説明

収穫後の処理

本発明は、収穫された果実、切り花又は野菜を貯蔵条件において発現される特定の貯蔵病害又は障害に起因する腐敗に対して保護するための方法に関する。特に、本発明は、収穫された果実、切り花又は野菜を植物病原性菌類に対して保護するための特定の殺菌活性化合物の施用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫された果実、切り花又は野菜を貯蔵条件において発現される特定の貯蔵病害又は障害に起因する腐敗に対して保護するための方法に関する。特に、本発明は、収穫された果実、切り花又は野菜を植物病原性菌類に対して保護するための特定の殺菌活性化合物の施用に関する。
【背景技術】
【0002】
果実、切り花及び野菜に関する収穫前植物保護プログラムの目的は、果実、切り花及び野菜の最終的な品質を損なう恐れがある病害の発生を防止すること、並びに、生成物の充分な収量を達成することである。卸売包装出荷中に果実、切り花及び野菜に対して植物保護製品を収穫後施用するシステムは、貯蔵している間及び北半球の国々における最終消費者へ輸送している間の果実及び野菜の健康状態を保護することを目的としている。
【0003】
今日まで、例えば、病害ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)を防止するために極僅かな種類の技術しか用いられておらず、それら技術の共通点は、二酸化硫黄(SO)ガスで処理することである。SOガスによる処理は、施用時に存在している病害ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)しか防除することができない。それは、残効を有していない。SOガスで処理することに基づいたこの伝統的な処理を用いた場合、例えば、ブドウは、許容可能な状態に30日間維持され得る。しかしながら、果実の輸出業者は、45〜90日間にわたって良好な状態にある貯蔵を提供する代替的なものを求めている。そのようなものがあれば、果実の輸出業者は、よりよい価格とより大きな取引収益性を得ることを可能とするより広いタイムスプレッドでの輸出を計画することが可能となるだろう。
【0004】
数種類の殺菌活性物質を用いて果実又は野菜の収穫後の損傷を防止することができるということは、既に知られている。EP−A 09724450は、収穫後の状態にある果実及び野菜を貯蔵することを目的としてそれらを処理する方法に関し、ここで、該方法は、当該果実を徹底的に冷却し、次いで、それを浸漬による処理のための水性組成物からなるシャワーで処理することを含んでおり、その際、該水性組成物は、チアベンダゾール、テルペン化合物、2−フェニルフェノール及びその塩並びにエニルコナゾールを用いる殺菌剤によって40〜60℃で予め処理する。
【0005】
さらに、植物保護製品を収穫後に施用する新しいシステムを使用することもWO 2007/009474から知られており、ここで、WO 2007/009474には、収穫後に殺菌剤(特に、フェンヘキサミド)を静電噴霧することが開示されている。
【0006】
さらにまた、イマザリル、フルジオキソニル及びピリメタニルも収穫後処理に関して既に知られている(cf. WO 2005/074684、「Journal of Agricultural Food Chemistry 2007,55,825−831」及び「Postharvest Biology and Technology 2006,42,75−85」)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第09724450号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/009474号
【特許文献3】国際公開第2005/074684号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Journal of Agricultural Food Chemistry 2007,55,825−831
【非特許文献2】Postharvest Biology and Technology 2006,42,75−85
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さらに、例えば活性スペクトル、毒性、選択性、施用量、残留物の形成及び望ましい調製能などに関して、今日の殺菌剤に課せられている環境的要件及び経済的要件は継続的に増大しているので、並びに、さらに、例えば既知活性化合物に対する抵抗性の発達などに関連する問題も存在し得るので、既知対応物と比較して少なくとも幾つかの領域において有利点を有している新規殺菌剤を開発することは、絶えることのない務めである。従って、収穫後処理のための別の殺菌剤を見いだすこと及び/又は開発することが、依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、収穫後病害及び/又は貯蔵病害を治療するための果実及び野菜の収穫後処理に、特定の既知殺菌剤、特に、ストロビルリン系殺菌剤又は(トリ)アゾール系殺菌剤を使用することができるということが分かった。本発明は、さらに、特定の収穫後病害及び/又は貯蔵病害に侵襲されている作物を特定の殺菌剤又はその混合物で処理することによる、該病害と闘う方法にも関する。
【0011】
上記殺菌剤は、作業者に対するリスクを低減し且つ品質及び安全な食物残留(food covering residues)に関する要求を満たす低施用量で、広いスペクトルの貯蔵病害に対して活性が高い。植物適合性は極めて良好であり、温度及び湿度に関する種々の制御雰囲気系を用いるさまざまな貯蔵条件下において、果実及び野菜の外表面又は軟部組織に対する損傷は観察されなかった。それどころか、果実の視覚的魅力が増強された。当該化合物は、その殺菌特性によって、浸漬、灌注(drenching)、ダンプタンク(dump tank)、噴霧(spraying)、煙霧(fogging)、刷毛塗り(brushing)、パッケージング(packaging)及びコーティング(例えば、蝋)、並びに、静電施用及び別の目標とする施用などの種々の施用系において使用することが可能である。
【0012】
別の有利点は、殺菌剤を使用していながら収穫後病害及び/又は貯蔵病害の長期間にわたる防除が達成され、それによって、収穫された果実又は野菜の長距離輸送が可能となることである。
【0013】
従って、本発明は、収穫された果実、切り花又は野菜を植物病原性菌類に対して保護するための、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、エネストロビン(enestrobin)及びフェンアミドン並びにそれらの塩;
(b) ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン(bixafen)[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、カルボキシン、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(イソピラザム(isopyrazam))、フルオピコリド、フルオピラム(fluopyram)[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド)]、フルトラニル、フラメトピル、ペンチオピラド、チフルザミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−{2−[1,1’−ビ(シクロプロピル)−2−イル]−フェニル}−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]ピリジン−3−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9R)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9S)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4’−(3,3−ジメチル−ブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド及びそれらの塩;
(d) シプロジニル、メパニピリム、フルアジナム及びそれらの塩;
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、プロピネブ、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択される少なくとも1種類の殺菌剤の使用に関する。
【0014】
本発明は、さらに、収穫後病害及び/又は貯蔵病害と闘う方法にも関し、ここで、該方法は、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、エネストロビン及びフェンアミドン並びにそれらの塩;
(b) ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、カルボキシン、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(イソピラザム)、フルオピコリド、フルオピラム[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド)]、フルトラニル、フラメトピル、ペンチオピラド、チフルザミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−{2−[1,1’−ビ(シクロプロピル)−2−イル]−フェニル}−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]ピリジン−3−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9R)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9S)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4’−(3,3−ジメチル−ブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド及びそれらの塩;
(d) シプロジニル、メパニピリム、フルアジナム及びそれらの塩.
