説明

収納ケース

【課題】構造の簡単な部材を組み立てて容易に製造することができ、保型性に優れる収納ケースを提供する。
【解決手段】シートを折り曲げて成形されたケース本体12と前記ケース本体を閉塞する開閉部材14とを備え、前記開閉部材は、蓋部20と、ケース本体に連結するための連結部22と、前記蓋部と連結部とを回転自在に連結する開閉可動部22とを有し、前記連結部は、連結部本体26と、前記連結部本体から外方にのびた挟持部28とを備え、前記挟持部は、ケース本体12の開口部112の領域を挟み、固定されるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収納ケースに関し、特に例えば、筆記具等の文房具、カード、用紙、書籍等の紙類、日用品等を収納するケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の角型のケースとして、特開平9−286474(特許文献1)のような、合成樹脂により成型加工されたケースが提案されている。
又、従来の角型のケースとして、特開2000−325129(特許文献2)のような、薄板により成形されたケースが提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−286474号公報
【特許文献2】特開2000−325129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の特許文献1のケースは、ケース本体とヒンジ部と開閉蓋とが一体である。
従来の特許文献1のケースは、立体的な構造で複雑であるために、成型の金型が大型となり、又、成型の金型やジグが複雑となり、製造に手間がかかる。
又、従来の特許文献2のケースは、薄いシート状物を折り曲げて組み立てられているために、一定の形状を保つ保型性に問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、構造の簡単な部材を組み立てて容易に製造することができ、保型性に優れる収納ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の請求項1にかかる収納ケースは、被収納物を入れるケース本体とケース本体を閉塞する開閉部材とを備えた収納ケースであって、前記ケース本体は、シートを折り曲げて成形され、前記開閉部材は、前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋部と、ケース本体に連結するための連結部と、前記蓋部と連結部とを回転自在に連結する開閉可動部とを有し、前記連結部は、連結部本体と、前記連結部本体から外方にのびた挟持部とを備え、前記連結部本体は、ケース本体に固定される領域を有し、前記挟持部は、ケース本体の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、前記開閉部材は、前記蓋部と連結部と開閉可動部と挟持部とを一体成形したことを特徴とする、収納ケースである。
この発明の請求項2にかかる収納ケースにおいては、ケース本体は、後胴部及び側部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、開閉部材は、連結部本体が、ケース本体の前胴部又は後胴部に固定される領域を有し、前記挟持部が、前胴部と後胴部との間に形成された側部の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、ケース本体の前胴部及び/又は後胴部の側部側端縁に沿った平行な直線状屈曲部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の架設部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の係合端縁とを備えた、請求項1に記載の収納ケースである。
この発明の請求項3にかかる収納ケースにおいては、開閉可動部は、ケース本体の開口部ののびる方向と平行にのび、且つ前記のびる方向と交差する方向にわん曲又は/屈曲するように柔軟に形成された、請求項1又は請求項2に記載の収納ケースである。
この発明の請求項4にかかる収納ケースにおいては、挟持部は、ケース本体の内側を支持する内側支持部と、ケース本体の外側を支持する外側支持部と、前記内側支持部と外側支持部との間に架け渡された架設部とを備え、前記内側支持部及び/又は外側支持部は、連結部に屈曲部を介して連設され、前記架設部は、ケース本体の側部の開口部の形状に沿った形状を有している、請求項1又は請求項3に記載の収納ケースである。
この発明の請求項5にかかる収納ケースにおいては、挟持部は、外側支持部及び/又は内側支持部をケース本体の側部に固定するための支持固定部を備え、前記支持固定部は、ケース本体の側部に固定された状態を維持させるための嵌合部及び/又は係合部を備えた、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の収納ケースである。
この発明の請求項6にかかる収納ケースにおいては、前記蓋部は、ケース本体及び/又は挟持部に固定され、閉塞した状態を維持するための被蓋固定手段を備え、前記被蓋固定手段は、ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とのいずれかに形成された、係止用凸部と該係止用凸部に係止されて蓋部をケース本体に固定するための係止用凹部とからなる、被蓋係止部、ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とに形成された、面ファスナ、ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とに形成されたマグネットのうち、いずれか1つで構成された、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の収納ケースである。
この発明の請求項7にかかる収納ケースにおいては、ケース本体は、前胴部と、前記前胴部に対向する後胴部と、前記前胴部と後胴部との間に架設された右側部及び左側部と、前記前胴部と後胴部と右側部と左側部とにより囲繞された領域に設けられた底部とを有し、開閉部材の蓋部は、前記ケース本体の底部とは反対側の開口部を覆う天部と、前記開閉可動部の両端の領域に続く端縁に設けられた右側部材及び左側部材とを有し、更に、ケース本体は、後胴部及び側部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、開閉部材は、内側支持部と表側支持部に嵌合部を形成され、ケース本体の側部に形成された嵌合用貫通孔に嵌合部を嵌挿して、内側支持部の嵌合部と外側支持部の嵌合部とを嵌合してケース本体に固定され、及び/又は、内側支持部及び/又は外側支持部の自由端縁に係合用凸部を形成され、該係合用凸部を、ケース本体の前胴部又は後胴部に穿設された係合用貫通孔に嵌挿して、連結部及び/又は挟持部に穿設された係合用凹部に係合してケース本体に固定された、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の収納ケースである。
この発明の請求項8にかかる収納ケースは、被収納物を入れるケース本体とケース本体を閉塞する開閉部材とを備えた収納ケースであって、前記ケース本体は、手前側の開口端縁と向こう側の開口端縁とを有し、前記開閉部材は、前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋部と、ケース本体の向こう側に連結するための連結部と、前記蓋部と連結部とを回転自在に連結する開閉可動部とを有し、前記連結部は、連結部本体を備え、前記連結部本体は、ケース本体の向こう側に連結するためにケース本体に固定される領域を有し、前記開閉可動部は、前記ケース本体の向こう側の開口端縁に近い高さ位置において、連結部に近い側に形成された第1開閉可動部と、前記第1開閉可動部より蓋部側に離れた位置において形成された、第2開閉可動部とを有し、前記開閉部材は、前記蓋部と連結部と開閉可動部とを一体成形したことを特徴とする、収納ケースである。
この発明の請求項9にかかる収納ケースにおいては、前記第1開閉可動部は、ケース本体の後胴部の開口端縁の下方の領域に当接する位置において形成され、第2開閉可動部との間に後胴部付加部を連設された、請求項8に記載の収納ケースである。
この発明の請求項10にかかる収納ケースにおいては、前記連結部は、前記連結部本体から外方にのびた挟持部を備え、前記挟持部は、ケース本体の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成された、請求項8又は請求項9に記載の収納ケースである。
