説明

受信装置及びチャネル品質測定方法

【課題】ストリーム間干渉が生じるMIMO方式において、ストリーム毎に高精度なチャネル品質を測定する受信装置及びチャネル品質測定方法を提供する。
【解決手段】MIMO干渉調整値計算部112が伝搬路推定値を用いてMIMO干渉調整値を計算し、干渉調整部113がMIMO干渉調整値をCPICH受信電力に掛け合わせて調整後干渉電力を求める。HS−PDSCH干渉換算部114が調整後干渉電力からHS−PDSCH干渉電力に換算してストリーム間干渉電力をストリーム毎に求め、HS−PDSCH SNR計算部がストリーム間干渉電力、HS−PDSCH受信電力及びCPICH雑音電力を用いてSNRを計算する。CQI決定部116が得られたSNRからストリーム毎のCQIを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数ストリームのそれぞれについてチャネル品質を測定する受信装置及びチャネル品質測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)の仕様の一つにHSPA(High Speed Packet Access)がある。HSPAは、ピークデータレート及び周波数利用効率の向上などを目的とした技術の集合である。それらの技術のうち、複数の送受信アンテナを用いるMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式という技術がある。
【0003】
HSPAのMIMOでは、2本の送信アンテナと2本の受信アンテナを用いて、2つの異なるデータ(ストリームともいう)を空間的に多重して、同時並列に伝送することができる。
【0004】
また、HSPAでは、CQI(Channel Quality Indicator)と呼ばれるチャネル品質を示す指標値を端末から基地局に報告し、基地局は報告されたCQIに応じて下り伝送レート(例えば、トランスポートブロックサイズ、変調方式、コード多重数など)を決定している。これにより、伝搬路の品質に適応した伝送レートで効率良くデータ伝送を行うことができる。
【0005】
MIMOにCQIを適用した場合、CQIをストリーム毎に計測及び報告することにより、ストリーム毎に独立の伝送レート制御を実施する。従って、端末がストリーム毎のCQIを精度良く測定することが、伝送スループットの向上につながる。このような技術として、特許文献1に開示のチャネル品質測定方法が知られている。
【0006】
ここで、MIMO方式を用いたHSPA通信システムに、特許文献1に開示のチャネル品質測定方法を適用した受信装置10について、図1を用いて説明する。ここでは、データを送信する図示せぬ送信装置が2本の送信アンテナを備え、図1に示す受信装置10も2本の受信アンテナを備えているものとし、最大で2ストリームを同時に伝送できるものとする。
【0007】
図1において、2本の受信アンテナ11から受信した信号は受信処理部によって所定の受信処理(フィルタ及びAD変換などの処理)が施され、受信処理が施された信号はCPICH(Common Pilot Channel)逆拡散部13により逆拡散され、伝搬路推定部14が、これにより得られたCPICH逆拡散シンボルを用いて、伝搬路推定値を取得する。
【0008】
等化器15では、伝搬路推定値を用いて、受信処理部12から出力された信号に等化処理を施し、等化処理を施した信号に対して、CPICH逆拡散部16では、逆拡散を行う。これにより得られたCPICH逆拡散シンボルを用いて、CPICH電力計算部17では、CPICH受信電力が計算され、CPICH雑音計算部18では、CPICH雑音電力が計算される。
【0009】
CL1利得調整値計算部19では、伝搬路推定値を用いて、CL1利得調整値が計算される。ここで、2ストリームを同時伝送するMIMO方式では、送信側で異なる2組のプリコーディングウェイトを掛けるため、受信側においてもそれに対応する2組のウェイトを用いて第1ストリームと第2ストリームのそれぞれのCL1利得調整値を求める必要がある。このことから、利得調整部20以降の処理は、全てストリーム毎に行われる。
【0010】
利得調整部20では、CPICH受信電力にCL1利得調整値を掛け合わせ、これにより調整後CPICH受信電力が得られる。CPICH SNR(Signal to Noise Ratio)計算部21では、調整後CPICH受信電力と、CPICH雑音電力とからCPICH SNRを計算し、HS−PDSCH(High Speed-Physical Downlink Shared Channel) SNR換算部22では、CPICH SNRをHS−PDSCH SNRに換算する。CQI決定部23では、HS−PDSCH SNRからストリーム毎のチャネル品質であるCQIを決定する。
【0011】
