、他の実施形態では、その噛合せは、ただ1つの所定の向きの噛合せだけを可能にする。所定の向きでの噛合せを同様に可能にすることができる下部タイプレート48および燃料担体開口40の形のいくつかの例示の実施形態が、図4および5に示されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、下部タイプレート48は、燃料担体開口40の中への取付けを助けるタイプレート斜縁56を含むことがある。さらに、いくつかの実施形態では、燃料担体開口40は、下部タイプレート48を燃料担体開口40の中に設置するのを助けることができる1つまたは複数の開口斜縁または面取り縁58を含むことがある。いくつかの実施形態では、開口面取り縁58は、燃料アセンブリ噛合せ取付け具52を燃料担体噛合せ取付け具54と噛み合わせるために燃料担体36と燃料アセンブリ22の適切なアライメントを助けることもできる。
【0028】
一般に、上で言及したように、燃料アセンブリ噛合せ取付け具52を燃料担体噛合せ取付け具54と噛み合わせることを可能にするように適切に合わせ向き付けしなければ、燃料アセンブリ22は、燃料担体36と完全に係合することができない。適切に合っていなければ、燃料アセンブリ22は、燃料担体開口40の中にうまく収まらず、炉心13の中の他の適切に噛み合った燃料アセンブリ22に比べて高くなる。そのような非噛合せおよび非アライメントは、炉心燃料補給中に作業者が目視で検出することができる。
【0029】
ここで図3を参照すると、燃料担体開口40の一実施形態は五角形の形を有し、五角形の各縁は面取り縁58を有している。五角形の形は、各辺が同じ長さであるようなものでもよく、または、例として図4Bに示されるように、360度の中でただ1つの向きを生じさせるように五角形の辺の1つが長くなっている不規則な五角形であってもよい。
【0030】
図4Aおよび4Bは、他の実施形態に従った他の組の形の例を示す。図4Aは、噛み合うように形作られた下部タイプレート48の形で形成された燃料アセンブリ噛合せ取付け具52の不規則な形を示す。図4Bは、燃料担体開口40の不規則な形によって同様に画定された燃料担体噛合せ取付け具54を示す。燃料担体36は、冷却材が下部タイプレート48に流れ込む内腔46に結合された燃料担体開口40を画定している。燃料担体開口40は、この例示の実施形態では、下部タイプレート48と燃料担体開口40の間のアライメントを可能にする面取り縁58を含む。
【0031】
図5A、5B、5C、および5Dは、燃料アセンブリ噛合せ取付け具52および燃料担体噛合せ取付け具54を実現するために下部タイプレート48と燃料担体開口40の両方に応用することができる他の例示の形を提供する。図5Aは、正方形の形の2つの縁取りされた角によって所定の向きに噛み合わせることを可能にする。ここでは正方形として例で示されているが、これは、正方形、または任意の平行四辺形、三角形、または任意の角の形を形成するように交わる複数の画定された縁を有する任意の形であるかもしれない。さらに、アライメントは、ただ1つの縁取りされた角、または全てより少なくいが2以上の縁取りされた角によるかもしれない。図5Bは、噛合せ取付け具が内向きスロットか外向きスロットかである所定の向きを実現する異なる噛合せの形を提供する。図5Cは、1つの半径に沿ってただ1つの噛合せ取付け具を有する円である。図5Dは、二等辺三角形である。また、不等辺三角形のような他の三角形の形を適切な向き付けのために使用することができる。
【0032】
この開示を検討した後で当業者には知られるように、他の応用可能な形には、限定されないが、四角形、八角形、七角形、六角形、九角形、十角形、および星形があり得る。
【0033】
理解されるべきことであるが、燃料担体噛合せ取付け具54は、雄部材か雌部材かのどちらでもよく、燃料アセンブリ噛合せ取付け具52は、どちらでもよいが、一般に、適切な噛合せを実現するために反対のものである。例えば、いくつかの実施形態では、燃料担体36は、4個の燃料アセンブリ22を支持し、各燃料アセンブリ22が燃料アセンブリ噛合せ取付け具52を有し、さらに燃料担体は4個の開口40を有し、各々が、燃料アセンブリ22の異なる1つを選択的に収容する燃料担体噛合せ取付け具54を有している。各燃料アセンブリ22は、燃料担体36に対して所定の向きを有している。さらに、燃料担体22は、それが取り付けられる円形の炉心板開口35でキー締めすることができる。
【0034】
