説明

受信機及び信号伝送システム

【課題】画面揺れ及びちらつき等を解消することができる受信機及び信号伝送システムを提供する。
【解決手段】受信装置20は、RGBの画像信号、垂直同期信号及び水平同期信号を送信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する送信装置10と接続可能であり、当該一対の信号線間の受信装置20側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信装置10側の中点の電位と同一になるように、当該受信装置側の中点の電位を調整する調整回路233と、当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する制御回路232と、水平同期信号に生じる垂直同期信号によるクロストークを垂直同期信号を入力することによりキャンセルするキャンセル回路25とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長距離(例えば数百メートル)で画像信号の送信が可能な受信機及び信号伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータから出力されるアナログ画像信号(即ち、RGB信号)及びキーボードやマウスの操作に対するレスポンス信号をCat5(category 5)ケーブル等で遠隔地に送信するローカルユニットと、キーボードやマウスの操作信号をローカルユニットに送信すると共に上記アナログ画像信号及びレスポンス信号を受信するリモートユニットとを有する信号伝送システムが知られている。
【特許文献1】特開2004−356939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記信号伝送システムでは、キーボードやマウスの操作信号及びレスポンス信号の信号線で完全な平衡伝送ができずに、EMIノイズが発生する。このEMIノイズが、いわゆるクロストークとしてアナログ画像信号に影響し、遠隔地のモニタの画面に揺れやちらつきを生じさせる。
【0004】
本発明の目的は、画面揺れ及びちらつき等を解消することができる受信機及び信号伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の受信機は、複数の画像信号、垂直同期信号及び水平同期信号を送信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する送信機と接続可能な受信機であって、前記一対の信号線間の受信機側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信機側の中点の電位と同一になるように、当該受信機側の中点の電位を調整する調整回路と、当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する制御回路と、前記水平同期信号に生じる前記垂直同期信号によるクロストークを前記垂直同期信号を入力することによりキャンセルするキャンセル回路とを備えていることを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、調整回路及び制御回路が画像信号の通信に影響を与えるEMIノイズの発生を抑制し、キャンセル回路が残ったEMIノイズにより水平同期信号に生じる垂直同期信号によるクロストークをキャンセルするので、画面内の画像の揺れ及びちらつき等を解消することができる。
【0007】
請求項2の受信機は、請求項1に記載の受信機において、前記複数の画像信号の1つに多重化された水平同期信号を当該少なくとも1つの画像信号から分離する第1同期信号分離回路と、前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号を当該画像信号から分離する第2同期信号分離回路とをさらに備え、前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、前記キャンセル回路は、前記第1同期信号分離回路の2つの入力端子間に直列に接続される2つの抵抗で構成されており、前記第2同期信号分離回路の出力端子が前記2つの抵抗の間に信号線を介して接続されていることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、第2同期信号分離回路で分離された垂直同期信号が、2つの抵抗の間に入力され、水平同期信号に生じる垂直同期信号によるクロストークを打ち消すことができる。
【0009】
請求項3の受信機は、請求項2に記載の受信機において、前記複数の画像信号を検出する複数の検出回路を備え、前記複数の検出回路と前記第1同期信号分離回路及び前記第2同期信号分離回路を接続する複数の信号線に複数のダイオードが設けられていることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、外部環境から画像信号に多重化されるインパルスノイズを除去することができる。
【0011】