このように、図1に示した受信装置10では、閉ループ送信ダイバーシチの利得を反映したチャネル品質を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2009−503913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、複数ストリームを同時伝送するMIMO方式では、ストリーム間で相互に干渉を与え合うため、ストリーム間干渉を全く考慮していない図1の受信装置では、測定したチャネル品質は実際のチャネル品質よりも高い結果となってしまう。そのため、HSPA通信システムのように、受信装置から送信装置へフィードバックされたチャネル品質に基づいて、伝送レートを決定する場合、伝送レートが必要以上に高くなるなどして、受信エラー率が悪化し、さらには、伝送スループットの低下を招くという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、ストリーム間干渉が生じるMIMO方式において、ストリーム毎に高精度なチャネル品質を測定する受信装置及びチャネル品質測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の受信装置は、パイロットチャネル信号を受信する受信手段と、前記パイロットチャネル信号を用いて、伝搬路推定値を求める伝搬路推定手段と、前記伝搬路推定値を用いて、利得調整値を求める利得調整値計算手段と、前記利得調整値をパイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル受信電力を求める利得調整手段と、前記調整パイロットチャネル受信電力をデータチャネル受信電力に換算するデータチャネル電力換算手段と、前記伝搬路推定値を用いて、干渉調整値を求める干渉調整値計算手段と、前記干渉調整値を前記パイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル干渉電力を求める干渉調整手段と、前記調整パイロットチャネル干渉電力をデータチャネル干渉電力に換算するデータチャネル干渉換算手段と、前記データチャネル受信電力、前記データチャネル干渉電力及びパイロットチャネル雑音電力からデータチャネルのチャネル品質を計算するチャネル品質計算手段と、を具備する構成を採る。
【0016】
本発明のチャネル品質測定方法は、パイロットチャネル信号を受信する受信ステップと、前記パイロットチャネル信号を用いて、伝搬路推定値を求める伝搬路推定ステップと、前記伝搬路推定値を用いて、利得調整値を求める利得調整値計算ステップと、前記利得調整値をパイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル受信電力を求める利得調整ステップと、前記調整パイロットチャネル受信電力をデータチャネル受信電力に換算するデータチャネル電力換算ステップと、前記伝搬路推定値を用いて、干渉調整値を求める干渉調整値計算ステップと、前記干渉調整値を前記パイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル干渉電力を求める干渉調整ステップと、前記調整パイロットチャネル干渉電力をデータチャネル干渉電力に換算するデータチャネル干渉換算ステップと、前記データチャネル受信電力、前記データチャネル干渉電力及びパイロットチャネル雑音電力からデータチャネルのチャネル品質を計算するチャネル品質計算ステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ストリーム間干渉が生じるMIMO方式において、ストリーム毎に高精度なチャネル品質を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】MIMO方式を用いたHSPA通信システムに、特許文献1に開示のチャネル品質測定方法を適用した受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(一実施の形態)
図2は、本発明の一実施の形態に係る受信装置100の構成を示すブロック図である。以下、図2を用いて受信装置100の構成について説明する。
【0021】
受信処理部102は、2本の受信アンテナ101から受信した信号にフィルタ及びAD変換などの処理を施してベースバンドデジタル信号に変換し、ベースバンドデジタル信号をCPICH逆拡散部103及び等化器105に出力する。
【0022】
CPICH逆拡散部103は、受信処理部102から出力されたベースバンドデジタル信号に直接逆スクランブル及びCPICH逆拡散を行う。これによって得られたCPICH逆拡散シンボルは伝搬路推定部104に出力される。
【0023】
伝搬路推定部104は、CPICH逆拡散部103から出力されたCPICH逆拡散シンボルから伝搬路推定値を計算し、計算された伝搬路推定値を等化器105、MIMO利得調整値計算部109及びMIMO干渉調整値計算部112にそれぞれ出力する。
【0024】
等化器105は、伝搬路推定部104から出力された伝搬路推定値を用いて、受信処理部102から出力されたベースバンドデジタル信号に等化処理を施し、等化処理が施された信号をCPICH逆拡散部106に出力する。
【0025】
CPICH逆拡散部106は、等化器105から出力された信号に逆スクランブル及びCPICH逆拡散を行い、得られたCPICH逆拡散シンボルをCPICH電力計算部107及びCPICH雑音計算部108にそれぞれ出力する。
【0026】
CPICH電力計算部107は、CPICH逆拡散部106から出力されたCPICH逆拡散シンボルからCPICH受信電力を計算し、計算したCPICH受信電力を利得調整部110及び干渉調整部113にそれぞれ出力する。
【0027】
CPICH雑音計算部108は、CPICH逆拡散部106から出力されたCPICH逆拡散シンボルからCPICH雑音電力を計算し、計算したCPICH雑音電力をHS−PDSCH SNR計算部115に出力する。
【0028】
MIMO利得調整値計算部109は、伝搬路推定部104から出力された伝搬路推定値を用いて、MIMO利得調整値を計算し、計算したMIMO利得調整値を利得調整部110に出力する。MIMO利得調整値は、以下の式(1)及び式(2)によって計算される。
【数1】

