取り外し工具及び取り外し方法
【課題】耐久性に優れ、切断時の加工物の落下を防止することが可能な取り外し工具を提供する。
【解決手段】 材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、中央部から一端に向かって延伸し、垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、中央部から他端に向かって延伸し、垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を材料から取り外す取り外し工具であって、基体10の一主面に軸部12が配置され、他の主面に、軸部12の中心軸上に延伸する第1ピン2、第1ピン2の周囲に配置された第1〜第3フック3、5、7及び第2ピン9が配置される。第1ピン2を貫通孔に挿入して軸部12を回転させることにより、第1〜第3フック3、5、7をそれぞれ第1〜第3空隙に位置させると共に、第2ピン9を加工物の一側面に接触させる。
【解決手段】 材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、中央部から一端に向かって延伸し、垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、中央部から他端に向かって延伸し、垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を材料から取り外す取り外し工具であって、基体10の一主面に軸部12が配置され、他の主面に、軸部12の中心軸上に延伸する第1ピン2、第1ピン2の周囲に配置された第1〜第3フック3、5、7及び第2ピン9が配置される。第1ピン2を貫通孔に挿入して軸部12を回転させることにより、第1〜第3フック3、5、7をそれぞれ第1〜第3空隙に位置させると共に、第2ピン9を加工物の一側面に接触させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクの磁気ヘッドを移動させるアクチュエータの加工品を材料から取り外す取り外し工具及び取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクの磁気ヘッドは、アクチュエータのアーム先端に搭載され、磁気ディスクに対してデータの書き込み及び読み出しを行う。アクチュエータのアームは、2本装備され、磁気ディスクを挟んで互に対向するように配置される。データの書き込みや読み出しを行う際、アクチュエータは、磁気ヘッドを高速回転する磁気ディスク上の所定の位置に移動させる。
【0003】
アクチュエータは、微細な構造を有する。アクチュエータでは、対向するアーム間の間隙など、高精度の加工が求められる。そのため、アクチュエータの製造では、マシニングセンタ等を用いて、高精度の加工が行なわれる。
【0004】
マシニングセンタは、自動工具交換機能を有し、目的に合わせて各種の切削加工を数値制御(NC)により自動で行う工作機械である。予め成形された棒状の材料をマシニングセンタにより加工した加工物は、僅かに残された接続部で材料に接続される。加工物は、作業員により材料から手作業で取り外している。
【0005】
材料から加工物を連続して作製する場合、作業効率を低下させないためには、作業員が常時監視しなければならない。そのため、無人化による経費節減ができず、製造コストが増加する。
【0006】
マシニングセンタにおいて、加工後に材料から加工物の取り外しを行う取り外し工具が提案されている(非特許文献1参照)。提案された取り外し工具は、軸部、ストッパ、及びプレートを備える。マシニングセンタの主軸に軸部を取り付けて、取り出し工具を把持する。加工物を材料上に接続する接続部の両側の隙間にプレートを挿入して、加工物をストッパとプレートの間の空間に収容する。主軸を回転させることにより接続部が切断され、加工物が材料から切り離されて取り外される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】発明協会公開技報公技番号2009−502926号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
提案された取り出し工具では、加工物の取り外しを容易にするために、接続部は細くされているため、加工物が重力で傾きやすい。そのため、加工物と材料との間にプレートを挿入する際、プレートが傾いた加工物に干渉してしまってプレートが曲がり、取り外し工具が破損してしまう。また、加工物を傷つけないようにストッパには加工物より柔らかい材質が用いられる。そのため、取り出し工具を繰り返し使用するとストッパが磨耗し、加工物をストッパとプレートの間にしっかりと保持できなくなる。その結果、取り出し工具を回転させても加工物が連動しないため、加工物の切り離しが困難になる。このように、従来の取り出し工具は、耐久性に問題がある。
【0009】
更に、取り出し工具を回転させて接続部を切断すると、切断応力の反動が加工物に生じる。加工物は取り出し工具内で固定されていないため、その反動により、加工物が取り出し工具から飛び出して落下してしまう。
【0010】
