説明

受信装置及び中継装置

【課題】インターネットプロトコルによる地上デジタル放送の再送信のごとき地域を限定する放送において、地域外での受信を不可能にすること。
【解決手段】地域情報記憶手段3,13には、受信(中継)装置10,20の所在する地域の地域情報を記憶する。地域情報検出手段4,14は、入力する放送データから受信対象地域である地域情報を検出する。表示(出力)制御手段5,15は、地域情報記憶手段と地域情報検出手段の地域情報が一致しない場合、入力する放送を表示(出力)しないように制御する。またIPによる放送の再送信局社50との双方向通信により、受信(中継)装置が所在する地域を確認し、登録した地域情報と一致しない場合、入力する放送を表示(出力)させない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、インターネットプロトコルによる地上波デジタル放送の再送信のような受信地域が限定された放送を受信するのに好適な受信装置及び中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地上デジタル放送は県域内での放送を基本としているため、インターネットプロトコル(IP)による再送信では、受信地域を県域内に限定するように制度上定められている。
【0003】
デジタル放送にはデータ放送があり、そのサービスには天気予報など地域割に対応した気象情報と、地域割に対応させた郵便番号とでバイナリーテーブルを構成し放送している。その受信処理装置では、予め、ユーザによりリモコンなどの入力手段を用いて、メモリに居住地の郵便番号を記憶しておき、カルーセル伝送されたデータから記憶された郵便番号に対応する気象情報を取り出して、ユーザの居住地の天気予報を画面上に表示させている。
【0004】
しかし、居住地の移転では、その地域の郵便番号を前記メモリに記憶し直す必要があり、手間のかかる作業が必要であった。
【0005】
また、地上デジタル放送では、自動車や携帯電話など移動体において受信する場合にも同様の問題があった。
【0006】
そこで、特許文献1記載の地域別情報受信装置では、受信処理装置に設けられたメモリに、入力手段を用いて、地域別情報を取得するデータ放送ないしチャンネルの指定と、該データ放送からデータを取得する日時および地域とを指定して条件設定ファイルとして格納しておく。受信処理装置は、デジタルデータ放送を受信して、条件設定ファイルに基づいて、指定されたデータ放送から指定された日時および地域での地域別情報を表示するようにしている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−51748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の技術によれば、本来受信対象でない地域外放送も受信できてしまうことになり、受信地域を限定する制度に反することになる。
【0009】
よって本発明の目的は、例えば、インターネットプロトコルによる地上波デジタル放送の再送信のような地域を限定する放送において、ユーザが受信地域を限定された放送を受信地域外で受信することを防止するための受信装置あるいは中継装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、特許請求の範囲に開示されている技術的思想を用いればよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、限定された受信地域以外で受信及び中継することを防止する際に個人情報をより確実に保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
まずは実施例1について説明する。
【0014】
図1は、本発明の受信装置の一実施例を示すブロック図である。
【0015】
10はインターネットプロトコル(IP)による地上デジタル放送の再送信のような受信地域を限定した放送データを受信する受信装置、1は受信装置10のデータ入力端子、2はモニタ等の表示手段、3は受信装置10が所在する地域の情報を記憶する地域情報記憶手段、4はデータ入力端子から入力された、受信地域が限定された放送データに含まれる受信地域の情報を検出する地域情報検出手段、5は前記表示手段を制御する表示制御手段、6は表示制御手段5や地域情報記憶手段3からの出力を受け表示手段2にユーザへのメッセージを表示させる情報表示手段、50はIPによる放送の再送信局社、7は地域情報記憶手段3に記憶された地域情報をIPによる放送の再送信局社50との間で送受信する地域情報送受信手段である。
【0016】
なお、表示手段2は、受信装置とは分離して外部に接続する構成でも良い。
【0017】
リモコン(図示していない)等により地域情報記憶手段3に、前記受信装置10の所在地の地域情報を記憶する。地域情報検出手段4では、データ入力端子1より入力された放送データから、その放送データの受信対象地域の地域情報を検出する。
【0018】
表示制御手段5では、地域情報記憶手段3に記憶された地域情報と地域情報検出手段4で放送データから検出された地域情報を比較し、一致していれば、表示手段2を制御して、データ入力端子1から入力された放送データから映像音声などを表示させ、受信した放送データを視聴可能とする。一致していなければ、表示手段2を制御して、データ入力端子1から入力された放送データから映像音声などを表示させないようにし、受信した放送データを視聴不可能にする。
【0019】
その場合には、表示制御手段5からの出力を受け、情報表示手段6は表示手段2に、受信した放送データの受信地域と受信装置10の所在地が一致しないため、受信した放送データは視聴できない旨や、地上波放送の視聴、ビデオモニタとしての利用等の代替案を表示させ、ユーザに伝えることができる。