ここで図6を参照して、動作時に、また1つの実施形態に従って、原子炉に燃料アセンブリを取り付ける方法は、プロセス70のように、燃料アセンブリの下部タイプレートの向きに対して所定の向きを有する燃料アセンブリの中に燃料棒をひとつのパターンで挿入にすることを含む。次に、プロセス72は、燃料アセンブリの下部タイプレートを燃料担体の開口の中に取り付けることを可能にし、燃料アセンブリは下部タイプレートを収容する所定の向きを有している。この取付けは、燃料アセンブリの向きを燃料担体の向きと選択的に合わせることを含むことがある。いくつかの実施形態では、プロセス74は、燃料担体の向きを炉心内での向きと合わせることを含んで、燃料担体を原子炉の炉心に取り付けることを可能にする。
【0035】
他の実施形態では、プロセス76で実現されるように、下部タイプレートは、所定の燃料アセンブリの向きを実現する下部タイプレート噛合せ取付け具を含み、燃料担体は、下部タイプレートを収容する所定の向きを実現する燃料担体噛合せ取付け具を含む。取付けは、下部タイプレート噛合せ取付け具を燃料担体噛合せ取付け具に選択的に係合させることを含むことができる。
【0036】
プロセス78に示されるようなさらに他の実施形態では、燃料棒は燃料アセンブリの中に挿入される。各燃料アセンブリは、燃料棒の異なるパターンおよびそれぞれの下部タイプレートの向きに対する所定の向きを有する。プロセス80は、燃料アセンブリを原子炉の炉心に取り付けることを可能にし、各燃料アセンブリは、炉心の中で燃料アセンブリを選択的に向けるために、所定の向きを有する燃料担体に選択的に取り付けられる下部タイプレートを有している。
【0037】
プロセス82は、複数の燃料担体を炉心に取り付けることを可能にし、各燃料担体は、炉心の中で所定の向きを持つように取り付けられる。プロセス84は、燃料アセンブリの下部タイプレートを燃料担体の開口の中に取り付け、それによって、以前の取付け高さから選択的に合わされた取付け高さへの燃料棒の上昇を減少させることを可能にする。
【0038】
要素または特徴および/またはそれらの実施形態を説明するとき、冠詞「ひとつの」「その」および「前記の」は、1つまたは複数の要素または特徴があることを意味する意図である。用語「備える」、「含む」および「有する」は、包括的であり具体的に説明されたものを以外に追加の要素または特徴があってもよいことを意味する。
【0039】
当業者は、本開示から逸脱することなしに上述の例示の実施形態および実施に様々な変更を加えることができることを認めるであろう。したがって、上の説明に含まれる、または添付の図面に示される全ての事項は、例示であり限定する意味でないように解釈されるべきである。
【0040】
さらに理解すべきことであるが、本明細書に述べられたプロセスまたはステップは、述べられるか図示された特定の順序での実行を必ず必要とするものと解釈されるべきでない。また、理解すべきことであるが、追加または代替えのプロセスまたはステップが使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】いくつかの例示の実施形態に適した原子炉動作環境を示す切開側面図である。
【図2】1つの例示の実施形態に従って、原子炉炉心内における、燃料担体噛合せ取付け具を有する燃料担体および燃料アセンブリ噛合せ取付け具を有する2つの燃料アセンブリを示す側面図である。
【図3】本発明の1つの例示の実施形態に従って、取り付けられる燃料アセンブリと燃料担体の間に所定の向きを与える燃料担体噛合せ取付け具を画定する燃料担体開口を示す上面透視図である。
【図4A】所定の向きを実現する形であり、1つの例示の実施形態に従った、燃料アセンブリ噛合せ取付け具の形を示す。
【図4B】所定の向きを実現する形であり、1つの例示の実施形態に従った、燃料担体噛合せ取付け具の形を示す。
【図5A】他の例示の実施形態に従った、燃料アセンブリと燃料担体の取付け具を噛み合わせる他の例示の形を示す図である。
【図5B】他の例示の実施形態に従った、燃料アセンブリと燃料担体の取付け具を噛み合わせる他の例示の形を示す図である。
【図5C】他の例示の実施形態に従った、燃料アセンブリと燃料担体の取付け具を噛み合わせる他の例示の形を示す図である。
【図5D】他の例示の実施形態に従った、燃料アセンブリと燃料担体の取付け具を噛み合わせる他の例示の形を示す図である。
【図6】いくつかの例示の実施形態に従った、原子炉に燃料アセンブリを取り付ける方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0042】
10 原子炉
12 炉心シュラウド
12a シュラウド頭部フランジ
12b 上部シュラウド壁
12c 案内支持リング
12d シュラウド壁
12e 板支持リング
12f 下部シュラウド壁
13 炉心
14 下降管角アニュラス
15 下部プレナム
16 シュラウド支持脚
17 下部ヘッド
18 シュラウド支持板
