説明

参加型情報表示システム、プログラム、およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】情報を一方的に表示するのではなく、提供しようとする情報に対して、利用者が興味を持ち、見たくなるような情報表示方法を提供する。
【解決手段】情報取得手段1により取得した情報を、情報分割手段2により分割して、部分情報として画面に表示し、位置入力手段4により入力された位置との干渉状態に応じて画面上で移動させることで、情報の提供そのものにエンターテイメント性を持たせ、利用者の参加を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示される情報への関心を高めるのに好適な情報表示システム、プログラム、及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報をディスプレイ等の表示機器に表示するときには、いかに見やすいか、読みやすいかということに重点を置いた、利用者への一方的な情報発信のための表示方法が考えられていた。
たとえば、特許文献1によれば、情報のサイズを変えたり文節等で分割して順番に表示したりすることで利用者が読みやすいであろうと考えられる表示を行うことができるとしている。
さらに、特許文献2によれば、利用者の視線を検知することにより、利用者が読みやすいように情報の量や表示速度等を自動的に調節することができるとしている。
【0003】
しかしながら、これら従来の技術は情報を得る利用者が興味を持って表示画面を見ていることが前提であり、視線を検知するためには、見ている必要があるなど、既に興味を持って見ている人にとっての見やすさを実現するものでしかない。近年のように、屋内から屋外まで、あらゆるところに情報表示装置が設置されるようになると、画面に情報を表示するだけでは利用者に興味を持って見て貰うことは難しいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−316613号公報
【特許文献2】特開2009−117987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、多くの情報が一方的に流されている中で、提供しようとする情報に対し、利用者が興味を持ち、見たくなるような情報表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、以下の特徴を有する。
【0007】
(1)本発明の参加型情報表示システムは、情報を取得する情報取得手段と、取得した情報を分割する情報分割手段と、分割された部分情報のうち一部または全部を表示する部分情報表示手段と、利用者が位置を入力する位置入力手段と、入力された位置と前記部分情報表示手段に表示されている部分情報の位置とを比較する位置比較手段とを有し、前記位置比較手段による比較結果から得られる、入力された位置と表示されている部分情報の位置の干渉状態に基づいて、部分情報の表示位置を制御する表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0008】
(2)本発明は、前記(1)の参加型情報表示システムにおいて、前記位置入力手段が、被写体を連続的に撮像しフレームごとに画像データを生成する撮像手段と、前記撮像手段より得られたフレーム内において動きのあった部分を検出する動き位置検出手段とを備え、前記動き位置検出手段により検出した動き位置を入力するものである。
【0009】
(3)本発明は、前記(1)または(2)の参加型情報表示システムにおいて、前記表示制御手段により表示位置が移動した結果、前記情報取得手段により得られた情報に復元される。
【0010】
(4)本発明は、前記(1)から(3)の参加型情報表示システムにおいて、前記情報取得手段が、インターネットまたはLANなどのネットワークにより接続されていることを特徴とする。
【0011】
(5)本発明は、前記(1)から(4)の参加型情報表示システムにおいて、前記情報取得手段により取得される情報が、文字情報であることを特徴とする。
【0012】
(6)本発明は、前記(1)から(4)の参加型情報表示システムにおいて、前記情報取得手段により取得される情報が、画像情報であることを特徴とする。
【0013】
(7)本発明は、前記(1)から(4)の参加型情報表示システムにおいて、前記情報取得手段により取得される情報が、映像情報であることを特徴とする。
【0014】
