説明

双極電極構成において電流密度を発生させる最適配置

【課題】電気外科器具と共に使用される端部エフェクターアセンブリを提供すること。
【解決手段】電気外科器具と共に使用される端部エフェクターアセンブリが提供される。端部エフェクターアセンブリは、組織接触表面の第一のペアを有する第一のジョー部材およびその間に配置された絶縁体を有する。端部エフェクターアセンブリは、また、組織接触表面の第二のペア、組織接触表面の第二のペアの間に配置された絶縁体のペアおよび絶縁体のペアの間に配置された切断要素を含む第二のジョー部材を有する。第一のジョー部材の第二のジョー部材への相対的な動きは、第一のジョー部材の絶縁体および第二のジョー部材の第二のジョー部材の絶縁体のペアに、第一のジョー部材と第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
1.技術分野
本開示は、ユーザーが組織を選択的に密閉し、かつ/または切断することを可能にする電極アセンブリを含む、内視鏡と切開外科手順の両方に用いられる鉗子に関する。より詳細には、本開示は、断面積を減少させるために、組織をひねるか、またはピンチ留めする双極構成の電極間に固定された絶縁体を用いる鉗子に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の背景
切開または内視鏡電気外科鉗子は、止血を引き起こすために、機械的な締め付け動作と電気エネルギーの両方を使用する。各対向するジョー部材の電極は、ジョー部材が組織を把持したとき、電気エネルギーが、組織を通して選択的に送信され得るように、異なる電位にチャージされる。外科医は、組織を通して電極間に適用される電気外科エネルギーの強度、周波数および継続時間を制御することにより、焼灼、凝固/乾燥および/または単に出血を減少させるか、または出血を遅くし得る。
【0003】
ある外科手順は、単に組織を焼灼すること以上を要求し、締め付ける圧力、電気外科エネルギーと組織、脈管およびある血管束を「密閉する」ギャップ距離の組み合わせに依存する。より詳細には、脈管密閉または組織密閉は、2つの対向するジョー部材または密閉プレート間の組織を効果的に密閉するまたは融合させるために、無線周波数エネルギー、締め付け圧力および正確なギャップ距離(つまり、組織の周りで閉じたときの、対向するジョー部材間の距離)の制御の特有の組み合わせを使用する。脈管または組織密閉は、「焼灼」以上のものであり、組織を破壊(また、「透熱療法」または「電気透熱療法」と呼ばれる)するために、熱の使用に関する。脈管密閉は、また、「乾燥」(これは、組織を乾燥させるプロセスで、組織の細胞は破裂して乾燥する)以上のものである。「脈管密閉」は、対向する組織構造間で、有意に減少した境界を有する溶解したかたまりに、組織が再形成するように、組織において、コラーゲン、エラスチンおよび基質を液化するプロセスとして定義される。
【0004】
電気外科鉗子のジョー部材間に配置された組織は、比較的大きな組織体積または比較的大きな横に切ったエリアを有する傾向がある。そのような大きな組織体積および/または横に切ったエリアは、ジョー部材間のゾーンにおける減少した電流またはエネルギー集中につながり、ジョー部材間のゾーンにおける電気エネルギーは、容易には集中させられない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態において、端部エフェクターアセンブリが提供される。端部エフェクターアセンブリは、組織接触面の第一のペアを有する第一のジョー部材およびその間に配置された絶縁体を有する。端部エフェクターアセンブリは、また、組織接触表面の第二のペア、組織接触表面の第二のペアの間に配置された絶縁体のペアおよび絶縁体のペアの間に配置された切断要素を含む第二のジョー部材を有する。第一のジョー部材の第二のジョー部材に対する相対的な動きは、第一のジョー部材の絶縁体および第二のジョー部材の絶縁体のペアに、第一のジョー部材と第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる。
【0006】
本開示の別の実施形態において、組織を密閉するための電気外科器具が提供される。電気外科器具は、ハウジング、ハンドルアセンブリおよび端部エフェクターアセンブリを含み得る。端部エフェクターアセンブリは、組織接触表面の第一のペアおよびその間に配置された絶縁体を有する第一のジョー部材を有する。端部エフェクターアセンブリは、また、組織接触表面の第二のペア、組織接触表面の第二のペアの間に配置された絶縁体のペアおよび絶縁体のペアの間に配置された切断要素を含む第二のジョー部材を有する。第一のジョー部材の第二のジョー部材に対する相対的な動きは、第一のジョー部材の絶縁体および第二のジョー部材の絶縁体のペアに、第一のジョー部材と第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる。
【0007】
本開示のさらに別の実施形態において、組織を密閉するためのもう1つの電気外科器具が提供される。電気外科器具は、対向するシャフトのペアを含み得、各シャフトは、シャフトの近位端部にハンドルを有する。器具は、また、対向するシャフトのペアの遠位端部に取り付けられた対向するジョー部材のペアを含む端部エフェクター組立て部材を含み得る。対抗するジョー部材は、対向するシャフトのペアを互いに対して動かすことにより、第一の位置から第二の位置に動く。対向するジョー部材のペアは、組織接触表面の第一のペアを有する第一のジョー部材およびその間に配置された絶縁体を有する。対向するジョー部材のペアは、また、組織接触表面の第二のペア、組織接触表面の第二のペアの間に配置された絶縁体のペアおよび絶縁体のペアの間に配置された切断要素を含む第二のジョー部材を有する。第一のジョー部材の第二のジョー部材への相対的な動きは、第一のジョー部材の絶縁体および第二のジョー部材の絶縁体のペアに、第一のジョー部材と第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる。
