説明

収納庫

【課題】 レール部材を好適(簡単)に設置可能にすることで、コストの低減および生産性の向上を図ることが可能な収納庫を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる代表的な収納庫114の構成は、収納庫114の壁面114aに設置される樹脂製のレール部材134を備え、その壁面114aに係合孔(ダルマ孔150a〜150e)を設け、そのレール部材134の背面に係合孔を貫通するように突出する係止突起142a〜142eを設け、この係止突起142a〜142eに、レール部材134を壁面114aに沿ってずらすことにより係合孔の縁と噛み合う後退部148を設定したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出を備える収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭等において、システムキッチンが広く普及している。システムキッチンには、調理器具や調理材料、食器などを収納しておくために、多くの収納スペースが設定されている。例えば、通常、天板(ワークトップ)の下には引出や開き戸が設けられる。近年では収納される物品をある程度想定して、引出の大きさや仕切りの形状を工夫することにより、使い勝手の向上が図られている。
【0003】
システムキッチンの使い勝手のさらなる向上のために、本件出願人は、システムキッチンに備えられる収納庫の引出内部に物品を収納可能な収納部(載置部材)を設け、引出の開け閉めに伴いこの収納部を昇降させる構造について提案した(特許文献1参照)。
【0004】
詳細には、特許文献1では間接的に収納部に長尺形状のアームの一端(前端)を連結し、アームの他端(後端)にプーリを連結する。また、収納庫の壁面に、プーリを案内する樹脂製のレール部材を設置する。このレール部材には、収納庫の後方から前方に向かって上昇する傾斜を有するレールが設定される。これにより、引出を引き出す際には、かかるレールの傾斜をプーリが昇ることにより収納部が上昇し、引出を押し込む際には、かかるレールの傾斜をプーリが降ることにより収納部が下降するように構築している。
【0005】
なお、システムキッチンに備えられる収納庫としては、顧客の幅広いニーズに応えるために、木製のものやステンレス等からなる金属製のものなど各種ラインナップが取り揃えられている。各種ラインナップのうち、金属製の収納庫は、高級感や耐久性の高さにおいて人気があり、最近の主流となりつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−201062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1のように引出内部の収納部を昇降させる場合、収納庫の壁面に樹脂等で形成される略板状のレール部材を設置する必要がある。ここで、収納庫の壁面が木製の場合、単にネジを打てば取り付けることが可能である。しかし、収納庫の壁面がステンレス製である場合、一般に1ミリ以下の薄板で構成されるため、ネジが効かないという問題がある。従来通りの発想でこれに対処する場合、ネジを打つ位置に裏当ての芯材を配置することが考えられる。
【0008】
レール部材の形状や設置手法によって、製造現場での製造工程数が変わりコストや生産性に影響を及ぼす。そのため、レール部材を最適に設置可能な技術が望まれている。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、レール部材を好適(簡単)に設置可能にすることで、コストの低減および生産性の向上を図ることが可能な収納庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、引出をスライド自在に収納可能なステンレス製の収納庫であって、引出内に配置され内部に物品を収納可能な収納部と、収納部から引出の後方に延びるアームと、アームの後端近傍に取り付けられたプーリと、当該収納庫の壁面に設置されプーリを案内する樹脂製のレール部材とを備え、壁面には係合孔を設け、レール部材の背面には係合孔を貫通するように突出する係止突起を設け、係止突起の側面に、レール部材を壁面に沿ってずらすことにより係合孔の縁と噛み合う後退部を設定したことを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、収納庫の壁面に係合孔を設け、レール部材の背面に係止突起を設け、係止突起に係合孔の縁と噛み合う後退部を設定したので、レール部材をワンタッチで仮留めすることができる。あとはズレないように小数のネジで固定すれば、設置を完了することができる。すなわち、係合孔と後退部の噛み合いにより、レール部材が壁面から外れないようにネジ止めする箇所を最小限に抑えられる。よって、製造現場での製造工程数を抑えることができ、コストの低減および生産性の向上が可能となる。
【0012】
上記係合孔は幅の広い幅広部と幅の狭い幅狭部が連続したダルマ孔形状であって、上記後退部が幅狭部の縁と噛み合うとよい。これにより、係合孔としてのダルマ孔(幅狭部)の縁に好適に後退部を噛み合わせることができ、互いをより強固に連結可能となる。
【0013】
上記係止突起は、上記レール部材の基部に対して三方向で分離していて、片持ち形状になっているとよい。すなわち、係止突起はレール部材の基部と一方向のみでつながっているとよい。これにより、係止突起が撓みやすくなるため、円滑に、幅広部に挿入した係止突起を幅狭部へスライドさせ幅狭部に噛み合わせることができる。
