説明

収納システム、収納付きパネルおよび壁

【課題】衝立スピーカ装置等、パネルの背後に設けられた空間を有効に利用する。
【解決手段】撮像装置により取得した画像を表示するパネル形状の表示手段と、その表示手段の表示面の背面側に設けられ、撮像装置により収納状態が撮影される収納手段と、を備える収納システムを構成する。好ましくは、収納手段として、表示手段の背面側に棚を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納システム、収納付きパネルおよび壁に関し、例えば音声出力機能や表示機能を備えるパネルにより構成される衝立に用いて好適な収納システム、収納付きパネルおよび該収納付きパネルよりなる壁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカの機能と同時に、部屋を仕切ったり、目隠ししたりする衝立としての役割も果たす衝立スピーカ装置が利用されている。本出願人が出願した特開2007−67538号公報「音声出力装置及び部屋」(特許文献1)における衝立スピーカ装置には、音声伝達効果を向上させるために板状部材を交換できるようなフレーム構造が使われていた。また、音響伝達効率を向上させるために衝立スピーカ装置に回転軸を設け、自動回転ができる構成となっていた。これらの衝立スピーカ装置はスピーカだけの機能だけでなく、例えばモニタや鏡が設置され、それらを使った機能が実現されていた。また、この衝立スピーカ装置を複数組み合わせることにより、部屋を構成する衝立または壁の機能として利用できる。
【0003】
図19を参照して、特許文献1に開示された衝立スピーカ装置の概略を説明する。図19に示すように、衝立スピーカ装置201は、パネル状の振動板202A〜202Cが垂直方向に並べられ、各振動板には3個の振動子203A〜203Cが取り付けられている。さらに、衝立スピーカ装置201は上端に車輪211A,211Bが設けられ、天井220に形成されたレール221上を車輪211A,211Bが摺動することにより、衝立スピーカ装置201が水平に移動することができる。このような構成とすることで、衝立スピーカ装置201を自由に移動させることができるので、様々な形状の部屋を形成できる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−67538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されている衝立スピーカ装置の振動板(パネル)の背後には任意サイズの空間(空き領域)が存在し、そのスペースの有効利用が望まれていた。
【0006】
斯かる点に鑑み、この発明の目的は、衝立スピーカ装置等、パネルの背後に設けられた空間を有効に利用する手段を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面は、撮像装置により取得した画像を表示するパネル形状の表示手段と、その表示手段の表示面の背面側に設けられ、撮像装置により収納状態が撮影される収納手段と、を備える収納システムである。
【0008】
また、本発明の第2の側面は、撮像装置により取得した画像を表示するパネル形状の表示手段と、その表示手段の表示面の背面側に設けられ、撮像装置により収納状態が撮影される収納手段と、1以上の矩形の開口部を持ち、前記開口部に前記表示手段を着脱可能に固定するフレームとから構成される収納システムを備える収納付きパネルである。
【0009】
また、本発明の第3の側面は、撮像装置により取得した画像を表示するパネル形状の表示手段と、その表示手段の表示面の背面側に設けられ、撮像装置により収納状態が撮影される収納手段と、1以上の矩形の開口部を持ち、前記開口部に前記表示手段を着脱可能に固定するフレームとから構成される収納システムを備える収納付きパネルからなる壁である。
【0010】
上記構成によれば、パネル形状の表示手段の背面側に収納手段を構成することにより、背面側の空間を有効に利用できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パネルの背後に設けられた空間を収納部(収納システム)として有効に利用することができる。それにより、収納システムを備えたパネルやそのパネルを用いた壁が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明で挙げる処理時間、処理順序および数値的条件等は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法、形状および配置関係も概略的なものである。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態の衝立スピーカ装置のフレーム構造例を示しており、(a)正面図、(b)X−X線断面図である。本実施の形態の衝立スピーカ装置は、スピーカの機能と同時に、収納機能および衝立としての役割も果たす、本発明の収納システム、収納付きパネルおよび壁の一例である。後述もするが、本発明による収納手段は、衝立スピーカ装置の背面を利用したものであり、従来の衝立スピーカ装置の持つスピーカやテレビジョンモニタやセンサを利用して、収納機能としての使い勝手の良さを提供している。
【0014】
図1に示すように、本出願人は、従来の(例えば、特許文献1に記載された)衝立スピーカ装置からフレーム構造1の改善を行った。本フレーム構造1は、従来の衝立スピーカ装置同様、板状部材(スピーカや鏡等)や映像機器(モニタ)をつけるための無数のタップ穴4が形成された垂直方向のメインフレーム2A,2Bと、同様に無数のタップ穴5が形成された水平方向のサブフレーム3A〜3Eより構成されている。本実施の形態では、2本のメインフレーム2A,2Bと3本のサブフレーム3A〜3Eによって、ほぼ矩形の開口部が4つ構成されている。この開口部に、所望のパネル形状の装置、例えばフラットパネルディスプレイやフラットパネルスピーカ、あるいは鏡等を取り付けることができる。以降の説明において、衝立スピーカ装置に取り付けられる、フラットパネルディスプレイやフラットパネルスピーカ、あるいは鏡等のパネル形状の装置または部材を、「パネル」と総称する。