【0008】
エネルギーは、密閉段階の間、組織接触表面の第一のペアおよび組織接触表面の第二のペアに適用される。切断段階の間、第一の電位を有するエネルギーは、切断要素に適用され、第二の電位を有するエネルギーは、組織接触表面の第一のペアおよび組織接触表面の第二のペアに適用される。第一の電位は、第二の電位と異なる。
【0009】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 端部エフェクターアセンブリであって、該端部エフェクターアセンブリは、
組織接触表面の第一のペアと、その間に配置された絶縁体とを有する第一のジョー部材と、
第二のジョー部材と
を備え、該第二のジョー部材は、
組織接触表面の第二のペアと、
組織接触表面の該第二のペア間に配置された絶縁体のペアと、
絶縁体の該ペア間に配置された切断要素と
を含み、
該第一のジョー部材の該第二のジョー部材に対する相対的な動きは、該第一のジョー部材の絶縁体と、該第二のジョー部材の絶縁体のペアに、該第一のジョー部材と該第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めするようにさせる、端部エフェクターアセンブリ。
(項目2) 上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアは、密閉段階の間にエネルギーを受容するように構成される、上記項目に記載の端部エフェクターアセンブリ。
(項目3) 上記切断要素は、切断段階の間に、第一の電位を有するエネルギーを受容するように構成され、上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアは、第二の電位を有するエネルギーを受容するように構成される、上記項目のいずれかに記載の端部エフェクターアセンブリ。
(項目4) 上記第一の電位は、上記第二の電位と異なる、上記項目のいずれかに記載の端部エフェクターアセンブリ。
(項目5) 電気外科システムであって、該システムは、
電気外科ジェネレーターと、
端部エフェクターアセンブリを有する電気外科器具と
を備え、該端部エフェクターアセンブリは、
組織接触表面の第一のペアと、その間に配置された絶縁体とを有する第一のジョー部材と、
第二のジョー部材と
を含み、該第二のジョー部材は、
組織接触表面の第二のペアと、
該組織接触表面の第二のペア間に配置された絶縁体のペアと、
該絶縁体のペア間に配置された切断要素と
を含み、
該第一のジョー部材の該第二のジョー部材に対する相対的な動きは、該第一のジョー部材の該絶縁体と、該第二のジョー部材の絶縁体のペアに、該第一のジョー部材と該第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる、電気外科システム。
(項目6) 上記電気外科ジェネレーターは、密閉段階の間、上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアにエネルギーを適用するように構成される、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目7) 上記電気外科ジェネレーターは、切断段階の間、第一の電位を有するエネルギーを上記切断要素に適用するように構成され、第二の電位を有するエネルギーを上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアに適用するように構成される、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目8) 上記第一の電位は、上記第二の電位と異なる、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目1a) 端部エフェクターアセンブリであって、該端部エフェクターアセンブリは、
組織接触表面の第一のペアと、その間に配置された絶縁体とを有する第一のジョー部材と、
第二のジョー部材と
を備え、該第二のジョー部材は、
組織接触表面の第二のペアと、
組織接触表面の該第二のペア間に配置された絶縁体のペアと、
絶縁体の該ペア間に配置された切断要素と
を含み、
該第一のジョー部材の該第二のジョー部材に対する相対的な動きは、該第一のジョー部材の絶縁体と、該第二のジョー部材の絶縁体のペアに、該第一のジョー部材と該第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めするようにさせる、端部エフェクターアセンブリ。
(項目2a) エネルギーは、密閉段階の間、上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアに適用される、上記項目に記載の端部エフェクターアセンブリ。
(項目3a) 切断段階の間、第一の電位を有するエネルギーは、上記切断要素に適用され、第二の電位を有するエネルギーは、上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアに適用される、上記項目いずれかに記載の端部エフェクターアセンブリ。
(項目4a) 上記第一の電位は、上記第二の電位と異なる、上記項目いずれかに記載の端部エフェクターアセンブリ。