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、プロピネブ、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択される少なくとも1種類の殺菌剤で当該果実、切り花又は野菜を処理することによる。
【0015】
本出願の範囲内において、「収穫後処理」は、極めて広い意味で理解されるべきである。一方では、それは、文字通りに、果実及び野菜の収穫後におけるその果実又は野菜の処理を意味する。収穫後処理のために、当該果実又は野菜を、処理する(例えば、WO 2005/009474に開示されている方法及び装置を用いて処理する)、液体中に浸漬する若しくはタンクダンプする(tank dump)若しくは灌注する、刷毛塗りする、燻蒸する、塗布する、煙霧する(温又は冷)、又は、当該果実に蝋質組成物若しくは別の組成物をコーティングすることができる。
【0016】
本発明によれば、収穫後病害及び貯蔵病害は、例えば、以下の菌類に起因し得る:
コレトトリクム属各種(Colletotrichum spp.)、例えば、コレトトリクム・ムサエ(Colletotrichum musae)、コレトトリクム・グロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosporioides)、コレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes);フザリウム属各種(Fusarium spp.)、例えば、フザリウム・セミテクツム(Fusarium semitectum)、フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum);ベルチシリウム属各種(Verticillium spp.)、例えば、ベルチシリウム・テオブロマエ(Verticillium theobromae);ニグロスポラ属各種(Nigrospora spp.);ボトリチス属各種(Botrytis spp.)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);ゲオトリクム属各種(Geotrichum spp.)、例えば、ゲオトリクム・カンジズム(Geotrichum candidum);ホモプシス属各種(Phomopsis spp.)、ホモプシス・ナタレンシス(Phomopsis natalensis);ジプロジア属各種(Diplodia spp.)、例えば、ジプロジア・シトリ(Diplodia citri);アルテルナリア属各種(Alternaria spp.)、例えば、アルテルナリア・シトリ(Alternaria citri)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata);フィトフトラ属各種(Phytophthora spp.)、例えば、フィトフトラ・シトロフトラ(Phytophthora citrophthora)、フィトフトラ・フラガリアエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica);セプトリア属各種(Septoria spp.)、例えば、セプトリア・デプレッサ(Septoria depressa);ムコル属各種(Mucor spp.)、例えば、ムコル・ピリホルミス(Mucor piriformis);モニリニア属各種(Monilinia spp.)、例えば、モニリニア・フルクチゲナ(Monilinia fructigena)、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);ベンツリア属各種(Venturia spp.)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ベンツリア・ピリナ(Venturia pyrina);リゾプス属各種(Rhizopus spp.)、例えば、リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae);グロメレラ属各種(Glomerella spp.)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata);スクレロチニア属各種(Sclerotinia spp.)、例えば、スクレロチニア・フルイチコラ(Sclerotinia fruiticola);セラトシスチス属各種(Ceratocystis spp.)、例えば、セラトシスチス・パラドキサ(Ceratocystis paradoxa);ペニシリウム属各種(Penicillium spp.)、例えば、ペニシリウム・フニクロスム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)、ペニシリウム・ジギタツム(Penicillium digitatum)、ペニシリウム・イタリクム(Penicillium italicum);グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium spp.)、例えば、グロエオスポリウム・アルブム(Gloeosporium album)、グロエオスポリウム・ペレナンス(Gloeosporium perennans)、グロエオスポリウム・フルクチゲヌム(Gloeosporium fructigenum)、グロエオスポリウム・シングラタ(Gloeosporium singulata);フリクタエナ属各種(Phlyctaena spp.)、例えば、フリクタエナ・バガブンダ(Phlyctaena vagabunda);シリンドロカルポン属各種(Cylindrocarpon spp.)、例えば、シリンドロカルポン・マリ(Cylindrocarpon mali);ステムフィリウム属各種(Stemphyllium spp.)、例えば、ステムフィリウム・ベシカリウム(Stemphyllium vesicarium);ファシジオピクニス属各種(Phacydiopycnis spp.)、例えば、ファシジオピクニス・マリルム(Phacydiopycnis malirum);チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis spp.)、例えば、チエラビオプシス・パラドキシ(Thielaviopsis paradoxy);アスペルギルス属各種(Aspergillus spp.)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・カルボナリウス(Aspergillus carbonarius);ネクトリア属各種(Nectria spp.)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);ペジクラ属各種(Pezicula spp.)。
【0017】
本発明によれば、収穫後貯蔵病害は、例えば、瘡痂病(scald)、焼け(scorch)、軟化(softening)、老化損傷(senescent breakdown)、皮目斑点(lenticel spots)、苦痘病(bitter pit)、褐変、みつ病(water core)、導管損傷(vascular breakdown)、CO障害、CO欠乏及びO欠乏などである。
【0018】
本発明による処理の対照である果実、切り花及び野菜は、特に、以下のものから選択される:禾穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、イネ、モロコシなど;ビート類、例えば、テンサイ及び飼料用ビートなど;ナシ状果及び核果及び液果、例えば、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリーなど;マメ科植物、例えば、インゲンマメ、ヒラマメ、エンドウマメ、ダイズなど;油料植物(oleaginous plant)、例えば、アブラナ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマ、カカオ、ラッカセイなど;ウリ科、例えば、カボチャ(pumpkin)、ガーキン、メロン、キュウリ、カボチャ(squash);繊維料植物(fibrous plant)、例えば、ワタ、アマ、アサ、ジュート;柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン;熱帯果樹、例えば、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴー、ゴレンシ、パイナップル、バナナ;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、アブラナ科、例えば、キャベツ及びカブ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、トウガラシ及びアマトウガラシなど;月桂樹様植物(laurel−like plant)、例えば、アボカド、シナモン、クスノキなど;又は、トウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、サトウキビ、チャ、ブドウの蔓、ホップ、ゴム料植物などの植物、並びに、観賞植物、例えば、切り花、バラ、ガーベラ及び球根(flower bulb)、灌木、落葉樹及び常緑樹、例えば、針葉樹。栽培植物(culture plant)のうちここで挙げたものは、本発明を例証することを目的として与えられており、本発明の範囲をそれらに限定するものではない。