【0015】
さらに、フレーム1の下側には無数のタップ穴9が形成された、水平方向の部材であるビーム(梁または桁ともいう)6Bが設けられているとともに、上側には無数のタップ穴9が形成された水平方向の部材であるビーム6Aが設けられている。ビーム6Aは、回転軸7を介してビーム6Cと回動自在に接続されている。この回転軸7は中空構造であり、スピーカケーブルや映像ケーブル、制御ケーブル等を始めとする種々のケーブルを軸内部に通すことが可能になっている。なお、図1に示した例は、天井に吊るされた衝立スピーカ装置を回転させるというものであるが、これに対し、本出願人が出願した特開2007−67538号公報(特許文献1)に記載されているようなベースを設け、そのベースに対して衝立スピーカ装置を回転させるような回転軸を設けてもよい。あるいは、下面ビーム6Bに、床面に対して衝立スピーカ装置を回転させる回転軸を取り付けたりしてもよい。
【0016】
またビーム6Cは、その上部にフレームを吊るす車輪8A,8Bが設置されており、図19に示した従来例と同様に、車輪8A,8Bが天井220に設けられたガイド(レール221)を摺動して、衝立スピーカ装置が自由自在に水平移動できるようになっている。
【0017】
また、図1(b)に示すように、サブフレームには無数のタップ穴5が開けられており、ねじ止め等の手段により後述する収納部(棚など)を固定することができる。なお、本実施の形態によるタップ穴は、両面(正面および背面、上面および下面)より設けられているとする。
【0018】
また、フレーム1には、回転をロック及び解除するためのロック機構10が設けられている。ロック機構10の形状は特に問わず、周知技術を用いて構成する。例えば、回転位置を固定するドアストッパなどを下面ビーム6Bに取り付けたりしてもよい。
【0019】
本実施の形態のフレーム構造は、特開2007−67538号公報に記載されている衝立スピーカ装置を基盤技術としており、少なくとも以下に列挙する機能・特徴を有している。詳しくは上記特開2007−67538号公報を参照されたい。
【0020】
・ 天井に張ったレールに吊るされたフレーム構造であること
・ そのフレーム構造は天井から床まで届くスケールであること
・ 板状部材が取り付けられるフレーム構造であること
・ フレーム構造に映像機器等を取り付けることができること
・ その映像機器にはフラットパネルスピーカやスピーカを取り付けることができること
・ その映像機器はサイズにより複数台載せることができる
・ 少なくとも一つの回転軸を持っていること
・ その回転軸は各種ケーブルを通すことが可能であること
・ 回転軸をまたぐビームに複数のタップ穴が空いていること
・ そのタップ穴は両面より空いていること
【0021】
図2は、本実施の形態に係る衝立スピーカ装置の前面を示している。図2に示すように、この衝立スピーカ装置11は、加重方向の振動材支え21A−1〜21A−4,21B−1〜21B−4と、振動パネル31−1〜31−3と、各振動パネルに設けられ振動を励起する振動子41A〜41C,42A〜42C,43A〜43Cと、映像を提示する薄型のモニタ32を含むようにして構成される。モニタ32には、フラットパネルスピーカや液晶モニタ専用サイドスピーカを取り付けることができる。なお、前後方向振動材支え、つまり振動板に対して水平方向に設けられる振動支えについては、図示を省略している。前後方向振動材支えを設けることで、各パネルの前後方向への構造的な強度が向上する。詳しくは上記特開2007−67538号公報を参照されたい。
【0022】
図2に示す衝立スピーカ装置11は、垂直方向に配置された4段のパネルから構成され、1,2,4段目がフラットパネルスピーカを構成する振動板、3段目にモニタが設置された場合としてあるが、この例に限られない。例えば、パネルの段数をさらに増やしてもよいし、1列のところを2列またはそれ以上としてもよい。
【0023】
図3は、本実施の形態に係る衝立スピーカ装置11の背面であり、(a)背面、(b)正面、(c)側面を示す。衝立スピーカ装置11の背面には、衝立スピーカ装置11を回転させる、従来周知技術を使用して構成された回転機構51が設置されている。この回転機構51に替えて、回転軸7自身に専用電動機構を用いるなどしてもよい。
【0024】
衝立スピーカ装置11の背面には、各パネルの位置に対応して、取り付け冶具62A−1〜62A−4,62B−1〜62B−4を用いることによって、メインフレーム2A,2Bに、棚61A〜61Dを設けることができる。この棚61A〜61Dは、この衝立スピーカ装置11が複数並んでいてもぶつかり合わないように、回転軸7を中心とした回転半径を最大とするカーブ(曲線形状)がつけられている。つまり、図3に示すように、回転軸7の回転軸中心から、パネルに垂直な方向の棚の端部までの「距離R<回転半径」である。この棚は周縁部に沿ってストッパーをつけるなど物が落ちないような工夫をしてもよい。さらに、各棚の下側に補強材63B−3を設けると、棚の強度が増し安定する。
【0025】
本実施の形態の衝立スピーカ装置11にはカメラ装置などの画像センサを取り付けることができる。図4は、本実施の形態に係る衝立スピーカ装置11に対するカメラの設置例を示しており、(a)はカメラを棚に固定した例、(b)はカメラを壁に設置した例である。図4(a)に示すように、カメラ装置71A〜71Dを、撮影したい棚の一段上の棚に固定し、角度を調整して撮影した棚の収納状況を撮影する。この場合、最上段の棚に関しては、カメラ装置をフレームに固定して撮影する。もしくは、図4(b)に示すように、衝立スピーカ装置11の背面側にある壁75にカメラ装置71A〜71Dを設置し、各棚の収納状況を撮影するようにしてもよい。各パネルの背後には照明を設けることができる。また、カメラ装置にフラッシュを取り付けたり、赤外線カメラを使用したりしてもよい。