(項目5a) 電気外科器具であって、該器具は、
ハウジングと、
ハンドルアセンブリと、
端部エフェクターアセンブリと
を備え、該端部エフェクターアセンブリは、
組織接触表面の第一のペアと、その間に配置された絶縁体とを有する第一のジョー部材と、
第二のジョー部材と
を含み、該第二のジョー部材は、
組織接触表面の第二のペアと、
該組織接触表面の第二のペア間に配置された絶縁体のペアと、
該絶縁体のペア間に配置された切断要素と
を含み、
該第一のジョー部材の該第二のジョー部材に対する相対的な動きは、該第一のジョー部材の該絶縁体と、該第二のジョー部材の絶縁体のペアに、該第一のジョー部材と該第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる、電気外科器具。
(項目6a) エネルギーは、密閉段階の間、上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアに適用される、上記項目いずれかに記載の電気外科器具。
(項目7a) 切断段階の間、第一の電位を有するエネルギーは、上記切断要素に適用され、第二の電位を有するエネルギーは、上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアに適用される、上記項目いずれかに記載の電気外科器具。
(項目8a) 上記第一の電位は、上記第二の電位と異なる、上記項目いずれかに記載の電気外科器具。
(項目9a) 組織を密閉するための電気外科器具であって、該電気外科器具は、
対向するシャフトのペアであって、各シャフトは、該シャフトの近位端部にハンドルを有する、対向するシャフトのペアと、
端部エフェクターアセンブリであって、該端部エフェクターアセンブリは、該対向するシャフトのペアの遠位端部に取り付けられた対向するジョー部材のペアを含み、該対向するジョー部材は、該対向するシャフトのペアを、互いに対して動かすことにより、第一の位置から第二の位置に移動する、端部エフェクターアセンブリと
を備え、該対向するジョー部材のペアは、
組織接触表面の第一のペアと、その間に配置された絶縁体とを有する第一のジョー部材と、
第二のジョー部材と
を含み、該第二のジョー部材は
組織接触表面の第二のペアと、
該組織接触表面の第二のペア間に配置された絶縁体のペアと、
絶縁体の該ペアとの間に配置された切断要素と
を含み、
該第一のジョー部材の該第二のジョー部材に対する相対的な動きは、該第一のジョー部材の該絶縁体と、該第二のジョー部材の絶縁体の該ペアに、該第一のジョー部材と該第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる、電気外科器具。
(項目10a) エネルギーは、密閉段階の間、上記組織接触表面の第一のペアおよび上記組織接触表面の第二のペアに適用される、上記項目いずれかに記載の電気外科器具。
(項目11a) 切断段階の間、第一の電位を有するエネルギーは、上記切断要素に適用され、第二の電位を有するエネルギーは、組織接触表面の第一のペアおよび組織接触表面の第二のペアに適用される、上記項目いずれかに記載の電気外科器具。
(項目12a) 上記第一の電位は、上記第二の電位と異なる、上記項目いずれかに記載の電気外科器具。
【0010】
(摘要)
電気外科器具と共に使用される端部エフェクターアセンブリが提供される。端部エフェクターアセンブリは、組織接触表面の第一のペアを有する第一のジョー部材およびその間に配置された絶縁体を有する。端部エフェクターアセンブリは、また、組織接触表面の第二のペア、組織接触表面の第二のペアの間に配置された絶縁体のペアおよび絶縁体のペアの間に配置された切断要素を含む第二のジョー部材を有する。第一のジョー部材の第二のジョー部材への相対的な動きは、第一のジョー部材の絶縁体および第二のジョー部材の第二のジョー部材の絶縁体のペアに、第一のジョー部材と第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示のシステムおよび方法の目的および特徴は、そのさまざまな実施形態の説明を、添付の図面に関して読んだとき、当業者に明らかとなる。
【図1A】図1Aは、ハウジング、シャフトおよびその遠位端部に取り付けられたジョー部材のペアを有する内視鏡双極鉗子の右の透視図である。ジョー部材は、その間に配置された電極アセンブリを含む。
【図1B】図1Bは、第一のシャフトおよび第二のシャフトのペアを示す切開双極鉗子の左の透視図である。各シャフトは、その遠位端部に取り付けられたジョー部材をその間に配置された電極アセンブリと共に有する。
【図2】図2は、図1Bの詳細のエリアの拡大された図である。
【図3A】図3Aは、本開示の実施形態に従って、組織をジョー部材の間に配置した、電極アセンブリ構成を示した、拡大された概略的な端部の図である。
【図3B】図3Bは、本開示の実施形態に従って、組織をジョー部材の間に配置した、電極アセンブリ構成を示した、拡大された概略的な端部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
本開示の特定の実施形態が、以下に、添付の図面に関して説明される。しかし、開示される実施形態は、開示の例に過ぎず、さまざまな形態で実施され得る。公知の機能または組立ては、不必要な詳細で、本開示を不明瞭にすることを避けるため、詳細には説明されていない。そのため、本明細書で開示される具体的な構造的詳細および機能的詳細は、限定的であると解釈されず、特許請求の範囲のための基礎であり、当業者に、事実上、任意の適切に詳細な構造で、本開示をさまざまに採用するよう教示するための代表的な基礎として解釈されるに過ぎない。図の説明を通して、同様の参照番号は、類似または同一の要素を指し得る。