(8)本発明に係る情報表示用プログラムは、情報を取得する情報取得手段と、取得した情報を分割する情報分割手段と、分割された部分情報のうち一部または全部を表示する部分情報表示手段と、利用者が位置を入力する位置入力手段と、入力された位置と前記部分情報表示手段に表示されている部分情報の位置とを比較する位置比較手段とを有し、前記位置比較手段による比較結果から得られる、入力された位置と表示されている部分情報の位置の干渉状態に基づいて、部分情報の表示位置を制御する表示制御手段を備えるように機能する。
【0015】
(9)本発明は、前記(8)に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報を分割して表示し、利用者の操作によって情報を表示位置を移動して復元することで、利用者の想像力を働かせ、興味を持って情報を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る参加型情報表示システムの機能ブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係るプログラム処理のフローチャートを示す図。
【図3】本発明の一実施形態に係る参加型情報表示システムの全体構成図。
【図4】本発明の一実施形態に係る画面表示の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、本発明に係る参加型情報表示システムは、情報取得手段1と、情報分割手段2と、部分情報表示手段3と、位置入力手段4と、位置比較手段5と、表示制御手段6とを備える。
【0019】
情報取得手段1は、任意のデータベースに含まれる文字情報、画像情報、映像情報(以下「文字情報等」という。)を取得する。情報分割手段2は、情報取得手段1によって得られた情報を分割し、複数の部分情報を生成する。部分情報表示手段3は、情報分割手段2によって生成された部分情報を表示する。
【0020】
なお、図1では、情報取得手段1の情報取得方法について、接続されたインターネットを介してデータベースから取得する方法を例示しているが、この他にもLANなどのネットワークに接続して当該ネットワーク上のデータベースからデータを取得する方法や、情報取得手段1の納められたコンピュータ内の任意の箇所からデータを取得する方法とすることもできる。
【0021】
位置入力手段4では、部分情報が表示される画面上における特定の位置が利用者によって入力される。位置比較手段5は、位置入力手段4によって入力された画面上の位置と、部分情報表示手段3によって表示される部分情報との位置関係を比較する。表示制御手段6は、位置比較手段5による比較結果から得られる、部分情報と入力された位置との干渉状態に基づいて、部分情報の表示位置を制御する。
【0022】
なお、図1では、位置入力手段4で位置を入力する方法として、撮像手段7を用いる方法を例示している。この場合、撮像手段は利用者を連続的に撮像し、画像データを生成する。位置検出手段8は、撮像手段により生成された画像データから、動きのあった位置を特定する。
【0023】
本実施形態の一例として、図2に参加型情報表示システムにおけるプログラム処理のフローチャートを示し、次にその内容を説明する。
【0024】
第一に、インターネットまたはLANなどのネットワークを介してデータベースへの接続が行われる(S1)。ステップS1は、当該ネットワーク上にあるデータベースから情報を取得するための過程である。この情報を取得するデータベースは、予め利用者が特定しておくことが可能であるが、予め指定された複数のデータベースの中から、ランダムに選択されることとしてもよい。または、ネットワーク接続の都度利用者によって指定されるようにしてもよい。
【0025】
次に、情報の取得が行われる(S2)。ステップS2で取得される情報は指定されたデータベース内にある文字情報等である。データベース内に複数の情報がある場合、その全部または一部の情報を取得するものとするが、例えば取得しようとする情報が文字情報である場合、予め設定しておいた特定のキーワードを含む文字情報のみを選別して取得すること、あるいは逆に、特定のキーワードを含まない文字情報のみを選別して取得することも可能である。
【0026】
同様に、取得しようとする情報が画像情報及び映像情報である場合、予め画像情報及び映像情報が有するであろう特定の属性を設定しておき、その属性を有する画像情報及び映像情報のみを選別して取得すること、あるいは逆に、その属性を有しない画像情報及び映像情報のみを選別して取得することも可能である。
【0027】
次に、取得した文字情報等の分割が行われる(S3)。この場合、取得した情報が文字情報である場合には文字単位の分割が行われるものとするが、この分割単位を任意の文字数またはランダムに設定される文字数となるよう予め設定しておくことが可能である。
