説明

受信装置、ナビゲーション装置及び放送システム

【課題】録画する場合に必要最小限の容量で済ませることができ、効率よく録画・視聴することができる受信装置、ナビゲーション装置及び放送システムを提供する。
【解決手段】配信される番組と番組内で紹介される各スポット情報の放送開始時間を含むEPG(Electronic Program Guide)情報とを受信するチューナ部202と、チューナ部により受信されるEPG情報を抽出するEPG情報抽出部206と、EPG情報抽出部により抽出されるEPG情報から、録画予約されたスポット情報の放送開始時間を抽出するEPG処理部209と、EPG処理部により抽出される放送開始時間に従い、チューナ部により受信される番組を録画する予約制御部210とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、番組内で紹介されるスポット情報の放送開始箇所を番組データから抽出することにより録画を行う受信装置、ナビゲーション装置及び放送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
番組配列情報を活用して、観光スポット、レストラン、ホテルなどの位置情報を提供する従来の放送システムでは、デジタル放送でSI(Service Information)として規定されるEPG(Electronic Program Guide:電子番組ガイド)情報を利用して、番組内で紹介されたスポット(観光スポット、レストラン、ホテルなど)を目的地として、移動体のナビゲーション装置と連動することにより、目的地を設定して、ナビゲーションを可能としている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このEPG情報には、番組毎に番組タイトル、放送日時、内容の説明など番組に関する情報(番組関連情報)が格納される。特に旅、紀行、グルメ番組などにおいては、その番組で紹介される場所、名所・旧跡、イベント情報、宿・レストランなどが、その名称と共に電話番号、住所、URLなども含めてEPG情報に蓄積される。
【0004】
また、このEPG情報は、番組の編成チャンネル名称などを示すSDT(Service Description Table)、番組名、放送日、放送内容など番組情報を示すEIT(Event Information Table)、放送局に関する情報BIT(Broadcaster Information Table)、時刻情報に関するTOT(Time Offset Table)などから作成される。
【0005】
このように、番組内で紹介されたスポット情報をEPG情報から直接抽出し、目的地情報としてナビゲーション装置に送ることにより、ユーザは場所入力の手間なしに、希望のスポット情報を確実にナビ入力することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−170157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示される従来の放送システムでは、番組内で紹介されたスポットの位置情報のみを提供するものであり、番組内のどの放送部分がスポット情報を示す放送部分であるのかについては明確になっていないという課題があった。そのため、番組を録画予約する際に、ユーザが所望するスポット情報のみを録画したい場合においても、番組全てを録画せざるを得ず、本来必要としない部分まで録画する必要があるという課題があった。
【0008】
また、録画予約する際に、ユーザは、所望するスポット情報が放送される番組を探し出し、受信機に対して設定しなければならず、ユーザがよく訪れる場所やよく運転する経路に近いスポット情報を含む放送があった場合に、ユーザは視聴または録画し損なうことがあるという課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、番組内で紹介されているスポット情報の放送部分が、番組のどの部分に割り当てられているのかを明確化することにより、録画する場合に必要最小限の容量で済ませることができ、効率よく録画・視聴することができる受信装置、ナビゲーション装置及び放送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る受信機は、配信される番組と番組内で紹介される各スポット情報の放送開始時間を含むEPG(Electronic Program