【0019】
特に好ましいのは、ナシ状果及び核果及び液果の処理、特に、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリーの処理である。
【0020】
特に好ましいのは、柑橘類果実の処理、特に、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリンの処理である。
【0021】
特に好ましいのは、熱帯果樹の処理、特に、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴー、ゴレンシ、パイナップル、バナナの処理である。
【0022】
特に好ましいのは、ブドウの蔓の処理である。
【0023】
上記で挙げられている殺菌剤は、全て、既知化合物である(cf. 例えば、「The Pesticide Manual, 13th Edition, British Crop Protection Council, 2003」)。
【0024】
本発明によれば、該殺菌剤は、好ましくは、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、エネストロビン及びそれらの塩;
(b) ビテルタノール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルシラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(イソピラザム)、フルオピコリド、フルオピラム[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)]、ペンチオピラド、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]ピリジン−3−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9R)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9S)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
(d) シプロジニル及びその塩;
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、プロピネブ、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択される。
【0025】
本発明によれば、該殺菌剤は、特に好ましくは、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン及びそれらの塩;
(b) シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、フルオピラム[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)]、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロ−メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
(d) シプロジニル及びその塩,
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択される。
【0026】
本発明に従って使用される殺菌剤は、一般に、少なくとも1種類の上記殺菌剤を含んでいる組成物の形態で施用する。好ましくは、該殺菌剤組成物は、農業的に許容される添加剤、溶媒、担体、界面活性剤又は増量剤を含んでいる。
【0027】
本発明によれば、用語「担体」は、当該活性化合物と組み合わせて又は関連させて、特に本発明に従って処理される果実及び野菜に対して、より容易に施用できるようにする、天然又は合成の有機化合物又は無機化合物を意味する。このような支持体は、従って、好ましくは不活性であり、また、少なくとも農業上許容されるものであるべきである。支持体は、固体であることができるし、又は、液体であることもできる。
【0028】
適切な固体担体は、以下のものである:例えば、アンモニウム塩、及び、天然石粉末、例えば、カオリン、クレー、タルカム、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、合成石粉末、例えば、高分散シリカ、酸化アルミニウム及びシリケート、油蝋、固形肥料、水、アルコール(好ましくは、ブタノール)、有機溶媒、鉱油及び植物油、及び、精油、並びに、それれらの誘導体;そのような担体の混合物も使用することができる; 粒剤に適する固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び苦灰岩、並びに、無機及び有機の粉末からなる合成顆粒や、有機材料、例えば、紙、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒などである; 適切な乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類などであり、適切な分散剤は、非イオン性及び/又はイオン性の物質、例えば、アルコールPOE及び/又はPOPエーテル類、酸及び/又はPOP若しくはPOEエステル類、アルキルアリール及び/又はPOP若しくはPOEエーテル類、脂肪及び/又はPOP−POE付加体、POE及び/又はPOPポリオール誘導体、POE及び/又はPOP/ソルビタン若しくは糖付加体、アルキルスルフェート類若しくはアリールスルフェート類、アルキルスルホネート類若しくはアリールスルホネート類及びアルキルホスフェート類若しくはアリールホスフェート類又はそれらの対応するPOエーテル付加体の類から選ばれたものなどである。さらに、適切なオリゴマー又はポリマー、例えば、ビニルモノマーに基づくもの、アクリル酸に基づくもの、EO及び/若しくはPOの単独又は例えば(ポリ)アルコール類若しくは(ポリ)アミン類と組み合わせたものに基づくもの。さらにまた、リグニン及びそのスルホン酸誘導体、未変性セルロース及び変性セルロース、芳香族及び/又は脂肪族のスルホン酸並びにそれらのホルムアルデヒドとの付加体なども使用することができる。酢酸、過酢酸、サリチル酸、アセトアルデヒド、亜リン酸、リグニン及びそのスルホン酸誘導体、単純セルロース及び変性セルロース、芳香族及び/又は脂肪属のスルホン酸、芳香族及び/又は脂肪属のサリチル酸、並びに、それらとホルムアルデヒドとの付加体も使用することができる。分散剤として適しているものは、例えば、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどである。
【0029】
液化した気体希釈剤又は支持体は、常温常圧では気体であるような液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロ炭化水素類、並びに、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などを意味する。
【0030】
上記製剤において、接着剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然及び合成の粉末化ポリマー又は顆粒状ポリマー又はラテックス様ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、並びに、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、並びに、合成リン脂質などを使用することができる。さらなる添加剤は、鉱油、植物油及び蝋(これらは、場合により、変性されていてもよい)であり得る。
【0031】
