説明

収納具

【課題】コスト削減を可能とする比較的単純な構成であって、且つ、比較的単純な構成でありながら十分な冷却効果等を発揮することができる収納具を提供する。
【解決手段】本発明の収納具は、外枠に第1の通気孔を備え且つ第1の小部屋と前記第1の小部屋に連続的に配置された第2の小部屋とを形成する筐体と、第2の通気孔を備え且つ前記第1の小部屋に挿入される第1の引出しと、第3の通気孔を備え且つ前記第2の小部屋に挿入される第2の引出しと、を有し、前記第1の引出しと前記第2の引出しが前記挿入されることで煙突状空間が形成され、前記煙突状空間により、前記第1の通気孔、前記第2の通気孔及び前記第3の通気孔を介して流れる流体の流量が実質的に同じとなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段の棚と引き出しを備えた収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
使用により発熱する電子機器等の発熱体を多数収納するための収納具(例えば、キャビネットやラック)においては、収納した発熱体を収納具の内部で冷却するための工夫がこれまでなされてきた。
例えば、多段の棚のそれぞれの棚に電子機器を並べ、収納具の一端に取り付けた冷却装置によりこれら全ての電子機器を冷却する構成(特許文献1又は2参照)や、多段の棚のそれぞれに対応して配置される複数の引出し状の電子機器のユニット自体に放熱ファンを取り付けて各電子機器を対応する放熱ファンでそれぞれ冷却する構成(特許文献3参照)の収納具が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−23036号公報
【特許文献2】特開2010−114128号公報
【特許文献3】特開2006−40918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示の収納具は、上記一端に配置された冷却装置からの冷風を各電子機器へ誘導するために複雑な機構を要するので製造が煩雑となる。また、特許文献2に開示の収納具は、特許文献1に開示の収納具と異なり、上記誘導する機構を備えていないので、各棚によって互い遮られている各電子機器のそれぞれへ流れ込む冷風の流量が異なり、結果として各電子機器の冷却を十分に行うことができなかった。
さらに、特許文献3に開示の収納具は、上記複数のユニット自体にそれぞれ放熱ファンを取り付けるのでコストがかさみ、安価での製造が容易でなかった。
本発明は、かかる事情に鑑み成されたものであって、コスト削減を可能とする比較的単純な構成であって、且つ、比較的単純な構成でありながら十分に温度調整することができる、例えば冷却効果を発揮することができる収納具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の収納具は、外枠に第1の通気孔を備え且つ第1の小部屋と前記第1の小部屋に連続的に配置された第2の小部屋とを形成する筐体と、第2の通気孔を備え且つ前記第1の小部屋に挿入される第1の引出しと、第3の通気孔を備え且つ前記第2の小部屋に挿入される第2の引出しと、を有し、前記第1の引出しと前記第2の引出しが前記挿入されることで煙突状空間が形成され、前記煙突状空間により、前記第1の通気孔、前記第2の通気孔及び前記第3の通気孔を介して流れる流体の流量が実質的に同じとなることを特徴とする。
【0006】
これにより、筐体と第1及び第2の引出しとで形成される比較的単純な構成の煙突状空間を流れる流体の流量を実質的に同じとすることができるので、各引出しに内容物を収容した場合に、当該同一流量の流体を各引出しの内容物に接触させることができ、結果として、各内容物を実質的に均等に効率良く温度調整、例えば冷却することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コスト削減を可能とする比較的単純な構成であって、且つ、比較的単純な構成でありながら十分に温度調整することができる、例えば冷却効果を発揮することができる収納具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態の収納具の模式図(斜視図)である。
【図2】図1の収納具の筐体(すべての引出しを取り除いた状態の収納具)を示す模式図(斜視図)である。
【図3】図1の収納具の引出しを示す模式図(斜視図)である。
【図4】図4(a)は図1の収納具にファンを取り付けた変形例を示す模式図(斜視図)であり、図4(b)は引出しのコネクタと対応するコネクタを背板に配置した変形例を示す模式図(斜視図)である。
【図5】図1の収納具を複数配置したコンテナを示す模式図である。
