説明

収納箱

【課題】折り方を変えることで形体を変更可能とし、別の用途に再利用が可能な収納箱を提供する。
【解決手段】1つのブランクシートを折って組み立てる略直方体の収納箱において、折り方を変えることで、6面を閉塞する第1形体の収納箱1と、上面が開口である第2形体の収納箱1´とに変更自在である収納箱であって、第1形体の収納箱1に備える上面3は開閉自在とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つのブランクシートを折って組み立てる略直方体の収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つのブランクシートを折って組み立てる略直方体の収納箱、例えば、ティッシュペーパーを収納するティッシュカートンは、収納されているティッシュを使い切ったら、廃棄されていた。これに対して、本来の目的に使用した後、別の用途に再利用することができる収納箱が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、ティッシュカートンにペーパークラフトの各部品が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−30767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、使用後の収納箱を再利用する動きもある。例えば、電化製品を購入した際の深底のダンボール箱(収納箱)に読み終えた本など、さまざまなものを収納することが可能である。しかし、例えば、ギフトカードを収納して配送するための収納箱においては、浅底の形状がゆえに、再利用の可能性がほとんどないという問題があった。
【0005】
そこでこの発明の目的は、折り方を変えることで形体を変更可能とし、別の用途に再利用が可能な収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため請求項1に記載の発明は、1つのブランクシートを折って組み立てる略直方体の収納箱において、
前記ブランクシートが、
矩形の底面パネルと、
該底面パネルに連続して備える矩形の一対の側面パネルと、
該側面パネルの、前記底面パネルと反対側に連続して備える略矩形の第1パネルと、
該第1パネルの、前記側面パネルと反対側に連続して備える第2パネルと、
前記底面パネルに連続して備える矩形の一対の別の側面パネルと、
該別の側面パネルの、前記底面パネルと反対側に連続して備える矩形の第3パネルと、
該第3パネルの、前記別の側面パネルと反対側に連続して備える第4パネルと、
前記第3パネルの、一対の側辺にそれぞれ連続して備える第5パネルとで構成された収納箱であって、
折り方を変えることによって、
前記第1パネル、前記第2パネル、前記第3パネル、前記第4パネル、前記第5パネルが上面を構成する第1形体と、
前記第1パネル、前記第2パネル、前記第3パネル、前記第4パネル、前記第5パネルが側面を構成するとともに、上面が開口である第2形体とに変更自在である収納箱であって、
前記第1形体に備える上面は開閉自在であることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納箱において、前記第2形体が前記第1形体に比べて深底であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の収納箱において、前記第2形体の一対の側面の中央付近に手を挿入するための開口部を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の収納箱において、前記第1形体の表面が前記ブランクシートの表面で形成されるとともに、前記第2形体の表面が前記ブランクシートの裏面で形成される収納箱であって、
前記ブランクシートの表面と裏面とで柄または色が異なることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の収納箱において、前記第1形体と前記第2形体とは下面を共有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の収納箱において、略直角に隣接する2組の側面どおしを連結するための係合突起と、該係合突起を差し込んで係合させるための差込部とを備え、
前記係合突起を一方の一組の側面に備えるとともに、前記差込部を他方の一組の側面に備え、前記係合突起を前記差込部に係合させて前記2組の側面を連結させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、1つのブランクシートを折って組み立てる略直方体の収納箱において、ブランクシートが、矩形の底面パネルと、底面パネルに連続して備える矩形の一対の側面パネルと、側面パネルの、底面パネルと反対側に連続して備える略矩形の第1パネルと、第1パネルの、側面パネルと反対側に連続して備える第2パネルと、底面パネルに連続して備える矩形の一対の別の側面パネルと、別の側面パネルの、底面パネルと反対側に連続して備える矩形の第3パネルと、第3パネルの、別の側面パネルと反対側に連続して備える第4パネルと、第3パネルの、一対の側辺にそれぞれ連続して備える第5パネルとで構成された収納箱であって、折り方を変えることによって、第1パネル、第2パネル、第3パネル、第4パネル、第5パネルが上面を構成する第1形体と、第1パネル、第2パネル、第3パネル、第4パネル、第5パネルが側面を構成するとともに、上面が開口である第2形体とに変更自在である収納箱であって、第1形体に備える上面は開閉自在である。したがって、折り方を変えることで形体を変更可能とし、別の用途に再利用が可能な収納箱を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、第2形体が第1形体に比べて深底であるので、いっそう、再利用の用途の幅が広がる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、第2形体の一対の側面の中央付近に手を挿入するための開口部を備えるので、第2形体の深底タイプの収納箱を容易に持ち上げたり、持ち運んだりすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、第1形体の表面がブランクシートの表面で形成されるとともに、第2形体の表面がブランクシートの裏面で形成される収納箱であって、ブランクシートの表面と裏面とで柄または色が異なるので、収納箱の用途に合った柄や色を付することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、第1形体と第2形体とは下面を共有するので、第1形体と第2形体ともに重量のかさむものを収容する場合においても、2つの形体の下面を同時に補強することができ効率的である。