適切な増量剤は、例えば、水、並びに、極性及び非極性の有機化学的液体、例えば、以下の種類から選択されるものである:芳香族及び非芳香族の炭化水素類(例えば、パラフィン類、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、クロロベンゼン類)、アルコール類及びポリオール類(これらは、適切な場合には、置換されていてもよく、エーテル化されていてもよく、及び/又は、エステル化されていてもよい)、ケトン類(例えば、アセトン、シクロヘキサノン)、エステル類(これは、脂肪類及び油類を包含する)及び(ポリ)エーテル類、置換されていない及び置換されているアミン類、アミド類、ラクタム類(例えば、N−アルキルピロリドン類)及びラクトン類、スルホン類及びスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)。
【0032】
使用する増量剤が水である場合、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。本質的に、適切な液体溶媒は、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、石油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシドなどであり、さらに、水も適している。
【0033】
本発明の組成物には、さらにまた、付加的な成分も含有させることができる。特に、該組成物には、さらに、界面活性剤を含有させることができる。該界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性のタイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であることが可能であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物であることが可能である。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸官能基、スルホン酸官能基及びリン酸官能基を含んでいる本発明化合物の誘導体、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、タンパク質加水分解物、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなど。該活性化合物及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、並びに、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることが必要である。好ましくは、界面活性剤の含有量は、該組成物の5重量%〜40重量%であり得る。
【0034】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びフェロシアンブルー、並びに、有機顔料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量元素、例えば、鉄塩、マンガン塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0035】
場合により、付加的な別の成分、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤などを含ませることもできる。さらに一般的には、該活性化合物は、通常の製剤技術に従う固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0036】
一般に、本発明に従って使用される組成物には、0.05〜99重量%の活性化合物、好ましくは、1〜70重量%の活性化合物、特に好ましくは、10〜50重量%の活性化合物を含有させることができる。
【0037】
本発明に従って使用される組成物は、そのままでも使用することができるし、それらの製剤の形態でも使用することができるし、又は、それから調製される使用形態としても、例えば、エーロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold fogging concentrate)、温煙霧濃厚剤(hot fogging concentrate)、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、即時使用可能な(ready−to−use)溶液剤、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、泡剤(froth)、ペースト剤、農薬粉衣種子、懸濁製剤(フロアブル剤)、サスポエマルション製剤、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、懸濁液剤(suspension)、可溶性粉剤、粒剤、水溶性顆粒剤、水溶性錠剤、種子処理用水溶性粉剤、水和剤、活性化合物を含浸させた天然物質、活性化合物を含浸させた合成物質、ポリマー物質中にマイクロカプセル化したもの、種子用ジャケット中にマイクロカプセル化したもの、さらに、ULV−冷煙霧製剤(cold fogging formulation)、ULV−温煙霧製剤(hot fogging formulation)、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用粉剤、種子処理用溶液剤、微量散布用液剤(ultra low volume (ULV) liquid)、微量散布用懸濁液剤(ultra low volume (ULV) suspension)、顆粒水和剤、水分散性錠剤、スラリー処理用水和剤などとしても使用することができる。
【0038】
これらの製剤は、既知方法で、該活性化合物又は活性化合物組合せを慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、並びに、さらに、溶媒若しくは稀釈剤、乳化剤、分散剤、及び/又は、結合剤若しくは固定剤、湿潤剤、撥水剤と混合させ、適切な場合には、さらに、乾燥剤及び紫外線安定剤、着色剤、顔料、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類及び水、並びに、別の加工助剤と混合させることにより、調製する。
【0039】
これらの組成物には、処理対象の植物又は種子に対して噴霧装置又は散粉装置のような適切な装置を用いて施用される状態にある組成物のみではなく、作物に対して施用する前に希釈することが必要な商業的な濃厚組成物も包含される。
【0040】
本発明に従って使用される活性化合物は、その市販製剤中に、及び、そのような製剤から調製した使用形態中に含ませて、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質、除草剤、薬害軽減剤、肥料又は情報化学物質などの他の活性化合物との混合物として使用することができる。
【0041】
本発明による活性化合物での植物及び植物の部分の処理は、通常の処理方法を用いて、例えば、潅水(灌注(drenching))、点滴灌漑、散布、気化、噴霧、ばらまき、散粉、泡状散布(foaming)、塗布(spreading−on)によって、及び、粉末として、直接に実施するか又はそれらの周囲、生息環境若しくは貯蔵区域に作用させることによって実施する。該活性化合物を微量散布法(ultra−low volume method)で施用するも可能であり、又は、該活性化合物調製物を若しくは該活性化合物自体を土壌中に注入することも可能である。
【0042】
上記で既に述べたように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生で見られる植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような伝統的な生物学的育種法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらに別の実施形態では、適切な場合には伝統的な方法と組み合わせた組換え法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、上記で説明した。
【0043】
特に好ましくは、いずれの場合も市販されているか又は使用されている植物品種の植物を本発明により処理する。植物品種は、慣習的な育種(cultivation)又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。これらは、栽培品種(cultivar)、品種(breed)、生物型又は遺伝子型であることができる。