この発明の請求項11にかかる収納ケースにおいては、ケース本体は、後胴部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、開閉部材は、連結部本体が、ケース本体の後胴部に固定される領域を有し、前記挟持部が、前胴部と後胴部との間に形成された側部の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、ケース本体の前胴部及び/又は後胴部の側部側端縁に沿った平行な直線状屈曲部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の架設部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の係合端縁とを備えた、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の収納ケースである。
【発明の効果】
【0006】
本件発明によれば、被収納物を入れるケース本体とケース本体を閉塞する開閉部材とを備えた収納ケースであって、前記ケース本体は、シートを折り曲げて成形され、前記開閉部材は、前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋部と、ケース本体に連結するための連結部と、前記蓋部と連結部とを回転自在に連結する開閉可動部とを有し、前記連結部は、連結部本体と、前記連結部本体から外方にのびた挟持部とを備え、前記連結部本体は、ケース本体に固定される領域を有し、前記挟持部は、ケース本体の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、前記開閉部材は、前記蓋部と連結部と開閉可動部と挟持部とを一体成形したことを特徴とするので、ケース本体と開閉部材とを組み立てて、容易に製造することができ、保型性に優れた収納ケースを得ることができる。
請求項2の発明によれば、ケース本体は、後胴部及び側部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、開閉部材は、連結部本体が、ケース本体の前胴部又は後胴部に固定される領域を有し、前記挟持部が、前胴部と後胴部との間に形成された側部の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、ケース本体の前胴部及び/又は後胴部の側部側端縁に沿った平行な直線状屈曲部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の架設部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の係合端縁とを備えているので、ケース本体は、補強され、保型性に優れた収納ケースとなる。
請求項3の発明によれば、開閉可動部は、ケース本体の開口部ののびる方向と平行にのび、且つ前記のびる方向と交差する方向にわん曲又は/屈曲するように柔軟に形成されているので、蓋部をもってケース本体の開口部を閉塞したり、開いたりすることができる。
請求項4の発明によれば、挟持部は、ケース本体の内側を支持する内側支持部と、ケース本体の外側を支持する外側支持部と、前記内側支持部と外側支持部との間に架け渡された架設部とを備え、前記内側支持部及び/又は外側支持部は、連結部に屈曲部を介して連設され、前記架設部は、ケース本体の側部の開口部の形状に沿った形状を有しているので、ケース本体の開口部の端縁を覆うことができ、端縁に指が当たっても痛くない。
請求項5の発明によれば、挟持部は、外側支持部及び/又は内側支持部をケース本体の側部に固定するための支持固定部を備え、前記支持固定部は、ケース本体の側部に固定された状態を維持させるための嵌合部及び/又は係合部を備えているので、支持固定部を嵌合又は係合させて、開閉部材の挟持部をケース本体に固定させ、ケース本体と開閉部材とを容易に組み立てることができる。
請求項6の発明によれば、前記蓋部は、ケース本体及び/又は挟持部に固定され、閉塞した状態を維持するための被蓋固定手段を備え、前記被蓋固定手段は、ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とのいずれかに形成された、係止用凸部と該係止用凸部に係止されて蓋部をケース本体に固定するための係止用凹部とからなる、被蓋係止部、ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とに形成された、面ファスナ、ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とに形成されたマグネットのうち、いずれか1つで構成されているので、開閉部材の蓋部がケース本体の開口部を閉塞したとき、開閉部材の蓋部をケース本体に固定することができる。
請求項7の発明によれば、ケース本体は、前胴部と、前記前胴部に対向する後胴部と、前記前胴部と後胴部との間に架設された右側部及び左側部と、前記前胴部と後胴部と右側部と左側部とにより囲繞された領域に設けられた底部とを有し、開閉部材の蓋部は、前記ケース本体の底部とは反対側の開口部を覆う天部と、前記開閉可動部の両端の領域に続く端縁に設けられた右側部材及び左側部材とを有し、更に、ケース本体は、後胴部及び側部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、開閉部材は、内側支持部と表側支持部に嵌合部を形成され、ケース本体の側部に形成された嵌合用貫通孔に嵌合部を嵌挿して、内側支持部の嵌合部と外側支持部の嵌合部とを嵌合してケース本体に固定され、及び/又は、内側支持部及び/又は外側支持部の自由端縁に係合用凸部を形成され、該係合用凸部を、ケース本体の前胴部又は後胴部に穿設された係合用貫通孔に嵌挿して、連結部及び/又は挟持部に穿設された係合用凹部に係合してケース本体に固定されているので、開閉部材は、嵌合部を嵌合させ又は係合用凸部を係合させて、ケース本体と開閉部材とを容易に組み立てることができる。
請求項8の発明によれば、被収納物を入れるケース本体とケース本体を閉塞する開閉部材とを備えた収納ケースであって、前記ケース本体は、手前側の開口端縁と向こう側の開口端縁とを有し、前記開閉部材は、前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋部と、ケース本体の向こう側に連結するための連結部と、前記蓋部と連結部とを回転自在に連結する開閉可動部とを有し、前記連結部は、連結部本体を備え、前記連結部本体は、ケース本体の向こう側に連結するためにケース本体に固定される領域を有し、前記開閉可動部は、前記ケース本体の向こう側の開口端縁に近い高さ位置において、連結部に近い側に形成された第1開閉可動部と、前記第1開閉可動部より蓋部側に離れた位置において形成された、第2開閉可動部とを有し、前記開閉部材は、前記蓋部と連結部と開閉可動部とを一体成形されているので、ケース本体と開閉部材とを組み立てて、容易に製造することができ、蓋部をもってケース本体の開口部を閉塞したり、開いたりすることができる。
請求項9の発明によれば、前記第1開閉可動部は、ケース本体の後胴部の開口端縁の下方の領域に当接する位置において形成され、第2開閉可動部との間に後胴部付加部を連設されているので、ケース本体は、補強され、保型性に優れた収納ケースとなる。
請求項10の発明によれば、前記連結部は、前記連結部本体から外方にのびた挟持部を備え、前記挟持部は、ケース本体の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成されているので、ケース本体は、補強され、保型性に優れた収納ケースとなる。
請求項11の発明によれば、ケース本体は、後胴部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、開閉部材は、連結部本体が、ケース本体の後胴部に固定される領域を有し、前記挟持部が、前胴部と後胴部との間に形成された側部の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、ケース本体の前胴部及び/又は後胴部の側部側端縁に沿った平行な直線状屈曲部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の架設部と、前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の係合端縁とを備えているので、ケース本体は、補強され、保型性に優れた収納ケースとなる。
【0007】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施の形態である収納ケースを示す斜視図解図である。
【図2】図1に示す収納ケースを開いた状態を示す正面図解図である。
【図3】図1に示す収納ケースを開いた状態を示す側面図解図である。
【図4】図1に示す収納ケースを開いた状態を示す背面図解図である。
【図5】図1に示す収納ケースを閉じた状態を示す正面図解図である。
【図6】図1に示す収納ケースを閉じた状態を示す側面図解図である。
【図7】図1に示す収納ケースを閉じた状態を示す背面図解図である。
【図8】図2B−B断面図解図である。
【図9】蓋部を開いた状態から閉じた状態にするときの途中の状態を示す図2B−B断面図である。
【図10】図2C−C断面図である。
【図11】ケース本体の構成材と開閉部材の展開した状態を示す平面図解図である。
【図12】ケース本体の構成材の斜視図解図である。
【図13】ケース本体を組み立てる状態を示す斜視図解図である。