請求項4の受信機は、請求項1に記載の受信機において、前記複数の画像信号の2つに多重化された2つの水平同期信号がそれぞれ差動信号として流れる第1及び第2の信号線群と、前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号が差動信号として流れる第3の信号線群とを備え、前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、前記キャンセル回路は、前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点との間を接続する複数の抵抗を備え、前記複数の抵抗のうち1つは、抵抗値の調整が可能なように前記第3の信号線群間に設けられた第3終端抵抗の中点と接続されていることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、キャンセル回路が、複数の画像信号の2つに多重化された水平同期信号のコモンモード信号のレベルを揃え、同時に水平同期信号に混入されている垂直同期信号のクロストークを打ち消すことができる。よって、画面内の画像の揺れ及びちらつき等を解消することができる。
【0013】
請求項5の受信機は、請求項4に記載の受信機において、前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点の電位と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点の電位差を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された電位差がゼロになるように、前記第3終端抵抗の中点に接続される抵抗の抵抗値を自動調整する調整手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、複数の画像信号の2つに多重化された水平同期信号のコモンモード信号のレベルを自動的に揃え、同時に水平同期信号に混入されている垂直同期信号のクロストークを自動的に打ち消すことができる。
【0015】
請求項6の受信機は、請求項4又は5に記載の受信機において、前記第1終端抵抗、前記第2終端抵抗及び前記第3終端抵抗の中点には、それぞれダイオードが接続されていることを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、外部環境から画像信号に多重化されるインパルスノイズを除去することができる。
【0017】
請求項7の信号伝送システムは、複数の画像信号、垂直同期信号及び水平同期信号を送信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する送信機と、前記複数の画像信号、前記垂直同期信号及び前記水平同期信号を受信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する受信機とを有する信号伝送システムであって、前記送信機は、前記一対の信号線間の受信機側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信機側の中点の電位と同一になるように、当該送信機側の中点の電位を調整する第1調整回路と、当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する第1制御回路とを備え、前記受信機は、前記一対の信号線間の受信機側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信機側の中点の電位と同一になるように、当該受信機側の中点の電位を調整する第2調整回路と、当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する第2制御回路と、前記水平同期信号に生じる前記垂直同期信号によるクロストークを前記垂直同期信号を入力することによりキャンセルするキャンセル回路とを備えていることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、調整回路及び制御回路が画像信号の通信に影響を与えるEMIノイズの発生を抑制し、キャンセル回路が残ったEMIノイズにより水平同期信号に生じる垂直同期信号によるクロストークをキャンセルするので、画面内の画像の揺れ及びちらつき等を解消することができる。
【0019】
請求項8の信号伝送システムは、請求項7に記載の信号伝送システムにおいて、前記受信機は、前記複数の画像信号の1つに多重化された水平同期信号を当該少なくとも1つの画像信号から分離する第1同期信号分離回路と、前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号を当該画像信号から分離する第2同期信号分離回路とをさらに備え、前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、前記キャンセル回路は、前記第1同期信号分離回路の2つの入力端子間に直列に接続される2つの抵抗で構成されており、前記第2同期信号分離回路の出力端子が前記2つの抵抗の間に信号線を介して接続されていることを特徴とする。
【0020】
かかる構成によれば、第2同期信号分離回路で分離された垂直同期信号が、2つの抵抗の間に入力され、水平同期信号に生じる垂直同期信号によるクロストークを打ち消すことができる。
【0021】
請求項9の信号伝送システムは、請求項8に記載の信号伝送システムにおいて、前記受信機は、前記複数の画像信号を検出する複数の検出回路を備え、前記複数の検出回路と前記第1同期信号分離回路及び前記第2同期信号分離回路を接続する複数の信号線に複数のダイオードが設けられていることを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、外部環境から画像信号に多重化されるインパルスノイズを除去することができる。
【0023】