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、耐久性に優れ、切断時の加工物の落下を防止することが可能な取り外し工具及び取り外し方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、中央部から一端に向かって延伸し、垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、中央部から他端に向かって延伸し、垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を材料から取り外す取り外し工具であって、基体の一主面に軸部が配置され、一主面の反対側の他の主面に、軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、第1ピンの周囲に配置された第1〜第3フック、及び第2ピンが配置され、第1ピンを貫通孔に挿入して軸部を回転させることにより、第1〜第3フックをそれぞれ第1〜第3空隙に位置させると共に、第2ピンを加工物の一側面に接触させることが可能な取り外し工具が提供される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、マシニングセンタにおいて、テーブルに固定された材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、中央部から一端に向かって延伸し、垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、中央部から他端に向かって延伸し、垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を成形した後に、基体の一主面に軸部が配置され、一主面の反対側の他の主面に、軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、軸部の周囲に配置された第1〜第3フック及び第2ピンが配置された取り外し工具により加工物を材料から取り外す方法であって、マシニングセンタの主軸に軸部を把持させ、第1〜第3フック及び第2ピンが加工物に干渉しない位置で第1ピンを貫通孔に挿入し、第1〜第3フックがそれぞれ、第1空隙、並びに材料と第1及び第2レグとの間の第2及び第3空隙に位置すると共に、第2ピンが加工物の一側面に接触するように、主軸により軸部を回転させ、軸部を回転の方向に更に回転させて接続部を切断すると共に、加工物を第1〜第3のフックで保持することを含む取り外し方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、耐久性に優れ、切断時の加工物の落下を防止することが可能な取り外し工具及び取り外し方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る取り外し工具の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る取り外し工具により取り外される加工物の一例を示す平面図である。
【図3】図2に示した加工物の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その1)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その2)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その1)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その2)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その3)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その4)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その5)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その6)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その7)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
又、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
本発明の実施の形態に係る取り外し工具1は、図1に示すように、基体10、軸部12、第1ピン2、第1フック3、第2フック5、第3フック7、及び第2ピン9を備える。第1〜第3フック3、5、7は、それぞれつめ4、6、8を有する。軸部12は、基体10の一主面に配置される。第1及び第2ピン2、9、第1〜第3フック3、5、7、第2ピン9は、基体10の一主面の反対側の他の主面に配置される。第1ピン2は、軸部12の中心軸上に延伸する。
【0018】
図1に示した取り外し工具1は、例えばマシニングセンタにおいて、図2及び図3に示すハードディスク(HD)のアクチュエータ20Aを作製する際に用いられる。図2及び図3に示すように、アクチュエータ20Aは、中央部26、中央部26から一端に向かって延伸する第1及び第2アーム30、32、中央部26から他端に向かって延伸する第1及び第2レグ36、38を備える。中央部26は、アクチュエータ20A表面から垂直方向に貫通孔28を有する。第1及び第2アーム30、32は、垂直方向において、第1空隙34を挟んで互に対向する。例えば、第1アーム30が表面側に、第2アーム32が裏面側に配置される。第1及び第2レグ36、38は、垂直方向に直交する面内で互に対向する。また、第1及び第2レグ36、38はそれぞれ、裏面から上方に第2及び第3空隙40A、42Aだけ離間して設けられる。
