説明

取引処理システム

【課題】不正な取引処理を抑止可能な取引処理システムを提供する。
【解決手段】ホストコンピュータと自動取引装置とを含む取引処理システムに、取引処理の実行を特定の店舗に設置された各自動取引装置に限定すべく限定要求データ、該店舗を指定するための店舗識別データ及び口座番号を入力する装置入力部と、入力された限定要求データ、店舗識別データ及び口座番号をホストコンピュータへ送信する装置送信部とを自動取引装置側に設け、自動取引装置から受信した限定要求データに基づき、受信した店舗識別データを除外して、他の各店舗識別データ及び受信した口座番号に対応して、取引処理の実行不可を示す不可データを設定する設定部をホストコンピュータ側に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャッシュカードを用いて各取引処理を行うための取引処理システムに関し、特に、盗難カードや偽造カードを用いた不正な取引処理を抑止可能な取引処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
取引処理システムは、金融機関のセンタに配置されているホストコンピュータと、該ホストコンピュータに接続する自動取引装置とから構成される。
【0003】
顧客が口座の開設を申請すると、顧客の名前や住所等の顧客情報と、口座番号と、顧客が設定した暗証番号とが、ホストコンピュータに登録され、顧客専用のキャッシュカードが発行される。発行されたキャッシュカードの表面には磁気ストライプが設けられ、該磁気ストライプには口座番号が磁気データとして書き込まれている。このキャッシュカードを自動取引装置に挿入して使用することにより、入出金処理や振込処理等の種々の取引処理を実行することができる。
【0004】
上記した自動取引装置は、近年、金融機関の窓口がある店舗のコーナーや、自動取引装置専用の無人店舗、更には24時間営業のコンビニエンスストア等にも設置され、顧客は、金融機関の窓口が営業していない夜間や休日にも、気軽に現金の出し入れ等を行うことが可能となっている。
【0005】
一方、盗難カードや、キャッシュカードの磁気ストライプを偽造して作成した偽造カード等を利用した不正な取引処理も多発して、問題となっている。
【0006】
このような不正な取引処理の実行を防止するために、顧客は、例えばキャッシュカードが盗まれた場合、金融機関の問い合わせ窓口に連絡して、自動取引装置における該キャッシュカードの使用を停止させることができる。
【0007】
また、特許文献1には、キャッシュカードの紛失や盗難に気づいた顧客の操作により、該キャッシュカードの使用を停止させることが可能な自動取引装置としての現金自動入出金機の技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−085620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した方法では、夜間や長期間不在の間にキャッシュカードが盗まれると、顧客がキャッシュカードの盗難に気づいて使用を停止させるまでの間に、顧客の口座から預金が引き出される恐れがあった。また、偽造カードが作成された場合、顧客は不正な取引処理が実行されるまで偽造カードの存在に気づかず、損害の発生を未然に防ぐことができなかった。
【0009】
そのため、キャッシュカードが盗まれた場合や偽造カードが作成された場合も、不正な取引処理を抑止可能な取引処理システムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
【0011】
〈構成1〉
第1発明に係る取引処理システムは、店舗に設置され、金融機関のセンタに設置されるホストコンピュータとの間で少なくとも顧客の口座における口座番号に基づいて各取引処理を実行するための自動取引装置と、センタに設置され、通信回線を介して該自動取引装置に接続するサーバとを含み、自動取引装置は、取引処理の実行を特定の店舗に設置された各自動取引装置に限定すべく限定要求データと、特定の店舗を指定するための店舗識別データと、口座番号とを入力する装置入力部と、入力された限定要求データ、店舗識別データ及び口座番号をサーバへ送信する装置送信部とを備え、サーバは、自動取引装置から限定要求データ、店舗識別データ及び口座番号を受信するサーバ受信部と、受信した限定要求データに基づき、受信した店舗識別データを除外して、他の各店舗識別データ及び受信した口座番号に対応して、取引処理の実行不可を示す不可データを設定する設定部とを備えることを特徴とする。
【0012】
〈構成2〉
第2発明に係る取引処理システムは、金融機関のセンタに設置されるサーバと、該サーバとの間で通信を行う端末装置とを含み、端末装置は、取引処理の実行を特定の店舗に設置された各自動取引装置に限定すべく限定要求データと、特定の店舗を指定するための店舗識別データと、口座番号とを入力する装置入力部と、入力された限定要求データ、店舗識別データ及び口座番号をサーバへ送信する装置送信部とを備え、サーバは、端末装置から限定要求データ、店舗識別データ及び口座番号を受信するサーバ受信部と、受信した限定要求データに基づき、受信した店舗識別データを除外して、他の各店舗識別データ及び受信した口座番号に対応して、取引処理の実行不可を示す不可データを設定する設定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の取引処理システムによれば、店舗に設置された自動取引装置におけるキャッシュカードを用いた取引処理に対して、該取引処理を実行可能とする店舗を、顧客の操作により限定可能となるので、盗難カードや偽造カードを用いた不正な取引処理の実行が抑止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図2は、本発明の実施例1に係る取引処理システムのシステム構成図である。
本発明に係る取引処理システム10は、図2に示されるように、例えば金融機関の窓口がある店舗のコーナーや、自動取引装置専用の無人店舗、24時間営業のコンビニエンスストア等を含む複数の店舗に設置される自動取引装置11と、金融機関のセンタに配置され、該自動取引装置11に通信回線としての専用回線12を介して接続されるホストコンピュータ13と、金融機関のセンタに配置され、自動取引装置11に通信回線としての専用回線12を介して接続されるサーバ14とから構成される。この取引処理システム10を利用して、例えば入出金処理や振込処理等の各取引処理を実行できる。
【0016】
図1は、本発明の実施例1に係る取引処理システムの一部の構成を示すブロック図である。
【0017】
自動取引装置11は、図1に示されるように、表示入力部15、画面編集部16、カード読取部17、一時記憶部18、店舗識別データ格納部19、装置通信部20及びこれら各部を制御するための装置制御部21を備えている。
【0018】
表示入力部15は、例えばタッチパネルからなり、取引処理の選択画面や顧客に入力させるための入力画面等の各種画面の画面データを、後述する画面編集部16から受け取って、該画面データに基づき画面を表示する機能及び選択データや入力データ等を入力させて取得する機能を有する。顧客は、この表示入力部15を介して、特定の店舗に設置された自動取引装置11における取引処理を実行不可とするための不可要求データや、該店舗を不可店舗として指定するための不可店舗データを入力できると共に、取引処理の実行を特定の店舗に設置された自動取引装置11に限定するための限定要求データや、該店舗を許可店舗として指定するための許可店舗データを入力できる。
【0019】
画面編集部16は、表示入力部15に表示される選択画面や入力画面等の各種画面に関する画面データを格納し、装置制御部21から受けた各データに基づいて、該画面データの編集を行う。
【0020】
カード読取部17は、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口を有し、該挿入口に挿入された顧客のキャッシュカードの磁気ストライプから口座番号を読み取って、該口座番号を後述する一時記憶部18に記憶させる機能を有する。
【0021】
一時記憶部18は、表示入力部15により入力されたデータや、カード読取部17により読み取られたデータ等を、一時的に記憶する機能を有する。
【0022】
店舗識別データ格納部19は、自動取引装置11が設置されている店舗を識別するための店舗識別データを格納している。例えば、店舗Aに設置されている自動取引装置11Aにおいて、店舗識別データ格納部19は、店舗識別データ「A」を格納している。
【0023】
装置通信部20は、装置送信部としての機能を有し、専用回線12を介してホストコンピュータ13及びサーバ14との間でデータの送受信を行う。
【0024】
装置制御部21は、上記した各部15〜20を制御する機能を有する。
【0025】
サーバ14は、図1に示されるように、サーバ通信部22、サーバ格納部23、設定部24、第1検索判断部25、第2検索判断部26、生成部27、店舗データ格納部28及びこれら各部を制御するためのサーバ制御部29を備えている。
【0026】
サーバ通信部22は、サーバ送信部及びサーバ受信部としての機能を有し、専用回線12を介して自動取引装置11との間でデータの送受信を行う。
【0027】
サーバ格納部23は、顧客の名前や口座番号、暗証番号等の口座データを格納している。また、サーバ格納部23は、履歴データ格納部として、自動取引装置11を介して実行された取引処理の履歴データを格納している。
【0028】
図3は、実施例1のサーバ格納部の構成を示す説明図である。
サーバ格納部23には、図3に示されるように、顧客毎に口座番号や暗証番号等の口座データに対応して、店舗データ項目30が設けられている。店舗データ項目30は、各店舗の店舗識別データ「A」、「B」、「C」・・・に対応してそれぞれ設けられ、各店舗データ項目30A、30B、30C・・・には、後述する不可店舗データに応じて、不可データ「不可」が格納される。ここで、店舗データ項目30に格納される不可データは、対応する店舗に設置された自動取引装置11における取引処理の実行不可を示す。
【0029】
また、サーバ格納部23には、図3に示されるように、顧客毎に口座データに対応して、履歴店舗データ項目31−1〜3が設けられている。この履歴店舗データ項目31−1〜3には、顧客が最近利用した自動取引装置11の設置店舗に対応する店舗識別データが、履歴店舗データとして格納される。サーバ格納部23には、本実施例では、3つの履歴店舗データが格納され、各履歴店舗データは、店舗に設置された自動取引装置11における取引処理の実行に応じて、随時更新される。
【0030】
例えば、図3(a)において、顧客「○○ 一郎」の口座では、口座番号は「1111111」、暗証番号は「1111」となっている。また、この顧客の口座に対応する店舗データ項目30には、不可データは格納されておらず、不可店舗は設定されていない。即ち、顧客「○○ 一郎」の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理は、各店舗に設置された自動取引装置11において、実行可能である。更に、この顧客の口座に対応する履歴店舗データ項目31−1〜3には、ぞれぞれ、履歴店舗データ「B」、「C」、「D」が格納されている。即ち、顧客「○○ 一郎」が最近利用した自動取引装置11の設置店舗は、店舗B、店舗C及び店舗Dである。
【0031】
また、図3(b)において、顧客「○○ 一郎」の口座に対応する各店舗データ項目30の中、店舗Bに対応する店舗データ項目30B、店舗Cに対応する店舗データ項目30C及び店舗Dに対応する店舗データ項目30Dには、不可データ「不可」が格納されている。即ち、店舗Bに設置された自動取引装置11Bと、店舗Cに設置された自動取引装置11Cと、店舗Dに設置された自動取引装置11Dにおいて、顧客「○○ 一郎」の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理は、実行不可と設定されている。
【0032】