【0028】
また、取得した情報が画像情報である場合には、予め設定しておいた分割パターンに合わせて、またはランダムに設定される形に分割することが考えられるほか、予め設定しておいた特定の図形を画像から抜き出して分割する方法や、予め設定しておいた特定の色を画像から抜き出して分割する方法も可能である。さらに、取得した情報が映像情報である場合には、前記画像情報の場合と同様の方法が考えられるほか、動画の再生時間の開始時点から終了時点までを、予め設定しておいた任意の時間またはランダムに設定される時間で分割することも可能である。
【0029】
ステップS3で分割された情報に付加情報のある場合には、その付加情報に基づき分割情報の加工が行われる(S4)。例えば、分割された情報が文字情報である場合に、付加情報としてフォント、色、サイズなどの情報があれば、分割されている文字情報をこれらに基づいて加工するものである。この場合、情報の加工は分割された情報すべてに行われるものとするが、付加情報として、ある特定の文字にだけ加工を行う旨の指定を設定することで、分割された文字情報の一部のみに特定の加工を行うことも可能である。
【0030】
付加情報に含まれる情報としては、前記のほかに、特定の分割された文字情報等を記号や画像に変換するための情報、分割された文字情報等の装飾表示に関する情報、分割された文字情報等の表示と関連付けて発生させる音に関する情報、分割された文字情報等の表示に係るエフェクトに関する情報、分割された文字情報を異なる言語に翻訳するための情報、分割される前の本来の文字情報等には無いフェイクの部分情報を生成させるため情報などが考えられる。
【0031】
次に、部分情報の生成が行われる(S5)。分割され、加工された文字情報等は、ステップS5で表示されるための部分情報として生成される。なお、ステップS3で分割された情報に付加情報が無い場合には、分割された情報はそのままステップS5で部分情報として生成されるが、この場合、例えば文字情報のフォントや色など部分情報生成のために必要な情報は予め指示された各設定に基づいて行われることになる。
【0032】
次に、生成された部分情報がディスプレイに表示される(S6)。ステップS6では、複数の部分情報の全てまたは一部をディスプレイの画面上に表示する。その表示形態としては分割される前の並び順に従い、元の文字情報等が想起できる状態で表示されることもあれば、逆に、全く異なる並び順で表示されることで元の文字情報の想起が困難であるように表示されることも考えられる。後者の表示形態の場合には、バラバラになった部分情報から元の文字情報等を推量するというゲーム性を付加することもできる。
【0033】
このほか、部分情報をディスプレイの画面上に固定して表示することや、逆に部分情報がディスプレイの画面上で動き回るように表示する方法が考えられる。後者の場合には前記の元の情報を推量するというゲーム性を更に高めることが期待できる。
【0034】
さらに、文字情報等を分割して生成された部分情報ではないもので、これらに似せたフェイクの情報を、本来の部分情報に混在させて表示することにより、元の文字情報等の推量がより困難になり、ゲーム性が高くなることも考えられる。
【0035】
または、取得した複数の文字情報等を分割して生成されるそれぞれの部分情報を、同時に画面上に表示することにより、元の文字情報等の推量がより困難になり、ゲーム性が高くなることも考えられる。
【0036】
なお、本フローチャートでは例示として表示装置をディスプレイとしているが、これはテレビジョン、コンピュータに付属の液晶ディスプレイ、屋外に設置された大型ビジョン等のディスプレイ一般を含み、またプロジェクタ及びスクリーン等の投影装置であってもよい。
【0037】
次に、カメラからフレーム画像が取得される(S7)。カメラは、レンズを通した映像をCCD撮影板などの固体撮像素子に結像させ、それをビデオ信号として出力するビデオカメラ等であって、例えば1秒間に10フレームを連続的に撮像し、フレームごとの画像データを生成する。画面上に表示される部分情報は、この取得されたフレーム画像、もしくはこのフレーム画像に例えばポスタリゼーションのようなエフェクトをかけた画像に重畳するように表示される。この場合、部分情報とフレーム画像のいずれかまたは双方の表示透過率を高くすることにより、双方が利用者に見えやすくなるよう表示することもできる。
【0038】
