説明

収納棚

【課題】棚板に載置した二次電池などの重量物であっても収納物を安定的に支持された状態で取り出すことが可能な収納棚を提供する。
【解決手段】所定の間隔をあけて複数並設して使用される収納棚10(11)であって、収納物1が載置される棚板12と、棚板12を案内して水平方向T3外側に引出可能に支持するスライドガイド13と、所定の間隔をあけて隣り合う収納棚11(10)の片方から水平方向T3に引き出された棚板12b(12a)の引出方向先端12c側に支持可能な支持構造15を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納物を収納する収納棚に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、二次電池によって電源を構成する場合、複数の二次電池によって組電池を構成する。風力発電や定置型の各種設備の電源として用いる場合などには、数十個の単位で組電池を構成する場合がある。このような場合、複数の二次電池は、収納棚に配列して収納され、互いにバスバーや電線によって接続されることで組電池を構成している。そして、必要なメンテナンスや交換を実施する場合には、作業者が収納棚前面から収納されている二次電池にアクセスするようにしている。
【0003】
ところで、上記二次電池のような収納物を収納するための収納棚としては、収納物をスライド可能に支持するスライド装置を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のような収納棚においては、収納棚内にスライド装置としてスライド可能なバーが搭載されており、当該バー上に収納物が配置されている。このため、バーをスライドさせることで、バー上の収納物を収納棚の内部から外部へと引き出すことが可能であり、収納物に対して外部へ引き出された状態でアクセスすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−167550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような収納棚では、収納物をスライド装置によってスライドさせて外部へと引き出した状態では、収納物が片持ち状に支持されることとなる。このため、二次電池などの重量物を収納物として収納した場合には、安定的に支持することが困難であった。また、安定的に支持しようとすれば、スライド装置の構成が大掛かりなものとなってしまう問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、簡易な構成で、棚板に載置した二次電池などの重量物であっても収納物を安定的に支持された状態で取り出すことが可能な収納棚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の収納棚は、所定の間隔をあけて複数並設して使用される収納棚であって、収納物が載置される棚板と、前記棚板を案内して水平方向外側に引出可能に支持するスライドガイドと、所定の間隔をあけて隣り合う収納棚の片方から水平方向に引き出された前記棚板の引出方向先端側に支持可能な支持構造を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明においては、二次電池などの重量物である収納物が棚板に載置されている場合であっても、棚板を引き出すことによって収納物を容易に収納棚の外側に取り出すことが可能になる。一方、収納物が載置された棚板を単に引き出した場合には、引き出した棚板がその引出方向基端側のみで支持された片持ち状態になり不安定になる。しかしながら、本発明においては、所定の間隔をあけて隣り合う収納棚の片方から引き出した棚板の引出方向先端側を支持する支持構造を備えているため、収納棚から棚板を引き出して相手方の収納棚に架け渡すように配設した状態で、引き出した棚板を両端支持で支持することができる。これにより、重量物が収納物として棚板に載置されている場合であっても、引き出した棚板を安定して支持することが可能になる。また、上記のとおり、隣り合う収納棚の片方との間で棚板を両端支持により安定的に支持することが可能であるが故に、一端で棚板をスライド可能に支持するスライドガイドの構造、収納物を直接支持する棚板の構造を簡易なものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の収納棚によれば、簡易な構成で、棚板に載置した二次電池などの重量物であっても収納物を安定的に支持された状態で取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る収納棚を示す平面図であり、コンテナ内に設けられて電池を収納した状態を示す図である。
【図2】図1のX1−X1線矢視図であり、本発明の一実施形態に係る収納棚を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る収納棚から棚板を引き出した状態を示す平面図である。
