説明

収納箱

【課題】仕切付きになるものでありながら、一つの部材により簡単に組み立てることができる収納箱を提供すること。
【解決手段】サック貼りした1枚のブランクを組み立てて形成される収納箱であって、角筒状をした胴部の上下にそれぞれ上蓋パネル16と下蓋パネルとを有しており、胴部うちの対向する2面における同じ位置にそれぞれ面を横断する状態で屈曲部分13a,13bが設けられ、その屈曲部分には抜き孔13cが形成されており、角筒状の胴部を上下に縮めることにより、屈曲部分13a,13bがそれぞれ内部にV字状に突き出して同じ高さで向かい合う棚板が形成されるとともに、抜き孔13cによって棚板に内容物の側部保持部が形成される。一つの部材により、仕切付きの収納箱を簡単に組み立てることができるので、複数の部材を管理する必要性がなく、梱包作業も簡単に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンプル瓶等の医療用具を始めとしてその他の壊れやすい物品を入れて搬送するための収納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、アンプル瓶や医療用具などの壊れやすい物品を入れて搬送するための収納箱は、搬送中に収納物どうしがぶつかって損傷しないようにするため、発泡スチロールなどの緩衝材を入れたり紙製の中仕切をセットしたりしている。このうち紙製の中仕切は、板状の仕切紙を上側と下側のスリットを利用して交差するように挟み合わせ、収納物どうしの間に挟まれるようにセットしていた。或いは、それ自体が切欠や孔を持った仕切部材を利用することも行われていた。
【特許文献1】実用新案登録第3030871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術で挙げたような仕切付きの収納箱は、発泡スチロール等の緩衝材を用いておらず、全体が紙製であるために環境に優しいという利点はあるが、箱本体とは別部材の中仕切や仕切部材を準備する必要がある。したがって、複数の部材を組み合わせて使用状態とするため、これらの部材の管理が面倒な上、梱包作業にも余計な手間が掛かるという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、仕切付きになるものでありながら、一つの部材により簡単に組み立てることができる収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の収納箱は、サック貼りした1枚のブランクを組み立てて形成される収納箱であって、角筒状をした胴部の上下にそれぞれ上蓋パネルと下蓋パネルとを有しており、胴部のうちの対向する2面における同じ位置にそれぞれ面を横断する状態で屈曲部分が設けられ、その屈曲部分には抜き孔が形成されており、角筒状の胴部を上下に縮めることにより、屈曲部分がそれぞれ内部にV字状に突き出して同じ高さで向かい合う棚板が形成されるとともに、抜き孔によって棚板に内容物の側部保持部が形成されることを特徴としている。
【0006】
この構成からなる収納箱によれば、サック貼りしたブランクを角筒状に起こし、その角筒状の胴部を上下に縮めて固定するだけで、側部保持部のある棚板が形成されるので、仕切付きの収納箱を簡単に組み立てることができる。
【0007】
そして、このような収納箱において、側部保持部が、向かい合った棚板のそれぞれに形成された孔からなる形態にできるし、或いは、向かい合った棚板に形成された切欠からなる形態にもできる。要するに、収納する内容物の形状に合わせてガタツキのないようにすることができる。
【0008】
また、このような収納箱において、抜き孔又は切欠を設けた保持パネルを上蓋パネル又は下蓋パネルのうちの少なくとも一方に対向して設け、この保持パネルを箱内に折り込むことにより、内容物の上部保持部又は下部保持部の少なくとも一方を設けた形態とすることもできる。この構成により、背の高い内容物でも安定して固定することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る収納箱によれば、一つの部材により、仕切付きの収納箱を簡単に組み立てることができるので、複数の部材を管理する必要性がなく、梱包作業も簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係る収納箱の一実施例を蓋を閉じた状態で示す斜視図、図2は図1の収納箱をその中が見えるように上部を透視状態で図示した斜視図、図3は図1の収納箱を形成するブランクの展開図、図4は図3のブランクを組み立てる途中の状態を示す斜視図である。なお、ここでは図面に合わせて収納箱の上下を区別して説明するが、上下が説明とは逆でも構わないものであり、収納箱の上下は使い方によって任意に決めればよいものである。
【0012】