【0019】
アクチュエータ20Aを加工するために、図4に示すように、棒状の材料100が用いられる。材料100には、予め第1及び第2アーム30、32に対応するアーム部130、及び第1及び第2レグ36、38に対応するレグ部136、138が形成される。また、材料100の中央部には、貫通孔28より小さな直径の貫通孔128が形成される。
【0020】
アクチュエータ20Aの作製には、工作機械、例えばマシニングセンタ(図示省略)が用いられる。マシニングセンタのテーブルに固定された材料100は、マシニングセンタの主軸に取り付けられた切削工具により加工される。加工後のアクチュエータの加工物20は、図5に示すように、中央部26が材料100の上に接続部22で接続されている。第1空隙34を介して第1アームと対向する第2アーム32は、隙間24を介して材料100と対向する。第1及び第2レグ36、38は、第2及び第3空隙40、42を介してそれぞれ材料100と対向する。なお、接続部22は、容易に取り外しができるよう、小さな奥行き及び小さな幅で形成される。また、隙間24は、材料100の使用効率を低下させないように狭く形成される。
【0021】
例えば、取り外し工具1として、鋼鉄等の金属が用いられる。材料100として、アルミニウム(Al)等の金属が用いられる。特に、第2ピン9には、材料100よりも硬質の材質を用いることが望ましい。
【0022】
また、第1〜第3フック3、5、7それぞれのつめ4、6、8は、厚さが0.5mm〜0.8mmである。加工物20の第1空隙34の間隔Gaは、1mm〜2mmである。第2及び第3空隙40、42の間隔Gb、Gcは、2mm〜3mmである。一方、隙間24の間隔Gdは、0.6mm〜1mmである。つめ4、6、8は、第1〜第3空隙34、40、42に容易に挿入することができる。
【0023】
本発明の実施の形態に係る取り外し工具1による加工物20の取り外し方法を、図6〜図12を用いて説明する。なお、図5に示したように、材料100をマシニングセンタにより加工して、加工物20が材料100の上に接続部22を介して形成されている。
【0024】
加工物20の形成後、マシニングセンタの主軸に図1に示した取り外し工具1の軸部12を把持させる。第1〜第3フック3、5、7及び第2ピン9が加工物20に干渉しない位置で、第1ピン2を加工物20の貫通孔28に挿入する。例えば、図6に示すように、第1フック3は、第1及び第2レグ36、38の間に位置する。第2フック5は、第1レグ36に関して第1フック3の反対側で、第1及び第2アーム30、32の近傍に位置する。第3フック7は、第2レグ38に関して第1フック3の反対側で、第2レグ38の近傍に位置する。第2ピン9は、中央部26及び第3フック7の間に位置する。
【0025】
図6に示した状態で、軸部12を回転Raの方向に回転させることにより、図7に示すように、つめ4を第2空隙40に、つめ6を第1空隙34に、つめ8を第3空隙42にそれぞれ位置させる。それと共に、第2ピン9を加工物20の中央部26の一側面に接触させる。
【0026】
図7に示した状態で、軸部12を回転Raの方向に更に回転させる。このとき、材料100はマシニングセンタのテーブルに固定されているため、接続部22が切断される。その結果、図8に示すように、加工物20が材料100から切り離され、第1〜第3フック3、5、7のつめ4、6、8で保持される。
【0027】
接続部22が切断される際、第2ピン9が加工物20より硬質の材質であるため、繰り返し使用しても第2ピン9の磨耗を防止することができる。また、第1ピン2が貫通孔28に挿入されているため、接続部22を切断する際、加工物20の直線的なズレを防止することができる。更に、接続部22の切断時に、接続部22が回転の中心となるように、マシニングセンタにおいて、主軸の回転にリンクさせてテーブルを回転させることにより、切断応力の反動を抑制することが可能である。その結果、接続部22の切断後の加工物20の回転による落下を防止することができる。
【0028】
上述のように、材料100から切り離された加工物20を、作業員が手で取り外し工具1から取り出すことができる。この場合、加工物20を材料100から切り離すたびに、マシニングセンタを停止することになる。作業効率を向上させるためには、マシニングセンタを稼動させたまま、加工物20の加工及び取り出しを連続で行うことが望ましい。
【0029】
例えば、図9に示すように、第1ポール52及び第2ポール54を固定部50により固定して、マシニングセンタ内に配置する。第1ポール52を加工物20の貫通孔28の位置に合わせたとき、第2ポール54は第1及び第2レグ36、38の間に位置する。第1ポール52の直径は、加工物20の貫通孔28の直径より小さい。第2ポール54の直径は、第1及び第2レグ36、38の間隔より小さい。また、第2ポール54は、第1ポール52より高い。第1及び第2ポール52、54の高さの差は、第2及び第3間隙40A、42Aの間隔より大きい。
【0030】
