説明

原稿読取システム、画像形成システム及び画像形成装置

【課題】画像データの名称を簡易に設定する原稿読取システム、画像形成システム及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿読取システム400は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する原稿読取部20と、画像データに付す名称に関する名称データを記憶すると共に、画像データを記憶可能な記憶部と、記憶部に記憶される名称データに基づく名称を表示するタッチパネルと、タッチパネルに表示される名称を選択するテンキー又はタッチパネルと、テンキー又はタッチパネルによって選択された名称を原稿読取部20によって生成された画像データの名称に設定して、その画像データを記憶部に記憶させる制御部90と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する原稿読取システム、並びに、その原稿読取システムを備える画像形成システム及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置には、原稿の画像を読み取って画像データを生成する原稿読取部と、生成された画像データを記憶する記憶部とを備えるものがある。このような画像形成装置では、画像データ(第1の画像データ)を記憶部に記憶する場合に、その第1の画像データの名称と同一の名称が設定された他の画像データ(第2の画像データ)が既に記憶部に記憶されているときには、例えば、ユーザーが設定した名称に連番を追加して第1の画像データの名称として設定するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−252331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置では、画像データの名称を設定するために、ユーザーが操作部を操作して文字を入力するのでは手間がかかり、また間違った文字が入力されるおそれがある。さらに、特許文献1に記載された画像形成装置では、原稿読取部によって複数種類の原稿の画像を読み取る毎にユーザーに名称を入力させなければならないので、名称の設定に時間がかかる。
【0005】
本発明は、画像データの名称を簡易に設定する原稿読取システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、その原稿読取システムを備える画像形成システム及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する原稿読取部と、画像データに付す名称に関する名称データを記憶すると共に、画像データを記憶可能な記憶部と、前記記憶部に記憶される名称データに基づく名称を表示する表示部と、前記表示部に表示される名称を選択する選択部と、前記選択部によって選択された名称を前記原稿読取部によって生成された画像データの名称に設定して、当該画像データを前記記憶部に記憶させる制御部と、を備える原稿読取システムに関する。
【0007】
また、原稿読取システムは、前記原稿読取部によって原稿の画像が読み取られる毎に生成された画像データの生成回数を計数する計数部をさらに備え、前記制御部は、前記選択部によって選択された名称と、前記計数部によって計数された生成回数とを組み合わせたものを画像データの名称に設定することが好ましい。
【0008】
また、前記記憶部に記憶される名称データは、アプリケーションによって作製されたデータであり、名称データに基づく前記名称は、アプリケーションによって作製された前記データに付された名称のうち当該アプリケーションに対応する拡張子を除いた主要部分であることが好ましい。
【0009】
また、本発明は、上述した原稿読取システムを備える画像形成システムであって、前記原稿読取部と、前記表示部と、前記操作部と、前記制御部とは、画像データに基づく画像を被画像形成媒体に形成するエンジン部を備える画像形成装置に配置され、前記記憶部は、通信ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された端末装置に配置される画像形成システムに関する。
【0010】
また、本発明は、上述した原稿読取システムを備える画像形成装置であって、前記原稿読取部と、前記記憶部と、前記表示部と、前記操作部と、前記制御部とは、画像データに基づく画像を被画像形成媒体に形成するエンジン部を備える筐体に配置される画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像データの名称を簡易に設定する原稿読取システム、画像形成システム及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】複合機の一例を説明するための図である。
【図3】複合機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】操作部について説明するための図である。
【図5】名称データ及びその名称データの名称について説明するための図である。
【図6】画像データの宛先について説明するための図である。
【図7】選択された名称について説明するための図である。
【図8】原稿読取システムの動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成システムの一実施形態について説明する。まず、図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システム300の全体構成を説明するための図である。図2は、複合機1の一例を説明するための図である。
【0014】
図1に示すように、画像形成システム300は、画像形成装置の一例としての複合機1と、端末装置200を備える。
端末装置200は、パーソナルコンピュータ等で構成される。端末装置200は、ローカルエリアネットワーク等の通信ネットワークNWを介して複合機1と通信を行う。端末装置200では、記憶部201に記憶されるアプリケーションが利用されることにより、データが作製され、記憶部201に記憶される。そのデータは、例えば、テキストデータや表計算データや画像データ等である。また、記憶部201には、複合機1の後述する原稿読取部20によって読み取られた原稿の画像データを記憶されることが可能である。
【0015】