【0026】
このように、衝立スピーカ装置11の背面に、棚ごとにカメラ装置を設けることにより、棚の上を監視できるので、収納物の収納状態を把握することができる。さらに、カメラ装置の設置場所は、衝立スピーカ装置11の背面側なので場所をとらず、またカメラ装置が設置されていることが気にならない。
【0027】
図5は、本実施の形態に係る衝立スピーカ装置の回転例を示す説明図であり、(a)は回転しない状態、(b)は回転した状態を示す。衝立スピーカ装置11の回転機能を使うことで、回転していない状態(図5(a)) から回転してパネル背面の棚に収納された物を取り出すことができる状態(図5(b)) に変化する。このような構成により、パネル背面の棚の上の収納物を容易に取り出すことができる。なお、図1〜図3に示した例では、衝立スピーカ装置11全体が回転する場合の例としたが、個々のパネルが個別に回転するような機構としてもよい。衝立スピーカ装置11全体を回転させる場合と比較して、目的の棚の収納物を手軽に、かつ、迅速に取り出すことができる。
【0028】
一方、図4に示したカメラ装置で撮影したパネル背面側の画像を、衝立スピーカ装置11に設置されたモニタ32に表示するようにした場合には、パネル正面側にいながら、衝立スピーカ装置11を回転させることなくパネル背面側の収納状況を把握することができる。
【0029】
次に、本実施の形態に係る収納システムの内部構成例について、図6のブロック図を参照して説明する。
【0030】
収納システムは収納物を収納・管理するためのシステムである。衝立スピーカ装置11に備えられた収納システムは、主に、リモコン信号受信処理部81と、回転制御部82と、差分検出手段80Aと、映像通知手段80Bおよび音声通知手段80Cから構成してある。収納システムに入出力される信号には、映像信号、音声信号および制御信号がある。ユーザは、図示しないリモートコントローラ装置(以下、「リモコン装置」という)を操作して、所定のコマンドを含むリモコン信号をリモコン信号受信処理部81に入力することができる。なお、図6に示す例では、リモコン信号を入力するようにしているが、衝立スピーカ装置11の所定位置に設けられた操作キーを操作して、所定のコマンド信号を入力するようにしてもよい。
【0031】
リモコン信号受信処理部81は、図示しないリモコン信号を受信し、そのコマンドを解析して回転制御部82、映像通知手段80Bの差分画像生成部83および差分検出手段80Aの画像差分処理部86に出力する。また、リモコン信号受信処理部81は、リモコン信号の他、衝立スピーカ装置11に配設された図示しない操作キーからの入力操作信号を受信することもできる。
【0032】
回転制御部82は、リモコン信号受信処理部81または差分検出手段80Aの位置判定部88から入力されるコマンドに従い、回転機構51の回転動作を制御する。
【0033】
ここで、差分検出手段80Aについて説明する。差分検出手段80Aは、カメラ装置で取得した画像に基づいて、収納部への収納物の収納前と収納後の差分(または収納物を取り出す前と取り出した後の差分)を検出するものであり、主に、過去映像蓄積部85と、画像差分処理部86と、差分有無判定部87と、位置判定部88とから構成される。
【0034】
過去映像蓄積部85は、主に収納前または取り出し前の収納部内の状態を、カメラ装置で撮影した映像信号が入力され記録・蓄積する。過去映像蓄積部85には、ハードディスクドライブや半導体メモリ等、不揮発性メモリを使用する。
【0035】
画図差分処理部86は、カメラ装置から入力されてきた映像信号による映像と、過去映像蓄積部85に蓄積されている過去の映像を比較し、差分を抽出する処理を行う。そして、処理結果を差分有無判定部87に入力する。
【0036】
差分有無判定部87は、画像差分処理部86による差分処理結果に基づいて、比較する2つの画像に差分があるか否かを判定し、判定結果を映像通知手段80Bの差分画像生成部83および位置判定部88へ出力する。また、この差分有無の判定結果を、過去映像蓄積部85に蓄積する。
【0037】
位置判定部88は、差分有無判定部87の判定結果に基づいて、差分画像つまり直前に収納されたり取り出されたりした物体の位置を特定し、その位置情報を回転制御部82および音声通知手段80Cの音声セレクタ部91へ出力する。
【0038】
ここで、映像通知手段80Bについて説明する。映像通知手段80Bは、差分検出手段80Aの検出結果を映像によりユーザに通知するものであり、差分画像生成部83と、出力画像反転部84と、モニタ32とから構成される。
【0039】
差分画像生成部83は、差分検出手段80Aの差分有無判定部87の差分有無判定結果と、過去映像蓄積部85からの過去映像に基づいて、差分画像を生成して出力映像反転部84へ出力する。
【0040】
出力映像反転部84は、後述するように、パネル背面側の収納物をユーザが直感的にわかるように、カメラ装置で取得した画像を左右反転させる処理を行う。
【0041】
モニタ32は、出力映像反転部84から供給される映像を表示する。なお、上記出力映像反転部84は必ずしも必要ではなく、ユーザが必要と感じる場合などには、削除するか不使用として差分画像生成部83からの差分画像をそのままモニタ32に出力するようにしてもよい。
【0042】
ここで、音声通知手段80Cについて説明する。音声通知手段80Cは、差分検出手段80Aの検出結果を音声によりユーザに通知するものであり、音声蓄積部89と、音声コンテンツ選択部90と、音声セレクタ部91と、各種スピーカ92A〜92Cとから構成される。
【0043】
音声蓄積部89は、複数種類の音声を蓄積しており、ハードディスクドライブや半導体メモリ等、不揮発性メモリを使用する。蓄積された音声は、後に説明する各種モードでの通知を行う際に、音声を区別するのに使用される。
【0044】