更に、図3(c)において、顧客「○○ 一郎」の口座に対応する各店舗データ項目30の中、店舗Aに対応する店舗データ項目30Aには、不可データ「不可」が格納されている。即ち、店舗Aに設置された自動取引装置11Aにおいて、顧客「○○ 一郎」の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理は、実行不可と設定されている。
【0033】
設定部24は、サーバ格納部23に取引処理の実行不可を示す不可データを設定する機能を有する。設定部24は、サーバ制御部29から受けた口座番号及び不可店舗データに基づいて、対応する店舗データ項目30に不可データ「不可」を格納させる。
【0034】
第1検索判断部25は、検索判断部として、サーバ通信部22により自動取引装置11から受信した口座番号に基づいて、サーバ格納部23に格納されている暗証番号を検索し、自動取引装置11から受信した入力番号と検索された暗証番号とが一致するか否かを判断する機能を有する。
【0035】
第2検索判断部26は、検索生成部として、サーバ通信部22により自動取引装置11から受信した口座番号及び店舗識別データに基づいて、サーバ格納部23の店舗データ項目30を検索し、不可データが設定されているか否かを判断する機能を有する。
【0036】
生成部27は、検索生成部として、第1検索判断部25や第2検索判断部26による判断結果に基づいて、自動取引装置11における取引処理を停止させるための停止制御信号や、該取引処理を継続させるための継続信号等を生成する。
【0037】
店舗データ格納部28は、自動取引装置11が設置される各店舗に関する店舗データを格納している。
図4は、店舗データ格納部の構成を示す説明図である。
【0038】
店舗データ格納部28には、図4に示されるように、店舗毎に店舗識別データに対応して、店舗の種別を示す種別識別データが格納される。
【0039】
図4において、店舗データ格納部28には、店舗識別データ「A」に対応する種別識別データとして、店舗Aが銀行の窓口設置店舗であることを示す「銀行窓口」が格納されている。また、店舗データ格納部28には、店舗識別データ「B」及び「D」に対応する種別識別データとして、店舗Bがコンビニエンスストアであることを示す「コンビニエンスストア」が格納されている。更に、店舗データ格納部28には、店舗識別データ「C」に対応する種別識別データとして、店舗Cが無人店舗であることを示す「無人店舗」が格納されている。
【0040】
サーバ制御部29は、上記した各部22〜28を制御する機能を有する。また、サーバ制御部29は、読出部として、サーバ格納部23や店舗データ格納部28からの各データの読み出しを行う。
【0041】
次に、本発明に係る取引処理システム10の動作について、説明する。
まず、取引処理の実行を可能とする許可店舗を限定すべく設定を行う場合の動作について、図5及び図6に示すフローチャートに沿って説明する。
図5は、本発明に係る取引処理システムの実施例1における許可店舗限定動作を示すフローチャート(その1)であり、図6は、本発明に係る取引処理システムの実施例1における許可店舗限定動作を示すフローチャート(その2)である。
【0042】
ここでは、顧客「○○ 一郎」が、店舗Aに設置された自動取引装置11Aを操作して、自身の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行を、特定の店舗に設置された自動取引装置11に限定すべく許可店舗の設定を実行させる場合の処理の流れについて、図5に沿って説明する。なお、この許可店舗限定処理に先立って、顧客「○○ 一郎」の口座には、不可店舗の設定及び許可店舗の限定は実施されていないものとする(図3(a))。
【0043】
店舗Aにおいて、顧客「○○ 一郎」が自動取引装置11Aの前に立つと、図示しない検知センサにより検知され、検知信号が装置制御部21に送られる。この検知信号を受けて、装置制御部21は、顧客に取引処理を選択させるための取引処理選択画面32を表示入力部15に表示させる(ステップS101)。表示入力部15は、図7に示される取引処理選択画面32の画面データを画面編集部16から受け取って、該画面データに基づいて取引処理選択画面32を表示する。
【0044】
図7は、取引処理選択画面の構成を示す説明図である。
取引処理選択画面32には、図7に示されるように、各取引処理を選択するための選択ボタン33と共に、自動取引装置11における取引処理の実行を不可とする不可店舗の設定を選択するための「不可店舗設定」ボタン34と、取引処理の実行を可能とする許可店舗の限定を選択するための「許可店舗限定」ボタン35とが表示されている。
【0045】
取引処理選択画面32において、顧客が「許可店舗限定」ボタン35を押下して、許可店舗限定処理を選択すると、表示入力部15が該選択を示す限定要求データを入力し、装置制御部21へ送る(ステップS102)。装置制御部21は、入力された限定要求データを一時記憶部18に記憶させる。
【0046】
続いて、装置制御部21は、顧客にキャッシュカードの挿入を促すための図示されないカード挿入画面を表示入力部15に表示させる(ステップS103)。カード挿入画面にしたがって、顧客がカード読取部17に設けられたカード挿入口に顧客のキャッシュカードを挿入すると、カード読取部17は、該キャッシュカードの磁気ストライプから口座番号「1111111」を読み取る(ステップS104)。読み取られた口座番号は、一時記憶部18に記憶される。
【0047】
装置制御部21は、更に、顧客に暗証番号を入力させるための図示されない暗証番号入力画面を表示入力部15に表示させる(ステップS105)。顧客が、暗証番号入力画面において、暗証番号として入力番号「1111」を入力すると、該入力番号は、一時記憶部18に記憶される。
【0048】
続いて、装置制御部21は、一時記憶部18から不可要求データと、口座番号「1111111」と、入力番号「1111」とを読み出して、装置通信部20によりこれらのデータをサーバ14へ送信させる(ステップS106)。
【0049】
サーバ14において、サーバ通信部22が自動取引装置11Aから限定要求データ、口座番号及び入力番号を受信すると、サーバ制御部29は、第1検索判断部25を制御して、受信した口座番号に基づいてサーバ格納部23に格納されている暗証番号を検索させ、該暗証番号と受信した入力番号とが一致するか否かを判断させる(ステップS107)。第1検索判断部25は、受信した口座番号「1111111」に基づいてサーバ格納部23に格納されている暗証番号「1111」を読み出して、該暗証番号と受信した入力番号「1111」とが一致すると判断する。
【0050】
第1検索判断部25により入力番号が暗証番号に一致すると判断される(ステップS107)と、サーバ制御部29は、サーバ格納部23から履歴店舗データの読み出しを行う。即ち、サーバ制御部29は、自動取引装置11Aから受信した口座番号に基づいて、サーバ格納部23を検索し、対応する履歴店舗データ項目31−1〜3から各履歴店舗データを読み出す。サーバ制御部29は、口座番号「1111111」に対応する履歴店舗データ項目31−1〜3から、履歴店舗データ「B」、「C」、「D」を読み出して、サーバ通信部22により自動取引装置11Aへ送信する(ステップS108)。
【0051】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から履歴店舗データ「B」、「C」、「D」を受信すると、装置制御部21は、店舗識別データ格納部19から店舗識別データ「A」を読み出し、この店舗識別データ「A」と、履歴店舗データ「B」、「C」、「D」とを、画面編集部16に送る。そして、画面編集部16が、許可店舗を顧客に選択させるための許可店舗選択画面の画面データを編集し、表示入力部15が、図8に示される許可店舗選択画面36を表示する(ステップS109)。
【0052】
図8は、実施例1における許可店舗選択画面の構成を示す説明図である。
許可店舗選択画面36には、図8に示されるように、顧客が現在操作中の自動取引装置11Aが設置された店舗Aを許可店舗として選択するための店舗選択ボタン37aと、顧客が最近利用した店舗を許可店舗として選択するための各店舗選択ボタン37b、37c、37dと、各店舗の店舗名に基づいて顧客に許可店舗を選択させるために各店舗名が表示された複数の店舗選択ボタン37e〜37hとが表示されている。
【0053】
また、許可店舗選択画面36には、図8に示されるように、各店舗の種別に基づいて顧客に不可店舗を選択させるために種別名が表示された種別選択ボタン38が表示されている。更に、許可店舗選択画面36には、表示されていない店舗を許可店舗として選択するために画面表示を切り替える「次」ボタン39と、選択を確定するための「確認」ボタン40と、許可店舗限定処理を終了するための「取消」ボタン41とが表示されている。
【0054】
許可店舗選択画面36において、顧客が店舗選択ボタン37a〜37hの何れかを選択した後、「確認」ボタン40を押下する(ステップS110)と、選択された店舗選択ボタン37a〜37hに対応する店舗識別データが、許可店舗データとして入力され、装置制御部21へ送られる(ステップS111)。例えば、店舗選択ボタン37aが選択された後、「確認」ボタン40が押下されると、店舗識別データ「A」が許可店舗データとして入力される。装置制御部21は、入力された許可店舗データを、一時記憶部18に記憶させる。
【0055】
続いて、装置制御部21は、顧客に許可店舗を確認させるための許可店舗確認画面を表示入力部15に表示させる(ステップS112)。画面編集部16が、一時記憶部18に記憶された許可店舗データ「A」に基づいて、許可店舗確認画面の画面データを編集し、表示入力部15が、該画面データに基づく許可店舗確認画面の表示を行う。
【0056】
図9は、許可店舗確認画面の構成を示す説明図である。
許可店舗確認画面42a及び42bには、図9(a)及び図9(b)に示されるように、顧客により選択された許可店舗の店舗名と、「確認」ボタン40と、「取消」ボタン41とが表示されている。
【0057】
許可店舗選択画面36(図8)において、「現在ご利用の店舗A」と表示された店舗選択ボタン37aが選択された場合、許可店舗確認画面42aには、図9(a)に示されるように、許可店舗を示す店舗名「A」と共に、操作中の自動取引装置11Aが設置されている店舗が許可店舗として選択されたことを示すメッセージが表示される。
【0058】
許可店舗確認画面42aにおいて、「確認」ボタン40が押下されると、表示入力部15が、許可店舗データに基づく許可店舗の限定要求を示す店舗限定要求データを入力し、装置制御部21へ送る(ステップS113)。装置制御部21は、一時記憶部18から口座番号「1111111」及び許可店舗データ「A」を読み出して、入力された店舗限定要求データと共に、装置通信部20によりサーバ14へ送信する(ステップS114)。
【0059】
サーバ14において、サーバ通信部22が自動取引装置11Aから店舗限定要求データ、口座番号「1111111」及び許可店舗データ「A」を受信すると、サーバ制御部29は、設定部24を制御して、受信した口座番号「1111111」及び許可店舗データ「A」に基づき、サーバ格納部23に不可データを設定する(ステップS115)。設定部24は、口座番号「1111111」に対応する各店舗データ項目30の中、許可店舗データ「A」に対応する店舗データ項目30Aを除外して、他の各店舗データ項目30B、30C、30D・・・に、不可データ「不可」を格納させて、サーバ格納部23への不可データの設定を行う。
【0060】
サーバ格納部23には、図3(b)に示されるように、口座番号「1111111」に対応する各店舗データ項目30B、30C、30D・・・に、不可データ「不可」が格納される。
【0061】
続いて、サーバ制御部29は、生成部27に許可店舗の限定設定の完了を示す限定完了信号を生成させて、該限定完了信号を、サーバ通信部22により自動取引装置11Aへ送信する(ステップS116)。