請求項10の信号伝送システムは、請求項7に記載の信号伝送システムにおいて、前記受信機は、前記複数の画像信号の2つに多重化された2つの水平同期信号がそれぞれ差動信号として流れる第1及び第2の信号線群と、前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号が差動信号として流れる第3の信号線群とを備え、前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、前記キャンセル回路は、前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点との間を接続する複数の抵抗を備え、前記複数の抵抗のうち1つは、抵抗値の調整が可能なように前記第3の信号線群間に設けられた第3終端抵抗の中点と接続されていることを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、キャンセル回路が、複数の画像信号の2つに多重化された水平同期信号のコモンモード信号のレベルを揃え、同時に水平同期信号に混入されている垂直同期信号のクロストークを打ち消すことができる。よって、画面内の画像の揺れ及びちらつき等を解消することができる。
【0025】
請求項11の信号伝送システムは、請求項10に記載の信号伝送システムにおいて、前記受信機は、前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点の電位と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点の電位差を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された電位差がゼロになるように、前記第3終端抵抗の中点に接続される抵抗の抵抗値を自動調整する調整手段とを備えていることを特徴とする。
【0026】
かかる構成によれば、複数の画像信号の2つに多重化された水平同期信号のコモンモード信号のレベルを自動的に揃え、同時に水平同期信号に混入されている垂直同期信号のクロストークを自動的に打ち消すことができる。
【0027】
請求項12の信号伝送システムは、請求項10又は11に記載の信号伝送システムにおいて、前記第1終端抵抗、前記第2終端抵抗及び前記第3終端抵抗の中点には、それぞれダイオードが接続されていることを特徴とする。
【0028】
かかる構成によれば、外部環境から画像信号に多重化されるインパルスノイズを除去することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、画面内の画像の揺れ及びちらつき等を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態に係る信号伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、信号伝送システムでは、サーバ30とディスプレイ40及びキーボードやマウス等(以下、キーボード/マウスという)50との間に、送信装置10と受信装置20とが設けられている。
【0033】
送信装置10と受信装置20とは、LANケーブル100を介して互いに接続されている。送信装置10及び受信装置20には、それぞれ専用インタフェース(以下、インタフェースをI/Fと略す)10A及び20Aが組み込まれている。専用I/F10A及び専用I/F20Aは、送信装置10及び受信装置20を一対一の関係で接続する。また、この専用I/F10Aは、3つの画像信号(RGB:以下、何れでもよい場合は単に画像信号という),水平同期信号(Hsync),垂直同期信号(Vsync)(以下、何れでも良い場合は単に同期信号という)を専用I/F20Aに送信すると共にキーボード/マウス50から入力された信号(これを操作信号という)を専用I/F20Aから受信する。専用I/F20Aは、画像信号及び同期信号を専用I/F10Aから受信すると共に操作信号を専用I/F10Aに送信する。
【0034】
LANケーブル100は、例えばCat5Eストレートケーブルであり、4対(計8本)の信号線を含む。各画像信号は、それぞれ差動信号として送信装置10から受信装置20へ送信されるため、画像信号毎に1対の信号線を占有する。従って、3つの画像信号、即ちRGB信号で3対の信号線を占有する。残りの1対の信号線は、キーボード/マウス50から入力された操作信号を受信装置20から送信装置10へ送信するために使用されると共にサーバ30から出力される信号を送信装置10から受信装置20へ送信するために使用される。尚、後述するように、水平同期信号はG信号に多重化され、垂直同期信号はB信号に多重化されるので、水平同期信号及び垂直同期信号がそれぞれ独立して信号線を占有することはない。
【0035】
送信装置10は、パーソナルコンピュータ、又はワークステーション等で構成されたサーバ30から画像信号(RGB),水平同期信号及び垂直同期信号を入力するためのディスプレイコネクタとしてVGA(Video Graphics Array)コネクタ10Bを有する。このVGAコネクタ10Bには、例えばBNCコネクタやD−sub15pinコネクタ等の一般的なコネクタを使用することができる。
【0036】
また、送信装置10は、受信装置20を介して入力したキーボード/マウス50の操作信号をサーバ30へ入力するためのコネクタ10Cを有する。
【0037】