【0013】
電磁気エネルギーは、エネルギーを増加または波長を減少させることにより、電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線およびガンマ線に、一般的に分類される。本明細書で用いられた場合、「マイクロ波」という用語は、300メガヘルツ(MHz)(3×10サイクル/秒)から300ギガヘルツ(GHz)(3×1011サイクル/秒)の周波数レンジの電磁波を一般的に指す。本明細書で用いられた場合、「RF」という用語は、マイクロ波より低周波数を有する電磁波を一般的に指す。本開示は、本明細書で説明される同じ原理を使用して、組織を密閉し、切断するまたは脈管を密閉し、切断するために、採用され得ると信じるため、「組織」および「脈管」という用語は、交換可能に用いられ得る。
【0014】
下記で添付の図に関して、より詳細に説明されるように、本開示は、組織を横に切断するエリアを減少させるために、電極内で組織の「首をひねる」または「ピンチ留めする」双極性の構成における電極間に固定された絶縁体の使用に関する。組織をピンチ留めすることにより、より小さな横に切ったエリア内の電流またはエネルギー集中が増加する。さらに、「ピンチ留めするゾーン」または「組織ゾーン」を作ることは、エネルギーが集中する制御可能または予測可能なロケーションを可能にし、それによって、温度が増加する予測可能なロケーションにつながり、結果として、制御された組織効果が生じる。ひねって締め付ける配置のロケーションは、2つの双極性の電極間の、いずれの場所にも配置され得る。
【0015】
ここで、図1Aおよび図1Bを参照すると、図1Aは、内視鏡外科手順に関連した使用のための、双極性の鉗子10を描写し、図1Bは、伝統的な切り開く外科手順に関連した使用を意図された切開鉗子100を描写する。本明細書での目的のために、内視鏡器具または切開器具の一方は、本明細書で説明される電極アセンブリと共に使用され得る。異なる電気および機械関連および考慮が、各特定のタイプの器具に適用され得る。しかし、電極アセンブリおよびその動作特性に関連した局面は、切開または内視鏡の両方のデザインに関して、一般的に一致する。
【0016】
図1Aは、さまざまな内視鏡外科手順との使用のための双極性の鉗子10を示し、ハウジング20、ハンドルアセンブリ30、回転アセンブリ80、スイッチアセンブリ70および相互に協働で細管の脈管および血管組織を把持し、密閉し、分割する、対向するジョー部材110および120を有する電極アセンブリ105を一般的に含む。より詳細には、鉗子10は、機械的に電極アセンブリ105につながれるように寸法が合わせられた遠位端部16と、機械的にハウジング20につながれる近位端部14とを有するシャフト12を含む。シャフト12は、ジョー部材110および120が、その間の組織をかみ合い、把持するために、互いに対して旋回可能なように、電極アセンブリ105をしっかりと受け取り、つなぐようにデザインされている1つ以上の公知の機械的つなぎコンポーネントを含み得る。
【0017】
シャフト12の近位端部14は、電極アセンブリ105の回転を助ける回転アセンブリ80(示されていない)と機械的につながれる。以下の図面および説明において、「近位」という用語は、伝統的であるように、ユーザーにより近い、鉗子10の端部を指す。一方で、「遠位」という用語は、ユーザーからより遠い端部を指す。シャフト12および回転アセンブリ80の機械的に協働するコンポーネントに関する詳細は、共有に係る米国特許出願第10/460,926号、現在は、2003年6月13日に出願された、発明の名称が「VESSEL SEALER AND DIVIDER FOR USE WITH SMALL TROCARS AND CANNULAS」の米国特許第7,156,846に説明されている。
【0018】
ハンドルアセンブリ30は、固定ハンドル50および可動ハンドル40を含む。固定ハンドル50は、ハウジング20に統合されて結合され、ハンドル40は、固定ハンドル50に対して可動で、下記でさらに詳細に説明されるように、電極アセンブリ105の対向するジョー部材110および120を作動させる。可動ハンドル40およびスイッチアセンブリ70は、統一の組立てであり、アセンブリプロセスの間、動作するようにハウジング20および固定ハンドル50に接続される。ハウジング20は、2つのコンポーネントの半分20aおよび20bから組立てられ、それらは、組立ての間、シャフト12の近位端部の周りに組立てられる。スイッチアセンブリは、電気エネルギーを電極アセンブリ105に選択的に提供するように構成されている。
【0019】
上記で言及したように、電極アセンブリ105は、シャフト12の遠位端部16に取り付けられ、対向するジョー部材110および120を含む。ハンドルアセンブリ30の可動ハンドル40は、ジョー部材110および120に、開いた位置(ジョー部材110および120は、互いに対して離間して配置される)から締め付けまたは閉じた位置(ジョー部材110および120は、その間の組織を協働して把持する)への動きを与える。
【0020】