【図4】図3のX1−X1線矢視図であり、本発明の一実施形態に係る収納棚から棚板を引き出した状態を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る収納棚の支持構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る収納棚から棚板を引き出し、一方の収納棚と他方の収納棚に架け渡した状態を示す平面図である。
【図7】図6のX1−X1線矢視図であり、本発明の一実施形態に係る収納棚から棚板を引き出し、一方の収納棚と他方の収納棚に架け渡した状態を示す側面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る収納棚から引き出した棚板の先端側を支持構造で支持する状態を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る収納棚から引き出した棚板の先端側を支持構造で支持する状態を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る収納棚の係止機構を備えた支持構造を示す断面図であり、収納棚から引き出した棚板の先端側を支持構造で支持する状態を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る収納棚のスライド部材に備えた支持構造を示す平面図であり、収納棚からスライド部材を引き出して一方の収納棚と他方の収納棚に架け渡し、スライド部材に案内させて棚板を引き出す状態を示す平面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る収納棚の支持構造の変形例を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る収納棚の支持構造の他の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1から図9を参照し、本発明の一実施形態に係る収納棚について説明する。図1は、複数の電池で構成されるとともに移動可能な電池ユニット100を示している。図1に示すように、電池ユニット100は、箱状のコンテナ2と、コンテナ2の内部に配置された対をなす収納棚10、11と、収納棚10、11に収納された収納物である複数の電池1とを備える。電池1は、特に限定されないが、例えば二次電池や燃料電池である。
【0012】
一対の収納棚10、11は、コンテナ2の長手方向に沿って、且つ互いの間に間隔をあけるようにして並設されている。一対の収納棚10、11の間隔は人が通行する可能な幅を有しており通路5を構成している。
【0013】
収納棚10、11は、図1及び図2に示すように、コンテナ2の床面に固定されたフレーム14(14a、14b)と、上下方向T1に所定の間隔をあけて多段状に取り付けられた複数の棚板12(12a、12b)と、棚板12をフレーム14に対してスライド可能に支持するスライドガイド13とを備える。各段には、棚板12が収納棚10、11の長手方向となる水平方向T2に沿って複数設けられている。
【0014】
また、スライドガイド13は、収納棚10、11の奥行き方向となる水平方向T3に延設されており、各棚板12に対応して対をなして設けられている。そして、各棚板12は、両側端が対応するスライドガイド13によって水平方向T3にスライド可能に支持されている。そして、各棚板12は、図3及び図4に示すように、スライドガイド13に案内されて収納棚10、11から通路5側にスライド移動可能(収納棚10、11から水平方向T3外側に引出可能)である。
【0015】
このように構成した本実施形態の収納棚10、11には、図1から図4に示すように、電池1が、各棚板12に水平方向T2に沿って2基ずつ配列するようにして載置されている。また、各棚板12に載置された電池1同士は、板状のバスバー(不図示)によって電気的に接続されている。また、異なる棚板12に載置された電池1同士は、例えば螺旋状に形成した伸縮自在なケーブル(不図示)によって電気的に接続されている。このようにして複数の電池1は、直列または並列に接続され、全体として組電池を構成している。
【0016】
そして、本実施形態の収納棚10、11においては、図3及び図4に示すように、棚板12をスライドガイド13に案内させて通路5側に引き出すことにより、棚板12に載置された電池1を収納棚10、11から外側に、すなわち通路5上となる位置まで取り出すことができる。なお、このとき、ケーブルが伸縮自在に形成されているため、異なる棚板12同士の電池1の相対位置が変化しても、ケーブルを取り外すことなく各棚板12に載置された電池1を収納棚10、11から外側に取り出すことが可能である。
【0017】