接続部22の切断後に、図8に示したように、加工物20を取り外し工具1の第1〜第3フック3、5、7で保持したまま、マシニングセンタに配置された第1及び第2ポール52、54の位置まで移動させる。図10に示すように、貫通孔28の下方に第1ポール52を位置合わせし、第1及び第2レグ36、38の間に第2ポール54を位置合わせする。それと共に、図11に示すように、第1フック3と干渉しない位置で加工物20の第1レグ36側面に第2ポール54が接触するように、軸部12を回転Raの方向とは逆方向の回転Rbで回転させる。第1レグ36が第2ポール54と接触すると、取り外し工具1だけ回転し、加工物20は回転しない。その結果、図12に示すように、加工物20は、第1〜第3フック3、5、7のつめ4、6、8からはずれ、貫通孔28を第1ポール52に通して落下する。このように、取り外し工具1を用いて、材料100から作成された複数の加工物20が、連続的に第1ポール52に積み重ねられる。加工物20の加工から第1ポール52への積み重ねまでの作業は、全てマシニングセンタの稼動中に行われる。作業者は、複数の加工物20が第1ポール52の高さの分まで溜まった時点でマシニングセンタを停止させて取り出せばよい。したがって、加工物20の製作効率を向上させることができる。
【0031】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0032】
本発明の実施の形態においては、加工物20としてハードディスクのアクチュエータを用いて説明したが、アクチュエータに限定されない。アクチュエータに類似する形状を有する加工物であれば、適用可能である。
【0033】
このように、本発明はここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、ハードディスクの磁気ヘッドの移動に用いるアクチュエータの加工物を材料から取り外す取り外し工具及び取り外し方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…工具
2…第1ピン
3…第1フック
5…第2フック
7…第3フック
9…第2ピン
10…基体
12…軸部
20…加工物
22…接続部
24…隙間
26…中央部
28…貫通孔
30…第1アーム
32…第2アーム
34…第1空隙
36…第1レグ
38…第2レグ
40…第2空隙
42…第3空隙
50…固定部
52…第1ポール
54…第2ポール
100…材料
128…貫通孔
130…アーム部
136…レグ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクの磁気ヘッドを移動させるアクチュエータの加工品を材料から取り外す取り外し工具及び取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクの磁気ヘッドは、アクチュエータのアーム先端に搭載され、磁気ディスクに対してデータの書き込み及び読み出しを行う。アクチュエータのアームは、2本装備され、磁気ディスクを挟んで互に対向するように配置される。データの書き込みや読み出しを行う際、アクチュエータは、磁気ヘッドを高速回転する磁気ディスク上の所定の位置に移動させる。
【0003】
アクチュエータは、微細な構造を有する。アクチュエータでは、対向するアーム間の間隙など、高精度の加工が求められる。そのため、アクチュエータの製造では、マシニングセンタ等を用いて、高精度の加工が行なわれる。
【0004】
マシニングセンタは、自動工具交換機能を有し、目的に合わせて各種の切削加工を数値制御(NC)により自動で行う工作機械である。予め成形された棒状の材料をマシニングセンタにより加工した加工物は、僅かに残された接続部で材料に接続される。加工物は、作業員により材料から手作業で取り外している。
【0005】
材料から加工物を連続して作製する場合、作業効率を低下させないためには、作業員が常時監視しなければならない。そのため、無人化による経費節減ができず、製造コストが増加する。
【0006】
マシニングセンタにおいて、加工後に材料から加工物の取り外しを行う取り外し工具が提案されている(非特許文献1参照)。提案された取り外し工具は、軸部、ストッパ、及びプレートを備える。マシニングセンタの主軸に軸部を取り付けて、取り出し工具を把持する。加工物を材料上に接続する接続部の両側の隙間にプレートを挿入して、加工物をストッパとプレートの間の空間に収容する。主軸を回転させることにより接続部が切断され、加工物が材料から切り離されて取り外される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】発明協会公開技報公技番号2009−502926号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
提案された取り出し工具では、加工物の取り外しを容易にするために、接続部は細くされているため、加工物が重力で傾きやすい。そのため、加工物と材料との間にプレートを挿入する際、プレートが傾いた加工物に干渉してしまってプレートが曲がり、取り外し工具が破損してしまう。また、加工物を傷つけないようにストッパには加工物より柔らかい材質が用いられる。そのため、取り出し工具を繰り返し使用するとストッパが磨耗し、加工物をストッパとプレートの間にしっかりと保持できなくなる。その結果、取り出し工具を回転させても加工物が連動しないため、加工物の切り離しが困難になる。このように、従来の取り出し工具は、耐久性に問題がある。