【0062】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から限定完了信号を受信すると、装置制御部21は、許可店舗の限定完了を示す図示されない限定完了画面を、表示入力部15に表示させる(ステップS117)。また、カード読取部17のカード挿入口から顧客のキャッシュカードを排出させて、取引処理システム10は、許可店舗限定処理を終了する。
【0063】
上記のように、自動取引装置において、画面上で顧客により選択された許可店舗の店舗識別データが、口座番号と共にサーバへ送信される。そして、サーバにおいて、受信した口座番号に対応する不可データが、選択された許可店舗を除く各店舗の店舗識別データに対応して、サーバ格納部に設定される。
【0064】
なお、許可店舗限定処理に際して、キャッシュカードを挿入させ且つ暗証番号を入力させることにより、取引処理システム10は、設定者が顧客本人であることの認証処理を行っている。したがって、ステップS108において、第1検索判断部25により入力番号と暗証番号とが一致しないと判断されると、サーバ制御部29は、生成部27を制御して、暗証番号の不一致を示す不一致信号を生成させ、該不一致信号をサーバ通信部22により自動取引装置11Aへ送信する。そして、自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20が不一致信号を受信すると、装置制御部21は、許可店舗限定処理の終了を示す終了画面を表示入力部15に表示させて(ステップS118)、取引処理システム10は、許可店舗限定処理を終了する。
【0065】
また、ステップS109の許可店舗選択画面36(図8)において、複数の店舗選択ボタンを選択することにより、許可店舗の限定を行うことも可能である。例えば、顧客「○○ 一郎」が、許可店舗選択画面36(図8)において、履歴店舗データに基づいて設定された店舗選択ボタン37b、37c、37dを選択した後、「確認」ボタン40を押下する(ステップS110)と、店舗Bを識別するための店舗識別データ「B」と、店舗Cを識別するための店舗識別データ「C」と、店舗Dを識別するための店舗識別データ「D」が、それぞれ許可店舗データとして入力され(ステップS111)、一時記憶部18に記憶される。そして、装置制御部21は、該許可店舗データ「B」、「C」、「D」を含む許可店舗確認画面42b(図9(b))を、表示入力部15に表示させる(ステップS112)。
【0066】
許可店舗確認画面42bには、図9(b)に示されるように、許可店舗を示す店舗名「B」、「C」、「D」と共に、顧客が最近利用した自動取引装置11B、11C、11Dが設置されている各店舗が許可店舗として選択されたことを示すメッセージが表示される。
【0067】
その後、許可店舗確認画面42b(図9(b))において、「確認」ボタン40が押下されると、履歴限定要求データとしての店舗限定要求データが入力され(ステップS113)、許可店舗データ「B」、「C」、「D」が、店舗限定要求データ及び口座番号「1111111」と共に、自動取引装置11Aからサーバ14へ送信される(ステップS114)。そして、サーバ14のサーバ格納部23において、顧客「○○ 一郎」に対応する店舗データ項目30に、店舗B、C、Dを除外して、他の各店舗に対応させて不可データ「不可」が設定される(ステップS115)。サーバ格納部23には、図3(c)に示されるように、口座番号「1111111」に対応する店舗データ項目30Aに、不可データ「不可」が格納されると共に、図示されない各店舗データ項目30E、30F・・・にも、不可データ「不可」が格納される。ステップS116〜ステップS117の処理の流れは同一なので、説明を省略する。
【0068】
上記のように、自動取引装置の画面上に、顧客が最近利用した店舗が表示され、該店舗を許可店舗として除外して、不可データを設定することができる。
【0069】
次に、顧客「△△ 二郎」が、店舗Aに設置された自動取引装置11Aを操作して、自身の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行を、特定の種別の店舗に設置された自動取引装置11に限定すべく許可種別の設定を実行させる場合の処理の流れについて、図5及び図6に沿って説明する。なお、この許可店舗限定処理に先立って、顧客「△△ 二郎」の口座には、不可店舗の設定及び許可店舗の限定は実施されていないものとする。
【0070】
店舗Aにおいて、顧客「△△ 二郎」が自動取引装置11Aに検知されると、取引処理選択画面32(図7)が表示入力部15に表示される(ステップS101)。この取引処理選択画面32において、「許可店舗限定」ボタン35が選択された後、許可店舗選択画面36(図8)が表示される(ステップS109)までの処理の流れは、特定の店舗を許可店舗とする場合の処理の流れと同一なので、説明を省略する。
【0071】
許可店舗選択画面36(図8)において、顧客が種別選択ボタン38を選択した後、「確認」ボタン40を押下する(ステップS119)と、該種別選択ボタン38に対応する種別識別データが、許可種別データとして入力され、装置制御部21へ送られる(ステップS120)。本実施例では、種別選択ボタン38には、「コンビニATM全て」と表示され、種別識別データ「コンビニエンスストア」に対応する。即ち、種別選択ボタン38は、コンビニエンスストアに設置された自動取引装置11を除外して、他の各自動取引装置11における取引処理の実行を不可とすべく、許可種別データ「コンビニエンスストア」を入力する。装置制御部21は、入力された許可種別データ「コンビニエンスストア」を、一時記憶部18に記憶させる。
【0072】
続いて、装置制御部21は、顧客に許可種別を確認させるための許可種別確認画面を表示入力部15に表示させる(ステップS121)。
【0073】
図10は、許可種別確認画面の構成を示す説明図である。
許可種別確認画面43には、図10に示されるように、顧客により選択された許可種別の種別名と、「確認」ボタン40と、「取消」ボタン41とが表示されている。
【0074】
許可種別確認画面43(図10)において、「確認」ボタン40が押下されると、表示入力部15が、許可種別データに基づく許可種別の限定要求を示す種別限定要求データを入力し、装置制御部21へ送る(ステップS122)。装置制御部21は、一時記憶部18から口座番号「2222222」及び許可種別データ「コンビニエンスストア」を読み出して、種別限定要求データ、口座番号及び許可種別データを、装置通信部20によりサーバ14へ送信する(ステップS123)。
【0075】
サーバ14において、サーバ通信部22が自動取引装置11Aから種別限定要求データ、口座番号「2222222」及び許可種別データ「コンビニエンスストア」を受信すると、サーバ制御部29は、店舗データ格納部28から、受信した許可種別データに対応する各店舗識別データを、許可店舗データとして読み出す(ステップS124)。サーバ制御部29は、店舗データ格納部28(図4)から、許可種別データ「コンビニエンスストア」に対応して格納されている店舗識別データ、例えば「B」及び「D」を、許可店舗データとして読み出す。
【0076】
続いて、サーバ制御部29は、設定部24を制御して、受信した口座番号及び読み出した許可店舗データに基づき、サーバ格納部23に不可データを設定する(ステップS125)。設定部24は、例えば、口座番号「2222222」に対応する各店舗データ項目30の中、許可店舗データ「B」、「D」に対応する店舗データ項目30B、30Dを除外して、他の各店舗データ項目30A、30C・・・に、不可データ「不可」を格納させて、サーバ格納部23への不可データの設定を行う。
【0077】
サーバ格納部23には、図3(a)に示されるように、口座番号「2222222」に対応する各店舗データ項目30A、30Cに、不可データ「不可」が格納される。
【0078】
続いて、サーバ制御部29は、生成部27に限定完了信号を生成させて、サーバ通信部22により、該限定完了信号を自動取引装置11Aへ送信する(ステップS116)。
【0079】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から限定完了信号を受信すると、表示入力部15が限定完了画面を表示し(ステップS117)、カード読取部17が顧客のキャッシュカードを排出する。これにより、取引処理システム10は、許可店舗限定処理を終了する。
【0080】
上記のように、自動取引装置の画面上で許可店舗の種別が選択され、該種別に対応する各店舗が許可店舗として一括設定される。
【0081】
次に、取引処理の実行を不可とする不可店舗の設定を行う場合の取引処理システム10の動作について、図11及び図12に示すフローチャートに沿って説明する。
図11は、本発明に係る取引処理システムの実施例1における不可店舗設定動作を示すフローチャート(その1)であり、図12は、本発明に係る取引処理システムの実施例1における不可店舗設定動作を示すフローチャート(その2)である。
【0082】
ここでは、顧客「×× 三郎」が、店舗Aに設置された自動取引装置11Aを操作して、自身の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行を、特定の店舗に設置された自動取引装置11において不可とすべく不可店舗の設定を実行させる場合の処理の流れについて、図11に沿って説明する。なお、この不可店舗設定処理に先立って、顧客「×× 三郎」の口座には、不可店舗は設定されていないものとする。
【0083】
店舗Aにおいて、顧客「×× 三郎」が自動取引装置11Aに検知されると、取引処理選択画面32(図7)が表示入力部15に表示される(ステップS101)。
【0084】
取引処理選択画面32(図7)において、不可店舗設定処理を選択すべく「不可店舗設定」ボタン34が押下されると、表示入力部15が該選択を示す不可要求データを入力し、装置制御部21へ送る(ステップS201)。装置制御部21は、入力された不可要求データを一時記憶部18に記憶させる。
【0085】
続いて、装置制御部21は、カード挿入画面を表示入力部15に表示させる(ステップS103)。カード挿入画面にしたがって、顧客がカード読取部17に設けられたカード挿入口に顧客のキャッシュカードを挿入すると、カード読取部17は、該キャッシュカードの磁気ストライプから口座番号「3333333」を読み取る(ステップS104)。読み取られた口座番号は、一時記憶部18に記憶される。
【0086】
装置制御部21は、更に、暗証番号入力画面を表示入力部15に表示させる(ステップS105)。顧客が、暗証番号入力画面において、暗証番号として入力番号「3333」を入力すると、該入力番号は、一時記憶部18に記憶される。
【0087】
続いて、装置制御部21は、一時記憶部18から不可要求データと、口座番号「3333333」と、入力番号「3333」とを読み出して、装置通信部20によりこれらのデータをサーバ14へ送信させる(ステップS202)。
【0088】
サーバ14において、サーバ通信部22が自動取引装置11Aから不可要求データ、口座番号及び入力番号を受信すると、サーバ制御部29は、第1検索判断部25を制御して、受信した口座番号に基づいてサーバ格納部23に格納されている暗証番号を検索させ、該暗証番号と受信した入力番号とが一致するか否かを判断させる(ステップS107)。第1検索判断部25は、受信した口座番号「3333333」に基づいてサーバ格納部23に格納されている暗証番号「3333」を読み出して、該暗証番号と受信した入力番号「3333」とが一致すると判断する。
【0089】
第1検索判断部25により入力番号が暗証番号に一致すると判断される(ステップS107)と、サーバ制御部29は、サーバ格納部23から履歴店舗データの読み出しを行う。即ち、サーバ制御部29は、自動取引装置11Aから受信した口座番号に基づいて、サーバ格納部23を検索し、対応する履歴店舗データ項目31−1〜3から各履歴店舗データを読み出す。サーバ制御部29は、口座番号「3333333」に対応する履歴店舗データ項目31−1〜3から、履歴店舗データ「B」、「C」、「D」を読み出して、サーバ通信部22により自動取引装置11Aへ送信する(ステップS108)。
