説明

反転装置及びそれを用いた露光装置並びに露光方法

【課題】2層の反転装置を用いて、基板の搬送、反転を合理的に行い、1台のレーザ露光機を用いるものでありながら、高い生産性で基板の両面露光を行う。
【解決手段】レーザ露光機8で露光された基板Bは、ハンドリング装置31により反転装置19の上方位置Uにある基板保持路22に搬入される。同時に、待機部35で待機している反転済の基板Bは、ハンドリング装置56により露光台9上に移送される。両面露光済の基板Bは、下方位置Dの基板保持路22から排出部36に排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板等のシート材の表裏を反転する反転装置、及び該反転装置を被露光体の搬送経路に介在した露光装置、並びに該露光装置を用いた露光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板に直接描画するレーザ露光機(いわゆるデジタル方式露光機)を用いる露光装置1は、図9に示すように、表面用露光セット2と、裏面用露光セット3と、その間に配置された反転装置5とからなり、移送面を一平面上に揃えて配設されている。
【0003】
該露光装置1は、投入側ローラコンベヤ6に投入された基板Bを投入用ハンドリング装置7により表面用露光機8の露光台(テーブル)9上に移送し、該露光テーブル9を矢印Y方向に移動しつつ、基板Bの表面にレーザ発光部10により直接描画する。表面が露光された基板Bは、排出用ハンドリング装置11により中間排出側ローラコンベヤ12に移送され、更に該コンベヤ12により反転装置5に搬送される。該反転装置5により、基板Bは180度反転されて、その裏面が上面となり、該反転された基板Bは、中間投入用ローラコンベヤ6’に搬送される。そして、上述した表面用露光セット2と同様に、上記反転された基板Bの裏面が、裏面用露光セット3により描画されて、排出コンベヤ12’上に排出される。なお、裏面用露光セット3は、表面用露光セット2と同じなので、符号にダッシュを付けて説明を省略する。
【0004】
上記露光装置1は、2組の露光セット2,3からなり、反転装置等の搬送装置に比して、高価なレーザ露光機8が表面用及び裏面用としてそれぞれ必要となり、露光装置全体として高価なものになっている。また、上記露光装置1は、2組の同じ露光セット2,3と反転装置5を必要とし、設置スペースも大きくなり、該露光装置1により生産されるプリント基板のコストにも影響を及ぼしてしまう。
【0005】
このため、高価なレーザ(デジタル)露光機を1台として、待機ステージ及び反転装置により、表面を露光された基板を上記1台の露光機で裏面も露光し、コストダウンを図った露光装置が提案されている(特許文献1)。本露光装置は(特許文献1の図7参照)、1台の露光機の移送方向上流側に第1待機ステージが配置され、移送方向下流側に第2待機ステージ及び反転装置が配置されている。そして、表面を露光された1枚目の基板が、第2待機ステージを通過して反転装置へ搬送される際に、第1待機ステージに待機している2枚目の基板が、露光機に搬送されて露光される。この際、1枚目の基板は、反転装置で反転されて第2待機ステージで待機している。2枚目の基板の表面の露光が終了すると、該基板は第1待機ステージに戻って、この状態で第2待機ステージで待機している1枚目の基板は、露光機に搬送されてその裏面が露光される。該表裏の露光を終えた1枚目の基板は、第2待機ステージ及び反転装置を通って排出される。この際、第1待機ステージに待機している2枚目の基板は、第2待機ステージを通過して反転装置に搬送される。同時に、第1待機ステージに3枚目の基板が搬送され、更に露光機に搬送されてその表面が露光される。この際、上記2枚目の基板は、反転装置により反転されて第2待機ステージで待機する。
【0006】
また、第1待機ステージの上流側にも反転装置を配置して、上述した2枚目の基板が第1待機ステージで待機している状態にて、上記上流側の反転装置で反転して、更なる生産性の向上を図ることも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−102116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1記載の露光装置は、上記レーザ露光機の露光台(テーブル)、第1及び第2待機ステージ及び反転装置は、すべて同一平面にあり、反転装置により表裏を反転されて裏面を露光すべくレーザ露光機に戻される際、表面を露光された基板は、露光機から第1待機ステージに戻されて、第2待機ステージ等の搬送平面を空ける必要がある。
【0009】
また、反転装置は、基板の上下面を挟むように配置された1層のシート材(基板)保持路からなり、該保持路への搬入路及び排出路を同一平面に配置する必要があり、該反転装置への搬入、両面露光済の基板を排出するためにレーザ露光機から遠ざかる方向に排出する排出、及び表面を露光した基板をレーザ露光機に向けて戻す裏面露光用排出の各機能を高い効率で使い分けるのは困難であり、シート材(基板)の反転、搬送性の更なる向上の妨げとなっている。
【0010】
また、該反転装置を1個又は2個用いた上記露光装置は、レーザ露光機から表面露光済の基板を上記反転装置に搬入する経路と、裏面露光のために基板を反転装置からレーザ露光機に戻す経路とが、いわゆる平面交差となるため、基板の搬送が複雑になり、更なる生産性の向上の妨げになっていると共に、1台の露光機の前後にそれぞれ待機ステージを配置する必要があり、設置スペースの更なる省面積化の妨げとなっている。
【0011】