【数2】

【0029】
ここで、GainRatioは第1ストリームに対するMIMO利得調整値、GainRatioは第2ストリームに対するMIMO利得調整値、hxyは受信アンテナxと送信アンテナy間の伝搬路推定値、wmnは送信側でHS−PDSCHに適用されたプリコーディングウェイトマトリックスのm行n列の値である。
【0030】
ここで求めるMIMO利得調整値とは、開ループ送信ダイバーシチを使用したときの受信電力に対するMIMOを使用したときの受信電力の比を表した値であり、伝搬路の振幅及び位相変動量の情報が必要なため、伝搬路推定値などから求めている。すなわち、等化処理後の信号は伝搬路の振幅及び位相変動量の情報が失われるので、ここで等化処理後の信号を用いることはできない。また、プリコーディングウェイトマトリックスwmnは送信側で各ストリームに掛けられた値であり、制御チャネル(HS−SCCH: High Speed-Shared Control Channel)などによって送信装置から受信装置に通知されてもよいし、受信装置が検出してもよい。
【0031】
利得調整部110は、CPICH電力計算部107から出力されたCPICH受信電力と、MIMO利得調整値計算部109から出力されたMIMO利得調整値とを掛け合わせ、これによって得られる利得調整されたCPICH受信電力(以下、「調整CPICH受信電力」という)をHS−PDSCH電力換算部111に出力する。利得調整部110にて行われる演算は、以下の式(3)及び式(4)の通りである。
【数3】

【数4】

【0032】
ここで、RSCPCPICHはCPICH受信電力、RSCPMIMO1は第1ストリームの調整CPICH受信電力、RSCPMIMO2は第2ストリームの調整CPICH受信電力である。
【0033】
HS−PDSCH電力換算部111は、利得調整部110から出力された調整CPICH受信電力をHS−PDSCH受信電力に換算し、換算したHS−PDSCH受信電力をHS−PDSCH SNR計算部115に出力する。すなわち、HS−PDSCH電力換算部111はパイロットチャネル信号の受信電力をデータチャネルの受信電力に換算するものである。HS−PDSCH電力換算部111にて行われる演算は、以下の式(5)及び式(6)の通りである。
【数5】

【数6】

【0034】
ここで、RSCP’MIMO1は第1ストリームのHS−PDSCH受信電力、RSCP’MIMO2は第2ストリームのHS−PDSCH受信電力、ΓはCPICHとHS−PDSCH受信電力の送信パワー比である。Γは予め送信装置から受信装置にシグナリングされているdB単位の値である。また、16/256は、HS−PDSCHのSF(Spread Factor)を16、CPICHのSFを256とした場合の拡散利得調整係数である。
【0035】
MIMO干渉調整値計算部112は、伝搬路推定部104から出力された伝搬路推定値を用いて、各ストリームに対するMIMO干渉調整値を計算し、計算したMIMO干渉調整値を干渉調整部113に出力する。MIMO干渉調整値は、以下の式(7)及び式(8)によって計算される。
【数7】