【0009】
更に、取り出し工具を回転させて接続部を切断すると、切断応力の反動が加工物に生じる。加工物は取り出し工具内で固定されていないため、その反動により、加工物が取り出し工具から飛び出して落下してしまう。
【0010】
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、耐久性に優れ、切断時の加工物の落下を防止することが可能な取り外し工具及び取り外し方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、中央部から一端に向かって延伸し、垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、中央部から他端に向かって延伸し、垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を材料から取り外す取り外し工具であって、基体の一主面に軸部が配置され、一主面の反対側の他の主面に、軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、第1ピンの周囲に配置された第1〜第3フック、及び第2ピンが配置され、第1ピンを貫通孔に挿入して軸部を回転させることにより、第1〜第3フックをそれぞれ第1〜第3空隙に位置させると共に、第2ピンを加工物の一側面に接触させることが可能な取り外し工具が提供される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、マシニングセンタにおいて、テーブルに固定された材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、中央部から一端に向かって延伸し、垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、中央部から他端に向かって延伸し、垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を成形した後に、基体の一主面に軸部が配置され、一主面の反対側の他の主面に、軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、軸部の周囲に配置された第1〜第3フック及び第2ピンが配置された取り外し工具により加工物を材料から取り外す方法であって、マシニングセンタの主軸に軸部を把持させ、第1〜第3フック及び第2ピンが加工物に干渉しない位置で第1ピンを貫通孔に挿入し、第1〜第3フックがそれぞれ、第1空隙、並びに材料と第1及び第2レグとの間の第2及び第3空隙に位置すると共に、第2ピンが加工物の一側面に接触するように、主軸により軸部を回転させ、軸部を回転の方向に更に回転させて接続部を切断すると共に、加工物を第1〜第3のフックで保持することを含む取り外し方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、耐久性に優れ、切断時の加工物の落下を防止することが可能な取り外し工具及び取り外し方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る取り外し工具の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る取り外し工具により取り外される加工物の一例を示す平面図である。
【図3】図2に示した加工物の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その1)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その2)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その1)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その2)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その3)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その4)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その5)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その6)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る取り外し工具による加工物の取り外しを示す図(その7)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
又、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
本発明の実施の形態に係る取り外し工具1は、図1に示すように、基体10、軸部12、第1ピン2、第1フック3、第2フック5、第3フック7、及び第2ピン9を備える。第1〜第3フック3、5、7は、それぞれつめ4、6、8を有する。軸部12は、基体10の一主面に配置される。第1及び第2ピン2、9、第1〜第3フック3、5、7、第2ピン9は、基体10の一主面の反対側の他の主面に配置される。第1ピン2は、軸部12の中心軸上に延伸する。