【0014】
上記後退部は、上記レール部材の基部の前面から背面を超えるまで陥没し且つ上記係止突起の側面に開口する陥没孔によって形成されているとよい。換言すれば、レール部材を射出成形する可動金型または固定金型の一方に、上記陥没孔を形成するかのようにこの陥没孔に対応した形状(突起)を付与することで、上記後退部が形成されるとよい。これにより、中子を用いることなく後退部を形成し、可動金型および固定金型(主型)のみでレール部材を射出成形することができるので、コストの低減および生産性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、レール部材を好適(簡単)に設置可能にすることで、コストの低減および生産性の向上を図ることが可能な収納庫を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態にかかる収納庫を備えるシステムキッチンを示す図である。
【図2】収納庫の天板を省いた図である。
【図3】収納部の昇降について説明する図である。
【図4】レール部材の背面を示す図である。
【図5】レール部材の係止突起を示す図である。
【図6】レール部材の係止突起の射出成形について説明する図である。
【図7】収納庫の壁面の係合孔にレール部材の係止突起を嵌める図である。
【図8】収納庫の壁面にレール部材を締結する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態にかかる収納庫110、112、114を備えるシステムキッチン100を示す図である。なお、図中の矢印FRは前方、矢印LHは左方、矢印RHは右方を示すものとする。
【0019】
図1に示すように、システムキッチン100は、一枚の天板102(ワークトップ)を使用して、コンロ104や調理スペース106、シンク108を一体的に設けたものである。ここでは、システムキッチン100は、コンロキャビネットと称される収納庫110、ベースキャビネットと称される収納庫112、シンクキャビネットと称される収納庫114を備えている。
【0020】
各収納庫110〜114は、腐食に強く、美観(高級観)が得られるステンレスで形成される。各収納庫110〜114には、それぞれ、複数の引出120(図中、代表して1つに符号を付す)がスライド自在に収納される。
【0021】
図2は、収納庫114の天板を省いた図である。図3は、収納部122a、122bの昇降について説明する図である。図3(a)では引出120が閉められた状態を図示しており、図3(b)では引出120が半分くらいまで引き出された状態を図示しており、図3(c)では引出120が完全に引き出された(開けられた)状態を図示している。なお、以下では、収納庫114を例に挙げて説明するが、同様の説明が収納庫110、112にも適用されるものとする。
【0022】
図2に示すように、収納庫114の引出120内部には、収納部122a、122bが配置される。収納部122aは包丁ラックである。収納部122bは上面が開口したポケットであって、お玉、ラップ等の種々の物品を収納可能である。収納部122a、122bは、引出120内部で左右方向に延びる丸棒状の梁124に引っ掛けられる。
【0023】
アーム126は、その前端が梁124の端部近傍に連結されることで、収納部122a、122bに間接的に連結する(収納部122a、122bから引出120の後方に向かってアーム126が延びる)。詳細には、アーム126は、軸126aによって回動可能に連結されている。したがって、アーム126を回動させることにより、収納部122a、122bを上下方向に平行移動させることができる。アーム126の後端近傍には、図3(a)〜(c)に示すように3つのプーリ(上プーリ128、下プーリ130、中央プーリ132)が連結される。
【0024】
収納庫114の壁面114aには、レール部材134が設置される。レール部材134は、上プーリ128を案内する上レール136と、下プーリ130を案内する下レール138と、中央プーリ132を案内する中央レール140とを含む。ここでは、上レール136は略水平に延びる。下レール138は、その両端は略水平であるが、中央付近では収納庫114の後方から前方に向かって若干下方に膨らんでいる(以下、この部分を「膨出部138a」と称する)。中央レール140は、その両端は略水平であるが、中央付近では収納庫114の後方から前方に向かって下降するように傾斜している(以下、この部分を「傾斜部140a」と称する)。
【0025】
図3(a)に示す状態から、引出120を引き出しはじめると、引出120の前板120aに間接的にアーム126の前端が連結されているため、上プーリ128が上レール136を、下プーリ130が下レール138を、中央プーリ132が中央レール140を前方へと走行する。図3(b)に示すように、下プーリ130や中央プーリ132が膨出部138aや傾斜部140aにさしかかって下方に案内されると、アーム126が矢印R1の方向に回動してその前端が上昇し、収納部122a、122bが上昇する。図3(c)に示すように、引出120が完全に引き出された状態に到るまでに、アーム126がさらに矢印R1の方向に回動して、ユーザが収納部122a、122b内部に物品を出し入れしやすい高さまで収納部122a、122bが上昇する。
【0026】
引出120を押し込む際には、上記と逆の動作によって収納部122a、122bが下降する。すなわち、図3(c)に示す状態から、図3(b)に示す状態になり、最終的に図3(a)に示す状態に戻って、引出120が閉じられる。上記により、ユーザが引出120を引き出す動作または押し込む動作に対応して収納部122a、122bを昇降させることができるので、使い勝手の向上を図ることができる。