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、略直角に隣接する2組の側面どおしを連結するための係合突起と、係合突起を差し込んで係合させるための差込部とを備え、係合突起を一方の一組の側面に備えるとともに、差込部を他方の一組の側面に備え、係合突起を差込部に係合させて2組の側面を連結させるので、2組の側面を確実に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の収納箱の一例の展開図である。
【図2】(a),(b)は、その収納箱の第一形体の組み立て方を説明するための図である。
【図3】(a),(b)は、その収納箱の第一形体の組み立て方をさらに説明するための図である。
【図4】図2,3の組み立て方によって形成された第1形体の収納箱の、(a)は表面の斜視図、(b)は裏面の斜視図である。
【図5】(a),(b)は、その収納箱の第2形体の組み立て方を説明するための図である。
【図6】(a),(b)は、その収納箱の第2形体の組み立て方をさらに説明するための図である。
【図7】図5,6の組み立て方によって形成された収納箱の斜視図である。
【図8】(a),(b)は、その一部拡大斜視図である。
【図9】この発明の収納箱の第2例の展開図である。
【図10】(a),(b)は、その収納箱の第1形体の組み立て方を説明するための図である。
【図11】(a),(b)は、その収納箱の第1形体の組み立て方をさらに説明するための図である。
【図12】図10,11の組み立て方によって形成された第1形体の収納箱の、(a)は表面の斜視図、(b)は裏面の斜視図である。
【図13】(a),(b)は、その収納箱の第2形体の組み立て方を説明するための図である。
【図14】(a),(b)は、その収納箱の第2形体の組み立て方をさらに説明するための図である。
【図15】図13,14の組み立て方によって形成された収納箱の斜視図である。
【図16】この発明の収納箱の第3例の展開図である。
【図17】(a),(b)は、その収納箱の第1形体の組み立て方を説明するための図である。
【図18】(a),(b)は、その収納箱の第1形体の組み立て方をさらに説明するための図である。
【図19】図17,18の組み立て方によって形成された第1形体の収納箱の、(a)は表面の斜視図、(b)は裏面の斜視図である。
【図20】(a),(b)は、その収納箱の第2形体の組み立て方を説明するための図である。
【図21】(a),(b)は、その収納箱の第2形体の組み立て方をさらに説明するための図である。
【図22】図20,21の組み立て方によって形成された収納箱の、(a)は斜視図、(b)は要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1には、この発明の収納箱の一例の展開図を示す。なお、この収納箱の展開図は、1枚のブランク紙(ブランクシート)を所定の形に切り抜いて形成したものである(ブランク紙は、板紙、紙を主体とした複合シート、プラスチックシートなど一定の厚みを持った折り曲げ性にすぐれた材料(部材)で形成される)。また、隣接する各パネルは一体に形成されている。
【0020】
図1の中央には収納箱の底面を構成する矩形の底面パネル11を備える。底面パネル11の長辺には、罫線Kを介して側面パネル13,13の長辺を連続して備える。底面パネル11の短辺には、罫線Kを介して側面パネル12,12の長辺を連続して備える。側面パネル12、側面パネル13はそれぞれ矩形に形成される。側面パネル13の長辺は、底面パネル11の長辺と同一長さであり、側面パネル12の長辺は底面パネル11の短辺と同一長さである。また、側面パネル12と側面パネル13の短辺は同一長さである。底面パネル11の四隅には、連接パネルRをそれぞれ備える。連接パネルRは、中心角90度の扇形に形成され、側面パネル12の短辺と側面パネル13の短辺にそれぞれ罫線Kを介して連続して備える。連接パネルRの中央には、別の罫線KRを設ける。
【0021】
側面パネル13,13の別の長辺には、罫線Kを介して第1パネル14A,14Bの長辺を連続して備える。第1パネル14A,14Bは同一形状で、略矩形に形成される。
【0022】
第1パネル14Aの別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル15Aの長辺を連続して備える。マチパネル15Aは矩形に形成されるが、マチパネル15Aの長辺は、第1パネル14Aの長辺より短く形成される。マチパネル15Aの別の長辺には、罫線Kを介して第2パネル16Bを連続して備える。第2パネル16Bは略6角形に形成される。その側辺の下端にはカギ欠き17A,17Aを備える(なお、第2パネル16Bの側辺に延設してフラップ部を設けてもよい。このフラップ部は、後述するように第2形体の収納箱1´を組み立てる際に、第3パネル20に沿って配置され、収納箱1´を補強するのに役立つ)。第2パネル16Bの底辺には、罫線Kを介して差込片19を備える。
【0023】
一方、第1パネル14Bの別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル15Bの長辺を連続して備える。なお、第1パネル14Bとマチパネル15Bとの間の罫線Kのほぼ中央付近には切り込みを形成して、切込部14BYとする。マチパネル15Bは矩形に形成されるが、マチパネル15Bの長辺は、第1パネル14Bの長辺より短く形成される。マチパネル15Bの別の長辺には、罫線Kを介して第2パネル16Aの長辺を連続して備える。第2パネル16Aは矩形に形成される。第2パネル16Aの両側部には、長辺を基端とした切り込みC1が形成される。切り込みC1は、第2パネル16Aの短辺の半分程度かそれよりも短く形成される。切り込みC1に連続して(第2パネル16Aの反対側の長辺に到達するように)罫線Kが形成される。なお、マチパネル15A,15Bは備えず、第1パネル14Aと第2パネル16B、第1パネル14Bと第2パネル16Aとが連続するように構成してもよい。
【0024】