尚、サーバ30には、一般的な情報処理装置と同様に、画像信号(RGB)を出力するためのVGAコネクタ30Aと、キーボードやマウスから操作信号を入力するためのコネクタ30Bとが設けられている。従って、送信装置10に設けられたVGAコネクタ10Bは、例えばBNCケーブルやD−sub15pinケーブル等を用いて構成したRGBケーブル200Aを介して、サーバ30に設けられているVGAコネクタ30Aに接続される。また、送信装置10に設けられたコネクタ10Cは、一般的なキーボード及びマウスの接続に使用されるケーブル300Aを介して、サーバ30に設けられているコネクタ30Bに接続される。コネクタ10C及びコネクタ30Bは、USB(Universal Serial Bus)又はPS/2等用のコネクタで構成されており、ケーブル300Aは、USB(Universal Serial Bus)又はPS/2等用のケーブルで構成されている。
【0038】
受信装置20は、ディスプレイ40へ画像信号(RGB),水平同期信号及び垂直同期信号を出力するためのディスプレイコネクタとしてVGA(Video Graphics Array)コネクタ20Bを有する。このVGAコネクタ20Bには、例えばBNCコネクタやD−sub15pinコネクタ等の一般的なコネクタを使用することができる。VGAコネクタ20Bには、ディスプレイ40に設けられたRGBケーブル200Bが接続される。RGBケーブル200Bは、例えばBNCケーブルやD−sub15pinケーブル等で構成されている。
【0039】
また、受信装置20は、キーボード/マウス50から操作信号を入力するためのコネクタ20Cを有する。コネクタ20Cには、キーボード/マウス50に設けられたケーブル300Bが接続される。コネクタ20Cは、USB(Universal Serial Bus)又はPS/2等用のコネクタで構成されており、ケーブル300Bは、USB(Universal Serial Bus)又はPS/2等用のケーブルで構成されている。
【0040】
次に、送信装置10及び受信装置20の内部構成について図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の説明では、R,G,Bの画像信号のうち画像信号(G)に水平同期信号を多重化し、画像信号(B)に垂直同期信号を多重化する場合を例に挙げて説明する。
【0041】
図2は、送信装置10の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、送信装置10は、VGAコネクタ10Bから入力された画像信号(RGB)のうち、画像信号(G)に水平同期信号を多重化し、画像信号(B)に垂直同期信号を多重化するための多重化回路11a,11bとシリアル通信用ドライバ12とを有する。
【0042】
多重化回路11aは、画像信号(RGB)のうち画像信号(G)及び水平同期信号を入力し、画像信号(G)に水平同期信号を多重化し、多重化信号を受信装置20に出力する。同様に、多重化回路11bは、画像信号(RGB)のうち画像信号(B)及び垂直同期信号を入力し、画像信号(B)に垂直同期信号を多重化し、多重化信号を受信装置20に出力する。尚、一般的な画像信号(RGB)の電圧レベルは高くとも1V程度であり、一般的な同期信号の電圧レベルは内部電圧レベルと同等な5V程度である。シリアル通信用ドライバ12は、RS−485のシリアル通信用ドライバで構成されており、受信装置20から受信した操作信号をサーバ30に出力すると共にサーバ30からの信号を受信装置20へ送信する。
【0043】
図3は、受信装置20の内部構成を示すブロック図である。
【0044】
受信装置20は、画像信号検出回路21a〜21c(検出回路)、同期信号分離回路22a,22b及びシリアル通信用ドライバ23を備えている。同期信号分離回路22aは、第1同期信号分離回路に相当し、同期信号分離回路22bは第2同期信号分離回路に相当する。
【0045】
画像信号検出回路21a〜21cは、専用I/F20Aで受信された複数の信号から画像信号(R)、画像信号(G)及び画像信号(B)をそれぞれ検出する。同期信号分離回路22bは、画像信号検出回路21aから出力されるコモンモード信号に基づいて、画像信号検出回路21cから出力されるコモンモード信号から垂直同期信号を分離する。同期信号分離回路22aは、画像信号検出回路21aから出力されるコモンモード信号及び垂直同期信号に基づいて、画像信号検出回路21bから出力されるコモンモード信号から垂直同期信号によるクロストークの影響を除いた水平同期信号を分離する。
【0046】
シリアル通信用ドライバ23は、RS−485のシリアル通信用ドライバで構成されており、マウス/ドライバ50から受信した操作信号を送信装置10に出力すると共に送信装置10からの信号を不図示のUSB機器に送信する。
【0047】
図4は、シリアル通信用ドライバ12とシリアル通信用ドライバ23との接続状態を示す図である。
【0048】
シリアル通信用ドライバ12及びシリアル通信用ドライバ23は、1対の信号線61,62を介して双方向通信を行うが、この通信は完全な平衡伝送ではないため、EMIノイズを発生する。このEMIノイズが、いわゆるクロストークとして水平同期信号に影響を与え、遠隔地のディスプレイ40の画面に揺れやちらつきを生じさせる。
【0049】
本実施の形態では、1対の信号線間の中点A,Bの電位が約2.5Vに調整され、シリアル通信用ドライバ12及びシリアル通信用ドライバ23の間で行われる双方向通信を平衡伝送にする。シリアル通信用ドライバ12及びシリアル通信用ドライバ23の間で双方向通信される信号は、ピークtoピークで1Vであり、その信号の基準電圧(振幅の中心電圧)を約2.5V(電源電圧Vccの約半分の電圧値)に設定することで、交流的な平衡伝送を行う。
【0050】