そこで、本発明は、反転装置に2層のシート材(基板)保持路を設け、該反転装置を露光装置並びに露光方法に適用し、もって上述した課題を解決した反転装置及び露光装置並びに露光方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る反転装置(19P,19C)は、回転軸(20)を中心にして反対側に、それぞれ基板等のシート材(B)を移動自在にガイドして保持し得る第1のシート材保持路(22)と第2のシート材保持路(22)とを有し、
前記回転軸(20)に一体の支持体(21,21’)に前記第1及び第2のシート材保持路(22,22)を支持して、前記回転軸の180度回転により、前記第1のシート材保持路(22)と前記第2のシート材保持路(22)を上方位置(U)及び下方位置(D)に入れ換え、
前記上方位置(U)にて、前記第1及び第2のシート材保持路のいずれか一方(例えば22)に、該シート材保持路のガイド方向一方からシート材(基板)を搬入する搬入手段(30,31)を配置し、
前記下方位置(D)にて、前記第1及び第2のシート材保持路のいずれか他方(例えば22)に、該シート材保持路に保持されたシート材(基板)(B)を、該シート材保持路(22)のガイド方向一方(d)に向けて排出する第1の排出手段(32)と、該シート材保持路(22)のガイド方向他方(e)に向けて排出する第2の排出手段(33)と、を配置してなる、ことを特徴とする。
【0013】
例えば図1〜図4を参照して、上記反転装置(19P)は、前記回転軸(20)の軸線が、前記第1及び第2のシート材保持路(22,22)のガイド方向と平行に配置されてなる。
【0014】
例えば図5〜図7を参照して、上記反転装置(19C)は、前記回転軸(20)の軸線が、前記第1及び第2のシート材保持路(22,22)のガイド方向と直交するように配置されてなる。
【0015】
詳しくは、前記反転装置(19P,19C)は、前記支持体(21,21’)が、前記回転軸(20)に固定されたフレーム部材(23…)と、前記上方位置(U)においてシート材(基板)(B)の搬入方向下流側となる前記フレーム部材の一端面(23b,23d)に固定されて前記第1及び第2のシート材保持路(22,22)に沿って延びる片持ち形状の複数のアーム部材(25…)と、を有し、
前記第1及び第2のシート材保持路(22,22)は、前記アーム部材(25…)に回転自在に支持された複数のローラ(26…)を有し、これらローラが、シート材(基板)(B)を保持するようにその上下面において、該シート材保持路(22,22)の幅方向に複数列配置されている前記各アーム部材(25…)の長手方向に沿って複数個配置されて構成され、
前記搬入手段は、前記回転軸(20)から離れた側における前記アーム部材(25…)の間(G)を通るロッド(30a)を介して連結されている吸着パッド(30)を有し、前記アーム部材(25)の自由端側から、シート材(基板)(B)を吸着した前記吸着パッド(30)を挿入して、前記上方位置(U)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)にシート材(基板)を搬入してなり、
前記第1の排出手段は、前記アーム部材(25…)の間(G)を通って、前記下方位置(D)における前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)にあるシート材(基板)(B)を、該シート材保持路(22,22)のガイド方向一方(d)に向けて押し出す第1の押し部材(32)を有し、
前記第2の排出手段は、前記アーム部材(25…)の間(G)を通って、前記下方位置(D)における前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)にあるシート材(基板)(B)を該シート材保持路(22,22)のガイド方向他方(e)に向けて押し出す第2の押し部材(33)を有してなる。なお、上記吸着パッド(30)のロッド(30a)は、前記アーム部材(25)と複数のローラ(26)からなる鋤刃状アームの上下方向高さより長く設定されている。
【0016】
例えば図8を参照して、本発明に係る露光装置(50)は、前記反転装置(19)と、
前記シート材(基板)からなる被露光体(B)に直接描画するレーザ露光機(8)と、
前記反転装置(19)と前記レーザ露光機(8)との間に配置された待機部(35)と、
前記反転装置(19)の前記待機部(35)と反対側に配置された排出部(36)と、を備え、
前記搬入手段(30,31)は、前記レーザ露光機(8)で露光された前記被露光体(B)を該レーザ露光機(8)の露光台(9)から前記上方位置(U)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)に搬入し、
前記第1の排出手段(32)は、前記下方位置(D)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)から、表面が露光されて未露光である裏面を上面とした状態の前記被露光体(B)を前記待機部(35)に移送し、
前記第2の排出手段(33)は、前記下方位置(D)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)から表面及び裏面の両面が露光された状態の被露光体(B)を前記排出部(36)に排出してなる、ことを特徴とする。
【0017】
詳しくは、上記露光装置(50)は、前記反転装置(19)と、
前記シート材からなる被露光体(B)に直接描画するレーザ露光機(8)と、
前記反転装置(19)と前記レーザ露光機(8)との間に配置された待機部(35)と、
前記レーザ露光機(8)の前記待機部(35)と反対側に配置された投入部(52)と、
前記反転装置(19)の前記待機部(35)と反対側に配置された排出部(36)と、