側面パネル12,12の別の長辺には、それぞれ罫線Kを介して第3パネル20,20の長辺を連続して備える。第3パネル20は、矩形に形成される。第3パネル20の別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル21の長辺を連続して備える。マチパネル21の別の長辺には、罫線Kを介して第4パネル22の長辺を連続して備える。第4パネル22は略矩形に形成されるが、その短辺の外端には矩形の突起22Pを備える(この突起22Pは、収納箱を組み立てる際に、第2パネル16Aの切り込みC1、第2パネル16Bの切り欠き17Aとそれぞれ係合するものである)。なお、マチパネル21は備えず、第3パネル20と第4パネル22とが連続するように構成してもよい。
【0025】
第3パネル20の一方の短辺(側辺)には、罫線Kを介して第5パネル23Aの短辺を連続して備える。第5パネル23Aは略矩形に形成されるが、図中で右下隅(第5パネル23Aの前端部)にはフック(掛止部)23ACを設ける。一方、第3パネル20の他方の短辺(側辺)には、罫線Kを介して第5パネル23Bの短辺を連続して備える。第5パネル23Bは略矩形に形成されるが、図中で右上隅(第5パネル23Bの前端部)にはフック(掛止部)23BCを設ける。第5パネル23Bは第5パネル23Aと同一の構成である。
【0026】
次に、このような構成の展開図を組み立てて第1形体の収納箱1を形成する方法について説明する。まず、左右にある、第5パネル23A,23Bを罫線Kにおいて第3パネル20に向けて折り畳む(図2(a))。次に、左右の第3パネル20を罫線Kにおいて側面パネル12に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル12を罫線Kにおいて底面パネル11に向けて略直角となるように折る(図2(b))。
【0027】
これによって、左右の第3パネル20は底面パネル11上で重なりあう。このとき、左右どちらの第3パネル20が上側となってもよい(なお、マチパネル21、第4パネル22は罫線Kにおいて折り曲げていない。したがって、これらは、第3パネル20と同一平面上にある)。このとき、連接パネルRも、罫線Kにおいて側面パネル13に向けて略直角となるように折る。なお、左右の第3パネル20、マチパネル21、第4パネル22、第5パネル23A,23Bは、第1形体の収納箱1の上面の内側部を構成する。
【0028】
さらに、第1パネル14Bを罫線Kにおいて側面パネル13に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル13を罫線Kにおいて底面パネル11に向けて略直角となるように折る(図3(a))。このとき、連接パネルRは、罫線KRが谷折りとなることによって2つ折りとなって箱内に収納される。次に、第1パネル14Aを罫線Kにおいて側面パネル13に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル13を罫線Kにおいて底面パネル11に向けて略直角となるように折る(図3(b))。
【0029】
これによって、第1パネル14Aと第1パネル14Bとが底面パネル11の上方で重なりあう。このとき、第1パネル14Aが第1パネル14Bの上側となる(なお、マチパネル15A,15B、第2パネル16A、第2パネル16Bは罫線Kにおいて折り曲げていない。したがって、これらは、第3パネル20と同一平面上にある)。そして、差込片19を罫線Kにおいて略直角となるように折り曲げて、切込部14BYに差し込む。第1パネル14A,14B、マチパネル15A,15B、第2パネル16A、第2パネル16Bは、第1形体の収納箱1の上面の外側部を構成する。
【0030】
このようにして、略直方体の第1形体の収納箱1が形成される(図4(a),(b))。第1形体の収納箱1は、下面2、上面3、一対の側面4A、一対の別の側面4Bによって、6面を閉塞して構成される。ここで図1の展開図との対比をする。下面2は、底面パネル11によって構成される。上面3は、第1パネル14A、マチパネル15A、第2パネル16B、および、第1パネル14B、マチパネル15B、第2パネル16Aによって構成される(なお、図4(a)では、マチパネル15B、第2パネル16Aは、第1パネル14Aの下側に重なっているため見えない)。一対の側面4A,4Aは、側面パネル12,12によって構成されている。一対の側面4B,4Bは、側面パネル13,13によって構成されている。なお、これらの下面2、上面3、側面4A,4A、側面4B,4Bの表面は、図1の展開図の裏面側が現れている。
【0031】
図4に示す第1形体の収納箱1は、差込片19を切込部14BYに差し込んだり、外したりすることで、上面3を自在に開閉することができる。このような構成の第1形体の収納箱1は、浅底タイプであるので、カタログや冊子などを底面パネル11上に載置して収納することができる。
【0032】
次に、第1形体の収納箱1の折り方を変えて、第2形体の収納箱1´を形成する方法を説明する。まず、図4の第1形体の収納箱1を開いて解体し、図1の展開図の状態とする。そして、左右の側面パネル12(およびこれと連続する第3パネル20、第5パネル23A,23B、マチパネル21、第4パネル22)を罫線Kにおいて底面パネル11に向けて略180度折り畳む(すなわち、側面パネル12が底面パネル11に重なり合うように側面パネル12を折り畳む)。なお、連接パネルRも罫線Kにおいて側面パネル13に向けて折り畳む(図5(a)。
【0033】
次に、左右の第3パネル20を罫線Kにおいて側面パネル12に対して略直角となるように折る(すなわち、第3パネル20が側面パネル12に対して起立するように折る。図5(b))。さらに、第5パネル23A,23Bを罫線Kにおいて第3パネル20に向けて内側に略直角となるように折り、さらに、フック23ACどうしを掛け合わせて第5パネル23Aを連結する。同様にして、フック23BCどうしを掛け合わせて第5パネル23Bを連結する(図6(a))。そして、側面パネル13,13を罫線Kにおいて底面パネル11に向けて略直角となるように折る(すなわち、側面パネル13,13が起立するように折る)。さらに、マチパネル15Aを罫線Kにおいて内側に折るとともに、第2パネル16Bを罫線Kにおいて内側に略直角に折る。また、マチパネル15Bを罫線Kにおいて内側に折るとともに、第2パネル16Aを罫線Kにおいて内側に略直角に折る(図6(b))。
【0034】