図4に示すように、シリアル通信用ドライバ12及びとシリアル通信用ドライバ23の間には、終端抵抗121,231と、信号線61,62上に流れる信号パルスの立ち上がり及び立ち下がりがゆるやかになるように信号パルスの立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する制御回路122,232と、信号線61,62上に流れる信号パルスの動作点(すなわち、基準電圧)を約2.5Vに調整する調整回路123、233とが設けられている。
【0051】
調整回路123、233が1対の信号線間の中点の電位を適切な値(即ち、約2.5V)に調整したことで、EMIノイズが減少する。また、制御回路122,232が、信号線61,62上に流れる信号パルスの立ち上がり及び立ち下がりの速度を適切に遅くするので、シリアル通信用ドライバ12及びシリアル通信用ドライバ23から高調波が放射されにくくなり、EMIノイズが減少する。
【0052】
図5は、シリアル通信用ドライバ23を除いた受信装置20の詳細なハードウエア構成を示す図である。
【0053】
図5に示すように、画像信号検出回路21a〜21cの入力側には終端抵抗回路24a〜24cがそれぞれ設けられている。各終端抵抗回路24a〜24cは、3対の信号線27a〜27cの間にそれぞれ接続されており、2つの50Ωの抵抗で構成されている。2つの50Ωの抵抗の中点は、接地されている。画像信号検出回路21a〜21cは、それぞれR信号、G信号、B信号を出力すると共にコモンモード信号を出力する。
【0054】
同期信号分離回路22aの入力側には、垂直同期信号によるクロストークをキャンセルするキャンセル回路25が設けられている。キャンセル回路25は、抵抗Raと抵抗Rbで構成されており、抵抗Raと抵抗Rbとの間の点Pが同期信号分離回路22bの出力側と接続されている。抵抗Ra及び抵抗Rbの抵抗値の比は、好ましくは1:3である。
【0055】
上述したように、シリアル通信用ドライバ12とシリアル通信用ドライバ23との間の双方向通信により発生するEMIノイズは、制御回路122,232及び調整回路123、233により低減するが、残ったEMIノイズがクロストークとして水平同期信号及び垂直同期信号を変動させる。
【0056】
ここで、水平同期信号の出力波形の拡大例を図6(A)に示し、垂直同期信号の出力波形の拡大例を図6(B)に示し、水平同期信号の出力波形の縮小例を図6(C)に示す。なお、図6(A),(B)に示すように、水平同期信号の極性がプラスであるときに垂直同期信号の極性はマイナスになっている、即ち、水平同期信号は、垂直同期信号と逆電位の出力波形である。
【0057】
図6(C)では、EMIノイズにより、垂直同期信号が出力されているときに水平同期信号の出力波形が通常状態よりも140mV持ち上げられている。これにより、ディスプレイ40の画面では、画像の揺れ及びちらつきなどが発生する。
【0058】
そこで、本実施の形態では、同期信号分離回路22bの出力点Mを抵抗Ra及び抵抗Rbの間の点Pに接続し、水平同期信号と極性が反対である垂直同期信号をキャンセル回路25に入力することで、水平同期信号の出力に影響を与える垂直同期信号によるクロストークを打ち消す。垂直同期信号によるクロストークが打ち消された後の水平同期信号の出力波形の縮小例を図6(D)に示す。
【0059】
画像信号を入力する3対の信号線27a〜27cは、図1のLANケーブル100に含まれている。この3対の信号線27a〜27cに流れる画像信号には、外部環境によってノイズであるインパルスが含まれる場合がある。このインパルスは垂直同期信号及び水平同期信号に悪影響を与え、ディスプレイ40に表示される画像が黒1色になるブラックアウトを引き起こす。
【0060】
このブラックアウトを回避するため、図5に示すように、画像信号検出回路21a〜21cのコモンモード信号の出力経路に、ツェナーダイオード26a〜26cが設けられている。このツェナーダイオード26a〜26cは、画像信号検出回路21a〜21cから出力されるコモンモード信号に付加されているノイズ(即ち、インパルス)を除去する。
【0061】
図7は、シリアル通信用ドライバ23を除いた受信装置20の詳細なハードウエア構成の第1変形例を示す図である。
【0062】
この場合、画像信号(R)及び画像信号(B)に水平同期信号が多重化されており、画像信号(G)に垂直同期信号が多重化されているものとする。
【0063】
図7に示すように、受信装置20は、画像信号検出&同期信号分離回路307を備えている。この画像信号検出&同期信号分離回路307は、図3の画像信号検出回路21a〜21c及び同期信号分離回路22a,22bを1チップで内蔵している。従って、画像信号検出&同期信号分離回路307は、図3の画像信号検出回路21a〜21c及び同期信号分離回路22a,22bと同一の機能を有する。さらに、画像信号検出&同期信号分離回路307は、画像信号及び同期信号のゲインやイコライザの自動補正機能を有する。
【0064】
また、画像信号検出&同期信号分離回路307の入力側には、3対の信号線(301a,301b,302a,302b,303a,303b)が接続されており、信号線301aと信号線301bとの間には終端抵抗304が設けられている。信号線302aと信号線302bとの間には終端抵抗305が設けられており、信号線303aと信号線303bとの間には終端抵抗306が設けられている。信号線301a,301bは、第1の信号線群に相当し、信号線303a,303bは、第2の信号船群に相当し、信号線302a,302bは第3の信号線群に相当する。
【0065】