前記待機部(35)と前記投入部(52)との間を移送範囲とし、前記投入部(52)上の被露光体(B)を前記レーザ露光機(8)の露光台(9)に移送すると共に、前記待機部(35)上の被露光体(B)を前記レーザ露光機(8)の露光台(9)に移送する第1のハンドリング装置(56)と、を備え、
前記吸着パッド(30)は、前記レーザ露光機の露光台(9)と前記上方位置(U)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)との間を移送範囲とし、前記レーザ露光機(8)の露光台(9)上にある表面又は両面を露光された被露光体(B)を前記上方位置(U)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)に搬入する第2のハンドリング装置(31)に配置され、
前記第1の排出手段は、前記下方位置(D)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)の表面が露光されて未露光である裏面を上面とした状態の被露光体(B)を前記第1の押し部材(32)により前記待機部(35)上に移送し、
前記第2の排出手段は、前記下方位置(D)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)の両面が露光された状態の被露光体(B)を前記第2の押し部材(33)により前記排出部(36)上に移送してなり、
前記第1のハンドリング装置(56)の移送経路と、前記第2のハンドリング装置(31)の移送経路が、移送方向でオーバラップすると共に高さ方向で異なる、ことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る露光方法は、上記露光装置(50)を用いて、
前記レーザ露光機(8)の露光台(9)上から前記上方位置(U)にある前記第1又は第2のシート材保持路(22,22)に向けて前記第2のハンドリング装置(31)により被露光体(B)を搬入する際、同時に、前記投入部(52)又は前記待機部(35)から前記レーザ露光機(8)の露光台(9)に向けて前記第1のハンドリング装置(56)により被露光体(B)を移送し、
前記レーザ露光機(8)が、前記露光台(9)上の被露光体(B)に露光する際、同時に、前記反転装置(19)が、前記上方位置(U)にある第1又は第2のシート材保持路(22,22)に搬入された被露光体(B)を前記下方位置(D)に移動すると共に表裏を反転して、該下方位置(D)にある被露光体(B)が両面を露光されている場合、該被露光体(B)を前記第2の押し部材(33)により前記排出部(36)に移送し、前記被露光体(B)が表面のみを露光されている場合、該被露光体(B)を前記第1の押し部材(32)により前記待機部(35)上に移送する、ことを特徴とする。
【0019】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためであるが、これにより特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る本発明によると、回転軸を中心にして反対側に配置した第1のシート材保持路と第2のシート材保持路とを有する2層の反転装置からなるので、下方位置にあるシート材保持路のガイド方向両側に排出する第1及び第2の排出手段と、上方位置にあるシート材保持路に整合する搬入手段とを配置して、シート材(基板)の搬入及び排出がそれぞれ専用に与えられて合理的な配置となって、効率的にシート材(基板)の反転並びに搬入及び排出を行うことができる。
【0021】
また、反転装置は、上方位置及び下方位置にそれぞれシート材保持路を有する立体的な構造となって、専有設置スペースを小さくすることができる。
【0022】
請求項2に係る本発明によると、回転軸とシート材保持路のガイド方向とが平行に配置されるので、シート材(基板)を反転した状態で、シート材(基板)の表裏において前端側及び後端側が同じとなり、例えば露光装置に適用して、レーザ露光機の進入方向に対する相関関係がシート材(基板)の表裏において同じとなり、シート材(基板)の同一箇所の表裏を同一のレンズ系で露光できるため、同タイプのレーザ露光機において生じる露光描画の表裏誤差を小さくすることができ、より精度が求められる場合には効果的である。
【0023】
また、本反転装置にてシート材(基板)を反転する際、シート材保持路のシート材に滑り落ちるような重力が作用しないので、シート材(基板)をシート材保持路に保持するためのクランプ及びストッパ等が不要となり、反転装置の構造を簡単にしてコストダウン及び信頼性の向上を図ることができる。
【0024】
請求項3に係る本発明によると、回転軸をシート材保持路のガイド方向(平面)に直交するように配置したので、シート材(基板)の搬送装置の進行方向に対して、反転してもシート材(基板)の左右関係が同じであり、従来の反転装置の関係と同一となるため、後工程が容易、簡単となる。
【0025】
請求項4に係る本発明によると、回転軸に一体に固定されたフレーム材に、片持ち支持形状により複数のアーム部材を固定し、これらアーム部材に複数のローラを回転自在に支持して前記第1及び第2のシート材保持路を構成したので、上方位置においてシート材保持路の上記アーム部材の自由端からシート材を挿入する搬入路を容易に形成することができ、かつ下方位置において、シート材保持路のガイド方向一方及び他方にシート材(基板)を押し出す押し部材により第1及び第2の排出手段を容易に構成することができ、2層の反転装置を簡単で信頼性の高い構造とすることができる。
【0026】
請求項5に係る本発明によると、本反転装置を、レーザ露光機を有する露光装置に適用して高価なレーザ露光機を少数(1台)に抑えて、1個の反転装置及び待機部の配置と相俟って、高い生産性で被露光体を露光することができる。