Guide)情報とを受信するチューナ部と、チューナ部により受信されるEPG情報を抽出するEPG情報抽出部と、EPG情報抽出部により抽出されるEPG情報から、録画予約されたスポット情報の放送開始時間を抽出するEPG処理部と、EPG処理部により抽出される放送開始時間に従い、チューナ部により受信される番組を録画する予約制御部とを有するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、上記のように構成したので、番組内で紹介されているスポット情報の放送部分が、番組のどの部分に割り当てられているのかを把握することができ、番組全体を録画することなく、所望の放送部分だけを録画することができるため、記録媒体であるHDDやビデオテープを無駄に消費することなく効率よく録画・視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるEITの記述子を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る放送システムの番組録画予約処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1におけるディスクプレイに表示される番組表を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1におけるディスプレイに表示される番組詳細画面を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1におけるディスプレイに表示される予約済みアイコンが表示された番組詳細画面を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1における予約登録リストを示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る放送システムの番組録画予約処理を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態2におけるスポット情報リストを示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2における番組録画予約処理のスポットとユーザ経路情報との比較処理に用いられる図である。
【図12】この発明の実施の形態2におけるチェック済みのスポット情報リストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における放送システムの構成を示すブロック図である。
放送システムは、図1に示すように、放送局1及び受信機2により構成される。
【0014】
放送局1は、テレビ番組に関する種々の番組情報を番組データとして編集するものである。この放送局1は、図1に示すように、配信用EPGデータベース101、EPG情報編集部102及びEPG情報アップリンク部103により構成される。
【0015】
配信用EPGデータベース101は、テレビ番組に関する種々の番組データが蓄積されるものである。この配信用EPGデータベース101には、各放送局1の番組ごとに番組タイトル、放送日時、内容の説明などの番組に関するEPG情報が格納される。この発明の実施の形態では、EPG情報を構成する番組データとしてEITを用いる。このEITには、番組名(event_name)、視聴しているチャンネルのネットワーク識別(network_id)、トランスポートストリーム識別(ts_id)、オリジナルネットワーク識別(original_network_id)、サービス識別(service_id)、イベント識別(event_id)、放送開始時間(start_time)、番組長(duration)などの情報が含まれている。
この配信用EPGデータベース101に蓄積されるEPG情報は、現時点を基準として、例えば、1週間分の番組データが定時的に蓄積されており、番組が編集される度、または、定時的に随時更新されるものである。
【0016】
ここで、配信用EPGデータベース101に蓄積されるEPG情報を構成するEITについて説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるEITの記述子を示す図である。
図2に示すように、EPG情報を構成するEITには、番組の情報を記述する記述子が割り当てられている。ここで、特に旅、紀行、グルメ番組などのスポット情報を含む番組に対しては、拡張形式イベント記述子にその内容を記載し、その番組で紹介される場所、名所・旧跡、イベント情報、宿・レストランなどが、その名称(name)と共に、各スポットを識別するためのスポット識別(spot_id)、電話番号(tel)、住所(address)、番組開始時刻を基準とした際のスポット情報の放送開始時間を示すオフセット(offset)及びスポット情報の放送時間(duration)が記載されている。ここで、このスポット情報を記載する記述子は拡張形式イベント記述子であるとしたが、新規に記述子を割り当て記載しても良い。
【0017】
このEITの拡張形式イベント記述子は、項目毎に全角200文字(バイトサイズでは440バイト)までの記載が許されており、本項目のうちの一つに『スポット情報』を割り当てて、スポット情報を記載する。その際には、電話番号、住所などはある予約語により統一し、この予約語に続く内容が電話番号であり、あるいは住所であると判断する。
【0018】
EPG情報編集部102は、配信用EPGデータベース101からEPG情報を取得し、このEPG情報を放送配信用のEPG情報に編集するものである。このEPG情報編集部102により編集されるEPG情報はEPG情報アップリンク部103に送信される。
【0019】
EPG情報アップリンク部103は、EPG情報編集部102から送信されるEPG情報と番組とを重畳させた放送波を、TV放送送信アンテナ104を介して受信機2に配信するものである。
