説明

原稿読取装置

【課題】マルチフィードや処理エラーなどが生じたために読み取り直して再処理する必要のある原稿を自動で特定することができる原稿読取装置を提供する。
【解決手段】FAX送信を行うために原稿群を読み取る原稿読取装置の自動原稿送り装置16に、原稿Mの表面MFを読み取る第1の読取光学系35と、原稿Mの裏面MRを読み取る第2の読取光学系36と、原稿MのFAX送信状態を識別するスタンプSを各原稿Mの裏面MRに押印するスタンプ機構50とを設ける。FAX送信にて再送モードが設定されている場合には、第2の読取光学系36で読み取った各原稿MのスタンプSの状況に応じて再送信する原稿Mを特定するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取手段で読み取った原稿の裏面に識別マークを付与する機能を備えた原稿読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿群を読み取ってファクシミリ送信するファクシミリ装置やファクシミリ機能を備えたデジタル複合機には、原稿のFAX送信が正常に行われた場合に、原稿の裏面にスタンプをマークすることで、正常にFAX送信された原稿とFAX未送信の原稿とを容易に識別可能とするような「済みスタンプ」と呼ばれる機能を搭載した機種がある。
【0003】
このようなFAX送信済み原稿の裏面に済みスタンプを押印する機能を備えた機種では、ユーザがFAX送信済み原稿の表面(原稿面)のみを見て済みスタンプ無しと判断し、誤って再送信してしまうことがあるため、済みスタンプの有無をスタンプ検出部で検出し、検出したときは本原稿がFAX送信済みであるメッセージを表示部に表示してユーザに報知することにより、FAX送信済み原稿の再送信(誤送信)を防止するようにした技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−93380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FAX送信において、原稿が正常に送信されない原因としては、
(1)原稿のマルチフィード(重送)により、次ページ以降の1枚または複数枚の原稿が送信ページの原稿と共にスキャンされる「読み飛ばし」
(2)FAX送信中の「通信エラー」
(3)原稿の画像データを保存するメモリが容量オーバーとなる「メモリフル」
などが挙げられる。
【0006】
これらFAX送信異常の原因に対し、たとえば、2枚の原稿がマルチフィードされた場合、1枚目の原稿は読み取られてFAX送信されるが済みスタンプは押印されず、実際には読み取られていない2枚目の原稿の裏面に済みスタンプが押印されるので、仮にユーザが済みスタンプの有無を判断基準として再送信すべき原稿を特定しようとしても、正確な特定は難しくなる。特に上記(1)〜(3)のFAX送信異常が複合して起きた場合には、再送信対象の原稿を特定するのが極めて難しくなり、複雑な作業になる。
【0007】
また特許文献1の技術は、済みスタンプを検出した原稿に対してFAX送信済みの表示を行うが、原稿のマルチフィードが発生した場合は、上記のようにFAX送信済み原稿の裏面には済みスタンプが押印されず、FAX未送信原稿の裏面に済みスタンプが押印される現象が起こるため、済みスタンプの有無を検出して表示するだけでは再送信対象の原稿を正しく特定することはできない。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、マルチフィードや処理エラーなどが生じたために読み取り直して再処理する必要のある原稿を自動で特定することができる原稿読取装置を提供することを目的としている。また、両面原稿の場合には読み取り直して再処理する必要のある原稿面を自動で特定することができる原稿読取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]複数枚の原稿からなる原稿群の各原稿の表裏面を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面に識別マークを付与する識別マーク付与手段と、
前記読取手段で読み取った前記原稿群の再読み取りを設定する再読取設定手段と、
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面における識別マークの状況に応じて再処理対象の原稿を特定する原稿特定手段と、
を有する
ことを特徴とする原稿読取装置。
【0011】
上記発明では、複数枚の原稿からなる原稿群に対して、読取手段は各原稿の表面(原稿面)を読み取り、識別マーク付与手段は読取手段で読み取られた各原稿の裏面に識別マークを付与する。また、再読取設定手段によって再読み取りを行う設定にされている場合には、原稿特定手段は読取手段による各原稿の裏面の読み取りで得られた識別マークの状況に応じて、再処理を行う必要のある原稿、すなわち、再処理対象の原稿を特定する。
【0012】
なお、上記の識別マークの状況とは、たとえば、各原稿の識別マークの有無や種類、連続する複数枚の原稿の間で識別マークの有無や種類がどのように配列されているかといった配列パターンなどが含まれる。また、再処理対象の原稿とは、原稿を読み取って原稿画像を電子データ化するスキャナ装置に本原稿読取装置を適用する場合には、読取エラーなどになった原稿を指し、原稿群を読み取ってファクシミリ送信するファクシミリ装置などに本原稿読取装置を適用する場合には、送信エラーなどになった原稿(未送信原稿)を指し、原稿を読み取って原稿画像を電子データ化し保存する電子保存装置などに本原稿読取装置を適用する場合には、データ保存エラーなどになった原稿を指す。すなわち、上記の再処理には、読取エラーとなった原稿の再読み取り、送信エラーとなった原稿の再送信、データ保存エラーとなった原稿の再データ保存などの処理が含まれる。
【0013】
これにより、たとえば、(1)原稿読み取り時のマルチフィードによる読み飛ばし、(2)原稿自体の処理エラー、(3)読み取った原稿(原稿面)のデータを保存する記憶媒体の容量オーバーによるデータ保存エラー、などの異常が単独または複合して発生した場合でも、再処理を行う必要のある原稿が正確に特定できる。また、再読取設定手段を通して再読み取りを行う設定にし、原稿を読み取らせるだけで、各原稿の裏面に付与された識別マークの読み取り結果(状況)を基に、再処理対象の原稿が自動で特定される。
【0014】
[2]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記識別マークが裏面に付与されていない原稿を読み取ったとき、その原稿の次ページの原稿を前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする[1]に記載の原稿読取装置。
【0015】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、識別マークが原稿の裏面から読み取られなかった場合には、その原稿の次ページの原稿は、当初の読み取り時にマルチフィードされて読み飛ばされているため、再処理対象の原稿に特定する。また、マルチフィードは連続する3ページ以上に跨って発生することもあり、その場合は裏面に識別マークの無い原稿が連続して複数ページ現れるが、その複数ページのうちの先頭ページの原稿だけが正常に読み取られた状態となる。このような3ページ以上が重なって搬送されるマルチフィードにおいても、識別マークの無い原稿の次ページの原稿を再処理対象にすることをページ毎に繰り返し行うことで、再処理すべき原稿を、すなわち、先頭ページの原稿の次ページの原稿から識別マークの有る原稿までが再処理対象であると、正確に特定することができる。
【0016】
[3]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿を前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする[1]に記載の原稿読取装置。
【0017】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、原稿が正常に処理(読み取り、FAX送信、データ保存など)されていない処理エラーを示す識別マークが原稿の裏面から読み取られた場合には、その原稿自体が処理されていないため、再処理対象の原稿に特定する。
【0018】
[4]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿の手前に連なる識別マークの付与されていない原稿の中の先頭ページを前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする請求項[1]に記載の原稿読取装置。
【0019】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、途中ページの原稿から処理エラーを示す識別マークが読み取られ、その原稿から連なる前ページの原稿で識別マークが読み取られなかった場合、処理エラーを示す識別マークはその途中ページの原稿の手前に連なる識別マークが無い原稿の先頭ページに対する処理状況を表しているため、その先頭ページの原稿を再処理対象の原稿に特定する。なお、先頭ページの次ページから処理エラーを示す識別マークが付与された原稿まではマルチフィードされた原稿であるため、[2]の処理にて再処理対象の原稿に特定される。
【0020】
[5]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取った後、次ページ以降のすべての原稿の裏面に識別マークがなかったときは、前記処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿以降の全原稿を前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【0021】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取った後、その原稿の次ページ以降のすべての原稿で識別マークが読み取られなかった場合には、原稿の画像データを保存する記憶媒体の容量オーバーなどにより、上記の処理エラーを示す識別マークが付与された原稿から最終ページの原稿までは読み飛ばされている。そのため、処理エラーを示す識別マークが付与された原稿以降の全ページの原稿を再処理対象の原稿に特定する。これにより、処理エラー後に読み飛ばされた原稿を正確に特定することができる。
【0022】
[6]前記識別マークには、片面原稿に使用される片面識別マークと、両面原稿に使用される両面用識別マークとがあり、
前記原稿特定手段は、前記読取手段によって読み取った識別マークが前記片面識別マークであると判別した場合に前記再処理対象の原稿の特定を行う
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【0023】
上記発明では、原稿の再読み取り時には原稿に付与された識別マークの種類に基づいて片面原稿であることが自動で判別されるため、たとえば、再読み取りする原稿の種類をユーザが予め手入力して設定するような操作が不要となる。
【0024】
[7]複数枚の原稿からなる原稿群の各原稿の表裏面を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面に識別マークを付与する識別マーク付与手段と、
前記読取手段で読み取った前記原稿群の再読み取りを設定する再読取設定手段と、
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面における識別マークの状況に応じて再処理対象の原稿面を特定する原稿特定手段と、
を有する
ことを特徴とする原稿読取装置。
【0025】
上記発明では、複数枚の原稿からなる原稿群に対して、読取手段は各原稿の表裏面(原稿面)を読み取り、識別マーク付与手段は読取手段で読み取られた各原稿の裏面に識別マークを付与する。また、再読取設定手段によって再読み取りを行う設定にされている場合には、原稿特定手段は読取手段による各原稿の裏面の読み取りで得られた識別マークの状況に応じて、再処理を行う必要のある原稿面、すなわち、再処理対象の原稿面を特定する。
【0026】
なお、上記の識別マークの状況や再処理対象の原稿面については、[1]に対して記載した内容を同様に適用することができる。
【0027】
これにより、たとえば、(1)原稿読み取り時のマルチフィードによる読み飛ばし、(2)原稿自体の処理エラー、(3)読み取った原稿(原稿面)のデータを保存する記憶媒体の容量オーバーによるデータ保存エラー、などの異常が単独または複合して発生した場合でも、再処理を行う必要のある原稿面を正確に特定できる。また、再読取設定手段を通して再読み取りを行う設定にし、原稿を読み取らせるだけで、各原稿の裏面に付与された識別マークの読み取り結果(状況)を基に、再処理対象の原稿面が自動で特定される。
【0028】
[8]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記識別マークが裏面に付与されていない原稿を読み取ったとき、その原稿の裏面と次ページの原稿の表面とを前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする[7]に記載の原稿読取装置。
【0029】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、識別マークが原稿の裏面から読み取られなかった場合には、その原稿の裏面と次ページの原稿の表面は、当初の読み取り時にマルチフィードされて読み飛ばされているため、その原稿の裏面と次ページの原稿の表面とを再処理対象の原稿面に特定する。また、マルチフィードは連続する3ページ以上に跨って発生することもあり、その場合は裏面に識別マークの無い原稿が連続して複数ページ現れるが、その複数ページのうちの先頭ページの原稿の表面と最終ページの原稿の裏面だけが正常に読み取られた状態となる。このような3ページ以上が重なって搬送されるマルチフィードにおいても、識別マークの無い原稿の裏面と次ページの原稿の表面とを再処理対象にすることをページ毎に繰り返し行うことで、再処理すべき原稿面を、すなわち、先頭ページの原稿の裏面から識別マークの有る原稿の表面までが再処理対象であると、正確に特定することができる。
【0030】
[9]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、表裏面の少なくともいずれかの処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿のうち前記識別マークが処理エラーを示す面を前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする[7]に記載の原稿読取装置。
【0031】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、原稿の表裏面の少なくともいずれかが正常に処理(読み取り、FAX送信、データ保存など)されていない処理エラーを示す識別マークが原稿の裏面から読み取られた場合には、その処理エラーの示す面自体が処理されていないため、再処理対象の原稿面に特定する。
【0032】
[10]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、表面の処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿の手前に連なる識別マークの付与されていない原稿の中の先頭ページの表面を前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする[7]に記載の原稿読取装置。
【0033】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、途中ページの原稿から表面の処理エラーを示す識別マークが読み取られ、その原稿から連なる前ページの原稿で識別マークが読み取られなかった場合、処理エラーを示す識別マークはその識別マークの付与された原稿の手前に連なる識別マークが無い原稿の先頭ページの表面に対する処理状況を表しているため、その先頭ページの原稿の表面を再処理対象の原稿面に特定する。なお、先頭ページの次ページから処理エラーを示す識別マークが付与された原稿まではマルチフィードされた原稿であるため、先頭ページの裏面から処理エラーを示す識別マークが付与された原稿の表面までは[7]の処理にて再処理対象の原稿面に特定される。
【0034】
[11]前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、表裏面の処理エラー、または、裏面の処理エラー、または、表面は処理エラーでかつ裏面は未処理、を示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取った後、次ページ以降のすべての原稿の裏面に識別マークがなかったときは、前記処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿のうち前記識別マークが処理エラーを示す面および前記識別マークが未処理を示す面と、その原稿以降の全原稿の表裏面とを前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする[7]乃至[10]のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【0035】
上記発明では、原稿群の再読み取りで、表裏面の処理エラー、または、裏面の処理エラー、または、表面は処理エラーでかつ裏面は未処理、を示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取った後、その原稿の次ページ以降のすべての原稿で識別マークが読み取られなかった場合には、原稿の画像データを保存する記憶媒体の容量オーバーなどにより、上記の処理エラーとなった面から最終ページの原稿の裏面までは読み飛ばされている。そのため、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿のうち識別マークが処理エラーを示す面および識別マークが未処理を示す面(表裏面または裏面)と、その原稿の次ページ以降の全原稿の表裏面とを再処理対象の原稿面に特定する。これにより、処理エラー後に読み飛ばされた原稿面を正確に特定することができる。
【0036】
[12]前記識別マークには、片面原稿に使用される片面識別マークと、両面原稿に使用される両面用識別マークとがあり、
前記原稿特定手段は、前記読取手段によって読み取った識別マークが前記両面識別マークであると判別した場合に前記再処理対象の原稿面の特定を行う
ことを特徴とする[7]乃至[11]のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【0037】
上記発明では、原稿の再読み取り時には原稿に付与された識別マークの種類に基づいて両面原稿であることが自動で判別されるため、たとえば、再読み取りする原稿の種類をユーザが予め手入力して設定するような操作が不要となる。
【0038】
[13]前記読取手段は、前記原稿の表面を読み取る第1の読取手段と、前記原稿の裏面を読み取る第2の読取手段と、で構成されている
ことを特徴とする[1]乃至[12]のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る原稿読取装置によれば、マルチフィードや処理エラーなどが生じたために読み取り直して再処理する必要のある原稿を自動で特定することができる。また、両面原稿の場合には、マルチフィードや処理エラーなどが生じたために読み取り直して再処理する必要のある原稿面を自動で特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0041】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、片面原稿を処理する場合について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る原稿読取装置11を備えた画像形成装置10の構成を制御ブロック図で示している。画像形成装置10は、原稿を読み取って対応する画像を記録紙上に形成して出力するコピー機能のほかスキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などを備えたデジタル複合機として構成されている。また、原稿を読み取って得た画像データを圧縮して保存する機能、保存している画像データを電子メールやFTP(File Transfer Protocol)を用いて外部の装置に送信する機能、保存している画像を呼び出してプリントする機能を有する。さらに、原稿を読み取ってファクシミリ送信(FAX送信)する際に、正常に送信されたか否かを識別するための識別マークとしてのスタンプを原稿の裏面に押印(付与)する機能(済みスタンプ機能)、正常にFAX送信されなかったFAX未送信のため再送信する必要のある原稿を自動で特定し再送信する機能(以下、この機能の動作モードを「再送モード」と呼ぶ。)などを備えている。
【0042】