【0020】
地域情報記憶手段3に受信装置10の所在地の地域情報を登録する際には、IPによる放送の再送信局社50との双方向通信によって、IPによる放送の再送信局社50に登録されている情報との確認を行って正しい情報を登録しようとしているかの判断が行われる。
【0021】
なお、IPによる放送の再送信局社50に登録されているユーザの居住地域の情報は、インターネット利用申込時に登録したユーザの氏名や住所等の個人情報を基に得られた居住地域の情報や、公の機関により認証された居住地域の情報等であり、上記リモコンによる地域情報の登録とは別手段で登録または認証された情報である。
【0022】
また、地域情報記憶手段3に記憶されている情報は、受信装置10の所有者の氏名やその住所等の個人情報を含んでいるので、地域情報記憶手段3に記憶されている情報を確認する際には、生体認証やパスワード等により確認する者が登録者本人であることの認証が行われる。
【0023】
また、受信装置10とIPによる放送の再送信局社50との間で送受信される個人情報は、図示されていない暗号化手段により暗号化される。暗号化手段は地域情報記憶手段3、または地域情報送受信手段7に組み込まれている仕組みにしても良いし、単独で設けてもよい。
【0024】
IPによる放送の再送信局社50に記憶されているユーザの居住地域の情報と、地域情報記憶手段3に記憶された地域情報が一致すれば、地域情報記憶手段3に記憶された地域情報はより正確であると判定できる。地域情報記憶手段3は、地域情報記憶手段3に記憶された地域情報の有効性を判定し、表示制御手段5を制御する。
【0025】
すなわち、地域情報記憶手段3に記憶された地域情報が有効でないと判定された場合は、たとえ地域情報検出手段4の検出した地域情報と地域情報記憶手段3に記憶された地域情報が一致しても、表示制御手段5は入力された放送データの映像音声などを表示手段2に表示させないように制御する。
【0026】
また、その場合には、情報表示手段6は表示制御手段5または地域情報記憶手段3からの出力を受け、表示手段2に、登録した地域情報が誤っている旨を表示させることや、地上波放送の視聴やビデオモニタとしての利用といった代替案を表示させることができる。これにより、地域情報記憶手段3に地域情報を登録する際の誤りや不正登録等を防止する効果がある。
【0027】
ここで、地域情報の登録と放送データからの検出について、具体的に説明する。地域情報記憶手段3に地域情報を登録するための入力方法としては、図に記載していないがリモコン等によって行う。リモコンの数字ボタンで受信装置10の所在地の郵便番号を入力する方法や、表示手段2に表示された県名または地域名の中からリモコンの上下ボタンあるいは上下左右ボタンで選択域が変化するスクロールキーなどで受信装置10の所在地を選択する方法等がある。
【0028】
なお、地上波放送の放送域は、関東、近畿、中京の広域あるいは県域放送であるので、県単位で記憶することで十分と考える。
【0029】
また、地域情報検出手段4では、データ入力端子1から入力された放送データから、その放送データの受信対象地域の地域情報を検出する。地上デジタル放送では、各放送局から送出される信号には地域情報を含む「ネットワーク識別番号」が付加されて送信されている。
【0030】
図2は、地域情報に関し、各放送局に割り当てられているネットワーク識別番号の一例(関東広域地区の場合)を示す図である。そのネットワーク識別番号は、地域識別番号(地域情報)と地域事業者識別番号から構成されており、ネットワーク識別番号から地域識別番号(地域情報)を抽出することができる。
【0031】
図3は、各地域の地域識別番号の一例を示す図である。地域識別番号は、関東、近畿、中京の広域あるいは県域で番号に分けられている。
【0032】
なお、図2、図3のデータは、(社)電波産業会の運用規定ARIB TR−B14「地上デジタルテレビジョン放送運用規定技術資料」に記載されているものである。
【0033】
図4は、受信装置10の制御動作を示すフローチャート図である。
【0034】
ステップS101では、ユーザが受信装置10の所在地の地域情報を地域情報記憶手段3に記憶する。
【0035】
ステップS102では、ユーザが記憶しようとしている受信装置10の所在地の地域情報を、IPによる放送の再送信局社50との間で送受信するか否かを表示手段2に表示する。
【0036】
ステップS103では、ユーザが受信装置10の所在地の地域情報についてIPによる放送の再送信局社50との間で送受信することを許諾したかどうかを検出する。許諾した場合にはステップS104に進み、許諾しなかった場合にはステップS105へ進む。
【0037】
ステップS105では、受信装置10の所在地の地域情報を、IPによる放送の再送信局社50との間で送受信できないことにより地域情報記憶手段3に受信装置10の所在地の地域情報を記憶することができないこと、そのためIPにより再送信された放送を視聴できないことを表示手段2に表示する。
【0038】
さらに地上波放送を視聴することやビデオモニタとしての利用といった代替案を表示手段2に表示する。
【0039】
ステップS104では、ステップS101でユーザが登録した受信装置10の所在地の地域情報をIPによる放送の再送信局社50に送信する。
【0040】
ステップS106では、S101でユーザが地域情報記憶手段3に登録した受信装置0の所在地の地域情報と、前記再送信局社50が保有する受信装置10のユーザの居住地域の情報とが一致するかどうかを、受信装置10または前記再送信局社50により比較される。