図1及び図2に示す収納箱A1 は、図3に示す1枚のブランクB1 を組み立てて形成される。このブランクB1 は、板紙を打ち抜いたもので、図示のように、折線a,b,c,dを介して、角筒状の胴部を形成するための糊代片11、側面パネル12、前面パネル13、側面パネル14、背面パネル15が順次連設されている。
【0013】
そして、胴部の上下を閉じるため、背面パネル15の上辺には折線eを介して上蓋パネル16が連設され、この上蓋パネル16には折線fを介して差込みフラップ17が連設されており、下辺には折線gを介して下蓋パネル18が連設され、この下蓋パネル18には折線hを介して差込みフラップ19が連設されている。また、側面パネル12の上下辺にはそれぞれ折線i,jを介して折込み片20,21が連設され、側面パネル14の上下片にはそれぞれ折線k,lを介して折込み片22,23が連設されている。
【0014】
ブランクB1 には、糊代片11及び側面パネル12、前面パネル13、側面パネル14、背面パネル15のすべてを横断するようにして中程に3本の折線m,n,oが所定の等間隔で形成されている。さらに、糊代片11及び側面パネル12、前面パネル13、側面パネル14、背面パネル15のすべてを横断するようにして下側寄りのところにジッパー24が形成されている。
【0015】
そして、前面パネル13には、折線m,n,oにより屈曲部分13a,13bが区画されており、それぞれに5個の円形孔13cが一列に形成されている。また、背面パネル15には、折線m,n,oにより屈曲部分15a,15bが区画されており、それぞれに5個の円形孔15cが一列に形成されている。
【0016】
側面パネル12には、折線a,bをそれぞれ底辺とし折線f上における中程の離れた2点をそれぞれ頂点とする向かい合った2つの三角形状の開口12a,12bが形成されることにより、それぞれ折線m,oを下辺とし折線nを共通の上辺とする2つの台形状の折込み片12c,12dが形成されている。そして、折線m上の中程にはスリット12eが形成され、折線o上の中程には折込み片12d側へ突き出た形状の凸片12fが形成されており、凸片12fはスリット12eに嵌入固定が可能な形状になっている。
【0017】
同様に、側面パネル14には、折線c,dをそれぞれ底辺とし折線f上における中程の離れた2点をそれぞれ頂点とする向かい合った2つの三角形状の開口14a,14bが形成されることにより、それぞれ折線m,oを下辺とし折線nを共通の上辺とする2つの台形状の折込み片14c,14dが形成されている。そして、折線m上の中程にはスリット14eが形成され、折線o上の中程には折込み片14d側へ突き出た形状の凸片14fが形成されており、凸片14fはスリット14eに嵌入固定が可能な形状になっている。
【0018】
前面パネル13の屈曲部分13a,13bにおける5個の円形孔13cは、側面パネル12の方に少しだけ寄って設けられており、側面パネル12の折込み片12c,12dには組み立てた時にその端の円形孔13cを避けるためにそれぞれ図示のような円弧が形成されている。同様に、背面パネル15の屈曲部分15a,15bにおける5個の円形孔15cは、側面パネル14の方に少しだけ寄って設けられており、側面パネル14の折込み片14c,14dには組み立てた時にその端の円形孔15cを避けるためにそれぞれ図示のような円弧が形成されている。
【0019】
ブランクB1 における折線m,n,oは、その折曲げやすさを考慮して、前面パネル13と背面パネル15では押し罫の途中に切込み線のあるリード罫で構成されており、側面パネル12,14ではミシン目で構成されており、糊代片11では長い2つの切込みで構成されている。
【0020】
上記のブランクB1 はサック貼りして供給する。すなわち、折線b,dで折り曲げ、糊代片11を背面パネル15の端縁裏側に貼りつけた扁平状態とする。そして、箱詰め工程において、サック貼りしたブランクB1 を角筒状に起こしてから、必要に応じて図4に示す如く上下を閉じる。そして、前面パネル13の屈曲部分13a,13bと背面パネル15の屈曲部分15a,15bが内部にV字状に突き出るように、かつ、側面パネル12の折込み片12c,12dと側面パネル14の折込み片14c,14dも内部にV字状に突き出るようにして、角筒状の胴部を上下方向に縮め、側面パネル12側では凸片12fをスリット12eに、側面パネル14側では凸片14fをスリット14eにそれぞれ差し込んで固定する。確実に固定する場合には、縮めた側面パネル12,14の表面に粘着テープを跨がるように貼付すればよい。
【0021】
これにより、図2に示すように、前面パネル13の屈曲部分13a,13bと背面パネル15の屈曲部分15a,15bにより、同じ高さで向かい合う棚板が形成される。そして、これらの棚板にはそれぞれ円形孔13cと円形孔15cによりそれぞれ内容物の側部保持部が形成される。この収納箱A1 では、図示のように、円形孔13cで形成される側部保持部と円形孔15cで形成される側部保持部とが少しずれるように、また棚板が側面パネル12の折込み片12c,12dと側面パネル14の折込み片14c,14dで補強されるようになっている。