このような機能を実現するために画像形成装置10は、操作部12と、システム制御部13と、エンジン制御部14と、原稿読取光学系15と、自動原稿送り装置(Auto Document Feeder;ADF)16と、プリンタエンジン17と、フィニッシャ18とを備えている。
【0043】
操作部12は、各種操作画面や案内画面を表示するタッチパネル式の表示部19を備えており、ユーザから各種操作を表示部19を通して受け付け、その操作情報をシステム制御部13へ出力するよう構成されている。ユーザから受け付ける操作には、コピーやFAX送信などに関する操作の他に、FAX送信における済みスタンプ機能の設定/解除や再送モードの設定/解除の操作が含まれる。操作部12は、FAX送信において読み取った原稿(原稿群)の再読み取り(再送モードのオン/オフ)を設定する再読取設定手段としての機能を備えている。
【0044】
システム制御部13は、画像形成装置10全体の動作を統括制御する中央処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)20を備えている。システム制御部13のCPU20は、操作部12または遠隔操作を行う外部装置からの操作情報などに基づいて、装置全体の動作制御を行うよう構成されている。また、システム制御部13は、FAX送信にて再送モードが設定されている場合に、FAX未送信となったため再送信する必要のある原稿(再処理対象の原稿)を特定する原稿特定手段としての機能を備え、更にその特定した原稿を再送信するよう各部を制御する機能を備えている。
【0045】
図2は、システム制御部13の主要な回路構成を示している。システム制御部13のCPU20には、バス21を介してCPUメモリ22、FlashROM(Flash Read Only Memory)/HDD(Hard Disk Drive)23、NVRAM(NonVolatile Random Access Memory)24が接続されており、バス25を介して画像メモリ26、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)27、画像回転ASIC28、画像圧縮/伸張ASIC29、DMA(Direct Memory Access)コントローラ30、FAXユニット31が接続されている。また画像処理ASIC27には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ/LD(Laser Diode)32が接続されている。
【0046】
CPUメモリ22は、CPU20が実行するプログラムの格納やCPU20がプログラムを実行する際のワークメモリなどに使用される揮発性のメモリである。
【0047】
FlashROM/HDD23におけるFlashROMは、小容量ストレージデバイスとして構成され、制御プログラムの格納や汎用オペレーティング・システムのプログラムの格納などに使用される。画像形成装置10は、立ち上げ時に起動プログラムを実行することで、FlashROM内のプログラムがCPUメモリ22に展開されて動作するようになっている。またHDDは、大容量ストレージデバイスとして構成され、画像データの格納などに使用される。
【0048】
NVRAM24は、電源がオフしても記憶内容が保持されるメモリである。NVRAM24には、装置固有の各種パラメータなど、電源オフ後も保存すべき所定のデータが記憶される。
【0049】
画像メモリ26は、圧縮された画像データの保存に使用される揮発性のメモリである。また、FAX送信する原稿の画像データを一時的に保存するメモリとしても機能するよう構成されている。
【0050】
画像処理ASIC27は、CCDユニット/プリンタユニット32に対して入出力される画像データに各種画像処理を施す機能を備えている。
【0051】
画像回転ASIC28は、画像データの回転処理を行う機能を備えている。画像圧縮/伸張ASIC29は、画像データを画像メモリ26に格納するための圧縮処理と、圧縮された画像データを伸張して元のサイズに戻す伸張処理を行う機能を備えている。
【0052】
DMAコントローラ30は、画像メモリ26の内容をNVRAM24へ転送する機能を果たす。CPU20は、DMAコントローラ30を通じて画像メモリ26にアクセスしてデータをリード/ライトできるようになっている。また、DMAコントローラ30はCPUメモリ22と画像メモリ26との間のデータ転送も可能に構成されている。
【0053】
FAXユニット31は、公衆回線33を通して画像データをFAX送信および受信する機能を果たす。
【0054】
CCDイメージセンサ/LD32は、原稿画像を読み取る原稿読取光学系15に設けられた読み取り素子であるCCDイメージセンサと、レーザー方式のプリンタエンジン17におけるレーザーユニットに設けられたLDである。CCDイメージセンサは、読み取った原稿の画像データを画像処理ASIC27へ出力するよう構成されており、LDは、画像形成を行うために、画像処理ASIC27から入力された画像データに対応するレーザーを照射するよう構成されている。
【0055】
原稿の読取動作では、CCDイメージセンサから出力された画像データは画像処理ASIC27で各種の画像補正を施された後、画像圧縮/伸張ASIC29に入力され、画像圧縮/伸張ASIC29で圧縮処理を受けた後、DMAコントローラ30によって画像メモリ26に一旦格納される。
【0056】
記録紙への出力動作においては、画像メモリ26に格納されている画像データはDMAコントローラ30により読み出されて画像圧縮/伸張ASIC29に入力され、画像圧縮/伸張ASIC29で伸張処理を受けた後、必要に応じて画像回転ASIC28に入力され、画像回転ASIC28で回転処理を受け、画像処理ASIC27を経てLDへ出力された後、記録紙上に画像形成される。
【0057】
このほか、バス21には、図2では不図示の操作部12、LAN(Local Area Network)を通じて外部装置と通信する不図示の通信制御部などが接続されている。
【0058】
図1に示すエンジン制御部14は、画像形成にかかわる機構部の動作制御を分担するCPU34を備えている。システム制御部13のCPU34は、システム制御部13のCPU20と動作コマンドやステータスの通信を行ない、CPU20からの指示に基づいて、原稿読取光学系15、自動原稿送り装置16、プリンタエンジン17、フィニッシャ18などの動作制御を行って原稿の読み取りや画像形成動作を制御するよう構成されている。
【0059】
図3は、原稿読取光学系15および自動原稿送り装置16の構成を示している。
【0060】
原稿読取光学系15は、原稿の表面(原稿面)を読み取るための第1の読取光学系35と、原稿の裏面を読み取るための第2の読取光学系36とで構成されており、原稿の表裏面を読み取る読取手段としての機能を備えている。
【0061】
第1の読取光学系35は、自動原稿送り装置16の下側に配置されており、読み取り素子がCCDイメージセンサで構成され、原稿からの光Lを複数の反射ミラー37とレンズ38によってCCDイメージセンサに導く光学縮小方式とされている。第1の読取光学系35は、CCDイメージセンサで読み取った原稿表面の画像データをエンジン制御部14を通してシステム制御部13へ出力するよう構成されている(図1参照)。
【0062】
第2の読取光学系36は、自動原稿送り装置16に取り付けられており、読み取り素子がCIS(Contact Image Sensor)で構成された密着センサー方式とされている。第2の読取光学系36は、CISで読み取った原稿裏面の画像データをエンジン制御部14を通してシステム制御部13へ出力するよう構成されている(図1参照)。
【0063】
自動原稿送り装置16は、装置本体40の上部に、コピーやFAX送信を行う原稿Mをセットするための原稿トレー41が設けられ、装置本体40の下部に、読み取られた原稿Mが排出される排出トレー42が設けられている。
【0064】
原稿トレー41は、複数枚の原稿M(原稿群)が束状で積載可能とされており、原稿トレー41の原稿送り出し側には、原稿トレー41にセットされた原稿Mを1枚ずつ送り出すピックアップローラ43が配置されている。ピックアップローラ43の原稿送り出し側には、原稿トレー41から送り込まれた原稿Mを第1の読取光学系35による読取位置RP1へと導く搬入通路44が延設されている。
【0065】
第1の読取光学系35による読取位置RP1は、ピックアップローラ43の下方に配置されている。搬入通路44は、ピックアップローラ43から読取位置RP1へ向けて側方に湾曲するよう形成されており、搬入通路44には、原稿Mを読取位置RP1側へ搬送する2対の搬送ローラ45が通路に沿って配設されている。
【0066】
原稿トレー41から搬入通路44に送り込まれた原稿Mは、搬入通路44を通ることで紙面の向きが上下反転され、読取位置RP1では下側を向いた面(表面MF)が第1の読取光学系35によって読み取られるようになっている。
【0067】
読取位置RP1の原稿送り出し側には、読取位置RP1を通過した原稿Mを排出トレー42へと導く搬出通路46が延設されており、搬出通路46には、原稿Mを排出トレー42側へ搬送する1対の搬送ローラ47および排出ローラ48が通路に沿って配設されている。
【0068】
搬出通路46の上方には、搬出通路46と略平行に延出された隔壁部49が設けられている。搬出通路46との対向する隔壁部49の下面には、搬送ローラ47と排出ローラ48の略中間位置に、第2の読取光学系36が搬出通路46方向へ向けられて取り付けられている。
【0069】
第2の読取光学系36の光軸が搬出通路46上と交差する箇所は、第2の読取光学系36による読取位置RP2とされ、読取位置RP2では、搬出通路46を通過する原稿Mの上側を向いた面(裏面MR)が第2の読取光学系36によって読み取られるようになっている。
【0070】
隔壁部49の下面における排出ローラ48の原稿送り出し側近傍には、スタンプ機構50が取り付けられている。スタンプ機構50は、FAX送信にて済みスタンプ機能が設定された場合に作動し、排出ローラ48によって排出トレー42に排出される原稿Mに対して、原稿Mの上側を向いた面(裏面MR)にスタンプSを押印するよう構成されている。
【0071】
スタンプSについては、第1の読取光学系35によって原稿Mが読み取られ正常に処理完了したこと(FAX送信完了)を示す正常スタンプ(SA)と、正常に処理完了しなかったこと(FAX未送信)を示す異常スタンプ(SB)の2種類が用意されている(図4参照)。スタンプ機構50は、済みスタンプ機能が設定されている際に、第1の読取光学系35によって表面MFが読み取られ正常に処理完了した原稿Mに対しては裏面MRに正常スタンプを押印し、正常に処理完了しなかった原稿Mに対しては裏面MRに異常スタンプを押印するよう動作する識別マーク付与手段としての機能を備えている。
【0072】
なお、済みスタンプ機能が設定されている状態で行われるFAX送信は、原稿を読み取りながら同時にFAX送信を行うリアルタイム送信で実行され、済みスタンプ機能が設定されていない状態で行われるFAX送信は、読み取った原稿の画像データを画像メモリ26に一旦保存し、保存した内容をFAX送信するメモリ送信で実行される。
【0073】
図1に示すプリンタエンジン17は、入力された画像データに対応する画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成して出力する画像形成部として機能し、図示しない、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置などを備えた、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。
【0074】
フィニッシャ18は、プリンタエンジン17によって画像が形成された記録紙に穴あけ、綴じ、折りなどの後処理を施す機能を備えている。
【0075】
また、本実施の形態に係る原稿読取装置11は、再読取設定手段としての操作部12と、読取手段としての原稿読取光学系15と、識別マーク付与手段としてのスタンプ機構50を有する自動原稿送り装置16と、原稿特定手段としてのCPU20を有するシステム制御部13とを含んで構成されている。
【0076】
次に、上記構成の画像形成装置10が備える原稿読取装置11による原稿の読み取り動作と、再処理対象(FAX未送信)の原稿を自動で特定し再送信する動作について説明する。
【0077】
原稿読取装置11による原稿の読み取りでは、図3に示すように、ユーザが自動原稿送り装置16の原稿トレー41上に、複数ページからなる原稿Mの束(原稿群)を表面MFを上側に向けてセットし、操作部12(図1参照)を通してスキャン/コピー/FAX送信の操作を行うと、原稿Mの自動読み取りが開始される。
【0078】
まず、自動原稿送り装置16のピックアップローラ43が時計回転方向へ回転し、最上ページの原稿1枚をピックアップして搬入通路44へ送り込む。搬入通路44では2対の搬送ローラ45が所定方向へ回転して原稿Mを下方へ搬送する。搬入通路44を湾曲しながら下方へ搬送される原稿Mは、読取位置RP1では表面MFが下側に向けられ、読取位置RP1を通過する際に表面MFの画像(原稿画像)が第1の読取光学系35によって読み取られる。
【0079】
読取位置RP1を通り抜けた原稿Mの先端側は、搬出通路46側へ送り出され、搬出通路46では搬送ローラ47および排出ローラ48が所定方向へ回転し、原稿Mを排出トレー42へ排出する。
【0080】
以下、次ページ以降の原稿Mに対しても、同様の読み取り動作が繰り返し行われ、最終ページの原稿Mの読み取りが完了すると、原稿群の読み取り動作が終了する。この原稿群の読み取りがFAX送信における動作であった場合には、システム制御部13のCPU20はFAXユニット31を制御して、読み取られた原稿群の画像データを公衆回線33を通じて外部装置へFAX送信する。
【0081】
また、FAX送信を行う際にユーザが済みスタンプ機能を設定している場合には、FAX送信が完了して正常に処理された原稿Mに対しては、排出トレー42へ排出される直前に、スタンプ機構50によって原稿Mの裏面MRに正常スタンプ(SA)が押印される。FAX送信中の「通信エラー」(エラー発生ページ以降の送信を中止せずに継続処理する)や、原稿Mの画像データを保存する画像メモリ26が容量オーバーとなる「メモリフル」が発生してFAX送信が完了せず正常に処理されなかった原稿Mに対しては、スタンプ機構50によって原稿Mの裏面MRに異常スタンプ(SB)が押印される。
【0082】
また、中断を必要とする「通信エラー」や「メモリフル」が発生したときは、次ページ以降の全ページは読み取り動作が中止されスタンプSが押印されずに排出トレー42へ排出される。
【0083】
さらに、ユーザはFAX未送信のページを再送信したい場合は、済みスタンプ機能を用いてFAX送信した原稿群を、再度、自動原稿送り装置16の原稿トレー41にセットし再送モードを設定して読み取りの開始操作を行う。この再送モードによる原稿の読み取りでは、スタンプ機構50が動作停止し、原稿群はページ順に表裏面が自動で読み取られる。すなわち、各原稿Mは、読取位置RP1を通過する際に表面MFの画像が第1の読取光学系35によって読み取られ、読取位置RP2を通過する際に裏面MRの画像(スタンプSの有無および種類)が第2の読取光学系36によって読み取られる。
【0084】
第2の読取光学系36によって読み取られた各原稿Mの裏面MRの画像データは、システム制御部13のCPU20へ送られ、CPU20は、各原稿Mの裏面MRに押印されたスタンプSの状況に応じて再送信する原稿Mを特定し再送信を行うようFAXユニット31などを制御する。
【0085】
以下に、複数ページの原稿Mに押印されるスタンプSのパターンについて詳細に説明する。
【0086】
図4〜9は、複数ページの原稿MにおけるスタンプSのパターンの例を、ページ数が3ページまたは4ページの原稿群の場合で示している。なお、図4〜9におけるスタンプパターンの表し方としては、図4の「図の見方」に示すように、各ページの原稿Mを裏面MR側から見た状態で、紙面の奥側から手前側に向けてページ1、ページ2、ページ3、(ページ4)とし、「正常スタンプ」(SA)はページ3の裏面MRの下端部に有るように「●」で示し、「スタンプ無し」はページ2の裏面MRの下端部に有るように表示無しで示し、「異常スタンプ」(SB)はページ1の裏面MRの下端部に有るように「○」で示している。また原稿MのFAX送信状態については、FAX送信済み(正常)は「送信済み」とし、FAX未送信(異常)は「未送信」としている。スタンプパターンの種類については、以下のA〜Fの現象で分類分けし58種類を例示している。
【0087】
A:正常送信
B:原稿マルチフィード
C:通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフル
D:通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)
E:原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルの複合
F:原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)の複合
また、図10〜13は、図4〜9に示したスタンプパターンについて、種類、FAX送信完了ページNo、FAX再送信対象ページNo、備考(症状)を対応させて一覧表に示したものである。
【0088】
たとえば、複数ページの原稿Mが全て正常にFAX送信された場合は、図4(A)に示すように、各ページ(ページ1〜4)の原稿Mの裏面MRには正常スタンプSA「●」が押印される。
【0089】
原稿Mのマルチフィードが発生した場合には、図4(B−1)〜(B−6)に示すように、裏面MRにスタンプSの無いページが発生する。たとえば、図4(B−4)に示すように、全4ページの原稿にてマルチフィードがページ2,3で発生した場合は、ページ2がスタンプ無しとなり、FAX送信が完了したのはページ1,2,4で、FAX未送信はページ3となる(図10のスタンプパターン(B−4)参照)。また、図4(B−5)に示すように、全4ページの原稿にてマルチフィードがページ2,3,4で発生した場合は、ページ2,3がスタンプ無しとなり、FAX送信が完了したのはページ1,2で、FAX未送信はページ3,4となる(図10のスタンプパターン(B−5)参照)。
【0090】
すなわち、裏面にスタンプSが押印されていない原稿(M1)は、その裏面側に次のページの原稿(M2)が重なって搬送されていることになり、次のページの原稿(M2)の表面は、その手前に重なっている裏面にスタンプSの押印されていない原稿(M1)の存在によって読み取られていないことになる。図4(B−2)、(B−3)、(B−5)のように複数ページがマルチフィードされた場合でも、各スタンプ無しのページについてそれぞれ同様の現象が生じている。そこで、スタンプ無しのページが在る場合は、スタンプ無しのページの次のページをFAX再送信の対象に特定する。
【0091】
通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルが発生した場合には、図5(C−1)〜(C−3)に示すように、通信エラーで送信中止またはメモリフルとなったページに異常スタンプSB「○」が押印され、それ以降ページがある場合は、原稿画像の読み取りが行われずに排出されスタンプSが無い状態となる。たとえば、図5(C−1)に示すように、全3ページの原稿にて通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルがページ1で発生した場合は、ページ1に異常スタンプSBが押印され、ページ2,3がスタンプ無しとなり、FAX未送信はページ1,2,3(全ページ)となる(図10のスタンプパターン(C−1)参照)。
【0092】
通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)が発生した場合には、図5(D−1)〜(D−6)に示すように、通信エラーとなったページのみに異常スタンプSBが押印され、正常にFAX送信されたページには正常スタンプSAが押印される。たとえば、図5(D−1)に示すように、全3ページの原稿にて通信エラーがページ1のみで発生した場合は、ページ1に異常スタンプSBが押印され、ページ2,3には正常スタンプSAが押印された状態となり、FAX未送信はページ1となる(図10のスタンプパターン(D−1)参照)。
【0093】
原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルとが複合して発生した場合には、図6(E−1)〜(E−11)に示すように、マルチフィードによりスタンプSの無いページが発生すると共に、通信エラーまたはメモリフルが発生したページに異常スタンプSB「○」が押印される。たとえば、図6(E−7)に示すように、全4ページの原稿にてマルチフィードがページ1,2,3で発生し、通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルがページ3で発生した場合は、ページ3に異常スタンプSBが押印され、ページ1,2,4がスタンプ無しとなり、FAX未送信はページ1,2,3,4(全ページ)となる(図11のスタンプパターン(E−7)参照)。
【0094】
通信エラーで送信中止もしくはメモリフルエラーが生じたときは、そのエラーの発生したページの裏面に異常スタンプSBを押印し、次ページ以降の全ページは読み取らずに排出されるようになっている。そこで、異常スタンプSB後、最終ページまでスタンプ無しのページが連続する場合は、異常スタンプSBの押印されたページ以降の全ページをFAX再送信の対象に特定する。