【0044】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分)に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)が生じることもあり得る。かくして、例えば、本発明によって使用し得る物質及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、根系のさらなる発達、植物種又は植物品種の抵抗性の向上、苗条の生長の向上、植物の活力の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、干ばつ又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、より早い成熟、収穫量の増加、より大きな果実、植物の寸法の増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実中の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0045】
特に有利で有益な特性(「形質」)を植物に付与する遺伝物質を組換え修飾の結果として受け取った全ての植物は、本発明により処理される好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(即ち、遺伝子工学により得られたもの)に包含される。そのような特性の例は、植物の向上した生育、高温又は低温に対する向上した耐性、干ばつ又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する向上した耐性、向上した開花能力、向上した収穫の容易性、向上した成熟速度、増加した収穫量、収穫された生産物の向上した品質及び/又は向上した栄養価、収穫された生産物の向上した貯蔵安定性及び/又は向上した加工性などである。そのような特性のさらに別の特に重要な例は、害虫及び有害微生物に対する植物の向上した防御、例えば、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類及び/又はウイルス類に対する植物の向上した防御、並びに、特定の除草活性化合物に対する植物の向上した耐性である。挙げることができるトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば、穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、ナタネ、並びに、果実植物(果実のリンゴ、ナシ、柑橘類果実及びグレープを有する果実植物)などであり、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びナタネは特に重要である。重要な形質は、特に、植物体内で形成された毒素の結果としての、昆虫類、クモ形類動物、線虫類、ナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御であり、特に、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの遺伝物質(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組合せ)により植物体内で形成された毒素の結果としての、昆虫類、クモ形類動物、線虫類、ナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御である(以下、「Bt植物」と称する)。同様に特に重要な形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン(systemin)、フィトアレキシン類、誘導因子並びに抵抗性遺伝子及びそれにより発現されるタンパク質及び毒素による、菌類、細菌類及びウイルス類に対する植物の向上した防御である。特に重要であるさらに別の形質は、特定の除草活性化合物、例えば、イミダゾリノン系、スルホニル尿素系、グリホセート又はホスフィノトリシンなどに対する植物の向上した耐性である(例えば、「PAT」遺伝子)。望まれる当該形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物内で、互いに組み合わせて存在させることも可能である。挙げることができる「Bt植物」の例は、YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、及び、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種、ダイズ品種及びジャガイモ品種などである。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)、及び、STS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種などである。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている品種などがある。もちろん、ここで述べたことは、これらの遺伝形質又は今後開発される遺伝形質を有し、将来において開発及び/又は販売されるであろう植物品種にも適用される。
【0046】
本発明による処理方法において通常施用される活性化合物の薬量/施用量は、特定の施用目的のために選択される製剤の種類に応じて、一般に、及び、有利には、0.005〜70重量%、好ましくは、0.01〜20重量%、さらに好ましくは、0.05〜10重量%である。
【0047】
ここに示されている薬量は、本発明による方法を例証する例として与えられている。当業者は、特に処理対照の植物又は作物の種類に応じて、該施用薬量を適合させる方法を理解するであろう。
【0048】
本発明による組合せは、処理後ある一定の期間、害虫及び/又は植物病原性菌類及び/又は微生物に対して植物を保護するために用いることができる。保護が達成される期間は、処理後、一般に、1〜28日間、好ましくは、1〜14日間の期間である。
【0049】
さらに、本発明による組合せ及び組成物を用いて、植物並びに収穫された植物物質並びにその収穫された植物物質から作られる食料及び動物飼料の原料におけるマイコトキシンの含有量を低減させることもできる。特に、限定するものではないが、ここで、以下のマイコトキシンを挙げることができる:デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15−Ac−DON、3−Ac−DON、T2−トキシン、HT2−トキシン、フモニシン類、ゼアラレノン、モニリホルミン、フザリン、ジアセトキシシルペノール(DAS)、ベアウベリシン(beauvericine)、エンニアチン、フサロプロリフェリン(fusaroproliferine)、フサレノール(fusarenole)、オクラトキシン類、パツリン、エルゴットアルカロイド類及びアフラトキシン類;これらは、例えば、以下の菌類病に起因する:フザリウム属各種(Fusarium spec.)、例えば、フザリウム・アクミナツム(Fusarium acuminatum)、フザリウム・アベナセウム(F. avenaceum)、フザリウム・クロオクウェレンセ(F. crookwellense)、フザリウム・クルモルム(F. culmorum)、フザリウム・グラミネアルム(F. graminearum)(ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae))、フザリウム・エクイセチ(F. equiseti)、フザリウム・フジコロイ(F. fujikoroi)、フザリウム・ムサルム(F. musarum)、フザリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、フザリウム・プロリフェラツム(F. proliferatum)、フザリウム・ポアエ(F. poae)、フザリウム・プセウドグラミネアルム(F. pseudograminearum)、フザリウム・サムブシヌム(F. sambucinum)、フザリウム・シルピ(F. scirpi)、フザリウム・セミテクツム(F. semitectum)、フザリウム・ソラニ(F. solani)、フザリウム・スポロトリコイデス(F. sporotrichoides)、フザリウム・ラングセチアエ(F. langsethiae)、フザリウム・スブグルチナンス(F. subglutinans)、フザリウム・トリシンクツム(F. tricinctum)、フザリウム・ベルチシリオイデス(F. verticillioides)など、さらにまた、アスペルギルス属各種(Aspergillus spec.)、ペニシリウム属各種(Penicillium spec.)、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(P. expansum)、ペニシリウム・ジギタツム(P. digitatum)、ペニシリウム・イタリクム(P. italicum)、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)、スタキボトリス属各種(Stachybotrys spec.)、ゲオトリクム・カンジズム(Geotrichum candidum)など。
【0050】
(実施例)