【0022】
この収納箱A1 は、円形孔13cで形成された孔からなる側部保持部と、円形孔15cで形成された孔からなる側部保持部にそれぞれアンプル瓶等の内容物をセットした状態で収納した後、上蓋パネル16を閉じることで箱詰め状態とする。このように内容物を収納することで、安定した状態で搬送することができる。そして、上蓋パネル16を開けて内容物を取り出すことができる。また、ジッパー24を破断除去して上半部を取り除くことで、棚板も同時に除去され、内容物全体を一度に取り出すこともできる。
【0023】
なお、前記したように、この収納箱A1 は、図2に示す向きとは上下を逆にした使い方もできる。この場合、上蓋パネル16と下蓋パネル18がそれぞれ下蓋パネル16と上蓋パネル18になり、ジッパー24は棚板より上方に位置することになる。したがって、上蓋パネル18を開けて内容物を取り出すことができるし、或いは、ジッパー部24を破断除去して上半部を取り除くことで、内容物全体を棚板に嵌まったままで露出した状態にすることができる。
【0024】
図5は図1〜4で説明した包装箱の変形例を中が見えるように上部を透視状態で図示した斜視図であり、図6は図5の収納箱を形成するブランクの展開図である。
【0025】
この収納箱A2 は、図1〜4で説明した包装箱と同様な構成であり、側部保持部の上方に内容物の上部保持部が設けられている点だけが異なっている。
【0026】
したがって、収納箱A2 を形成するブランクB2 は、上部保持部を設けるために、前面パネル13の上辺に折線pを介して所定幅の間隔パネル25を延設し、その間隔パネル25に折線rを介して保持パネル26を連設している。この保持パネル26は胴部にちょうど入るサイズであり、それには側部保持部の孔より径の小さな円形孔26aが側部保持部のそれぞれの孔に対応して設けられている。ここで、間隔パネル25と保持パネル26の境界にある折線rは、折曲げやすさを考慮してリード罫で構成されている。また、保持パネル26のコーナーには保持パネル26を引き出すために指先が入るサイズで円弧状の切欠26bが設けられている。なお、それ以外の構成は図3のブランクB1 と同じであるので、同じ部位には同じ符号を付してある。
【0027】
このブランクB2 もサック貼りして供給され、折り畳まれた状態で箱詰め工程へと供給される。その組立手順は先に説明したブランクB1 の場合と同様であるが、上蓋パネル16に対向して設けた保持パネル26を箱内に折り込むことによって内容物の上部保持部を形成する点だけが異なる。具体的には、側部保持部にそれぞれアンプル瓶等の内容物をセットした状態で収納した後、間隔パネル25を内側に折り曲げつつ保持パネル26を内容物の上部に被せ、個々の内容物の上部がそれぞれ円形孔26aに入るようにして保持パネル26を水平状態にセットする。しかる後に、上蓋パネル16を閉じることで箱詰め状態とする。これにより、収納した内容物は側部と上部の二箇所を把持された状態になるので、より安定した状態で搬送することができる。
【0028】
なお、このブランクB2 から組み立てられる収納箱A2 も、図5に示した向きとは上下を逆にした使い方ができる。この場合、上蓋パネル16と下蓋パネル18がそれぞれ下蓋パネル16と上蓋パネル18になり、ジッパー24は棚板より上方に位置し、保持パネル26は棚板により下方に位置することになる。したがって、内容物は側部と下部の二箇所を把持された状態になる。そして、上蓋パネル18を開けて内容物を取り出すことができるし、或いは、ジッパー部24を破断除去して上半部を取り除くことで、内容物全体を棚板と保持パネル16に嵌まったままで露出した状態にすることができる。
【0029】
このような保持パネルは、上蓋パネル又は下蓋パネルに対向して設け、箱内に折り込むことによって内容物の上部保持部又は下部保持部を形成するが、その位置を棚板の上側か下側にするかは任意である。実際には、用途に応じた使い勝手を考慮して適宜決めればよいものである。また、このような保持パネルを、上蓋パネルと下蓋パネルの双方に対向して設けておき、これらを箱内に折り込むことによって内容物の上部保持部と下部保持部の双方を形成することも可能である。
【0030】
図7は本発明に係る収納箱の別の実施例を蓋を閉じた状態で示す斜視図、図8は図7の収納箱をその中が見えるように上部を透視状態で図示した斜視図、図9は図7の収納箱を形成するブランクの展開図、図10は図9のブランクを組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
【0031】
図7及び図8に示す収納箱A3 は、図9に示す1枚のブランクB3 を組み立てて形成される。このブランクB3 は、板紙を打ち抜いたもので、図示のように、折線a,b,c,dを介して、角筒状の胴部を形成するための糊代片31、側面パネル32、前面パネル33、側面パネル34、背面パネル35が順次連設されている。
【0032】