【0095】
原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)とが複合して発生した場合には、図7〜図9の(F−1)〜(F−31)に示すように、マルチフィードによりスタンプSの無いページが発生すると共に、通信エラーが発生したページに異常スタンプSB「○」が押印される。たとえば、図9(F−23)に示すように、全4ページの原稿にてマルチフィードがページ1,2,3で発生すると共にそのマルチフィードされたページ1,2,3に対して通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)が発生し、ページ4が送信完了した場合は、ページ1,2がスタンプ無しとなり、ページ3に異常スタンプSBが押印され、ページ4に正常スタンプSAが押印され、FAX未送信はページ1,2,3となる(図13のスタンプパターン(F−23)参照)。
【0096】
このように、原稿群のFAX送信では、上記B〜Fの症状に応じて正常/異常スタンプの有り無しの各種パターンが生じるが、この正常/異常スタンプの有無のみを単純に検出しただけでは、FAX再送信対象の原稿を正確に特定することができない。たとえば、原稿マルチフィードと通信エラーが複合している(E−4)や(F−22)の場合と、(E−7)、(F−23)、(F−24)などの場合とでは、マルチフィードによって共にページ1,2がスタンプ無しとなっているが、ページ1のFAX送信状況はページ3のスタンプSの種類によって決まる。
【0097】
すなわち、裏面にスタンプSの押印された原稿とその手前に連続するスタンプSの押印されていない原稿は一束となってマルチフィードされた原稿であり、この一束の先頭ページの表面は画像が読み取られ、この一束の最後のページの裏面に、先頭ページの表面の画像に対する処理結果を示すスタンプSが押印されていることになる。したがって、一束の原稿(裏面にスタンプSの押印された原稿とその手前に連続するスタンプSの押印されていない原稿)のうちの最終ページの裏面に押印されたスタンプSが正常スタンプSAであれば、この一束の先頭ページは正常に処理され、異常スタンプSBであればこの一束の先頭ページは正常に処理されていない異常ページであると判定することができる。
【0098】
このように、原稿マルチフィードとFAX送信を継続または中止する通信エラーなどが複合した場合は、マルチフィードされた原稿の最終ページのスタンプSの種類(正常/異常)によって、その手前に連続するスタンプ無しのページの先頭ページのFAX再送信の要否が決定する。
【0099】
本実施形態の原稿読取装置11では、片面原稿のFAX送信における再送モードで、
(1)裏面にスタンプが押印されていない原稿を読み取った場合は、その原稿の次ページの原稿を再送信対象に特定する「マルチフィード原稿特定処理」
(2)裏面に異常スタンプが押印されている原稿を読み取った場合は、その原稿を再送信対象に特定する「異常原稿特定処理」
(3)裏面に異常スタンプが押印されている原稿を読み取った場合は、その原稿の手前に連なるスタンプの押印されていない原稿の中の先頭ページの原稿を再送信対象に特定する「異常先頭ページ特定処理」
(4)裏面に異常スタンプが押印されている原稿を読み取った後、次ページ以降のすべての原稿の裏面にスタンプが無かったときは、異常スタンプが裏面に押印されている原稿以降の全ページの原稿を再送信対象に特定する「異常後続ページ特定処理」
といった(1)〜(4)の各処理を組み合わせることで、再送信対象の原稿を特定する。詳細には、以下に説明する処理を実行することで、上記(1)〜(4)の各処理を網羅する再送信対象原稿の自動的な特定と再送信を実現する。
【0100】
図14は、原稿読取装置11によるFAX送信および済みスタンプ機能の動作の流れを示し、図15は、FAX送信における再送モードの動作の流れを示している。
【0101】
まず、再送モードを使用しない場合の基本的なFAX送信の動作を説明する。図14に示すように、FAX送信を行うための動作(送信ジョブ)が開始されると(Start)、システム制御部13のCPU20は、ユーザが設定を行う再送モードの有効/無効を判断し(ステップS101)、設定が有効な場合は(ステップS101;Yes)図15のステップS117以下の処理を行い、設定が無効な場合は(ステップS101;No)図14のステップS102以下の処理を行う。
【0102】
再送モードの設定が無効の場合は、ユーザが設定を行う済みスタンプ機能の有効/無効を判断し(ステップS102)、設定が有効な場合は(ステップS102;Yes)ステップS108以降の処理を行い、設定が無効な場合は(ステップS102;No)ステップS103以降の処理を行う。
【0103】
済みスタンプ機能が設定されていない場合は(ステップS102;No)メモリ送信で動作するため、原稿読取装置11は原稿表面の画像を読み取り(ステップS103)、読み取った原稿表面の画像データを画像メモリ26のメインメモリ領域に保存する(ステップS104)。
【0104】
続いて、画像メモリ26が容量オーバーとなるメモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS105)、メモリフルが発生した場合は(ステップS105;Yes)、たとえば表示部19(図1参照)にメモリフル発生の表示を行いユーザに報知して本送信ジョブを中止する(End)。メモリフルが発生せず、読み取った原稿の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS105;No)、読み取った原稿が最終ページであるか否かを判断する(ステップS106)。
【0105】
読み取った原稿が最終ページでない場合は(ステップS106;No)、ステップS103の処理へ戻る。読み取った原稿が最終ページであった場合は(ステップS106;Yes)、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている原稿全ページの画像データをFAX送信し(ステップS107)、送信完了後に本送信ジョブを終了する(End)。
【0106】
このステップS103からステップS107までの一連の処理で、メモリフルが発生しなければ原稿全ページが正常に読み取られてFAX送信される。
【0107】
一方、済みスタンプ機能が設定されている場合は(ステップS102;Yes)、原稿を読み取りながら同時にFAX送信を行うリアルタイム送信と、原稿のFAX送信状況(正常/異常)に応じたスタンプSを押印するための動作を行う。
【0108】
まず、原稿1ページの表面の画像を読み取り(ステップS108)、読み取った原稿表面の画像データを画像メモリ26のメインメモリ領域に保存する(ステップS109)。続いて、メモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS110)、読み取った原稿の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS110;No)、画像メモリ26に保存されている原稿1ページの画像データをFAX送信し(ステップS111)、そのページのFAX送信が通信エラーなど起こらずに正常に終了したか否かを判断する(ステップS112)。
【0109】
FAX送信が正常に終了した場合は(ステップS112;Yes)、原稿裏面に正常スタンプSAを押印し(ステップS113)、FAX送信した原稿が最終ページであるか否かを判断する(ステップS114)。
【0110】
FAX送信した原稿が最終ページでない場合は(ステップS114;No)ステップS108の処理へ戻る。FAX送信した原稿が最終ページであった場合は(ステップS114;Yes)、本送信ジョブを終了する(End)。
【0111】
また、ステップS110でメモリフルが発生した場合(ステップS110;Yes)、あるいは、ステップS112で通信エラーが発生した場合は(ステップS112;No)、原稿裏面に異常スタンプSBを押印し(ステップS115)、次ページの原稿を継続してFAX送信可能か否かを判断する(ステップS116)。
【0112】
FAX送信可能な通信エラーの場合は(ステップS116;Yes)、ステップS108の処理へ戻り、FAX送信不可能な通信エラーまたはメモリフルの場合は(ステップS116;No)、たとえば表示部19(図1参照)に通信エラー発生またはメモリフル発生の表示を行いユーザに報知して本送信ジョブを中止する(End)。
【0113】
このステップS108からステップS116までの一連の処理で、通信エラーまたはメモリフルが発生しなければ原稿全ページが正常に読み取られてFAX送信され、各原稿の裏面には正常スタンプSAが押印される。継続送信可能な通信エラーが発生した場合は、そのエラー発生ページの原稿の裏面に異常スタンプSBが押印される。また、FAX送信中止とする通信エラーまたはメモリフルエラーが発生した場合は、エラー発生前の原稿までは正常に読み取られてFAX送信されると共に、送信完了した各原稿の裏面に正常スタンプSAが押印され、エラー発生以降の原稿はFAX送信されず、エラーが発生したページの原稿の裏面にのみ異常スタンプSBが押印される。
【0114】
次に、再送モードを使用する場合の流れを説明する。なお、スタンプSの押印されていない原稿は、後続ページの原稿にて最初に現れるスタンプSの種類によってFAX再送信の要否が決まるため、本実施形態では、画像メモリ26の使用方法をメインメモリ領域とテンポラリメモリ領域に分けて制御を行い、メインメモリ領域には再送信が必要と決定された原稿の画像データを保存し、テンポラリメモリ領域にはFAX再送信が必要となる可能性のある原稿の画像データを一時的に保存するようにしている。
【0115】
すなわち、読み取ったページが裏面にスタンプSの押印されていないページである場合は、そのページの画像データを画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存しておき、その後、スタンプSの押印されたページを読み取ったとき、今回読み取ったスタンプSの押印されているページとテンポラリメモリ領域に保存されているページとを一束にしてマルチフィードされたページ群として扱う。詳細には、今回読み取ったスタンプSの押印されているページはマルチフィードされた一束のページ群の最終ページであり、テンポラリメモリ領域に保存されているページは、このスタンプSの押印されたページの手前に連続するスタンプSの押印されていないページになっている。
【0116】
そこで、スタンプSの種類が正常スタンプSAの場合は、一束のページ群の中の先頭ページ、すなわちテンポラリメモリ領域内の先頭ページはFAX送信済みページとして扱う。また、スタンプSの種類が異常スタンプSBの場合は、テンポラリメモリ領域内の先頭ページはFAX未送信ページとして扱い再送信の対象にする(異常先頭ページ特定処理)。
【0117】
また、テンポラリメモリ領域に保存されているページはいずれもスタンプSの押印されていないページであるため、テンポラリメモリ領域に保存されている中の2ページ目以降、および、テンポラリメモリ領域に保存されている最後のページの次のページであるスタンプSの押印されたページは、それぞれスタンプSの押印されていないページの次のページになっている。そこで、テンポラリメモリ領域内の2ページ目以降およびスタンプSの押印されたページを再送信の対象にしている(マルチフィード原稿特定処理)。
【0118】
また、スタンプSの押印されていないページの画像データをテンポラリメモリ領域に保存する処理を繰り返しているうちに最終ページとなったときは、それらのページはメモリフルあるいはFAX送信中止となる通信エラーによって最終ページまで読み飛ばされたページであるため、テンポラリメモリ領域内のすべてのページを再送信の対象にしている(異常後続ページ特定処理)。このとき、テンポラリメモリ領域に保存されたページの直前のページは異常スタンプSBの押印されたページになっているはずであるため、そのページも再送信の対象にしている(異常原稿特定処理)。
【0119】
以下、本処理の各ステップを詳細に説明する。FAX未送信原稿の自動再送信を行う場合、図14に示すステップS101、ステップS102、およびステップS108〜ステップS116までの一連の処理を行った後に、ユーザは操作部12を通して再送モードの設定を行い、原稿群を再度、原稿読取装置11の原稿トレー41にセットして原稿群の読み取りを開始する操作を行う(図14のStart)。
【0120】
システム制御部13のCPU20は、再送モードの設定が有効であると判断し(ステップS101;Yes)、図15に示すステップS117以下のFAX再送信(再送信ジョブ)を行うための処理を実行する。
【0121】
まず、前ページの済みスタンプ状態を保持するためのフラグをオンに設定する(ステップS117)。本処理で使用するフラグは、前ページがスタンプSの押印されたページであるか否かを示しており、フラグ・オンは前ページが「スタンプ有り」であったことを示し(初期値)、フラグ・オフは前ページが「スタンプ無し」であったことを示す。
【0122】
今回読み取ったページがスタンプSの押印されたページでかつ前のページもスタンプSの押印されたページである場合は、今回読み取ったページはマルチフィードされていないページであることが判明し、そのページに押印されたスタンプSはそのページのFAX送信状況を示している。そこで、今回読み取ったページがスタンプ有りの場合には前ページがスタンプ有りか否かをフラグによって確認し、フラグがセットされている(前ページ有りの)場合、今回読み取ったページに押印されたスタンプSが正常スタンプSAであればそのページは正常にFAX送信されていると認識し、異常スタンプSBであればそのページを再送信の対象に確定するようにしている。
【0123】
次に、原稿読取装置11は原稿表裏面の画像を同時に読み取り(ステップS118)、原稿裏面に押印されたスタンプSの種類が異常スタンプSB(エラー発生)であるか否かを判断し(ステップS119)、異常スタンプSBである場合は(ステップS119;Yes)、ステップS127の処理へ移行し、異常スタンプSBでない場合は(ステップS119;No)、原稿裏面に押印されたスタンプSの種類が正常スタンプSAであるか否かを判断する(ステップS120)。
【0124】
正常スタンプSAの場合は(ステップS120;Yes)、ステップS121の処理へ移行し、正常スタンプSAではない場合はスタンプSが存在しない状態となり、ステップS123の処理へ移行する。
【0125】
ステップS121では、前ページの済みスタンプ状態を保持するためのフラグがオンであるか否かを判断し、フラグ・オンの場合は(ステップS121;Yes)FAX送信が正常に完了した原稿と判断し、ステップS126の処理へ移行する。フラグ・オフの場合は(ステップS121;No)ステップS122の処理へ移行する。
【0126】
一方、ステップS123では、ステップS119およびステップS120によって原稿裏面にスタンプSの無いことが判明しているため、前ページの済みスタンプ状態を保持するためのフラグをオフに設定する。すなわち、フラグ・オフにすることで前ページはスタンプ無しであるとの状態を保持する。続いて、読み取った原稿表面の画像データを画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存し(ステップS124)、メモリフルが発生したか否かを判断する(ステップS125)。
【0127】
メモリフルが発生した場合は(ステップS125;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS136の処理を実行する。メモリフルが発生せず、読み取った原稿表面の画像データが正常に画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存された場合は(ステップS125;No)、ステップS126の処理へ移行する。
【0128】
ステップS126では、読み取った原稿が最終ページであるか否かを判断する。最終ページである場合は(ステップS126;Yes)、FAX再送信を行うためにステップS137の処理へ移行し、最終ページではない場合は(ステップS126;No)ステップS118の処理へ戻る。
【0129】
このステップS117からステップS126までの一連の処理によって、読み取った原稿の裏面にスタンプSが押印されてない場合は、その原稿の表面の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存される。また、フラグ・オンでかつ読み取った原稿の裏面に正常スタンプSAが押印されていた場合は、その原稿の表面の画像データは正常に送信されているため画像メモリ26のテンポラリメモリ領域にもメインメモリ領域にも保存されることなく消去される。
【0130】
ステップS127では、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが有るか否かを判断する。画像データが有る場合は(ステップS127;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する先頭1ページ分の画像データをメインメモリ領域にコピーし(ステップS128)、メモリフルが発生したか否かを判断する(ステップS129)。
【0131】
メモリフルが発生した場合は(ステップS129;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS136の処理を実行する。メモリフルが発生せず、テンポラリメモリ領域に存在する先頭1ページ分の画像データが正常にメインメモリ領域にコピーされた場合は(ステップS129;No)、その先頭1ページ分の画像データをテンポラリメモリ領域から削除して(ステップS130)、ステップS127の処理へ戻る。
【0132】
一方、ステップS121でフラグ・オフの場合は(ステップS121;No)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが有るか否かを判断する(ステップS122)。画像データが有る場合は(ステップS122;Yes)、ステップS130の処理へ移行し、テンポラリメモリ領域に存在する先頭1ページ分の画像データをテンポラリメモリ領域から削除して(ステップS130)、ステップS127の処理へ移行する。画像データが無い場合は(ステップS122;No)、ステップS131の処理へ移行する。
【0133】
ステップS127で画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが無い場合は(ステップS127;No)、すなわち、当初から画像データが無い場合、あるいは、当初は画像データが存在したがステップS128からステップS130までの処理を繰り返すことで当初の画像データがメインメモリ領域へコピーされた後にテンポラリメモリ領域から削除されて存在しなくなった場合は、今回の読み取りで得た原稿表面の画像データを画像メモリ26のメインメモリ領域に保存し(ステップS131)、メモリフルが発生したか否かを判断する(ステップS132)。
【0134】
メモリフルが発生した場合は(ステップS132;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS136の処理を実行する。メモリフルが発生せず、今回読み取った原稿表面の画像データが正常にメインメモリ領域に保存された場合は(ステップS132;No)、前ページの済みスタンプ状態を保持するためのフラグをオンに設定し(ステップS133)、読み取った原稿が最終ページであるか否かを判断する(ステップS134)。
【0135】
最終ページである場合は(ステップS134;Yes)、FAX再送信を行うためにステップS135の処理へ移行し、最終ページではない場合は(ステップS134;No)ステップS118の処理へ戻る。
【0136】
たとえば、異常スタンプSBの有る原稿の処理において、読み取った最初のページに異常スタンプSBが有る場合、もしくは、異常スタンプSBの有るページの次のページを読み取った際にそのページにも異常スタンプSBが有る場合、もしくは、正常スタンプSAが有るページの次のページを読み取った際にそのページに異常スタンプSBが有る場合には、それらの異常スタンプSBが有る原稿はFAX未送信ページであるため再送信対象となる。本原稿の処理では、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが保存されていない状態で、ステップS119(ステップS119;Yes)からステップS127を経由して(ステップS127;No)ステップS131へ移行し、ステップS131からステップS134までの一連の処理が行われる。これにより、今回読み取った異常スタンプSBの有る原稿の画像データはメインメモリ領域に保存されることとなり、再送信の対象にされる(異常原稿特定処理)。
【0137】