ここで、棚板12に載置された複数の電池1が重量物であるため、単に棚板1をスライドさせて通路5に引き出した片持ち状態では、棚板12が不安定になり、電池1の交換や定期的メンテナンスなどを好適に行うことができないおそれがある。
【0018】
これに対し、本実施形態の収納棚10、11においては、通路5を挟んで並設された一対の収納棚10、11の同一水平面上に設けられ、互いに対向する棚板12a、12b同士の先端12c側に支持構造15が設けられている。
【0019】
この支持構造15は、所定の間隔をあけて隣り合う一方の収納棚10(11)の棚板12a(12b)を水平方向T3外側に引き出して他方の収納棚11(10)に架け渡すように配設した状態で、引き出した棚板12a(12b)の引出方向T3先端12c側を棚板12b(12a)側に支持するためのものである。
【0020】
そして、本実施形態の支持構造15は、図5に示すように、一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)の棚板12a、12bの引出方向T3先端12c側に形成された係合凸部(第1係合凸部16、第2係合凸部19)と係合凹部(第1係合凹部17、第2係合凹部18)によって構成されている。
【0021】
より具体的に、本実施形態において、一方の収納棚10(11)の棚板12a(12b)の支持構造15は、幅方向となる水平方向T2両側にそれぞれ設けられて先端12cから引出方向T3外側に突出する第1係合凸部16と、両側の第1係合凸部16の間の中央部に設けられて先端12cから基端側に凹む第1係合凹部17とを備えている。また、他方の収納棚11(10)の棚板12b(12a)は、幅方向となる水平方向T2両側にそれぞれ設けられて先端12cから基端側に凹む第2係合凹部18と、両側の第2係合凹部18の間の中央部に設けられて先端12cから引出方向T3外側に突出する第2係合凸部19とを備えている。ここで、一方の収納棚10(11)の第1係合凸部16と、他方の収納棚11(10)の第2係合凹部18とが対応していて、互いに係合可能な形状とされている。また、一方の収納棚10(11)の第1係合凹部17と、他方の収納棚11(10)の第2係合凸部19とが対応していて、互いに係合可能な形状とされている。
【0022】
また、本実施形態では、第1係合凸部16と第2係合凸部19がそれぞれ、棚板12a、12bの引出方向T3外側に向かうに従い漸次その厚さが大となるように形成されている。これにより、第1係合凸部16と第2係合凸部19はそれぞれ、対応する第2係合凹部18または第1係合凹部17と係合する係合面として、棚板12a、12bの厚さ方向内側を向く面が引出方向T3外側に向かうに従い漸次厚さ方向外側に傾斜する傾斜面20を有している。
【0023】
また、第1係合凹部17と第2係合凹部18はそれぞれ、対応する第2係合凸部19または第1係合凸部16と係合する係合面として、棚板12a、12bの先端12cから基端側に向かうに従い漸次厚さ方向側に向けて傾斜する傾斜面21を有している。
【0024】
上記構成からなる支持構造15を備えた本実施形態の収納棚10、11においては、電池1の交換や定期的メンテナンスなどを行う際に、図6及び図7に示すように、一方の収納棚10(11)から棚板12a(12b)をスライドガイド13によってスライドさせて通路5に引き出し、他方の収納棚11(10)に架け渡すように配設する。
【0025】
そして、このように交換や定期的メンテナンスなどを行う電池1が載置された一方の収納棚10(11)の棚板12a(12b)を他方の収納棚11(10)に架け渡すように引き出すと、図8(図5参照)に示すように、一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)の同一水平面上に設けられた棚板同士12a、12bの係合凸部と係合凹部(第1係合凸部16と第2係合凹部18、第1係合凹部17と第2係合凸部19)が係合し、上下方向の相対移動が規制される。これにより、引き出した棚板12a(12b)は、基端側が一方の収納棚10(11)のスライドガイド13に、先端12c側が他方の収納棚11(10)の棚板12b(12a)にそれぞれ支持され、両端支持の状態で一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)の間に架け渡される。よって、重量物の電池1を載置した棚板12a(12b)を通路5上に引き出した際に、安定した状態で棚板12a(12b)が保持され、電池1の交換や定期的メンテナンスなどが好適に行える。
【0026】
一方、載置された電池1が重量物であるため、図9に示すように、棚板12を引き出して支持構造15で先端12c側を支持させるまでの間、棚板12が片持ち状態になって、棚板12自体が撓んで先端12c側が下方に変位し、あるいは、スライドガイド13と棚板12との間に存在する隙間分だけ先端12c側が下方に変位するおそれがある。