そして、両方のマチパネル21,21を罫線Kにおいて第3パネル20に対して略直角となるように折るとともに、第4パネル22を罫線Kにおいてマチパネル21に対して略直角となるように折ることで、上面に開口Oを有する第2形体の収納箱1´が完成する(図7)。なお、このとき、第4パネル22の突起22Pは、第2パネル16Aの切り込みC1に係合させることで、第2パネル16Aと第4パネル22の双方が開かないように規制する(図8(a))。同様に、突起22Pを第2パネル16Bの切り欠き17Aと係合させることで、第2パネル16Bと第4パネル22の双方が開かないように規制する。さらに、前述のように、両側の第5パネル23A同士を連結する際には、一方の第5パネル23Aのフック23ACを他方の第5パネル23Aのフック23ACに上から掛け合わせるようにして掛け止める(図8(b))。なお、第5パネル23Bについても同様である。
【0035】
このようにして形成された第2形体の収納箱1´は、上面に開口Oを有し、かつ、深底タイプであるので、本や小物などを底面パネル11上に載置して、小型の本箱、小物用整理箱などとして活用することができる。また、第1形体の収納箱1と第2形体の収納箱1´とは、下面を共有していることが特徴である。すなわち、第1形体の収納箱1の下面としても、第2形体の収納箱1´の下面としても下面パネル11を用いている。このため、たとえば、重量の重いものを収容するような場合には、下面パネル11のみを補強する(例えば、下面パネル11の厚みを増すなど)ことで、2つの異なる形体の収容箱を補強することができるという利点がある。
【0036】
さらに、第2形体の収納箱1´では、側面4A´の外側面を、側面パネル13および第1パネル14A(または、第1パネル14B)を用いて形成している。一方、側面4A´の内側面を第5パネル23A(または、第5パネル23B)および、第2パネル16A(第1パネル14B側)または第2パネル16B(第1パネル14A側)を用いて形成している。
【0037】
また、側面4B´の外側面を第3パネル20,20で形成し、内側面上部を第4パネル22で形成している。なお、側面パネル12,12は、底面パネル11上に畳み重ねることで、底面の一部を構成する。なお、これらの側面4A´、側面4B´の表面は、図1の展開図の裏面側が現れている。
【0038】
ところで、上述の例では、1枚のブランク紙の同一面を2つの異なる形体の収納箱、すなわち、第1形体の収納箱1、第2形体の収納箱1´の外側面として用いたが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、ブランク紙の表側を第1形体の収納箱1の表側となるように使用し、ブランク紙の裏側を第2形体の収納箱1´の表側となるように使用してもよい。この場合、第2形体の収納箱1´を組み立てるときに、ブランク紙の表裏を逆転させる。さらに、ブランク紙の表側と裏側に印刷する柄や色を変えることで、用途の違う第1形体の収納箱1、第2形体の収納箱1´に異なる色や柄を付与することができる。例えば、第1形体の収納箱1をカタログギフトを収容するために用いる場合には、シンプルな柄と色をブランク紙の表側に印刷し、第2形体の収納箱1´を小型の本箱として用いる場合には、木目調の柄と色をブランク紙の裏側に印刷する。
【0039】
なお、第2形体の収納箱1´の上面(開口O)を横(すなわち、側面4A´を下)にして本箱として利用してもよい。この場合、側面4A´または側面4B´を底面側とするように配置する。
【0040】
図9には、この発明の収納箱の第2の例の展開図を示す。なお、この収納箱の展開図は、1枚のブランク紙を所定の形に切り抜いて形成したものである。また、隣接する各パネルは一体に形成されている。
【0041】
図9の中央には収納箱の底面を構成する矩形の底面パネル111を備える。底面パネル111の長辺には、罫線Kを介して側面パネル113,113の長辺を連続して備える。底面パネル111の短辺には、罫線Kを介して側面パネル112,112の長辺を連続して備える。側面パネル112、側面パネル113はそれぞれ矩形に形成される。側面パネル113の長辺は、底面パネル111の長辺と同一長さであり、側面パネル112の長辺は底面パネル111の短辺と同一長さである。また、側面パネル112と側面パネル113の短辺は同一長さである。底面パネル111の四隅には、連接パネルRをそれぞれ備える。連接パネルRは、中心角90度の扇形に形成され、側面パネル112の短辺と側面パネル113の短辺にそれぞれ罫線Kを介して連続して備える。連接パネルRの中央には、罫線KRを設ける。
【0042】
側面パネル113,113の別の長辺には、罫線Kを介して第1パネル114A,114Bの長辺を連続して備える。第1パネル114A,114Bは同一形状で、略矩形に形成される。第1パネル114Bの中央部の左右には、縦方向に略コの字状に切り込みが形成され、差込部114BXを備える。
【0043】
第1パネル114Aの別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル115Aの長辺を連続して備える。マチパネル115Aの別の長辺には、罫線Kを介して第2パネル116Bを連続して備える。第2パネル116Bは略矩形に形成され、両端部には、差込部117A,117Aを備える。第2パネル116Bの両側部には、別の長辺を基端として切り込みC1が形成される。切り込みC1は、第2パネル116Bの短辺の半分程度かそれよりも短く形成される。切り込みC1に連続して罫線Kが形成される。
【0044】
一方、第1パネル114Bの別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル115Bの長辺を連続して備える。マチパネル115Bの別の長辺には、罫線Kを介して第2パネル116Aの長辺を連続して備える。第2パネル116Aは矩形に形成される。第2パネル116Aの両側部には、別の長辺を基端として切り込みC1と罫線Kが形成される。切り込みC1と罫線Kの形状は第2パネル116Bと同様である。なお、マチパネル115A,115Bは備えず、第1パネル114Aと第2パネル116B、第1パネル114Bと第2パネル116Aとが連続するように構成してもよい。
【0045】