【0027】
請求項6に係る本発明によると、待機部と投入部との間を移送範囲とした第1のハンドリング装置と、上方位置にあるシート材(基板)保持路とレーザ露光機の露光台を移送範囲とした第2のハンドリング装置とを、そのシート材(基板)の搬送経路が基板移送方向でオーバラップすると共に高さ方向で異なるように配置したので、第1のハンドリング装置及び第2のハンドリング装置は、待機部上方で移送方向に交差しても互いに干渉することがなく、両ハンドリング装置によるシート材(基板)の移送を同時に行うことを可能として、更なる省スペースを図ると共に、高い生産性によるシート材(基板)の両面露光を図ることができる。
【0028】
請求項7に係る本発明によると、第2のハンドリング装置によるレーザ露光機の露光台から上方位置にある反転装置のシート材(基板)保持路への被露光体の移送と、第1のハンドリング装置による待機部から上記露光台への被露光体の移送とを同時に行い、かつレーザ露光機により被露光体の露光をする際、異なる被露光体の反転並びに待機部への移送又は排出部への排出を同時に行って、高い生産性による被露光体の露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】シート材(基板)のガイド方向と回転軸とが平行に配置された(平行軸タイプ)本発明に係る反転装置を示す図で、(A)は平面図、(B)は側面図。
【図2】(A)は上記平行軸タイプの反転装置の平面図、(B)は正面図。
【図3】(A)は上記平行軸タイプの反転装置の右側面図、(B)は左側面図。
【図4】上記平行軸タイプの反転装置の作動を示す図で、(A)〜(F)はそれぞれ異なるシート材(基板)の搬送段階を示す。
【図5】シート材(基板)のガイド方向と回転軸とが直交するように配置された(直交軸タイプ)本発明に係る反転装置を示す図で、(A)は平面図、(B)は側面図。
【図6】(A)は上記直交軸タイプの反転装置の平面図、(B)は正面図、(C)は側面図。
【図7】上記直交軸タイプの反転装置の作動を示す図で、(A)〜(F)はそれぞれ異なるシート材(基板)の搬送段階を示す。
【図8】本発明に係る露光装置を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図。
【図9】従来の技術による露光装置を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に沿って本発明の実施の形態を説明する。平行軸タイプの反転装置19Pは、図1〜図4に示すように、回転軸20に一体に固定された支持体21を有しており、該支持体21には、回転軸20を挟んで180度反対側に同一形状からなる第1及び第2のシート材保持路22,22が2層状に支持されている。なお、本反転装置で取扱うシート材は、どのようなものでもよいが、本実施の形態では露光装置に適用しているので、シート材は被露光体であるプリント基板となり、以下単に基板という。
【0031】
上記支持体21は、左右の側板23a,23a、これら両側板の前端側で連結する前板23b及び両側板の中央で連結するサポート板23c,23cからフレーム部材を有し、その上面、下面及び後面(の中央部以外)が開放された平面視コ字状からなる。前記前端側及び後端側に位置すると両サポート板23c,23cを貫通して上記回転軸20が一体に固定されており、前端側サポート板23cと一体の前板23bに一端が固定されて多数のアーム部材25…が上記回転軸20の軸線に平行に後端側に向けて延びており、これらアーム部材25の後端(先端)側は自由端となって、片持ち支持形状である鋤刃(櫛歯)形状となっている。アーム部材25は、幅方向に複数列(本実施の形態では6列)配置され、かつ回転軸20を中心にして反対側にそれぞれ2段の合計4段が平行に配置されている。
【0032】
各アーム部材25には、その長手方向にそれぞれ複数(本実施の形態では7個)のローラ26…が回転自在に支持されており、これらローラ26は、アーム部材25の上下方向の幅より大径であり、それぞれ上下2段の複数列ローラにより、前記第1及び第2の基板保持路22,22を形成している。これら基板保持路22,22は、基板Bの上下を挟んで保持すると共に、前記回転軸20の軸線方向に基板を移動自在にガイドする。前記回転軸20により支持体21が図1に矢印で示すように、往復回動(旋回)又は一方向に回動自在となっており、モータ等のアクチュエータにより、180度回転して、第1の基板保持路22と第2の基板保持路22とを上方位置及び下方位置に入れ換え得る。
【0033】
ローラ26を支持して幅方向に延びる多数列のアーム部材25の間は、図2(A)に示すように、複数(実施の形態では3列)の空隙部が形成されており、これら空隙部Gは、後端側が開放されて、基板Bを第1又は第2の基板保持路22,22に導入可能となっている。また、図3(B)に示すように、支持体21の前板23bは、上下各1箇所に上記基板保持路と整合するようにスリット27,27があけられており、下方位置にあるスリットから基板Bを排出し得る。図1及び図3(A)に示すように、支持体21の後端側は、中央部のサポート板23cを除いてその上方及び下方は、開放しており、上方位置にて基板Bを第1又は第2の基板保持路22,22に搬入可能となっており、下方位置にて基板Bを第1又は第2の基板保持路から排出可能となっている。
【0034】