【図14】ケース本体を組み立てる状態を示す斜視図解図である。
【図15】ケース本体を組み立てる状態を示す斜視図解図である。
【図16】開閉部材の展開した状態における平面図解図である。
【図17】開閉部材の展開した状態における背面図解図である。
【図18】開閉部材を折り曲げてケース本体と組み立てる過程を示す斜視図解図である。
【図19】開閉部材を折り曲げてケース本体と組み立てる過程を示す断面図解図である。
【図20】開閉部材を折り曲げてケース本体と組み立てる過程を示す断面図解図である。
【図21】この発明の別の実施の形態である収納ケースを示す斜視図解図である。
【図22】図21図示ケースのケース本体の構成材の開閉部材の展開した状態を示す平面図解図である。
【図23】図21図示ケースのケース本体の構成材の平面図解図である。
【図24】図21図示ケースの開閉部材の展開した状態における平面図解図である。
【図25】この発明の別の実施の形態である収納ケースを示す斜視図解図である。
【図26】図25図示ケースのケース本体の構成材と開閉部材の展開した状態を示す平面図解図である。
【図27】この発明の一実施の形態である収納ケースを示す斜視図解図である。
【図28】図27に示す収納ケースを開いた状態を示す正面図解図である。
【図29A】図27に示す収納ケースを開いた状態を示す側面図解図である。
【図29B】図27に示す収納ケースを開いた状態を示す側面図解図である。
【図30】図27に示す収納ケースを開いた状態を示す背面図解図である。
【図31】図27に示す収納ケースを閉じた状態を示す正面図解図である。
【図32】図27に示す収納ケースを閉じた状態を示す側面図解図である。
【図33】ケース本体の構成材と開閉部材の展開した状態を示す平面図解図である。
【図34】図27に示す収納ケースを閉じた状態を示す背面図解図である。
【図35】図28B−B断面図解図である。
【図36】蓋部を開いた状態から閉じた状態にするときの途中の状態を示す図28B−B断面図である。
【図37】収納ケースの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明に係る収納ケース10は、被収納物Xを入れるケース本体12と、ケース本体12を閉塞(被蓋)する開閉部材14とを備えた、カード、文房具、日用品などを収納するケースである。
ケース本体12は、平らな合成樹脂シートを折り曲げて箱状に成形され、開閉部材14は、合成樹脂により一体成型され、ケース本体12と開閉部材14とは、結合されて、収納ケース10を構成する。
【0010】
前記開閉部材14は、前記ケース本体12の開口部112を閉塞(被蓋)する蓋部20と、ケース本体12に連結するための連結部22と、前記蓋部20と連結部22とを回転自在に連結する開閉可動部24とを有している。
【0011】
前記連結部22は、連結部本体26と、前記連結部本体26の右側端及び左側端から外方にのびた挟持部28とを備える。
前記連結部本体26は、ケース本体12の前胴部102又は後胴部104に固定される領域を有している。
前記開閉部材14は、前記蓋部20と連結部22と開閉可動部24と連結部本体26と挟持部28とを合成樹脂により一体成型されてなる。
【0012】
ケース本体12は、前胴部102と、前記前胴部102に対向する後胴部104と、前記前胴部102と後胴部104との間に架設された、ケースの襠部を構成する右側部106及び左側部108と、前記前胴部102と後胴部104と右側部106と左側部108とにより囲繞された領域に設けられた底部110とを有している。
ケース本体12は、前胴部102と後胴部104と右側部106と左側部108と底部110とにより囲まれた胴部(収容部)に、被収納物Xを収納する。
【0013】
開閉部材14の蓋部20は、前記ケース本体12の底部110とは反対側の開口部112を覆う前蓋部30、前記開閉可動部24の両端の領域に続く端縁に設けられた右側蓋部32及び左側蓋部34並びにケース本体12の底部110に対向する天部36を有する。
【0014】
前蓋部30は、正面視長方形の板状体であり、右側蓋部32は、前蓋部30の右側端縁に第6折り曲げ線130の内面と直交するように向こう側に向けて突設された板状体であり、左側蓋部34は、前蓋部30の左側端縁に第6折り曲げ線130の内面と直交するように向こう側に向けて突設された板状体である。
天部36は、ケース本体12の底部110と相似形の平面視長方形状であり、右側蓋部32と左側蓋部34との間に架け渡され、前蓋部30の上方側端縁に前蓋部30の内面と直交するように向こう側に向けて突設された板状体である。
【0015】
開閉可動部24は、天部36の向こう側端に連設され、前蓋部30の幅と略々同じ長さを備える、略々長方形状である。
開閉可動部24は、ケース本体12の開口部112ののびる方向と平行にのび、且つ前記のびる方向と交差する方向にわん曲又は/屈曲するように柔軟に形成されている。
【0016】
連結部本体26は、後胴部104の第1右側部材106A及び第1左側部材108Aの高さよりも、より上方に突き出た開口部112の領域(開閉部材を固定する領域140)と略々同じ正面視長方形状の板状体である。
【0017】
蓋部20は、後胴部104の上方に突き出るように、ケース本体12に開閉自在に固定される。
蓋部20でケース本体12の開口部112を閉塞するときに、前蓋部30は、開閉可動部24を枢軸として回転させることにより連結部22の内側面と対向し、右側蓋部32は、連結部22の右外側に位置し、左側蓋部34は、連結部22の左外側に位置するように構成されている。
【0018】
開閉部材14の連結部本体26は、開閉部材を固定する領域140を構成する後胴部104の中間部分から上端に達する領域に固定される高さと幅を備える。
開閉可動部24は、ケース本体12の開口部112を覆う幅を備え、後胴部104の上端の近傍に位置するように構成される。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞するように、天部36が、ケース本体12の右側部106と左側部108との間隔よりも広い幅を備え、右側部106と左側部108との間を覆う高さを有し、ケース本体12の底部110と略同一の面積又は広い面積を有する。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞するように、右側蓋部32がケース本体12の右側部106の外側に位置し、且つ左側蓋部34がケース本体12の左側部108の外側に位置して固定される幅を備える。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞するように、前蓋部30がケース本体12の前胴部102の上端縁(開口部112の側の端縁)の近傍の外側に位置して、ケース本体12の開口部112の前方を閉塞するための高さを有し、且つ右側部106と左側部108との外側に達する幅を有している。
【0019】
挟持部28は、連結部本体26の右側端から右外方に突き出し設けられた第1の挟持部28Aと、連結部本体26の左側端から左外方に突き出し設けられた第2の挟持部28Bとを備える。
第1の挟持部28Aと第2の挟持部28Bとは、左右対称に形成されている。
前記挟持部28は、前胴部102と後胴部104との間に形成された襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112の領域(開閉部材を固定する領域140)を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成されている。
挟持部28は、ケース本体12の内側に接合固定されて内側を支持する内側支持部40と、ケース本体12の外側に接合固定されて外側を支持する外側支持部42と、前記内側支持部40と外側支持部42との間に架け渡された架設部44とを備える。
前記内側支持部40及び外側支持部42は、連結部22に屈曲部46を介して連設されている。
【0020】
前記架設部44は、ケース本体12の襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112の形状に沿った形状を有している。
この実施の形態においては、ケース本体12の襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112側の開口側端縁106a及び開口側端縁108a(開閉部材を固定する領域140)は、後胴部104側から前胴部102側にかけて低くなる傾斜端縁を構成している。そのために、外側支持部42は、前側から後ろ側に向けてその幅が狭くなる扇形に形成され、内側支持部40は、外側支持部42の形状と略同じ形状であって、前側から後ろ側に向けてその幅が狭くなる扇形に形成されている。
【0021】
開閉部材14は、ケース本体12の前胴部102及び/又は後胴部104の襠部側の端縁に沿った平行な直線状屈曲部46と、前記屈曲部46に斜交する、直線状の架設部44と、前記屈曲部46に斜交する、直線状の係合端縁48とを備え、前記屈曲部46と架設部44と係合端縁48との間に架設部44を挟んで、並んで形成されている。
架設部44と屈曲部46との間隔は、前側から後ろ側に向けてその幅が狭くなる。
