説明

収納シート用接着テープ

【課題】本発明は、剥離シートが不要で納品書等の書類の添付を効率よく行うことができる収納シート用接着テープを提供することを目的とするものである。
【解決手段】収納シート用接着テープは、テープ体2を巻き付けて構成されており、テープ体2は、シート基体5の一方の面に全面にわたって剥離層7が形成されており、他方の面には接着層6が形成されている。接着層6は、接着領域8と矩形状の非接着領域9が形成されており、テープ体2の幅方向にミシン目からなる切断線3が非接着領域9を横断するように表示されている。そして、切断線3により分離した収納シート片4は、基材表面に貼付した場合接着領域8と切断線3に囲まれた非接着部分が収納スペースとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納シート用接着テープに関し、より詳しくは、帯状のシート体をロール状に巻き付けた収納シート用接着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、包装用に粘着テープが用いられており、いかに効率よく粘着テープを用いて包装を行うか提案がなされており、例えば、特許文献1には、フィルムの一面の長さ方向に沿いその両側縁に粘着剤が塗布されていると共に、幅方向に適宜の間隔を配して粘着剤が塗布されており、フィルムの反対面には剥離剤が塗布されており、かつ、フィルムがロール状に巻き取られている包装用粘着シートが記載されている。
【0003】
また、近年宅配等の流通事業が拡大してきており、その際に梱包箱等に貼付される納品書や配送伝票といった書類をいかに効率よく取り扱うか様々な工夫がなされている。例えば、特許文献2には、一端を開口した袋体の他端に、表示片を連設すると共に、表示片の裏面に接着層と剥離層を、また表示片を折曲したとき表示片と重合する袋体の裏面に剥離層と接着層をそれぞれ対向して設けた納品書類用収納袋が記載されている。また、特許文献3には、企業の納品書と宅配事業者の伝票とを一体化して4葉の宅配便伝票兼現品添付納品書とし、その印刷入力がコンピュータにより効率的に処理できるような記入欄を各葉に配置した現品添付納品書が記載されている。
【特許文献1】特開平3−149276号公報
【特許文献2】実開平7−44334号公報
【特許文献3】特開2002−225463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
梱包箱等に納品書を添付する場合、特許文献3に記載されているように、裏面の剥離シートを剥がして粘着部を梱包箱の表面に接着させて添付するのが一般的であるが、剥離シートが大量に廃棄物として出ることから、近年の環境問題への関心の高まりとともに問題視されるようになってきている。そのため、特許文献2に記載されているように、剥離紙を不要にした添付方法も考えられているが、納品書を袋に収納する作業に手間がかかり、効率よく納品書を添付することができない。
【0005】
また、特許文献1には、剥離シートが不要な包装用粘着シートが記載されているが、生花や野菜を包装するためのものであり、梱包箱等の物品に納品書等の書類を添付するためのものではない。
【0006】
そこで、本発明は、剥離シートが不要で納品書等の書類の添付を効率よく行うことができる収納シート用接着テープを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る収納シート用接着テープは、一方の面側には剥離剤が付与されていると共に他方の面側には接着剤が付与されている帯状のシート体をロール状に巻き付けた収納シート用接着テープであって、前記シート体の他方の面側には接着領域と該接着領域に囲まれた非接着領域が形成されているとともにいずれかの面側には所定形状の収納シート片に分離するための切断線が非接着領域を横断するように表示されており、前記接着領域及び前記切断線に囲まれた前記非接着領域部分は、基材表面に前記収納シート片を貼着した際に形成される収納スペースに対応した形状とされていることを特徴とする。さらに、前記切断線は、ミシン目を入れて表示されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る物品は、上記の収納シート用接着テープから前記切断線に基づいて分離された収納シート片が表面に貼着された物品であって、前記切断線が開口部となり、前記非接着領域部分と表面との間に収納スペースが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記のような構成を有することで、シート体の他方の面側には接着領域と該接着領域に囲まれた非接着領域が形成されているとともにいずれかの面側には所定形状の収納シート片に分離するための切断線が非接着領域を横断するように表示されており、接着領域及び切断線に囲まれた非接着領域部分が基材表面に収納シート片を貼着した際に形成される収納スペースに対応した形状とされているので、同様の収納シート片を連続して容易に形成することができる。そして、分離した収納シート片は、基材表面に貼付するだけで納品書等の書類の収納スペースが形成され、その収納スペースに納品書等の書類を挿入するだけで書類の添付作業が完了することから、書類の添付作業を格段に効率化できる収納シート用接着テープである。また、切断線に基づいて切断位置が容易に認識できることから、収納シート片を収納シート用接着テープから簡単に分離でき、作業がより効率化できる。そして、一方の面側には剥離剤が付与されていると共に他方の面側には接着剤が付与されている帯状のシート体をロール状に巻き付けることにより、剥離紙を使用する必要がなくなり、基材表面への貼着の際に廃棄物が出ることがなく、環境問題が生じることがない。
【0010】
また、切断線をミシン目を入れて表示すれば、ハサミ等の道具を使うことなく手で簡単に切断して、収納シート片を収納シート用接着テープから分離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態である収納シート用接着テープに関する外観図であり、収納シート用接着テープ1は、長尺状のテープ体2がロール状に巻き取られて構成されている。テープ体2には、所定間隔ごとにミシン目が入れられて切断線3が表示されており、切断線3により分離されると、収納シート片4となる。
【0013】