本反転装置19Pは、以上のような構成からなるので、以下図4に沿ってその作動を説明する。図4(A)は、搬入手段(30,31)により上方位置Uにある第1の基板保持路22(又は第2の基板保持路22)に基板Bを搬入する状態を示す。搬入手段は、複数(実施の形態では5個)の吸着パッド30を有する第2のハンドリング装置31からなり、該吸着パッド30は、アーム部材25と複数のローラ26からなる鋤刃状アームの上下方向の高さより長いロッド30aを有している。これらロッド30aは、その内部で連通する負圧により基板Bを吸着すると共に、上記アーム部材25の間の空隙部Gを通って、上方位置にある第1の基板保持路22にその後端側から搬入する。該第1の基板保持路22は、基板Bをその上下面をローラ26…で挟んで矢印a方向にガイドしながら保持する。第2のハンドリング装置31が上方位置Uにある第1の基板保持路22内に基板Bを搬入した状態で、吸着パッド30の吸着を解き、上方に退避する。
【0035】
図4(B)に示すように、上方に退避した吸着パッド30を有する第2のハンドリング装置31は、矢印bに示すようにホームポジション(図8に示すレーザ露光機の露光台)に向けて移動し、搬入された基板Bは、上方位置にある第1の基板保持路22のローラ26間に保持される。図4(C)に示すように、反転装置19Pが180度回転して、上方位置Uにあった第1の基板保持路22が下方位置Dに移動し、かつ該保持路22に保持される基板Bは、表裏が反転される。即ち、上方位置Uにあった基板Bは表面が上面にあるが、下方位置Dでは、裏面が上面になる。
【0036】
図4(D)に示すように、表裏を反転されて第1の基板保持路22に保持された基板Bは、下方位置Dにおいて基板保持路のガイド方向一方(d)に向けて排出する第1の排出手段(32)又はガイド方向他方(e)に向けて排出する第2の排出手段(33)により左右異なる搬送方向に排出される。上記第1及び第2の排出手段をそれぞれ構成する第1の押し部材(裏面露光側払い出し爪)32及び第2の押し部材(基板排出側払い出し爪)33が該基板保持路内に出没自在にかつ該基板保持路の上記アーム部材25の間の空隙部Gを通ってガイド方向に(d又はe)に移動自在に配置されている。また、下方位置Dにある第1又は第2の基板保持路22,22と同一平面にて、そのガイド方向一方側に待機部(ステーション)35が配設され、ガイド方向他方側に排出部36が配設されており、これら待機部35及び排出部36はローラコンベヤからなる。上記第1又は第2の押し部材32,33が作動して、基板Bを第1の基板保持路22から待機部35又は排出部36に移送する際、同時に、第2のハンドリング装置31の吸着部パッド30に吸着された基板Bが上方位置Uにある第2の基板保持路に22に搬入される(矢印c)。
【0037】
図4(E)に示すように、基板Bが両面露光済(即ち処理が完全に終了したシート材)の場合、第2の押し部材33が第1の基板保持路22の待機部35側にて該保持路内に突出し、この状態で排出部36方向(e)に移動して基板Bの待機部側端を押しながら、該保持路22のローラ26及び排出部36のローラで案内しつつ該基板Bを排出部36に移送する。この際、該基板Bは、前板(フレーム部材)23aのスリット27を通って排出部36に排出される。
【0038】
図4(F)に示すように、基板Bが片面のみ露光され、裏面が未露光で上面となっている場合(即ち処理が途中のシート材)、第1の押し部材32が第1の基板保持路22の排出部36側で該保持路内に突出し、この状態で待機部35方向(d)に移動して基板Bの排出部側端を押しながら、該保持路22のローラ26及び待機部35のローラで案内しつつ該基板Bを待機部35に移送する。この際、支持体21は後端側が開放しているので、基板Bは、何等干渉することなく待機部35に移載される。
【0039】
ついで、図5〜7に沿って、直交軸タイプの反転装置について説明する。該反転装置19Cは、基板保持路22,22のガイド方向と直交する方向に回転軸20が配置されている。該回転軸20を中心にして反対側に、第1及び第2の基板保持路22,22が2層に配置されている。回転軸20と一体の支持部21’は、左右の側板23a,23a、これら両側板の前端及び後端の上半分又は下半分を連結する端板23d、及び上記左右側板の中央部に上記保持路と平行に延びている両サポート板23e,23eからなるフレーム部材を有している。上記回転軸20は、上記両サポート板23eを貫通して固定されており、また端板23dは、図6(B)(C)に示すように、上位置において前端側に位置し、下位置において後端側に位置し、いずれの位置にあっても端板23dがない側は開放されている。即ち、上方位置に端板23dがある場合、下方位置は開放され、下方位置に端板23dがある場合、上方位置は開放されている。上記各端板23dには、第1又は第2の基板保持路22,22に整合するように、基板貫通用のスリット27がそれぞれ形成されている。
【0040】
それぞれ前記端板23dに固定されて多数のアーム部材25…が幅方向に多数列かつ上下2段に延びており、これらアーム部材25の先端が自由端となるように片持ち構造で支持され、鋤刃(櫛歯)形状となっている。前記多数列2段の各アーム部材25…には、長手方向にそれぞれローラ26が回転自在に支持されており、これらローラ26はアーム部材25の上下方向の幅より大径であり、これらローラ26により、基板Bの上下面を挟んで移動自在にガイドして保持し得る第1及び第2の基板保持路22,22を形成する。
【0041】
図6(B),(C)に示すように、第1の基板保持路22が上方位置Uにある場合、端板23dは、サポート板23eの上方にあって前端側に位置し、該端板23dに各アーム部材25が片持ち支持形状にて支持されて、後端側が開放された上記第1の基板保持路22を構成している。第2の基板保持路22が下方位置Dにある場合は、端板23dがサポート板23eの下方にあって後端側に位置し、該端板23dに各アーム部材25が片持ち支持形状にて支持されて、前端側が開放された上記第2の基板保持路22を構成している。
【0042】