実施例1及び実施例2において、フルオピラムを除く全ての化合物は、市販品として施用した。しかしながら、1重量部のフルオピラムは、それぞれ、溶媒(24.5w/wのアセトン、24.5w/wのジメチルアセトアミド)及び乳化剤(1w/w)と混合させた。その後、生成物を水で希釈した。使用濃度は、下記に示してある。
【実施例1】
【0051】
リンゴを殺菌剤溶液の中に浸漬し、乾燥させるためにプラスチック製箱の中に維持した。その後、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)の胞子溶液10μLを該果実のクチクラの傷につけた。接種後、種々の時間間隔で、その試験を評価した。当該生成物の効力は、接種はしたが処理はしていない対照を参照し、処理されたリンゴにおける菌の成長に基づいて計算した。効力は、%アボットとして示してある。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【実施例2】
【0054】
リンゴを殺菌剤溶液の中に浸漬し、乾燥させるためにプラスチック製箱の中に維持した。その後、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)の胞子溶液10μLを該果実のクチクラの傷につけた。接種後、第6日及び第10日、その試験を評価した。当該生成物の効力は、接種はしたが処理はしていない対照を参照し、処理されたリンゴにおける菌の成長に基づいて計算した。効力は、%アボットとして示してある。
【0055】
【表3】

【実施例3】
【0056】
実施例3:微生物のED50を求めるためのインビトロ試験
96穴マイクロタータープレートの窪みに、被験化合物のメタノール溶液10μLを乳化剤であるトリス(1−フェニルエチル)フェノール−16−エトキシレート(「PS16」)と一緒に入れる。次の段階で、各窪みの中に200μLの液状ポテトデキストロース培地をピペットで移し、被験菌の胞子又は菌糸の適切な濃度の懸濁液を用いて修正する。
マイクロタイターの窪み内の被験化合物の得られた濃度は、50ppm、5ppm、0.5ppm及び0.05ppmである。
【0057】
全ての窪みの中の吸光度を、分光光度計(spectral photometer)で測定する。そのマイクロタイタープレートを、次いで、20℃、相対湿度80%の振盪器の上に3〜5日間(菌の成長に依存する)移す。インキュベーション時間の終わりに、被験微生物の成長について分光的に再度測定して、菌の成長を求める。得られた薬量−反応曲線からED50が得られる。50%の成長を阻害するのに必要な濃度をppm(=mg/L)で表すED50値(=50%の成長阻害を引き起こす有効薬量)として定義し、記録する。
【0058】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫された果実、切り花又は野菜を植物病原性菌類に対して保護するための、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、エネストロビン及びフェンアミドン並びにそれらの塩;
(b) ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、カルボキシン、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(イソピラザム)、フルオピコリド、フルオピラム[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)]、フルトラニル、フラメトピル、ペンチオピラド、チフルザミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−{2−[1,1’−ビ(シクロプロピル)−2−イル]フェニル}−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]ピリジン−3−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9R)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9S)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4’−(3,3−ジメチル−ブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド及びそれらの塩;
(d) シプロジニル、メパニピリム、フルアジナム及びそれらの塩;
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、プロピネブ、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択される少なくとも1種類の殺菌剤の使用。
【請求項2】
病害が、
コレトトリクム属各種(Colletotrichum spp.)、例えば、コレトトリクム・ムサエ(Colletotrichum musae)、コレトトリクム・グロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosporioides)、コレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes);フザリウム属各種(Fusarium spp.)、例えば、フザリウム・セミテクツム(Fusarium semitectum)、フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum);ベルチシリウム属各種(Verticillium spp.)、例えば、ベルチシリウム・テオブロマエ(Verticillium theobromae);ニグロスポラ属各種(Nigrospora spp.);ボトリチス属各種(Botrytis spp.)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);ゲオトリクム属各種(Geotrichum spp.)、例えば、ゲオトリクム・カンジズム(Geotrichum candidum);ホモプシス属各種(Phomopsis spp.)、ホモプシス・ナタレンシス(Phomopsis natalensis);ジプロジア属各種(Diplodia spp.)、例えば、ジプロジア・シトリ(Diplodia citri);アルテルナリア属各種(Alternaria spp.)、例えば、アルテルナリア・シトリ(Alternaria citri)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata);フィトフトラ属各種(Phytophthora spp.)、例えば、フィトフトラ・シトロフトラ(Phytophthora citrophthora)、フィトフトラ・フラガリアエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica);セプトリア属各種(Septoria spp.)、例えば、セプトリア・デプレッサ(Septoria depressa);ムコル属各種(Mucor spp.)、例えば、ムコル・ピリホルミス(Mucor piriformis);モニリニア属各種(Monilinia spp.)、例えば、モニリニア・フルクチゲナ(Monilinia fructigena)、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);ベンツリア属各種(Venturia spp.)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ベンツリア・ピリナ(Venturia pyrina);リゾプス属各種(Rhizopus spp.)、例えば、リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae);グロメレラ属各種(Glomerella spp.)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata);スクレロチニア属各種(Sclerotinia spp.)、例えば、スクレロチニア・フルイチコラ(Sclerotinia fruiticola);セラトシスチス属各種(Ceratocystis spp.)、例えば、セラトシスチス・パラドキサ(Ceratocystis paradoxa);ペニシリウム属各種(Penicillium spp.)、例えば、ペニシリウム・フニクロスム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)、ペニシリウム・ジギタツム(Penicillium digitatum)、ペニシリウム・イタリクム(Penicillium italicum);グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium spp.)