【0018】
図1に示した取り外し工具1は、例えばマシニングセンタにおいて、図2及び図3に示すハードディスク(HD)のアクチュエータ20Aを作製する際に用いられる。図2及び図3に示すように、アクチュエータ20Aは、中央部26、中央部26から一端に向かって延伸する第1及び第2アーム30、32、中央部26から他端に向かって延伸する第1及び第2レグ36、38を備える。中央部26は、アクチュエータ20A表面から垂直方向に貫通孔28を有する。第1及び第2アーム30、32は、垂直方向において、第1空隙34を挟んで互に対向する。例えば、第1アーム30が表面側に、第2アーム32が裏面側に配置される。第1及び第2レグ36、38は、垂直方向に直交する面内で互に対向する。また、第1及び第2レグ36、38はそれぞれ、裏面から上方に第2及び第3空隙40A、42Aだけ離間して設けられる。
【0019】
アクチュエータ20Aを加工するために、図4に示すように、棒状の材料100が用いられる。材料100には、予め第1及び第2アーム30、32に対応するアーム部130、及び第1及び第2レグ36、38に対応するレグ部136、138が形成される。また、材料100の中央部には、貫通孔28より小さな直径の貫通孔128が形成される。
【0020】
アクチュエータ20Aの作製には、工作機械、例えばマシニングセンタ(図示省略)が用いられる。マシニングセンタのテーブルに固定された材料100は、マシニングセンタの主軸に取り付けられた切削工具により加工される。加工後のアクチュエータの加工物20は、図5に示すように、中央部26が材料100の上に接続部22で接続されている。第1空隙34を介して第1アームと対向する第2アーム32は、隙間24を介して材料100と対向する。第1及び第2レグ36、38は、第2及び第3空隙40、42を介してそれぞれ材料100と対向する。なお、接続部22は、容易に取り外しができるよう、小さな奥行き及び小さな幅で形成される。また、隙間24は、材料100の使用効率を低下させないように狭く形成される。
【0021】
例えば、取り外し工具1として、鋼鉄等の金属が用いられる。材料100として、アルミニウム(Al)等の金属が用いられる。特に、第2ピン9には、材料100よりも硬質の材質を用いることが望ましい。
【0022】
また、第1〜第3フック3、5、7それぞれのつめ4、6、8は、厚さが0.5mm〜0.8mmである。加工物20の第1空隙34の間隔Gaは、1mm〜2mmである。第2及び第3空隙40、42の間隔Gb、Gcは、2mm〜3mmである。一方、隙間24の間隔Gdは、0.6mm〜1mmである。つめ4、6、8は、第1〜第3空隙34、40、42に容易に挿入することができる。
【0023】
本発明の実施の形態に係る取り外し工具1による加工物20の取り外し方法を、図6〜図12を用いて説明する。なお、図5に示したように、材料100をマシニングセンタにより加工して、加工物20が材料100の上に接続部22を介して形成されている。
【0024】
加工物20の形成後、マシニングセンタの主軸に図1に示した取り外し工具1の軸部12を把持させる。第1〜第3フック3、5、7及び第2ピン9が加工物20に干渉しない位置で、第1ピン2を加工物20の貫通孔28に挿入する。例えば、図6に示すように、第1フック3は、第1及び第2レグ36、38の間に位置する。第2フック5は、第1レグ36に関して第1フック3の反対側で、第1及び第2アーム30、32の近傍に位置する。第3フック7は、第2レグ38に関して第1フック3の反対側で、第2レグ38の近傍に位置する。第2ピン9は、中央部26及び第3フック7の間に位置する。
【0025】
図6に示した状態で、軸部12を回転Raの方向に回転させることにより、図7に示すように、つめ4を第2空隙40に、つめ6を第1空隙34に、つめ8を第3空隙42にそれぞれ位置させる。それと共に、第2ピン9を加工物20の中央部26の一側面に接触させる。
【0026】
図7に示した状態で、軸部12を回転Raの方向に更に回転させる。このとき、材料100はマシニングセンタのテーブルに固定されているため、接続部22が切断される。その結果、図8に示すように、加工物20が材料100から切り離され、第1〜第3フック3、5、7のつめ4、6、8で保持される。
【0027】
接続部22が切断される際、第2ピン9が加工物20より硬質の材質であるため、繰り返し使用しても第2ピン9の磨耗を防止することができる。また、第1ピン2が貫通孔28に挿入されているため、接続部22を切断する際、加工物20の直線的なズレを防止することができる。更に、接続部22の切断時に、接続部22が回転の中心となるように、マシニングセンタにおいて、主軸の回転にリンクさせてテーブルを回転させることにより、切断応力の反動を抑制することが可能である。その結果、接続部22の切断後の加工物20の回転による落下を防止することができる。
【0028】
上述のように、材料100から切り離された加工物20を、作業員が手で取り外し工具1から取り出すことができる。この場合、加工物20を材料100から切り離すたびに、マシニングセンタを停止することになる。作業効率を向上させるためには、マシニングセンタを稼動させたまま、加工物20の加工及び取り出しを連続で行うことが望ましい。