図2に示すように、複合機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Automatic Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gを複合機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15における複合機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0016】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図2に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0017】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とを複合機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図2において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0018】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーである。
【0019】
原稿読取部20は、後述する制御部90の制御に基づいて、撮像部28で生成された画像データを後述するメインメモリー80、又は端末装置の記憶部201に対して出力する。ここで、原稿読取部20は、例えば、原稿Gのコピーやファクシミリが目的の場合には、画像データをメインメモリー80に送信し、原稿Gの画像データを作製することが目的の場合には、画像データを記憶部201に送信する。
【0020】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が到達するタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tを複合機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34における複合機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0021】
画像形成部40は、トナー画像を形成するためのものであり、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0022】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図2に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0023】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48における対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0024】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0025】
次に、複合機1の機能構成について説明する。図3は、複合機1の機能構成を示すブロック図である。図4は、操作部70について説明するための図である。
複合機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図2を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、図3に示すように、複合機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、メインメモリー80と、制御部90と、インターフェース部100と、を備える。
【0026】
図4に示すように、操作部70は、選択部としても機能するテンキー71と、表示部及び選択部としても機能するタッチパネル72と、スタートキー73と、を備える。テンキー71は、印刷部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネル72は、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネル72に表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかを複合機1に実行させるために操作される。スタートキー73は、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に供給する。
【0027】
図3に示すように、メインメモリー80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、メインメモリー80は、複合機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0028】
インターフェース部100は、通信ネットワークNWに接続される。
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。
【0029】
このような画像形成システム300(複合機1)は、本発明の一実施形態に係る原稿読取システム400を備える。
原稿読取システム400は、原稿読取部20と、操作部70と、制御部90と、インターフェース部100と、記憶部201と、後述するカウンター110(計数部)と、を備える。
以下、原稿読取システム400について説明する。
【0030】
原稿読取部20は、上述したように、原稿Gの画像を読み取って画像データを生成する。
記憶部201は、上述したように、原稿読取部20によって生成された画像データを記憶可能である。さらに、記憶部201は、画像データに付す名称に関する名称データを記憶する。名称データは、例えば、アプリケーションによって作製されたデータであることが好ましい。具体的な例としては、名称データは、テキストアプリケーションによって作製されたテキストデータ、表計算アプリケーションによって作製された表計算データ、及び画像作製アプリケーションによって作製された画像データ等である。名称データは、記憶部201に記憶されるアプリケーションによって作製されたデータばかりでなく、他の端末装置に記憶されるアプリケーションによって作製され、原稿読取システム400の記憶部201にコピー等されたデータであってもよい。また、名称データに基づく名称は、アプリケーションによって作製されたデータに付された名称のうちそのアプリケーションに対応する拡張子を除いた主要部分であることが好ましい。具体的な例としては、名称データのファイル名が「実験レポート.txt」である場合には、その名称データに基づく名称は、拡張子「.txt」を除いた主要部分「実験レポート」である。