、例えば、グロエオスポリウム・アルブム(Gloeosporium album)、グロエオスポリウム・ペレナンス(Gloeosporium perennans)、グロエオスポリウム・フルクチゲヌム(Gloeosporium fructigenum)、グロエオスポリウム・シングラタ(Gloeosporium singulata);フリクタエナ属各種(Phlyctaena spp.)、例えば、フリクタエナ・バガブンダ(Phlyctaena vagabunda);シリンドロカルポン属各種(Cylindrocarpon spp.)、例えば、シリンドロカルポン・マリ(Cylindrocarpon mali);ステムフィリウム属各種(Stemphyllium spp.)、例えば、ステムフィリウム・ベシカリウム(Stemphyllium vesicarium);ファシジオピクニス属各種(Phacydiopycnis spp.)、例えば、ファシジオピクニス・マリルム(Phacydiopycnis malirum);チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis spp.)、例えば、チエラビオプシス・パラドキシ(Thielaviopsis paradoxy);アスペルギルス属各種(Aspergillus spp.)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・カルボナリウス(Aspergillus carbonarius);ネクトリア属各種(Nectria spp.)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);ペジクラ属各種(Pezicula spp.);
から選択される菌に起因することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
果実及び野菜が、
禾穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、イネ、モロコシなど;ビート類、例えば、テンサイ及び飼料用ビートなど;ナシ状果及び核果及び液果、例えば、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリーなど;マメ科植物、例えば、インゲンマメ、ヒラマメ、エンドウマメ、ダイズなど;油料植物(oleaginous plant)、例えば、アブラナ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマ、カカオ、ラッカセイなど;ウリ科、例えば、カボチャ(pumpkin)、ガーキン、メロン、キュウリ、カボチャ(squash);繊維料植物(fibrous plant)、例えば、ワタ、アマ、アサ、ジュート;柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン;熱帯果樹、例えば、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴー、ゴレンシ、パイナップル、バナナ;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、アブラナ科、例えば、キャベツ及びカブ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、トウガラシ及びアマトウガラシなど;月桂樹様植物(laurel−like plant)、例えば、アボカド、シナモン、クスノキなど;又は、トウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、サトウキビ、チャ、ブドウの蔓、ホップ、ゴム料植物などの植物、並びに、観賞植物、例えば、切り花、バラ、ガーベラ及び球根(flower bulb)、灌木、落葉樹及び常緑樹、例えば、針葉樹;
から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記殺菌剤が、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン及びそれらの塩;
(b) シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、フルオピラム[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)]、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
(d) シプロジニル及びその塩,
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
果実及び野菜が、
ナシ状果及び核果及び液果、特に、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリー、柑橘類果実、特に、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン、熱帯果樹、特に、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴー、ゴレンシ、パイナップル、バナナ、並びに、ブドウの蔓
から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
収穫後病害及び/又は貯蔵病害と闘う方法であって、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、エネストロビン及びフェンアミドン並びにそれらの塩;
(b) ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、カルボキシン、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(イソピラザム)、フルオピコリド、フルオピラム[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)]、フルトラニル、フラメトピル、ペンチオピラド、チフルザミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−{2−[1,1’−ビ(シクロプロピル)−2−イル]フェニル}−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]ピリジン−3−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9R)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9S)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド及びそれらの塩;
(d) シプロジニル、メパニピリム、フルアジナム及びそれらの塩
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、プロピネブ、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択される少なくとも1種類の殺菌剤で当該果実又は野菜を処理することによる、前記方法。
【請求項7】
病害が、
コレトトリクム属各種(Colletotrichum spp.)、例えば、コレトトリクム・ムサエ(Colletotrichum musae)、コレトトリクム・グロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosporioides)、コレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes);フザリウム属各種(Fusarium spp.)、例えば、フザリウム・セミテクツム(Fusarium semitectum)、フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum);ベルチシリウム属各種(Verticillium spp.)、例えば、ベルチシリウム・テオブロマエ(Verticillium theobromae);ニグロスポラ属各種(Nigrospora spp.);ボトリチス属各種(Botrytis spp.)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);ゲオトリクム属各種(Geotrichum spp.)、例えば、ゲオトリクム・カンジズム(Geotrichum candidum);ホモプシス属各種(Phomopsis spp.)、ホモプシス・ナタレンシス(Phomopsis natalensis);ジプロジア属各種(Diplodia spp.)