音声コンテンツ選択部90は、音声蓄積部89に蓄積された音声コンテンツから、モードの種類やそのときの通知に必要とされる音声に基づいて、適宜音声コンテンツを選択し、音声セレクタ部91に供給する。
【0045】
音声セレクタ部91は、差分検出手段80Aの位置判定部88からの位置情報と、音声コンテンツ選択部90からの音声コンテンツを受信して、各スピーカ92A,92B,92C等に音声信号を出力する。
【0046】
以下、上記のように構成される収納システムを備えた衝立スピーカ装置11の収納に関する機能について説明する。
【0047】
<モニタ表示>
まず、モニタ表示機能から説明する。これは、収納物を撮影した映像をモニタに映すことができ、収納物がパネル(衝立スピーカ装置)の背面にあっても容易に位置がわかる機能である。
【0048】
棚61Aに収納物を載せた様子を、図7(a),(b)に示す。(a)は衝立スピーカ装置11の背面から見た実際の状態、(b)は衝立スピーカ装置11の背面の実際の状態を、カメラ装置で撮影してそのまま表示した例である。この例では、棚61Aには、右から辞書102A〜102C、ボール103、カメラ104、はさみ105が収納されている。この収納物を衝立スピーカ装置11の正面にあるモニタ32に映した場合、画像101のように空間的に表裏反対の位置関係になってしまう。
【0049】
そこで、図8(b)に示すように、画像101を左右反転して画像111のように表示することで、空間的に位置関係が一致するようになる。この場合、画像111において、棚61Aには、左から辞書102A〜102C、ボール103、カメラ104、はさみ105が収納されている様子が表示される。このように表示した場合、ユーザは直感的に物のある場所を理解することができる。なお、図8(a)は、図7(a)と同じように、衝立スピーカ装置11の背面から見た実際の状態を表している。
【0050】
図9(a),(b)に、背面を見ない場合の収納物の取り出し例を示す。(a)は概略側面図、(b)は概略正面図である。このような場合、ユーザ112は、モニタに表示された画像111を見ながら、パネル正面から手を伸ばすことで、収納物を直感的に触ることができるようになる。この場合、収納物を直感的に触わることできるので、衝立スピーカ装置11を回転させて収納物を前面にもってくる必要がなくなる。
【0051】
図10は、背面の収納物を取り出すときの他の形態を説明する図であり、(a)は上方向への片開きの例(側面図)、(b)は右方向への片開きの例(上面図)である。衝立スピーカ装置11には、回転軸7および回転機構51が備えられており、衝立スピーカ装置11全体が回転できるようになっている。
【0052】
この片開きは周知技術であり、例えば蝶番や枢(とぼそ)などを回転軸とする機構により実現できる。なお、図10(a)の例では、パネル上方に回転軸が位置するようにしたが、パネル下方を回転軸にして開くようにしてもよい。また、図10(b)の例の場合、パネルの左右どちらに回転軸がくるようにしてもよい。
【0053】
このように振動板31−2を前面方向への片開きの構成とした場合、収納物を正面から目視で確認することができるので収納物の配置を見たままの状態で理解できるとともに、衝立スピーカ装置11を回転させることなく収納物を取り出せる。つまり、振動板等の各パネルを片開き構造とした場合、図1〜図3に示した回転軸7および回転機構51は必ずしも必要ではなく、片開きのパネルを開いて前面側から自由に収納物の確認・取り出しが行える。衝立スピーカ装置11に回転機構を設けない場合には、棚を矩形にするなど、形状・大きさを回転半径とは関係なく設計することができる。なお、パネルを片開き構造にしても、同時に回転軸7及び回転機構51を設けてもよいことは勿論である。
【0054】
図11は、取り出した収納物の表示例を示し、(a)は収納物を取り出し前の映像(反転映像)、(b)は収納物を取り出した場所を強調表示した映像である。この例では、ボール103が取り出されており、図11(b)に示すように、点滅等なんらかの表示方法により強調表示が行われる。この表示モードは、一例として返却モードで利用される。返却モードの詳細については後述する。
【0055】
図12は、空いたスペースの表示例であり、この表示モードでは空いているスペースを色付けして表示してくれる。画像131の収納スペース上で、空いているスペース(空間、領域)142を、色分けして表示する。なお、本実施の形態では、図6に示した収納システムにおいて、カメラ装置で取得した画像を解析し空きスペースを判定しているが、この方法に限られない。
【0056】
例えば、棚61Aの上面に計量器を設ける、あるいは棚61自体を計量器で構成する。図12に示す例では、棚61の面積をおよそ3分割してそれぞれを計量器61A−1〜61A−3で構成する。各計量器61A−1〜61A−3で収納前後の重量を測定し、その重量差に基づいて、重量差を検出した計量器に対応する領域(棚)に収納物が置かれた、あるいは収納物が取り出されたことを検出する。
【0057】
次に、本実施の形態の収納システムにより実現する各種モードについて説明する。ここでは、取り出しモード、返却モード、返却促進モード、収納可能場所探索モードについて説明する。本実施の形態では、カメラ装置より取得した画像に基づいて、各モードにおける処理を実行する場合の例としてある。
【0058】
<取り出しモード>
このモードは、取り出した収納物は取り出す前後の映像を比較することで、取り出したものが容易に確認できるようになる機能である。
【0059】
図13のフローチャートを参照して、取り出しモード時の処理例を説明する。まず、ユーザがリモコン装置を操作して、モニタ31に表示されたメニュー画面から取り出しモードを選択する。この操作は、取り出しモードを開始する操作の一例である。その他、取り出しモードが開始される手順として、物品を取り出したいときに衝立スピーカ装置11に設置された、図示しない取り出しキーを操作するなどでもよい。
【0060】