またステップS117からステップS126までの処理を経て、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域にスタンプSの無い原稿の画像データが保存された後に、ステップS127へ移行してステップS127からステップS130までの一連の処理が行われると、テンポラリメモリ領域に保存されているスタンプSの無い原稿の画像データは、その後スタンプSの有る原稿が読み取られたことで(ステップS119;Yes)再送信の対象に決定され、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へ移される。すなわち、テンポラリメモリ領域内の先頭ページはその後の異常スタンプSBの出現により再送信対象にされ、テンポラリメモリ領域内の2ページ目以降はマルチフィード(スタンプSの無いページの次ページ)により再送信対象にされる。
【0138】
テンポラリメモリ領域に存在するすべての画像データがメインメモリ領域へ移された後に、ステップS131の処理が行われると今回読み取った原稿も再送信対象となり、その原稿の画像データもメインメモリ領域に保存される。すなわち、今回読み取った原稿はテンポラリメモリ領域内のスタンプSの無い最終ページの次ページであるため、このページも再送信対象にされる。
【0139】
一方、ステップS117からステップS126までの処理を経て、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に、スタンプSの無い原稿の画像データが保存された後に、ステップS120からステップS121、ステップS122を経由してステップS130へ移行した場合には、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存されているスタンプSの無い原稿の画像データのうちの先頭ページはFAX送信済みであることが判明して(ステップS120;Yes)再送信対象から外され、その先頭1ページ分の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域から削除される(ステップS130)。テンポラリメモリ領域内の2ページ目以降はスタンプSの無いページの次ページであるため再送信対象である。そこで1ページ目の画像データを削除した後にテンポラリメモリ領域に残っているすべての画像データがメインメモリ領域へ移される。その後ステップS131の処理が行われると、今回読み取った原稿は正常スタンプSAが押印されてはいるが前ページ(テンポラリメモリ領域内の最終ページ)に重なってマルチフィードされたFAX未送信ページであるため再送信対象となり、その原稿の画像データはメインメモリ領域に保存される。
【0140】
これにより、今回読み取ったスタンプSの押印されているページとテンポラリメモリ領域に保存されているページとを一束にしてマルチフィードされたページ群として扱い、そのスタンプSの種類が正常スタンプSAの場合は、一束のページ群の中の先頭ページ、すなわちテンポラリメモリ領域内の先頭ページをFAX送信済みページとして扱い、スタンプSの種類が異常スタンプSBの場合は、テンポラリメモリ領域内の先頭ページはFAX未送信ページとして扱い再送信の対象にする処理が行われる(異常先頭ページ特定処理)。さらに、テンポラリメモリ領域内のスタンプSが無い2ページ目以降、および、今回読み取ったスタンプSが有るページを再送信の対象にする処理も行われる(マルチフィード原稿特定処理)。
【0141】
ステップS137では、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存されている画像データが有るか否かを判断する。画像データが無い場合は(ステップS137;No)、ステップS135の処理へ移行し、画像データがある場合は(ステップS137;Yes)、FAX再送信を行う必要があるため、テンポラリメモリ領域に存在する先頭1ページ分の画像データをメインメモリ領域にコピーし(ステップS138)、メモリフルが発生したか否かを判断する(ステップS139)。
【0142】
メモリフルが発生せず、テンポラリメモリ領域に存在する先頭1ページ分の画像データが正常にメインメモリ領域にコピーされた場合は(ステップS139;No)、その先頭1ページ分の画像データをテンポラリメモリ領域から削除して(ステップS140)、ステップS137の処理へ戻る。メモリフルが発生した場合は(ステップS139;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS136の処理を実行する。
【0143】
たとえば、スタンプSの無いページの画像データをテンポラリメモリ領域に保存するステップS118からステップS126までの処理を繰り返しているうちに最終ページとなったときは(ステップS126;Yes)、それらのページはメモリフルあるいはFAX送信中止となる通信エラーによって最終ページまで読み飛ばされたページと判明する。そして、ステップS137からステップS140までの一連の処理が行われると、テンポラリメモリ領域内のすべてのページ(読み飛ばされたページ)の画像データが画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へ移されて再送信の対象にされる(異常後続ページ特定処理)。
【0144】
ステップS135では、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている画像データが有る場合はその画像データのFAX送信(再送信)を実行し、FAX送信後にメインメモリ領域に有る画像データをすべて消去して(ステップS136)本再送信ジョブを終了する(End)。画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている画像データが無い場合は、何も処理せずにステップS136の処理へ移行し本再送信ジョブを終了する(End)。
【0145】
また、本再送信ジョブの処理の途中でメモリフルが発生した場合は(ステップS125/ステップS129/ステップS132/ステップS139;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、画像メモリ26のメインメモリ領域またはテンポラリメモリ領域に画像データがあればすべて消去し(ステップS136)、本再送信ジョブを中止する(End)。
【0146】
以上が再送モードを使用したFAX再送信の処理の流れであり、たとえば図4(A)、図4(B−5)、図5(C−1)、図5(D−1)、図6(E−7)、図9(F−22)に示すスタンプパターンの各原稿群に対しては、本処理を行うことで、以下に説明する流れで自動的にFAX再送信対象の原稿が正確に特定され再送信される。
【0147】
・図4(A):全ページ(ページ1〜4)正常送信
裏面に正常スタンプSAが押印されているページ1が読み取られると、ページ1の表面の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存されずに消去される(S118→S119→S120→S121→S126)。ページ2,3,4についても同じ処理が繰り返し行われ、最終ページであるページ4の処理を終えると、画像メモリ26のメインメモリ領域には画像データが無いためにFAX送信は行われず処理が終了する(S126→S137→S135→S136→End)。したがって、本例ではFAX再送信対象の原稿が無いものと処理される。
【0148】
・図4(B−5):原稿マルチフィードがページ2,3,4で発生
裏面に正常スタンプSAが押印されているページ1が読み取られると、ページ1の表面の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存されることなく消去される(S118→S119→S120→S121→S126)。裏面にスタンプSが押印されていないページ2,3については、表面の画像データが画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存される(S118→S119→S120→S123→S124→S125→S126:2回繰り返し)。裏面に正常スタンプSAが押印されているページ4が読み取られると(S118→S119→S120)、ページ2はFAX送信済みと判明し、ページ2の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域から削除される(S121→S122→S130)。ページ3はFAX送信済みのページ2にマルチフィードされたと判明し、ページ3の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へコピーされてテンポラリメモリ領域から削除される(S127→S128→S129→S130)。ページ4はページ2,3にマルチフィードされたと判明し、ページ4の表面の画像データは画像メモリ26のメインメモリ領域に保存される(S127→S131→S132→S133→S134)。最終ページであるページ4の処理を終えると、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されているページ3,4の画像データがFAX送信されて処理が終了する(S135→S136→End)。したがって、本例ではページ3,4がFAX再送信対象に特定されて再送信される。
【0149】
・図5(C−1):通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルがページ1で発生
裏面に異常スタンプSBが押印されているページ1が読み取られると、ページ1はFAX未送信であると判明し、ページ1の表面の画像データは画像メモリ26のメインメモリ領域に保存される(S118→S119→S127→S131→S132→S133→S134)。裏面にスタンプSが押印されていないページ2,3については、表面の画像データが画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存される(S118→S119→S120→S123→S124→S125→S126:2回繰り返し)。裏面にスタンプSが押印されていないページ3が最終ページであるため、ページ1で通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルが発生してページ2,3はFAX未送信であると判明し、ページ2,3の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へコピーされてテンポラリメモリ領域から削除される(S137→S138→S139→S140:2回繰り返し)。ページ2,3の画像データのコピーを終えると、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されているページ1,2,3の画像データがFAX送信されて処理が終了する(S135→S136→End)。したがって、本例ではページ1,2,3がFAX再送信対象に特定されて再送信される。
【0150】
・図5(D−1):通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)がページ1で発生
裏面に異常スタンプSBが押印されているページ1が読み取られると、ページ1はFAX未送信であると判明し、ページ1の表面の画像データは画像メモリ26のメインメモリ領域に保存される(S118→S119→S127→S131→S132→S133→S134)。裏面に正常スタンプSAが押印されているページ2,3については、表面の画像データが画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存されずに消去される(S118→S119→S120→S121→S126:2回繰り返し)。最終ページであるページ3の処理を終えると、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されているページ1の画像データがFAX送信されて処理が終了する(S135→S136→End)。したがって、本例ではページ1がFAX再送信対象に特定されて再送信される。
【0151】
・図6(E−7):原稿マルチフィードがページ1,2,3で発生/通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルがページ3で発生
裏面にスタンプSが押印されていないページ1,2が読み取られると、ページ1,2の表面の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存される(S118→S119→S120→S123→S124→S125→S126:2回繰り返し)。裏面に異常スタンプSBが押印されているページ3が読み取られると(S118→S119)、ページ1,2,3がマルチフィードされてページ2,3はFAX未送信であり、更にページ1もFAX未送信であると判明し、ページ1,2の画像データはテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へコピーされてテンポラリメモリ領域から削除され(S127→S128→S129→S130:2回繰り返し)、ページ3の画像データは画像メモリ26のメインメモリ領域に保存される(S127→S131→S132→S133→S134)。裏面にスタンプSが押印されていないページ4については、表面の画像データが画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存される(S118→S119→S120→S123→S124→S125→S126)。裏面にスタンプSが押印されていないページ4が最終ページであるため、ページ3で通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルが発生してページ4はFAX未送信であると判明し、ページ4の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へコピーされてテンポラリメモリ領域から削除される(S137→S138→S139→S140)。ページ4の画像データのコピーを終えると、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されているページ1,2,3,4の画像データがFAX送信されて処理が終了する(S135→S136→End)。したがって、本例ではページ1,2,3,4がFAX再送信対象に特定されて再送信される。
【0152】
・図9(F−22):原稿マルチフィードがページ1,2,3で発生/通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)がページ4で発生
裏面にスタンプSが押印されていないページ1,2が読み取られると、ページ1,2の表面の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存される(S118→S119→S120→S123→S124→S125→S126:2回繰り返し)。裏面に正常スタンプSAが押印されているページ3が読み取られると(S118→S119→S120)、ページ1,2,3がマルチフィードされてページ2,3はFAX未送信であり、ページ1はFAX送信済みであると判明し、ページ1の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域から削除され(S121→S122→S130)、ページ2の画像データは画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へコピーされてテンポラリメモリ領域から削除され(S127→S128→S129→S130)、ページ3の画像データは画像メモリ26のメインメモリ領域に保存される(S127→S131→S132→S133→S134)。裏面に異常スタンプSBが押印されているページ4はFAX未送信であるため、表面の画像データが画像メモリ26のメインメモリ領域に保存される(S118→S119→S127→S131→S132→S133→S134)。最終ページであるページ4の処理を終えると、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されているページ2,3,4の画像データがFAX送信されて処理が終了する(S135→S136→End)。したがって、本例ではページ2,3,4がFAX再送信対象に特定されて再送信される。
【0153】
なお、ここでは説明を省略するが、図4〜9に示す他のスタンプパターンの各原稿群についても、図15に示す処理によって自動で再送信対象のページが正確に特定され再送信される。
【0154】
このように、本実施形態の原稿読取装置11では、複数枚の原稿Mからなる原稿群に対して、第1の読取光学系35は各原稿Mの表面MF(原稿面)を読み取り、スタンプ機構50は第1の読取光学系35で読み取られた各原稿Mの裏面MRにスタンプSを押印する。また、操作部12によって再送モードを行う設定にされている場合には、スタンプSが押印された原稿群の読み取りで、第2の読取光学系36は各原稿Mの裏面MRを読み取り、システム制御部13のCPU20は、第2の読取光学系36による各原稿Mの裏面MRの読み取りで得られたスタンプSの状況に応じて再送信対象の原稿Mを特定する。
【0155】
特に本実施形態では、再送モードが設定されている場合に、スタンプSが裏面MRに押印されていない原稿Mを読み取ったとき、その原稿Mの次ページの原稿Mを再送信対象に特定する。また異常スタンプSBが裏面MRに押印されている原稿Mを読み取ったとき、その原稿Mを再送信対象に特定し、更にその原稿Mの手前に連なるスタンプSの押印されていない原稿Mの中の先頭ページを再送信対象に特定する。また異常スタンプSBが裏面MRに押印されている原稿Mを読み取った後、次ページ以降のすべての原稿Mの裏面MRにスタンプSがなかったときは、異常スタンプSBが押印されている原稿M以降の全原稿Mを再送信対象に特定する。
【0156】
これにより、原稿マルチフィード、通信エラー(エラー発生ページで送信中止/エラー発生ページ以外を送信)、メモリフルといった読み取り異常が単独または複合して発生した場合でも、FAX未送信であるために再送信する必要のある原稿Mが正確に特定できるようになる。また、ユーザが操作部12を通して再送モードを行う設定にし、原稿読取装置11に再度原稿群を読み取らせるだけで、各原稿MのスタンプSの読み取り結果を基に、再送信対象の原稿Mが自動で特定され再送信される。
【0157】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態で説明した画像形成装置10の原稿読取装置11は、片面原稿に加えて両面原稿の処理にも対応しており、第2の実施の形態では両面原稿を処理する場合について説明する。以下、原稿読取装置11における両面原稿の処理を行う構成について説明するが、第1の実施の形態と同じ構成については説明を省略する。
【0158】
原稿読取装置11は、両面原稿のFAX送信で済みスタンプ機能が設定されている場合に、表裏の各原稿面が正常に送信されたか否かを識別するための両面原稿用のスタンプ(識別マーク)を両面原稿の裏面に押印するようになっている。さらに両面原稿の再送モードでは、FAX未送信のため再送信する必要のある原稿面を自動で特定し再送信するようになっている。
【0159】
両面原稿のFAX送信については、片面原稿と同様に、済みスタンプ機能が設定されている場合には、両面原稿の表裏面を読み取りながら同時にFAX送信を行うリアルタイム送信で実行され、済みスタンプ機能が設定されていない場合には、読み取った両面原稿の表裏面の画像データを画像メモリ26に一旦保存し、保存した内容をFAX送信するメモリ送信で実行されるようになっている。
【0160】
システム制御部13(図1参照)は、第1の実施の形態で説明した機能に加えて、両面原稿のFAX送信で再送モードが設定されている場合に、FAX未送信となったため再送信する必要のある原稿面(再処理対象の原稿面)を特定する機能と(原稿特定手段)、特定した原稿面を再送信するよう各部を制御する機能を備えている。
【0161】
原稿の種類(片面/両面)に応じた片面/両面FAX送信の選択は、操作部12(図1参照)を通して設定できるようになっている。また再送モードでは、原稿を再読み取りしたときのスタンプの種類(片面原稿用/両面原稿用のスタンプ)で原稿の種類が自動判別されるようになっており、原稿の種類を選択する操作は不要となっている。なお、このような自動判別に加えて、再送モードにおいても操作部12を通して原稿の種類を選択できるように構成することができる。
【0162】
スタンプ機構50(図3参照)は、第1の実施の形態で説明した、片面原稿のFAX送信で済みスタンプ機能が設定されている場合に片面原稿用のスタンプS(正常スタンプSA/異常スタンプSB(図4参照))を原稿Mの裏面MRに押印する機能に加えて、両面原稿のFAX送信で済みスタンプ機能が設定されている場合に、両面原稿用のスタンプS(図16参照)を原稿Mの裏面MRに押印する機能を備えている(識別マーク付与手段)。
【0163】
両面原稿用のスタンプSは、第1の読取光学系35(図3参照)によって両面原稿Mの表面MFが読み取られると共に第2の読取光学系36(図3参照)によって両面原稿Mの裏面MRが読み取られ、表裏面共に正常に処理完了したこと(両面FAX送信完了)を示す両面正常スタンプ(SC)と、表裏面共に正常に処理完了しなかったこと(両面FAX未送信)を示す両面異常スタンプ(SD)と、表面が正常で裏面が異常であったことを示す裏面異常スタンプ(SE)と、表面が異常で裏面が正常であったことを示す表面異常スタンプ(SF)と、表面が異常であると共に処理が停止されて裏面の処理が行われなかったことを示す表面異常処理停止スタンプ(SG)との5種類が用意されている。