【0029】
例えば、図9に示すように、第1ポール52及び第2ポール54を固定部50により固定して、マシニングセンタ内に配置する。第1ポール52を加工物20の貫通孔28の位置に合わせたとき、第2ポール54は第1及び第2レグ36、38の間に位置する。第1ポール52の直径は、加工物20の貫通孔28の直径より小さい。第2ポール54の直径は、第1及び第2レグ36、38の間隔より小さい。また、第2ポール54は、第1ポール52より高い。第1及び第2ポール52、54の高さの差は、第2及び第3間隙40A、42Aの間隔より大きい。
【0030】
接続部22の切断後に、図8に示したように、加工物20を取り外し工具1の第1〜第3フック3、5、7で保持したまま、マシニングセンタに配置された第1及び第2ポール52、54の位置まで移動させる。図10に示すように、貫通孔28の下方に第1ポール52を位置合わせし、第1及び第2レグ36、38の間に第2ポール54を位置合わせする。それと共に、図11に示すように、第1フック3と干渉しない位置で加工物20の第1レグ36側面に第2ポール54が接触するように、軸部12を回転Raの方向とは逆方向の回転Rbで回転させる。第1レグ36が第2ポール54と接触すると、取り外し工具1だけ回転し、加工物20は回転しない。その結果、図12に示すように、加工物20は、第1〜第3フック3、5、7のつめ4、6、8からはずれ、貫通孔28を第1ポール52に通して落下する。このように、取り外し工具1を用いて、材料100から作成された複数の加工物20が、連続的に第1ポール52に積み重ねられる。加工物20の加工から第1ポール52への積み重ねまでの作業は、全てマシニングセンタの稼動中に行われる。作業者は、複数の加工物20が第1ポール52の高さの分まで溜まった時点でマシニングセンタを停止させて取り出せばよい。したがって、加工物20の製作効率を向上させることができる。
【0031】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0032】
本発明の実施の形態においては、加工物20としてハードディスクのアクチュエータを用いて説明したが、アクチュエータに限定されない。アクチュエータに類似する形状を有する加工物であれば、適用可能である。
【0033】
このように、本発明はここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、ハードディスクの磁気ヘッドの移動に用いるアクチュエータの加工物を材料から取り外す取り外し工具及び取り外し方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…工具
2…第1ピン
3…第1フック
5…第2フック
7…第3フック
9…第2ピン
10…基体
12…軸部
20…加工物
22…接続部
24…隙間
26…中央部
28…貫通孔
30…第1アーム
32…第2アーム
34…第1空隙
36…第1レグ
38…第2レグ
40…第2空隙
42…第3空隙
50…固定部
52…第1ポール
54…第2ポール
100…材料
128…貫通孔
130…アーム部
136…レグ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、前記中央部から一端に向かって延伸し、前記垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、前記中央部から他端に向かって延伸し、前記垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ前記材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を前記材料から取り外す取り外し工具であって、
基体の一主面に軸部が配置され、前記一主面の反対側の他の主面に、前記軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、前記第1ピンの周囲に配置された第1〜第3フック、及び第2ピンが配置され、
前記第1ピンを前記貫通孔に挿入して前記軸部を回転させることにより、前記第1〜第3フックをそれぞれ前記第1〜第3空隙に位置させると共に、前記第2ピンを前記加工物の一側面に接触させることが可能なことを特徴とする取り外し工具。
【請求項2】
マシニングセンタにおいて、テーブルに固定された材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、前記中央部から一端に向かって延伸し、前記垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、前記中央部から他端に向かって延伸し、前記垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ前記材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を成形した後に、基体の一主面に軸部が配置され、前記一主面の反対側の他の主面に、前記軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、前記軸部の周囲に配置された第1〜第3フック及び第2ピンが配置された取り外し工具により前記加工物を前記材料から取り外す方法であって、
前記マシニングセンタの主軸に前記軸部を把持させ、