ステップS7で取得された画像データから動きのある領域の検出が行われるが、例えばこの検出方法としては、カメラが生成した画像データから、連続する二枚のフレーム画像のすべての画素(ピクセル)の明るさを比較することが考えられる。この場合、比較結果が閾値を超えている場合はその画素に動きがあると判断され、動きがあると判断された画素が一定数集合して存在する場合は、動きのある領域があると認められる。この動きのある領域の検出は、当該領域があると認められるまで繰り返して行われる。なお、この動きのある領域に、例えば画面上で色を付けて表示することで、動きの領域の有無を明確に表示することも可能である。
【0039】
また同様に、動きのある領域があると認められる場合に、音を発生させることで動きの領域の有無を明確にすることも可能である。
【0040】
動きのある領域が検出された場合、次に当該領域が位置データに変換される(S8)。画面上の位置は、例えば、縦方向への分割や横方向への分割やこれらの組み合わせ等で分割された区画により特定されるが、当該領域の位置データへの変換は、前記動きのある画素群が、画面上のどの区画に属するものであるかを判定することで行われる。
【0041】
ここで、動きのある領域の位置データと、ステップS6で表示された部分情報の位置データが比較されることにより、部分情報の表示位置と動き領域位置が互いに干渉しているかどうかが判断される。画面上のどの位置においても干渉が認められなかった場合には、ステップS7からのフローが、干渉が認められるまで繰り返して行われる。なお、部分情報の表示位置と動き領域位置の干渉とは、画面上に表示されている部分情報に対して、動きのある領域の少なくとも一部が重なった状態となることを意味し、部分情報と動きのある領域との重なった部分のデータ量に基づいて規定される。
【0042】
動きのある領域の位置と部分情報の位置に干渉が認められた場合、干渉状態にある当該部分情報が、画面上の指定の位置へと移動する(S9)。ステップS9によって、画面上に表示されている全ての部分情報が指定の位置へと移動されるまで、ステップS7からのフローが繰り返して行われる。
【0043】
この指定の位置は、例えば、すべての部分情報がステップS9により移動したときに、分割される前の元の文字情報等を復元するような位置とする。この場合、部分情報と干渉状態にある、動きのある領域を短時間にできるだけ多く発生させることで元の文字情報等の復元が早く進むことになり、当該文字情報等の復元までの経過時間を競うゲームとすることなどが考えられる。
【0044】
指定の位置へ移動された部分情報は、一旦移動された後は、すべての部分情報が指定位置に移動されるまで同じ位置に固定されて表示されるものとするが、移動後一定時間が経過した段階で移動前の状態に戻ることで文字情報等の復元を困難にし、ゲーム性を高めることもできる。
【0045】
動きのある領域の位置と部分情報の位置の干渉が認められた場合に、当該部分情報の色やサイズなどに変化を付けることや、音を発生させることで、干渉していることを明確に示すこともできる。
【0046】
このほか、動きのある領域の位置と部分情報の位置の干渉が認められた場合に、当該部分情報を指定の位置へと移動するだけではなく、当該部分情報の表示を無くして画面上から消したり、当該部分情報をさらに分割して新しい部分情報を生成したり、元の文字情報等から分割されたものではないフェイクの部分情報を新たに生成して、当該部分情報の代わりに表示したりすることもでき、これらと前記の方法を組み合わせることにより、よりエンターテイメント性の高い情報表示を行うことができる。
【0047】
すべての部分情報が指定の位置に移動されることにより本フローは終了するが、終了後は新たな文字情報等を取得するために、新たにステップS1からのフローが繰り返される。または、その時点までのステップS2において複数の文字情報等が取得されている場合など、既に別の文字情報等が取得されている場合には、ステップS3からのフローが繰り返して行われる。
【0048】
すべての部分情報がステップS9により指定の位置に移動されない場合でも、既定の時間が経過した後に、本フローの進行を中断し、前記のようなステップS1またはステップS3からのフローを繰り返すこともできる。このことにより、常に新しい情報表示が可能になり、利用者に継続的な興味を持たせることができる。
【0049】
なお、前記のように一旦本フローが終了または中断した後に、ステップS1またはステップS3からのフローを繰り返す場合において、終了または中断したフローに係る部分情報の表示を消すことで、次のフローではそのフローに係る部分情報のみが表示されるようにすることもできるし、反対に、終了または中断したフローに係る部分情報の表示を残すことで、異なるフローに係る部分情報を同時に表示することもできる。