ここで、図1Bを参照すると、切開鉗子100は、各々が、それぞれ近位端部114a、114bと、それぞれ遠位端部116a、116bとを有する伸ばされたシャフト部111a、111bのペアを含む。鉗子100は、シャフト111a、111bの遠位端部116a、116bにそれぞれ取り付けられる、ジョー部材120、110を含む。ジョー部材110および120は、旋回ピン119の周りに接続され、旋回ピンは、ジョー部材110および120が、互いに対して、組織を扱うために、第一の位置から第二の位置へ旋回することを可能にする。電極アセンブリ105は、対向するジョー部材110および120に接続され、旋回ピン119を介した、または旋回ピンの周りの電気接続を含み得る。ジョー部材に対するさまざまな電気接続の例は、共有に係る米国特許出願第10/474,170号、10/284,562号、10/472,295号、10/116,944号、10/179,863号、現在は、それぞれ、米国特許第7,582,087号、7,267,677号、7,101,372号、7,083,618号および7,101,371号に示されている。
【0021】
各シャフト111a、111bは、その近位端部114a、114bに配置されたハンドル117a、117bを含み、その各々は、それぞれ、指穴118a、118bを規定し、そこを通してユーザーの指を受け取る。認識され得るように、指穴118aおよび118bは、シャフト111aおよび111bの、互いに対する動きを助け、シャフトは、交互に、ジョー部材110および120を、開いた位置(ジョー部材110および120は、互いに対して離間した関係で配置される)から締め付けまたは閉じた位置(ジョー部材110および120は、協働して、その間にある組織を把持する)へ旋回させる。歯止め130は、旋回している間、ジョー部材110および120を、さまざまな位置で、互いに対して選択的にロックするために含まれ得る。
【0022】
より詳細には、歯止め130は、シャフト111aに結合した第一の機械インターフェイス130aおよびシャフト111bに結合した第二嵌合機械インターフェイスを含む。協働歯止めインターフェイス130aおよび130bに関連した各位置は、シャフト部材111aおよび111bにおいて、特定の(つまり一定の)引き出しエネルギーを有し、エネルギーは、交互に、特定の閉じる力を、ジョー部材110および120に送信する。歯止め130は、ユーザーが簡単に、素早く、ジョー部材110と120との間の所望の閉鎖力量を確認、制御することを可能にするグラデーションまたは他の視覚的マーキングを含み得る。
【0023】
図1Bで最も良く見られるように、鉗子100は、また、鉗子100を、電気外科エネルギーのソース(例えば、電気外科ジェネレーター(明示的には示されていない))に接続する電気インターフェイスまたはプラグ200を含む。プラグ200は、鉗子100を電気外科ジェネレーター500(図1A参照)に機械的および電気的に接続するように寸法が合わせられた少なくとも2つの角形部材202aおよび202bを含む。電気ケーブル210は、プラグ200から延在し、ケーブル210は、鉗子100にしっかりと接続する。ケーブル210は、シャフト111bの内部構造において分割され、電気外科エネルギーを、さまざまな電気フィードパスを介して、電極アセンブリ105に送信する。
【0024】
シャフトの一方(例えば、111b)は、鉗子100を電気外科エネルギーのソース(例えば、電気外科ジェネレーター500)に接続するようにデザインされている近位シャフトコネクター/フランジ119を含む。より詳細には、フランジ119は、ユーザーが、必要な電気エネルギーを選択的に適用し得るように、電気外科ケーブル210を鉗子100に機械的にしっかり留める。
【0025】
図2の概略的実例で最も良く示されているように、図1Aの内視鏡バージョンと図1Bの切開バージョンの両方のジョー部材110および120は、一般的には対称であり、旋回軸19、119の周りのすらすらとした回転が、組織の把持および密閉に影響を与えることを、協働して可能にする、類似のコンポーネント特徴を含む。各ジョー部材110、120は、表面112、122にそれぞれ接する電気的に伝導性の組織を含み、それらは、密閉したり、切ったりしている間、協働して、組織をつなぐ。ジョー部材のうちの少なくとも一方(例えば、ジョー部材120)は、そこに配置された電気で作動可能な切断要素127を含み、これは下記で詳細に説明される。以下で説明されるさまざまな図面で共に示されるように、電極アセンブリ105は、密閉電極112および122と、(単数または複数の)切断要素127との組合せを含む。
【0026】
電極アセンブリ105のさまざまな電気接続は、電極アセンブリ105を介して、組織接触表面110および120と(単数または複数の)切断要素127とに電気連続を提供するように構成されている。例えば、ケーブル導線210は、3つの異なる導線、つまり導線207、208および209を含むように構成され得、それらは、異なる電気電位を搬送する。ケーブル導線207、208および209は、シャフト111bを介してフィードされ、ジョー部材110の近位端部内に配置されたさまざまな電気コネクター(示されていない)に接続し、最終的には、電気的に伝導性の密閉表面112および122と(単数または複数の)切断要素127に接続する。認識され得るように、電気接続は、使い捨て器具の組立てプロセスの間、シャフト111bに永続的に半田付けされ得るか、または、そうでなければ、再利用可能な器具の使用に対して、選択的に取り外し可能であり得る。
【0027】
共有に係る米国特許出願第10/479,170号および10/284,562号は、全て、シャフト111bを介して、ジョー部材110および120になされ得る、さまざまなタイプの電気接続を開示する。加えて、ジョー部材110および120に内視鏡の目的でなされ得る電気接続のタイプに関して、共有に係る米国特許出願第10/472,295号、10/116,944号および10/179,863号は、全て、他のタイプの電気接続を開示する。
【0028】