【0020】
ここで、このEITの配信の方法としては、電波などの放送波による配信、インターネットなどのネットワーク配信、あるいはケーブルや有線放送などの有線回線配信のいずれかで配信される。デジタル放送のデジタル回線配信では、EITはデータパケット形式で放送波中に組み込まれて配信されている。地上波でのデジタル放送では、地上波用アンテナ経由で、また、衛星放送では衛星を介してコンテンツ(番組映像・音声)情報と共に送信される。
【0021】
受信機2は、放送局1から配信される放送波をTVアンテナ201を介して受信し、この放送波に含まれる番組を視聴し、放送波に含まれるEPG情報に基づいてユーザがリモコン3を介して番組の録画を行うものである。この受信機2は、図1に示すように、チューナ部202、デマックス部203、デコード部204、ディスプレイ205、EPG情報抽出部206、EPG情報構築部207、EPGデータベース208、EPG処理部209、予約制御部210、記憶部211、制御部212、タイマ213及びストリーム蓄積部214により構成される。
【0022】
チューナ部202は、放送局1のTV放送送信アンテナ104から配信される、番組と番組内で紹介される各スポット情報の放送開始時間等を含むEPG情報とが重畳させられた放送波を、TVアンテナ201を介して受信するものである。このチューナ部202により受信される放送波は、放送信号に変換されデマックス部203及びEPG情報抽出部206に送信される。
【0023】
デマックス部203は、チューナ部202から送信される放送信号から番組を抽出して放送ストリームを生成するものである。このデマックス部203により生成される放送ストリームはデコード部204に送信される。また、このデマックス部203は、予約制御部210による制御に基づいて、生成した放送ストリームをストリーム蓄積部214に送信する。
【0024】
デコード部204は、デマックス部203から送信される放送ストリームを映像信号にデコードするものである。このデコード部204によりデコードされた映像信号はディスプレイ205に送信される。
【0025】
ディスプレイ205は、デコード部204から送信される映像信号を表示するものである。また、ディスプレイ205は、EPG処理部209により生成される番組表及び番組詳細画面等を表示するものである。
【0026】
EPG情報抽出部206は、チューナ部202から送信される放送信号からEPG情報を抽出するものである。ここで、EPG情報抽出部206は、放送波のEPG情報が格納されている所定部分のパケットを、識別子(Packet ID)により識別することにより抽出する。このEPG情報抽出部206により抽出されるEPG情報はEPG情報構築部207に送信される。
【0027】
EPG情報構築部207は、EPG情報抽出部206から送信されるEPG情報を、EPG情報を構成するのに必要なデータのみに構築する。このEPG情報構築部207により最低限のデータのみに構築されるEPG情報はEPGデータベース208に送信される。
【0028】
EPGデータベース208は、EPG情報構築部207から送信される最低限のデータのみのEPG情報を蓄積するものである。このEPGデータベース208は、EPGメモリーやその他の記憶装置により構成される。このEPGデータベース208に蓄積されるEPG情報は必要に応じてEPG処理部209により抽出される。
【0029】
EPG処理部209は、ユーザからリモコン3を介して行われる操作に従い、EPGデータベース208から所望のEPG情報を抽出し、この抽出したEPG情報に基づいて、番組表及び番組詳細画面を生成して、ディスプレイ205に表示させるものである。また、EPG処理部209は、ユーザからリモコン3を介して番組の録画予約を行う操作を受けて、番組の録画予約を行い、対応するEPG情報に基づいて、この録画予約された番組の録画情報(サービス識別・イベント識別・番組名・放送開始時間・番組長等)を生成して、予約制御部210に送信するものである。ここで、ユーザによる番組の録画予約がスポット情報に限定した放送部分である場合には、EPG処理部209は、対応するEPG情報に基づいて、上記録画情報にスポット録画情報(スポット識別・オフセット・放送時間)をさらに追加した録画情報を生成して、予約制御部210に送信する。
【0030】
予約制御部210は、EPG処理部209から送信される録画情報を予約登録リストに登録するものである。また、予約制御部210は、予約登録リストに登録される番組またはスポット情報の放送開始時間に従い制御部212から送信される録画開始通知に応じて、デマックス部203により生成される放送波ストリームをストリーム蓄積部214に蓄積させることにより、所望の番組の録画を行うものである。この予約制御部210により登録される予約登録リストは記憶部211及び制御部212に送信される。
【0031】
記憶部211は、予約制御部210から送信される予約登録リストを記憶するものである。
【0032】