信号線301aと信号線301bとの間の点R1には、抵抗Rr及びコンデンサ308の一端が接続されており、抵抗Rr及びコンデンサ308の他端は接地されている。抵抗Rr及びコンデンサ308の一端と点R1との間に、ノイズ(外部から画像信号(R)に付加されるインパルス)除去用のツェナーダイオード312が接続されている。
【0066】
信号線302aと信号線302bとの間の点G1は、抵抗Rgを介して接地されている。点G1と抵抗Rgとの間には、ノイズ(外部から画像信号(G)に付加されるインパルス)除去用のツェナーダイオード313が接続されている。さらに点G1と抵抗Rgとの間には、ノイズ除去用のコンデンサ315を介して3.3Vの電源が接続されている。
【0067】
信号線303aと信号線303bとの間の点B1には、抵抗Rb及びコンデンサ309の一端が接続されており、抵抗Rb及びコンデンサ309の他端は接地されている。抵抗Rb及びコンデンサ309の一端と点B1との間には、ノイズ(外部から画像信号(B)に付加されるインパルス)除去用のツェナーダイオード313が接続されている。
【0068】
尚、ノイズ除去用のツェナーダイオードを3対の信号線のすべてに設けることも考えられるが、それぞれの画像信号の動作点の電圧にばらつきが生じると、ノイズに対する効果が半減するので、各ノイズ除去用のツェナーダイオードは、各対の信号線の中点に接続されている。
【0069】
点R1は、抵抗310、抵抗Rrb及び抵抗311を介して点B1に接続されている。点G1は、点R1及び点G1の電位を調整できるように抵抗Rrbに接続されている。
【0070】
抵抗Rrbは画質調整ボリュームスイッチ320を構成している。ユーザは、この画質調整スイッチ320を操作し、点R1及び点G1の水平同期信号のコモンモード信号の電位を平衡にする。例えば、点R1及び点G1の水平同期信号のコモンモード信号の電位が平衡になる点は、ディスプレイ40にグレー画面を表示させたときに、その画面上部にちらつきが発生しない位置である。このとき、画像信号(G)に多重化されている垂直同期信号(即ち、水平同期信号の逆電位の波形)が点G1から抵抗Rrbに入力されるので、画像信号(R)及び画像信号(B)の水平同期信号に混入されている垂直同期信号によるクロストークが打ち消される。
【0071】
以上のように、図7の受信装置20は、画像信号(R)及び画像信号(B)に多重化されている水平同期信号のコモンモード信号のレベルを揃え、同時に当該水平同期信号に混入されている垂直同期信号のクロストークを打ち消す画質調整ボリュームスイッチ320を備えているので、ディスプレイ40で発生する画像の揺れ及びちらつき等を解消することができる。
【0072】
図8は、シリアル通信用ドライバ23を除いた受信装置20の詳細なハードウエア構成の第2変形例を示す図である。
【0073】
図8の構成は、図7の構成に、コンパレータ321、ADコンバータ322、A/D変換回路323、MPU324及び自動調整ボタン325を追加している。これらの構成要素は、調整手段に相当する。なお、ここでは、画質調整ボリュームスイッチ320は、MPU324からの制御信号に基づいて抵抗RrbのR側とB側の値を自動調整する電子スイッチで構成されている。
【0074】
コンパレータ321は、垂直同期信号によるクロストークが混入している、点R1での水平同期信号のコモンモード信号の電位及び垂直同期信号によるクロストークが混入している、点G1での水平同期信号のコモンモード信号の電位の差分を検出する。ADコンバータ322は、コンパレータ321からの出力をA/D変換する。A/D変換回路323は、垂直同期信号によるクロストークが混入している、点R1での水平同期信号のコモンモード信号の電位及び垂直同期信号によるクロストークが混入している、点G1での水平同期信号のコモンモード信号の電位をA/D変換する。
【0075】
MPU324は、自動調整ボタン325が押下されたときに、垂直同期信号によるクロストークが混入している、点R1での水平同期信号のコモンモード信号の電位及び垂直同期信号によるクロストークが混入している、点G1での水平同期信号のコモンモード信号の電位の差分がゼロになるような制御信号を画質調整ボリュームスイッチ320に出力する。
【0076】
例えば、図9に示すように、垂直同期信号によるクロストークが混入している、点R1での水平同期信号のコモンモード信号の電位が基準電位よりも380mv低下しており、垂直同期信号によるクロストークが混入している、点B1での水平同期信号のコモンモード信号の電位が基準電位よりも394mv低下しているとする。この場合、両電位の差分は14mVなので、MPU324は、両電位が基準電位よりも387mv低くなるような制御信号を画質調整ボリュームスイッチ320に出力する。
【0077】
画質調整ボリュームスイッチ320は、この制御信号に基づいて、抵抗RrbのR側とB側の値を調整する。このとき、画像信号(G)に多重化されている垂直同期信号(即ち、水平同期信号の逆電位の波形)が点G1から抵抗Rrbに入力されるので、画像信号(R)及び画像信号(B)の水平同期信号に混入されている垂直同期信号によるクロストークが打ち消される。
【0078】
このように、図8の受信装置20も、画像信号(R)及び画像信号(B)に多重化されている水平同期信号のコモンモード信号のレベルを揃え、同時に当該水平同期信号に混入されている垂直同期信号のクロストークを打ち消すので、ディスプレイ40で発生する画像の揺れ及びちらつき等を解消し、きわめて鮮明な画像表示をすることができる。
【0079】
尚、図7、8では、受信装置20は、シリアル通信用ドライバ23を図示していないが、図4のシリアル通信用ドライバ23及び回路群を備えている。