【0164】
次に、原稿読取装置11による両面原稿の読み取り動作と、再処理対象(FAX未送信)の原稿面を自動で特定し再送信する動作について説明する。なお、以下の説明では「片面原稿用のスタンプ」を「片面用スタンプ」、「両面原稿用のスタンプ」を「両面用スタンプ」と略して記述する。
【0165】
画像形成装置10の原稿読取装置11による両面原稿の読み取りでは、片面原稿の場合と同様に、ユーザが自動原稿送り装置16(図3参照)の原稿トレー41上に、複数ページからなる両面原稿Mの束(原稿群)を表面MFを上側に向けてセットし、操作部12(図1参照)を通して両面原稿Mをスキャン/コピー/FAX送信する操作を行うと、両面原稿Mの自動読み取りが開始される。
【0166】
この自動読み取りで、原稿群は先頭ページから1枚ずつピックアップされて搬送され、読取位置RP1を通過する際に両面原稿Mの表面MFの画像が第1の読取光学系35によって読み取られ、読取位置RP2を通過する際に両面原稿Mの裏面MRの画像が第2の読取光学系36によって読み取られ、排出トレー42に排出される。そして、最終ページの読み取りが完了し、この原稿群の読み取りがFAX送信における動作であった場合には、システム制御部13のCPU20はFAXユニット31を制御して、読み取られた各両面原稿Mの表面MFと裏面MRの画像データを公衆回線33を通じて外部装置へFAX送信する。
【0167】
また、両面原稿のFAX送信で済みスタンプ機能が設定されている場合には、表裏面の送信状況に応じて両面用スタンプSがスタンプ機構50によって各両面原稿Mの裏面MRに押印される。さらにFAX未送信のページ(原稿面)を再送信する場合には、片面原稿の場合と同様に、済みスタンプ機能を用いてFAX送信した原稿群を、再度、自動原稿送り装置16の原稿トレー41にセットし再送モードを設定して読み取りの開始操作を行う。この再送モードによる読み取りで、各両面原稿Mは、読取位置RP1を通過する際に表面MFの画像が第1の読取光学系35によって読み取られ、読取位置RP2を通過する際に両面用スタンプSの有無および種類を含む裏面MRの画像が第2の読取光学系36によって読み取られる。
【0168】
第2の読取光学系36によって読み取られた各両面原稿Mの裏面MRの画像データは、システム制御部13のCPU20へ送られ、CPU20は、各両面原稿Mの裏面MRに押印されたスタンプSの状況に応じて再送信する両面原稿Mの原稿面を特定し再送信を行うようFAXユニット31などを制御する。
【0169】
以下に、両面用スタンプSの種類と、複数ページの両面原稿Mに押印される両面用スタンプSのパターンについて詳細に説明する。
【0170】
図16〜39は、複数ページの両面原稿Mにおける両面用スタンプSのパターンの例を、ページ数が3ページまたは4ページの原稿群の場合で示している。なお、図16〜39におけるスタンプパターンの表し方としては、図16の「図の見方」に示すように、各ページの両面原稿Mを裏面MR側から見た状態で、紙面の奥側から手前側に向けてページ1、ページ2、・・・としている(片面原稿の場合と同様)。
【0171】
片面用スタンプには円形マーク(「●」/「○」)を使用しているが、これと区別するために両面用スタンプには菱形マーク(1種類は三角形マーク)を使用している。この菱形マークからなる両面用スタンプでは、左側半分を占める三角形部分が原稿表面の処理状況を表し、右側半分を占める三角形部分が原稿裏面の処理状況を表しており、いずれも正常(FAX送信済み)を黒塗りで、異常(FAX未送信)を白抜きで表している。
【0172】
詳細には、両面正常スタンプSCはページ3の裏面MRの下端部に有るような左右の各領域(全領域)が黒塗りの菱形マーク(「◆」)で示し、両面異常スタンプSDはページ1の裏面MRの下端部に有るように左右の各領域が白抜きの菱形マークで示している。さらに、裏面異常スタンプSEはページ4の裏面MRの下端部に有るような右側半分が白抜きの菱形マークで示し、表面異常スタンプSFはページ5の裏面MRの下端部に有るような左側半分が白抜きの菱形マークで示し、表面異常処理停止スタンプSGは菱形マークにおける右側半分の三角形が存在せず左側半分の三角形が白抜きとされた三角マークで示している。また、スタンプ無しはページ2の裏面MRの下端部に有るように表示無しで示している(片面原稿の場合と同様)。
【0173】
なお、両面原稿のFAX送信における異常は、片面原稿と同じくFAX送信中の「通信エラー」(エラー発生ページ以降の送信を中止せずに継続処理するまたは中断する)や、画像データを保存する画像メモリ26が容量オーバーとなる「メモリフル」が発生してFAX送信が完了しなかった場合である。また、両面原稿の表面の読み取りで中断を必要とする「通信エラー」や「メモリフル」が発生したときは読み取り動作が中止され、その両面原稿の裏面に表面異常処理停止スタンプSGが押印されて排出トレー42へ排出される。したがって、表面異常処理停止スタンプSGが押印された両面原稿は、表面が異常で読み取られておらず、さらに読み取り動作が中止されて裏面も読み取られていないことになる。また、この表面異常処理停止スタンプSGが押印された両面原稿以降にページが有るときは、次ページ以降の全ページは表裏面の読み取りが行われず両面用スタンプSが押印されずに排出される。
【0174】
また、片面原稿の場合と同様に、両面原稿MのFAX送信状態については、FAX送信済み(正常)を「送信済み」とし、FAX未送信(異常)を「未送信」としており、スタンプパターンの種類については、以下のG〜Lの現象で分類分けし329種類を例示している。
【0175】
G:正常送信
H:原稿マルチフィード
I:通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフル
J:通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)
K:原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルの複合
L:原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)の複合
また、図40は、図16〜39に示したスタンプパターンの一部について、種類、FAX送信完了ページNo、FAX再送信対象ページNo、備考(症状)を対応させて一覧表に示したものである。
【0176】
たとえば、複数ページの両面原稿Mの各表裏面が全て正常にFAX送信された場合は、図16(G)に示すように、各ページ(ページ1〜4)の両面原稿Mの裏面MRには両面正常スタンプSCが押印される。
【0177】
両面原稿Mのマルチフィードが発生した場合には、図16(H−1)〜(H−6)に示すように、裏面MRに両面用スタンプSの無いページが発生する。たとえば、図16(H−4)に示すように、全4ページの両面原稿にてマルチフィードがページ2,3で発生した場合は、ページ2がスタンプ無しとなり、FAX送信が完了したのはページ1の表裏面、ページ2の表面、ページ3の裏面、およびページ4の表裏面で、FAX未送信はページ2の裏面およびページ3の表面となる(図40のスタンプパターン(H−4)参照)。また、図16(H−5)に示すように、全4ページの両面原稿にてマルチフィードがページ2,3,4で発生した場合は、ページ2,3がスタンプ無しとなり、FAX送信が完了したのはページ1の表裏面、ページ2の表面、およびページ4の裏面で、FAX未送信はページ2の裏面、ページ3の表裏面、およびページ4の表面となる(図40のスタンプパターン(H−5)参照)。
【0178】
すなわち、裏面に両面用スタンプSが押印されていない両面原稿(M1)は、その裏面側に次のページの両面原稿(M2)が重なって搬送されていることになり、両面用スタンプSの押印されていない両面原稿(M1)の裏面は、その裏面側に重なっている次のページの両面原稿(M2)の存在によって読み取られていないことになり、次のページの両面原稿(M2)の表面は、その手前に重なっている前のページの両面原稿(M1)の存在によって読み取られていないことになる。図16(H−2)、(H−3)、(H−5)のように複数ページがマルチフィードされた場合でも、各スタンプ無しのページについてそれぞれ同様の現象が生じている。そこで、スタンプ無しのページが在る場合は、スタンプ無しのページの裏面と次ページの表面とをFAX再送信の対象に特定する。
【0179】
通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルが発生した場合には、図17(I−1)〜(I−6)に示すように、表面で異常が発生したページに表面異常処理停止スタンプSGが押印され、または裏面で異常が発生したページに裏面異常スタンプSEが押印され、それ以降ページがある場合は、表裏面の画像の読み取りが行われずに排出され両面用スタンプSが無い状態となる。たとえば、図17(I−1)に示すように、全3ページの両面原稿にて通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルがページ1の表面で発生した場合は、ページ1に表面異常処理停止スタンプSGが押印され、ページ2,3がスタンプ無しとなり、FAX未送信はページ1,2,3(全ページ)の各表裏面となる(図40のスタンプパターン(I−1)参照)。また、図17(I−2)に示すように、全3ページの両面原稿にて通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルがページ1の裏面で発生した場合は、ページ1に裏面異常スタンプSEが押印され、ページ2,3がスタンプ無しとなり、FAX送信が完了したのはページ1の表面のみで、FAX未送信はページ1の裏面、ページ2および3の各表裏面となる(図40のスタンプパターン(I−2)参照)。
【0180】
通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)が発生した場合には、図18〜図21の(J−1)〜(J−60)に示すように、通信エラーとなったページには両面異常スタンプSDまたは裏面異常スタンプSEまたは表面異常スタンプSFが押印され、正常にFAX送信されたページには両面正常スタンプSCが押印される。たとえば、図20(J−44)に示すように、全3ページの両面原稿にて通信エラーがページ1の表裏面、ページ2の裏面、ページ3の表面で発生した場合は、ページ1に両面異常スタンプSDが押印され、ページ2に裏面異常スタンプSEが押印され、ページ3に表面異常スタンプSFが押印された状態となり、FAX未送信はページ1の表裏面、ページ2の裏面、およびページ3の表面となる(図40のスタンプパターン(J−44)参照)。
【0181】
原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルとが複合して発生した場合には、図22および図23の(K−1)〜(K−22)に示すように、マルチフィードにより両面用スタンプSの無いページが発生すると共に、表面で異常が発生して以後停止したページに表面異常処理停止スタンプSGが押印され、または裏面で異常が発生して以後停止したページに裏面異常スタンプSEが押印され、それ以降ページがある場合は、表裏面の画像の読み取りが行われずに排出され両面用スタンプSが無い状態となる。たとえば、図23(K−16)に示すように、全4ページの両面原稿にてマルチフィードがページ1,2,3で発生し、通信エラー(エラー発生ページで送信中止)またはメモリフルがページ3の表面で発生した場合は、ページ3に表面異常処理停止スタンプSGが押印され、ページ1,2,4がスタンプ無しとなり、FAX未送信はページ1,2,3,4(全ページ)の各表裏面となる(図40のスタンプパターン(K−16)参照)。
【0182】
通信エラーで送信中止もしくはメモリフルエラーが両面原稿の表面または裏面で生じたときは、そのエラーの発生したページの裏面に表面異常処理停止スタンプSGまたは裏面異常スタンプSEを押印し、次ページ以降の全ページは読み取らずに排出されるようになっている。そこで、表面異常処理停止スタンプSGまたは裏面異常スタンプSE後、最終ページまでスタンプ無しのページが連続する場合は、異常を示すスタンプの押印されたページのうちスタンプが異常を示す面およびスタンプが未処理を示す面と、そのページ以降の全ページの表裏面とをFAX再送信の対象に特定する。
【0183】
原稿マルチフィードと通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)とが複合して発生した場合には、図24〜図39の(L−1)〜(L−234)に示すように、マルチフィードにより両面用スタンプSの無いページが発生すると共に、通信エラーが発生したページに両面異常スタンプSDまたは裏面異常スタンプSEまたは表面異常スタンプSFが押印される。たとえば、図36(L−190)に示すように、全4ページの両面原稿にてマルチフィードがページ1,2,3で発生すると共にそのマルチフィードされたページ1,2,3の表裏面に対して通信エラー(エラー発生ページ以外を送信)が発生し、ページ4の表裏面が送信完了した場合は、ページ1,2がスタンプ無しとなり、ページ3に両面異常スタンプSDが押印され、ページ4に両面正常スタンプSCが押印され、FAX未送信はページ1,2,3の各表裏面となる(図40のスタンプパターン(L−190)参照)。
【0184】
このように、両面原稿のFAX送信では、上記H〜Lの症状に応じて両面正常または各種の異常を示すスタンプの有り無しの各種パターンが生じるが、この正常/異常スタンプの有無のみを単純に検出しただけでは、FAX再送信対象の原稿面を正確に特定することができない。たとえば、原稿マルチフィードと通信エラーが複合している(K−13)〜(K−16)や(L−187)〜(L−195)などの場合では、マルチフィードによってページ1,2がスタンプ無しとなっているが、ページ1の表面とページ3の裏面のFAX送信状況はページ3のスタンプSの種類によって決まる。
【0185】
両面原稿の場合も、裏面に両面用スタンプSの押印された原稿とその手前に連続する両面用スタンプSの押印されていない原稿は一束となってマルチフィードされた原稿である。ただし、両面原稿ではこの一束の先頭ページの表面は画像が読み取られ、この一束の最後のページの裏面に、先頭ページの表面の画像に対する処理結果を示す両面用スタンプSが押印されていることになる。したがって、一束の原稿のうちの最終ページの裏面に押印された両面用スタンプSが表面の正常を示すスタンプ(両面正常スタンプSCまたは裏面異常スタンプSE)であれば、この一束の先頭ページの表面は正常に処理され、表面の異常を示す両面用スタンプ(両面異常スタンプSDまたは表面異常スタンプSFまたは表面異常処理停止スタンプSG)であればこの一束の先頭ページの表面は正常に処理されていない異常ページであると判定することができる。
【0186】
また、両面原稿の場合にはマルチフィードされた一束の最終ページの裏面は画像が読み取られ、この最終ページの裏面に、最終ページの裏面の画像に対する処理結果を示す両面用スタンプSが押印されていることになる。したがって、一束の原稿のうちの最終ページの裏面に押印された両面用スタンプSが裏面の正常を示すスタンプ(両面正常スタンプSCまたは表面異常スタンプSF)であれば、この一束の最終ページの裏面は正常に処理され、裏面の異常を示す両面用スタンプ(両面異常スタンプSDまたは裏面異常スタンプSEまたは表面異常処理停止スタンプSG)であればこの一束の最終ページの裏面は正常に処理されていない異常ページであると判定することができる。
【0187】
このように、原稿マルチフィードとFAX送信を継続または中止する通信エラーなどが複合した場合は、マルチフィードされた両面原稿の最終ページの両面用スタンプSの種類によって、その手前に連続するスタンプ無しのページの先頭ページの表面と、最終ページの裏面のFAX再送信の要否が決定する。
【0188】
本実施形態の原稿読取装置11では、両面原稿のFAX送信における再送モードで、
(5)裏面にスタンプが押印されていない原稿を読み取った場合は、その原稿の裏面と次ページの原稿の表面とを再送信対象の原稿面に特定する「マルチフィードページ原稿面特定処理」
(6)表裏面の少なくともいずれかの異常を示すスタンプ(両面異常スタンプSD/裏面異常スタンプSE/表面異常スタンプSF/表面異常処理停止スタンプSG)が裏面に押印されている原稿を読み取った場合は、その原稿のうちスタンプが異常を示す面を再処理対象の原稿面に特定する「異常ページ原稿面特定処理」
(7)表面の異常を示すスタンプ(両面異常スタンプSD/表面異常スタンプSF/表面異常処理停止スタンプSG)が裏面に押印されている原稿を読み取った場合は、その原稿の手前に連なるスタンプの押印されていない原稿の中の先頭ページの表面を再送信対象の原稿面に特定する「異常先頭ページ原稿面特定処理」
(8)表裏面の異常、または、裏面の異常、または、表面は異常でかつ裏面は未処理を示すスタンプ(両面異常スタンプSD/裏面異常スタンプSE/表面異常処理停止スタンプSG)が裏面に押印されている原稿を読み取った後、次ページ以降のすべての原稿の裏面にスタンプが無かったときは、異常を示すスタンプが裏面に押印されている原稿のうちスタンプが異常を示す面およびスタンプが未処理を示す面と、その原稿以降の全原稿の表裏面とを再処理対象の原稿面に特定する「異常後続ページ原稿面特定処理」
といった(5)〜(8)の各処理を組み合わせることで、両面原稿に対する再送信対象の原稿面を特定する。詳細には、以下に説明する処理を実行することで、上記(5)〜(8)の各処理を網羅する再送信対象原稿面の自動的な特定と再送信を実現する。
【0189】
図41および図42は、原稿読取装置11による片面/両面原稿のFAX送信および済みスタンプ機能の動作の流れを示し、図43〜図47は、片面/両面原稿のFAX送信における再送モードの動作の流れを示している。図41〜図47に示す動作は、片面原稿のFAX送信/済みスタンプ機能/再送モードにも対応しているが、基本的には第1の実施の形態と同様であるため片面原稿に関する動作の詳細な説明は省略する。
【0190】
まず、再送モードを使用しない場合の基本的なFAX送信の動作を説明する。図41に示すように、FAX送信を行うための動作(送信ジョブ)が開始されると(Start)、システム制御部13のCPU20は、ユーザが設定を行う再送モードの有効/無効を判断し(ステップS201)、設定が有効な場合は(ステップS201;Yes)図43のステップS244以降の処理を行い、設定が無効な場合は(ステップS201;No)図41のステップS202以降の処理を行う。
【0191】
再送モードの設定が無効の場合は、ユーザが設定を行う済みスタンプ機能の有効/無効を判断し(ステップS202)、設定が有効な場合は(ステップS202;Yes)ステップS211以降の処理を行い、設定が無効な場合は(ステップS202;No)ステップS203以降の処理を行う。
【0192】
済みスタンプ機能が設定されていない場合は(ステップS202;No)メモリ送信で動作するため、原稿読取装置11は原稿1ページの両面の画像を読み取り(ステップS203)、読み取った原稿表面の画像データを画像メモリ26のメインメモリ領域に保存する(ステップS204)。
【0193】
続いて、画像メモリ26が容量オーバーとなるメモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS205)、メモリフルが発生した場合は(ステップS205;Yes)、たとえば表示部19(図1参照)にメモリフル発生の表示を行いユーザに報知して本送信ジョブを中止する(End)。メモリフルが発生せず、読み取った原稿の表面の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS205;No)、ユーザによる設定が両面送信か否かを判断する(ステップS206)。
【0194】
両面送信でない場合は(ステップS206;No)、ステップS209の処理へ移行する。両面送信の場合は(ステップS206;Yes)、読み取った原稿裏面の画像データを画像メモリ26のメインメモリ領域に保存する(ステップS207)。
【0195】
続いて、メモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS208)、メモリフルが発生した場合は(ステップS208;Yes)、本送信ジョブを中止する(End)。メモリフルが発生せず、読み取った原稿の裏面の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS208;No)、読み取った原稿が最終ページであるか否かを判断する(ステップS209)。
【0196】
読み取った原稿が最終ページでない場合は(ステップS209;No)、ステップS203の処理へ戻る。読み取った原稿が最終ページであった場合は(ステップS209;Yes)、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている原稿全ページ(両面原稿の場合は全ページの各表裏面)の画像データをFAX送信し(ステップS210)、送信完了後に本送信ジョブを終了する(End)。
【0197】
このステップS203からステップS210までの一連の処理で、メモリフルが発生しなければ片面/両面原稿の全ページが正常に読み取られてFAX送信される。
【0198】