【0050】
すべての部分情報が指定の位置に移動され、本フローが終了したことをきっかけに、別の映像を画面上に表示するなど、本実施形態における参加型情報表示システムを別の展開のためのトリガーとして利用することも考えられる。この場合、例えば元の文字情報等を映像のタイトル名としておき、これが部分情報から復元されたことをトリガーとして、当該映像の再生が始まる等の展開が考えられる。
【0051】
図3に示すように、本実施形態に係る参加型情報表示システムは、カメラ9と、コンピュータ10と、ディスプレイ11と、スピーカ12を備える。
【0052】
カメラ9は、撮像手段として用いられ、生成したフレーム画像データをコンピュータ10に入力する。コンピュータ10は、図1における情報取得手段1、情報分割手段2、位置入力手段4、位置比較手段5、表示制御手段6、位置検出手段8として機能する。ディスプレイ11は、図1における部分情報表示手段3として機能する。スピーカ12は、情報表示の前記各段階において発生させる音の出力を行う。
【0053】
図4では、参加型情報表示システムを実際に使用する場合の一例として、撮像されている利用者が動くことで、その動きの領域13が検出され、その位置と部分情報14が表示されている位置とが干渉している場合に、当該部分情報が予め指定された位置15へと移動する様子を示している。
【0054】
このような本実施形態における参加型情報表示システムは、ニュースなどの情報を表示する場面での使用が考えられるが、例えば、提供する文字情報等がニュースの内容を示すものである場合、ディスプレイ11を目にする利用者が、一目見ただけでは内容がわからないため、カメラ9の前で動き、その動きと部分情報を干渉させることで、部分情報を画面の中で移動させて元の文字情報等へと復元する等の行動を取ることが考えられる。すなわち情報提示に対して、利用者にただその情報を受け取らせようとするだけでなく、あえて一見わかりにくい表示とすることで、利用者の「知りたい」という気持ちを刺激し動きを誘発することで、利用者の参加を促し、提供しようとする情報に対する興味を持たせることができる。
【0055】
また、例えば、提供する文字情報等が野球やサッカーなどスポーツの試合結果等である場合に、それぞれのチーム名と得点結果を部分情報として分割して表示することで、元の文字情報を最初から表示する場合に比べ、利用者の興味を持続させることができる。
【0056】
このような本実施形態における参加型情報表示システムは、例えば、元の文字情報等を英単語とし、アルファベット単位で分割して部分情報として表示することで、英語学習のためのツールとして利用することができる。また、例えば、元の文字情報等を日本地図とし、各都道府県の形に分割して部分情報として表示することで、社会科学習のためのツールとして利用することもできるなど、教育の場でも活用が期待できる。
【0057】
このような本実施形態における参加型情報表示システムは、断片的な部分情報から元の情報を想像させることで利用者の脳機能の活性化を図り、同時に、元の情報を得るために体を動かすことで身体の機能訓練が可能になるという点で、リハビリテーションシステムとしての活用も期待できる。
【0058】
なお、ここまでの例示において、位置入力のための手段としては、カメラによる撮像を使用しているが、これは、例えばマウスやキーボードなど、コンピュータにデータ信号を入力するためのほかの機器を用いてもよい。
【0059】
また、ここまでの例示において、カメラ9による撮像は、部分情報を目にする利用者自身の動きを対象としているが、これは、例えば当該参加型情報表示システムが駅のホーム等に設置されている場合に、ホームを通過する車両の動きを撮像してもよいし、また例えば、当該参加型表示システムが街角に設置されている場合に、そのエリア全体をカメラ9で俯瞰することにより、歩行者も含めた交通の流れを撮像すること等も考えられる。
【0060】
以上のように、本実施形態の参加型情報表示システムによれば、従来の技術との比較において、情報を一方的に提供するのではなく、その提供に利用者の動きを関係させることにより、エンターテイメント性やゲーム性を持たせ、利用者が興味を持ち、自発的に見たくなるような情報提示が可能である。
【0061】