そして、回転軸20により支持部21’を180度回転すると、上記第2の基板保持路22が上方位置になり、前端側に端板23dが位置して後端側が開放され、上記第1の基板保持路22が下方位置になり、後端側に端板23dが位置して前端側が開放される。
【0043】
上記直交軸タイプの反転装置19Cも、先の平行軸タイプの反転装置19Pと同様に、図7(A)〜(F)に示すように作動する。図7(A)に示すように、第2のハンドリング装置31の吸着パッド30に吸着された基板Bは、上方位置Uにある第1(又は第2)の基板保持路22(22)に、開放されている後端側から挿入される(矢印a)。
【0044】
図7(B)に示すように、基板Bは第2のハンドリング装置31により、第1の基板保持路22に移送され、第2のハンドリング装置31の吸着パッド30の吸着を解いて、図7(C)に示すように、反転装置19Cは、回転軸20により矢印gに示すように180度回転する。この際、基板保持路22(又は22)は、そのガイド方向が上下方向に傾斜するため、該基板保持路22から基板Bが飛び出すことを防止するため、ストッパ又はクランプ等により基板Bを基板保持路22に保持する必要がある。
【0045】
なお、クランプは、エアシリンダ等で開閉するゴム又はスポンジからなり、基板保持路の一部に配置されて、基板Bの端部分を上下から挟み込んで固定するか、又は基板全体を圧接して固定するものでもよい。また、ストッパは、上記反転回転時に、基板保持路の傾斜下側となる部分における基板保持路に出没自在に配置され、基板が基板保持路を重力により滑り落ちるのを該ストッパに当接して防止する。前記平行軸タイプの反転装置19Pは、反転・回転時、基板保持路22,22は回転軸20と平行に保持されて、基板Bが滑り落ちるような重力が作用しないため、上記クランプ等は不要であるが、高い位置精度で保持するためにクランプ等を配置してもよい。
【0046】
図7(D),(E),(F)に示すように、反転装置19Cにより、表裏を反転して下方位置に移動した基板Bは、第1の基板保持路22から、第1の押し部材32により待機部35に移送されるか、第2の押し部材33により排出部36に移送される。この際、第2のハンドリング装置31の吸着パッド30に吸着された基板Bが、上方位置Uにある第2の基板保持路22に搬入される。
【0047】
ついで、本反転装置19(平行軸タイプ19Pでも直交軸タイプ19Cでも同様なので、19と表記)を用いた露光装置並びに露光方法について、図8に沿って説明する。露光装置50は、被露光体(基板)Bに直接描画する1台のレーザ露光機8と前述した1台の反転装置19とを備える。レーザ露光機8の基板移動方向上流側にはローラコンベヤからなる投入部52が配設され、上記レーザ露光機8の基板移動方向下流側で上記反転装置19との間には待機部35である裏面投入側ローラコンベヤが配設され、上記反転装置19の基板移動方向下流側には排出部36である排出側ローラコンベヤが配設されている。
【0048】
レーザ露光機8は、矢印Y方向に移動可能な露光台(テーブル)9及び多数の露光ヘッド53(実施の形態では2列各4個)を有するレーザ発光部10を有しており、露光台9上に載置された基板Bを矢印Y方向に移動しつつ、上記レーザ発光部10が基板Bに向けてレーザ光を照射して、該基板Bの上面にプリント配線を直接描画する。上記露光台9と、それぞれローラコンベヤからなる投入部52、待機部35及び排出部36、そして反転装置19における下方位置にある第1又は第2の基板保持路22,22が同一レベル(平面)に配置される。
【0049】
前記露光台9と投入部52との間及び前記露光台9と待機部35との間を移送範囲として第1のハンドリング装置56が配設されており、該第1のハンドリング装置56には基板Bを吸着する吸着パッド57を有している。また、前記露光台9と前記反転装置19の上方位置(U)にある第1又は第2の基板保持路22,22との間を移送し得る前記第2のハンドリング装置31が配設されている。上記第1のハンドリング装置56と第2のハンドリング装置31とは、基板Bの移送方向で一部オーバラップしているが、高さ方向において異なる位置にある。即ち、待機部35の上方において、第2のハンドリング装置31の基板移送経路は、反転装置19の上方位置における基板保持路22に整列して、第1のハンドリング装置56の基板移送経路の上方に位置する。
【0050】
本露光装置(50)は、上述した構成からなるので、投入部52に投入された基板Bは、その移動方向側端で滞留する。該投入部52上の両面未露光の基板(1枚目)Bは、第1のハンドリング装置56の吸着パッド57に吸着されて、レーザ露光機8の露光台9上に移載され、レーザ発光部10によりその表面に直接描画される。該表面が露光された1枚目の基板Bは、第2のハンドリング装置31の吸着部30に吸着されて、反転装置19の上方位置にある第1(又は第2)の基板保持路22に搬入される。この際、該基板Bは、上方位置にある基板保持路22の後端側から、前記アーム部材25の間の空隙部Gをそのロッド30aが通って該基板保持路22に搬入される。
【0051】
反転装置19が180度回転することにより、上方位置Uにある基板保持路22は、下方位置Dに移動し、かつ該基板保持路22に保持されている上記基板Bは、表裏が反転されて裏面が上面となる。該反転された基板Bは、第1の押し部材32により矢印d(裏面露光)方向に移送されて待機部35に移載される。この際同時に、第1のハンドリング装置56により次の基板(2枚目)Bが投入部52から露光台9に移送され、レーザ露光機8によりその表面が露光される。
【0052】