【0080】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信装置20は、RGBの画像信号、垂直同期信号及び水平同期信号を送信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する送信装置10と接続可能であり、当該一対の信号線間の受信装置20側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信装置10側の中点の電位と同一になるように、当該受信装置側の中点の電位を調整する調整回路233と、当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する制御回路232と、水平同期信号に生じる垂直同期信号によるクロストークを垂直同期信号を入力することによりキャンセルするキャンセル回路25とを備えている。
【0081】
よって、調整回路233及び制御回路232が画像信号の通信に影響を与えるEMIノイズの発生を抑制し、キャンセル回路25が残ったEMIノイズにより水平同期信号に生じる垂直同期信号によるクロストークをキャンセルするので、画面内の画像の揺れ及びちらつき等を解消することができる。結果として、ディスプレイ40は、きわめて鮮明な画像を表示することができる。
【0082】
尚、上記実施の形態では、ノイズ除去用のダイオードとしてツェナーダイオード26a〜26c又はツェナーダイオード313が使用されているが、ノイズ除去用のショットキーダイオードを使用してもよい。
【0083】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態に係る信号伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】送信装置10の内部構成を示すブロック図である。
【図3】受信装置20の内部構成を示すブロック図である。
【図4】シリアル通信用ドライバ12とシリアル通信用ドライバ23との接続状態を示す図である。
【図5】シリアル通信用ドライバ23を除いた受信装置20の詳細なハードウエア構成を示す図である。
【図6】(A)は水平同期信号の出力波形の拡大例を示す図であり、(B)は垂直同期信号の出力波形の拡大例を示す図であり、(C)は水平同期信号の出力波形の縮小例を示す図であり、(D)は垂直同期信号によるクロストークが打ち消された後の水平同期信号の出力波形の縮小例を示す図である。
【図7】シリアル通信用ドライバ23を除いた受信装置20の詳細なハードウエア構成の第1変形例を示す図である。
【図8】シリアル通信用ドライバ23を除いた受信装置20の詳細なハードウエア構成の第2変形例を示す図である。
【図9】垂直同期信号によるクロストークが混入している点R1、点G1及び点B1の波形を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
10 送信装置
12,23 シリアル通信用ドライバ
25 キャンセル回路
20 受信装置
30 サーバ
40 ディスプレイ
50 キーボード/マウス
100 LANケーブル
121,231 終端抵抗
122,232 制御回路
123,233 調整回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像信号、垂直同期信号及び水平同期信号を送信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する送信機と接続可能な受信機であって、
前記一対の信号線間の受信機側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信機側の中点の電位と同一になるように、当該受信機側の中点の電位を調整する調整回路と、
当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する制御回路と、
前記水平同期信号に生じる前記垂直同期信号によるクロストークを前記垂直同期信号を入力することによりキャンセルするキャンセル回路とを備えていることを特徴とする受信機。
【請求項2】
前記複数の画像信号の1つに多重化された水平同期信号を当該少なくとも1つの画像信号から分離する第1同期信号分離回路と、
前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号を当該画像信号から分離する第2同期信号分離回路とをさらに備え、
前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、
前記キャンセル回路は、前記第1同期信号分離回路の2つの入力端子間に直列に接続される2つの抵抗で構成されており、前記第2同期信号分離回路の出力端子が前記2つの抵抗の間に信号線を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記複数の画像信号を検出する複数の検出回路を備え、前記複数の検出回路と前記第1同期信号分離回路及び前記第2同期信号分離回路を接続する複数の信号線に複数のダイオードが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
前記複数の画像信号の2つに多重化された2つの水平同期信号がそれぞれ差動信号として流れる第1及び第2の信号線群と、
前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号が差動信号として流れる第3の信号線群とを備え、
前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、