【0027】
これに対し、本実施形態では、支持構造15の第1係合凸部16、第1係合凹部17、第2係合凸部19、第2係合凹部18が傾斜面20、21を有している。このため、図9に示すように、互いに対応する第1係合凸部16と第2係合凹部18の傾斜面20、21、第1係合凹部17と第2係合凸部19の傾斜面20、21が当接した後に、さらに棚板12a(12b)を引き出して進出させると、これら傾斜面20、21同士で案内し合うことになる。このため、棚板12a(12b)の先端12c側が下方に変位したとしても、当該変位した先端12cを上方へと案内することで、係合凸部と係合凹部とが互いに係合した状態となる。これにより、一方の収納棚10(11)の棚板12a(12b)と他方の収納棚11(10)の棚板12b(12a)の先端12c側同士が確実に係合し、引き出した棚板12a(12b)が安定した状態で支持されることになる。
【0028】
したがって、本実施形態の収納棚10、11においては、二次電池などの重量物が棚板12a、12bに載置されている場合であっても、棚板12a、12bを引き出すことによって重量物を容易に収納棚10、11の外側に取り出すことが可能になる。
【0029】
また、一方の収納棚10(11)から引き出した棚板12a(12b)の先端12c側には、棚板12a(12b)の先端12c側を支持する支持構造15が具備されているため、一方の収納棚10(11)から棚板12a(12b)を引き出して他方の収納棚11(10)に架け渡すように配設して、引き出した棚板12a(12b)を両端支持の状態で支持することができる。これにより、重量物が棚板12a、12bに載置されている場合であっても、引き出した棚板12a、12bを安定して支持することが可能になる。また、収納棚10、11の間で棚板12a(12b)を両端支持により安定的に支持することが可能であるが故に、基端で棚板12a(12b)をスライド可能に支持するスライドガイド13の構造、収納物を直接支持する棚板12a(12b)の構造を簡易なものとすることができる。
【0030】
さらに、支持構造15が一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)の棚板12a(12b)の先端12c側に形成された係合凸部16、19と係合凹部17、18で構成されていることにより、一方の収納棚10(11)から棚板12a(12b)を引き出して他方の収納棚11(10)に架け渡すように配設するとともに、一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)の対向する棚板12a、12b同士の係合凸部16、19と係合凹部17、18を係合させて、引き出した棚板12a、12bを両端支持の状態で支持することができる。これにより、重量物が棚板12a、12bに載置されている場合であっても、引き出した棚板12a、12bを確実に安定して支持することが可能になる。
【0031】
さらに、引き出した棚板12a、12bを同一水平面上に案内して係合凸部16、19と係合凹部17、18を係合させる傾斜面20、21が係合凸部16、19と係合凹部17、18に設けられているため、引き出した棚板12a、12bの先端12c側が重量物の重みなどによって下方に変位した場合であっても、一方の収納棚10(11)から棚板12a(12b)を引き出して他方の収納棚11(10)に架け渡すように配設するとともに、確実に傾斜面20、21で案内して係合凸部16、19と係合凹部17、18を係合させることが可能になる。
【0032】
これにより、コンテナ2内に設置され、多数の電池1を棚板12a、12bに載置して使用した場合において、電池1に劣化や故障が発生したり、電池1の定期的なメンテナンスを行う際に、棚板12a、12bを引き出して一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)の間に架け渡し、安定した状態で容易に電池1に対してアクセスすることができる。よって、電池1の交換作業やメンテナンス作業に迅速且つ柔軟に対応することが可能になる。
【0033】
以上、本発明に係る収納棚の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0034】
例えば、支持構造15として、収納棚10(11)に、相手側の収納棚11(10)の棚板12a、12bの先端12c側を係止する係止機構22を備えるようにしてもよい。係止機構22は、例えば、図10に示すように、一方の収納棚10(11)の棚板12a(12b)の先端12cに設けられ、先端12cから基端側に向けて凹む係止孔22aと、他方の収納棚11(10)の棚板12b(12a)の先端12cに、先端12cから外側に向けて付勢され、出没可能に設けられた係止ピン22bとを備えている。
【0035】