【0022】
挟持部28は、外側支持部42及び内側支持部40をケース本体12の襠部に固定するための支持固定部50を備える。
前記支持固定部50は、ケース本体12の襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112の領域に固定された状態を維持させるための嵌合部52及び係合部58を備える。
【0023】
嵌合部52は、外側支持部42側の第1嵌合部54と内側支持部40側の第2嵌合部56とを備える。
第1嵌合部54は、第2嵌合部56に嵌合させるために、外側支持部42の表面より突き出された円柱状凸部を有し、第2嵌合部56は、第1嵌合部54を挿入されるために第1嵌合部54の外形に近似した嵌合穴を有している。
第2嵌合部56は、ケース本体12の右側部106及び左側部108の開閉部材を固定する領域140に穿設された嵌合用貫通孔114に嵌挿して、ケース本体12の右側部106及び左側部108の内側に位置している内側支持部40の第1嵌合部54に嵌合される。
【0024】
係合部58は、外側支持部42の自由端縁に形成された係合用凸部60と、連結部22に穿設された係合用凹部62とを備える。
係合用凸部60を、ケース本体12の後胴部104の開閉部材を固定する領域140に穿設された係合用貫通孔116に嵌挿して、連結部22に穿設された係合用凹部62に係合して、ケース本体12に固定されている。
挟持部28は、ケース本体12の右側部106及び左側部108の開閉部材を固定する領域140に固定される。
而して、ケース本体12は、開閉部材14の連結部22により保型され、且つ、挟持部28により開口部112の端縁を覆われて指等が当たっても痛くないように構成される。
【0025】
ケース本体12を構成する前胴部102と後胴部104と右側部106と左側部108と底部110とは、各部の境界を構成する折り曲げ線においてケース本体12を構成する合成樹脂シートを折り曲げて、箱状に組み立てることにより成形されている。
すなわち、前胴部102及び後胴部104と底部110との境界を構成する折り曲げ線、並びに、前胴部102及び後胴部104と右側部106及び左側部108との境界を構成する折り曲げ線において、図11ないし15において示すように、ケース本体12を構成する1枚の平板状合成樹脂シートを折り曲げて箱状に組み立てることにより成形されている。
【0026】
前胴部102は、右側において、第1折り曲げ線120を介して右側部106を構成する第1右側部材106Aを連設され、且つ、左側において、第2折り曲げ線122を介して左側部108を構成する第1左側部材108Aを連設されている。
後胴部104は、右側において、第3折り曲げ線124を介して右側部106を構成する第2右側部材106Bを連設され、且つ、左側において、第4折り曲げ線126を介して左側部108を構成する第2左側部材108Bを連設されている。
底部110は、第5折り曲げ線128を介して前胴部102と連設され、且つ第6折り曲げ線130を介して後胴部104と連設されている。
底部110は、右側において、第7折り曲げ線132を介して右側部106を構成する第3右側部材110Aを連設され、且つ、左側において、第8折り曲げ線134を介して左側部108を構成する第4左側部材110B連設されている。
【0027】
第1右側部材106Aは、第1折り曲げ線120と平行な長手端縁を有する略長方形であり、第1左側部材108Aは、第2折り曲げ線122と平行な長手端縁を有する略長方形であり、第1右側部材106Aと第1左側部材108Aとは対称形である。
第2右側部材106Bは、第3折り曲げ線124と平行な長手端縁を有し、第2左側部材108Bは、第4折り曲げ線126と平行な長手端縁を有し、それらにより囲繞された領域は胴領域(収容部領域)142を構成する。
第2右側部材106Bは、前記長手端縁に続き、第3折り曲げ線124に対し斜行する開口側端縁106aを形成され、第2左側部材108Bは、第4折り曲げ線126に対し斜行する開口側端縁108aを形成されている。
開口側端縁106aと開口側端縁108aとは対称形である。
【0028】
一枚の合成樹脂シートにより構成された、ケース本体の構成材12Aは、展開された状態においては、前胴部102と底部110とは第5折り曲げ線128を介して連設され、後胴部104と底部110とは第6折り曲げ線130を介して連設され、それらが第1折り曲げ線120と第7折り曲げ線132と第3折り曲げ線124と及び第2折り曲げ線122と第8折り曲げ線134と第4折り曲げ線126とが直線状に並んで並列されている。
【0029】
第5折り曲げ線128は、第1折り曲げ線120と第7折り曲げ線132との交点で直交し、且つ第2折り曲げ線122と第8折り曲げ線134との交点で直交する。
第6折り曲げ線130は、第3折り曲げ線124と第7折り曲げ線132との交点で直交し、且つ第4折り曲げ線126と第8折り曲げ線134との交点で直交する。
第5折り曲げ線128と第6折り曲げ線130とは平行に並んで形成されている。
そこで、第5折り曲げ線128を折り曲げて前胴部102を底部110に直交させ、且つ第6折り曲げ線130を折り曲げて後胴部104を底部110に直交させることができる。
【0030】
一枚の合成樹脂シートにより構成された、ケース本体の構成材12Aは、展開された状態においては、第1折り曲げ線120と第5折り曲げ線128とは直交し、第2折り曲げ線122と第5折り曲げ線128とは直交し、第1右側部材106Aは、第1折り曲げ線120を介して前胴部102の右側に連設され、第1左側部材108Aは第2折り曲げ線122を介して前胴部102の左側に連設され、それらが並列されている。
第1折り曲げ線120と第2折り曲げ線122とは、同一の長さを有し、平行に並んで形成されている。
第3折り曲げ線124と第6折り曲げ線130とは直交し、第4折り曲げ線126と第6折り曲げ線130とは直交し、第2右側部材106Bは第3折り曲げ線124を介して後胴部104の右側に連設され、第2左側部材108Bは第4折り曲げ線126を介して後胴部104の左側に連設され、それらが並列されている。
第3折り曲げ線124と第4折り曲げ線126とは、同一の長さを有し、平行に並んで形成されている。
【0031】
次に、ケース本体の構成材12Aを組み立ててケース本体12を形成する方法について、主として図11ないし15に基づいて、説明する。
まず、第1折り曲げ線120を折り曲げて第1右側部材106Aを前胴部102と直交させ、且つ第2折り曲げ線122を折り曲げて第1左側部材108Aを前胴部102と直交させる。
引き続き、第3折り曲げ線124を折り曲げて第2右側部材106Bを後胴部104と直交させ、且つ第4折り曲げ線126を折り曲げて第2左側部材108Bを後胴部104と直交させる。
そして、第1右側部材106Aの胴領域(収容部領域)142と第2右側部材106Bの胴領域(収容部領域)142とを接合し、且つ第1左側部材108Aの胴領域(収容部領域)142と第2左側部材108Bの胴領域(収容部領域)142とを接合させ、超音波溶着等の接着方法により、それらの接合された面を接着して、右側部106と左側部108とを形成する。
【0032】
第2右側部材106Bの開口部112側は、開閉部材を固定する領域140を構成するために、第1右側部材106Aとは接合されていない。
また、第2左側部材108Bの開口部112側は、開閉部材を固定する領域140を構成するために、第1左側部材108Aとは接合されていない。
この接合されていない領域は、開閉部材を固定する領域140を構成し、右側部106の開口側端縁106a及び左側部108の開口側端縁108aと、それに続く前胴部102の開口部112側の開口端縁102aとにより開口部112を構成する。
また、後胴部104の開口部112側は、前胴部102と対向する胴領域(収容部領域)142より上方にのびている。
上方にのびた領域は、開閉部材を固定する領域140を構成する。
ケース本体12は、後胴部104と右側部106及び左側部108の開口部112側の端縁に、開閉部材を固定する領域140を有している。
【0033】
開閉部材14の連結部本体26は、開閉部材を固定する領域140を構成する後胴部104の中間部分から上端に達する領域に固定される。
開閉可動部24は、後胴部104の上端の近傍に位置し、蓋部20は、後胴部104の上方に突き出るように、ケース本体12に開閉自在に固定される。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞したとき、天部36が、ケース本体12の底部110と平行に固定される。
【0034】
開閉部材14は、内側支持部40と外側支持部42に嵌合部52を形成され、ケース本体12の襠部を構成する第2右側部材106B及び第2左側部材108Bの開閉部材を固定する領域140に形成された嵌合用貫通孔114に第1嵌合部54を嵌挿し、更に、内側支持部40の第2嵌合部56と外側支持部42の第1嵌合部54とを嵌合してケース本体12に固定される。
内側支持部40は、その自由端縁に係合用凸部60を形成され、該係合用凸部60を、ケース本体12の前胴部102又は後胴部104に穿設された係合用貫通孔116に嵌挿し、且つ連結部22及び/又は挟持部28に穿設された係合用凹部62に係合してケース本体12に固定されている。