そして、胴部の上下を閉じるため、背面パネル35の上辺には折線eを介して上蓋パネル36が連設され、この上蓋パネル36には折線fを介して差込みフラップ37が連設されており、下辺には折線gを介して下蓋パネル38が連設され、この下蓋パネル38には折線hを介して差込みフラップ39が連設されている。また、側面パネル32の上下辺にはそれぞれ折線i,jを介して折込み片40,41が連設され、側面パネル34の上下片にはそれぞれ折線k,lを介して折込み片42,43が連設されている。
【0033】
ブランクB3 には、糊代片31及び側面パネル32、前面パネル33、側面パネル34、背面パネル35のすべてを横断するようにして中程に3本の折線m,n,oが所定の等間隔で形成されている。
【0034】
そして、前面パネル33には、折線m,n,oにより屈曲部分33a,33bが区画されており、それらに跨がるようにして5個の切欠33cが一列に形成されている。また、背面パネル35には、折線m,n,oにより屈曲部分35a,35bが区画されており、それぞれに5個の切欠15cが一列に形成されている。
【0035】
また、側面パネル32には、折線a,bと折線m,oとで囲まれる部分に開口が形成されている。そして、折線oのところからはそれを下辺とする台形状の折込み片32aが突き出るように形成されるとともに、その折線o上の中程にはスリット32bが形成され、対向する折線mの中程には開口へ突き出た形状の凸片32cが形成されており、凸片32cはスリット32bに嵌入固定が可能な形状になっている。
【0036】
同様に、側面パネル34にも、折線a,bと折線m,oとで囲まれる部分に開口が形成されている。そして、折線oのところからはそれを下辺とする台形状の折込み片34aが突き出るように形成されるとともに、その折線o上の中程にはスリット34bが形成され、対向する折線mの中程には開口へ突き出た形状の凸片34cが形成されており、凸片34cはスリット34bに嵌入固定が可能な形状になっている。
【0037】
前面パネル33の屈曲部分33a,33bにおける5個の切欠33cは、側面パネル32の方に少しだけ寄って設けられ、背面パネル35の屈曲部分35a,35bにおける5個の切欠35cも、側面パネル34の方に少しだけ寄って設けられており、組み立てた時に切欠33cと切欠35cは同じ位置で向かい合うようになっている。そして、側面パネル32の折込み片32aと側面パネル34の折込み片34aは組立時に折り込んだ時にその端の切欠33c、切欠35cを避けるサイズで形成されている。
【0038】
ブランクB3 における折線m,oは、その折曲げやすさを考慮して、前面パネル33と背面パネル35では押し罫の途中に切込み線のあるリード罫で構成されており、糊代片11では長い2つの切込みで構成されている。また、折線nは途中に切欠33c,35cがあるので、通常の押し罫で形成されている。
【0039】
上記のブランクB3 はサック貼りして供給する。すなわち、折線b,dで折り曲げ、糊代片31を背面パネル35の端縁裏側に貼りつけた扁平状態とする。そして、箱詰め工程において、サック貼りしたブランクB3 を角筒状に起こしてから、必要に応じて図10に示す如く上下を閉じる。そして、前面パネル33の屈曲部分33a,33bと背面パネル35の屈曲部分35a,35bが内部にV字状に突き出るように、かつ、側面パネル32の折込み片32aと側面パネル34の折込み片34aを屈曲部分33b,35bの下側に折り込むようにして、角筒状の胴部を上下方向に縮め、側面パネル32側では凸片32cをスリット32bに、側面パネル34側では凸片34cをスリット34bにそれぞれ差し込んで固定する。確実に固定する場合には、縮めた側面パネル32,24の表面に粘着テープを跨がるように貼付すればよい。
【0040】
これにより、図8に示すように、前面パネル33の屈曲部分33a,33bと背面パネル35の屈曲部分35a,35bにより、同じ高さで向かい合う棚板が形成される。そして、これらの棚板にはそれぞれに向かい合った切欠33cと切欠35cにより内容物の側部保持部が形成される。この収納箱A3 では、図示のように、向かい合った切欠33cと切欠35cとで一つの四角い内容物を保持するようになっている。なお、この例では棚板の高さを箱の中央より少し上方寄りとしているが、棚板の高さは内容物に応じて適宜決めればよいものである。
【0041】
この収納箱A3 は、向かい合った切欠33cと切欠35cで形成された矩形状の孔からなる側部保持部にそれぞれ四角い形状の内容物をセットした状態で収納した後、上蓋パネル36を閉じることで箱詰め状態とする。このように内容物を収納することで、安定した状態で搬送することができる。そして、上蓋パネル36を開けて内容物を取り出すことができる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による収納箱は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0043】