20 ジェットポンプ開口
22 燃料アセンブリ
24 上部案内
26 炉心板
27 炉心板支持構造
28 制御棒
29 制御棒ブレード
30 棒案内管
32 棒駆動装置ハウジング
33 制御棒駆動装置
34 スタブ管
35 炉心板開口
36 燃料担体
38 ポート
40 燃料担体開口
42 制御棒チャンバ
46 内腔
48 下部タイプレート
50 燃料棒
51 格子
52 燃料アセンブリ噛合せ取付け具
54 燃料担体噛合せ取付け具
56 下部タイプレート斜縁
58 燃料支持板開口面取り縁
60 燃料アセンブリの上端部
62 燃料アセンブリの上部開口
64 燃料アセンブリの下端部
66 燃料アセンブリの下部開口
68 燃料アセンブリの空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料アセンブリを原子炉に取り付けるためのアセンブリであって、
燃料棒50を内部に含み、燃料アセンブリ噛合せ取付け具52の付いた下部タイプレート48を有する前記燃料アセンブリ22と、
燃料担体噛合せ取付け具54を含む燃料担体36と、を備え、
前記燃料担体噛合せ取付け具54は、前記燃料担体36に対する前記燃料アセンブリ22の所定の向きを実現するために、前記燃料アセンブリ22の前記燃料担体36への取付け中に前記燃料アセンブリ噛合せ取付け具52に選択的に係合するように構成されているアセンブリ。
【請求項2】
前記燃料担体36は、前記所定の向きを実現するために前記燃料アセンブリ噛合せ取付け具52が前記燃料担体噛合せ取付け具54と係合していない場合、前記燃料アセンブリ22が持ち上がってしまうように構成されている請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記燃料アセンブリ噛合せ取付け具52は、前記燃料アセンブリ22の中の前記燃料棒50に対して燃料アセンブリ噛合せ取付け具52の所定の向きを実現する前記燃料アセンブリ22によって画定される軸からほぼ放射状構造に位置決めされている請求項1記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記燃料アセンブリ噛合せ取付け具52は、前記燃料アセンブリ22に含まれた格子51に対する前記燃料アセンブリ22の所定の向きを実現する前記下部タイプレート48の外形を含み、さらに、前記燃料担体噛合せ取付け具54は、前記燃料アセンブリ22を前記燃料担体36に取り付けるときに、前記下部タイプレート48を収容しかつ前記燃料担体36に対する前記燃料アセンブリ22の前記所定の向きを維持するために、前記燃料担体36によって画定された対応する形の開口40を含む請求項1記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記下部タイプレート48の前記外形および前記開口40の前記対応する形は、三角形、四辺形、五角形、七角形、および星形から成るグループから選ばれる請求項4記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記燃料アセンブリ噛合せ取付け具52は、雄部材を含み、前記燃料担体噛合せ取付け具54は、前記所定の向きを実現するように前記雄部材を収容し固定するように構成された雌部材を含み、さらに、前記雌部材は、前記下部タイプレート48を前記空洞40の中に案内しかつ前記燃料アセンブリ噛合せ取付け具52を前記燃料担体噛合せ取付け具54と適切に噛み合わせるために、面取りされた空洞58を含む請求項1記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記燃料担体噛合せ取付け具54は、雄部材を含み、前記燃料アセンブリ噛合せ取付け具52は、前記所定の向きを実現するように前記雄部材を収容し固定するように構成された雌部材を含む請求項1記載のアセンブリ。
【請求項8】
4個の燃料アセンブリ22をさらに備え、各燃料アセンブリ22が燃料アセンブリ噛合せ取付け具52を有し、前記燃料担体36は、4個の開口40を含み、各開口40が前記燃料アセンブリ22の異なる1つを選択的に収容するように構成され、さらに各燃料アセンブリ22が前記燃料担体36に対して所定の向きを有している請求項1記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記燃料棒50は、前記燃料アセンブリ22の中に位置決めされ、前記所定の向きの各々は同じ所定の向きである請求項8記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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