図2は、テープ体2の接着剤が付与されている側の面を示す図(図2(a))及びそのA−A断面図(図2(b))を示している。テープ体2は、シート基体5の一方の面側には、全面に剥離剤が塗布された剥離層7が形成されており、他方の面側には、接着層6が形成されている。接着層6は、接着剤が塗布された接着領域8(ハッチングされた部分)と接着剤が塗布されていない非接着領域9とが形成されており、この例では、矩形状の非接着領域9が所定の間隔でテープ体2の中央部に形成されている。そして、切断線3は、非接着領域9を横断するように設けられており、切断線3の位置は、非接着領域9の中心から大きく上方にずれて設定されている。そして、収納シート片4を物品の表面に貼付した場合に、切断線3及び接着領域8により囲まれた非接着部分の面積が大きい方を収納スペースとして使用する。
【0014】
ここで、接着層6で使用する接着剤としては、ゴム系やアクリル系等の公知の接着剤を用いることができ、特に限定されない。また、剥離層7で使用する剥離剤としては、長鎖アルキル基ポリマーやフッ素ポリマー、シリコン樹脂等の公知の剥離剤を用いることができる。また、シート基体5としては、セロハンやポリプロピレン等の透明フィルムや紙を用いることができる。透明フィルムを用いると、収納した書類が外部から容易に確認できるようになるが、紙を用いる場合は、表面への印刷や筆記が容易になるとともに、リサイクル上好ましい。また、この例では、切断線3としてミシン目で表示しているが、予めシート基体にラインを印刷して表示するようにしてもよい。
【0015】
図3は、ダンボール箱等の物品10の表面に対し分離された収納シート片4を貼付する場合の斜視図である。収納シート片4の非接着部分の面積の大きい方を上にして接着層6側を物品10の表面の貼付部分11に押し当てて固定する。図4は、図3のB−B断面図を示している。収納シート片4の接着領域は、上方の切断分離された部分を除いて両側縁及び下端部に形成されているため、シート基体5と貼付部分11との間にポケット状の収納スペース12が形成される。そして、収納スペース12は上方が開口しているため、簡単に納品書等の書類13を挿入することができる。また、シート基体5は、ピンと張った状態で貼付されるため、挿入された書類13は、シート基体5及び貼付部分11との間に挟持されて簡単に飛び出ることはない。また、収納シート片4の下端に非接着部分の面積の小さいほうが形成されているが、収納シート片4を分離する際や貼付する際にこの非接着部分を把持することで、手に接着層が付着することを防止できる。
【0016】
添付される物品としては、上述したダンボールような梱包箱以外に梱包のための袋でもよい。また、納品書を添付する製品自体でもよい。
【0017】
図5は、切断線3の表示位置に関する変形例を示している。図5(a)では、テープ体2の幅方向に切断線3を表示するとともに表示位置を幅方向に接着領域が形成されている部分に設定している。そして、テープ体2の長手方向の中心にも切断線3を表示している。このように切断線3を表示することで、収納シート片4が幅方向に2つずつ取ることができる。また、図5(b)では、切断線3の表示位置を非接着領域9の中心を通る位置と幅方向の接着領域の中心を通る位置の2箇所の設定している。このように切断線3を表示すれば、1つの非接着領域で2つの収納シート片を取ることができる。
【0018】
図1は、収納シート用接着テープの製造方法に関する工程を示す概略図である。長尺状で紙製のシート基体20は、供給ロール21から連続して給送されて、巻き取りロール22に巻き取られるようになっており、供給ロール21から引き出されたシート基体20の下面には、接着剤塗布装置30により接着剤が塗布されてヒータ31により乾燥することで接着層が形成される。接着剤塗布装置30の塗布ローラには、非接着領域を形成するために、表面に窪みを設けておく。次に、シート基体20の上面に、剥離剤塗布装置32により全面に剥離剤が塗布されヒータ33で乾燥することで剥離層が形成される。さらに、シート基体20の上面に、印刷装置34により印刷が行われヒータ35で乾燥することで、例えば「納品書在中」といった表示がなされる。その後、ミシン機36によりミシン目が入れられて切断線が表示されるようになる。こうして加工されたシート基体を巻き取りロール22に巻き取って、所定の幅に切断することで収納シート用接着テープを製造することができる。なお、接着剤塗布装置30、剥離剤塗布装置32及び印刷装置4の順序は、適宜変更してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る実施形態に関する概略斜視図である。
【図2】テープ体の接着面側の図及び断面図である。
【図3】物品に収納シート片を貼付する場合を示す斜視図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】切断線の表示位置に関する変形例を示す図である。
【図6】収納シート用接着テープの製造工程を示す概略図である。
【符号の説明】
【0020】
1 収納シート用接着テープ
2 テープ体
3 切断線
4 収納シート片
5 シート基体
6 接着層
7 剥離層
8 接着領域
9 非接着領域
10 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面側には剥離剤が付与されていると共に他方の面側には接着剤が付与されている帯状のシート体をロール状に巻き付けた収納シート用接着テープであって、前記シート体の他方の面側には接着領域と該接着領域に囲まれた非接着領域が形成されているとともにいずれかの面側には所定形状の収納シート片に分離するための切断線が非接着領域を横断するように表示されており、前記接着領域及び前記切断線に囲まれた前記非接着領域部分は、基材表面に前記収納シート片を貼着した際に形成される収納スペースに対応した形状とされていることを特徴とする収納シート用接着テープ。
【請求項2】
前記切断線は、ミシン目を入れて表示されていることを特徴とする請求項1に記載の収納シート用接着テープ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の収納シート用接着テープから前記切断線に基づいて分離された収納シート片が表面に貼着された物品であって、前記切断線が開口部となり、前記非接着領域部分と表面との間に収納スペースが形成されていることを特徴とする物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−16572(P2006−16572A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198247(P2004−198247)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(591109049)岡本レース株式会社 (6)
【Fターム(参考)】