側面パネル112,112の別の長辺には、それぞれ罫線Kを介して第3パネル120,120の長辺を連続して備える。第3パネル120は、矩形に形成される。第3パネル120の別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル121の長辺を連続して備える。マチパネル121の別の長辺には、罫線Kを介して第4パネル122の長辺を連続して備える。第4パネル122は略矩形に形成されるが、その短辺の外端には矩形の突起122Pを備える(この突起122Pは、収納箱を組み立てる際に、第2パネル116Aの切り込みC1と係合するものである)。なお、マチパネル121は備えず、第3パネル120と第4パネル122とが連続するように構成してもよい。
【0046】
第3パネル120の一方の短辺(側辺)には、罫線Kを介して第5パネル123Aの短辺を連続して備える。第5パネル123Aは略矩形に形成されるが、図中で右下隅にはフック(掛止部)123ACを設ける。一方、第3パネル120の他方の短辺(側辺)には、罫線Kを介して第5パネル123Bの短辺を連続して備える。第5パネル123Bは略矩形に形成されるが、図中で右上隅にはフック(掛止部)123BCを設ける。第5パネル123Bは第5パネル123Aと同一の構成である。
【0047】
次に、このような構成の展開図を組み立てて第1形体の収納箱101を形成する方法について説明する。まず、左右にある、第5パネル123A,123Bを罫線Kにおいて第3パネル120に向けて折り畳む(図10(a))。次に、左右の第3パネル120を罫線Kにおいて側面パネル112に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル112を罫線Kにおいて底面パネル11に向けて略直角となるように折る(図10(b))。これによって、左右の第3パネル120は底面パネル111上で重なりあう。このとき、左右どちらの第3パネル120が上側となってもよい(なお、マチパネル121、第4パネル122は罫線Kにおいて折り曲げていない。したがって、これらは、第3パネル120と同一平面上にある)。このとき、連接パネルRも、罫線Kにおいて側面パネル113に向けて略直角となるように折る。なお、左右の第3パネル120、マチパネル121、第4パネル122、第5パネル123A,123Bは、第1形体の収納箱101の上面の内側部を構成する。
【0048】
さらに、第1パネル114Bを罫線Kにおいて側面パネル113に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル113を罫線Kにおいて底面パネル111に向けて略直角となるように折る(図11(a))。このとき、連接パネルRは、罫線KRが谷折りとなることによって2つ折りとなって箱内に収納される。次に、第1パネル114Aを罫線Kにおいて側面パネル113に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル113を罫線Kにおいて底面パネル111に向けて略直角となるように折る(図11(b))。
【0049】
これによって、第1パネル114Aと第1パネル114Bとが底面パネル111の上方で重なりあう。このとき、第1パネル114Aが第1パネル114Bが上側となる(なお、マチパネル115A,115B、第2パネル116A、第2パネル116Bは罫線Kにおいて折り曲げていない。したがって、これらは、第3パネル120と同一平面上にある)。そして、差込部117A,117Aを、切込部114BX,114BXに差し込んで、第1パネル114Aを第1パネル114Bに掛け止める。なお、第1パネル114A,114B、マチパネル115A,115B、第2パネル116A、第2パネル116Bは、第1形体の収納箱101の上面の外側部を構成する。
【0050】
このようにして、第1形体の収納箱101が形成される(図12(a),(b))。第1形体の収納箱101は、下面102、上面103、一対の側面104A、一対の別の側面104Bによって構成される。ここで図7の展開図との対比をする。下面102は、底面パネル111によって構成される。上面103は、第1パネル114A、マチパネル115A、第2パネル116B、および、第1パネル114B、マチパネル115B、第2パネル116Aによって構成される(なお、図12(b)では、マチパネル115B、第2パネル116Aは、第1パネル114Aの下側に重なっているため見えない)。一対の側面104A,104Aは、側面パネル112,112によって構成されている。一対の側面104B,104Bは、側面パネル113,113によって構成されている。なお、これらの下面102、上面103、側面104A,104A、側面104B,104Bの表面は、図9の展開図の裏面側が現れている。
【0051】
図12に示す第1形体の収納箱101は、差込部117Aを切込部114BXに差し込んだり、外したりすることで、上面103を自在に開閉することができる。このような構成の第1形体の収納箱101は、浅底タイプであるので、カタログや冊子などを底面パネル111上に載置して収納することができる。
【0052】
次に、第1形体の収納箱101の折り方を変えて、第2形体の収納箱101´を形成する方法を説明する。まず、図12の第1形体の収納箱101を開いて解体し、図9の展開図の状態とする。そして、左右の側面パネル112(およびこれと連続する第3パネル120、第5パネル123A,123B、マチパネル121、第4パネル122)を罫線Kにおいて底面パネル111に向けて略180度折り畳む(すなわち、側面パネル112が底面パネル111に重なり合うように側面パネル112を折り畳む)。なお、連接パネルRも罫線Kにおいて側面パネル113に向けて折り畳む(図13(a))。
【0053】
次に、左右の第3パネル120を罫線Kにおいて側面パネル112に対して略直角となるように折る(すなわち、第3パネル120が側面パネル112に対して起立するように折る。図13(b))。さらに、第5パネル123A,123Bを罫線Kにおいて第3パネル120に向けて内側に略直角となるように折り、さらに、フック123ACどうしを掛け合わせて第5パネル123A,123Aを連結し、フック123BCどうしを掛け合わせて第5パネル123B,123Bを連結する(図14(a))。
【0054】
そして、側面パネル113,113を罫線Kにおいて底面パネル111に向けて略直角となるように折る(すなわち、側面パネル113,113が起立するように折る)。さらに、マチパネル115Aを罫線Kにおいて内側に折るとともに、第2パネル116Bを罫線Kにおいて内側に略直角に折る。また、マチパネル115Bを罫線Kにおいて内側に折るとともに、第2パネル116Aを罫線Kにおいて内側に略直角に折る(図14(b))。