【数8】

【0036】
ここで、IsiRatioは第1ストリームに対するMIMO干渉調整値、IsiRatioは第2ストリームに対するMIMO干渉調整値、NcodeはHS−PDSCHのコード多重数である。また、上付きの*は複素共役を表している。
【0037】
ここで求めるMIMO干渉調整値とは、開ループ送信ダイバーシチを使用したときの受信電力に対する他ストリームから受ける干渉量の比を表した値である。
【0038】
干渉調整部113は、CPICH電力計算部107から出力されたCPICH受信電力と、MIMO干渉調整値計算部112から出力されたMIMO干渉調整値とを掛け合わせ、これによって得られる調整されたCPICH干渉電力(以下、「調整CPICH干渉電力」という)をHS−PDSCH干渉換算部114に出力する。干渉調整部113にて行われる演算は、以下の式(9)及び式(10)の通りである。
【数9】

【数10】

【0039】
ここで、ISIは第1ストリームの調整CPICH干渉電力、ISIは第2ストリームの調整CPICH干渉電力である。
【0040】
HS−PDSCH干渉換算部114は、干渉調整部113から出力された調整CPICH干渉電力をHS−PDSCH干渉電力に換算し、換算したHS−PDSCH干渉電力をHS−PDSCH SNR計算部115に出力する。すなわち、HS−PDSCH干渉換算部114はパイロットチャネル干渉電力をデータチャネル干渉電力(ストリーム間干渉電力)に換算するものである。HS−PDSCH干渉換算部114にて行われる演算は、以下の式(11)及び式(12)の通りである。
【数11】

【数12】

【0041】
ここで、ISI’は第1ストリームのHS−PDSCH干渉電力、ISI’は第2ストリームのHS−PDSCH干渉電力である。
【0042】
HS−PDSCH SNR計算部115は、HS−PDSCH電力換算部111から出力されたHS−PDSCH受信電力と、CPICH雑音計算部108から出力されたCPICH雑音電力と、HS−PDSCH干渉換算部114から出力されたHS−PDSCH干渉電力とを用いて、HS−PDSCH SNRを計算し、計算したHS−PDSCH SNRをCQI決定部116に出力する。HS−PDSCH SNRは、以下の式(13)及び式(14)によって計算される。
【数13】

【数14】

【0043】
ここで、SNRMIMO1は第1ストリームのSNR、SNRMIMO2は第2ストリームのSNR、ISCPは雑音電力である。なお、式(13)及び式(14)では、SNRをdB単位で求めているが、必ずしもdB単位で計算しなくてもよい。
【0044】
CQI決定部116は、HS−PDSCH SNR計算部115から出力されたHS−PDSCH SNRに対応するCQIをストリーム毎に決定する。例えば、HS−PDSCH SNRとCQIとの対応表を予め用意しておき、その対応表に基づいて、CQIを決定すればよい。
【0045】
このように、実施の形態1によれば、伝搬路推定値を用いてMIMO干渉調整値を計算し、MIMO干渉調整値をCPICH受信電力に掛け合わせて調整後干渉電力を求め、調整後干渉電力からHS−PDSCH干渉電力に換算してストリーム間干渉電力をストリーム毎に求め、ストリーム間干渉電力、HS−PDSCH受信電力及びCPICH雑音電力を用いてSNRを計算することにより、ストリーム間干渉が生じるMIMO方式において、ストリーム毎に高精度なチャネル品質を測定することができるので、適切な伝送レートでデータ伝送することができ、受信エラー率及び伝送スループットを向上させることができる。
【0046】
(他の実施の形態)
上記の実施の形態では、送信アンテナ2本、受信アンテナ2本を備えた通信システムにおいて、2ストリームを同時伝送する場合のチャネル品質測定について説明したが、本発明はアンテナ数をこれに限定するものではなく、送信アンテナと受信アンテナをそれぞれ3本以上に拡張することもできる。例えば、送信アンテナと受信アンテナとをそれぞれN本(Nは2以上)備えた通信システムの場合、各ストリームを第kストリーム(k=1,2,…,N)として表すと、式(1)及び式(2)は式(15)で表すことができる。同様に、式(3)及び式(4)は式(16)、式(5)及び式(6)は式(17)、式(7)及び式(8)は式(18)、式(9)及び式(10)は式(19)、式(11)及び式(12)は式(20)、式(13)及び式(14)は式(21)で表すことができる。
【数15】