制御部212は、予約制御部210から送信される予約登録リストから、この予約登録リストに登録される録画情報から番組またはスポット情報の放送開始時間を抽出し、タイマ213に登録させるものである。また、制御部212は、タイマ213から、録画予約した番組またはスポット情報の放送開始時間の数分前に録画の準備を要求する通知を受信する。そして制御部212は、タイマ213から録画予約した番組またはスポット情報の放送開始時間であることを示すタイマ通知を受信した場合に、予約制御部210に番組の録画開始を示す録画開始通知を送信するものである。
【0033】
タイマ213は、制御部212により予約登録リストに登録されている番組またはスポット情報の放送開始時間が登録されることにより、番組またはスポット情報の放送開始時間の数分前に録画の準備を要求する通知を制御部212に送信し、また、番組またはスポット情報の放送開始時間になった際に録画予約した番組またはスポット情報の放送開始時間であることを示すタイマ通知を制御部212に送信するものである。
【0034】
ストリーム蓄積部214は、デマックス部203から送信される放送ストリームを蓄積するものである。
【0035】
リモコン3は、ユーザが受信機2に対して各種操作を行うものである。このリモコン3から赤外線信号によりコマンドが送出され、受信機2に対して操作要求をする。ここでは赤外線信号を受け付ける受光部等の説明は省略する。
【0036】
次に、以上のように構成されたデジタル放送システムの受信機2によるスポット情報の番組録画処理について説明する。
なお、ここではデジタル放送システムを用いて、放送日時が2008年3月26日1:00:00の番組である、“美人おかみの宿紹介”で紹介されるスポット情報を録画予約する場合について説明する。
図3はこの発明の実施の形態1に係る放送システムの番組録画予約処理を示すフローチャートである。また、図4はこの発明の実施の形態1におけるディスプレイ205に表示される番組表を示す図である。また、図5はこの発明の実施の形態1におけるディスプレイ205に表示される番組詳細画面を示す図である。また、図6はこの発明の実施の形態1におけるディスプレイ205に表示される予約済みアイコンが表示された番組詳細画面を示す図である。また、図7はこの発明の実施の形態1における予約登録リストを示す図である。
【0037】
まず、番組録画処理では、図3に示すように、チューナ部202は放送波を受信する(ステップST31)。すなわち、受信機2のチューナ部202は、放送局1から配信される放送波をTVアンテナ201を介して受信する。この放送波にはEPG情報を構成する番組データとして、図2に示すようなEITが重畳されており、チューナ部202は例えば約1週間分のEITを含む放送波を受信する。このチューナ部202により受信される放送波は、放送信号に変換されデマックス部203及びEPG情報抽出部206に送信される。
【0038】
ここで、デマックス部203はチューナ部202から送信される放送信号から番組を抽出することにより放送ストリームが生成する。次いで、デコード部204はデマックス部203により生成される放送ストリームを映像信号にデコードする。次いで、デコード部204によりデコードされる映像信号をディスプレイ205に表示することにより、ユーザは番組を視聴することができる。
【0039】
次いで、EPG情報抽出部206はEPG情報を抽出する(ステップST32)。すなわち、EPG情報抽出部206は、チューナ部202から送信される放送信号からEPG情報を抽出する。このEPG情報抽出部206により抽出されるEPG情報はEPG情報構築部207に送信される。
【0040】
次いで、EPG情報構築部207はEPG情報を蓄積する(ステップST33)。すなわち、EPG情報構築部207は、EPG情報抽出部206から送信されるEPG情報から、EPG情報を構成するのに必要なデータのみに構築して、EPGデータベース208に蓄積させる。
【0041】
次いで、EPG処理部209は番組表を表示する(ステップST34)。すなわち、ユーザからリモコン3を介して行われる操作を受けて、EPG処理部209は、EPGデータベース208から所望のEPG情報を取得し、この取得したEPG情報から番組情報を生成し、ディスプレイ205に図4に示すような番組情報を表示する。
【0042】
なお、このディスプレイ205に表示される番組表は、ディスプレイ205と連動して使用される。この番組表の機能としては、配信されたEPG情報に基づき番組の録画予約を行う機能及び各番組の詳細情報である番組詳細画面の表示へ導く機能を有している。
【0043】
次いで、EPG処理部209は番組詳細画面を表示させる(ステップST35)。すなわち、EPG処理部209は、ユーザからリモコン3を介してディスプレイ205に表示される番組表の中から、予約希望番組である“美人おかみの宿紹介”を選択する操作を受けて、対応するEPG情報に基づいて、ディスプレイ205に、図5に示すようなユーザが選択する番組の詳細情報を示す番組詳細画面を表示する。
【0044】
なお、このディスプレイ205に表示される番組詳細画面は、ディスプレイ205と連動して使用され、当該番組にスポット情報が存在する場合には、そのスポット情報が一覧で表示される。また、各スポット情報はリモコン3により選択が可能であり、この各スポット情報はEPG情報のスポット識別(spot_id)とリンクしている。