一方、済みスタンプ機能が設定されている場合は(ステップS202;Yes)、原稿を読み取りながら同時にFAX送信を行うリアルタイム送信と、片面/両面原稿のFAX送信状況(正常/異常)に応じた片面用/両面用スタンプSを押印するための動作を行う。
【0199】
まず、原稿表面の処理状態を保持するための表面エラーフラグと、原稿裏面の処理状態を保持するための裏面エラーフラグをクリアする(ステップS211)。本処理で使用する表面/裏面エラーフラグは、原稿の表面/裏面の処理状態を示しており、フラグ・クリアは処理が「正常」であったことを示し(初期値)、フラグ・セットは処理が「異常」であったことを示す。
【0200】
次に、原稿1ページの両面の画像を読み取り(ステップS212)、読み取った原稿表面の画像データを画像メモリ26のメインメモリ領域に保存する(ステップS213)。
【0201】
続いて、メモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS214)、メモリフルが発生した場合は(ステップS214;Yes)、表面エラーフラグをセットし(ステップS215)、ステップS216の処理へ移行する。メモリフルが発生せず、読み取った原稿表面の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS214;No)、ユーザによる設定が両面送信か否かを判断する(ステップS216)。
【0202】
両面送信でない場合は(ステップS216;No)、図42のステップS220の処理へ移行する。両面送信の場合は(ステップS216;Yes)、読み取った原稿裏面の画像データを画像メモリ26のメインメモリ領域に保存する(ステップS217)。
【0203】
続いて、メモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS218)、メモリフルが発生した場合は(ステップS218;Yes)、裏面エラーフラグをセットし(ステップS219)、図42のステップS220の処理へ移行する。メモリフルが発生せず、読み取った原稿裏面の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS218;No)、図42のステップS220の処理へ移行する。
【0204】
ステップS220では、表面エラーフラグがセットされているか否かを判断する。セットされている場合は(ステップS220;Yes)、ステップS229の処理へ移行する。セットされていない場合は(ステップS220;No)、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている原稿1ページの表面の画像データをFAX送信し(ステップS221)、その原稿表面のFAX送信が通信エラーなど起こらずに正常に終了したか否かを判断する(ステップS222)。
【0205】
FAX送信が正常に終了しなかった場合は(ステップS222;No)、表面エラーフラグをセットし(ステップS228)、ステップS229の処理へ移行する。
【0206】
ステップS229では、ユーザによる設定が両面送信か否かを判断する。両面送信でない場合は(ステップS229;No)、原稿裏面に片面用の異常スタンプSBを押印し(ステップS230)、回線上は継続したFAX送信が可能であるか否かを判断する(ステップS231)。
【0207】
FAX送信不可能な通信エラーまたはメモリフルの場合は(ステップS231;No)、たとえば表示部19(図1参照)に通信エラー発生またはメモリフル発生の表示を行いユーザに報知し、さらに以後のページを読み飛ばし排出して本送信ジョブを中止する(End)。FAX送信可能な場合は(ステップS231;Yes)、ステップS240の処理へ移行する。
【0208】
また、ステップS229の判断で両面送信の場合は(ステップS229;Yes)、回線上は継続したFAX送信が可能であるか否かを判断する(ステップS232)。
【0209】
FAX送信不可能な通信エラーまたはメモリフルの場合は(ステップS232;No)、原稿裏面に両面原稿用の表面異常処理停止スタンプ(SG)を押印し(ステップS233)、たとえば表示部19(図1参照)に通信エラー発生またはメモリフル発生の表示を行いユーザに報知し、さらに以後のページを読み飛ばし排出して本送信ジョブを中止する(End)。FAX送信可能な場合は(ステップS232;Yes)、ステップS224の処理へ移行する。
【0210】
一方、ステップS222の判断でFAX送信が正常に終了した場合は(ステップS222;Yes)、ユーザによる設定が両面送信か否かを判断する(ステップS223)。
【0211】
両面送信でない場合は(ステップS223;No)、原稿裏面に片面用の正常スタンプSAを押印し(ステップS234)、ステップS240の処理へ移行する。両面送信の場合は(ステップS223;Yes)、裏面エラーフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS224)。セットされている場合は(ステップS224;Yes)、ステップS235の処理へ移行する。セットされていない場合は(ステップS224;No)、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている原稿1ページの裏面の画像データをFAX送信し(ステップS225)、その原稿裏面のFAX送信が通信エラーなど起こらずに正常に終了したか否かを判断する(ステップS226)。
【0212】
FAX送信が正常に終了した場合は(ステップS226;Yes)、ステップS235の処理へ移行する。FAX送信が正常に終了しなかった場合は(ステップS226;No)、裏面エラーフラグをセットし(ステップS227)、ステップS235の処理へ移行する。
【0213】
ステップS235では、表面エラーフラグがセットされているか否かを判断する。セットされている場合は(ステップS235;Yes)、ステップS241の処理へ移行する。セットされていない場合は(ステップS235;No)、裏面エラーフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS236)。セットされていない場合は(ステップS236;No)、原稿裏面に両面正常スタンプSCを押印し(ステップS237)、ステップS240の処理へ移行する。セットされている場合は(ステップS236;Yes)、原稿裏面に両面原稿用の裏面異常スタンプSEを押印し(ステップS238)、ステップS239の処理へ移行する。
【0214】
またステップS241では、裏面エラーフラグがセットされているか否かを判断し、セットされていない場合は(ステップS241;No)、原稿裏面に両面原稿用の表面異常スタンプSFを押印し(ステップS242)、ステップS239の処理へ移行する。セットされている場合は(ステップS241;Yes)、原稿裏面に両面異常スタンプSDを押印し(ステップS243)、ステップS239の処理へ移行する。
【0215】
ステップS239では、回線上は継続したFAX送信が可能であるか否かを判断する。FAX送信不可能な通信エラーまたはメモリフルの場合は(ステップS239;No)、たとえば表示部19(図1参照)に通信エラー発生またはメモリフル発生の表示を行いユーザに報知し、さらに以後のページを読み飛ばし排出して本送信ジョブを中止する(End)。FAX送信可能な場合は(ステップS239;Yes)、ステップS240の処理へ移行する。
【0216】
ステップS240では、片面用/両面用の各種スタンプSを押印した原稿が最終ページであるか否かを判断する。原稿が最終ページでない場合は(ステップS240;No)、図41のステップS211の処理へ戻る。原稿が最終ページであった場合は(ステップS240;Yes)、本送信ジョブを終了する(End)。
【0217】
このステップS211からステップS243までの一連の処理で、通信エラーまたはメモリフルが発生しなければ片面/両面原稿の全ページが正常に読み取られてFAX送信され、各片面原稿の裏面には正常スタンプSAが押印され、各両面原稿の裏面には両面正常スタンプSCが押印される。
【0218】
また、第1の実施の形態と同じく、片面原稿にて継続送信可能な通信エラーが発生した場合は、そのエラー発生ページの原稿の裏面に異常スタンプSBが押印される。FAX送信中止とする通信エラーまたはメモリフルエラーが発生した場合は、エラー発生前の原稿までは正常に読み取られてFAX送信されると共に、送信完了した各原稿の裏面に正常スタンプSAが押印され、エラー発生以降の原稿はFAX送信されず、エラーが発生したページの原稿の裏面にのみ異常スタンプSBが押印される。
【0219】
また、両面原稿の表面のみ、または裏面のみ、または表裏面にて継続送信可能な通信エラーが発生した場合は、そのエラー発生ページの原稿の裏面に、表面異常スタンプSF、または裏面異常スタンプSE、または両面異常スタンプSDが押印される。FAX送信中止とする通信エラーまたはメモリフルエラーが表面または裏面にて発生した場合は、エラー発生前の原稿までは正常に読み取られてFAX送信されると共に、送信完了した各原稿の裏面に両面正常スタンプSC(または表面異常スタンプSF/裏面異常スタンプSE)が押印され、エラー発生以降の原稿はFAX送信されず、エラーが発生したページの原稿の裏面にのみ表面異常処理停止スタンプSGまたは裏面異常スタンプSEが押印される。
【0220】
次に、再送モードを使用する場合の流れを説明する。なお、片面原稿と同様に両面原稿の場合も両面用スタンプSの押印されていない原稿は、後続ページの原稿にて最初に現れる両面用スタンプSの種類によってFAX再送信の要否が決まるため、本実施形態においても、画像メモリ26の使用方法をメインメモリ領域とテンポラリメモリ領域に分けて制御を行う。ただし、第1の実施の形態では、裏面にスタンプSの押印されていないページの画像データのみをテンポラリメモリ領域に保存するようにしたが、第2の実施の形態では、スタンプSの有無に関係なく、読み取ったページはすべて一旦テンポラリメモリ領域に保存し、その中でFAX再送信が必要と決定された原稿面の画像データをメインメモリ領域に移動するようにしている。
【0221】
すなわち、読み取ったページをテンポラリメモリ領域に保存した後、そのページの裏面にスタンプSが有るか否かを判断し、スタンプSが無い場合は次ページの読み取りおよびテンポラリメモリ領域への保存処理を続行し、スタンプSの押印されたページの場合に、それまでテンポラリメモリ領域に保存したページの各原稿面について再送信の要否を判断する。そして、再送信不要と判断した原稿面の画像データをテンポラリメモリ領域から削除した後、残った原稿面(再送信要の原稿面)の画像データをテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域にコピーし、その後、テンポラリメモリ領域内の画像データをすべて削除して、次の読み取りに備えるように処理している。
【0222】
テンポラリメモリ領域に画像データを保存したページの裏面にスタンプSが押印されている場合、その時点でテンポラリメモリ領域に保存されているページは元の送信時に一度のフィードで読み取られたページになっている。すなわち、元の送信時に1ページずつ読み取られていた場合は、裏面にスタンプSの押印されたページが連続するので、テンポラリメモリ領域内にはその1ページ分の画像データのみが保存されている。一方、マルチフィードが生じている場合は、スタンプSの無いページが1または2ぺージ以上続いた後にスタンプSの押印されたページが現れる。したがて、スタンプSの押印されたページが現れた時点では、これらのマルチフィードされた一束のページ群がテンポラリメモリ領域に保存されていることになる。
【0223】
つまり、テンポラリメモリ領域に複数ページ保存されている場合は、それらのページは一束にしてマルチフィードされたページ群であり、今回読み取ったスタンプSの押印されているページ(テンポラリメモリ領域の最後に保存されているページ)はマルチフィードされた一束のページ群の最終ページであり、テンポラリメモリ領域に保存されている他のページは、このスタンプSの押印されたページの手前に連続するスタンプSの押印されていないページになっている。
【0224】
そこで、両面用スタンプSの種類が表面の正常を示す両面正常スタンプSCまたは裏面異常スタンプSEの場合は、一束のページ群の中の先頭ページの表面の画像データ、すなわちテンポラリメモリ領域内の先頭の画像データはFAX送信済みとして扱う。すなわちメインメモリ領域に転送せずに削除する。また、両面用スタンプSの種類が表面の異常を示す両面異常スタンプSDまたは表面異常スタンプSFまたは表面異常処理停止スタンプSGの場合は、テンポラリメモリ領域内の先頭ページの表面の画像データはFAX未送信として扱い再送信の対象にする。すなわち、メインメモリ領域に転送してから削除する(異常先頭ページ原稿面特定処理)。
【0225】
さらに、両面用スタンプSの種類が裏面の正常を示す両面正常スタンプSCまたは表面異常スタンプSFの場合は、一束のページ群の中の最終ページ(両面用スタンプSの押印されたページ)の裏面の画像データ、すなわちテンポラリメモリ領域内の最終の画像データはFAX送信済みとして扱う。また、両面用スタンプSの種類が裏面の異常を示す両面異常スタンプSDまたは裏面異常スタンプSEまたは表面異常処理停止スタンプSGの場合は、テンポラリメモリ領域内の最終ページの裏面の画像データはFAX未送信として扱い再送信の対象にする(異常ページ原稿面特定処理)。
【0226】
また、テンポラリメモリ領域内に2ページ以上保存されているときは、その最終ページ以外のページは両面用スタンプSの押印されていないページである。そこで、テンポラリメモリ領域内に2ページ以上保存されているときは1ページ目の裏面から最終ページの表面までの各原稿面を再送信の対象にしている(マルチフィードページ原稿面特定処理)。
【0227】
また、両面用スタンプSの押印されていないページの表裏面の画像データをテンポラリメモリ領域に保存する処理を繰り返しているうちに最終ページとなったときは、それらのページはメモリフルあるいはFAX送信中止となる通信エラーによって最終ページまで読み飛ばされたページであるため、テンポラリメモリ領域内のすべてのページの表裏面を再送信の対象にしている(異常後続ページ原稿面特定処理)。このとき、テンポラリメモリ領域に保存されたページの直前のページは表面異常処理停止スタンプSGまたは裏面異常スタンプSEの押印されたページになっているはずであるため、表面異常処理停止スタンプSGの場合はそのページの表裏面も、また裏面異常スタンプSEの場合はそのページの裏面も再送信の対象にされる(異常ページ原稿面特定処理)。
【0228】
以下、本処理の各ステップを詳細に説明する。FAX未送信原稿の自動再送信を行う場合、図41に示すステップS201、S202、およびS211〜S219、図42に示すステップS220〜S243までの一連の処理を行った後に、ユーザは操作部12を通して再送モードの設定を行い、原稿群を再度、原稿読取装置11の原稿トレー41にセットして原稿群の読み取りを開始する操作を行う(図41のStart)。
【0229】
システム制御部13のCPU20は、再送モードの設定が有効であると判断し(ステップS201;Yes)、図43に示すステップS244以下のFAX再送信(再送信ジョブ)を行うための処理を実行する。
【0230】
まず、前ページの済みスタンプ状態を保持するための「スタンプ有無フラグ」をオンに設定すると共に、原稿の種類を保持するための「片面両面判別フラグ」を未設定にする(ステップS244)。本処理で使用するスタンプ有無フラグは、第1の実施の形態と同じく前ページが片面用/両面用スタンプSの押印されたページであるか否かを示しており、フラグ・オンは前ページが「スタンプ有り」であったことを示し(初期値)、フラグ・オフは前ページが「スタンプ無し」であったことを示す。ただし、スタンプ有無フラグは片面原稿の場合に使用し、両面原稿に対する処理では使用していない。片面両面判別フラグは、片面が「片面原稿」であることを示し、両面が「両面原稿」であることを示す。未設定は片面原稿か両面原稿かが特定されていない状態を示す。
【0231】
次に、原稿読取装置11は原稿1ページの両面の画像を読み取り(ステップS245)、該原稿が片面原稿の場合は表面の画像データのみを、両面原稿もしくは片面か両面かが未設定の場合は原稿の表裏面の画像データをテンポラリメモリに保存する(ステップS246〜S250)。
【0232】
詳細には、まず読み取った原稿表面の画像データを画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存する(ステップS246)。続いて、メモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS247)、メモリフルが発生した場合は(ステップS247;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS271の処理を実行する。
【0233】
メモリフルが発生せず、読み取った原稿表面の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS247;No)、片面両面判別フラグが片面を示すか否かを判断する(ステップS248)。片面を示す場合は(ステップS248;Yes)、原稿裏面の画像データを画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存せずにステップS251の処理へ移行する。片面を示さない(未設定または両面を示す)場合は(ステップS248;No)、読み取った原稿裏面の画像データを画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存する(ステップS249)。
【0234】
続いて、メモリフルが発生したか否かを判断し(ステップS250)、メモリフルが発生した場合は(ステップS250;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS271の処理を実行する。メモリフルが発生せず、読み取った原稿裏面の画像データが正常に画像メモリ26に保存された場合は(ステップS250;No)、ステップS251の処理へ移行する。
【0235】
テンポラリメモリ領域へ必要な画像データを保存した後、ステップS251では、原稿裏面の片面用/両面用スタンプSの有無を判断する。片面用/両面用スタンプSが無い場合は(ステップS251;Yes)、スタンプ有無フラグをオフにした後(ステップS263)、最終ページか否かを判断し(ステップS264)、次ページが有る場合は(ステップS264;No)、ステップS245に移行して次ページの読み取りを行う。このように片面用/両面用スタンプSが無い間は各ページの画像データがテンポラリメモリに蓄積される。なお、最終ページの場合(ステップS264;Yes)の処理については後述する。
【0236】
片面用/両面用スタンプSが有る場合は(ステップS251;No)、片面両面判別フラグが片面を示すか否かを判断する(ステップS252)。片面を示す場合は(ステップS252;Yes)、片面用スタンプの種類を判別する図44のステップS254へ移行する。
【0237】
片面を示さない(未設定または両面を示す)場合は(ステップS252;No)、片面両面判別フラグが両面を示すか否かを判断する(ステップS253)。両面を示さない(未設定の)場合は(ステップS253;No)、片面用スタンプか両面用スタンプかを判別する図45のステップS272の処理へ移行する。
【0238】
両面を示す場合は(ステップS253;Yes)、両面用スタンプの種類を判別する図45のステップS276の処理へ移行する。
【0239】
図44のステップS254では、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が片面用の異常スタンプSBであるか否かを判断する。片面用の異常スタンプSBでない場合は(ステップS254;No)、さらに片面用/両面用スタンプSの種類が片面用の正常スタンプSAであるかを判断する(ステップS260)。片面用の正常スタンプSAの場合で(ステップS260;Yes)かつスタンプ有無フラグがオンの場合(ステップS261;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域には当該ページの画像データのみが入っており(スタンプ有無フラグがオンより判断)かつこのページは正常に送信されている(片面用の正常スタンプSAより判断)ので、テンポラリメモリ領域の最終画像データ(当該片面用の正常スタンプSAの押印された片面原稿の画像データ)を削除して再送信の対象外とした後(ステップS262)、次ページが有るかを判断するステップS264へ移行する。
【0240】
片面用の正常スタンプSA(ステップS260;Yes)かつスタンプ有無フラグがオフの場合(ステップS261;No)、当該片面用の正常スタンプSAは一束にしてマルチフィードされたページの先頭ページが正常送信されていることを示しているので、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域の先頭画像データを削除して再送信の対象から外す(ステップS258)。さらに、テンポラリメモリ領域に残っているすべてのページ(これらはマルチフィードされて読み取られていない)を再送信の対象にするためにメインメモリ領域にコピーした(ステップS255〜S257)後、スタンプ有無フラグをオンに設定し(ステップS259)、次ページが有るかを判断するステップS264へ移行する。