取り出しモードが開始されると機能リセット(初期化)が行われる(ステップS1)。続いて、ユーザからの映像提示信号のコマンドをリモコン信号受信処理部81が受信すると、そのコマンドに基づいて映像通知手段80Bによりモニタ32に映像が提示(表示)される(ステップS2)。ユーザが、収納物を取り出す必要があると判断して衝立スピーカ装置11の回転を指示した場合、リモコン装置から回転指示コマンドが発せされ、リモコン信号受信処理部81で受信する(ステップS3)。このとき回転指示コマンドを受信すると同時に、カメラ装置で取得した回転オープン前の収納部の画像が過去映像蓄積部85に蓄積される(ステップS4)。その後、リモコン信号受信処理部81から回転制御部82に回転指示コマンドを送り、衝立スピーカ装置11の回転が始まる(ステップS5)。
【0061】
収納物の取り出しが終了した後、ユーザ操作によりリモコン装置から回転クローズ信号が発せられると(ステップS6)、リモコン信号受信処理部81で受信する。すると、衝立スピーカ装置11の回転が終了後に、過去映像蓄積部85にカメラ装置で取得した収納部の画像が蓄積される(ステップS7)。その後、衝立スピーカ装置11の開閉前後の映像より、画像差分処理部86において差分画像処理が行われる(ステップS8)。そして、処理内容が差分有無判定部87に送られる。差分有無判定部87により差分の有無が判定され、その判定結果が過去映像蓄積部85に蓄積される(ステップS9)。
【0062】
ここで、ユーザに、後述する返却促進モードをセット(設定)するかどうかをモニタや音声等を利用して確認する処理を行う(ステップS10)。ユーザが返却促進モードを設定した場合、後述する返却促進モードへ移行する。返却促進モードを設定しない場合、その差分画像が過去映像蓄積部85に蓄積され(ステップS11)、取り出しモードを終了する。
【0063】
なお、本例では、返却促進モードを設定するかどうかをユーザに確認するとしたが、収納物の取り出し行為が検出された時点で自動的に返却促進モードをセットするようにしてもよい。図書館など物品の貸し出しなどを行うようなサービスにおいては、自動セットするようにしておくと、取り出しが行われた後、自動的に返却促進モードがセットされるので、返却漏れを削減できる。
【0064】
ところで、収納物の取り出しに関して、ユーザが誤って棚の上の収納物をずらしてしまうことがある。その場合、カメラ装置で取得した画像上は、収納物の位置がずれてしまっているので、差分検出手段80Aは収納物が取り出されたと誤判断する可能性も考えられる。その対策として、例えば、収納物をずらしてしまったことにユーザが気づいた場合、リセット操作を行うことにより取り出しはなかったと処理する方法がある。他の方法としては、収納物に装着されたRFID(Radio Frequency Identification)タグ等を利用して、各々の収納物の保管・取り出しを管理することができる。あるいは、画像上のオブジェクト(収納物)の移動誤差を設定し、差分有無判定部87による判定の結果、その誤差範囲であれば当該収納物は取り出されていないと判断するような処置を実施してもよい。
【0065】
<返却モード>
このモードは、返却先を収納システム側で探してくれる機能である。
【0066】
図14のフローチャートを参照して、返却モード時の処理例を説明する。まず、ユーザがリモコン装置を操作して、モニタ31に表示されたメニュー画面から返却モードを選択する。この操作は、返却モードを開始する操作の一例であって、その他、返却モードが開始される手順として、物品を返却したいときに衝立スピーカ装置に設置された、図示しない返却キーを操作するなどでもよい。
【0067】
返却モードが開始されると機能リセット(初期化)が行われる(ステップS21)。差分画像生成部83により取り出しモードの際に得られた差分画像の取得が行われる(ステップS22)。そして、差分画像生成部83によって、その差分画像と取り出し前に蓄積されていた画像との重畳が行われ、差分部分の映像点滅提示(強調表示)が行われる(ステップS23)。
【0068】
図11(b)に示すように、取り出す前の映像103と収納物を取り出した後の差分画像103Aが重畳されて点滅する。強調表示は点滅表示に限られない。このとき、衝立スピーカ装置11に収納用の棚がN個所あった場合、モニタ32が棚の段数と同数用意されていないことがある。このような場合、棚の無い場所に関しては、その位置に応じた振動子(スピーカ)が位置対応して音を鳴らし、また、音声セレクタ部91により棚の位置に応じた音源の種類が選択され(ステップS24)、アラームとしてお知らせしてくれる(ステップS25)。
【0069】
その後は、ユーザ操作による回転オープンまたは回転クローズの指示に従い処理を行う。例えば、リモコン信号受信処理部81にて回転オープンを指示するコマンドを受信したかどうかを判定し(ステップS26)、受信した場合は、回転制御部82に回転指示コマンドを送り、衝立スピーカ装置11を回転させる(ステップS27)。また、受信しなかった場合は、返却モードを終了する。
【0070】
さらに、リモコン信号受信処理部81にて回転クローズを指示するコマンドを受信したかどうかを判定し(ステップS28)、受信した場合は、回転制御部82に回転クローズコマンドを送り、衝立スピーカ装置11の回転を停止し(ステップS29)、返却モードを終了する。また、受信しなかった場合は、回転クローズの指示があるまで待つ。
【0071】
このように、音の鳴る位置と音源の種類を変えることで他で作業をしていても瞬時に判断可能になる。これが、図18に示す衝立スピーカ装置11で構成された部屋全体に適応されると特に分かりやすくなり、使い勝手が向上する。
【0072】
<返却促進モード>
このモードは、取り出された収納物の返却が遅いときに収納システムが返却を促進してくれる機能である。
【0073】
図15のフローチャートを参照して、返却促進モード時の処理例を説明する。まず、図13のフローチャートで返却促進モードが選択された場合など、返却促進モードが開始されると機能リセット(初期化)が行われる(ステップS31)。次に、図示しないタイマがセットされ、タイマがカウントされる(ステップS32)。このタイマ(時間)のカウントは、収納物が取り出されたことをカメラ装置で取得した画像を解析して、取り出しありと判定された時点から開始する。