【0045】
次いで、EPG処理部209は番組の録画予約をする(ステップST36)。すなわち、EPG処理部209は、ユーザからリモコン3を介して、ディスプレイ205に表示される番組詳細情報から所望のスポット情報を選択する操作を受けて、番組の中で紹介されるスポット情報の中からユーザの希望するスポット情報の放送部分だけを録画予約する。この録画予約により、図6に示すように、ディスプレイ205の番組詳細画面上に予約済みアイコンが表示される。
【0046】
次いで、EPG処理部209は録画情報を生成する(ステップST37)。すなわち、EPG処理部209は、録画予約した番組に対応するEPG情報に基づいて、録画予約した番組の録画情報(サービス識別・イベント識別・番組名・放送開始時間・番組長・スポット識別・オフセット・放送時間等)を生成する。このEPG処理部209により生成される録画情報は予約制御部210に送信される。
【0047】
次いで、予約制御部210は録画情報を予約登録リストに登録する(ステップST38)。すなわち、予約制御部210は、EPG処理部209から送信される録画予約した番組の録画情報を、図7に示すような予約登録リストに登録する。この予約制御部210により登録される予約登録リストは制御部212に送信され、記憶部211に記憶させる。
【0048】
次いで、制御部212はタイマを設定する(ステップST39)。すなわち、制御部212は、予約制御部210から送信される予約登録リストに登録される録画情報に含まれる番組の放送開始時間に、番組開始時刻を基準とした際の録画するスポット情報の放送開始時間を示すオフセットを加えたスポット情報の放送開始時間をタイマ213に登録させる。
【0049】
次いで、予約制御部210は番組を録画する(ステップST40)。すなわち、録画予約した番組のスポット情報の放送開始時間の数分前になると、タイマ213は、制御部212に録画の準備を要求する通知を送信する。そして録画予約された番組のスポット情報の放送開始時間になると、タイマ213は制御部212に録画予約した番組のスポット情報の放送開始時間であることを示すタイマ通知を送信する。このタイマ通知を受信した制御部212は、予約制御部210に録画開始を示す通知を送信する。この録画開始通知を受信した予約制御部210は、デマックス部203から送信される放送波ストリームをストリーム蓄積部214に蓄積させる。
【0050】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、番組で紹介されるスポット情報の放送開始時間を含むEPG情報を取得して、このEPG情報に基づいて番組の録画予約を行うように構成したので、番組内で紹介されているスポット情報の放送部分が、番組のどの部分に割り当てられているのかを把握することができ、番組全体を蓄積することなく、所望の放送部分だけを蓄積することができるため、記録媒体であるHDDやビデオテープを無駄に消費せずに効率よく録画・視聴することができる。
【0051】
実施の形態2.
この発明の実施の形態1に係る放送システムでは、ユーザがリモコン3を介して所望のスポット情報を録画するように構成したものであるが、この発明の実施の形態2に係る放送システムは、カーナビゲーション装置4と連動させて、ユーザがこれまで通過した経路付近に存在するスポット情報を録画するように構成したものである。
【0052】
図8はこの発明の実施の形態2に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態2に係る放送システムは、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る放送システムに、カーナビゲーション装置4を追加し、さらに、受信機2に、EPG情報に含まれるスポット情報からスポット情報リストを作成するためのスポット情報リスト作成部215及びカーナビゲーション装置4と通信を行うための通信部216を追加したものである。
以下、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る放送システムと同一または同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
スポット情報リスト作成部215は、EPG情報抽出部206により抽出されるEPG情報を受信し、このEPG情報から各スポット情報を抽出することにより、スポット情報リストを作成するものである。このスポット情報リストは例えば、定期的な更新時や、放送局1毎にEPG情報が全て揃ったときなどに作成される。このスポット情報リスト作成部215により作成されるスポット情報リストは通信部216に送信される。
【0054】
通信部216は、スポット情報リスト作成部215から送信されるスポット情報リストをカーナビゲーション装置4に送信するものである。また、この通信部216は、カーナビゲーション装置4により選択されるスポット情報にチェックが付けられたチェック済みのスポット情報リストを受信するものである。この通信部216により受信されるチェック済みのスポット情報リストはEPG処理部209に送信される。