【0055】
そして、両方のマチパネル121,121を罫線Kにおいて第3パネル120に対して略直角となるように折るとともに、第4パネル122を罫線Kにおいてマチパネル121に対して略直角となるように折ることで、上面に開口Oを有する第2形体の収納箱101´が完成する(図15)。なお、このとき、第4パネル122の突起122Pは、第2パネル116Aの切り込みC1に係合させることで、第2パネル116Aと第4パネル122の双方が開かないように規制する(図8(a)と同様)。
【0056】
さらに、前述と同様に、両側の第5パネル123A同士を連結する際には、一方の第5パネル123Aのフック123ACを他方の第5パネル123Aのフック123ACに上から掛け合わせるようにして掛け止める(図8(b)と同様)。なお、第5パネル123Bについても同様である。
【0057】
このようにして形成された第2形体の収納箱101´は、上面に開口Oを有し、かつ、深底タイプであるので、本や小物などを底面パネル111上に載置して、小型の本箱、小物用整理箱などとして活用することができる。また、第1形体の収納箱101と第2形体の収納箱101´とは、下面を共有していることが特徴である。すなわち、第1形体の収納箱101の下面としても、第2形体の収納箱101´の下面としても下面パネル11を用いている。このため、たとえば、重量の重いものを収容するような場合には、下面パネル111のみを補強する(例えば、下面パネル111の厚みを増すなど)ことで、2つの異なる形体の収容箱を補強することができるという利点がある。
【0058】
さらに、第2形体の収納箱101´では、側面104A´の外側面を、側面パネル113および第1パネル114A(または第1パネル114B)を用いて形成している。一方、側面104A´の中心分を第5パネル123A(または第5パネル123B)および、第2パネル116A(第1パネル114B側)または第2パネル116B(第1パネル114A側)を用いて形成している。
【0059】
また、側面104B´の外側面を第3パネル120,120で形成し、内側面上部を第4パネル122で形成している。なお、側面パネル112,112は、底面パネル111上に畳み重ねることで、底面の一部を構成する。なお、これらの側面104A´、側面104B´の表面は、図9の展開図の裏面側が現れている。
【0060】
図16には、この発明の収納箱の第3例の展開図を示す。なお、この収納箱の展開図は、1枚のブランク紙を所定の形に切り抜いて形成したものである。また、隣接する各パネルは一体に形成されている。
【0061】
図16の中央には収納箱の底面を構成する矩形の底面パネル211を備える。底面パネル211の長辺には、罫線Kを介して側面パネル213,213の長辺を連続して備える。底面パネル211の短辺には、罫線Kを介して側面パネル212,212の長辺を連続して備える。側面パネル212、側面パネル213はそれぞれ矩形に形成される。側面パネル213の長辺は、底面パネル211の長辺と同一長さであり、側面パネル212の長辺は、底面パネル211の短辺と同一長さである。また、側面パネル212、側面パネル213の短辺は同一長さである。底面パネル211の四隅には、連接パネルRをそれぞれ備える。連接パネルRは、中心角90度の扇形に形成され、側面パネル212の短辺と側面パネル213の短辺にそれぞれ罫線Kを介して連続して備える。連接パネルRの中央には、罫線KRを設ける。
【0062】
側面パネル213,213の別の長辺には、罫線Kを介して第1パネル214A,214Bの長辺を連続して備える。第1パネル214A,214Bは同一形状で、略矩形に形成される。第1パネル214Aの中央部の左右には、縦方向に略コの字状に切り込みが形成され、差込部214AXを備え、第1パネル214Bの中央部の左右には、縦方向に略コの字状に切り込みが形成され、差込部214BXを備える。
【0063】
第1パネル214Aの別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル215Aの長辺を連続して備える。マチパネル215Aは矩形に形成されるが、マチパネル215Aの長辺は、第1パネル214Aの長辺より短く形成される。マチパネル215Aの別の長辺には、罫線Kを介して第2パネル216Bの長辺を連続して備える。第2パネル216Bは略6角形に形成される。その側辺の下端にはカギ欠き217A,217Aを備える(なお、第2パネル216Bの側辺に延設してフラップ部を設けてもよい。このフラップ部は、後述するように第2形体の収納箱201´を組み立てる際に、第3パネル220に沿って配置され、収納箱201´を補強するのに役立つ)。第2パネル216Bの下辺には、罫線Kを介して差込片219を備える。
【0064】
一方、第1パネル214Bの別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル215Bの長辺を連続して備える。なお、第1パネル214Bとマチパネル215Bとの間の罫線Kのほぼ中央付近には切り込みを形成して、切込部214BYとする。マチパネル215Bは矩形に形成されるが、マチパネル215Bの長辺は、第1パネル214Bの長辺より短く形成される。マチパネル215Bの別の長辺には、罫線Kを介して第2パネル216Aの長辺を連続して備える。第2パネル216Aは矩形に形成される。第2パネル216Aの両側部には、長辺を基端とした切り込みC1が形成される。切り込みC1は、第2パネル216Aの短辺の半分程度かそれよりも短く形成される。切り込みC1に連続して(第2パネル216Aの反対側の長辺に到達するように)罫線Kが形成される。なお、マチパネル215A,215Bは備えず、第1パネル214Aと第2パネル216B、第1パネル214Bと第2パネル216Aとが連続するように構成してもよい。
【0065】
側面パネル212,212の別の長辺には、それぞれ罫線Kを介して第3パネル220,220の長辺を連続して備える。第3パネル220は、矩形に形成される。第3パネル220の別の長辺には、罫線Kを介してマチパネル221の長辺を連続して備える。マチパネル221の別の長辺には、罫線Kを介して第4パネル222の長辺を連続して備える。第4パネル222は略矩形に形成されるが、その短辺の外端には矩形の突起222Pを備える(この突起222Pは、収納箱を組み立てる際に、第2パネル216Aの切り込みC1、第2パネル216Bの切り欠き217Aとそれぞれ係合するものである)。なお、マチパネル221は備えず、第3パネル220と第4パネル222とが連続するように構成してもよい。