この実施の形態においては、内側支持部40は、その自由端縁に係合用凸部60を形成され、該係合用凸部60を、ケース本体12の後胴部104の開閉部材を固定する領域140に穿設された係合用貫通孔116に嵌挿し、更に連結部22に穿設された係合用凹部62に係合してケース本体12に固定されている。
【0035】
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞したとき、右側蓋部32がケース本体12の右側部106の外側に位置し、且つ左側蓋部34がケース本体12の左側部108の外側に位置して固定される。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞したとき、前蓋部30がケース本体12の前胴部102の上端縁(開口部112の側の端縁)の近傍の外側に位置して、ケース本体12の開口部112の前方を閉塞する。
【0036】
前記蓋部20は、ケース本体12(又は挟持部28)に固定され、閉塞(被蓋)した状態を維持するための被蓋固定手段70を備える。
被蓋固定手段70は、ケース本体12及び/又は挟持部28と蓋部20とのいずれかに形成された、係止用凸部72と該係止用凸部72に係止されて蓋部20をケース本体12に固定するための係止用凹部74とからなる、被蓋係止部で構成されている。
この実施の形態においては、蓋部20の右側蓋部32及び左側蓋部34の内側面に係止用凸部72を突設され、ケース本体12の右側部106及び左側部108の後胴部104側の領域に係止用凹部74を穿設されている。
そして、蓋部20をケース本体12の開口部112に被せたとき、蓋部20の係止用凸部72がケース本体12の係止用凹部74に係合して、閉塞(被蓋)した状態を維持される。
【0037】
被蓋固定手段70は、ケース本体12及び/又は挟持部28と蓋部20とに形成された、面ファスナ、ケース本体12及び/又は挟持部28と蓋部20とに形成されたマグネットのうち、いずれか1つで構成されてもよい。
【0038】
この発明は、前記実施の形態の収納ケース10に限らず、種々変更することができる。
例えば、図21ないし24に示す収納ケース10のように、ペン等の筆記具、ドライバー等の工具のような、長尺物を収納するに適するように、ケース本体12を縦長の立方体としてもよい。
又、ケース本体12の胴領域(収容部領域)142を縦長としたことに伴い、開閉部材14も高さ方向に長い蓋部20及び連結部22としてもよい。
そして、開閉部材14の係合部58は、係合用凸部60及び係合用凹部62に加えて、係合用凸部60及び係合用凹部62と同じ構造の係合用凸部64及び係合用凹部66を構成してもよい。
係合用凸部64及び係合用凹部66の追加に対応して、後胴部104並びに第2右側部材106B及び第2左側部材108Bに、係合用貫通孔116と同じ構造の係合用貫通孔118を、追加して構成する。
而して、開閉部材14は、ケース本体12の開閉部材を固定する領域140に、強固に固定される。
【0039】
ケース本体12は、後胴部104及び側部106及び左側部108の開口部112側端縁に、開閉部材14を固定される領域を有し、開閉部材14は、連結部本体26が、ケース本体12の前胴部102又は後胴部104に固定される領域を有し、前記挟持部28が、前胴部102と後胴部104との間に形成された右側部106及び左側部108の開口部112の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、ケース本体12の前胴部102及び/又は後胴部104の側部側端縁に沿った平行な直線状屈曲部46と、前記屈曲部46と平行な又は前記屈曲部46に斜交(例えば直交)する、直線状の架設部44と、前記屈曲部46と平行な又は前記屈曲部46に斜交(例えば直交)する、直線状の係合端縁48とを備えてもよい。
ケース本体12の開閉部材を固定する領域140は、図25及び26において示すように、前胴部102の開口端縁102aが後胴部104より下方に下がった形状ではなく、前胴部102の開口端縁102aが後胴部104と略々同じ高さに形成されてもよい。
そして、第2右側部材106Bの開口側端縁106a及び第2左側部材108Bの開口側端縁108aは、第3折り曲げ線124及び第4折り曲げ線126と直交するように形成されている。開口側端縁106a及び開口側端縁108aは、底部110と平行に形成されている。
開閉部材14の挟持部28は、図25及び26において示すように、外側支持部42の上方に内側支持部40を形成され、架設部44は、屈曲部46の上端と直交するように形成される。
そして、外側支持部42は、屈曲部46において屈曲させて、第2右側部材106B及び第2左側部材108Bの外側面に接し合わせ、内側支持部40は、架設部44において屈曲させて、第2右側部材106B及び第2左側部材108Bの内側面に接し合わせる。
そして、支持固定部50を構成する嵌合部52及び係合部58で、内側支持部40及び外側支持部42は、第2右側部材106B及び第2左側部材108Bの開閉部材を固定する領域140に固定する。
而して、開口部112は、前胴部102側において、大きく開口しない収納ケース10を形成される。
【0040】
収納ケース10に収納される被収納物Xによれば、例えば、手の人差し指と親指とによって、被収納物Xを挟み、収納ケース10より取り出した方が、よい場合がある。
前記事情を鑑みて、更に収納ケース10の開口部112から被収納物Xを取り出し易い収納ケース10を提供するために、次の実施の形態の収納ケースを呈示する。
【0041】
この実施の形態の収納ケースについて、主として、図27ないし35及び図10ないし20に基づいて説明する。
図27は、この発明の一実施の形態である収納ケースを示す斜視図解図であり、図28は、図27に示す収納ケースを開いた状態を示す正面図解図であり、図29Aは、図27に示す収納ケースを開いた状態を示す側面図解図であり、図29Bは、図27に示す収納ケースを開いた状態を示す側面図解図であり、図30は、図27に示す収納ケースを開いた状態を示す背面図解図であり、図31は、図27に示す収納ケースを閉じた状態を示す正面図解図であり、図32は、図27に示す収納ケースを閉じた状態を示す側面図解図であり、図33は、図27に示す収納ケースを閉じた状態を示す背面図解図であり、図34は、図28B−B断面図解図であり、図35は、蓋部を開いた状態から閉じた状態にするときの途中の状態を示す図28B−B断面図である。
【0042】
この発明に係る収納ケース10は、被収納物Xを入れるケース本体12と、ケース本体12を閉塞(被蓋)する開閉部材14とを備えた、カード、文房具、日用品などを収納するケースである。
ケース本体12は、平らな合成樹脂シートを折り曲げて箱状に成形され、開閉部材14は、合成樹脂により一体成型され、ケース本体12と開閉部材14とは、結合されて、収納ケース10を構成する。
【0043】
前記開閉部材14は、前記ケース本体12の開口部112を閉塞(被蓋)する蓋部20と、ケース本体12に連結するための連結部22と、前記蓋部20と連結部22とを回転自在に連結する開閉可動部24と、ケース本体12の向こう側の上部に付加される後胴付加部90及び右側部付加部92並びに左側部付加部94とを有している。
【0044】
前記連結部22は、連結部本体26と、前記連結部本体26の右側端及び左側端から外方にのびた挟持部28とを備える。
前記連結部本体26は、ケース本体12の前胴部102又は後胴部104に固定される領域を有している。
前記開閉部材14は、前記蓋部20と連結部22と開閉可動部24と連結部本体26と挟持部28と後胴付加部90とを合成樹脂により一体成型されてなる。
【0045】
ケース本体12は、前胴部102と、前記前胴部102に対向する後胴部104と、前記前胴部102と後胴部104との間に架設された、ケースの襠部を構成する右側部106及び左側部108と、前記前胴部102と後胴部104と右側部106と左側部108とにより囲繞された領域に設けられた底部110とを有している。
ケース本体12は、前胴部102と後胴部104と右側部106と左側部108と底部110とにより囲まれた胴部(収容部)に、被収納物Xを収納する。
【0046】
開閉部材14の蓋部20は、前記ケース本体12の底部110とは反対側の開口部112を覆う前蓋部30、前記開閉可動部24の両端の領域に続く端縁に設けられた右側蓋部32及び左側蓋部34並びにケース本体12の底部110に対向する天部36を有する。
【0047】
前蓋部30は、正面視長方形の板状体であり、右側蓋部32は、前蓋部30の右側端縁に第6折り曲げ線130の内面と直交するように向こう側に向けて突設された板状体であり、左側蓋部34は、前蓋部30の左側端縁に第6折り曲げ線130の内面と直交するように向こう側に向けて突設された板状体である。
天部36は、ケース本体12の底部110と相似形の平面視長方形状であり、右側蓋部32と左側蓋部34との間に架け渡され、前蓋部30の上方側端縁に前蓋部30の内面と直交するように向こう側に向けて突設された板状体である。
【0048】