【0055】
また、EPG処理部209は、この発明の実施の形態1の機能に加えて、EPG情報抽出部206により抽出されるEPG情報から、通信部216により受信されるスポット情報リストに含まれる選択されたスポット情報に該当する番組の録画予約を行い、スポット録画情報を含む録画情報を生成する機能を有する。
【0056】
カーナビゲーション装置4は、地図情報と併せて比較・処理され現在位置の表示やナビゲーションを行うものであり、また、受信機2から送信される各スポット情報が記録されるスポット情報リストから所望のスポット情報を選択し、受信機2にこのスポット情報が紹介される番組を録画させるものである。このカーナビゲーション装置4は、図8に示すように、位置検出部402、通信部403、地図情報データベース404、緯度・経度変換部405、ユーザ経路情報蓄積部406、経路判定部407及びスポット情報選択部408により構成される。
【0057】
位置検出部402は、GPS衛星5からGPSアンテナ401を介して自車の現在位置情報を検出するものである。この位置検出部402により検出される自車の現在位置情報は、ユーザ経路情報蓄積部406に送信される。
【0058】
通信部403は、受信機2の通信部216から送信される各スポット情報が記録されるスポット情報リストを受信するものである。また、通信部403は、選択したスポット情報にチェックが付けられたチェック済みのスポット情報リストを受信機2の通信部216に送信するものである。この通信部403により受信されるスポット情報リストは緯度・経度変換部405に送信される。
ここで、このカーナビゲーション装置4の通信部403と受信機2の通信部216との通信は、無線通信を想定するが、受信機2が移動体向けのものである場合には、受信機2とカーナビゲーション装置4とを有線にて通信接続して構成しても良い。
【0059】
地図情報データベース404は、住所、電話番号及び目的地名(地域名、建物・施設名、場所名など)が予め登録されており、緯度・経度情報を含む目的地情報として蓄積されるものである。この地図情報データベース404に蓄積される目的地情報は緯度・経度変換部405により抽出される。
【0060】
緯度・経度変換部405は、通信部403から送信されるスポット情報リストに記録される各スポットの電話番号や住所を、地図情報データベース404から抽出した目的地情報と照合することにより、各スポットの緯度・経度を割り出すものである。この緯度・経度変換部405により変換される各スポットの緯度・経度情報は経路判定部407に送信される。
【0061】
ユーザ経路情報蓄積部406は、位置検出部402から送信される現在位置情報を逐一記録することにより、これまでにユーザが移動した経路や目的地として登録した経路をユーザ経路情報として蓄積するものである。このユーザ経路情報蓄積部406に蓄積されるユーザ経路情報は経路判定部407により抽出される。
【0062】
経路判定部407は、緯度・経度変換部405から送信される各スポットの緯度・経度情報とユーザ経路情報蓄積部406から抽出したユーザ経路情報とに基づいて、これまでにユーザが通過した経路の近くにスポットが存在するか否かを判定するものである。
【0063】
スポット情報選択部408は、経路判定部407がこれまでにユーザが通過した経路付近にスポットが存在すると判断した場合、このスポット情報を録画対象として選択し、スポット情報リストの当該スポット情報に該当することを示すチェックを付けるものである。
【0064】
次に、上記のように構成される放送システムの動作について説明する。
図9はこの発明の実施の形態2に係る放送システムの番組録画予約処理を示すフローチャートである。また、図10はこの発明の実施の形態2におけるスポット情報リストを示す図である。また、図11はこの発明の実施の形態2における番組録画処理のスポットとユーザ経路情報との比較処理に用いられる図である。また、図12はこの発明の実施の形態2におけるチェック済みのスポット情報リストを示す図である。
【0065】
まず、番組予約処理では、図9に示すように、チューナ部202は放送波を受信する(ステップST31)。次いで、EPG情報抽出部206はEPG情報を抽出する(ステップST32)。次いで、スポット情報リスト作成部215はスポット情報リストを作成する(ステップST91)。すなわち、スポット情報リスト作成部215はEPG情報抽出部206により抽出されるEPG情報から各スポット情報を取り出し、図10に示すようなスポット情報リストを作成する。このスポット情報リスト作成部215により作成されるスポット情報リストは通信部216に送信される。
【0066】
次いで、通信部216はスポット情報リストを通信部403に送信する(ステップST92)。すなわち、受信機2の通信部216は、スポット情報リスト作成部215から送信されるスポット情報リストをカーナビゲーション装置4の通信部403に送信する。
【0067】
次いで、通信部403はスポット情報リストを受信する(ステップST93)。すなわち、カーナビゲーション装置4の通信部403は、受信機2の通信部216から送信されるスポット情報リストを受信する。この通信部403により受信されたスポット情報リストは緯度・経度変換部405に送信される。