【図6】第2実施形態の収納具を示す模式図(斜視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に実施形態を示す本発明の収納具は、筐体の複数の小部屋にそれぞれ配置される引出しに収納される内容物を、後述の煙突状空間を作り出すことによってそれぞれ実質的に均等に温度調整する、例えば冷却することを特徴としている。以下、図面を参照しながら詳述する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の収納具1の構成を示す模式図である。また、図2は、図1の収納具1の筐体2のみを示す模式図であり、図3は、図1の収納具1の引出し3およびその中に配置される内容物17の一例を示す模式図である。なお、以下に示す図に座標系が示されている場合には、それらはいずれも同一の直交座標系である。
【0011】
本実施形態の収納具1は、−X方向に開口した直方体状の小部屋を高さ方向(Z軸方向)に4つ且つ幅方向(Y軸方向)に3つ配置した筐体2、すなわち4行×3列の行列として整然と配置された実質的に同一寸法の複数の小部屋を備えた筐体2と、当該小部屋のそれぞれに配置され且つ当該小部屋の開口から+X方向に挿入されて当該開口を閉じる直方体状の引出し3とを備えている。
【0012】
筐体2は、上記複数の小部屋を形成すべく、所定の厚みを備え且つYZ平面から見て略長方形の形状の背板4と、所定の厚みを備え且つXY平面から見て略長方形の形状であって且つ背板4のY方向に延びる2つの辺のうち+Z方向側の位置に存在する一辺に接続された天板5(なお、天板5には、天板5が接する3つの上記小部屋に対応する位置に、それぞれ後述の通気孔9と同様の形状・構造の通気孔10が形成されている)と、所定の厚みを備え且つXZ平面から見て略長方形の形状であって且つ背板4のZ方向に延びる2つの辺のうち+Y方向側の位置に存在する一辺と天板5のX方向に延びる2つの辺のうち+Y方向側の位置に存在する一辺とに接続された側板6aと、所定の厚みを備え且つXZ平面から見て略長方形の形状であって且つ背板4のZ方向に延びる2つの辺のうち−Y方向側の位置に存在する一辺と天板5のX方向に延びる2つの辺のうち−Y方向側の位置に存在する一辺とに接続された側板6bとを備える。また、これら背板4、天板5、及び2つの側板6(側板6a又は6b)が互いに接続された構成(筐体2の外枠という)の内側の空間を4×3の行列状に仕切って12の上記小部屋を形成するため、次に述べる第1仕切板7と第2仕切板8とを備える。
【0013】
第1仕切板7は、上記小部屋の底板又は天板となるものであり、所定の厚みを備え且つXY平面から見て略長方形の形状である。図2に示すように、第1仕切板7には、上記小部屋のそれぞれの通気を促進するため、第1仕切板7を貫通する通気孔9が形成されている。ここでは、通気孔9は、XY平面から見て略長方形の形状の孔として例示している。
また、第2仕切板8は、上記小部屋の側板となるものであり、所定の厚みを備え且つXZ平面から見て略長方形の形状である。
これら第1仕切板7又は第2仕切板8が互いに、又は、第1仕切板7又は第2仕切板8が背板4、天板5又は側板6に固定されて、筐体2が形成される。当該固定は、後述の引出し3を筐体2に挿入・配置した際に、筐体2がしっかりと引出し3を支えることができればよいので、これら板同士を例えば組み木のように物理的に嵌め合わせて固定してもよいし、これら板同士をネジ止め等で固定してもよい。
なお、上記各小部屋においては、通気孔9による上下方向(Z方向)及び上記開口以外には、空気等の流体の流れる隙間が実質的には存在しない構造となるよう、上記固定がなされる。また、Z方向で最下段の小部屋の通気孔9には筐体2の外部から空気等の流体が自由に入り込むことができるよう筐体2は適宜設計されている。
【0014】
図2では、第1仕切板7は、1つの行を形成する3つの上記小部屋で共通の1枚の板として示されている(従って、各小部屋に対応して通気孔9がそれぞれ形成されている)。しかしながら、設計に応じて、上記小部屋1つに1枚配置して上記固定する構成としてもよい。
同様に、第2仕切板8は、側板6と同様、1つの列を形成する4つの上記小部屋で共通の1枚の板として構成してもよいし、図2に示すように各小部屋の高さ方向(Z方向)の寸法に分断された構成であってもよい。図2では、4行×3列の行列として配置された複数の小部屋を備えた筐体2であるため第2仕切板8が必要となるが、例えば、設計に応じて、4行×1列の行列として配置された複数の小部屋を備えた筐体とする場合には、2つの側板6のみで当該小部屋の高さ方向の仕切りは可能であるため、第2仕切板8を配置する必要はない。