開閉可動部24は、前記ケース本体12の向こう側の開口端縁104aに近い高さ位置において連結部22に近い側に形成された第1開閉可動部80と、前記第1開閉可動部80より蓋部20側に離れた位置において形成された第2開閉可動部82とを有している。
第1開閉可動部80と第2開閉可動部82との間には、後胴付加部90を形成されている。
第1開閉可動部80は、後胴部104と略々同じ長さを備える、直線状薄肉部で構成される。
第2開閉可動部82は、天部36の手前側端に連設され、前蓋部30の幅と略々同じ長さを備える、略々長方形状の薄肉部で構成される。
開閉可動部24は、ケース本体12の開口部112ののびる方向と平行にのび、且つ前記のびる方向と交差する方向にわん曲又は/屈曲するように柔軟に形成されている。
後胴付加部90は、正面視(背面視)略々長方形であり、右側部付加部92を右端に連設され、左側部付加部94を左端に連設されている。
右側部付加部92は、右側部106の上部に開口側端縁106aに続いて立ち上がる板状であり、左側部付加部94は、左側部108の開口側端縁108aに続いて立ち上がる板状である。
【0049】
連結部本体26は、後胴部104の第1右側部材106A及び第1左側部材108Aの高さよりも、より上方に突き出た開口部112の領域(開閉部材を固定する領域140)と略々同じ正面視長方形状の板状体である。
【0050】
蓋部20は、後胴部104の上方に突き出るように、ケース本体12に開閉自在に固定される。
蓋部20でケース本体12の開口部112を閉塞するときに、前蓋部30は、開閉可動部24を枢軸として回転させることにより連結部22の内側面と対向し、右側蓋部32は、連結部22の右外側に位置し、左側蓋部34は、連結部22の左外側に位置するように構成されている。
【0051】
開閉部材14の連結部本体26は、開閉部材を固定する領域140を構成する後胴部104の中間部分から上端の開口端縁104aより一定の距離をおいた位置との間の領域に固定される高さと幅を備える。
後胴付加部90は、ケース本体12の開口部112を覆う幅を備える板状であり、後胴部104の上端の近傍に位置するように構成される。
開閉可動部24は、ケース本体12の開口部112を覆う幅を備え、後胴部104の上方に位置するように構成される。
後胴付加部90は、第1開閉可動部80の近傍の領域において、蓋部20を閉じたとき、ケース本体12の後胴部104の(平面状)外側面と密着するように、後胴部104と対向する面を平面状に形成されている。
又、右側部付加部92及び左側部付加部94は、蓋部20を閉じたとき、ケース本体12の右側部106及び左側部108の(平面状)外側面における第1開閉可動部80の近傍の領域において密着するように、右側部付加部92の右側部106に対向する面及び左側部付加部94の左側部108に対向する面を平面状に形成されている。
【0052】
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞するように、天部36が、ケース本体12の右側部106と左側部108との間隔よりも広い幅を備え、右側部106と左側部108との間を覆う高さを有し、ケース本体12の底部110と略同一の面積又は広い面積を有する。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞するように、右側蓋部32がケース本体12の右側部106の外側に位置し、且つ左側蓋部34がケース本体12の左側部108の外側に位置して固定される幅を備える。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞するように、前蓋部30がケース本体12の前胴部102の上端縁(開口部112の側の端縁)の近傍の外側に位置して、ケース本体12の開口部112の前方を閉塞するための高さを有し、且つ右側部106と左側部108との外側に達する幅を有している。
【0053】
挟持部28は、連結部本体26の右側端から右外方に突き出し設けられた第1の挟持部28Aと、連結部本体26の左側端から左外方に突き出し設けられた第2の挟持部28Bとを備える。
第1の挟持部28Aと第2の挟持部28Bとは、左右対称に形成されている。
前記挟持部28は、前胴部102と後胴部104との間に形成された襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112の領域(開閉部材を固定する領域140)を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成されている。
挟持部28は、ケース本体12の内側に接合固定されて内側を支持する内側支持部40と、ケース本体12の外側に接合固定されて外側を支持する外側支持部42と、前記内側支持部40と外側支持部42との間に架け渡された架設部44とを備える。
前記内側支持部40及び外側支持部42は、連結部22に屈曲部46を介して連設されている。
【0054】
前記架設部44は、ケース本体12の襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112の形状に沿った形状を有している。
この実施の形態においては、ケース本体12の襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112側の開口側端縁106a及び開口側端縁108a(開閉部材を固定する領域140)は、後胴部104側から前胴部102側にかけて低くなる傾斜端縁を構成している。そのために、外側支持部42は、前側から後ろ側に向けてその幅が狭くなる扇形に形成され、内側支持部40は、外側支持部42の形状と略同じ形状であって、前側から後ろ側に向けてその幅が狭くなる扇形に形成されている。
【0055】
開閉部材14は、ケース本体12の前胴部102及び/又は後胴部104の襠部側の端縁に沿った平行な直線状屈曲部46と、前記屈曲部46に斜交する、直線状の架設部44と、前記屈曲部46に斜交する、直線状の係合端縁48とを備え、前記屈曲部46と架設部44と係合端縁48との間に架設部44を挟んで、並んで形成されている。
架設部44と屈曲部46との間隔は、前側から後ろ側に向けてその幅が狭くなる。
【0056】
挟持部28は、外側支持部42及び内側支持部40をケース本体12の襠部に固定するための支持固定部50を備える。
前記支持固定部50は、ケース本体12の襠部を構成する右側部106及び左側部108の開口部112の領域に固定された状態を維持させるための嵌合部52及び係合部58を備える。
【0057】
嵌合部52は、外側支持部42側の第1嵌合部54と内側支持部40側の第2嵌合部56とを備える。
第1嵌合部54は、第2嵌合部56に嵌合させるために、外側支持部42の表面より突き出された円柱状凸部を有し、第2嵌合部56は、第1嵌合部54を挿入されるために第1嵌合部54の外形に近似した嵌合穴を有している。
第2嵌合部56は、ケース本体12の右側部106及び左側部108の開閉部材を固定する領域140に穿設された嵌合用貫通孔114に嵌挿して、ケース本体12の右側部106及び左側部108の内側に位置している内側支持部40の第1嵌合部54に嵌合される。
【0058】
係合部58は、外側支持部42の自由端縁に形成された係合用凸部60と、連結部22に穿設された係合用凹部62とを備える。
係合用凸部60を、ケース本体12の後胴部104の開閉部材を固定する領域140に穿設された係合用貫通孔116に嵌挿して、連結部22に穿設された係合用凹部62に係合して、ケース本体12に固定されている。
挟持部28は、ケース本体12の右側部106及び左側部108の開閉部材を固定する領域140に固定される。
而して、ケース本体12は、開閉部材14の連結部22により保型され、且つ、挟持部28により開口部112の端縁を覆われて指等が当たっても痛くないように構成される。
【0059】
ケース本体12を構成する前胴部102と後胴部104と右側部106と左側部108と底部110とは、各部の境界を構成する折り曲げ線においてケース本体12を構成する合成樹脂シートを折り曲げて、箱状に組み立てることにより成形されている。
すなわち、前胴部102及び後胴部104と底部110との境界を構成する折り曲げ線、並びに、前胴部102及び後胴部104と右側部106及び左側部108との境界を構成する折り曲げ線において、図11ないし15において示すように、ケース本体12を構成する1枚の平板状合成樹脂シートを折り曲げて箱状に組み立てることにより成形されている。
【0060】
前胴部102は、右側において、第1折り曲げ線120を介して右側部106を構成する第1右側部材106Aを連設され、且つ、左側において、第2折り曲げ線122を介して左側部108を構成する第1左側部材108Aを連設されている。前胴部102は、上側において、ケース本体12の開口部112を構成する手前側の開口端縁102aを備える。
後胴部104は、右側において、第3折り曲げ線124を介して右側部106を構成する第2右側部材106Bを連設され、且つ、左側において、第4折り曲げ線126を介して左側部108を構成する第2左側部材108Bを連設されている。後胴部104は、上側において、ケース本体12の開口部112を構成する向こう側の開口端縁104aを備える。