このような係止機構22を備えた場合には、一方の収納棚10(11)から引き出した棚板12a(12b)の先端12c側を他方の収納棚11(10)の棚板12b(12a)の先端12c側に係合させる際に、引き出した棚板12a(12b)の先端12cが係止機構22の係止ピン22bを押圧して他方の収納棚11(10)の棚板12b(12a)の内部に押し込む。そして、第1係合凸部16と第2係合凹部18の傾斜面20、21同士、第1係合凹部17と第2係合凸部19の傾斜面20、21同士が案内し合って棚板12a(12b)が所定位置に配設されると、係止ピン22bと係止孔22aの位置が合わされ、係止ピン22bが係止孔22aに挿入される。これにより、引き出した棚板12a(12b)の先端12cは、相手方の収納棚11(10)に係止され下方への移動が規制される。このため、棚板12a(12b)を安定した状態で支持することが可能となる。また、図10の例では、係合凸部16、19と係合凹部17、18との係合による支持と、係止機構22による支持とを併用していることで、棚板12a(12b)をより安定した状態で支持することが可能になる。
【0036】
また、図11に示すように、棚板12(12a、12b)を、収納物である電池1を載置する棚本体30(30a、30b)と、棚本体30(30a、30b)をスライド可能に支持するとともに、スライドガイド13にスライド可能に支持されたスライドレール31(31a、31b)とで構成するものとしても良い。スライドレール31は、スライドガイド13に対して水平方向T3に相対的にスライド移動可能であるとともに、棚本体30に対しても水平方向T3に相対的にスライド移動可能となっている。そして、このような構成において、支持構造15をスライドレール31の先端に設けるようにしても良い。
【0037】
この場合には、図11に示すように、一方の収納棚10(11)から、スライドレール31を先行して引き出し、一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)に架け渡すように配設する。そして、引き出したスライドレール31の先端側を他方の収納棚11(10)のスライドレール31の先端側に係合させる。このようにしてスライドレール31の基端側を一方の収納棚10(11)に、先端側を他方の収納棚11(10)に支持させて両端支持の状態にした段階で、引き出したスライドレール31に案内させて一方の収納棚10(11)から棚本体30を引き出す。
【0038】
これにより、本実施形態と同様、電池1などの重量物が棚板12a、12bに載置されている場合であっても、スライドレール31を引き出して両端支持の状態にすることができ、この状態のスライドレール31に案内させて棚本体30を引き出すことで重量物を容易に収納棚10、11の外側に取り出すことが可能になる。
【0039】
また、この場合には、電池1の荷重を直接支持する棚本体30に先行して、スライドレール31のみが引き出されて一方の収納棚10(11)と他方の収納棚11(10)との間に掛け渡されて支持された状態になる。すなわち、作業者は、まず電池1の荷重を受けることなくスライドレール31を両収納棚10、11に掛け渡すことができる。そして、この状態で棚本体30を引き出すことで、棚本体30が両収納棚10、11に掛け渡されて両端支持されたスライドレール31上をスライドすることになり、作業者は、電池1の荷重を負担することなく、棚本体30をより安定的に、かつより容易に通路5上に引き出すことができる。なお、スライドレールは、相対的にスライド移動可能な複数のレール部材によって構成されていて、相対移動させることで伸縮可能な構成としても良い。
【0040】
さらに、本実施形態では、支持構造15の係合凸部16、19と係合凹部17、18が傾斜面20、21を備えるものとしたが、これに限定しなくてもよい。例えば図12のように一方の棚板12aが第1係合凸部40及び第2係合凹部41を有し、他方の棚板12bが、対応して第2係合凹部42及び第2係合凸部43を備えるものとしても良い。第1係合凸部40及び第2係合凸部43は、それぞれ係合面として鉛直下方を向く面40a、43aを有している。また、第1係合凹部41及び第2係合凹部42は、それぞれ係合面として鉛直上方を向く面41a、42aを有している。そして、一方の棚板12aの第1係合凸部40の面40aと、他方の棚板12bの第2係合凹部42の面42aとが当接することで互いに係合し、上下方向への相対移動を規制している。また、一方の棚板12aの第1係合凹部41の面41aと、他方の棚板12bの第2係合凸部43の面43aとが当接することで互いに係合し、上下方向への相対移動を規制している。支持構造15が、傾斜面を有しない構成としても係合凸部と係合凹部との係合によって上下方向への相対移動を規制し、棚板12を両端支持によって安定的に支持することができる。
【0041】