すなわち、第1仕切板7と第2仕切板8の大きさは、必ずしも1つの上記小部屋の寸法に合わせる必要はなく、設計に応じて適宜変更可能である。ただし、第1仕切板7が、複数の上記小部屋にまたがる1つの板として形成される場合には、これら複数の小部屋のそれぞれの床板となる箇所に、通気孔9が形成される(すなわち、1つの第1仕切板7にそのまたがる小部屋の数に応じた数の通気孔9が形成される)。
【0015】
なお、上記小部屋は、上記開口を除き、背板4、側板6又は第2仕切板8、及び第1仕切板7で囲まれた現実的な小部屋であるが、第1仕切板7で引出し3を支える構成としない場合もありうる。すなわち、筐体2において第1仕切板7が配置される位置の側板6又は第2仕切板8に、第1仕切板7の代わりに引出し3を支えるための突起やレール等が適宜配置されればよい。この場合には、列方向(Z方向)を見た際には現実的には小部屋は形成されていない。しかし、依然として引出し3が挿入・配置される区画が明確に存在するので、当該区画を仮想的な小部屋として説明を続けることとする。すなわち、本発明はこの形状の収納具も包含するものであるので、現実的な小部屋も仮想的な小部屋もいずれも小部屋とし、筐体2は複数の小部屋を形成しているとして以下、説明を続行することとする。
【0016】
引出し3は、所定の厚みを備え且つXY平面から見て上記小部屋のXY平面上の寸法と実質的に同一の略長方形の形状であって且つ引出し3を上記小部屋に挿入・配置した際に通気孔9に対応する位置に設けられた通気孔9と実質的に同一寸法の貫通した孔である通気孔12を備えた底板11と、所定の厚みを備え且つYZ平面から見て上記開口の寸法と実質的に同一の略長方形の形状であって且つ底板11のY方向に延びる2つの辺のうち−X方向側の位置に存在する一辺に接続された前板13とを備えている。前板13には取っ手14が取り付けられており、筐体2の上記小部屋の1つに挿入・配置された後、ユーザーが取っ手14を持って引出し3をX方向へスライドさせることができる。また、引出し3を上記小部屋へ挿入・配置すると、前板13が上記開口をふさいで上記小部屋の内部と上記開口との間に空気等の流体の流れる隙間が実質的には存在しない構造となるよう設計される。
図3に示す引出し3では、その強度を増すために、所定の厚みを備え且つYZ平面から見て上記開口の寸法と実質的に同一の略長方形の形状であって且つ底板11のY方向に延びる2つの辺のうち+X方向側の位置に存在する一辺に接続された後板15と、所定の厚みを備え且つXZ平面から見て略長方形の形状であって且つ前板13のZ方向に延びる2つの辺のうち+Y方向側の位置に存在する一辺と後板15のZ方向に延びる2つの辺のうち+Y方向側の位置に存在する一辺とに接続された側板16aと、所定の厚みを備え且つXZ平面から見て略長方形の形状であって且つ前板13のZ方向に延びる2つの辺のうち−Y方向側の位置に存在する一辺と後板15のZ方向に延びる2つの辺のうち−Y方向側の位置に存在する一辺とに接続された側板16bとがさらに備えられている。これら引出し用の側板16(16a又は16b)は、引出し3を配置された上記小部屋から引き出した際に、内容物17の落下を防止する機能も有するものであり、それぞれ板である必要はなく、前板13と後板15をつなぐ棒状の連結部材であってもよい。
【0017】
以上の収納具1において、筐体2の材質は、引出し3を支える強度を有するものであればいかようなものでもよく、金属のみならず木や樹脂などであってもよい。また、引出し3の材質も、引出し3の内部に配置する内容物17をしっかり支える強度を有するものであればいかようなものでもよく、金属のみならず木や樹脂などであってもよい。
引出し3のスライドを容易とするために、筐体2又は引出し3にガイドレールやローラー等を適宜設けてもよい。
なお、内容物17を引出し3の内部へ収容・配置した際、底板11を貫通して形成された通気孔12を内容物17でふさがないよう配慮する必要がある。内容物17の構造上、そのまま内容物17を引出し3へ収容したのでは通気孔12をふさいでしまい、引出し3内部に引出し3外部からの空気等の流体の流れが実質的になくなってしまう場合には、通気孔12から引出し3内へ入る当該流体の流れる隙間を確保すべく、内容物17を底板11から一定距離だけ浮かせて支える台18を適宜配置又は当該台18を底板11に一体に形成する。図3では、底板11の通気孔12の四隅近傍にそれぞれ4つの台18を設け、内容物17をこの4つの台18の上に乗せて収容しているので、通気孔12から入る上記流体は少なくともこれら4つの台18の間を通って内容物17の周囲から上方へ、又は、当該周囲から通気孔12の外へ流れることができる。
【0018】
