説明

原稿読み取り記録装置

【課題】 プリント中でも次の原稿の読み取りが可能であり、かつ読み取り時の条件設定が可能であり、ユーザに混乱を生じさせない。
【解決手段】 プリント処理中に読み取り処理がなされていない場合は、表示部7にプリント設定部数、実行中部数、プリント頁番号、トータル頁数を表示し、1頁プリントを継続する(ST11〜ST13)。プリント中に、次の原稿読み取りが開始されると、表示部7に読み取り頁数、濃度、画質、ソートON/OFFを表示し、プリントに関する表示は行わない(ST14、ST11)。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デジタル複合機等の原稿読み取り記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ機能とコピー機能とを備えたデジタル複合機において、複数部のコピーを取る場合、プリント(記録)毎に原稿を読み取る必要がなく、読み取りは1回で終了させるものが多い。この場合、コピー中と表示していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のデジタル複合機において、デュアルアクセスタイプのものは、次のコピー原稿を予約することができる。この場合、前のプリント枚数を表示しており、その読み取り動作の条件が設定できないばかりか、現処理と表示が異なるので、ユーザは混乱を生じるという問題があった。
【0004】この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、プリント中でも次の原稿の読み取りが可能であり、かつ読み取り時の条件設定が可能であり、ユーザに混乱を生じさせない原稿読み取り記録装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の原稿読み取り記録装置は、原稿画像読み取り部と、少なくともこの原稿画像読み取り部で読み取った原稿画像を格納する画像メモリと、少なくともこの画像メモリに格納された原稿画像を記録する画像記録部と、操作表示部と、前記画像メモリ内の画像を前記画像記録部で記録中は、読み取り部で読み取り中でない場合に、前記表示部に記録枚数に関する表示を行い、この記録枚数の表示中に、次の原稿を前記画像メモリに格納する場合は、前記表示部を読み取りに関する表示に変更する制御部とを備えている。
【0006】この原稿画像読み取り記録装置は、記録部で記録中は表示部に記録枚数に関する表示を行い、この記録枚数に関する表示中に、次の原稿の画像の読み取りに入ると、読み取りに関する、例えば読み取り頁数、濃度、画質、ソートON/OFF等を表示する。読み取り中は、プリント表示、つまり記録枚数に関する表示を行わないので、ユーザが混乱を生じることはない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。図1は、この発明が実施されるファクシミリ装置の全体の概略構成を示すブロック図である。このファクシミリ装置は、NCU1と、モデム2と、画像メモリ3と、RAM4と、ROM5と、主制御部(CPU)6と、表示部7と、操作部8と、読み取り部9と、記録部10とを備えている。
【0008】NCU1は、電話回線11との接続を制御するとともに、相手先の電話番号(対応したダイヤル信号)の送出及び着信を検出するための機能を備えている。モデム2は、ITU−T勧告T.30に従ったファクシミリ伝送制御手順に基づいて、V.17、V.27ter、V.29等に従った送受信データの変調及び復調を行う。また、モデム2は、ナンバーディスプレイ情報を受信するためにV23の復調機能も備えている。画像メモリ3は、受信画像データや読み取り部9で読み取った原稿画像データを一時的に記憶する。RAM4は、ファクシミリ装置11に関する各種情報を一時的に記憶する。ROM5は、ファクシミリ装置11全体を制御するためのプログラムを記憶する。
【0009】主制御部6は、CPUで構成され、ROM5に記憶されたプログラムに従い、ファクシミリ装置11を構成する各部を制御する。例えば、記録部10において、原稿画像のプリント動作中は、表示部7にプリント中に関する表示を行わせ、読み取り部9で次の原稿画像の読み取り動作中の場合は、表示部7に読み取り中に関する表示を行わせる制御機能を有する。表示部7は、ファクシミリ装置の動作状態等の各種情報、例えば制御部6の制御のもと、プリント中に関する情報、読み取り中に関する情報を表示する。操作部8は、テンキー、スタートキー、その他のキーで構成される。読み取り部9は、原稿上の画像データを読み取って、白黒2値のイメージデータを出力する。記録部10は、電子写真式のプリンタよりなり、受信画像データやコピー動作において読み取り部9で読み取った原稿の画像データを記録紙上に記録する。
【0010】この実施形態のファクシミリ装置の新規な特徴事項は、ROM5に格納されたシステムプログラムに従って主制御部6が実行する処理により達成される機能にある。
【0011】次に、この実施形態ファクシミリ装置における原稿画像読み取り処理及びプリント処理の動作を図2R>2、図3に示すフロー図を参照して、説明する。先ず、読み取り部9での読み取り処理に入ると、ステップST1において、LCD、つまり表示部7に、読み取り中です、読み取り頁数、濃度、画質、ソートON/OFFを表示する。その読み取り中の表示例を図5に示している。この状態でボタン21、22、23を操作して、濃度、画質、ソートON/OFFの設定、つまり条件を変更することができる。続いて、ステップST2へ移行する。ステップST2においては、原稿を1頁読み取り、画像メモリ3に格納し、ステップST3へ移行する。頁数の表示は読み取り1枚毎に1インクリメントされる。