開口部112を構成する手前側の開口端縁102aと向こう側の開口端縁104aとは、ケース本体12の高さ方向において、略同じ高さかいずれかが若干高い位置に形成されている。開口端縁102aと開口端縁104aと底部110との間の長さは、被収納物Xの高さよりも短い。
而して、蓋部20を開いたとき、被収納物Xは、前胴部102及び後胴部104の高さよりも高いために、前胴部102及び後胴部104のいずれの側においても、開口端縁102a及び開口端縁104aより上方に突き出る。
そのために、被収納物Xは、例えば手前側及び向こう側において手の親指と人差し指とにより被収納物Xの表裏両面を挟んで、収納ケース10より取り外すことができる。
【0061】
底部110は、第5折り曲げ線128を介して前胴部102と連設され、且つ第6折り曲げ線130を介して後胴部104と連設されている。
底部110は、右側において、第7折り曲げ線132を介して右側部106を構成する第3右側部材110Aを連設され、且つ、左側において、第8折り曲げ線134を介して左側部108を構成する第4左側部材110B連設されている。
【0062】
第1右側部材106Aは、第1折り曲げ線120と平行な長手端縁を有する略長方形であり、第1左側部材108Aは、第2折り曲げ線122と平行な長手端縁を有する略長方形であり、第1右側部材106Aと第1左側部材108Aとは対称形である。
第2右側部材106Bは、第3折り曲げ線124と平行な長手端縁を有し、第2左側部材108Bは、第4折り曲げ線126と平行な長手端縁を有し、それらにより囲繞された領域は胴領域(収容部領域)142を構成する。
第2右側部材106Bは、前記長手端縁に続き、第3折り曲げ線124に対し斜行する開口側端縁106aを形成され、第2左側部材108Bは、第4折り曲げ線126に対し斜行する開口側端縁108aを形成されている。
開口側端縁106aと開口側端縁108aとは対称形である。
【0063】
一枚の合成樹脂シートにより構成された、ケース本体の構成材12Aは、展開された状態においては、前胴部102と底部110とは第5折り曲げ線128を介して連設され、後胴部104と底部110とは第6折り曲げ線130を介して連設され、それらが第1折り曲げ線120と第7折り曲げ線132と第3折り曲げ線124と及び第2折り曲げ線122と第8折り曲げ線134と第4折り曲げ線126とが直線状に並んで並列されている。
【0064】
第5折り曲げ線128は、第1折り曲げ線120と第7折り曲げ線132との交点で直交し、且つ第2折り曲げ線122と第8折り曲げ線134との交点で直交する。
第6折り曲げ線130は、第3折り曲げ線124と第7折り曲げ線132との交点で直交し、且つ第4折り曲げ線126と第8折り曲げ線134との交点で直交する。
第5折り曲げ線128と第6折り曲げ線130とは平行に並んで形成されている。
そこで、第5折り曲げ線128を折り曲げて前胴部102を底部110に直交させ、且つ第6折り曲げ線130を折り曲げて後胴部104を底部110に直交させることができる。
【0065】
一枚の合成樹脂シートにより構成された、ケース本体の構成材12Aは、展開された状態においては、第1折り曲げ線120と第5折り曲げ線128とは直交し、第2折り曲げ線122と第5折り曲げ線128とは直交し、第1右側部材106Aは、第1折り曲げ線120を介して前胴部102の右側に連設され、第1左側部材108Aは第2折り曲げ線122を介して前胴部102の左側に連設され、それらが並列されている。
第1折り曲げ線120と第2折り曲げ線122とは、同一の長さを有し、平行に並んで形成されている。
第3折り曲げ線124と第6折り曲げ線130とは直交し、第4折り曲げ線126と第6折り曲げ線130とは直交し、第2右側部材106Bは第3折り曲げ線124を介して後胴部104の右側に連設され、第2左側部材108Bは第4折り曲げ線126を介して後胴部104の左側に連設され、それらが並列されている。
第3折り曲げ線124と第4折り曲げ線126とは、同一の長さを有し、平行に並んで形成されている。
【0066】
次に、ケース本体の構成材12Aを組み立ててケース本体12を形成する方法について、主として図11ないし15に基づいて、説明する。
まず、第1折り曲げ線120を折り曲げて第1右側部材106Aを前胴部102と直交させ、且つ第2折り曲げ線122を折り曲げて第1左側部材108Aを前胴部102と直交させる。
引き続き、第3折り曲げ線124を折り曲げて第2右側部材106Bを後胴部104と直交させ、且つ第4折り曲げ線126を折り曲げて第2左側部材108Bを後胴部104と直交させる。
そして、第1右側部材106Aの胴領域(収容部領域)142と第2右側部材106Bの胴領域(収容部領域)142とを接合し、且つ第1左側部材108Aの胴領域(収容部領域)142と第2左側部材108Bの胴領域(収容部領域)142とを接合させ、超音波溶着等の接着方法により、それらの接合された面を接着して、右側部106と左側部108とを形成する。
【0067】
第2右側部材106Bの開口部112側は、開閉部材を固定する領域140を構成するために、第1右側部材106Aとは接合されていない。
また、第2左側部材108Bの開口部112側は、開閉部材を固定する領域140を構成するために、第1左側部材108Aとは接合されていない。
この接合されていない領域は、開閉部材を固定する領域140を構成し、右側部106の開口側端縁106a及び左側部108の開口側端縁108aと、それに続く前胴部102の開口部112側の開口端縁102aとにより開口部112を構成する。
また、後胴部104の開口部112側は、前胴部102と対向する胴領域(収容部領域)142と、略々同一の高さを有し、その上端縁が開口端縁104aを構成する。
開口端縁104aより下方の領域は、開閉部材を固定する領域140を構成する。
ケース本体12は、後胴部104と右側部106及び左側部108の開口部112側の端縁に、開閉部材を固定する領域140を有している。
【0068】
開閉部材14の連結部本体26は、開閉部材を固定する領域140を構成する後胴部104の中間部分と上端の開口端縁104aより一定の距離をおいた部分との間の領域に固定される。
開閉可動部24は、後胴部104の上方に位置し、蓋部20は、後胴部104の上方に突き出るように、ケース本体12に開閉自在に固定される。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞したとき、天部36が、ケース本体12の底部110と平行に固定される。
【0069】
開閉部材14は、内側支持部40と外側支持部42に嵌合部52を形成され、ケース本体12の襠部を構成する第2右側部材106B及び第2左側部材108Bの開閉部材を固定する領域140に形成された嵌合用貫通孔114に第1嵌合部54を嵌挿し、更に、内側支持部40の第2嵌合部56と外側支持部42の第1嵌合部54とを嵌合してケース本体12に固定される。
内側支持部40は、その自由端縁に係合用凸部60を形成され、該係合用凸部60を、ケース本体12の前胴部102又は後胴部104に穿設された係合用貫通孔116に嵌挿し、且つ連結部22及び/又は挟持部28に穿設された係合用凹部62に係合してケース本体12に固定されている。
この実施の形態においては、内側支持部40は、その自由端縁に係合用凸部60を形成され、該係合用凸部60を、ケース本体12の後胴部104の開閉部材を固定する領域140に穿設された係合用貫通孔116に嵌挿し、更に連結部22に穿設された係合用凹部62に係合してケース本体12に固定されている。
【0070】
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞したとき、右側蓋部32がケース本体12の右側部106の外側に位置し、且つ左側蓋部34がケース本体12の左側部108の外側に位置して固定される。
蓋部20は、ケース本体12の開口部112を閉塞したとき、前蓋部30がケース本体12の前胴部102の上端縁(開口部112の側の端縁)の近傍の外側に位置して、ケース本体12の開口部112の前方を閉塞する。
【0071】
前記蓋部20は、ケース本体12(又は挟持部28)に固定され、閉塞(被蓋)した状態を維持するための被蓋固定手段70を備える。
被蓋固定手段70は、ケース本体12及び/又は挟持部28と蓋部20とのいずれかに形成された、係止用凸部72と該係止用凸部72に係止されて蓋部20をケース本体12に固定するための係止用凹部74とからなる、被蓋係止部で構成されている。
この実施の形態においては、蓋部20の右側蓋部32及び左側蓋部34の内側面に係止用凸部72を突設され、ケース本体12の右側部106及び左側部108の後胴部104側の領域に係止用凹部74を穿設されている。
そして、蓋部20をケース本体12の開口部112に被せたとき、蓋部20の係止用凸部72がケース本体12の係止用凹部74に係合して、閉塞(被蓋)した状態を維持される。
【産業上の利用可能性】
【0072】
この発明にかかる収納ケースは、ケース本体及び開閉部材の形状・構造を変更して、小物から比較的大きな物品まで種々の物品を収納することができる、ケースとして利用できる。