以上の収納具1によれば、引出し3をしっかり筐体2に挿入して上記開口を閉めることで、引出し3の通気孔12を介して実質的に収納具1の各列に配置される複数の小部屋のみを貫通して空気等の流体が天板5の通気孔10から流れ出る流路又はその逆の流路を形成することができる。すなわち、当該各列のそれぞれの列を1つの煙突に見立てた空間(煙突状空間という)とすることができる。従って、内容物17が電子機器、例えば電池モジュール等の発熱体であり且つ収納具1が大気中に配置された場合に、発熱により温まった空気は上方(+Z方向)へ向かうことから、列の下方の小部屋から上方の小部屋へ、さらに天板5の通気孔10へ抜ける流体の流れが自然に発生する。この際、1つの列に配置される各小部屋を流れる流体の流量は、1つの列が煙突状空間であるためいずれも同一となる。従って、当該煙突状空間の下部から入り込む低温の流体を効果的に当該各小部屋の内容物17に接触させ、十分に熱交換させることができる。このため、結果として当該各小部屋に配置される内容物17の冷却効果を向上させることができる。
また、各列間の熱伝導を防止するために、第2仕切板8を断熱性の材質とすれば、各列ごとの熱分布を均等化させることができる。従って、収納具1の各小部屋に同一構成の電池モジュール等を配置して1つの電池システムとして取り扱う場合には、その制御や補修を容易とすることができる。
【0019】
図4(a)に、内容物17が発熱体である場合にその冷却効果をさらに向上させる第1変形例を示す。ここでは、上記各列の最下段の小部屋の通気孔9の下に、それぞれ送風機19を配置している。当該送風機を各列に配置した以外は、第1実施形態の収納具1と同一であるので、重複する説明を省略する。当該送風機19で各列へ送風することにより、強制的に流体の流れを作ることができ、上記煙突状空間を形成する1つの列に配置される複数の内容物17のいずれにも同一の流量の気体を接触させて流すことができるので、これらいずれの内容物17も実質的に均等に冷却することができる。
なお、当該送風機を吸気ダクトに、また天板5の通気孔10を排気ダクトに接続し、空気以外の冷却効果ガス等を上記流体として流す構成としてもよい。また、送風機19を各列の最上段に配置してもよいし、最下段と最上段の両方に配置してもよい。設計によっては、当該送風機を排気ダクトに、また天板5の通気孔10を吸気ダクトに接続してもよい。
さらに、図4(b)に、内容物17が電気機器、例えば電池モジュールである場合に、その電源線又は信号線を引出し3から筐体2の外部に存在する図示しない外部電源線又は外部信号線と容易に接続することができる第2変形例を示す。ここでは、図3の引出し3の後板15に第1コネクタ20を設置し(第1コネクタ20と内容物17とは引出し3内部で配線により適宜接続されている)、また、筐体2の背板4の上記各小部屋に対応する位置に第2コネクタ21をそれぞれ設置し(図示しないが、第2コネクタ21と上記外部電源線又は外部信号線とは適宜接続されている)、引出し3を対応する小部屋に挿入して押圧すると自動的に第1コネクタ20と第2コネクタ21が互いに嵌めあって接続される構成である。これらコネクタ21及び21を配置した以外は、第1実施形態の収納具1と同一であるので、重複する説明を省略する。
これら変形例も第1実施形態と同様の効果を奏することができるのみならず、各々の変形例で述べた特有の効果を奏することもできる。
【0020】
なお、第1実施形態または上記変形例の収納具の各小部屋に同一構成の電池モジュール等を配置して1つの電池システムとして取り扱う場合には、例えば図5に示すようにコンテナ22に当該収納具を用いた電池システムを複数並べて配置すれば、図示しないトレーラー等にて移送を容易にすることができ、従って、当該電池システムを必要とする場所において迅速に稼動させることができるという効果ももたらすことができる。
【0021】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の収納具100の構成を示す模式図である。第2実施形態の収納具100は、各列を上記煙突状空間とした第1実施形態とは異なり、各行を上記煙突状空間とした点で異なる。具体的には、第1実施形態の第1変形例の筐体を上記開口の向く方向を軸として回転させ横倒しにし、この横倒しにした筐体に引出し3´を挿入した構成となる。
この引出し3´には、底板11に通気孔12が形成された図3の引出し3とは異なり、引出し3の側板16a、16bに相当する2つの側板にそれぞれ通気孔が形成されている。各行を上記煙突状空間とするためである。
これらの相違点以外は、第1実施形態の第1変形例の収納具と同一であるので、重複する説明を省略する。