、例えば、ジプロジア・シトリ(Diplodia citri);アルテルナリア属各種(Alternaria spp.)、例えば、アルテルナリア・シトリ(Alternaria citri)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata);フィトフトラ属各種(Phytophthora spp.)、例えば、フィトフトラ・シトロフトラ(Phytophthora citrophthora)、フィトフトラ・フラガリアエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica);セプトリア属各種(Septoria spp.)、例えば、セプトリア・デプレッサ(Septoria depressa);ムコル属各種(Mucor spp.)、例えば、ムコル・ピリホルミス(Mucor piriformis);モニリニア属各種(Monilinia spp.)、例えば、モニリニア・フルクチゲナ(Monilinia fructigena)、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);ベンツリア属各種(Venturia spp.)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ベンツリア・ピリナ(Venturia pyrina);リゾプス属各種(Rhizopus spp.)、例えば、リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae);グロメレラ属各種(Glomerella spp.)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata);スクレロチニア属各種(Sclerotinia spp.)、例えば、スクレロチニア・フルイチコラ(Sclerotinia fruiticola);セラトシスチス属各種(Ceratocystis spp.)、例えば、セラトシスチス・パラドキサ(Ceratocystis paradoxa);ペニシリウム属各種(Penicillium spp.)、例えば、ペニシリウム・フニクロスム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)、ペニシリウム・ジギタツム(Penicillium digitatum)、ペニシリウム・イタリクム(Penicillium italicum);グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium spp.)、例えば、グロエオスポリウム・アルブム(Gloeosporium album)、グロエオスポリウム・ペレナンス(Gloeosporium perennans)、グロエオスポリウム・フルクチゲヌム(Gloeosporium fructigenum)、グロエオスポリウム・シングラタ(Gloeosporium singulata);フリクタエナ属各種(Phlyctaena spp.)、例えば、フリクタエナ・バガブンダ(Phlyctaena vagabunda);シリンドロカルポン属各種(Cylindrocarpon spp.)、例えば、シリンドロカルポン・マリ(Cylindrocarpon mali);ステムフィリウム属各種(Stemphyllium spp.)、例えば、ステムフィリウム・ベシカリウム(Stemphyllium vesicarium);ファシジオピクニス属各種(Phacydiopycnis spp.)、例えば、ファシジオピクニス・マリルム(Phacydiopycnis malirum);チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis spp.)、例えば、チエラビオプシス・パラドキシ(Thielaviopsis paradoxy);アスペルギルス属各種(Aspergillus spp.)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・カルボナリウス(Aspergillus carbonarius);ネクトリア属各種(Nectria spp.)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);ペジクラ属各種(Pezicula spp.);
から選択される菌に起因することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
果実及び野菜が、
禾穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、イネ、モロコシなど;ビート類、例えば、テンサイ及び飼料用ビートなど;ナシ状果及び核果及び液果、例えば、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリーなど;マメ科植物、例えば、インゲンマメ、ヒラマメ、エンドウマメ、ダイズなど;油料植物(oleaginous plant)、例えば、アブラナ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマ、カカオ、ラッカセイなど;ウリ科、例えば、カボチャ(pumpkin)、ガーキン、メロン、キュウリ、カボチャ(squash);繊維料植物(fibrous plant)、例えば、ワタ、アマ、アサ、ジュート;柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン;熱帯果樹、例えば、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴー、ゴレンシ、パイナップル、バナナ;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、アブラナ科、例えば、キャベツ及びカブ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、トウガラシ及びアマトウガラシなど;月桂樹様植物(laurel−like plant)、例えば、アボカド、シナモン、クスノキなど;又は、トウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、サトウキビ、チャ、ブドウの蔓、ホップ、ゴム料植物などの植物、並びに、観賞植物、例えば、切り花、バラ、ガーベラ及び球根(flower bulb)、灌木、落葉樹及び常緑樹、例えば、針葉樹;
から選択されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記殺菌剤が、
(a) トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン及びそれらの塩;
(b) シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、トリアジメノール及びそれらの塩;
(c) ビキサフェン[N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド]、フルオピラム[(N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)]、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
(d) シプロジニル及びその塩,
(e) ホセチル−Al、イプロジオン、トリルフルアニド及びそれらの塩;
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
果実及び野菜が、
ナシ状果及び核果及び液果、特に、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリー、柑橘類果実、特に、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン、熱帯果樹、特に、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴー、ゴレンシ、パイナップル、バナナ、並びに、ブドウの蔓
から選択されることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2010−539111(P2010−539111A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524377(P2010−524377)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007139
【国際公開番号】WO2009/033582
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】