該表面露光された2枚目の基板Bは、第2のハンドリング装置31により反転装置19の上方位置にある第2の(又は第1の)基板保持路22に搬入される。該搬入と同時に、待機部35で待機している、表面が露光されて未露光である裏面を上面とした1枚目の基板Bが、第1のハンドリング装置56の吸着パッド57に吸着されて、待機部35上から露光台9上に移載される。この際、第2のハンドリング装置31による基板の移送経路と、第1のハンドリング装置56による基板の移送経路とが、待機部35上で移送方向でオーバラップすることになるが、上記両移送経路は、高さ方向で異なるので干渉することはない。
【0053】
そして、前記レーザ露光機8で上記1枚目の基板Bの裏面が露光され、この際同時に、上記2枚目の基板Bは、反転装置19により下方位置Dに移動すると共に表裏が反転され、更に該裏面を上面として待機部35に移載される。上記両面が露光された1枚目の基板Bは、露光台9から第2のハンドリング装置31により反転装置19の上方位置Uにある第1の基板保持路22に搬入される。これと同時に、待機部35に裏面を上面として待機している2枚目の基板Bは、第1のハンドリング装置56により露光台9に移載され、レーザ露光機8により裏面が露光される。
【0054】
この際同時に、反転装置19の上方位置Uにある第1の基板保持路22に搬入された1枚目の基板Bは、該反転装置の回転により下方位置Dに移動されると共に表面が上面となり、更に第2の押し部材33により矢印e方向に移動されて排出部36に排出され、両面露光が完了する。
【0055】
上記露光台9にて裏面露光された2枚目の基板Bは、第2のハンドリング装置31により上方位置Uにある第2の基板保持路22に搬入される。この際同時に、第1のハンドリング装置56により、投入部52から3枚目の基板Bが露光台9上に移送される。そして、レーザ露光機8により該基板Bの表面が露光される際、同時に、上記反転装置19の第2の基板保持路22に搬入された2枚目の基板Bが下方位置に移動して表面が上面になるように反転し、更に第2の押し部材33により排出部36に排出されて、両面露光が完了する。
【0056】
同様に、4枚目の基板の表面が露光される際、3枚目の基板Bが待機する。3枚目の基板の裏面が露光する際、4枚目の基板が待機する。4枚目の基板Bが裏面を露光する際、3枚目の基板が排出する。このように、基板の表面露光のための投入、基板の裏面露光のための待機、両面露光された基板の排出が、2回1セットとして連続して順次繰返される。
【0057】
上述した露光装置50を用いた露光方法により、レーザ露光機の露光台から反転装置の上方位置にある基板保持部への搬入と、待機部にある基板Bを露光台への移送とを同時に行うことができ、また、レーザ露光機で基板Bを露光する際、片面露光済の基板を反転して待機部35で待機するか、両面露光済の基板Bを排出部に排出する作業を同時に行うことができるので、高価なレーザ露光機を1台としてコストダウンを図った露光装置でありながら、連続した高い生産性による基板Bの両面露光を行うことができる。
【0058】
また、上記露光装置50は、上下方向で2層となる反転装置と、レーザ露光機、その間に配置される1個の待機部、その他投入部及び排出部で足りるので、露光装置50の設置スペースが小さくて足りる。
【0059】
なお、反転装置は、前述した平行軸タイプ19Pでも直交軸タイプ19Cのどちらを用いてもよいが、平行軸タイプ19Pによると、反転した状態で、基板は、その表面及び裏面で先端及び後端が同じ関係となり、レーザ露光機への進入方向が基板の表裏で同じ相関関係となり、通常4〜8本のレンズ系からなるレーザヘッド53で露光する際、基板の同一箇所の表裏を同タイプのレーザ露光機において生じる露光描画の表裏誤差を小さくすることができ、より精度が求められる場合には効果的である。
【0060】
前記直交軸タイプの反転装置19Cによると、ローラコンベヤからなる投入部52、待機部35、排出部36及び反転装置の基板保持路22,22の進行方向に対して、反転しても基板Bの左右関係が同じであり、従来の反転装置の関係と同一となるため、後工程の変更が容易、簡単となる。
【符号の説明】
【0061】
8 レーザ露光機
9 露光台
19 反転装置
19P 平行軸タイプの反転装置
19C 直交軸タイプの反転装置
20 回転軸
21,21’ 支持体
22 第1のシート材(基板)保持路
22 第2のシート材(基板)保持路
23a〜23e フレーム部材
25 アーム部材
26 ローラ
30 吸着パッド
30a ロッド
31 第2のハンドリング装置
35 待機部
36 排出部
50 露光装置
52 投入部
56 第1のハンドリング装置
57 吸着パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心にして反対側に、それぞれシート材を移動自在にガイドして保持し得る第1のシート材保持路と第2のシート材保持路とを有し、
前記回転軸に一体の支持体に前記第1及び第2のシート材保持路を支持して、前記回転軸の180度回転により、前記第1のシート材保持路と前記第2のシート材保持路を上方位置及び下方位置に入れ換え、
前記上方位置にて、前記第1及び第2のシート材保持路のいずれか一方に、該シート材保持路のガイド方向一方からシート材を搬入する搬入手段を配置し、
前記下方位置にて、前記第1及び第2のシート材保持路のいずれか他方に、該シート材保持路に保持されたシート材を、該シート材保持路のガイド方向一方に向けて排出する第1の排出手段と、該シート材保持路のガイド方向他方に向けて排出する第2の排出手段と、を配置してなる、
ことを特徴とする反転装置。
【請求項2】
前記回転軸の軸線が、前記第1及び第2のシート材保持路のガイド方向と平行に配置されてなる、
請求項1記載の反転装置。
【請求項3】
前記回転軸の軸線が、前記第1及び第2のシート材保持路のガイド方向と直交するように配置されてなる、