前記第1〜第3フック及び前記第2ピンが前記加工物に干渉しない位置で前記第1ピンを前記貫通孔に挿入し、
前記第1〜第3フックがそれぞれ、前記第1空隙、並びに前記材料と前記第1及び第2レグとの間の第2及び第3空隙に位置すると共に、前記第2ピンが前記加工物の一側面に接触するように、前記主軸により前記軸部を回転させ、
前記軸部を前記回転の方向に更に回転させて前記接続部を切断すると共に、前記加工物を第1〜第3のフックで保持する
ことを含むことを特徴とする取り外し方法。
【請求項3】
前記接続部を切断する時に、前記接続部が回転の中心となるように、前記主軸の回転にリンクさせて前記テーブルを回転させることを特徴とする請求項2に記載の取り外し方法。
【請求項4】
前記接続部の切断後に、前記加工物を前記第1〜第3フックで保持したまま前記マシニングセンタに配置された第1及び第2ポールの位置まで移動させ、前記貫通孔の下方に前記第1ポールを位置合わせし、前記第1及び第2レグの間に前記第2ポールを位置合わせし、
前記第1フックと干渉しない位置で前記第1レグの側面に前記第2ポールが接触するように前記軸部を前記回転の方向とは逆方向に回転させて、前記貫通孔に前記第1ポールを通して前記加工物を前記取り外し工具から外す
ことを更に含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の取り外し方法。
【請求項1】
材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、前記中央部から一端に向かって延伸し、前記垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、前記中央部から他端に向かって延伸し、前記垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ前記材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を前記材料から取り外す取り外し工具であって、
基体の一主面に軸部が配置され、前記一主面の反対側の他の主面に、前記軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、前記第1ピンの周囲に配置された第1〜第3フック、及び第2ピンが配置され、
前記第1ピンを前記貫通孔に挿入して前記軸部を回転させることにより、前記第1〜第3フックをそれぞれ前記第1〜第3空隙に位置させると共に、前記第2ピンを前記加工物の一側面に接触させることが可能なことを特徴とする取り外し工具。
【請求項2】
マシニングセンタにおいて、テーブルに固定された材料の上部に接続部で接続され、表面から垂直方向に貫通孔を有する中央部、前記中央部から一端に向かって延伸し、前記垂直方向において第1空隙を挟んで互に対向する第1及び第2アーム、前記中央部から他端に向かって延伸し、前記垂直方向に直交する面内で互に対向し、第2及び第3空隙を挟んでそれぞれ前記材料と対向する第1及び第2レグを備える加工物を成形した後に、基体の一主面に軸部が配置され、前記一主面の反対側の他の主面に、前記軸部の中心軸上に延伸する第1ピン、前記軸部の周囲に配置された第1〜第3フック及び第2ピンが配置された取り外し工具により前記加工物を前記材料から取り外す方法であって、
前記マシニングセンタの主軸に前記軸部を把持させ、
前記第1〜第3フック及び前記第2ピンが前記加工物に干渉しない位置で前記第1ピンを前記貫通孔に挿入し、
前記第1〜第3フックがそれぞれ、前記第1空隙、並びに前記材料と前記第1及び第2レグとの間の第2及び第3空隙に位置すると共に、前記第2ピンが前記加工物の一側面に接触するように、前記主軸により前記軸部を回転させ、
前記軸部を前記回転の方向に更に回転させて前記接続部を切断すると共に、前記加工物を第1〜第3のフックで保持する
ことを含むことを特徴とする取り外し方法。
【請求項3】
前記接続部を切断する時に、前記接続部が回転の中心となるように、前記主軸の回転にリンクさせて前記テーブルを回転させることを特徴とする請求項2に記載の取り外し方法。
【請求項4】
前記接続部の切断後に、前記加工物を前記第1〜第3フックで保持したまま前記マシニングセンタに配置された第1及び第2ポールの位置まで移動させ、前記貫通孔の下方に前記第1ポールを位置合わせし、前記第1及び第2レグの間に前記第2ポールを位置合わせし、
前記第1フックと干渉しない位置で前記第1レグの側面に前記第2ポールが接触するように前記軸部を前記回転の方向とは逆方向に回転させて、前記貫通孔に前記第1ポールを通して前記加工物を前記取り外し工具から外す
ことを更に含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の取り外し方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−131011(P2012−131011A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287442(P2010−287442)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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