【0090】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から履歴店舗データ「B」、「C」、「D」を受信すると、装置制御部21は、店舗識別データ格納部19から店舗識別データ「A」を読み出し、この店舗識別データ「A」と、履歴店舗データ「B」、「C」、「D」とを、画面編集部16に送る。そして、画面編集部16が、顧客に不可店舗を選択させるための不可店舗選択画面の画面データを編集し、表示入力部15が、図13に示される不可店舗選択画面44を表示する(ステップS203)。
【0091】
図13は、実施例1における不可店舗選択画面の構成を示す説明図である。
不可店舗選択画面44には、図13に示されるように、顧客が現在操作中の自動取引装置11Aが設置された店舗Aを不可店舗として選択するための店舗選択ボタン45aと、顧客が最近利用した店舗を不可店舗として選択するための各店舗選択ボタン45b、45c、45dと、各店舗の店舗名に基づいて顧客に不可店舗を選択させるために各店舗名が表示された複数の店舗選択ボタン45e〜45hとが表示されている。
【0092】
また、不可店舗選択画面44には、図13に示されるように、各店舗の種別に基づいて顧客に不可店舗を選択させるために種別名が表示された種別選択ボタン46が表示されている。更に、不可店舗選択画面44には、表示されていない店舗を不可店舗として選択するために画面表示を切り替える「次」ボタン47と、選択を確定するための「確認」ボタン48と、不可店舗設定処理を終了するための「取消」ボタン49とが表示されている。
【0093】
不可店舗選択画面44において、顧客が店舗選択ボタン45a〜45hの何れかを選択した後、「確認」ボタン48を押下する(ステップS204)と、選択された店舗選択ボタン45a〜45hに対応する店舗識別データが、不可店舗データとして入力され、装置制御部21へ送られる(ステップS205)。例えば、店舗選択ボタン45aが選択された後、「確認」ボタン48が押下されると、店舗識別データ「A」が不可店舗データとして入力される。また、店舗選択ボタン45e、45fが選択された後、「確認」ボタン48が押下されると、店舗識別データ「E」、「F」が不可店舗データとして入力される。装置制御部21は、入力された不可店舗データを、一時記憶部18に記憶させる。
【0094】
続いて、装置制御部21は、顧客に不可店舗を確認させるための不可店舗確認画面を表示入力部15に表示させる(ステップS206)。画面編集部16が、一時記憶部18に記憶された不可店舗データに基づいて、不可店舗確認画面の画面データを編集し、表示入力部15が該画面データに基づく不可店舗確認画面の表示を行う。
【0095】
図14は、不可店舗確認画面の構成を示す説明図である。
不可店舗確認画面50a及び50bには、図14(a)及び図14(b)に示されるように、顧客が顧客により選択された不可店舗の店舗名と、「確認」ボタン48と、「取消」ボタン49とが表示されている。
【0096】
不可店舗選択画面44(図13)において、「現在ご利用の店舗A」と表示された店舗選択ボタン45aが選択された場合、不可店舗確認画面50aには、図14(a)に示されるように、不可店舗を示す店舗名「A」と共に、操作中の自動取引装置11Aが設置されている店舗が不可店舗として選択されたことを示すメッセージが表示される。
【0097】
不可店舗選択画面44(図13)において、店舗名「E」及び「F」が表示された各店舗選択ボタン45e、45fが選択された場合、不可店舗確認画面50bには、図14(b)に示されるように、不可店舗を示す店舗名「E」及び「F」が表示される。
【0098】
不可店舗確認画面50a、50bにおいて、「確認」ボタン48が押下されると、表示入力部15が、不可店舗データに基づく不可データの設定要求を示す店舗不可要求データを入力し、装置制御部21へ送る(ステップS207)。装置制御部21は、一時記憶部18から口座番号「3333333」及び不可店舗データ「A」或いは「E」、「F」を読み出して、店舗不可要求データ、口座番号及び不可店舗データを、装置通信部20によりサーバ14へ送信する(ステップS208)。
【0099】
サーバ14において、サーバ通信部22が自動取引装置11Aから店舗不可要求データ、口座番号「3333333」及び不可店舗データ「A」或いは「E」、「F」を受信すると、サーバ制御部29は、設定部24を制御して、受信した口座番号及び不可店舗データに基づき、サーバ格納部23に不可データを設定する(ステップS209)。設定部24は、例えば、口座番号「3333333」及び不可店舗データ「A」に対応する店舗データ項目30Aに、不可データ「不可」を格納させて、サーバ格納部23への不可データの設定を行う(図3)。或いは、設定部24は、口座番号「3333333」及び不可店舗データ「E」、「F」に対応する店舗データ項目30に、不可データ「不可」を格納させる。
【0100】
続いて、サーバ制御部29は、生成部27に不可データの設定完了を示す設定完了信号を生成させて、該設定完了信号をサーバ通信部22により自動取引装置11Aへ送信する(ステップS210)。
【0101】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から設定完了信号を受信すると、装置制御部21は、不可店舗の設定完了を示す図示されない設定完了画面を、表示入力部15に表示させる(ステップS211)。また、カード読取部17のカード挿入口から顧客のキャッシュカードを排出させて、取引処理システム10は、不可店舗設定処理を終了する。
【0102】
上記のように、自動取引装置において、画面上で顧客により選択された不可店舗の店舗識別データが、口座番号と共にサーバへ送信される。そして、サーバにおいて、受信した口座番号に対応する不可データが、受信した店舗識別データに対応して、サーバ格納部に設定される。
【0103】
なお、不可店舗の設定に際して、キャッシュカードを挿入させ且つ暗証番号を入力させることにより、取引処理システム10は、許可店舗の限定処理時と同様に、設定者が顧客本人であることの認証処理を行っている。この認証処理の流れは、許可店舗限定処理の場合と同一なので、説明を省略する。
【0104】
次に、顧客「△△ 二郎」が、店舗Aに設置された自動取引装置11Aを操作して、自身の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行を、特定の種別の店舗に設置された自動取引装置11において不可とすべく不可種別の設定を実行させる場合の処理の流れについて、図11及び図12のフローチャートに沿って説明する。なお、この不可店舗設定処理に先立って、顧客「△△ 二郎」の口座には、不可店舗は設定されていないものとする。
【0105】
店舗Aにおいて、顧客「△△ 二郎」が自動取引装置11Aに検知されると、取引処理選択画面32(図7)が表示入力部15に表示される(ステップS101)。この取引処理選択画面32において、「不可店舗設定」ボタン34が選択されて、不可要求データが入力された(ステップS201)後、不可店舗選択画面44(図13)が表示される(ステップS203)までの処理の流れは、特定の店舗を不可店舗として設定する場合の処理の流れと同一なので、説明を省略する。
【0106】
不可店舗選択画面44(図13)において、顧客が種別選択ボタン46を選択した後、「確認」ボタン48を押下する(ステップS212)と、該種別選択ボタン38に対応する種別識別データが、不可種別データとして入力され、装置制御部21へ送られる(ステップS213)。本実施例では、不可種別データとして「コンビニエンスストア」が入力される。入力された不可種別データ「コンビニエンスストア」は、一時記憶部18に記憶される。
【0107】
続いて、装置制御部21は、顧客に不可種別を確認させるための不可種別確認画面を表示入力部15に表示させる(ステップS214)。
【0108】
図15は、不可種別確認画面の構成を示す説明図である。
不可種別確認画面51には、図15に示されるように、顧客により選択された不可種別の種別名と、「確認」ボタン48と、「取消」ボタン49とが表示されている。
【0109】
不可種別確認画面51(図15)において、「確認」ボタン48が押下されると、表示入力部15が、不可種別データに基づく不可データの設定要求を示す種別不可要求データを入力し、装置制御部21へ送る(ステップS215)。装置制御部21は、一時記憶部18から口座番号「2222222」及び不可種別データ「コンビニエンスストア」を読み出して、種別不可要求データ、口座番号及び不可種別データを、装置通信部20によりサーバ14へ送信する(ステップS216)。
【0110】
サーバ14において、サーバ通信部22が自動取引装置11Aから種別不可要求データ、口座番号「2222222」及び不可種別データ「コンビニエンスストア」を受信すると、サーバ制御部29は、店舗データ格納部28から、受信した不可種別データに対応する各店舗識別データを、不可店舗データとして読み出す(ステップS217)。サーバ制御部29は、店舗データ格納部28(図4)から、不可種別データ「コンビニエンスストア」に対応して格納されている店舗識別データ、例えば「B」及び「D」を、不可店舗データとして読み出す。
【0111】
続いて、サーバ制御部29は、設定部24を制御して、受信した口座番号及び読み出した不可店舗データに基づく不可データを、サーバ格納部23に設定する(ステップS218)。設定部24は、例えば、口座番号「2222222」及び不可店舗データ「B」、「D」に対応する店舗データ項目30B、30Dに、それぞれ、不可データ「不可」を格納させて、サーバ格納部23への不可データの設定を行う(図3)。
【0112】
その後、サーバ制御部29は、生成部27により設定完了信号を生成して、サーバ通信部22により該設定完了信号を自動取引装置11Aへ送信する(ステップS210)。
【0113】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から設定完了信号を受信すると、設定完了画面が表示入力部15に表示され(ステップS211)、カード読取部17が顧客のキャッシュカードを排出する。これにより、取引処理システム10は、不可店舗設定処理を終了する。
【0114】
上記のように、自動取引装置の画面上で不可店舗の種別が選択され、該種別に対応する各店舗が不可店舗として一括設定される。
【0115】
次に、店舗Aに設置された自動取引装置11Aにおいて、顧客「○○ 一郎」がキャッシュカードを用いた取引処理を実行させる場合の、取引処理システム10の動作について、説明する。
図16は、本発明に係る取引処理システムの実施例1における不可店舗確認動作を示すフローチャートである。
【0116】
店舗Aにおいて、顧客「○○ 一郎」が自動取引装置11Aに検知されると、装置制御部21は、取引処理選択画面32(図7)を表示入力部15に表示させる(ステップS101)。
【0117】
取引処理選択画面32(図7)において、顧客が何れかの取引処理を選択すべく選択ボタンを押下すると、該選択を示す取引要求データが入力され、一時記憶部18に記憶される(ステップS301)。例えば、出金処理を選択するための選択ボタン33が押下されると、該選択を示す出金要求データが入力され、一時記憶部18に記憶される。
【0118】
装置制御部21は、取引要求データの入力を受けて、カード挿入画面を表示入力部15に表示させる(ステップS103)。そして、カード読取部17が、カード挿入口に挿入された顧客のキャッシュカードから、口座番号「1111111」を読み取り(ステップS104)、読み取られた口座番号が一時記憶部18に記憶される。
【0119】
続いて、装置制御部21は、店舗識別データ格納部19から店舗識別データ「A」を読み出すと共に、一時記憶部18から取引要求データ及び口座番号「1111111」を読み出して、該取引要求データ、口座番号及び店舗識別データを、装置送信部20によりサーバ14へ送信する(ステップS302)。