【0027】
なお、本実施形態では理解を容易にするために、アーム126やプーリ(上プーリ128、下プーリ130、中央プーリ132)、レール部材134、収納庫114の壁面114a等に関しては、図中代表して右方のみに符号を付して説明を行っているが、収納庫114は左右対称の構成であり、これらは左右両側にそれぞれ備えられるものとする。
【0028】
図4は、レール部材134の背面134bを示す図である。図4に示すように、レール部材134には、その背面134bより外側(収納庫114の壁面114a)に向かって突出する係止突起142a〜142e、およびネジ孔144a〜144cが設けられる。係止突起142a〜142eは同様の構成を有するため、以下代表して係止突起142cについて説明する。
【0029】
図5は、レール部材134の係止突起142cを示す図である。図5(a)が係止突起142cを矢印A1方向から見た図であり、図5(b)が係止突起142cを矢印B1方向から見た図であり、図5(c)が係止突起142cを矢印C1方向から見た図であり、図5(d)が係止突起142cを矢印D1方向(レール部材134の前面134a)から見た図である。
【0030】
図5(a)〜(d)に示すように、係止突起142cは円状の頭部146の根元側に(側面に)、周囲が後退した後退部148を備えている。係止突起142cの頭部146の根元を取り囲むようにC字形状に陥没孔Z1があり(図5(d)参照)、係止突起142cはレール部材134の基部に対して三方向で分離している。すなわち、係止突起142cは、前後上下方向のうち、一方向のみでつながっており、他の三方向ではつながっておらず、片持ち形状になっている。これより、係止突起142cは、ある程度撓みやすく形成される。
【0031】
係止突起142cの頭部146の根元側の面には、縁の厚みが薄く、後退部148(レール部材134の基部への連結側)に向かって厚みが厚くなるように(前方から後方に向かって厚みが厚くなるように)傾斜するスライド補助部146aが設定される(図5(c)参照)。
【0032】
本実施形態では、収納庫114を昇降させるためにレール部材134に膨出部138aおよび傾斜部140aを設定し、さらにレール部材134に係止突起142cを設定している。このような単純ではない形状は、アルミ押出成形等では製造しづらいため、樹脂成形(射出成形)で製造される。すなわち、ここでのレール部材134は樹脂製である。レール部材134が樹脂製であっても、引出120本体をスライドさせるレール部材ほど大きな負担が加わる訳ではないので、耐久性に支障はない。また、レール部材134を樹脂製とすることで、コストを抑えることができる利点もある。
【0033】
図6は、レール部材134の係止突起142cの射出成形について説明する図である。図6(a)では図5(c)のE−E断面を図示し、図6(b)では図6(a)のE−E断面に対応するようにレール部材134の係止突起142eの射出成形に関して模式的に図示する。
【0034】
図6(a)、(b)に示すように、陥没孔Z1はレール部材134の基部の前面134aから背面134bを超えるまで陥没していて、陥没孔Z1によって後退部148が形成されている。すなわち、レール部材134を射出成形する可動金型200に、断面形状が陥没孔Z1であって、レール部材134の背面134bを超える高さの突起200aを設けることにより、後退部148を形成することができる。
【0035】
これより、可動金型200および固定金型202(主型)のみで中子を用いることなく、レール部材134(後退部148)を射出成形することができる。したがって、コストの低減および生産性の向上を図ることができる。なお、可動金型200ではなく、固定金型202に突起200aと同様の形状を設けて後退部148を形成してもよい。
【0036】
図7は、収納庫114の壁面114aの係合孔にレール部材134の係止突起142a〜142eを嵌める図である。図7(a)では壁面114aの係合孔およびレール部材134の係止突起142a〜142e全体を図示しており、図7(b)〜図7(d)では、1つの係合孔(ダルマ孔150c)および係止突起142cを例に挙げてこれらの噛み合いを図示している。
【0037】
図7(a)に示すように、収納庫114の壁面114aには、係合孔としてのダルマ孔150a〜150eが設けられている。このダルマ孔150a〜150eには、上記説明したレール部材134の係止突起142a〜142eが嵌められる。
【0038】
詳細には、図7(b)〜(d)にてダルマ孔150cおよび係止突起142cを例示して示すように、ダルマ孔150cは幅の広い幅広部152と幅の狭い幅狭部154が連続したダルマ孔形状であり、係止突起142cはまずその頭部146が幅広部152に挿入される。そして、レール部材134を壁面114aに沿って後方へとずらすことにより、係止突起142cの頭部146が幅狭部154へとスライドして、後退部148が幅狭部154の縁と噛み合う。これにより、互いを強固に連結することができ、壁面114aからレール部材134が外れる(後退部148の噛み合いが外れる)おそれを低減できる。
【0039】
上記より、本実施形態によれば、収納庫114の壁面114aにレール部材134をワンタッチで仮留めことができる。特に、上記したように、係止突起142cがレール部材134の基部に対して一方向のみでつながっていて撓みやすく構成されており、且つ頭部146の根元側の面にスライド補助部146aが設定されているため、円滑にスライドさせ互いを噛み合わせることができる。