【0074】
そして、タイマ時間を監視し(ステップS33)、設定された返却期限の時刻になる前にタイマの設定時刻になると、差分画像生成部83で取り出し前後の画像を使い(ステップS34)、取り出した場所の映像が点滅される(ステップS35)。また、返却する棚の位置に応じて、鳴らす振動子を対応づけ、また棚の位置に応じた種類の音源が選択され(ステップS36)、アラームとしてお知らせしてくれる(ステップS37)。アラームによるお知らせ後、返却促進モード終了する。
【0075】
返却期限は、あらかじめユーザが設定して、図示しない不揮発性のメモリに記憶させておくようにする。このとき、全ての物品に対して一律の返却期限を設定してもよく、あるいは物品の重量やRFIDタグを利用して物品ごとに異なる返却期限を設定してもよい。
【0076】
図16に、棚と振動子と曲を対応づけて一覧にした表の一例を示す。本例では、棚1〜4(図3:棚61A〜棚61Dに相当)と1〜4段目の振動子(41A〜41C,42A〜42C,43A〜43C)の位置を衝立スピーカ装置11の上から下へ順に割り当て、音源を曲1〜曲4の順で割り当てている。なお、3段目にはモニタ32が設置されており、フラットパネルスピーカすなわち振動子は配置されていないので、3段目から音は出力されない。
【0077】
<収納可能場所探索モード>
このモードは、物を収納したいときに使う機能である。図12に示すように、空いているスペースを色付けして表示する機能である。探索領域上限ライン141は収納したい物に対して適宜変更され、高さのある場合は高さ方向に広くなることを示している。
【0078】
図17のフローチャートを参照して、収納可能場所探索モード時の処理例を説明する。まず、ユーザがリモコン装置を操作して、モニタ31に表示されたメニュー画面から収納可能場所探索モードを選択する。この操作は、収納可能場所探索モードを開始する操作の一例である。その他、収納可能場所探索モードが開始される手順として、物品を取り出したいときに衝立スピーカ装置11に設置された、図示しない収納可能場所探索キーを操作するなどでもよい。
【0079】
収納可能場所探索モードが開始されると機能リセット(初期化)が行われる(ステップS41)。ここで、図示しないメニュー画面を表示してユーザに収納サイズの入力を促す(ステップS42)。このとき、収納サイズの入力形態は、例えば数字による直接入力による方法、「A4サイズ、赤」など属性を指定する方法、あるいはタッチパネル等のポインティングデバイスによる入力サイズの枠サイズを指定する方法などがある。さらには、ユーザによる収納サイズの指定を行わず、とにかく空き空間を探索する方法もある。
【0080】
そして、収納サイズが指定された後、差分検出手段80Aにおいて、画像差分処理部86および差分有無判定部87により、指定された収納サイズの条件を満たす空き空間を探索する収納個所探索処理を行い(ステップS43)、探索終了後、収納可能箇所があるか否かを判定する(ステップS44)。
【0081】
ここで、収納可能箇所がない場合、ユーザに収納可能箇所探索を続行するかどうかの指示を促す選択画面をモニタに表示する(ステップS45)。ユーザが収納可能箇所の探索を中止することを選択した場合、収納可能場所探索モードを終了する。一方、ユーザが収納可能箇所の探索を続行することを選択した場合、ステップS42の収納サイズ入力処理に戻る。
【0082】
収納可能箇所探索処理の結果、オープンスペース(収納可能箇所)がある場合、差分検出手段80Aの位置判定部88から音声通知手段80Cの音声セレクタ部91に収納可能箇所の情報が供給される。音声セレクタ部91は、その収納可能箇所の情報に基づいて、音を鳴らす場所と音の種類を指示し(ステップS46)、アラームによりお知らせを行う(ステップS47)。
【0083】
さらに、差分検出手段80Aの差分有無判定部87から映像通知手段80Bの差分画像生成部83に差分画像、すなわち収納可能箇所の情報が供給される。差分画像生成部83でオープンスペース部分の映像を強調処理し(ステップS48)、モニタ32へ供給して映像を表示する(ステップS49)。
【0084】
その後、リモコン信号受信処理部81においてユーザからの回転指示コマンドの有無を判定する(ステップS50)。リモコン信号受信処理部81で回転指示コマンドを受信した場合、回転制御部82へ指示して衝立スピーカ装置11の回転を行い(ステップS51)、収納可能場所探索モードを終了する。回転指示コマンドを受信しなかった場合は、そのまま収納可能場所探索モードを終了する。
【0085】
なお、収納可能場所探索モードの場合、図12に示すように、棚61A上方の収納部の壁は、単一色としておくことが望ましい。このようにすることで、収納個所探索処理の際、背景が単一色であるので、単一色以外はオブジェクト(収納物)と認識される。オブジェクトのない領域142を大きなブロックとしてオープンスペースと判断する。
【0086】
図18は、複数の衝立スピーカ装置11により壁を構成した部屋145を上側から見た場合の図を示す。
【0087】
部屋145において、その四方を囲む壁は、例えば、衝立スピーカ装置11(図2〜図6を参照)と同様の機能と構成を備える、壁141−1〜141−16により構成される。すなわち、図18は、上側から見た場合の図であるので、水平方向に壁141−1〜141−16が連結されているように表現されているが、実際には、垂直方向にも振動板やモニタ等のパネルが連結されており、パネルの数は任意である。
【0088】
図18の例では、部屋145は、壁141−1〜141−4、壁141−5〜141−8、壁141−9〜141−12、壁141−13〜141−16の4つの面により構成されている。すなわち、部屋145の四方を囲む4つの面は、それぞれ4つの壁により構成される。部屋145は、本発明の壁から構成された部屋の一例である。