【0241】
なお、途中でメモリフルが発生した場合は(ステップS257;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、図43のステップS271の処理を実行する。
【0242】
片面用/両面用スタンプSの種類が片面用の異常スタンプSBである場合は(ステップS254;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存されているページをすべて再送信の対象にする。すなわち、片面用の異常スタンプSBはテンポラリメモリ領域の先頭ページが異常であることを示し、テンポラリメモリ内の次ページ以降はマルチフィードされた読み取られていないページなので、テンポラリメモリ領域に保存されているページをすべて再送信の対象にする。
【0243】
詳細には、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが有るか否かを判断する(ステップS255)。画像データが無い場合は(ステップS255;No)、スタンプ有無フラグをオンに設定し(ステップS259)、図43のステップS264の処理へ移行する。画像データが有る場合は(ステップS255;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する先頭の画像データをメインメモリ領域にコピーし(ステップS256)、メモリフルが発生したか否かを判断する(ステップS257)。
【0244】
メモリフルが発生した場合は(ステップS257;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、図43のステップS271の処理を実行する。メモリフルが発生せず、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する先頭の画像データが正常にメインメモリ領域にコピーされた場合は(ステップS257;No)、その先頭の画像データをテンポラリメモリ領域から削除して(ステップS258)、ステップS255の処理へ戻る。
【0245】
なお、原稿裏面に押印された片面用スタンプSの種類が片面用の正常スタンプSAでも異常スタンプSBでもない場合は(ステップS260;No)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS271の処理を実行する。なお、このステップS260で否定判定となるケースは、スタンプの擦れや紙面の汚れなどにより、片面用スタンプSの種類を最終的に識別できなかった場合に発生する。
【0246】
図43のステップS253の処理で片面両面判別フラグが両面を示さない(未設定)と判断し(ステップS253;No)、図45のステップS272の処理へ移行した場合は、ステップS272で暫定的に片面両面判別フラグを片面に設定し、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が片面用の異常スタンプSBであるか否かを判断する(ステップS273)。
【0247】
片面用の異常スタンプSBである場合は(ステップS273;Yes)、図47のステップS288の処理へ移行する。この場合、片面用の異常スタンプSBはテンポラリメモリ領域内の先頭ページが未送信であることを示しているので、テンポラリメモリ領域内のすべてのページの表面を再送信の対象にする(ステップS288〜S292)。ただし、テンポラリメモリ領域には各ページの裏面の画像データも保存されているので、それらは再送信の対象にしない。
【0248】
詳細には、表面の画像データはステップS289で画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域にコピーして再送信の対象とし、その後、ステップS291で当該表面の画像データをテンポラリメモリ領域から削除し、さらにステップS292で裏面の画像データをメインメモリ領域にコピーせずにテンポラリメモリ領域から削除している。なお、途中でメモリフルになった場合は(ステップS290;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、図43のステップS271の処理を実行する。
【0249】
片面用の異常スタンプSBでない場合は(図45、ステップS273;No)、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が片面用の正常スタンプSAであるか否かを判断し、片面用の正常スタンプSAである場合は(ステップS274;Yes)、図47のステップS291の処理へ移行する。
【0250】
この場合、片面用の正常スタンプSAはテンポラリメモリ領域内の先頭ページが正常送信済みであることを示しているので、テンポラリメモリ領域内の先頭ページは再送信の対象から除外し、2ページ目以降の表面を再送信の対象にする。すなわち、まずステップS291、S292にて先頭ページの表面と裏面の画像データをテンポラリメモリ領域より削除してからステップS288に移行することで、2ページ目以降の各ページの表面のみをテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域にコピーして再送信対象にしている(ステップS288〜S292)。
【0251】
片面用の異常スタンプSBでも片面用の正常スタンプSAでもない場合は(図45、ステップS274;No)、当該スタンプは両面用スタンプSであるとして片面両面判別フラグを両面に設定変更した後(ステップS275)、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が両面異常スタンプSDであるか否かを判断する(ステップS276)。また、図43のステップS253の処理で片面両面判別フラグが両面を示すと判断した場合も(ステップS253;Yes)、ステップS276以降の処理を行う。
【0252】
片面用/両面用スタンプSの種類が両面異常スタンプSDである場合は(ステップS276;Yes)、図46のステップS283の処理へ移行する。この場合、テンポラリメモリ領域に保存されているすべてのページの表裏面を再送信の対象にする。すなわち、両面用スタンプSのうち表面の正常/異常を示す情報(左側の三角形部分)は、テンポラリメモリ領域の先頭ページの表面が未送信か否かを示し、両面用スタンプSのうち裏面の正常/異常を示す情報(右側の三角形部分)は、テンポラリメモリ領域の最終ページの裏面が未送信か否かを示している。また、テンポラリメモリ領域に2ページ以上保存されている場合、これらはマルチフィードされたページなので、テンポラリメモリ領域の先頭ページの裏面から最終ページの表面までの各原稿面の画像データは再送信の対象にすべきものである。
【0253】
そこで、片面用/両面用スタンプSの種類が両面異常スタンプSDである場合は(ステップS276;Yes)、テンポラリメモリ領域に保存されているすべてのページの表裏面を再送信の対象にしている。
【0254】
詳細には、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが有るか否かを判断し(ステップS283)、画像データが有る場合は(ステップS283;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する先頭の画像データをメインメモリ領域にコピーし(ステップS284)、メモリフルが発生したか否かを判断する(ステップS285)。
【0255】
メモリフルが発生した場合は(ステップS285;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、図43のステップS271の処理を実行する。メモリフルが発生せず、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する先頭の画像データが正常にメインメモリ領域にコピーされた場合は(ステップS285;No)、その先頭の画像データをテンポラリメモリ領域から削除して(ステップS286)、ステップS283の処理へ戻る。
【0256】
テンポラリメモリ領域に画像データが無くなった場合は(ステップS283;No)、スタンプ有無フラグをオンに設定し(ステップS287)、図43のステップS264の処理(最終ページかを判断する処理)に移行する。
【0257】
片面用/両面用スタンプSの種類が両面用の両面異常スタンプSDでない場合は(図45、ステップS276;No)、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が両面原稿用の裏面異常スタンプSEであるか否かを判断し(ステップS277)、裏面異常スタンプSEである場合は(ステップS277;Yes)、図46のステップS286の処理へ移行する。
【0258】
裏面異常スタンプSEは、テンポラリメモリ領域内の先頭ページの表面は正常に送信済みでありかつテンポラリメモリ領域の最終ページの裏面は異常(未送信)であることを示しているので、ステップS286に移行してまずテンポラリメモリ領域の先頭ページを削除した後、ステップS283へ戻ることで、残りの各原稿面を再送信対象にしている(ステップS283〜S287)。
【0259】
片面用/両面用スタンプSの種類が裏面異常スタンプSEでない場合は(ステップS277;No)、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が両面原稿用の表面異常スタンプSFであるか否かを判断する(ステップS278)。
【0260】
表面異常スタンプSFは、テンポラリメモリ領域内の先頭ページの表面は異常(未送信)でありかつテンポラリメモリ領域内の最後のページ(当該表面異常スタンプSFの押されているページ)の裏面は正常送信されていることを示している。そこで、表面異常スタンプSFである場合は(ステップS278;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する最終の画像データを削除して(ステップS279)再送信の対象外にした後、図46のステップS283の処理へ移行し、テンポラリメモリ領域に残っている他のすべての原稿面を再送信の対象にしている(ステップS283〜S287)。
【0261】
片面用/両面用スタンプSの種類が表面異常スタンプSFでない場合は(ステップS278;No)、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が両面原稿用の表面異常処理停止スタンプSGであるか否かを判断する(ステップS280)。
【0262】
表面異常処理停止スタンプSGは、テンポラリメモリ領域内の先頭ページの表面は異常(未送信)でありかつその後のページは読み飛ばされて未送信であることを示している。そこで、表面異常処理停止スタンプSGである場合は(ステップS280;Yes)、図46のステップS283の処理へ移行し、テンポラリメモリ領域内のすべてのページの表裏面を再送信の対象にしている(ステップS283〜S287)。
【0263】
片面用/両面用スタンプSの種類が表面異常処理停止スタンプSGでない場合は(ステップS280;No)、原稿裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が両面正常スタンプSCであるか否かを判断する(ステップS281)。
【0264】
両面正常スタンプSCは、テンポラリメモリ領域内の先頭ページの表面は正常送信されかつテンポラリメモリ領域内の最後のページ(当該両面正常スタンプSCの押されているページ)の裏面も正常送信されていることを示している。そこで、両面正常スタンプSCである場合は(ステップS281;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する最終の画像データをまず削除した(ステップS282)後、図46のステップS286の処理へ移行してテンポラリメモリの先頭ページを削除することで正常送信されたページを再送信の対象外とした後、ステップS283へ戻り、残りの原稿面のみを再送信の対象にしている(ステップS283〜S287)。
【0265】
片面用/両面用スタンプSの種類が両面正常スタンプSCでない場合は(ステップS281;No)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、図43のステップS271の処理を実行する。なお、このステップS281で否定判定となるケースは、すなわち、片面用/両面用スタンプSの種類がいずれにも該当しないケースは、片面用/両面用スタンプSの種類を最終的に識別できなかった場合に発生する可能性がある。
【0266】
上記のようにステップS272からステップS281までの一連の処理によって、読み取った原稿の裏面に押印された片面用/両面用スタンプSの種類が識別され、その識別結果から本原稿が片面原稿または両面原稿のいずれであるかが自動で判別されることとなる。また、この処理過程で片面両面判別フラグが片面または両面に設定され、以後に読み取られる原稿は片面両面判別フラグに基づいて片面用または両面用の処理が行われる。
【0267】
図43のステップS264では、原稿が最終ページであるか否かを判断しており、最終ページの場合は(ステップS264;Yes)、FAX再送信を行うためにステップS265の処理へ移行する。
【0268】
ステップS265では、片面両面判別フラグが片面または両面か否かを判断し、片面または両面でない場合は(ステップS265;No)、スタンプSが片面用のスタンプか両面用のスタンプかの認識が正しく行われていないので、ステップS271へ移行し、本再送信ジョブを中止するための後処理を行う。
【0269】
スタンプSが片面用か両面用かの認識ができている場合は(ステップS265;Yes)、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが有るか否かを判断する(ステップS266)。
【0270】
画像データが無い場合は(ステップS266;No)、ステップS270の処理へ移行し、画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている画像データが有る場合はその画像データのFAX送信(再送信)を実行し、FAX送信後にメインメモリ領域に有る画像データをすべて消去して(ステップS271)本再送信ジョブを終了する(End)。画像メモリ26のメインメモリ領域に保存されている画像データが無い場合は、何も処理せず(再送信せず)にステップS271の処理へ移行し本再送信ジョブを終了する(End)。
【0271】
テンポラリメモリに画像データが有る場合は(ステップS266;Yes)、それらのページは最後に検出された片面用/両面用スタンプSより後ろのページ、すなわち、当初の送信時に読み飛ばしされたページである。たとえば、両面用スタンプSの無いページの表裏面の画像データをテンポラリメモリ領域に保存するステップS245〜S251(ステップS251;Yes)およびステップS263、S264までの処理を繰り返しているうちに最終ページとなったときは(ステップS264;Yes)、それらのページはメモリフルあるいはFAX送信中止となる通信エラーによって最終ページまで読み飛ばされたページと判明する。
【0272】
そこで、最終ページと判断した後にテンポラリメモリ領域にあるページはすべて再送信の対象にする。詳細には、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する先頭の画像データをメインメモリ領域にコピーし(ステップS267)、メモリフルが発生したか否かを判断する(ステップS268)。
【0273】
メモリフルが発生した場合は(ステップS268;Yes)、本再送信ジョブを中止するための後処理を行うために、ステップS271の処理を実行する。メモリフルが発生せず、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に存在する先頭の画像データが正常にメインメモリ領域にコピーされた場合は(ステップS268;No)、その先頭の画像データをテンポラリメモリ領域から削除して(ステップS269)、ステップS266の処理へ戻る。
【0274】
このようにステップS266からステップS269までの一連の処理が行われると、テンポラリメモリ領域内のすべてのページ(読み飛ばされたページ)の表裏面の画像データが画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へ移されて再送信の対象にされる(異常後続ページ特定処理)。なお、このステップS266〜S269では、第1の実施の形態で説明したステップS137〜S140(図15参照)と同じ処理を行っている。
【0275】
以上の処理を行うことにより、前述した(5)「マルチフィードページ原稿面特定処理」、(6)「異常ページ原稿面特定処理」、(7)「異常先頭ページ原稿面特定処理」、(8)「異常後続ページ原稿面特定処理」の各機能が実現されている。
【0276】
(6)「異常ページ原稿面特定処理」の場合を例示すると、両面用の異常スタンプ(両面異常スタンプSD/裏面異常スタンプSE/表面異常スタンプSF/表面異常処理停止スタンプSGのいずれか)の有る原稿の処理において、当該スタンプの有る原稿がマルチフィードされていない場合、すなわち、読み取った最初のページに両面用の異常スタンプが有る場合、もしくは、両面用の異常スタンプの有るページの次のページを読み取った際にそのページにも両面用の異常スタンプが有る場合、もしくは、両面正常スタンプSCが有るページの次のページを読み取った際にそのページに両面用の異常スタンプが有る場合には、それらの両面用の異常スタンプが有る原稿は、異常スタンプによって示された異常の面(両面/裏面/表面)がFAX未送信の原稿面であるため再送信対象となる。
【0277】
本両面原稿の処理では、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に画像データが保存されていない状態(スタンプSの無いページが手前に存在しない状態)で、ステップS244からステップS253を経由して、今回読み取った両面原稿の表面の画像データおよび裏面の画像データがその順番にテンポラリメモリ領域に保存される。その後、片面両面判別フラグが「未設定」(初期値)の場合(ステップS253;No)にはステップS272へ移行し、または、片面両面判別フラグが「両面」の場合(ステップS253;Yes)にはステップS276へ移行し、ステップS276、S277、S278、S280、S281のいずれかで両面用スタンプSの種類が識別される。そして、ステップS279またはステップS282またはステップS283〜S286の処理により、今回読み取った両面原稿の両面用スタンプSの種類に応じて正常であった原稿面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除され、その後に残る原稿面の画像データのみをメインメモリ領域にコピーすることで、異常となった原稿面の画像データのみがメインメモリ領域に保存されて、再送信の対象にされる。
【0278】
詳細には、ステップSS276においてテンポラリメモリ領域には当該スタンプのあるページの表裏面の画像データのみが保存されている。このページが両面異常スタンプSDの有る両面原稿の場合には、ステップS276からステップS283へ移行し(ステップS276;Yes)、1回目のステップS284で表面の画像データがメインメモリ領域に保存されてステップS286で表面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除され、続く2回目のステップS284で裏面の画像データがメインメモリ領域に保存されてステップS286で裏面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除されることとなり、表面および裏面の各画像データが再送信対象にされる。
【0279】
また、表面異常処理停止スタンプSGの有る両面原稿の場合には、ステップS280からステップS283へ移行し(ステップS280;Yes)、両面異常スタンプSDと同様の処理が行われて表面および裏面の各画像データが再送信対象にされる。
【0280】
裏面異常スタンプSEの有る両面原稿の場合には、ステップS277からステップS286へ移行し(ステップS277;Yes)、最初のステップS286で表面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除され、続くステップS284で裏面の画像データがメインメモリ領域に保存されて次のステップS286で裏面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除されることとなり、裏面の画像データのみが再送信対象にされる。
【0281】
表面異常スタンプSFの有る両面原稿の場合には、ステップS278からステップS279へ移行して(ステップS278;Yes)、ステップS279で裏面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除され、続くステップS283以降の処理で表面の画像データがメインメモリ領域に保存されてからテンポラリメモリ領域から削除されることとなり、表面の画像データのみが再送信対象にされる。