【0040】
図8は、収納庫114の壁面114aにレール部材134を締結する図である。図8(a)では収納庫114を内側から見た場合を図示しており、図8(b)では収納庫114を外側から見た場合を図示している。図8(a)、(b)に示すように、収納庫114の壁面114aのダルマ孔150a〜150eにレール部材134の係止突起142a〜142eが嵌められると、これらがネジ156a〜156cにより締結される。これによりレール部材134がずれることがなくなり、設置が完了する。
【0041】
収納庫114の壁面114aをステンレスで形成する場合には、その壁面114aの厚みがある程度なければ、壁面114aにネジ156a〜156cを締結する際に損傷(めくれやたわみ等)するおそれがある。そのため、ここでは、ネジ156a〜156cを受けるネジ受けプレート158を外側の壁面114aに設置して、壁面114aの厚みの低減化と損傷の防止の両立を図っている。
【0042】
上記のように、本実施形態ではダルマ孔150a〜150eに係止突起142a〜142eを嵌めて、互いを仮留めおよび位置決めしているため、ネジ止めする箇所を最小限に抑えられる。具体例としては、レール部材134の3箇所のネジ孔144a〜144cにネジ156a〜156cを挿入して締結するだけでよい。
【0043】
ここで、レール部材134には、その上部に一直線上にネジ孔144a〜144cおよび係止突起142aが設定され、その下部に一直線上に係止突起142b〜142eが設定される。このように、上部のみ(または下部のみ)にネジ孔144a〜144cを設定すれば、ネジ受けプレート158を1本で済ませることが可能となる。また、上部に設けられるダルマ孔150aの幅広部と幅狭部とが前後方向(非上下方向)に並ぶように設定することで、ネジ受けプレート158の上下幅を抑えることができる。
【0044】
以上、上述した構成によれば、製造現場での製造工程数を抑えつつ、簡単に収納庫114の壁面114aにレール部材134を設置可能である。これにより、コストの低減および生産性の向上の効果を奏する。
【0045】
なお、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、収納庫114の壁面114aに設けられる係合孔は上記ダルマ孔150a〜150eに限られず、壁面114aを貫通してあいているものであればよい。ダルマ孔150a〜150eの幅広部と幅狭部の隣接方向は上記実施形態に限定されず、上下方向であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、引出を備える収納庫として利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
100…システムキッチン、102…天板、104…コンロ、106…調理スペース、108…シンク、110、112、114…収納庫、114a…壁面、120…引出、120a…前板、122a、122b…収納部、124…梁、126…アーム、126a…軸、128…上プーリ、130…下プーリ、132…中央プーリ、134…レール部材、134a…前面、134b…背面、136…上レール、138…下レール、138a…膨出部、140…中央レール、140a…傾斜部、142a〜142e…係止突起、144a〜144c…ネジ孔、146…頭部、146a…スライド補助部、148…後退部、150a〜150e…ダルマ孔(係合孔)、152…幅広部、154…幅狭部、156a〜156c…ネジ、158…ネジ受けプレート、200…可動金型、200a…突起、202…固定金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出をスライド自在に収納可能なステンレス製の収納庫であって、
前記引出内に配置され内部に物品を収納可能な収納部と、
前記収納部から前記引出の後方に延びるアームと、
前記アームの後端近傍に取り付けられたプーリと、
当該収納庫の壁面に設置され前記プーリを案内する樹脂製のレール部材とを備え、
前記壁面には係合孔を設け、
前記レール部材の背面には、前記係合孔を貫通するように突出する係止突起を設け、
前記係止突起の側面に、前記レール部材を前記壁面に沿ってずらすことにより前記係合孔の縁と噛み合う後退部を設定したことを特徴とする収納庫。
【請求項2】
前記係合孔は幅の広い幅広部と幅の狭い幅狭部が連続したダルマ孔形状であって、前記後退部が該幅狭部の縁と噛み合うことを特徴とする請求項1に記載の収納庫。
【請求項3】
前記係止突起は、前記レール部材の基部に対して三方向で分離していて、片持ち形状になっていることを特徴とする請求項2に記載の収納庫。
【請求項4】
前記後退部が、前記レール部材の基部の前面から背面を超えるまで陥没し且つ前記係止突起の側面に開口する陥没孔によって形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の収納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−157392(P2012−157392A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17235(P2011−17235)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【出願人】(390013321)株式会社ダイドー (30)
【Fターム(参考)】