前記キャンセル回路は、前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点との間を接続する複数の抵抗を備え、前記複数の抵抗のうち1つは、抵抗値の調整が可能なように前記第3の信号線群間に設けられた第3終端抵抗の中点と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項5】
前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点の電位と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点の電位差を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された電位差がゼロになるように、前記第3終端抵抗の中点に接続される抵抗の抵抗値を自動調整する調整手段とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の受信機。
【請求項6】
前記第1終端抵抗、前記第2終端抵抗及び前記第3終端抵抗の中点には、それぞれダイオードが接続されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の受信機。
【請求項7】
複数の画像信号、垂直同期信号及び水平同期信号を送信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する送信機と、前記複数の画像信号、前記垂直同期信号及び前記水平同期信号を受信すると共に一対の信号線上で差動信号を送受信する受信機とを有する信号伝送システムであって、
前記送信機は、
前記一対の信号線間の受信機側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信機側の中点の電位と同一になるように、当該送信機側の中点の電位を調整する第1調整回路と、
当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する第1制御回路とを備え、
前記受信機は、
前記一対の信号線間の受信機側の中点の電位が当該一対の信号線間の送信機側の中点の電位と同一になるように、当該受信機側の中点の電位を調整する第2調整回路と、
当該一対の信号線上に流れる差動信号の立ち上がり及び立ち下がりの速度を制御する第2制御回路と、
前記水平同期信号に生じる前記垂直同期信号によるクロストークを前記垂直同期信号を入力することによりキャンセルするキャンセル回路とを備えていることを特徴とする信号伝送システム。
【請求項8】
前記受信機は、
前記複数の画像信号の1つに多重化された水平同期信号を当該少なくとも1つの画像信号から分離する第1同期信号分離回路と、
前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号を当該画像信号から分離する第2同期信号分離回路とをさらに備え、
前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、
前記キャンセル回路は、前記第1同期信号分離回路の2つの入力端子間に直列に接続される2つの抵抗で構成されており、前記第2同期信号分離回路の出力端子が前記2つの抵抗の間に信号線を介して接続されていることを特徴とする請求項7に記載の信号伝送システム。
【請求項9】
前記受信機は、前記複数の画像信号を検出する複数の検出回路を備え、前記複数の検出回路と前記第1同期信号分離回路及び前記第2同期信号分離回路を接続する複数の信号線に複数のダイオードが設けられていることを特徴とする請求項8に記載の信号伝送システム。
【請求項10】
前記受信機は、
前記複数の画像信号の2つに多重化された2つの水平同期信号がそれぞれ差動信号として流れる第1及び第2の信号線群と、
前記複数の画像信号の他の1つに多重化された垂直同期信号が差動信号として流れる第3の信号線群とを備え、
前記垂直同期信号は、前記水平同期信号と電位の極性が異なり、
前記キャンセル回路は、前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点との間を接続する複数の抵抗を備え、前記複数の抵抗のうち1つは、抵抗値の調整が可能なように前記第3の信号線群間に設けられた第3終端抵抗の中点と接続されていることを特徴とする請求項7に記載の信号伝送システム。
【請求項11】
前記受信機は、前記第1の信号線群間に設けられた第1終端抵抗の中点の電位と前記第2の信号線群間に設けられた第2終端抵抗の中点の電位差を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された電位差がゼロになるように、前記第3終端抵抗の中点に接続される抵抗の抵抗値を自動調整する調整手段とを備えていることを特徴とする請求項10に記載の信号伝送システム。
【請求項12】
前記第1終端抵抗、前記第2終端抵抗及び前記第3終端抵抗の中点には、それぞれダイオードが接続されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の信号伝送システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−62949(P2010−62949A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227536(P2008−227536)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】