【0120】
サーバ14において、サーバ通信部22が自動取引装置11Aから取引要求データ、口座番号「1111111」及び店舗識別データ「A」を受信すると、サーバ制御部29は、第2検索判断部26を制御して、受信した口座番号「1111111」に基づきサーバ格納部23を検索し、受信した店舗識別データ「A」に対応する店舗データ項目30Aに不可データが設定されているか否かを判断する(ステップS303)。図3(a)及び図3(b)に示されるサーバ格納部23には、口座番号「1111111」に対応する店舗データ項目30Aに不可データ「不可」は格納されていないので、第2検索判断部26は、設定されていないと判断する。
【0121】
該判断結果を受けて、サーバ制御部29は、生成部27を制御して、自動取引装置11Aにおける取引処理を継続させるための継続信号を生成させ、該継続信号をサーバ通信部22により自動取引装置11Aへ送信する(ステップS304)。
【0122】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から継続信号を受信すると、装置制御部21は、ホストコンピュータ13との間で取引処理を継続し(ステップS305)、取引処理システム10は、不可店舗確認処理を終了する。
【0123】
ステップS303において、図3(c)に示されるサーバ格納部23には、口座番号「1111111」に対応する店舗データ項目30Aに不可データ「不可」が格納されている。この場合、第2検索判断部26は、不可データが設定されていると判断し(ステップS303)、該判断結果をサーバ制御部29に通知する。
【0124】
サーバ制御部29は、この判断結果を受けて、生成部27を制御して、自動取引装置11Aにおける取引処理を停止させるための停止制御信号を生成させて、該停止制御信号をサーバ通信部22により自動取引装置11Aへ送信する(ステップS306)。
【0125】
自動取引装置11Aにおいて、装置通信部20がサーバ14から停止制御信号を受信すると、装置制御部21は、取引処理の停止を示す図示されない停止画面を表示入力部15により表示し(ステップS307)、取引処理システム10は、不可店舗確認処理を終了する。
【0126】
上記のように、自動取引装置において、キャッシュカードを用いた取引処理が要求されると、自動取引装置からサーバへ、口座番号と共に店舗識別データが送信される。そして、サーバにおいて、該口座番号及び店舗識別データに対応する不可データの設定の有無が判断され、設定されている場合、自動取引装置における上記取引処理が停止される。
【0127】
以上のように、本実施例の取引処理システムは、店舗に設置された自動取引装置におけるキャッシュカードを用いた各取引処理に対して、該取引処理を実行可能とする許可店舗の限定及び実行不可とする不可店舗の設定ができるので、キャッシュカードを盗まれた場合や偽造カードが作成された場合も、盗難カードや偽造カードを用いた不正な取引処理の実行を抑止可能となる。また、許可店舗や不可店舗の指定に際して、顧客が最近利用した店舗が画面上に表示されるので、普段利用する店舗を容易に選択可能となり、操作性が向上される。更に、店舗種別に応じて許可店舗や不可店舗を一括して指定できるので、例えば、手数料が高くセキュリティに不安があるコンビニエンスストアの自動取引装置を一括して利用不可と設定可能となり、利便性が向上される。また、不可店舗を多数設定する場合も、一つ一つの店舗を指定する手間を省略可能となり、操作時間が短縮される。
【0128】
なお、本実施例の取引処理システムでは、自動取引装置における取引処理を実行可能とする許可店舗や実行不可とする不可店舗を設定しているが、例えば、取引処理を実行可能或いは不可とする都道府県や区市町村等の地域を許可地域或いは不可地域として設定する構成を採用することも可能である。この場合、自動取引装置の店舗識別データ格納部に代えて、地域識別データ格納部を設け、該地域識別データ格納部に格納された地域識別データをサーバに送信し、サーバ格納部に予め設定された不可地域データと一致するか否かを判断することにより、該地域に設置された自動取引装置における取引処理を実行不可とすることができる。
【0129】
また、不可店舗の設定に加えて、更に取引処理の実行を不可とする期間、即ち不可期間を設定することも可能である。不可期間の設定については、次の実施例2で詳しく説明する。
【0130】
更に、本実施例の取引処理システムでは、許可店舗の限定処理、不可店舗の設定処理及び各検索判断処理は、サーバにおいて行われているが、口座番号及び各店舗識別データに対応して不可データを格納する格納部をホストコンピュータに設け、ホストコンピュータに検索判断機能を持たせることにより、上記した限定処理、設定処理及び不可店舗確認処理を行うことも可能である。
【0131】
また、本実施例の取引処理システムでは、キャッシュカードを用いた取引処理について許可店舗の限定及び不可店舗の設定を行っているが、更に通帳を用いた取引処理についても、同様に許可店舗の限定及び不可店舗の設定を行うことが可能である。
また、本実施例の取引処理システムでは、入力番号と暗証番号との一致を確認することにより本人確認を行っているが、生体認証により本人確認を行うことも可能である。
【実施例2】
【0132】
図17は、本発明の実施例2に係る取引処理システムのシステム構成図である。
本発明に係る取引処理システム60は、図17に示されるように、インターネット64を介してサーバ63との間で通信可能な端末装置65が顧客側に設けられる構成が、実施例1とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1と同様な構成を同一の符号で示し、これらについての説明を省略する。
【0133】
図18は、本発明の実施例2に係る取引処理システムの一部の構成を示すブロック図である。
【0134】
端末装置65は、本実施例では顧客のパーソナルコンピュータからなり、図18に示されるように、端末表示部66、端末入力部67、端末通信部68及びこれら各部を制御するための端末制御部69を備えている。
【0135】
端末表示部66は、例えばディスプレイからなり、webブラウザを表示する機能を有する。
【0136】
端末入力部67は、例えばマウス及びキーボードからなり、顧客に口座番号等の入力データを入力させる機能を有する。顧客は、端末入力部67を介して、不可要求データや不可店舗データを入力できると共に、限定要求データや許可店舗データ等を入力できる。
【0137】
端末通信部68は、端末送信部としての機能を有し、インターネット64を介してサーバ63との間でweb通信によりデータの送受信を行う。
【0138】
端末制御部69は、上記した各部66〜68を制御する機能を有する。
【0139】
サーバ63は、図18に示されるように、サーバ通信部70、サーバ格納部71、設定部72、削除部73、第1検索判断部74、第2検索判断部75、第3検索判断部76、時刻データ取得部77、生成部27及びこれら各部を制御するためのサーバ制御部78を備えている。
【0140】
サーバ通信部70は、サーバ送信部及びサーバ受信部としての機能を有し、インターネット64を介して端末装置65との間でweb通信によりデータの送受信を行い、また、専用回線62を介して自動取引装置61との間でデータの送受信を行う。
【0141】
サーバ格納部71は、顧客の名前や口座番号、パスワード等の口座データを格納している。
【0142】
図19は、実施例2のサーバ格納部の構成を示す説明図である。
サーバ格納部71には、図19に示されるように、顧客毎に口座番号に対応して、パスワードが格納されている。このパスワードは、本実施例では複数の記号からなり、顧客の口座に対して、不可店舗や許可店舗、更に取引処理を不可とする期間を示す不可期間等を、インターネット64を介して設定可能とするために、予め顧客により設定される。なお、パスワードとして、該口座における暗証番号を採用することも可能である。
【0143】
また、サーバ格納部71には、図19に示されるように、顧客毎に口座番号に対応して、店舗データ項目79が設けられている。店舗データ項目79は、各店舗の店舗識別データ「A」、「B」、「C」・・・に対応してそれぞれ設けられ、各店舗データ項目79A、79B、79C・・・には、不可店舗データに応じて、不可データ「不可」が格納される。
【0144】
更に、サーバ格納部71には、図19に示されるように、各店舗データ項目79に対応して、不可期間データ項目80が設けられている。この不可期間データ項目80には、不可期間を指定するための不可期間データが格納される。
【0145】
例えば、図19(a)において、顧客「○○ 一郎」の口座では、口座番号は「1111111」、パスワードは「aaa111」となっている。また、この顧客の口座に対応する店舗データ項目79には、不可データは格納されておらず、不可店舗は設定されていない。即ち、顧客「○○ 一郎」の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理は、各店舗に設置された自動取引装置61において、実行可能である。
【0146】
また、図19(a)において、顧客「△△ 二郎」の口座では、口座番号は「2222222」、パスワードは「bbb222」となっており、これらに対応する店舗データ項目79の中、店舗Cに対応する店舗データ項目79Cには、不可データ「不可」が格納されている。また、この店舗データ項目79Cに対応する不可期間データ項目80Cには、不可期間データ「07−08−01−22:00〜07−08−02−09:00」が格納されている。即ち、店舗Cに設置された自動取引装置61Cでは、2007年8月1日22時から2007年8月2日9時までの期間における顧客「△△ 二郎」の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行は不可と設定されている。
【0147】
また、図19(a)において、顧客「×× 三郎」の口座では、口座番号は「3333333」、パスワードは「ccc333」となっており、これらに対応する店舗データ項目79の中、店舗Aに対応する店舗データ項目79A及び店舗Bに対応する店舗データ項目79Bには、不可データ「不可」が格納されている。また、店舗データ項目79Aに対応する不可期間データ項目80A及び店舗データ項目79Bに対応する不可期間データ項目80Bには、不可期間データ「07−08−01−12:34〜**−**−**−**:**」が格納されている。即ち、店舗Aに設置された自動取引装置61A及び店舗Bに設置された自動取引装置61Bでは、2007年8月1日12時34分以降、顧客「×× 三郎」の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行は不可と設定されている。
【0148】
設定部72は、不可データや不可期間データを、サーバ格納部71に設定する機能を有する。設定部72は、サーバ制御部78から受けた口座番号、不可店舗データ及び不可期間データに基づいて、対応する店舗データ項目30に不可データ「不可」を格納させると共に、対応する不可期間データ項目80に、不可期間データを格納させる。
【0149】
削除部73は、設定部72によりサーバ格納部71に設定された不可データ及び不可期間データを削除する機能を有する。
【0150】
第1検索判断部74は、サーバ通信部70により端末装置65から受信した口座番号に基づいて、サーバ格納部71に格納されているパスワードを検索し、端末装置65から受信した入力ワードと検索されたパスワードとが一致するか否かを判断する機能を有する。
【0151】
第2検索判断部75は、検索生成部として、サーバ通信部70により自動取引装置61から受信した口座番号及び店舗識別データに基づいて、サーバ格納部71の店舗データ項目79を検索し、不可データが格納されているか否かを判断する機能を有する。そして、格納されていると判断した場合、第2検索判断部75は、該判断結果を第3検索判断部76に送る。
【0152】