【0012】ステップST3においては、次頁セット有りか否かを判定する。次頁セット有りの場合は、ステップST1に戻る。一方、次頁セット無しの場合は、図6に示す表示をなし、ステップST4へ移行する。ステップST3後のステップST1では、新たな読み取り頁数と、濃度、画質、ソートON/OFFが表示される。ステップST4においては、次の原稿がセットされ、スタートボタンが押されたか否かを判定する。次原稿がセットされ、スタートボタンが押された場合は、ステップST1へ戻る。ADFにての原稿セットの場合は、ステップST1へ戻っての読み取りは連続読み取りとなる。FBSにての原稿セットの場合は、ステップST1へ戻っての読み取りは1枚毎となる。一方、所定時間(例えば30秒)以内に次の原稿がセットされず、スタートボタンが押されない場合は、読み取り処理を終了し、他の処理に移る。 この実施形態装置では、読み取り処理とプリント処理は独立に進行する。しかし、プリント中に読み取り処理が実行されると、プリント中の表示に代えて、読み取り中の表示がなされる。
【0013】プリント処理に入ると、先ずステップST11において、読み取りに関する表示中か否かを判定する。読み取りに関する表示中でない場合は、ステップST12へ移行する。一方、読み取りに関する表示中の場合は、表示を切り替えることなく、ステップST13へ移行する。
【0014】ステップST12においては、表示部7に“プリント中”、及びプリント設定部数、実行中部数、プリント頁番号、トータル頁数を表示する。その表示例を図4に示す。そして、ステップST13へ移行する。ステップST13においては、前ステップでの表示の如何にかかわらず、1頁をプリントし、ステップST14へ移行する。
【0015】ステップST14においては、全部数プリント終了か否か判定する。全部数プリント終了でない場合は、ステップST11へ戻る。全部数プリント処理の場合は、プリント処理を終了し、他の処理に移る。ステップST14判定後のステップST11において、やはり読み取りに関する表示中でない場合、ステップST12で表示部7にプリント設定部数、さらに更新された実行中部数、プリント頁番号、トータル頁数を表示する。
【0016】プリント中に、次の読み取りが実行されている場合は、その時点でステップST1で読み取り中の表示がなされており、この場合、ステップST14後のステップST11では“読み取りに関する表示中か”の判定がYESであり、ステップST12をスキップして、ステップST13へ移行し、1頁をプリントする。このようにプリント中に読み取りが実行された場合は、読み取り中の表示がなされ、プリント中の表示は行わない。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、記録部で記録中は、読み取り部で読み取り中でない場合、表示部に記録枚数に関する表示を行い、この記録枚数に関する表示中に、次の原稿の画像の読み取りに入ると、読み取りに関する表示を行うので、読み取り中は記録枚数に関する表示を行わないから、ユーザが混乱を生じることがなくなる。また、読み取り中は、読み取りに関する情報を表示するので、濃度、画質等の設定変更も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が実施されるファクシミリ装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態ファクシミリ装置の原稿読み取り時の処理ルーチンを説明するフロー図である。
【図3】同実施形態ファクシミリ装置のプリント処理のルーチンを説明するフロー図である。
【図4】同実施形態ファクシミリ装置のプリント中の表示例を示す図である。
【図5】同実施形態ファクシミリの原稿画像読み取り中の表示例を示す図である。
【図6】同実施形態ファクシミリ装置の次の原稿読み取りを促す表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 NCU
2 モデム
3 画像メモリ
4 RAM
5 ROM
6 制御部
7 表示部
8 操作部
9 読み取り部
10 記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】原稿画像読み取り部と、少なくともこの原稿画像読み取り部で読み取った原稿画像を格納する画像メモリと、少なくともこの画像メモリに格納された原稿画像を記録する画像記録部と、操作表示部と、前記画像メモリ内の画像を前記画像記録部で記録中は、読み取り部で読み取り中でない場合に、前記表示部に記録枚数に関する表示を行い、この記録枚数の表示中に、次の原稿を前記画像メモリに格納する場合は、前記表示部を読み取りに関する表示に変更する制御部とを備えたことを特徴とする原稿読み取り記録装置。
【請求項2】前記次の原稿の前記画像メモリへの格納終了時は、表示部の表示を記録枚数に関する表示に戻すようにしたことを特徴とする請求項1記載の原稿読み取り記録装置。
【請求項3】前記読み取りに関する情報には、濃度に関する情報を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の原稿読み取り記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2002−27169(P2002−27169A)
【公開日】平成14年1月25日(2002.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−203201(P2000−203201)
【出願日】平成12年7月5日(2000.7.5)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】