第2実施形態においては、上記第1変形例の収納具と異なり、内容物17が発熱体であっても同じ行に配置される複数の内容物17を冷却するための自然な流体の流れは形成されないが、各行に配置される送風機19で強制的に流体の流れを作ることができ、上記煙突状空間を形成する1つの行に配置される複数の内容物17のいずれにも同一の流量の気体を接触させて流すことができるので、これらいずれの内容物17も実質的に均等に冷却することができる。すなわち、第1実施形態よりも送風機19のパワーが大きい場合に上記第1変形例の収納具と同様の効果をもたらすことができる。
【0022】
以上のとおり、上記実施形態および変形例の収納具によれば、筐体の複数の小部屋にそれぞれ配置される引出しに収納される内容物を、上記煙突状空間を作り出すことによってそれぞれ実質的に均等に温度調整、例えば実質的に均等に冷却することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限りで種々の変形が可能である。
例えば、各通風孔の形状は、上記煙突状空間を作り出し且つ内容物の温度調整、例えば冷却を効果的に行うことができるものであれば、略長方形に限らず、円形、三角形等いかような形状でもよい。また、複数の同一形状又は複数の異なる形状をモザイク状に組み合わせた形状としてもよい。
また、以上の実施形態および変形例の収納具では、内容物17に発熱体を例示したため、温度調整として冷却を例に挙げた。しかし、当該収納具を内蔵したコンテナ等の配置される環境が例えば寒冷地である場合などは、内容物17を所定温度に暖める必要のある場合がある。この場合には、コンテナに空調機(暖房機)を配置して、暖めた空気等の流体を吹き出す構成とすれば、当該収納具の上記煙突状空間により、各内容物17を実質的に均等に効率良く所定温度に暖めることができる。すなわち、ここで述べた温度調整とは、冷房・冷却のみならず、暖房・加温・乾燥等の概念を含むものである。
【符号の説明】
【0023】
1(100)・・・収納具、2・・・筐体、3(3´)・・・引出し、4・・・背板、5・・・天板、
6(6a、6b)・・・側板、7・・・第1仕切板、8・・・第2仕切板、
9・・・通気孔、10・・・通気孔、11・・・引出し用底板、12・・・引出し用通気孔、
13・・・引出し用前板、14・・・取っ手、15・・・引出し用後板、
16(16a、16b)・・・引出し用側板、17・・・内容物、18・・・台、
19・・送風機(ファン)、20・・第1コネクタ、21・・第2コネクタ、22・・コンテナ、





【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠に第1の通気孔を備え且つ第1の小部屋と前記第1の小部屋に連続的に配置された第2の小部屋とを形成する筐体と、
第2の通気孔を備え且つ前記第1の小部屋に挿入される第1の引出しと、
第3の通気孔を備え且つ前記第2の小部屋に挿入される第2の引出しと、
を有し、
前記第1の引出しと前記第2の引出しが前記挿入されることで煙突状空間が形成され、前記煙突状空間により、前記第1の通気孔、前記第2の通気孔及び前記第3の通気孔を介して流れる流体の流量が実質的に同じとなることを特徴とする収納具。
【請求項2】
前記筐体は、前記第1の通気孔が形成された天板と、前記天板と接続された背板と、前記天板と前記背板とを挟んで接続された2つの側板と、前記第1の小部屋と前記第2の小部屋を仕切り且つ第4の通気孔が形成された仕切板とをさらに備え、
前記煙突状空間は、前記第1の通気孔、前記第2の通気孔、前記第3の通気孔及び前記前記第4の通気孔を介して形成されることを特徴とする請求項1に記載の収納具。
【請求項3】
前記第2の小部屋は前記第1の小部屋の上方に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収納具。
【請求項4】
前記筐体は送風機をさらに備え、
前記煙突状空間に強制的に前記流体を流すことを特徴とする請求項3に記載の収納具。
【請求項5】
前記第1の引出しに収容される電子機器をさらに有し、
前記第1の引出しは、前記電子機器に配線された第1のコネクタを備えた後板をさらに備え、
前記背板は、前記第1のコネクタに対応する第2のコネクタを備え、
前記第1の引出しが前記第1の小部屋に挿入されることで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが自動的に接続されることを特徴とする請求項4に記載の収納具。
【請求項6】
前記流体は、空気であることを特徴とする請求項5に記載の収納具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−114301(P2012−114301A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263029(P2010−263029)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】