【0089】
壁141−1〜141−16のそれぞれは、衝立(壁)としての役割を果たすと同時に、衝立スピーカ装置11と同様に、スピーカやモニタ等の機能も果たす。すなわち、壁141−1〜141−16のそれぞれは、衝立スピーカ装置11と同様に、振動材やモニタを垂直方向に増やしたり、振動材の厚みを調節したりすることにより、多様な音声や画像を出力させることができる。
【0090】
このように、部屋145は、より多くの自由度を持って、衝立スピーカ装置11と同様の機能と構成を有する壁141−1〜141−16を設置して振動材等のパネルを配置し、低い周波数から高い周波数までの広い周波数帯域の音声を出力させることができる。その他、モニタや鏡等として利用することができる。
【0091】
なお、図18の例では、部屋145は、4つの面に囲まれているとして説明したが、本発明においては、4つの面に限らず、少なくとも1つの面が設けられていればよい。また、1つの面を3つの壁(例えば壁141−1〜141−4)により構成されるとして説明したが、本発明においては、4つの壁に限らず、少なくとも1つの面に1つの壁が設けられていればよい。
【0092】
また、衝立スピーカ装置11は、例えば振動材31だけを固定するようにしてもよい。あるいは、モニタ32、鏡および所定形状の壁材などのパネルのうち、いずれかのみを固定するようにしてもよい。すなわち、ユーザは、予算や用途に合わせて、様々なパネルの形態(一つのパネルで統一、組合せ等)で衝立スピーカ装置11を使用することができる。例えば、都市型マンション(集合住宅)などの二重壁としての応用が期待できる。
【0093】
このように、背面に収納部分を設けた衝立スピーカ装置11を壁として利用することにより、部屋内においてユーザの視野から収納スペースがなくなるので、部屋全体がすっきりしてインテリアの向上につながる。
【0094】
また、壁141−1〜141−16のそれぞれの背面(収納部)と、壁145の壁材との間に所定の空間を設けるようにした場合、壁141−1〜141−16の背面と壁145の壁材との間に通路が形成でき、例えばウォークインクロゼットとして使用できる。
【0095】
さらに、図18に示した例では、衝立スピーカ装置11を垂直方向に立てて壁として用いたが、天井に用いてもよい。このようにした場合、天井の壁一面もしくは当該壁を構成するパネルの裏面に収納部が形成され、住宅(建物)内にいわゆる屋根裏収納のスペースを形成することができる。
【0096】
以上説明したように、本実施の形態は、本来衝立スピーカ装置の持つスピーカやモニタ、センサ(カメラ装置)等を利用することにより、衝立スピーカ装置の背面を収納機能として有効に利用できる。例えば、取り出した物を元の位置に戻しやすくしたり、 取り出した物の返却を促してくれたりする。また、 取り出したい物が直感的にどこの位置あるのか一目でわかる。さらに、 背面に物があっても直感的に取り出すことができたり、収納したい場所をお知らせしてくれたりするので、収納機能としての使い勝手が向上する。
【0097】
なお、上述した実施の形態では、棚の形状を半円形状としたが、収納形状はさまざまな形状が考えられる。また、棚を頑強につくるなどの工夫なども考えられる。また、モニタは薄型モニタだけでなく、特開2007−67538号公報でも提案しているように、プロジェクタを投影するためのスクリーンを使用することも可能である。また、モニタに設置する振動子としては、コイルと磁石を使ったものや、超磁歪素子を使ったものなどがある。
【0098】
また、衝立スピーカ装置11を例に挙げて説明した収納システムを、冷蔵庫やコインロッカ等に応用できる。つまり、冷蔵庫やコインロッカ等の扉(パネル)の前面側にモニタを設けるとともに、そのモニタの背面側を収納部とする。このようにした場合、冷蔵庫やコインロッカ等の扉(モニタ)に表示された画面を見て、扉を開けずに内部に収納された収納物を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施の形態に係る衝立スピーカ装置のフレーム構造例を示す説明図であり、(a)正面図、(b)X−X線断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る衝立スピーカ装置の前面を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る衝立スピーカ装置の説明図であり、(a)背面、(b)正面、(c)側面を示す。
【図4】本発明の一実施の形態に係る衝立スピーカ装置に対するカメラの設置例を示す説明図であり、(a)カメラを棚に固定した例、(b)カメラを壁に設置した例を示す。
【図5】本発明の一実施の形態に係る衝立スピーカ装置の回転例を示す説明図であり、(a)回転しない状態、(b)回転した状態を示す。
【図6】本発明の一実施の形態に係る収納システムの内部構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る収納物の映像表示例を示す説明図であり、(a)背面から見た情報、(b)そのままの表示例を示す。
【図8】本発明の一実施の形態に係る収納物の映像表示例を示す説明図であり、(a)背面から見た情報、(b)映像を反転した表示例を示す。
【図9】本発明の一実施の形態に係る背面を見ない場合の収納物の取り出し例を示す説明図であり、(a)概略側面図、(b)概略上面図を示す。
【図10】本発明の一実施の形態に係るフラットパネルを収納物として利用した例を示す説明図であり、(a)上方向への片開き、(b)右方向への片開きを示す。
【図11】本発明の一実施の形態に係る取り出した収納物の表示例を示す説明図であり、(a)収納物を取り出し前の映像、(b)収納物を取り出し後の映像を示す。