導線210からのさまざまな電気接続は、典型的には、誘電的に互いに絶縁され、下記でより詳細に説明されるように、組織接触表面112および122または切断要素127の一方の、選択的および独立的作動を可能にする。あるいは、電極アセンブリ105は、組織接触表面112、122および切断要素127の選択的および独立的作動を可能にするための内部スイッチ(示されていない)を含む単一のコネクターを含み得る。導線207、208および209(および/または伝導性の経路)は、組織の操作および組織を把持する間、ジョー部材110および120の互いに対する動きを妨げない。同様に、ジョー部材110および120の動きは、不必要に導線接続を引っ張らない。
【0029】
図3Aおよび図3Bで見られるように、それぞれ密閉表面112a、112bおよび122a、122bと、対向するジョー部材110、120の切断要素127との間に配置された組織を効果的に密閉し、切断するようにデザインされている電極アセンブリ105のさまざまな電気構成が、示される。より詳細には、図3Aおよび図3Bに関して、ジョー部材110および120は、実質的には、その全ての経度の長さに沿って(例えば、実質的には、それぞれのジョー部材110、120の近位および遠位端部から延在している)、それぞれ配置された伝導性の組織接触表面112a、112bおよび122a、122bを含む。組織接触表面112a、112bおよび122a、122bは、型に合わせて打ち抜くことにより、オーバーモールドすることにより、鋳造することにより、鋳造をオーバーモールドすることにより、鋳造をコーティングすることにより、型に合わせて打ち抜かれた、電気的に伝導性の密閉プレートをオーバーモールドすることにより、および/または金属注入モールドされた密閉プレートをオーバーモールドすることまたは他の適切な方法で、ジョー部材110、120に取り付けられ得る。これら製造技術の全てが、組織に接触し、組織を扱うために配置された電気的に伝導性の組織接触表面112a、112bおよび122a、122bを有する、ジョー部材110および120を作成するために採用され得る。
【0030】
図3Aおよび図3Bに関して、ジョー部材110および120の両方は、それぞれ、絶縁体または絶縁性の物質115および125a、125bを含み、それらは、各ジョー部材110および120上の電気的に伝導性の密閉表面の各ペアの間に配置される(つまり、ペア112aと112bの間およびペア122aと122bの間)。絶縁体115は、実質的に、ジョー部材110の全体の長さに沿って、組織接触表面112a、112bの中央に一般的に配置される。絶縁体125a、125bは、実質的に、ジョー部材120の全体の長さに沿って、中央に一般的に配置される。絶縁体115および125a、125bは、絶縁体115が、一般的に絶縁体125a、125bに対向するように配列される。
【0031】
絶縁体115、125aおよび125bのうちの1つまたは全ては、セラミックスの剛性および高温度変動に性質的に耐久可能であることに起因して、セラミックス素材から作られ得る。あるいは、絶縁体113、123のうちの1つまたは両方は、約300ボルト〜約600ボルトのレンジの値を有する高比較トラッキング指数(CTI)を有する素材から作られ得る。高CTI素材の例は、ナイロンおよびシンジオタクチックポリスチレンを含む。他の適切な素材は、また、単体または組み合わせで使用され得る(例えば、ナイロン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフタラミド(PPA)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリアミドイミド(PAI)、アクリル(PMMA)、ポリスチレン(PSおよびHIPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、脂肪族ポリケトン、アセタール(POM)コポリマー、ポリウレタン(PUおよびTPU)、ポリフェニレンオキシド分散およびアクリロニトリルスチレンアクリル酸塩を含むナイロン)。
【0032】
ジョー部材120は、実質的に絶縁体125a、125bに配置された電気的に伝導性の切断要素127を含む。下記で詳細に説明されるように、切断要素127は、密閉プロセスおよび切断プロセスの間、2つの役割を果たし得る。つまり、1)密閉プロセスの間、伝導性の表面112a、112bと122a、122bとの間の必要なギャップ距離を提供することと、2)密閉に沿って、組織を切断するために、先に形成された組織密閉に沿って、組織に電気を与えて作動させること。図3Aおよび3Bに関して、切断要素127は、電気的に伝導性である。しかし、切断要素127は、伝導性のコーティングを配置した、絶縁性の素材から作られ得る。切断要素127と絶縁体115との間の距離は、切断の効果を最大化するために、約0.000インチから約0.040インチのレンジ内に配置され得る。
【0033】
ジョー部材110および120と電極アセンブリ105の一般的特性は、まず、図3Aに関して説明される。一方で、本明細書で開示される他の考察される実施形態への変更は、各個別の実施形態の説明の間に、明らかとなる。さらに、以下の図の全ては、「切断段階」のみの間の、さまざまな電気的な構成および極性を示す。いわゆる「密閉段階」の間、ジョー部材110および120は、組織の周りに閉じられ、切断要素127は、対向する密閉表面112a、122aと112b、122bとの間の必要なギャップを形成し得る。密閉段階の作動の間、電流の大部分が、組織を効果的に密閉するために、対向する密閉表面112a、122aと112b、122bとの間に集中するように、切断要素127は必ずしも作動されない。停止部材(示されていない)は、また、切断要素127の代わりか、または組み合わせて、密閉表面間のギャップ距離を規制するために、採用され得る。