例えば、内容物の上部保持部又は下部保持部となる保持パネルには、図2に示す如き円形孔のような抜き孔を形成するほか、矩形状の切欠を形成してもよい。要は、内容物の形状に合わせた任意の形状としてよいものである。
【0044】
また、内容物の上部保持部又は下部保持部は必要に応じて設ければよいものであり、例えば、図7及び図8に示した収納箱では保持パネルを備えいないが、この収納箱にあっても、保持パネルを上蓋パネル又は下蓋パネルのうちの少なくとも一方に対向して設け、この保持パネルを箱内に折り込むことにより、内容物の上部保持部又は下部保持部のうちの少なくとも一方を設けるようにすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の収納箱は、上記したようなアンプル瓶や医療用具などの壊れやすい物品のみならず、その他の物品を収納する場合にも適用することができる。例えば、一升瓶を始めとして、ジュースやビールなどの瓶類や缶類が挙げられる。この場合、大きくて重量のあるものは、包装箱の素材として段ボールを使用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る収納箱の一実施例を蓋を閉じた状態で示す斜視図である。
【図2】図1の収納箱をその中が見えるように上部を透視状態で図示した斜視図である。
【図3】図1の収納箱を形成するブランクの展開図である。
【図4】図3のブランクを組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
【図5】図1〜4で説明した包装箱の変形例を中が見えるように上部を透視状態で図示した斜視図である。
【図6】図5の収納箱を形成するブランクの展開図である。
【図7】本発明に係る収納箱の別の実施例を蓋を閉じた状態で示す斜視図である。
【図8】図7の収納箱をその中が見えるように上部を透視状態で図示した斜視図である。
【図9】図7の収納箱を形成するブランクの展開図である。
【図10】図9のブランクを組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ,A2 ,A3 収納箱
1 ,B2 ,B3 ブランク
a〜r 折線
11 糊代片
12 側面パネル
12a,12b 開口
12c,12d 折込み片
12e スリット
12f 凸片
13 前面パネル
13a,13b 屈曲部分
13c 円形孔
14 側面パネル
14a,14b 開口
14c,14d 折込み片
14e スリット
14f 凸片
15 背面パネル
15a,15b 屈曲部分
15c 円形孔
16 上蓋パネル
17 差込みフラップ
18 下蓋パネル
19 差込みフラップ
20,21 折込み片
22,23 折込み片
24 ジッパー
25 間隔パネル
26 保持パネル
26a 円形孔
26b 切欠
31 糊代片
32 側面パネル
32a 折込み片
32b スリット
32c 凸片
33 前面パネル
33a,33b 屈曲部分
33c 切欠
34 側面パネル
34a 折込み片
34b スリット
34c 凸片
35 背面パネル
35a,35b 屈曲部分
35c 切欠
36 上蓋パネル
37 差込みフラップ
38 下蓋パネル
39 差込みフラップ
40,41 折込み片
42,43 折込み片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サック貼りした1枚のブランクを組み立てて形成される収納箱であって、角筒状をした胴部の上下にそれぞれ上蓋パネルと下蓋パネルとを有しており、胴部のうちの対向する2面における同じ位置にそれぞれ面を横断する状態で屈曲部分が設けられ、その屈曲部分には抜き孔が形成されており、角筒状の胴部を上下に縮めることにより、屈曲部分がそれぞれ内部にV字状に突き出して同じ高さで向かい合う棚板が形成されるとともに、抜き孔によって棚板に内容物の側部保持部が形成されることを特徴とする収納箱。
【請求項2】
側部保持部が、向かい合った棚板のそれぞれに形成された孔からなることを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
側部保持部が、向かい合った棚板に形成された切欠からなることを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項4】
抜き孔又は切欠を設けた保持パネルを上蓋パネル又は下蓋パネルのうちの少なくとも一方に対向して設け、この保持パネルを箱内に折り込むことにより、内容物の上部保持部又は下部保持部の少なくとも一方を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−179388(P2008−179388A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13508(P2007−13508)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】