【0031】
操作部70を構成するタッチパネル72(表示部)は、記憶部201に記憶される名称データに基づく名称を表示する。一例として、図5(A)に示すように、記憶部201に4つの名称データ(「実験レポート1.txt」、「実験レポート2.txt」、「実験データ.txt」及び「仕様書.txt」)が記憶されている場合には、図5(B)に示すように、タッチパネル72は、名称データそれぞれの名称(「実験レポート1」、「実験レポート2」、「実験データ」及び「仕様書」)を表示する。
【0032】
また、操作部70を構成するタッチパネル72(選択部)又はテンキー71(選択部)は、タッチパネル72に表示される名称を選択する。例えば、タッチパネル72又はテンキー71がユーザーによって操作されることにより、タッチパネル72に表示される名称(「実験レポート1」、「実験レポート2」、「実験データ」及び「仕様書」)のうち、いずれか1つの名称「実験レポート1」が選択される。
【0033】
カウンター110は、原稿読取部20によって原稿の画像が読み取られる毎に生成された画像データの生成回数を計数する。すなわち、カウンター110は、原稿Gの画像を1部読み取って画像データを生成する毎に、計数を1増加させる。
【0034】
制御部90は、タッチパネル72又はテンキー71によって選択された名称を原稿読取部20によって生成された画像データの名称に設定して、その画像データを記憶部201に記憶させる。例えば、制御部90は、タッチパネル72等によって1つの名称「実験レポート1」が選択された場合に、原稿読取部20によって読み取られた画像データの名称を「実験レポート1」に設定して、名称が設定された画像データを記憶部201に記憶させる。なお、画像データには、選択された名称に加えて、その画像データに対応する拡張子を付すことも可能である。
【0035】
また、制御部90は、タッチパネル72等によって選択された名称と、カウンター110によって計数された生成回数とを組み合わせたものを画像データの名称に設定することが好ましい。例えば、タッチパネル72等により名称として「実験レポート1」が設定され、カウンター110によって計数された生成回数が1回の場合には、制御部90は、「実験レポート1」に生成回数を4桁で表した「0001」を加えて、「実験レポート10001」を画像データの名称として設定する。名称に設定されるカウンター110の生成回数(連番)は、上述したような4桁に限定されることはなく、他の桁数であってもよい。
【0036】
次に、本実施形態における原稿読取システム400(複合機1)の動作について説明する。図5は、名称データ及びその名称データの名称について説明するための図である。図6は、画像データの宛先について説明するための図である。図7は、選択された名称について説明するための図である。図8は、原稿読取システム400の動作について説明するためのフローチャートである。
【0037】
図8に示すステップST1において、タッチパネル72又はテンキー71は、ユーザーに、原稿読取部20によって生成された画像データの宛先を選択させる。すなわち、図6に示すように、制御部90は、記憶部201に生成されている複数のフォルダ(フォルダ名「A山A男」、「B川B雄」、「C川C男」、「D川D子」、「E山E子」、「F山F子」)のフォルダ名をタッチパネル72に表示させる。そして、ユーザーによるタッチパネル72又はテンキー71の操作に基づいて、制御部90は、複数のフォルダ名のうち1つのフォルダ名を選択する。選択されたフォルダ名が付されたフォルダは、画像データが記憶されるフォルダとなる。ここでは、タッチパネル72等によって「A山A男」のフォルダが選択されたとする。
【0038】
ステップST2において、タッチパネル72は、ステップST1にて選択された宛先(フォルダ)に記憶されるデータの名称を表示する。すなわち、タッチパネル72は、図5(A)に示すように、「A山A男」のフォルダに名称データ「実験レポート1.txt」、「実験レポート2.txt」、「実験データ.txt」、「仕様書.txt」が記憶されている場合には、図5(B)に示すように、それらの名称データの名称「実験レポート1」、「実験レポート2」、「実験データ」、「仕様書」を表示する。ここで、タッチパネル72に表示される名称は、名称データの拡張子を含んでいてもよいし、図5(B)に示すように、名称データの拡張子を含んでいなくてもよい。
【0039】
ステップST3において、制御部90は、ユーザーによるタッチパネル72又はテンキー71の操作に基づいて、タッチパネル72に表示される複数の名称の中からいずれか1つを選択する。名称が選択された場合には、タッチパネル72は、図7に示すように、選択された名称を表示する。
【0040】
ステップST4において、原稿読取部20は、例えば、スタートキー73が操作されることに基づいて、原稿Gの画像を読み取って画像データを生成する。
【0041】
ステップST5において、制御部90は、ST4において生成された画像データの名称を設定する場合に、連番を加えるか否かを判断する。すなわち、制御部90は、画像データの名称に連番を加える設定がされている否かを判断する。連番を加えない場合(No)には、処理は、ステップST6に進む。連番を加える場合(Yes)には、処理は、ステップST7に進む。
【0042】
ステップST6において、制御部90は、ステップST3にて選択された名称を画像データの名称に設定する。
【0043】
一方、ステップST7において、制御部90は、ステップST3にて選択された名称に連番を加えたものを画像データの名称として設定する。すなわち、制御部90は、カウンター110を参照することにより画像データの生成回数を読み出して、その生成回数を、ステップST3にて選択された名称に加えたものを画像データの名称として設定する。
【0044】