【0066】
第3パネル220の一方の短辺(側辺)には、罫線Kを介して第5パネル223Aの短辺を連続して備える。第3パネル220の他方の短辺(側辺)には、罫線Kを介して第5パネル223Bの短辺を連続して備える。
【0067】
なお、第3パネル220の略中央には略C字状の切り込みXを形成して、フラップ220Xを形成する。また、第5パネル223A,223Bには罫線Kと接するように、別の切り込みYを形成し、係合突起223AX,223BXを形成する。さらに、第1パネル214Bの(側面パネル213側の)罫線K近傍には、切込部213BYを形成する。
【0068】
次に、このような構成の展開図を組み立てて第1形体の収納箱201を形成する方法について説明する。まず、左右にある、第5パネル223A,223Bを罫線Kにおいて第3パネル220に向けて折り畳む(図17(a))。次に、左右の第3パネル220を罫線Kにおいて側面パネル212に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル212を罫線Kにおいて底面パネル211に向けて略直角となるように折る(図17(b))。
【0069】
これによって、左右の第3パネル220は底面パネル211上で重なりあう。このとき、左右どちらの第3パネル220が上側となってもよい(なお、マチパネル221、第4パネル222は罫線Kにおいて折り曲げていない。したがって、これらは、第3パネル220と同一平面上にある)。このとき、連接パネルRも、罫線Kにおいて側面パネル213に向けて略直角となるように折る。なお、左右の第3パネル220、マチパネル221、第4パネル222、第5パネル223A,223Bは、第1形体の収納箱201の上面の内側部を構成する。
【0070】
さらに、第1パネル214Bを罫線Kにおいて側面パネル213に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル213を罫線Kにおいて底面パネル211に向けて略直角となるように折る(図18(a))。このとき、連接パネルRは、罫線KRが谷折りとなることによって2つ折りとなって箱内に収納される。次に、第1パネル214Aを罫線Kにおいて側面パネル213に向けて略直角となるように折るとともに、側面パネル213を罫線Kにおいて底面パネル211に向けて略直角となるように折る(図18(b))。
【0071】
これによって、第1パネル214Aと第1パネル214Bとが底面パネル211の上方で重なりあう。このとき、第1パネル214Aが第1パネル214Bの上側となる(なお、マチパネル215A,215B、第2パネル216A、第2パネル216Bは罫線Kにおいて折り曲げていない。したがって、これらは、第3パネル220と同一平面上にある)。そして、差込片219を罫線Kにおいて略直角となるように折り曲げて、切込部214BYに差し込む。第1パネル214A,214B、マチパネル215A,215B、第2パネル216A、第2パネル216Bは、第1形体の収納箱201の上面の外側部を構成する。
【0072】
このようにして、第1形体の収納箱201が形成される(図19(a),(b))。第1形体の収納箱201は、下面202、上面203、一対の側面204A、一対の別の側面204Bによって構成される。ここで図12の展開図との対比をする。下面202は、底面パネル211によって構成される。上面203は、第1パネル214A、マチパネル215A、第2パネル216B、および、第1パネル214B、マチパネル215B、第2パネル216Aによって構成される(なお、図19(a)では、マチパネル215B、第2パネル216Aは、第1パネル214Aの下側に重なっているため見えない)。一対の側面204A,204Aは、側面パネル212,212によって構成されている。一対の側面204B,204Bは、側面パネル213,213によって構成されている。なお、これらの下面202、上面203、側面204A,204A、側面204B,204Bの表面は、図16の展開図の裏面側が現れている。
【0073】
図19に示す第1形体の収納箱201は、差込片219を切込部214BYに差し込んだり、外したりすることで、上面203を自在に開閉することができる。このような構成の第1形体の収納箱201は、浅底タイプであるので、カタログや冊子などを底面パネル11上に載置して収納することができる。
【0074】
次に、第1形体の収納箱201の折り方を変えて、第2形体の収納箱201´を形成する方法を説明する。まず、図19の第1形体の収納箱201を開いて解体し、図16の展開図の状態とする。そして、左右の側面パネル212(およびこれと連続する第3パネル220、第5パネル223A,223B、マチパネル221、第4パネル222)を罫線Kにおいて底面パネル211に向けて折り畳む(すなわち、側面パネル212が底面パネル211に重なり合うように側面パネル212を折り畳む)。なお、連接パネルRも罫線Kにおいて側面パネル213に向けて折り畳む(図20(a))。
【0075】
次に、左右の第3パネル220を罫線Kにおいて側面パネル212に対して略直角となるように折る(すなわち、第3パネル220が起立するように折る。図20(b))。さらに、第5パネル223A,223Bを罫線Kにおいて第3パネル220に向けて略直角となるように折る(図21(a))。なお、係合突起223AX,223BXは、ミシン目Yから切り離し、第5パネル223A,223Bとともには折り曲げない。そして、側面パネル213,213を罫線Kにおいて底面パネル211に向けて略直角となるように折る(すなわち、側面パネル213,213が起立するように折る)。
【0076】
さらに、マチパネル215Aを罫線Kにおいて内側に折るとともに、第2パネル216Bを罫線Kにおいて内側に略直角に折る。また、マチパネル215Bを罫線Kにおいて内側に折るとともに、第2パネル216Aを罫線Kにおいて内側に略直角に折る(図21(b))。このとき、起立した第1パネル214A,214Bの差込部214AX,214BXに係合突起223AX,223BXを差し込んで、係合突起223AX,223BXをそれぞれ第1パネル214A,214Bの外側に向けて貫通させる。これによって、第1パネル214A,214Bと第3パネル220の2組の側面を略直角に確実に連結させることができる。
【0077】