以上説明した本実施機能の情報表示を行うための参加型情報表示用プログラムは、図3におけるコンピュータ10を、前記の各手段、つまり情報取得手段1、情報分割手段2、位置入力手段4、位置比較手段5、表示制御手段6、および位置検出手段8として機能させる。係る参加型情報表示用プログラムによればこのプログラムがロードされたコンピュータを、参加型情報表示機器、ゲーム機器、教育機器、リハビリテーション機器等として用いることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る参加型情報表示用プログラムについては、例えば、CD−ROMやDVD、USBメモリースティック等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。これにより、参加型情報表示用プログラムをコンピュータにロードして、参加型情報表示機器、ゲーム機器、教育機器、リハビリテーション機器等としてとして適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の参加型情報表示システムは、前記のように、ニュース等の情報を伝達するための表示システムとしての利用のほか、アミューズメント施設等におけるゲームや、教育やリハビリテーションのためのツールとしての利用が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 情報取得手段
2 情報分割手段
3 部分情報表示手段
4 位置入力手段
5 位置比較手段
6 表示制御手段
7 撮像手段
8 位置検出手段
9 カメラ
10 コンピュータ
11 ディスプレイ
12 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を取得する情報取得手段と、
取得した情報を分割する情報分割手段と、
分割された部分情報のうち一部または全部を表示する部分情報表示手段と、
利用者が位置を入力する位置入力手段と、
入力された位置と前記部分情報表示手段に表示されている部分情報の位置とを比較する位置比較手段と、
前記位置比較手段による比較結果から得られる、入力された位置と表示されている部分情報の位置の干渉状態に基づいて、部分情報の表示位置を制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とした参加型情報表示システム。
【請求項2】
前記位置入力手段が、被写体を連続的に撮像しフレームごとに画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段より得られたフレーム内において動きのあった部分を検出する動き位置検出手段とを備え、
前記動き位置検出手段により検出した動き位置を入力することを特徴とした、
請求項1記載の参加型情報表示システム。
【請求項3】
前記表示制御手段により表示位置が移動した結果、前記情報取得手段により得られた情報に復元されることを特徴とした、
請求項1または請求項2に記載の参加型情報表示システム。
【請求項4】
前記情報取得手段が、インターネットまたはLANなどのネットワークにより接続されていることを特徴とした、
請求項1から請求項3に記載の参加型情報表示システム。
【請求項5】
前記情報取得手段により取得される情報が、文字情報であることを特徴とする、
請求項1から請求項4に記載の参加型情報表示システム。
【請求項6】
前記情報取得手段により取得される情報が、画像情報であることを特徴とする、
請求項1から請求項4に記載の参加型情報表示システム。
【請求項7】
前記情報取得手段により取得される情報が、映像情報であることを特徴とする、
請求項1から請求項4に記載の参加型情報表示システム。
【請求項8】
情報を取得する情報取得手段と、
取得した情報を分割する情報分割手段と、
分割された部分情報のうち一部または全部を表示する部分情報表示手段と、
利用者が位置を入力する位置入力手段と、
入力された位置と前記部分情報表示手段に表示されている部分情報の位置とを比較する位置比較手段とを有し、
前記位置比較手段による比較結果から得られる、入力された位置と表示されている部分情報の位置の干渉状態に基づいて、部分情報の表示位置を制御する表示制御手段、
を備えるように機能させるための参加型情報表示用プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の参加型情報表示用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−133927(P2011−133927A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290019(P2009−290019)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(307017154)株式会社しくみデザイン (2)
【Fターム(参考)】