【0068】
次いで、緯度・経度変換部405は緯度・経度情報に変換する(ステップST94)。すなわち、緯度・経度変換部405では、通信部403から送信されるスポット情報リストに含まれる各スポット情報の電話番号や住所を、地図情報データベース404から抽出した目的地情報と照合することにより、各スポットの緯度・経度情報に変換する。この緯度・経度変換部405により変換される緯度・経度情報は経路判定部407に送信される。
【0069】
次いで、経路判定部407はユーザが通過したことのある経路付近にスポットが存在するかを判定する(ステップST95)。すなわち、経路判定部407は、緯度・経度変換部405から送信される、あるスポットの緯度・経度情報に基づいて、図11に示すようなスポットを中心とする1辺が距離Dの正方形のエリアを生成し、ユーザ経路情報蓄積部406から抽出したユーザ経路情報と照合を行うことにより、このスポットを中心とする1辺が距離Dの正方形エリア内に、これまでにユーザが通過したことのある経路が存在するか否かを判定する。
【0070】
このステップST95において、経路判定部407が、ユーザがこれまでに通過したことのある経路付近にスポットが存在すると判定した場合には、次いで、スポット情報選択部408はスポット情報を選択する(ステップST96)。すなわち、スポット情報選択部408は、このスポット情報を録画対象として選択し、図12に示すように、スポット情報リストの当該スポットに該当することを示すチェックを付ける
【0071】
一方、上記ステップST95において、経路判定部407が、ユーザがこれまでに通過したことのある経路付近にスポットは存在しないと判定した場合には、シーケンスはステップST97に進み、ステップST96の処理は行わない。
【0072】
次いで、カーナビゲーション装置4の不図示の制御部はスポット情報リスト内の全スポットに対して、ステップST95の経路判定部407による判定が完了したかを判定する(ステップST97)。すなわち、カーナビゲーション装置4の不図示の制御部は、スポット情報リスト内に含まれる全てのスポット情報について、経路判定部407によるユーザがこれまでに通過した経路付近にスポット情報が存在するか否かの判定が完了したか否かを判定する。
【0073】
このステップST97において、不図示の制御部が経路判定部407による全スポットの判定が終了していないと判定した場合には、シーケンスはステップST95に戻り、上記の処理が繰り返される。
【0074】
一方、上記ステップST97において、不図示の制御部が経路判断部16による全スポットの判定が終了したと判定した場合には、次いで、通信部403は、受信機2の通信部216にチェック済みのスポット情報リストを送信する(ステップST98)。すなわち、カーナビゲーション装置4の通信部403は、経路判定部407による判定に基づいて、スポット情報選択部408により所望のスポット情報が選択されたチェック済みのスポット情報リストを受信機2の通信部216に送信する。
【0075】
次いで、通信部216はチェック済みのスポット情報リストを受信する(ステップST99)。すなわち、受信機2の通信部216は、カーナビゲーション装置4の通信部403から送信されるチェック済みのスポット情報リストを受信する。この通信部216により受信されるチェック済みのスポット情報リストはEPG処理部209に送信される。
【0076】
次いで、EPG処理部209は番組の録画予約をする(ステップST100)。すなわち、EPG処理部209は、EPG情報抽出部206により抽出されるEPG情報から、通信部216から送信されるチェック済みのスポット情報リストに含まれる選択されたスポット情報に該当する番組の録画予約を行う。
【0077】
次いで、EPG処理部209は録画情報を生成する(ステップST37)。次いで、予約制御部210は録画情報を予約登録リストに登録する(ステップST38)。次いで、制御部212はタイマを設定する(ステップST39)。次いで、予約制御部210は番組を録画する(ステップST40)。
【0078】
以上のようにこの発明の実施の形態2によれば、カーナビゲーション装置4は、カーナビゲーション装置4が保持するユーザ経路情報と受信機2から送信されるスポット情報リストとの比較処理を実施し、ユーザが通過したことのある経路付近にスポットが存在する場合に、このスポット情報が紹介される番組を受信機2に録画させるように構成したので、この発明の実施の形態1における効果に加えて、ユーザがよく訪れる場所やよく運転する経路に近い場所のスポット情報を含む番組の放送があった場合にも、ユーザからの設定に頼ることなく、録画・視聴することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 放送局、101 配信用EPGデータベース、102 EPG情報編集部、103 EPG情報アップリンク部、104 TV放送送信アンテナ、2 受信機、201 TVアンテナ、202 チューナ部、203 デマックス部、204 デコード部、205 ディスプレイ、206 EPG情報抽出部、207 EPG情報構築部、208 EPGデータベース、209 EPG処理部、210 予約制御部、211 記憶部、212 制御部、213 タイマ、214 ストリーム蓄積部、215 スポット情報リスト作成部、216 通信部、3 リモコン、4 カーナビゲーション装置、401 GPSアンテナ、402 位置検出部、403 通信部、404 地図情報データベース、405 緯度・経度変換部、406 ユーザ経路情報蓄積部、407 経路判定部、408 スポット情報選択部、5 GPS衛星。