【0034】
切断要素127は、切断要素127が、上記で言及したように、正確で、一貫して、効果的な組織密閉を促進する、対向する伝導性の密閉表面112a、122aと112b、122bとの間の距離「d」を作る停止部材としてふるまうように、組織接触表面112a、112bおよび122a、122bを超えて延在するように構成され得る。距離「d」は、切断要素127と組織接触表面112a、112bおよび122a、122bとの間の電流の流れを停止させず、適切な効果のために、約0.005インチの最小距離を有する。認識され得るように、切断要素127は、また、対向する組織接触表面112a、122aおよび112b、122bが、接触するのを妨げ、これは、密閉プロセスの間、鉗子10、100がショートする可能性を退ける。
【0035】
絶縁体115および125a、125bは、組織が、「ピンチ留めゾーン」300を作るジョー部材110および120の間でつかまれているとき、本質的には、絶縁体115および125a、125bの間で組織を「ピンチ留めする」。ジョー部材110および120が、互いの近隣に動くとき、組織のピンチ留めすることは発生する。ジョー部材110および120が、互いにより近く位置付けられるにつれ、組織に接する絶縁体115および125a、125bの表面は、組織壁を互いにより近く搾るまたはピンチ留めする。それによって、組織の横に切ったエリアを減少させる。あるいは、組織は、また、伝導性の要素および絶縁体の一方の間で、ピンチ留めされ得る。例えば、組織は、切断要素127と絶縁体115との間で、ピンチ留めされ得る。
【0036】
密閉の間、絶縁体115および125a、125bの片面上の2つの組織密閉を引き起こすために、エネルギーが、対向する密閉プレート112a、122aおよび112b、122bを介して組織に適用される。切断段階の間、密閉電極112a、112bおよび122a、122bは、エネルギーが、示された矢印「A」の方向に流れるように、第一の電位「−」にパワー供給され、切断要素127は第二の電位「+」にパワー供給される。(図3B参照。)言い換えると、組織をピンチ留めすることは、組織切断を引き起こすために、エネルギー集中を特定の組織エリアに制御または向ける傾向があると信じられる。
【0037】
上部ジョー部材110および下部ジョー部材120に対するさまざまな配置構成が、組織を効果的に密閉し、次いで切断するために、使用され得る。上部ジョー部材110および下部ジョー部材120は、対称または非対称構成に配置され得る。ジョー部材のさまざまな配置を用いることは、分断に先立つ密閉の間、組織を「ピンチ留めする」傾向があり、これは、特に、ピンチ留めされる組織エリアが高パワー密度を被るとき、組織切断プロセスの質を高め得る。本明細書の目的のために、ピンチ留めするゾーンは、アクティブな組織極間のいずれかの場所の、最も小さい組織体積のエリアとして説明され得る。典型的には、ピンチ留めされる組織エリアは、高圧に関連付けられている。さらに、上記で説明されるように、電位の任意の組み合わせは、第一の電位段階の間、組織を効果的に密閉し、続く電位段階の間、組織を切断するために、さまざまなジョー部材110および120(および、各ジョー部材の対向するジョー部材)と共に使用され得る。したがって、例示されたジョー部材110および120は、第一の電位「−」および第二の電位「+」がラベル付けされる。しかし、密閉表面122aおよび122bと、切断要素127を含む下部ジョー部材120(上部ジョー部材の鏡像であり得るか、ない場合がある)は、ジョー部材110と120との間に配置された組織を効果的に密閉し、次いで切断するために、第一の電位および第二の電位(または他の電位)の任意の組み合わせとともに、パワー供給され得る。
【0038】
伝導性の切断要素127は、ジョー部材120の絶縁体125aおよび125b内で、対向して、垂直方向に位置合わせされ、方向付けられる。切断要素127は、電気外科作動の密閉段階の間、密閉プロセス(例えば、予備切断)を妨げないように、実質的には、先がとがっていない場合がある。言い換えれば、外科医は、切断要素127を機械的に組織へ切り込ませずに、密閉の目的で、組織を自由に操作し、把持し、締め付ける。さらに、この例において、切断要素127間の組織を機械的に締め付けることと、図3Bに示されるように、電気外科エネルギーを切断要素127から(作動することにより、組織を通して返送電極へ(つまり電気的に伝導性の組織接触表面112a、112bおよび122a、122b))適用することとの組合せを通して、組織切断が達成され得る。
【0039】
切断要素127の配置構成は、組織切断の全体の有効性を決定する際に重要な役割を果たし得る。例えば、切断要素127の周りのパワー密度および/または電流集中は、切断要素127および、返送電極への切断要素127の近接の特定の配置構成に基づく。つまり、組織接触表面112a、112bおよび122a、122b。切断要素127のある配置は、他の配置よりも高いパワー密度のエリアを作り得る。さらに、返送電極112a、112bおよび122a、122bのこれらの電流の集中に対する離間は、組織を通した電気フィールドに影響を与える。そのため、切断要素127と、互いの近接内のそれぞれの絶縁体115および125a、125bとを構成することにより、電気パワー密度は高い状態を維持し、このことは、切断に理想であり、器具は伝導性の表面間の偶然の接触に起因してショートすることがない。切断要素127の相対的なサイズおよび/または絶縁体115および125a、125bのサイズは、特定の外科的効果を発生させるために、特定または所望の目的に依存して、選択的に変更され得る。