【図12】本発明の一実施の形態に係る空いたスペースの表示例を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る取り出しモード時の処理例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態に係る返却モード時の処理例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施の形態に係る返却促進モード時の処理例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施の形態による棚と振動子と曲との対応付け例を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係る収納可能場所探索モード時の処理例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施の形態による衝立スピーカ装置を部屋全体に適用した例を示す説明図である。
【図19】従来の衝立スピーカ装置の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0100】
1…フレーム、2A,2B…メインフレーム、3A〜3E…サブフレーム、4,5…タップ穴、6A〜6C…ベース(梁または桁)、7…回転軸、8A,8B…車輪、9…タップ穴、10…ロック機構、11…衝立スピーカ装置、21A−1〜21A−4,21B−1〜21B−4…振動材支え、31−1〜31−3…振動板、32…モニタ、41A〜41C,42A〜42C,43A〜43C…振動子、51…回転機構、61A〜61D…棚、62A−1〜62A−4,62B−1〜62B−4,63B−3…取り付け冶具、71A〜71D…カメラ装置、75…壁、81…リモコン信号受信処理部、82…回転制御部、83…差分画像生成部、84…出力映像反転部、85…過去映像蓄積部、86…画像差分処理部、87…差分有無判定部、88…位置判定部、89…音声蓄積部、90…音声コンテンツ選択部、91…音声セレクタ部、92A〜92C…スピーカ、101…画像、103A…取り出し済み収納物、111…反転画像、112…ユーザ、121…取り出し済み収納物表示画像、131…空きスペース表示画像、141…探索領域上限ライン、142…空きスペース、141−1〜141−16…壁、145…部屋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置により取得した画像を表示するパネル形状の表示手段と、
前記表示手段の表示面の背面側に設けられ、前記撮像装置により収納状態が撮影される収納手段と、
を備える収納システム。
【請求項2】
前記収納手段として、前記表示手段の背面側に棚が形成されている、
請求項1に記載の収納システム。
【請求項3】
1以上の矩形の開口部を持ち、前記開口部に前記表示手段を着脱可能に固定するフレームを備える、
請求項2に記載の収納システム。
【請求項4】
前記棚は、前記フレームを利用して固定される、
請求項3に記載の収納システム。
【請求項5】
前記フレームの一部にパネル形状のスピーカが固定されている、
請求項3に記載の収納システム。
【請求項6】
前記表示手段または前記スピーカが、開き戸として機能するように構成されている、
請求項5に記載の収納システム。
【請求項7】
前記表示手段は、前記撮像装置により取得した画像を左右反転して表示する、
請求項1に記載の収納システム。
【請求項8】
前記撮像装置により取得した画像から、前記収納手段への収納物の収納前後の差分を検出する差分検出手段と、
前記差分検出手段の検出結果を外部に通知する通知手段とを備える、
請求項5に記載の収納システム。
【請求項9】
取り出しモードが指定された場合、前記通知手段は、前記収納前後の差分の有無に基づいて、取り出された収納物の位置を判別して前記表示手段に通知し、前記表示手段は前記取り出された収納物の位置を強調表示する、
請求項8に記載の収納システム。
【請求項10】
返却モードが指定された場合、前記通知手段は、前記収納前後の差分の有無に基づいて、取り出された収納物の位置を判別し、返却先候補を通知する、
請求項8に記載の収納システム。
【請求項11】
返却促進モードが指定された場合、前記通知手段は、前記収納前後の差分の有無に基づいて、取り出された収納物の位置を判別し、前記返却促進モードを開始後に所定時間経過しても前記収納物が返却されないときは、前記取り出された収納物の位置を通知する、
請求項8に記載の収納システム。
【請求項12】
収納可能場所モードが指定された場合、前記差分検出手段は、前記収納手段に収納がない状態と現在の収納状態を比較して収納可能場所の有無を判定し、前記通知手段は、前記差分検出手段の判定結果に基づいて、収納可能場所を通知する、
請求項8に記載の収納システム。
【請求項13】
撮像装置により取得した画像を表示するパネル形状の表示手段と、
前記表示手段の表示面の背面側に設けられ、前記撮像装置により収納状態が撮影される収納手段と、
1以上の矩形の開口部を持ち、前記開口部に前記表示手段を着脱可能に固定するフレームと、
から構成される収納システムを備える
収納付きパネル。
【請求項14】
撮像装置により取得した画像を表示するパネル形状の表示手段と、
前記表示手段の表示面の背面側に設けられ、前記撮像装置により収納状態が撮影される収納手段と、
1以上の矩形の開口部を持ち、前記開口部に前記表示手段を着脱可能に固定するフレームと、
から構成される収納システムを備える収納付きパネルからなる、
壁。
【請求項15】
当該壁が設置される固定側に対して当該壁を回動自在に接続する回動手段を備える、
請求項14に記載の壁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−39292(P2009−39292A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207138(P2007−207138)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】