また、支持構造15を構成する係合凸部及び係合凹部はいずれも、対応する収納棚10、11の棚板12に設けられるものとしたが、これに限るものではない。少なくとも係合凸部または係合凹部の少なくとも一方が、棚板12の先端12cに設けられていれば、他方については例えばフレーム14上に設けられていて、フレーム14によって棚板12の先端12cを支持するようにしても良い。
【0042】
また、上記実施形態において、支持構造15は、互いに係合可能な係合凸部と係合凹部によって構成されているものとしたが、これに限るものはなく、例えば、係合凸部と係合凹部に代えて、図13に示すように、マグネット45と磁性体からなる被吸着部46によって構成されているものとしても良い。この場合にはマグネット45と被吸着部46とが磁力によって吸着されることにより、棚板12の先端12cが支持されることとなる。なお、磁性体からなる被吸着部46は、鉄などの磁性材料からなるものとしても良いし、マグネットでも良い。また、被吸着部46としては、棚板12やフレーム14などに磁性体からなる別部材を固定する必要はなく、棚板12やフレーム14自体が磁性体からなる場合には、棚板12やフレーム14自体が被吸着部であるものとしても良い。
【0043】
また、本実施形態では、収納棚10、11がコンテナ2内に設けられて二次電池などの電池1の収納に使用されるものとして説明を行ったが、本発明の収納棚は、電池1の収納に限定して使用する必要はなく、勿論、あらゆる物品の収納(載置)、あらゆる場所に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 電池
2 コンテナ
5 通路
10 収納棚
11 収納棚
12、12a、12b 棚板
13 スライドガイド
15 支持構造
16、40 第1係合凸部(係合凸部)
17、41 第1係合凹部(係合凹部)
18、42 第2係合凹部(係合凹部)
19、43 第2係合凸部(係合凸部)
20 傾斜面
21 傾斜面
22 係止機構
22a 係止孔
22b 係止ピン
30 棚本体
31 スライドレール
45 マグネット
46 被吸着部
T1 上下方向
T2 水平方向
T3 水平方向(引出方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔をあけて複数並設して使用される収納棚であって、
収納物が載置される棚板と、
前記棚板を案内して水平方向外側に引出可能に支持するスライドガイドと、
所定の間隔をあけて隣り合う収納棚の片方から水平方向に引き出された前記棚板の引出方向先端側に支持可能な支持構造を備えることを特徴とする収納棚。
【請求項2】
請求項1記載の収納棚において、
前記支持構造は、少なくとも一方が前記棚板の先端側に設けられ、互いに係合することで上下方向の相対移動を規制する係合凸部と係合凹部とを有し、隣り合う収納棚の片方から水平方向に引き出された前記棚板に設けられた前記係合凸部または前記係合凹部の一方が、前記係合凸部または前記係合凹部の他方に係合することで前記棚板を支持可能であることを特徴とする収納棚。
【請求項3】
請求項2記載の収納棚において、
前記係合凸部と前記係合凹部は、前記棚板に設けられた一方が他方に係合する際に、前記棚板に設けられた一方を上方へと案内する傾斜面を有することを特徴とする収納棚。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の収納棚において、
前記支持構造は、少なくとも一方が前記棚板の先端側に設けられ、互いに係合することで上下方向の相対移動を規制する係止孔と係止ピンとからなる係止機構を有することを特徴とする収納棚。
【請求項5】
請求項1記載の収納棚において、
前記支持構造は、少なくとも一方が前記棚板の先端側に設けられ、互いに吸着可能なマグネットと磁性体からなる被吸着部とを有し、隣り合う収納棚の片方から水平方向に引き出された前記棚板に設けられた前記マグネットまたは前記被吸着部の一方が、前記マグネットまたは前記被吸着部の他方に吸着することで前記棚板を支持可能であることを特徴とする収納棚。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の収納棚において、
前記棚板は、前記収納物が載置される棚本体と、
前記スライドガイドに対して水平方向外側に引出可能に支持されるとともに、前記棚本体を水平方向にスライド可能に支持するスライドレールとを有し、
前記支持構造は、前記所定の間隔をあけて隣り合う収納棚の片方に該スライドレールを支持することを特徴とする収納棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−81178(P2012−81178A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231531(P2010−231531)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】