第3検索判断部76は、第2検索判断部75による判断結果に基づいて、更にサーバ格納部71から対応する不可期間データを読み出して、該不可期間データにより指定される不可期間が後述する時刻データ取得部77により通知された時刻データを含むか否か、即ち現在の時刻が不可期間内であるか否かを判断する機能を有する。
【0153】
時刻データ取得部77は、現在の時刻を示す時刻データを取得して、第3検索判断部76及び削除部73に通知する機能を有する。
【0154】
サーバ制御部78は、上記した各部を制御する機能を有する。
【0155】
自動取引装置61は、例えば金融機関の窓口がある店舗のコーナーや、自動取引装置専用の無人店舗、24時間営業のコンビニエンスストア等の店舗に設置され、金融機関のセンタに配置されたホストコンピュータ13及びサーバ63と、通信回線としての専用回線62を介して接続され、図18に示されるように、表示入力部15、画面編集部16、カード読取部17、一時記憶部18、店舗識別データ格納部19、装置通信部20及びこれら各部を制御するための装置制御部21を備えている。
【0156】
次に、本発明に係る取引処理システム60の動作について、説明する。
まず、取引処理の実行を可能とする許可店舗を限定すると共に、不可店舗に対する不可期間の設定を行う場合の動作について、図20に示すフローチャートに沿って説明する。
図20は、本発明に係る取引処理システムの実施例2における許可店舗限定動作を示すフローチャートである。
【0157】
ここでは、顧客「○○ 一郎」が、自身の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行を、特定の店舗に設置された自動取引装置61に限定すべく、端末装置65を介して許可店舗の限定及び不可期間の設定を実行させる場合の処理の流れについて、図20に沿って説明する。なお、この許可店舗限定処理に先立って、顧客「○○ 一郎」の口座には、不可店舗の設定及び許可店舗の限定は実施されていないものとする(図19(a))。
【0158】
顧客「○○ 一郎」が、端末装置65を操作して、サーバ63へのアクセスを要求すると、端末制御部69は制御動作を実施し、アクセスを要求するためのアクセス要求データを、端末通信部68によりサーバ63へ送信する(ステップS401)。
【0159】
サーバ63において、サーバ通信部70が端末装置65からアクセス要求データを受信すると、サーバ制御部78は制御動作を実施し、顧客に口座データを入力させるための口座データ入力画面の画面データを、サーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0160】
続いて、端末装置65において、端末通信部68が画面データを受信すると、端末制御部69の制御により、端末表示部66が、該画面データに基づき口座データ入力画面81を表示する(ステップS402)。
【0161】
図21は、口座データ入力画面の構成を示す説明図である。
口座データ入力画面81には、図21に示されるように、口座番号を顧客に入力させるための口座番号入力領域82、該口座におけるパスワードを顧客に入力させるためのパスワード入力領域83、前の画面に戻るための「戻る」ボタン84、入力或いは選択された各データの送信を行うための「送信」ボタン85及び処理を終了するための「キャンセル」ボタン86が表示されている。
【0162】
顧客が端末入力部67を操作して、自身の口座における口座番号「1111111」の入力及びパスワードとしての入力ワード「aaa111」の入力を行い、「送信」ボタン85を選択すると、端末制御部69は、該口座番号及び入力ワードを、端末通信部68によりサーバ63へ送信する(ステップS403)。
【0163】
サーバ63において、サーバ通信部70が端末装置65から口座番号及び入力ワードを受信すると、サーバ制御部78は、第1検索判断部74を制御して、受信した口座番号に基づいてサーバ格納部71に格納されているパスワードを検索させ、該パスワードと受信した入力ワードとが一致するか否かを判断させる(ステップS404)。サーバ格納部71において、口座番号「1111111」に対応して格納されているパスワードは「aaa111」であるので、第1検索判断部74は、該パスワードと受信した入力ワード「aaa111」とが一致すると判断し、該判断結果をサーバ制御部78に通知する。
【0164】
サーバ制御部78は、この判断結果を受けて、希望のサービスを顧客に選択させるためのサービス選択画面の画面データを、サーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0165】
そして、端末装置65において、端末通信部68が画面データを受信すると、端末制御部69の制御により、端末表示部66が、該画面データに基づきサービス選択画面87を表示する(ステップS405)。
【0166】
図22は、サービス選択画面の構成を示す説明図である。
サービス選択画面87には、図22に示されるように、不可店舗の設定を選択するための設定選択ボタン88と、許可店舗の限定を選択するための限定選択ボタン89とが設けられ、顧客に何れかを選択させる。また、サービス選択画面87には、「戻る」ボタン84、「送信」ボタン85及び「キャンセル」ボタン86が表示されている。
【0167】
顧客は、許可店舗を限定する場合、まず、限定選択ボタン89を選択した後、「送信」ボタン85を押下する。これにより、限定要求データが入力され、端末制御部69は、該限定要求データを、端末通信部68によりサーバ63へ送信する(ステップS406)。
【0168】
サーバ63において、サーバ通信部70が端末装置65から限定要求データを受信すると、サーバ制御部78は、口座番号に基づきサーバ格納部71の店舗データ項目79を検索し、不可データが設定されている店舗、即ち設定済店舗を特定し、設定済店舗の店舗識別データを設定済店舗データとして読み出す(ステップS407)。サーバ格納部71(図19(a))には、口座番号「1111111」に対応する不可データは設定されていないので、サーバ制御部78は設定済店舗が無いと判断し、次ステップの動作に移る。
【0169】
続いて、サーバ制御部78は、許可店舗を顧客に選択させるための許可店舗選択画面の画面データを、サーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0170】
端末装置65において、端末通信部68が画面データを受信すると、端末制御部69の制御により、端末表示部66が、該画面データに基づき許可店舗選択画面90aを表示する(ステップS408)。
【0171】
図23は、実施例2における許可店舗選択画面の構成を示す説明図である。
許可店舗選択画面90aには、図23(a)に示されるように、各店舗の店舗名に基づいて顧客に許可店舗を選択させるための複数の店舗選択ボタン91a〜91fが表示されている。また、許可店舗選択画面90aには、「戻る」ボタン84と、「送信」ボタン85と、表示されていない店舗を許可店舗として選択するために画面表示を切り替える「次へ」ボタン92とが、それぞれ表示されている。
【0172】
許可店舗選択画面90a(図23(a))において、顧客が店舗選択ボタン91a〜91fの何れかを選択した後、「送信」ボタン85を押下する(ステップS409)と、選択された店舗選択ボタン91a〜91fに対応する店舗識別データが、許可店舗データとして入力される(ステップS410)。例えば、店舗選択ボタン91aが選択された後、「送信」ボタン85が押下されると、店舗識別データ「A」が許可店舗データとして入力される。端末制御部69は、入力された許可店舗データ「A」を、端末通信部68によりサーバ63へ送信する(ステップS410)。
【0173】
続いて、サーバ63において、サーバ通信部70が端末装置65から許可店舗データ「A」を受信すると、サーバ制御部78は、図示されない一時記憶部に該許可店舗データを記憶させると共に、不可期間を顧客に指定させるための不可期間入力画面93の画面データを、サーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0174】
端末装置65において、端末通信部68が画面データを受信すると、端末制御部69の制御により、端末表示部66が、該画面データに基づき不可期間入力画面93を表示する(ステップS411)。
【0175】
図24は、不可期間入力画面の構成を示す説明図である。
不可期間入力画面93には、図24に示されるように、不可期間を指定するために顧客に開始日時を入力させる開始日時入力領域94及び終了日時を入力させる終了日時入力95が表示されている。また、不可期間入力画面93は、「戻る」ボタン84、「送信」ボタン85及び「キャンセル」ボタン86を有している。
【0176】
顧客の操作により、端末入力部67から開始日時「08月01日09時00分」及び終了日時「08月15日09時00分」が入力された後、「送信」ボタン85が選択されると、端末制御部69は、入力された開始日時及び終了日時に基づき指定される期間を不可期間データとして、端末通信部68によりサーバ63へ送信する(ステップS412)。
【0177】
そして、サーバ63において、サーバ通信部70が端末装置65から不可期間データを受信すると、サーバ制御部78は、一時記憶部に記憶されている許可店舗データ「A」を読み出す。そして、該許可店舗データ「A」及び不可期間データを含む確認画面96の画面データを編集し、該画面データを、サーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0178】
端末装置65において、端末通信部68がサーバ63から画面データを受信すると、端末制御部69の制御により、端末表示部66が該画面データに基づき確認画面96を表示する(ステップS413)。
【0179】
図25は、確認画面の構成を示す説明図である。
確認画面96には、図25に示されるように、顧客により選択された許可店舗の店舗名「A」と、入力された不可期間とが表示されている。また、確認画面96は、該表示を確認して、許可店舗及び不可期間の設定を行うことを選択するための「確認」ボタン97を有している。
【0180】
確認画面96(図25)において、「確認」ボタン97が押下されると、端末制御部69は、確認されたことを示す確認信号を生成して、該確認信号を、端末通信部68によりサーバ63へ送信する。
【0181】
サーバ63において、サーバ通信部70が端末装置65から確認信号を受信すると、サーバ制御部78は、設定部72を制御して、サーバ格納部71に不可データ及び不可期間データを設定させる(ステップS414)。設定部72は、口座番号「1111111」に対応する各店舗データ項目79の中、許可店舗データ「A」に対応する店舗データ項目79Aを除外して、他の各店舗データ項目79B、79C・・・に不可データ「不可」を格納すると共に、これらに対応する不可期間データ項目80B、80C・・・に、不可期間データ「07−08−01−09:00〜07−08−15−09:00」を格納する。
【0182】
サーバ格納部71には、図19(b)に示されるように、口座番号「1111111」に対応する各店舗データ項目79B、79C・・・に、不可データ「不可」が格納され、これらに対応する不可期間データ項目80B、80C・・・に、不可期間データ「07−08−01−09:00〜07−08−15−09:00」が格納される。
【0183】
続いて、サーバ制御部78は、許可店舗の限定完了を示す限定完了画面98の画面データを、サーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0184】
端末装置65において、端末通信部68がサーバ63から画面データを受信すると、端末制御部69の制御により、端末表示部66が該画面データに基づき限定完了画面98を表示する(ステップS415)。これにより、取引処理システム60は、許可店舗限定処理を終了する。
【0185】
図26は、限定完了画面の構成を示す説明図である。
限定完了画面98には、図26に示されるように、許可店舗の限定が完了したことを通知するメッセージと、許可店舗限定処理の終了を選択するための「終了」ボタン99とが表示されている。