【符号の説明】
【0073】
10 収納ケース
12 ケース本体
12A ケース本体の構成材
14 開閉部材
20 蓋部
22 連結部
24 開閉可動部
26 連結部本体
28 挟持部
28A 第1の挟持部
28B 第2の挟持部
30 前蓋部
32 右側蓋部
34 左側蓋部
36 天部
40 内側支持部
42 外側支持部
44 架設部
46 屈曲部
48 係合端縁
50 支持固定部
52 嵌合部
54 第1嵌合部
56 第2嵌合部
58 係合部
60,64 係合用凸部
62,66 係合用凹部
70 被蓋固定手段
72 係止用凸部
74 係止用凹部
80 第1開閉可動部
82 第2開閉可動部
90 後胴付加部
92 右側部付加部
94 左側部付加部
102 前胴部
102a,104a 開口端縁
104 後胴部
106 右側部
106A 第1右側部材
106B 第2右側部材
106a 開口側端縁
108 左側部
108A 第1左側部材
108B 第2左側部材
108a 開口側端縁
110 底部
110A 第3右側部材
110B 第4左側部材
112 開口部
114 嵌合用貫通孔
116,118 係合用貫通孔
120 第1折り曲げ線
122 第2折り曲げ線
124 第3折り曲げ線
126 第4折り曲げ線
128 第5折り曲げ線
130 第6折り曲げ線
132 第7折り曲げ線
134 第8折り曲げ線
140 開閉部材を固定する領域
142 胴領域(収容部領域)
X 被収納物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収納物を入れるケース本体とケース本体を閉塞する開閉部材とを備えた収納ケースであって、
前記ケース本体は、シートを折り曲げて成形され、
前記開閉部材は、
前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋部と、ケース本体に連結するための連結部と、前記蓋部と連結部とを回転自在に連結する開閉可動部とを有し、
前記連結部は、連結部本体と、前記連結部本体から外方にのびた挟持部とを備え、
前記連結部本体は、ケース本体に固定される領域を有し、
前記挟持部は、ケース本体の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、
前記開閉部材は、前記蓋部と連結部と開閉可動部と挟持部とを一体成形したことを特徴とする、収納ケース。
【請求項2】
ケース本体は、後胴部及び側部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、
開閉部材は、
連結部本体が、ケース本体の前胴部又は後胴部に固定される領域を有し、
前記挟持部が、前胴部と後胴部との間に形成された側部の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、
ケース本体の前胴部及び/又は後胴部の側部側端縁に沿った平行な直線状屈曲部と、
前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の架設部と、
前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の係合端縁とを備えた、請求項1に記載の収納ケース。
【請求項3】
開閉可動部は、ケース本体の開口部ののびる方向と平行にのび、且つ前記のびる方向と交差する方向にわん曲又は/屈曲するように柔軟に形成された、請求項1又は請求項2に記載の収納ケース。
【請求項4】
挟持部は、ケース本体の内側を支持する内側支持部と、ケース本体の外側を支持する外側支持部と、前記内側支持部と外側支持部との間に架け渡された架設部とを備え、
前記内側支持部及び/又は外側支持部は、連結部に屈曲部を介して連設され、
前記架設部は、ケース本体の側部の開口部の形状に沿った形状を有している、請求項1又は請求項3に記載の収納ケース。
【請求項5】
挟持部は、外側支持部及び/又は内側支持部をケース本体の側部に固定するための支持固定部を備え、
前記支持固定部は、ケース本体の側部に固定された状態を維持させるための嵌合部及び/又は係合部を備えた、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の収納ケース。
【請求項6】
前記蓋部は、ケース本体及び/又は挟持部に固定され、閉塞した状態を維持するための被蓋固定手段を備え、
前記被蓋固定手段は、
ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とのいずれかに形成された、係止用凸部と該係止用凸部に係止されて蓋部をケース本体に固定するための係止用凹部とからなる、被蓋係止部、
ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とに形成された、面ファスナ、
ケース本体及び/又は挟持部と蓋部とに形成されたマグネットのうち、いずれか1つで構成された、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の収納ケース。
【請求項7】
ケース本体は、前胴部と、前記前胴部に対向する後胴部と、前記前胴部と後胴部との間に架設された右側部及び左側部と、前記前胴部と後胴部と右側部と左側部とにより囲繞された領域に設けられた底部とを有し、
開閉部材の蓋部は、前記ケース本体の底部とは反対側の開口部を覆う天部と、前記開閉可動部の両端の領域に続く端縁に設けられた右側部材及び左側部材とを有し、
更に、ケース本体は、後胴部及び側部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、
開閉部材は、
内側支持部と表側支持部に嵌合部を形成され、ケース本体の側部に形成された嵌合用貫通孔に嵌合部を嵌挿して、内側支持部の嵌合部と外側支持部の嵌合部とを嵌合してケース本体に固定され、
及び/又は、
内側支持部及び/又は外側支持部の自由端縁に係合用凸部を形成され、該係合用凸部を、ケース本体の前胴部又は後胴部に穿設された係合用貫通孔に嵌挿して、連結部及び/又は挟持部に穿設された係合用凹部に係合してケース本体に固定された、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の収納ケース。
【請求項8】
被収納物を入れるケース本体とケース本体を閉塞する開閉部材とを備えた収納ケースであって、
前記ケース本体は、手前側の開口端縁と向こう側の開口端縁とを有し、
前記開閉部材は、
前記ケース本体の開口部を閉塞する蓋部と、ケース本体の向こう側に連結するための連結部と、前記蓋部と連結部とを回転自在に連結する開閉可動部とを有し、
前記連結部は、連結部本体を備え、
前記連結部本体は、ケース本体の向こう側に連結するためにケース本体に固定される領域を有し、
前記開閉可動部は、
前記ケース本体の向こう側の開口端縁に近い高さ位置において、連結部に近い側に形成された第1開閉可動部と、
前記第1開閉可動部より蓋部側に離れた位置において形成された、第2開閉可動部とを有し、
前記開閉部材は、前記蓋部と連結部と開閉可動部とを一体成形したことを特徴とする、収納ケース。
【請求項9】
前記第1開閉可動部は、ケース本体の後胴部の開口端縁の下方の領域に当接する位置において形成され、第2開閉可動部との間に後胴部付加部を連設された、請求項8に記載の収納ケース。
【請求項10】
前記連結部は、前記連結部本体から外方にのびた挟持部を備え、
前記挟持部は、ケース本体の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成された、請求項8又は請求項9に記載の収納ケース。
【請求項11】
ケース本体は、後胴部の開口部側端縁に、開閉部材を固定される領域を有し、
開閉部材は、
連結部本体が、ケース本体の後胴部に固定される領域を有し、
前記挟持部が、前胴部と後胴部との間に形成された側部の開口部の領域を、表側と内側との間に跨って挟み、固定されるように形成され、
ケース本体の前胴部及び/又は後胴部の側部側端縁に沿った平行な直線状屈曲部と、
前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の架設部と、
前記屈曲部と平行な又は前記屈曲部に斜交する、直線状の係合端縁とを備えた、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の収納ケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29A】
image rotate

【図29B】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate


【公開番号】特開2012−250764(P2012−250764A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227153(P2011−227153)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000115821)株式会社リヒトラブ (93)
【Fターム(参考)】