そして、両方のマチパネル221,221を罫線Kにおいて第3パネル220に対して略直角となるように折るとともに、第4パネル222を罫線Kにおいてマチパネル221に対して略直角となるように折ることで、上面に開口Oを有する第2形体の収納箱201´が完成する(図22(a))。なお、このとき、第4パネル222の突起222Pは、第2パネル216Aの切り込みC1に係合させることで、第2パネル216Aと第4パネル222の双方が開かないように規制する(図8(a)と同様の構造)。
【0078】
同様に、突起222Pを第2パネル216Bの切り欠き217Aと係合させることで、第2パネル216Bと第4パネル222の双方が開かないように規制する。また、係合突起223AX,223BXをそれぞれ第1パネル214A,214Bの外側に向けて貫通させることで、第3パネル220と第1パネル214A,214Bとが略直交した位置となることを補助する(図22(b))。なお、両側の第3パネル220の中央部に形成されたフラップ220Xを押し込むことで、切り込みXに沿って開口部が形成される。この開口部は手を挿入するためのものであり、第2形体の収納箱201´を持ち上げるのを容易にするものである。
【0079】
このようにして形成された第2形体の収納箱201´は、上面に開口Oを有し、かつ、深底タイプであるので、本や小物などを底面パネル211上に載置して、小型の本箱、小物用整理箱などとして活用することができる。また、第1形体の収納箱201と第2形体の収納箱201´とは、下面を共有していることが特徴である。すなわち、第1形体の収納箱201の下面としても、第2形体の収納箱201´の下面としても下面パネル211を用いている。このため、たとえば、重量の重いものを収容するような場合には、下面パネル211のみを補強する(例えば、下面パネル211の厚みを増すなど)ことで、2つの異なる形体の収容箱を補強することができるという利点がある。
【0080】
さらに、第2形体の収納箱201´では、側面204A´の外側面を、側面パネル213および第1パネル214A(または第1パネル214B)を用いて形成している。一方、側面204A´の中心分を第5パネル223A(または第5パネル223B)および、第2パネル216A(第1パネル214B側)または第2パネル216B(第1パネル214A側)を用いて形成している。
【0081】
また、側面204B´の外側面を第3パネル220,220で形成し、内側面上部を第4パネル222で形成している。なお、側面パネル212,212は、底面パネル211上に畳み重ねることで、底面の一部を構成する。なお、これらの側面204A´、側面204B´の表面は、図12の展開図の裏面側が現れている。
【符号の説明】
【0082】
1,101,201 第1形体の収納箱
1´,101´,201´ 第2形体の収納箱
2,102,202 下面
3,103,203 上面
4A,4B,104A,104B,204A,204B,4A´,4B´,104A´,104B´,204A´,204B´ 側面
11,111,211 底面パネル
12,13,112,113,212,213 側面パネル
14A,14B,114A,114B,214A,214B 第1パネル
15A,15B,21,115A,115B,121,215A,215B,221 マチパネル
16A,16B,116A,116B,216A,216B 第2パネル
17A,217A 切り欠き
19,219 差込片
20,120,220 第3パネル
22,122,222 第4パネル
23A,23B,123A,123B,223A,223B 第5パネル
23AC,23BC,123AC,123BC フック(掛止部)
214AX,214BX 差込部
220X フラップ
223AX,223BX 係合突起
O 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのブランクシートを折って組み立てる略直方体の収納箱において、
前記ブランクシートが、
矩形の底面パネルと、
該底面パネルに連続して備える矩形の一対の側面パネルと、
該側面パネルの、前記底面パネルと反対側に連続して備える略矩形の第1パネルと、
該第1パネルの、前記側面パネルと反対側に連続して備える第2パネルと、
前記底面パネルに連続して備える矩形の一対の別の側面パネルと、
該別の側面パネルの、前記底面パネルと反対側に連続して備える矩形の第3パネルと、
該第3パネルの、前記別の側面パネルと反対側に連続して備える第4パネルと、
前記第3パネルの、一対の側辺にそれぞれ連続して備える第5パネルとで構成された収納箱であって、
折り方を変えることによって、
前記第1パネル、前記第2パネル、前記第3パネル、前記第4パネル、前記第5パネルが上面を構成する第1形体と、
前記第1パネル、前記第2パネル、前記第3パネル、前記第4パネル、前記第5パネルが側面を構成するとともに、上面が開口である第2形体とに変更自在である収納箱であって、
前記第1形体に備える上面は開閉自在であることを特徴とする、収納箱。
【請求項2】
前記第2形体が前記第1形体に比べて深底であることを特徴とする、請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記第2形体の一対の側面の中央付近に手を挿入するための開口部を備えることを特徴とする、請求項2に記載の収納箱。
【請求項4】
前記第1形体の表面が前記ブランクシートの表面で形成されるとともに、前記第2形体の表面が前記ブランクシートの裏面で形成される収納箱であって、
前記ブランクシートの表面と裏面とで柄または色が異なることを特徴とする、請求項1に記載の収納箱。
【請求項5】
前記第1形体と前記第2形体とは下面を共有することを特徴とする、請求項1に記載の収納箱。
【請求項6】
略直角に隣接する2組の側面どおしを連結するための係合突起と、該係合突起を差し込んで係合させるための差込部とを備え、
前記係合突起を一方の一組の側面に備えるとともに、前記差込部を他方の一組の側面に備え、前記係合突起を前記差込部に係合させて前記2組の側面を連結させることを特徴とする、請求項1に記載の収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−30827(P2012−30827A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171140(P2010−171140)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】