ステップST8において、制御部90は、名称が設定された画像データを記憶部201に記憶させる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の原稿読取システム400(複合機1)によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、本実施形態の原稿読取システム400は、タッチパネル72又はテンキー71によって選択された名称を原稿読取部20によって生成された画像データの名称に設定して、その画像データを記憶部201に記憶させる。この場合、タッチパネル72等によって選択される名称は、アプリケーションによって作製されたデータに付された名称のうち、そのアプリケーションに対応する拡張子を除いた主要部分であることが好ましい。これにより、原稿読取システム400は、画像データの名称を簡易に設定することができる。
【0046】
また、原稿読取システム400は、タッチパネル72等によって選択された名称と、カウンター110によって計数された生成回数とを組み合わせたものを画像データの名称に設定する。これにより、原稿読取システム400は、記憶部201に記憶される名称データの名称と、原稿読取部20によって生成された画像データに設定される名称との違いを明確に示すことができる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、原稿読取部20と、操作部70(表示部及び選択部)と、制御部90とが、画像データに基づく画像を用紙Tに形成するエンジン部3を備える画像形成装置(複合機1)に配置され、記憶部201が、通信ネットワークを介して複合機1に接続された端末装置200に配置される例について説明した。しかしながら、原稿読取システム400は、画像形成装置(複合機)のみに配置されていてもよい。すなわち、原稿読取部と、記憶部と、表示部と、選択部と、制御部とは、画像データに基づく画像を用紙Tに形成するエンジン部を備える筐体に配置されていてもよい。この場合、記憶部に記憶された画像データは、USB(Universal Serial Bus)メモリーによって複合機の外部に移動されることが可能である。
【0048】
また、上述した実施形態では、画像データの名称は、カウンター110で計数された生成回数を加えることが可能な例について説明した。しかしながら、本発明においては、カウンター110で計数された生成回数に代えて、画像データの名称に原稿読取部20によって原稿Gが読み取られた時刻を加えてもよい。
【0049】
本実施形態の複合機1は、カラー複合機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロ複合機であってもよい。
また、本実施形態の複合機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態の複合機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0050】
また、本発明の画像形成装置は、上述した複合機1に限定されることはない。すなわち、本発明の画像形成装置は、コピー機であってもよく、ファクシミリであってもよい。
また、本実施形態で説明した複合機1は、トナーを利用する形態であるが、本発明はこの形態に限定されることはない。すなわち、画像形成装置は、インクジェットヘッドからインクを吐出して、そのインクを用紙に付着させるインクジェット式の複合機であってもよい。
【0051】
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される被画像形成媒体は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。また、被画像形成媒体は、シート状のものに限定されることはなく、ロール状のものであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…複合機(画像形成装置)、20…原稿読取部、71…テンキー(選択部)、72…タッチパネル(表示部、選択部)90…制御部、110…カウンター(計数部)、200…端末装置、201…記憶部、300…画像形成システム、400…原稿読取システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取って画像データを生成する原稿読取部と、
画像データに付す名称に関する名称データを記憶すると共に、画像データを記憶可能な記憶部と、
前記記憶部に記憶される名称データに基づく名称を表示する表示部と、
前記表示部に表示される名称を選択する選択部と、
前記選択部によって選択された名称を前記原稿読取部によって生成された画像データの名称に設定して、当該画像データを前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備える原稿読取システム。
【請求項2】
前記原稿読取部によって原稿の画像が読み取られる毎に生成された画像データの生成回数を計数する計数部をさらに備え、
前記制御部は、前記選択部によって選択された名称と、前記計数部によって計数された生成回数とを組み合わせたものを画像データの名称に設定する
請求項1に記載の原稿読取システム。
【請求項3】
前記記憶部に記憶される名称データは、アプリケーションによって作製されたデータであり、
名称データに基づく前記名称は、アプリケーションによって作製された前記データに付された名称のうち当該アプリケーションに対応する拡張子を除いた主要部分である
請求項1又は2に記載の原稿読取システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の原稿読取システムを備える画像形成システムであって、
前記原稿読取部と、前記表示部と、前記選択部と、前記制御部とは、画像データに基づく画像を被画像形成媒体に形成するエンジン部を備える画像形成装置に配置され、
前記記憶部は、通信ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された端末装置に配置される
画像形成システム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の原稿読取システムを備える画像形成装置であって、
前記原稿読取部と、前記記憶部と、前記表示部と、前記選択部と、前記制御部とは、画像データに基づく画像を被画像形成媒体に形成するエンジン部を備える筐体に配置される
画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−29888(P2013−29888A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163580(P2011−163580)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】