【0186】
なお、ステップS404において、パスワードが一致しないと判断された場合、サーバ制御部78は、パスワードの不一致を通知するエラー画面100の画面データを、サーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0187】
端末装置65において、端末通信部68が画面データを受信すると、端末制御部69の制御により、端末表示部66が該画面データに基づきエラー画面100を表示する(ステップS416)。
【0188】
図27は、エラー画面の構成を示す説明図である。
エラー画面100には、図27に示されるように、パスワードが一致しないことを示すメッセージと、「戻る」ボタン84と、「終了」ボタン99とが表示されている。
【0189】
エラー画面100において、「終了」ボタン99が選択された場合、或いは、「戻る」ボタン84が選択された後、ステップS404に戻って再度入力が実行され、パスワードの不一致が予め定められた規定回数発生した場合、端末表示部66には、サーバ63から送信された終了画面101が表示される。これにより、取引処理システム60は、許可店舗限定処理を終了する。
【0190】
図28は、端末表示部に表示された終了画面の構成を示す説明図である。
終了画面101には、図28に示されるように、「終了」ボタン99が表示されている。
【0191】
上記のように、口座データや許可店舗データ、不可期間データ等が、顧客の端末装置からサーバへ、インターネットを介して送信され、顧客の口座に対する許可店舗の限定や、不可店舗に対応する不可期間データの設定が実施される。
【0192】
なお、上記動作の説明では、ステップS407において、設定済店舗が無いと判断される場合について説明しているが、許可店舗限定処理に先立って、顧客の口座に対応する不可データが、サーバ格納部71に設定されている場合、即ち、不可店舗が既に設定されている場合、設定済の不可店舗に追加して、更に不可店舗の設定或いは許可店舗の限定を行うことが可能である。
【0193】
例えば、顧客「△△ 二郎」がサービス選択画面87(図22)において、限定選択ボタン89を選択した後、「送信」ボタン85を押下すると、限定要求データが入力され、サーバ63へ送信される(ステップS406)。
【0194】
サーバ63において、サーバ通信部70が限定要求データを受信すると、サーバ制御部78は、顧客「△△ 二郎」の口座における口座番号「2222222」に基づいて、サーバ格納部71の店舗データ項目79を検索する。サーバ格納部71には、口座番号「2222222」に対応する店舗データ項目79Cに、不可データ「不可」が設定されているので、サーバ制御部78は、設定済店舗データとして店舗識別データ「C」を読み出す(ステップS407)。
【0195】
続いて、サーバ制御部78は、該設定済店舗データ「C」に基づいて許可店舗選択画面の画面データを編集し、該画面データをサーバ通信部70により端末装置65へ送信する。
【0196】
そして、端末装置65において、図23(b)に示される許可店舗選択画面90bが端末表示部66に表示される(ステップS408)。
【0197】
許可店舗選択画面90bは、図23(b)に示されるように、設定済店舗Cに対応する店舗選択ボタン91cは、選択不可能となっている。これは、顧客の口座に対して、店舗Cが不可店舗として設定済であることを示す。
【0198】
また、許可店舗選択画面90bには、図23(b)に示されるように、設定済店舗の一覧表示を選択するための一覧表示選択ボタン102が設けられている。顧客が、この一覧表示選択ボタン102を選択して、「送信」ボタン85を押下する(ステップS417)と、端末表示部66には、設定済店舗の一覧を表示するための一覧表示画面103が表示される(ステップS418)。
【0199】
図29は、一覧表示画面の構成を示す説明図である。
一覧表示画面103は、図29に示されるように、顧客の口座に対して設定済の不可店舗の一覧が表示される表示領域104を備えている。また、一覧表示画面103は、「戻る」ボタン84を有し、この「戻る」ボタン84が押下されると、端末表示部66は、許可店舗選択画面90bを再度表示する。
【0200】
許可店舗選択画面90b(図23(b))において、顧客が、例えば店舗Bに対応する店舗選択ボタン91bを選択した後、「送信」ボタン85を押下する(ステップS409)と、許可店舗識別データ「B」が入力され、端末通信部68によりサーバ63へ送信される(ステップS410)。
【0201】
その後、不可期間データ「07−08−01−09:00〜07−08−15−09:00」が入力して送信される(ステップS412)と、サーバ格納部71には、図19(b)に示されるように、設定済店舗データ「C」及び許可店舗データ「B」を除外して、他の各店舗データ項目79及び対応する不可期間データ項目80に、口座番号「2222222」に対応する不可データ「不可」及び不可期間データ「07−08−01−09:00〜07−08−15−09:00」が設定される(ステップS414)。
【0202】
上記のように、設定済の不可店舗に追加して、不可店舗の設定や許可店舗の限定処理が実行される。
【0203】
また、上記動作の説明では、ステップS409で端末表示部66に表示された不可期間入力画面93(図24)において、開始日時および終了日時を入力することにより、不可期間データの入力を行っているが、例えば、該不可期間入力画面において、開始日時として現在の日時を選択可能とする構成や、開始日時のみの入力を行うことにより、該開始日時以降全ての期間における取引処理を実行不可に設定可能とする構成をとることも可能である。
【0204】
例えば、顧客「×× 三郎」が、許可店舗選択画面90a(図23(a))において店舗Cに対応する店舗選択ボタン91cを選択し、不可期間入力画面93(図24)において、開始日時として現在の日時(2007年8月1日12時34分)を選択し、終了日時の入力を行わなかった場合、顧客「×× 三郎」の口座では、サーバ格納部71(図19)において、店舗Cに対応する店舗データ項目79Cを除外して、他の各店舗データ項目79に不可データ「不可」が設定されると共に、該店舗データ項目79に対応する不可期間データ項目80に、不可期間データ「07−08−01−12:34〜**−**−**−**:**」が設定される。即ち、店舗Cに設置された自動取引装置61Cを除外して、他の各店舗に設置された自動取引装置61では、現在の時刻以降において、顧客「×× 三郎」の口座に対するキャッシュカードを用いた取引処理の実行は全て不可とされる。
【0205】
不可店舗を指定して不可データ及び不可期間データの設定を行う場合の処理の流れについては、説明を省略する。
【0206】
次に、店舗Aに設置された自動取引装置61Aにおいて、顧客「○○ 一郎」がキャッシュカードを用いた取引処理を実行させる場合の、取引処理システム60の動作について、説明する。
図30は、本発明に係る取引処理システムの実施例2における不可店舗確認動作を示すフローチャートである。
【0207】
店舗Aにおいて、顧客が自動取引装置61Aに検知されると、取引処理選択画面32(図7)が自動取引装置61Aの表示入力部15に表示された(ステップS101)後、取引要求データ、口座番号「1111111」及び店舗識別データ「A」が自動取引装置61Aからサーバ63へ送信される(ステップS204)までの動作は、実施例1と同一なので、詳しい説明を省略する。
【0208】
サーバ63において、サーバ通信部70が自動取引装置61Aから取引要求データ、口座番号「1111111」及び店舗識別データ「A」を受信すると、サーバ制御部78は、第2検索判断部75を制御して、受信した口座番号及び店舗識別データに基づいて、サーバ格納部71を検索させて、店舗データ項目79における不可データの設定の有無を判断させる(ステップS501)。図19(a)に示されるサーバ格納部71には、口座番号「1111111」及び店舗識別データ「A」に対応する店舗データ項目79Aに不可データ「不可」は格納されていないので、第2検索判断部75は、設定されていないと判断する。
【0209】
該判断結果を受けて、サーバ制御部78は、生成部27を制御して、自動取引装置61Aにおける取引処理を継続させるための継続信号を生成させ、該継続信号を、サーバ通信部70により自動取引装置61Aへ送信する(ステップS304)。
【0210】
自動取引装置61Aにおいて、装置通信部20がサーバ63から継続信号を受信すると、装置制御部21は、ホストコンピュータ13との間で取引処理を継続し(ステップS305)、取引処理システム60は、不可店舗確認処理を終了する。
【0211】
ステップS501において、店舗データ項目79Aに不可データ「不可」が格納されている場合、第2検索判断部75は、不可データが設定されていると判断し(ステップS501)、該判断結果を第3検索判断部76に送る。
【0212】
第3検索判断部76は、この判断結果を受けて、対応する不可期間データ項目80Aから不可期間データを読み出すと共に、時刻データ取得部77により取得して通知された時刻データに基づいて、現在の時刻が不可期間内であるか否かの判断を行う(ステップS501)。
【0213】
時刻データが不可期間データに含まれている場合、第3検索判断部76は、現在の時刻が不可期間内であると判断し(ステップS502)、該判断結果をサーバ制御部78に通知する。サーバ制御部78は、この判断結果を受けて、生成部27を制御して、自動取引装置61における取引処理を停止させるための停止制御信号を生成させて、該停止制御信号を、サーバ通信部70により自動取引装置61Aへ送信する(ステップS306)。
【0214】
自動取引装置61Aにおいて、装置通信部20がサーバ63から停止制御信号を受信すると、装置制御部21は、取引処理の停止を示す停止画面を表示入力部15に表示する(ステップS307)。これにより、取引処理システム60は、不可店舗確認処理を終了する。
【0215】
また、ステップS502において、時刻データが不可期間データに含まれていない場合、第3検索判断部76は、現在の時刻が不可期間内ではないと判断し(ステップS502)、該判断結果をサーバ制御部78に通知する。サーバ制御部78は、この判断結果を受けて、生成部27により継続信号を生成し、サーバ通信部70により自動取引装置61Aへ送信する(ステップS304)。そして、継続信号を受信した自動取引装置61Aにより、取引処理が継続される(ステップS305)。これにより、取引処理システム60は、不可店舗確認処理を終了する。
【0216】
上記のように、自動取引装置における顧客の口座に対する取引処理の実行時に、サーバ格納部に該自動取引装置の設置店舗に対応する不可データが設定されている場合、更に、現在の時刻が該店舗に対応して設定された不可期間内であるか否かが判断され、不可期間内である場合、取引処理が停止される。
【0217】
なお、サーバ63において、削除部73は、時刻データ取得部77により通知される時刻データに基づいて、サーバ格納部71を監視し、不可期間データ項目80に格納されている不可期間データにより指定される不可期間が、時刻データにより示される現在の時刻を経過すると、該不可期間データ及び対応する不可データを、サーバ格納部71から削除する。これにより、期間が経過して無効となった不可データ及び不可期間データは消去され、該店舗に設置された自動取引装置61におけるキャッシュカードを用いた取引処理が実行可能となる。
【0218】
以上のように、本実施例の取引処理システムは、インターネットを介してサーバと通信可能な顧客の端末装置から、口座番号及び店舗識別データを送信することにより、顧客の口座に対して許可店舗の限定及び不可店舗の設定が可能となるので、顧客は前記限定及び設定のために、わざわざ自動取引装置が設置された店舗に足を運ぶ必要がなくなり、利便性が向上される。
【0219】