【数16】

【数17】

【数18】

【数19】

【数20】

【数21】

【0047】
なお、以上の説明では、求めたSNRをチャネル品質の決定に用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、測定したSNRをその他の目的で用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかる受信装置及びチャネル品質測定方法は、MIMO方式の移動通信システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 受信装置
101 受信アンテナ
102 受信処理部
103、106 CPICH逆拡散部
104 伝搬路推定部
105 等化器
107 CPICH電力計算部
108 CPICH雑音計算部
109 MIMO利得調整値計算部
110 利得調整部
111 HS−PDSCH電力換算部
112 MIMO干渉調整値計算部
113 干渉調整部
114 HS−PDSCH干渉換算部
115 HS−PDSCH SNR計算部
116 CQI決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイロットチャネル信号を受信する受信手段と、
前記パイロットチャネル信号を用いて、伝搬路推定値を求める伝搬路推定手段と、
前記伝搬路推定値を用いて、利得調整値を求める利得調整値計算手段と、
前記利得調整値をパイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル受信電力を求める利得調整手段と、
前記調整パイロットチャネル受信電力をデータチャネル受信電力に換算するデータチャネル電力換算手段と、
前記伝搬路推定値を用いて、干渉調整値を求める干渉調整値計算手段と、
前記干渉調整値を前記パイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル干渉電力を求める干渉調整手段と、
前記調整パイロットチャネル干渉電力をデータチャネル干渉電力に換算するデータチャネル干渉換算手段と、
前記データチャネル受信電力、前記データチャネル干渉電力及びパイロットチャネル雑音電力からデータチャネルのチャネル品質を計算するチャネル品質計算手段と、
を具備する受信装置。
【請求項2】
前記利得調整値計算手段は、式(1)を用いて前記利得調整値を計算する請求項1に記載の受信装置。
【数1】

ただし、GainRatioは第kストリームに対する利得調整値、hxyは受信アンテナxと送信アンテナy間の伝搬路推定値、wykは送信側でデータチャネルに適用されたプリコーディングウェイトマトリックスのy行k列の値、Nはアンテナ数である。
【請求項3】
前記干渉調整値計算手段は、式(2)を用いて前記干渉調整値を計算する請求項1に記載の受信装置。
【数2】

ただし、IsiRatio第kストリームに対する干渉調整値、Ncodeはデータチャネルのコード多重数、上付きの*は複素共役、hxy(hzx、hzy)は受信アンテナxと送信アンテナy(受信アンテナzと送信アンテナx、受信アンテナzと送信アンテナy)間の伝搬路推定値、wyk(wxk、wyl)は送信側でデータチャネルに適用されたプリコーディングウェイトマトリックスのy行k列(x行k列、y行l列)の値、Nはアンテナ数である。
【請求項4】
前記チャネル品質計算手段は、式(3)を用いて前記データチャネルのチャネル品質を計算する請求項1に記載の受信装置。
【数3】

ただし、SNRMIMOkは第kストリームのSNR、RSCP’MIMOkは第kストリームのデータチャネル受信電力、ISI’は第kストリームのデータチャネル干渉電力、ISCPは雑音電力である。
【請求項5】
パイロットチャネル信号を受信する受信ステップと、
前記パイロットチャネル信号を用いて、伝搬路推定値を求める伝搬路推定ステップと、
前記伝搬路推定値を用いて、利得調整値を求める利得調整値計算ステップと、
前記利得調整値をパイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル受信電力を求める利得調整ステップと、
前記調整パイロットチャネル受信電力をデータチャネル受信電力に換算するデータチャネル電力換算ステップと、
前記伝搬路推定値を用いて、干渉調整値を求める干渉調整値計算ステップと、
前記干渉調整値を前記パイロットチャネル受信電力に掛け合わせて調整パイロットチャネル干渉電力を求める干渉調整ステップと、
前記調整パイロットチャネル干渉電力をデータチャネル干渉電力に換算するデータチャネル干渉換算ステップと、
前記データチャネル受信電力、前記データチャネル干渉電力及びパイロットチャネル雑音電力からデータチャネルのチャネル品質を計算するチャネル品質計算ステップと、
を具備するチャネル品質測定方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−249001(P2012−249001A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117980(P2011−117980)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】