【0040】
加えて、切断要素127は、外科医により独立に作動させられ得るか、または一度密閉が完了すると、自動でジェネレーターにより作動させられ得る。正確で完全な組織密閉が、切断の前に形成されることを確実にするために、安全アルゴリズムが採用され得る。可聴または視覚インジケーター(示されていない)が、外科医に、正確な密閉が形成されたことを確信させるために採用され得る。外科医は、切断の前に、トリガーを作動させる(または安全を不作動にする)ことが要求され得る。例えば、スマートセンサーまたはフィードバックアルゴリズムが、切断に先立ち、密閉の質を決定するために採用され得る。スマートセンサーまたはフィードバックループは、また、スマートセンサーが、一度、組織が適切に密閉されたと決定すると、自動で、電気外科エネルギーを切断要素127に切り替えるように構成され得る。電気的に伝導性の密閉表面112a、112bおよび122a、122bの電気的な構成は、また、正確で一貫した組織密閉および組織切断を引き起こすために、密閉および切断プロセスの間、自動または手動で変更され得る。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態が図面で示され、かつ/または本明細書で議論されたが、本開示はそれに限定されていると意図されず、本開示は技術が許容する限り範囲が広く、明細書もそのように読まれることが意図される。そのため、上記の説明は、限定的であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態の例示に過ぎない。特許請求の範囲は、ハードウェア、ソフトウェアまたはその組み合わせにおける実施形態を包含し得る。当業者は、これに添付された特許請求の範囲の範囲および精神内で、他の改変を予測する。
【符号の説明】
【0042】
10 鉗子
20 ハウジング
30 ハンドルアセンブリ
70 スイッチアセンブリ
80 回転アセンブリ
105 電極アセンブリ
110、120 ジョー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部エフェクターアセンブリであって、該端部エフェクターアセンブリは、
組織接触表面の第一のペアと、その間に配置された絶縁体とを有する第一のジョー部材と、
第二のジョー部材と
を備え、該第二のジョー部材は、
組織接触表面の第二のペアと、
組織接触表面の該第二のペア間に配置された絶縁体のペアと、
絶縁体の該ペア間に配置された切断要素と
を含み、
該第一のジョー部材の該第二のジョー部材に対する相対的な動きは、該第一のジョー部材の絶縁体と、該第二のジョー部材の絶縁体のペアに、該第一のジョー部材と該第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる、端部エフェクターアセンブリ。
【請求項2】
前記組織接触表面の第一のペアおよび前記組織接触表面の第二のペアは、密閉段階の間にエネルギーを受容するように構成される、請求項1に記載の端部エフェクターアセンブリ。
【請求項3】
前記切断要素は、切断段階の間に、第一の電位を有するエネルギーを受容するように構成され、前記組織接触表面の第一のペアおよび前記組織接触表面の第二のペアは、第二の電位を有するエネルギーを受容するように構成される、請求項1に記載の端部エフェクターアセンブリ。
【請求項4】
前記第一の電位は、前記第二の電位と異なる、請求項3に記載の端部エフェクターアセンブリ。
【請求項5】
電気外科システムであって、該システムは、
電気外科ジェネレーターと、
端部エフェクターアセンブリを有する電気外科器具と
を備え、該端部エフェクターアセンブリは、
組織接触表面の第一のペアと、その間に配置された絶縁体とを有する第一のジョー部材と、
第二のジョー部材と
を含み、該第二のジョー部材は、
組織接触表面の第二のペアと、
該組織接触表面の第二のペア間に配置された絶縁体のペアと、
該絶縁体のペア間に配置された切断要素と
を含み、
該第一のジョー部材の該第二のジョー部材に対する相対的な動きは、該第一のジョー部材の該絶縁体と、該第二のジョー部材の絶縁体のペアに、該第一のジョー部材と該第二のジョー部材との間に配置された組織をピンチ留めさせる、電気外科システム。
【請求項6】
前記電気外科ジェネレーターは、密閉段階の間、前記組織接触表面の第一のペアおよび前記組織接触表面の第二のペアにエネルギーを適用するように構成される、請求項5に記載の電気外科システム。
【請求項7】
前記電気外科ジェネレーターは、切断段階の間、第一の電位を有するエネルギーを前記切断要素に適用するように構成され、第二の電位を有するエネルギーを前記組織接触表面の第一のペアおよび前記組織接触表面の第二のペアに適用するように構成される、請求項5に記載の電気外科システム。
【請求項8】
前記第一の電位は、前記第二の電位と異なる、請求項7に記載の電気外科システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2012−16591(P2012−16591A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151223(P2011−151223)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(510011673)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (57)
【Fターム(参考)】