更に、不可店舗に対応させて、取引処理を不可とする期間を指定する不可期間データの設定が可能なので、顧客は、例えば夜間や長期間不在中に、自動取引装置における取引処理の実行を不可と設定することが可能となるので、更なる利便性の向上が可能となる。また、予め不可データの設定を解除する終了日時を設定可能なので、許可店舗の限定や不可店舗の設定を解除するために、金融機関の窓口まで出向いて手続を行う必要がなくなるので、更に許可店舗の限定及び不可店舗の設定が実行されやすくなり、不正な取引処理の抑止効果が向上される。
【0220】
なお、本実施例では、端末装置として顧客のパーソナルコンピュータを採用したが、パーソナルコンピュータに代えて、例えば顧客の携帯電話機を採用することも可能である。この場合、携帯電話機とサーバとの間の通信は、無線ネットワークを介して行われる。
【0221】
また、本実施例の取引処理システムでは、実施例1と同様に、自動取引装置における取引処理を実行可能とする許可店舗の限定や不可店舗の設定を行う構成が採用されたが、例えば、取引処理を実行可能とする地域、即ち許可地域の限定や、実行不可とする地域、即ち不可地域の設定を行う構成をとることも可能である。
【0222】
また、本実施例の取引処理システムでは、許可店舗の限定処理や、不可店舗及び不可期間の設定処理、不可店舗の確認処理等は、サーバにおいて行われているが、口座番号に対応して不可データ及び不可期間データを格納する格納部をホストコンピュータに設け、ホストコンピュータに検索判断機能を持たせることにより、上記した限定処理、設定処理及び確認処理を行うことも可能である。
【0223】
また、本実施例の取引処理システムでは、キャッシュカードを用いた取引処理について許可店舗の限定及び不可店舗の設定を行っているが、更に通帳を用いた取引処理についても、同様の構成をとることが可能である。
また、本実施例の取引処理システムでは、入力番号と暗証番号との一致を確認することにより本人確認を行っているが、生体認証により本人確認を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】本発明の実施例1に係る取引処理システムの一部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る取引処理システムのシステム構成図である。
【図3】実施例1のサーバ格納部の構成を示す説明図である。
【図4】店舗データ格納部の構成を示す説明図である。
【図5】本発明に係る取引処理システムの実施例1における許可店舗限定動作を示すフローチャート(その1)である。
【図6】本発明に係る取引処理システムの実施例1における許可店舗限定動作を示すフローチャート(その2)である。
【図7】取引処理選択画面の構成を示す説明図である。
【図8】実施例1における許可店舗選択画面の構成を示す説明図である。
【図9】許可店舗確認画面の構成を示す説明図である。
【図10】許可種別確認画面の構成を示す説明図である。
【図11】本発明に係る取引処理システムの実施例1における不可店舗設定動作を示すフローチャート(その1)である。
【図12】本発明に係る取引処理システムの実施例1における不可店舗設定動作を示すフローチャート(その2)である。
【図13】実施例1における不可店舗選択画面の構成を示す説明図である。
【図14】不可店舗確認画面の構成を示す説明図である。
【図15】不可種別確認画面の構成を示す説明図である。
【図16】本発明に係る取引処理システムの実施例1における不可店舗確認動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施例2に係る取引処理システムのシステム構成図である。
【図18】本発明の実施例2に係る取引処理システムの一部の構成を示すブロック図である。
【図19】実施例2のサーバ格納部の構成を示す説明図である。
【図20】本発明に係る取引処理システムの実施例2における許可店舗限定動作を示すフローチャートである。
【図21】口座データ入力画面の構成を示す説明図である。
【図22】サービス選択画面の構成を示す説明図である。
【図23】実施例2における許可店舗選択画面の構成を示す説明図である。
【図24】不可期間入力画面の構成を示す説明図である。
【図25】確認画面の構成を示す説明図である。
【図26】限定完了画面の構成を示す説明図である。
【図27】エラー画面の構成を示す説明図である。
【図28】終了画面の構成を示す説明図である。
【図29】一覧表示画面の構成を示す説明図である。
【図30】本発明に係る取引処理システムの実施例2における不可店舗確認動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0225】
10 取引処理システム
11 自動取引装置
13 ホストコンピュータ
14 サーバ
15 表示入力部
17 カード読取部
19 店舗識別データ格納部
20 装置通信部
22 サーバ通信部
23 サーバ格納部
24 設定部
25 第1検索判断部
26 第2検索判断部
27 生成部
28 店舗データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置され、金融機関のセンタに設置されるホストコンピュータとの間で少なくとも顧客の口座における口座番号に基づいて各取引処理を実行するための自動取引装置と、前記センタに設置され、通信回線を介して該自動取引装置に接続するサーバとを含む取引処理システムであって、
前記自動取引装置は、
前記取引処理の実行を特定の店舗に設置された各自動取引装置に限定すべく限定要求データと、前記特定の店舗を指定するための店舗識別データと、前記口座番号とを入力する装置入力部と、
入力された前記限定要求データ、前記店舗識別データ及び前記口座番号を前記サーバへ送信する装置送信部とを備え、
前記サーバは、
前記自動取引装置から前記限定要求データ、前記店舗識別データ及び前記口座番号を受信するサーバ受信部と、
受信した前記限定要求データに基づき、受信した前記店舗識別データを除外して、他の各店舗識別データ及び受信した前記口座番号に対応して、前記取引処理の実行不可を示す不可データを設定する設定部とを備える
ことを特徴とする取引処理システム。
【請求項2】
前記サーバは、各口座における口座番号と各店舗識別データとに対応して、不可データを格納可能なサーバ格納部を更に備え、
前記設定部は、前記サーバ格納部に不可データを設定することを特徴とする請求項1記載の取引処理システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記取引処理に利用された店舗の店舗識別データを履歴店舗識別データとして、口座番号に対応させて格納する履歴データ格納部と、
口座番号に基づいて、前記履歴データ格納部から対応する履歴店舗識別データを読み出すための読出部とを更に備え、
前記自動取引装置において、
前記装置入力部は、前記取引処理の実行を最近利用した店舗に設置された各自動取引装置に限定すべく履歴限定要求データと、前記口座番号とを入力し、
前記装置送信部は、入力された前記履歴限定要求データ及び前記口座番号を前記サーバへ送信し、
前記サーバにおいて、
前記サーバ受信部は、前記自動取引装置から前記履歴限定要求データ及び前記口座番号を受信し、
前記読出部は、受信した前記口座番号に基づいて、対応する履歴店舗識別データの読み出しを行い、
前記設定部は、受信した前記履歴限定要求データに基づき、読み出された前記履歴店舗識別データを除外して、他の各店舗識別データ及び前記口座番号に対応する不可データの設定を行うことを特徴とする請求項1記載の取引処理システム。
【請求項4】
前記サーバは、
各店舗識別データに対応して、該店舗の種別を示す種別識別データを格納する店舗データ格納部と、
種別識別データに基づいて、前記店舗データ格納部から対応する店舗識別データを読み出すための読出部とを更に備え、
前記自動取引装置において、
前記装置入力部は、特定の種別の店舗に設置された各自動取引装置における前記取引処理の実行を不可とすべく種別不可要求データと、前記特定の種別を指定するための種別識別データと、前記口座番号とを入力し、
前記装置送信部は、入力された前記種別不可要求データ、前記種別識別データ及び前記口座番号を前記サーバへ送信し、
前記サーバにおいて、
前記サーバ受信部は、前記自動取引装置から前記種別不可要求データ、前記種別識別データ及び前記口座番号を受信し、
前記読出部は、受信した前記種別識別データに基づいて、対応する店舗識別データの読み出しを行い、
前記設定部は、受信した前記種別不可要求データに基づき、読み出された前記店舗識別データ及び受信した前記口座番号に対応する不可データの設定を行うことを特徴とする請求項1記載の取引処理システム。
【請求項5】
金融機関のセンタに設置されるサーバと、該サーバとの間で通信を行う端末装置とを含む取引処理システムであって、
前記端末装置は、
前記取引処理の実行を特定の店舗に設置された各自動取引装置に限定すべく限定要求データと、前記特定の店舗を指定するための店舗識別データと、前記口座番号とを入力する装置入力部と、
入力された前記限定要求データ、前記店舗識別データ及び前記口座番号を前記サーバへ送信する装置送信部とを備え、
前記サーバは、
前記端末装置から前記限定要求データ、前記店舗識別データ及び前記口座番号を受信するサーバ受信部と、
受信した前記限定要求データに基づき、受信した前記店舗識別データを除外して、他の各店舗識別データ及び受信した前記口座番号に対応して、前記取引処理の実行不可を示す不可データを設定する設定部とを備える
ことを特徴とする取引処理システム。
【請求項6】
前記サーバは、各口座における口座番号と各店舗識別データとに対応して、不可データを格納可能なサーバ格納部を更に備え、
前記設定部は、前記サーバ格納部に不可データを設定することを特徴とする請求項5記載の取引処理システム。
【請求項7】
前記サーバは、
前記取引処理に利用された店舗の店舗識別データを履歴店舗識別データとして、口座番号に対応させて格納する履歴データ格納部と、
口座番号に基づいて、前記履歴データ格納部から対応する履歴店舗識別データを読み出すための読出部とを更に備え、
前記端末装置において、
前記端末入力部は、前記取引処理の実行を最近利用した店舗に設置された各自動取引装置に限定すべく履歴限定要求データと、前記口座番号とを入力し、
前記端末送信部は、入力された前記履歴限定要求データ及び前記口座番号を前記サーバへ送信し、
前記サーバにおいて、
前記サーバ受信部は、前記端末装置から前記履歴限定要求データ及び前記口座番号を受信し、
前記読出部は、受信した前記口座番号に基づいて、対応する履歴店舗識別データの読み出しを行い、
前記設定部は、受信した前記履歴限定要求データに基づき、読み出された前記履歴店舗識別データを除外して、他の各店舗識別データ及び前記口座番号に対応する不可データの設定を行うことを特徴とする請求項5記載の取引処理システム。
【請求項8】
前記サーバは、
各店舗識別データに対応して、該店舗の種別を示す種別識別データを格納する店舗データ格納部と、
種別識別データに基づいて、前記店舗データ格納部から対応する店舗識別データを読み出すための読出部とを更に備え、
前記端末装置において、
前記端末入力部は、特定の種別の店舗に設置された各自動取引装置における前記取引処理の実行を不可とすべく種別不可要求データと、前記特定の種別を指定するための種別識別データと、前記口座番号とを入力し、
前記端末送信部は、入力された前記種別不可要求データ、前記種別識別データ及び前記口座番号を前記サーバへ送信し、
前記サーバにおいて、
前記サーバ受信部は、前記端末装置から前記種別不可要求データ、前記種別識別データ及び前記口座番号を受信し、
前記読出部は、受信した前記種別識別データに基づいて、対応する店舗識別データの読み出しを行い、
前記設定部は、受信した前記種別不可要求データに基づき、読み出された前記店舗識別データ及び受信した前記口座番号に対応する不可データの設定を行うことを特徴とする請求項5記載の取引処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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