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信される番組と前記番組内で紹介される各スポット情報の放送開始時間を含むEPG(Electronic Program Guide)情報とを受信するチューナ部と、
前記チューナ部により受信される前記EPG情報を抽出するEPG情報抽出部と、
前記EPG情報抽出部により抽出されるEPG情報から録画予約されたスポット情報の放送開始時間を抽出するEPG処理部と、
前記EPG処理部により抽出される放送開始時間に従い、前記チューナ部により受信される番組を録画する予約制御部と
を有する受信機。
【請求項2】
ナビゲーション装置により選択される番組を録画する受信機において、
配信される前記番組と前記番組内で紹介される各スポット情報の放送開始時間を含むEPG情報とを受信するチューナ部と、
前記チューナ部により受信される前記EPG情報を抽出するEPG情報抽出部と、
前記EPG情報抽出部により抽出されるEPG情報に含まれるスポット情報を前記ナビゲーション装置に送信し、前記ナビゲーション装置により選択されるスポット情報を受信する通信部と、
前記EPG情報抽出部により抽出されるEPG情報から、前記通信部から受信するスポット情報に対応する番組の録画予約を行い、当該番組のスポット情報の放送開始時間を抽出するEPG処理部と、
前記EPG処理部により抽出される放送開始時間に従い、前記チューナ部により受信される番組を録画する予約制御部と
を有することを特徴とする受信機。
【請求項3】
前記チューナ部により受信されるEPG情報は、EIT(Event Information Table)から構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の受信機。
【請求項4】
受信機に録画させる番組を選択するナビゲーション装置において、
前記受信機からスポット情報を受信し、選択したスポット情報を前記受信機に送信する通信部と、
ユーザが移動した経路をユーザ経路情報として蓄積するユーザ経路情報蓄積部と、
前記通信部により受信されるスポット情報と前記ユーザ経路情報蓄積部から抽出したユーザ経路情報とに基づいて、これまでにユーザが通過した経路の近くにスポットが存在するかを判定する経路判定部と、
前記経路判定部により、これまでにユーザが通過した経路の近くにスポットが存在する場合に、当該スポット情報を選択するスポット情報選択部と
を有するナビゲーション装置。
【請求項5】
番組を録画する受信機と、前記受信機に録画させる番組を選択するナビゲーション装置とを備えた放送システムにおいて、
前記受信機は、
配信される前記番組と前記番組内で紹介される各スポット情報の放送開始時間を含むEPG情報とを受信するチューナ部と、
前記チューナ部により受信される前記EPG情報を抽出するEPG情報抽出部と、
前記EPG情報抽出部により抽出されるEPG情報に含まれるスポット情報を前記ナビゲーション装置に送信し、前記ナビゲーション装置により選択されるスポット情報を受信する通信部と、
前記EPG情報抽出部により抽出されるEPG情報から、前記通信部により受信されるスポット情報に対応する番組の録画予約を行い、当該番組の当該スポット情報の放送開始時間を抽出するEPG処理部と、
前記EPG処理部により抽出される放送開始時間情報に従い、前記チューナ部により受信される番組を録画する予約制御部とを有し、
前記ナビゲーション装置は、
前記受信機からスポット情報を受信し、選択したスポット情報を前記受信機に送信する通信部と、
ユーザが移動した経路をユーザ経路情報として蓄積するユーザ経路情報蓄積部と、
前記通信部により受信されるスポット情報と前記ユーザ経路情報蓄積部から抽出したユーザ経路情報とに基づいて、これまでにユーザが通過した経路の近くにスポットが存在するかを判定する経路判定部と、
前記経路判定部により、これまでにユーザが通過した経路の近くにスポットが存在する場合に、当該スポット情報を選択するスポット情報選択部とを有する
ことを特徴とする放送システム。
【請求項6】
前記チューナ部により受信されるEPG情報は、EIT(Event Information Table)から構成されることを特徴とする請求項5記載の放送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−288191(P2010−288191A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142181(P2009−142181)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】