請求項1記載の反転装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記回転軸に固定されたフレーム部材と、前記上方位置においてシート材の搬入方向下流側となる前記フレーム部材の一端面に固定されて前記第1及び第2のシート材保持路に沿って延びる片持ち形状の複数のアーム部材と、を有し、
前記第1及び第2のシート材保持路は、前記アーム部材に回転自在に支持された複数のローラを有し、これらローラが、シート材を保持するようにその上下面において、該シート材保持路の幅方向に複数列配置されている前記各アーム部材の長手方向に沿って複数個配置されて構成され、
前記搬入手段は、前記アーム部材の間を通る前記ローラの径より長いロッドを介して連結されている吸着パッドを有し、前記アーム部材の自由端側から、シート材を吸着した前記吸着パッドを挿入して、前記上方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路にシート材を搬入してなり、
前記第1の排出手段は、前記アーム部材の間を通って、前記下方位置における前記第1又は第2のシート材保持路にあるシート材を、該シート材保持路のガイド方向一方に向けて押し出す第1の押し部材を有し、
前記第2の排出手段は、前記アーム部材の間を通って、前記下方位置における前記第1又は第2のシート材保持路にあるシート材を、該シート材保持路のガイド方向他方に向けて押し出す第2の押し部材を有してなる、
請求項1ないし3のいずれか記載の反転装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか記載の反転装置と、
前記シート材からなる被露光体に直接描画するレーザ露光機と、
前記反転装置と前記レーザ露光機との間に配置された待機部と、
前記反転装置の前記待機部と反対側に配置された排出部と、を備え、
前記搬入手段は、前記レーザ露光機で露光された前記被露光体を該レーザ露光機の露光台から前記上方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路に搬入し、
前記第1の排出手段は、前記下方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路から、表面が露光されて未露光である裏面を上面とした状態の被露光体を前記待機部に移送し、
前記第2の排出手段は、前記下方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路から表面及び裏面の両面が露光された状態の被露光体を前記排出部に排出してなる、
ことを特徴とする露光装置。
【請求項6】
請求項4記載の反転装置と、
前記シート材からなる被露光体に直接描画するレーザ露光機と、
前記反転装置と前記レーザ露光機との間に配置された待機部と、
前記レーザ露光機の前記待機部と反対側に配置された投入部と、
前記反転装置の前記待機部と反対側に配置された排出部と、
前記待機部と前記投入部との間を移送範囲とし、前記投入部上の被露光体を前記レーザ露光機の露光台に移送すると共に、前記待機部上の被露光体を前記レーザ露光機の露光台に移送する第1のハンドリング装置と、を備え、
前記吸着パッドは、前記レーザ露光機の露光台と前記上方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路との間を移送範囲とし、前記レーザ露光機の露光台上にある表面又は両面を露光された被露光体を前記上方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路に搬入する第2のハンドリング装置に配置され、
前記第1の排出手段は、前記下方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路の表面が露光されて未露光である裏面を上面とした状態の被露光体を前記第1の押し部材により前記待機部上に移送し、
前記第2の排出手段は、前記下方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路の両面が露光された状態の被露光体を前記第2の押し部材により前記排出部上に移送してなり、
前記第1のハンドリング装置の移送経路と、前記第2のハンドリング装置の移送経路が、移送方向でオーバラップすると共に高さ方向で異なる、
ことを特徴とする露光装置。
【請求項7】
請求項6記載の露光装置を用いて、
前記レーザ露光機の露光台上から前記上方位置にある前記第1又は第2のシート材保持路に向けて前記第2のハンドリング装置により被露光体を搬入する際、同時に、前記投入部又は前記待機部から前記レーザ露光機の露光台に向けて前記第1のハンドリング装置により被露光体を移送し、
前記レーザ露光機が、前記露光台上の被露光体に露光する際、同時に、前記反転装置が、前記上方位置にある第1又は第2のシート材保持路に搬入された被露光体を前記下方位置に移動すると共にその表裏を反転して、該下方位置にある被露光体が両面を露光されている場合、該被露光体を前記第2の押し部材により前記排出部に移送し、前記被露光体が表面のみを露光されている場合、該被露光体を前記第1の押し部材により前記待機部上に移送する、
ことを特徴とする露光方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−203265(P2012−203265A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68901(P2011−68901)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000233332)日立ビアメカニクス株式会社 (237)
【Fターム(参考)】