【0282】
両面正常スタンプSCの有る両面原稿の場合には、ステップS281からステップS282へ移行して(ステップS281;Yes)、ステップS282で裏面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除され、続くステップS286で表面の画像データがテンポラリメモリ領域から削除されることとなり、表面および裏面の各画像データが再送信対象から除外される。
【0283】
(5)「マルチフィードページ原稿面特定処理」の場合を例示すると、マルチフィードされて両面用スタンプSの押印されていない両面原稿は、ステップS245〜S251(ステップS251;Yes)およびステップS263、S264までの一連の処理によって、表裏面の各画像データが画像メモリ26のテンポラリメモリ領域に保存される。その後、両面用スタンプSの有る両面原稿が読み取られると(ステップS251;No)、ステップS276以降の一連の処理が行われる。このステップS276以降の一連の処理で、テンポラリメモリ領域に保存されている両面用スタンプSの無い原稿の裏面の画像データと次ページの原稿の表面の画像データは、画像メモリ26のテンポラリメモリ領域からメインメモリ領域へ移されて再送信対象にされる。
【0284】
(7)「異常先頭ページ原稿面特定処理」の場合を例示すると、両面用スタンプSの種類が表面の正常を示す両面正常スタンプSCまたは裏面異常スタンプSEの場合には、上記のステップS276以降の一連の処理により、マルチフィードされた一束のページ群の中の先頭ページの表面の画像データ、すなわちテンポラリメモリ領域内の先頭の画像データは削除されて再送信対象から除外される。両面用スタンプSの種類が裏面の異常を示す両面異常スタンプSDまたは表面異常スタンプSFまたは表面異常処理停止スタンプSGの場合には、テンポラリメモリ領域内の先頭ページの表面の画像データはメインメモリ領域へ移されて再送信対象にされる。
【0285】
なお、両面用スタンプSの種類が裏面の正常を示す両面正常スタンプSCまたは表面異常スタンプSFの場合には、上記のステップS276以降の一連の処理により、マルチフィードされた一束のページ群の中の最終ページ(両面用スタンプSの押印されたページ)の裏面の画像データ、すなわちテンポラリメモリ領域内の最終の画像データは再送信対象から除外される。両面用スタンプSの種類が裏面の異常を示す両面異常スタンプSDまたは裏面異常スタンプSEまたは表面異常処理停止スタンプSGの場合には、テンポラリメモリ領域内の最終ページの裏面の画像データはメインメモリ領域へ移されて再送信対象にされる(異常ページ原稿面特定処理)。
【0286】
(8)「異常後続ページ原稿面特定処理」の場合を例示すると、読み取ってテンポラリメモリ領域に保存した原稿に両面用スタンプSが押印されていないと判断した場合で(ステップS251;Yes)、かつ最終ページの場合は(ステップS264;Yes)、その時点でテンポラリメモリ領域に保存されているすべての原稿面が再送信される(ステップS266からS270)。
【0287】
以上が本実施形態に係る再送モードを使用したFAX再送信の処理の流れであり、図17〜図39に示すスタンプパターンの各原稿群(両面原稿)に対しては本処理を行うことで、自動的にFAX再送信対象の原稿面が正確に特定され再送信される。なお、片面原稿の処理については、スタンプSの押印された原稿の画像データをテンポラリメモリに保存するか否かの点で第1の実施の形態と第2の実施の形態とは処理内容を異にしているが、機能的には同一でありいずれも再送モードにおける(1)から(4)の機能が実現されている。
【0288】
このように、片面原稿に加えて両面原稿の処理にも対応した本実施形態の原稿読取装置11では、前述した(5)〜(8)の各処理を組み合わせて両面原稿に対する再送信対象の原稿面を特定していることにより、原稿マルチフィード、通信エラー(エラー発生ページで送信中止/エラー発生ページ以外を送信)、メモリフルといった読み取り異常が単独または複合して発生した場合でも、FAX未送信であるために再送信する必要のある両面原稿の各原稿面が正確に特定できるようになる。また、ユーザが操作部12を通して再送モードを行う設定にし、原稿読取装置11に再度原稿群を読み取らせるだけで、各両面原稿の両面用スタンプの読み取り結果を基に、再送信対象の両面原稿の各原稿面が自動で特定され再送信される。
【0289】
また、原稿の再読み取り時には原稿に押印された片面用/両面用スタンプSの種類に基づいて原稿の種類(片面/両面)が自動で判別されるため、たとえば、再読み取りする原稿の種類をユーザが予め手入力して設定するような操作が不要となる。
【0290】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0291】
たとえば、原稿に付与(押印)する識別マークとしてのスタンプの種類は円形マーク(「●」/「○」)や菱形マークに限らず、処理状態が正常または異常であること、および、両面原稿の場合は表裏面の各処理状態が識別可能なものであればよく、他のマーク(模様)や記号、文字などを用いてもよい。
【0292】
また、実施の形態では再送信対象の原稿(原稿面)を特定するために、原稿の画像データを保存するメモリ(画像メモリ26)の使用方法をメインメモリ(領域)とテンポラリメモリ(領域)に分け、再送信対象となる可能性のある原稿(原稿面)の画像データをテンポラリメモリに一時的に保存するようにしているが、テンポラリメモリを使用せずにメインメモリのみを使用した制御を行うようにしてもよい。すなわち、読み取ったすべてのページをメインメモリに保存し、再送信不要の原稿(原稿面)の画像データを削除し、残った原稿面を再送信するといった方法でもよい。再送信対象の原稿(原稿面)を特定する処理の手順についても、実施の形態で説明した手順に限らず、FAX未送信を招いた各現象を反映する識別マークの状況(スタンプパターン)に応じて再送信対象の原稿(原稿面)を正確に特定する機能が実現できるものであればいかなる手順でも構わない。すなわち、片面原稿については(1)マルチフィード原稿特定処理、(2)異常原稿特定処理、(3)異常先頭ページ特定処理、(4)異常後続ページ特定処理、両面原稿については(5)マルチフィードページ原稿面特定処理、(6)異常ページ原稿面特定処理、(7)異常先頭ページ原稿面特定処理、(8)異常後続ページ原稿面特定処理を実現できるものであればいかなる手順でも構わない。
【0293】
また、実施の形態では原稿読取装置が第1の読取光学系35および第2の読取光学系36を備えて原稿の表裏面を同時に読み取ることができる構成を例に説明したが、本発明は、原稿の表面および裏面を単一の読取光学系で異なるタイミングに読み取るような構成にも適用することができる。その場合、原稿の表面および裏面の読み取りの切り替えは、ユーザが手動で原稿トレーに載せる原稿の向きを反転させて行う、あるいは、自動原稿送り装置16に原稿を反転させる反転機構を設けて自動で行うなどによって可能である。
【0294】
また、実施の形態では原稿群を読み取ってFAX送信するファクシミリ機能の他に、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能などを備えたデジタル複合機を例に説明したが、本発明は、単体のファクシミリ装置やスキャナ装置、あるいは、原稿群を読み取って原稿画像を電子データ化し保存するような電子保存装置、原稿群を読み取って原稿画像を電子データ化し外部装置へデータ転送するようなデータ転送装置などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0295】
【図1】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置を備えた画像形成装置の主要構成を示す制御ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置のシステム制御部の主要構成を示す回路構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る自動原稿読取装置および原稿読取光学系の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る片面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る片面原稿の裏面に押印されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る片面原稿の裏面に押印されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る片面原稿の裏面に押印されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る片面原稿の裏面に押印されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る片面原稿の裏面に押印されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図10】図4のスタンプパターンに対応するFAX送信完了ページNo、FAX再送信対象ページNo、備考を示す表図である。
【図11】図5のスタンプパターンに対応するFAX送信完了ページNo、FAX再送信対象ページNo、備考を示す表図である。
【図12】図6(F−1)〜(F−15)のスタンプパターンに対応するFAX送信完了ページNo、FAX再送信対象ページNo、備考を示す表図である。
【図13】図6(F−16)〜(F−31)のスタンプパターンに対応するFAX送信完了ページNo、FAX再送信対象ページNo、備考を示す表図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面原稿に対するFAX送信および済みスタンプ機能の動作を示す流れ図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面原稿に対する再送モードの動作を示す流れ図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図25】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図26】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図27】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図28】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図29】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図30】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図31】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図32】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図33】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図34】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図35】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図36】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図37】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図38】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図39】本発明の実施の形態に係る両面原稿の裏面に形成されたスタンプパターンの一例を示す説明図である。
【図40】図16〜39のスタンプパターン(一部)に対応するFAX送信完了ページNo、FAX再送信対象ページNo、備考を示す表図である。
【図41】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面および両面原稿に対するFAX送信および済みスタンプ機能の動作を示す流れ図である。
【図42】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面および両面原稿に対するFAX送信および済みスタンプ機能の動作を示す流れ図である。
【図43】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面および両面原稿に対する再送モードの動作を示す流れ図である。
【図44】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面および両面原稿に対する再送モードの動作を示す流れ図である。
【図45】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面および両面原稿に対する再送モードの動作を示す流れ図である。
【図46】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面および両面原稿に対する再送モードの動作を示す流れ図である。
【図47】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置による片面および両面原稿に対する再送モードの動作を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0296】
10…画像形成装置
11…原稿読取装置
12…操作部
13…システム制御部
14…エンジン制御部
15…原稿読み取り光学系
16…自動原稿送り装置
17…プリンタエンジン
18…フィニッシャ
19…表示部
20…CPU
21…バス
22…CPUメモリ
23…FlashROM/HDD
24…NVRAM
25…バス
26…画像メモリ
27…画像処理ASIC
28…画像回転ASIC
29…画像圧縮/伸張ASIC
30…DMAコントローラ
31…FAXユニット
32…CCDイメージセンサ/LD
33…公衆回線
34…CPU
35…第1の読取光学系
36…第2の読取光学系
37…反射ミラー
38…レンズ
40…装置本体
41…原稿トレー
42…排出トレー
43…ピックアップローラ
44…搬入通路
45…搬送ローラ
46…搬出通路
47…搬送ローラ
48…排出ローラ
49…隔壁部
50…スタンプ機構
M…原稿(片面原稿/両面原稿)
MF…表面
MR…裏面
RP1…読取位置
RP2…読取位置
S…スタンプ(片面用スタンプ/両面用スタンプ)
SA…正常スタンプ
SB…異常スタンプ
SC…両面正常スタンプ
SD…両面異常スタンプ
SE…裏面異常スタンプ
SF…表面異常スタンプ
SG…表面異常処理停止スタンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の原稿からなる原稿群の各原稿の表裏面を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面に識別マークを付与する識別マーク付与手段と、
前記読取手段で読み取った前記原稿群の再読み取りを設定する再読取設定手段と、
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面における識別マークの状況に応じて再処理対象の原稿を特定する原稿特定手段と、
を有する
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記識別マークが裏面に付与されていない原稿を読み取ったとき、その原稿の次ページの原稿を前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項3】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿を前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項4】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿の手前に連なる識別マークの付与されていない原稿の中の先頭ページを前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項5】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取った後、次ページ以降のすべての原稿の裏面に識別マークがなかったときは、前記処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿以降の全原稿を前記再処理対象の原稿に特定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
前記識別マークには、片面原稿に使用される片面識別マークと、両面原稿に使用される両面用識別マークとがあり、
前記原稿特定手段は、前記読取手段によって読み取った識別マークが前記片面識別マークであると判別した場合に前記再処理対象の原稿の特定を行う
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項7】
複数枚の原稿からなる原稿群の各原稿の表裏面を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面に識別マークを付与する識別マーク付与手段と、
前記読取手段で読み取った前記原稿群の再読み取りを設定する再読取設定手段と、
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記読取手段で読み取った前記各原稿の裏面における識別マークの状況に応じて再処理対象の原稿面を特定する原稿特定手段と、
を有する
ことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項8】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、前記識別マークが裏面に付与されていない原稿を読み取ったとき、その原稿の裏面と次ページの原稿の表面とを前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする請求項7に記載の原稿読取装置。
【請求項9】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、表裏面の少なくともいずれかの処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿のうち前記識別マークが処理エラーを示す面を前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする請求項7に記載の原稿読取装置。
【請求項10】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、表面の処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取ったとき、その原稿の手前に連なる識別マークの付与されていない原稿の中の先頭ページの表面を前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする請求項7に記載の原稿読取装置。
【請求項11】
前記再読取設定手段によって再読み取りが設定されている場合に、表裏面の処理エラー、または、裏面の処理エラー、または、表面は処理エラーでかつ裏面は未処理、を示す識別マークが裏面に付与されている原稿を読み取った後、次ページ以降のすべての原稿の裏面に識別マークがなかったときは、前記処理エラーを示す識別マークが裏面に付与されている原稿のうち前記識別マークが処理エラーを示す面および前記識別マークが未処理を示す面と、その原稿以降の全原稿の表裏面とを前記再処理対象の原稿面に特定する
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項12】
前記識別マークには、片面原稿に使用される片面識別マークと、両面原稿に使用される両面用識別マークとがあり、
前記原稿特定手段は、前記読取手段によって読み取った識別マークが前記両面識別マークであると判別した場合に前記再処理対象の原稿面の特定を行う
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項13】
前記読取手段は、前記原稿の表面を読み取る第1の読取手段と、前記原稿の裏面を読み取る第2の読取手段と、で構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2008−182671(P2008−182671A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287791(P2007−287791)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】