【0041】
その結果、ユーザが地域情報記憶手段3に登録した受信装置10の所在地の地域情報と前記再送信局社50が保有する受信装置10のユーザの居住地域の情報とが一致したと受信装置10または前記再送信局社50により判断された場合は、ステップS107へ進む。
【0042】
一方、ユーザが地域情報記憶手段3に登録した受信装置10の所在地の地域情報とIPによる放送の再送信局社50が保有する受信装置10のユーザの居住地域の情報とが一致しない受信装置10または前記再送信局社50により判断された場合は、ステップS108へ進む。
【0043】
ステップS107では、ステップS101でユーザが地域情報記憶手段3に登録した受信装置10の所在地の地域情報を有効にする。
【0044】
ステップS108では、ステップS101でユーザが地域情報記憶手段3に登録した受信装置10の所在地の地域情報を無効とし、ステップS101でユーザが受信装置10に登録した受信装置10の所在地の地域情報とIPによる放送の再送信局社50が保有する受信装置10のユーザの居住地域の情報とが一致しないこと、そのためIPによる放送の再送信を視聴できないことを表示手段2に表示する。
【0045】
さらに地上波放送を視聴することやビデオモニタとしての利用といった代替案を表示手段2に表示する。
【0046】
ステップS109では、地域情報検出手段4が入力されたIPにより再送信された放送データから受信地域の情報を検出する。
【0047】
ステップS110では、地域情報検出手段4が検出したIPにより再送信された放送データの受信地域の情報が、地域情報記憶手段3に記憶されている受信装置10が所在する地域の情報と一致するかどうか比較する。比較した結果、一致した場合はステップS111へ、一致しなかった場合はステップS112へ進む
ステップS111では、IPにより再送信された放送を表示手段2に表示する。
【0048】
ステップS112では、IPにより再送信された放送の視聴を不可とする。
【0049】
ステップS113では、受信したIPにより再送信された放送データの受信地域と受信装置10の所在地が一致しないため、受信したIPにより再送信された放送データは視聴できない旨を表示する。さらに地上波放送を視聴することやビデオモニタとしての利用といった代替案を表示手段2に表示する。
【0050】
本実施例によれば、受信装置10に記憶された受信装置10の所在地の地域情報と、IPにより再送信された放送の受信地域の情報とが一致しない場合は、IPにより再送信された放送を視聴不可とできるため、IPによる地上デジタル放送の再送信等において、受信地域を限定することがより確実に実行できる。
【0051】
また、IPによる放送の再送信局社50が保有する受信装置10のユーザの居住地域の情報と、地域情報記憶手段3に記憶された受信装置10の所在地の情報とを比較することで、地域情報記憶手段3に記憶された受信装置10の所在地の情報がより正確であることが確認できる。
【0052】
また、地域情報記憶手段3に記憶された受信装置10の所在地の情報の送受信に関して、送受信を行うことの許諾画面を設けることで、個人情報の使用許諾確認もでき、個人情報を管理することができる。
【0053】
また、地域情報記憶手段3に記憶されている受信装置10の所有者の氏名やその住所等の個人情報を確認する際には、生体認証やパスワード等により確認する者が登録者本人であることの認証を行う手段が設けられ、個人情報の保護が行われる。
【0054】
また、受信装置20に個人情報を暗号化する手段を設けることで、受信装置10と前記再送信局社50との間で送受信される個人情報は保護される。
【0055】
本実施例においてはIPによる放送の再送信局社50が保有するユーザの居住地域の情報を用いて地域情報記憶手段3に記憶された受信装置10の所在地の情報が正確かどうかを判断したが、IPによる放送の再送信局社50の代わりに、受信装置10のユーザの個人情報を保有し、受信装置10に記憶された地域情報が正確かどうかを判断する機関を別に設けても良い。
次に実施例2を説明する。
【0056】
図5は、本発明の中継装置の一実施例を示すブロック図である。20はインターネットプロトコル(IP)による放送データの伝送経路に設置される、ルータ等の中継装置で、受信地域が限定されている放送データを受信し、テレビ等の外部機器へ出力する。
【0057】
11は中継装置20へインターネットプロトコル(IP)による放送データを入力するデータ入力端子、21はデータ入力端子11から入力された放送データをテレビ等の外部機器へ出力する出力端子、22は中継装置20を制御するためのパソコン等の外部制御手段を接続する接続端子、12はデータ入力端子11から入力された放送データを遮断する機能を有する出力手段、13は中継装置20が所在する地域の情報を記憶する地域情報記憶手段、14はデータ入力端子11から入力された、受信地域が限定された放送データに含まれる受信地域の情報を検出する地域情報検出手段、15は出力手段12を制御する出力制御手段、16は出力制御手段15や地域情報記憶手段13からの出力を受け、出力手段12または接続端子22に、例えば「受信地域でないため、データを出力できない」等のユーザへのメッセージを出力させる情報表示手段、50はIPによる放送の再送信局社、17は地域情報記憶手段13に記憶された地域情報をIPによる放送の再送信局社50との間で送受信する地域情報送受信手段である。
【0058】
接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段により、地域情報記憶手段13へ前記中継装置20の所在地の地域情報を登録する。
【0059】
地域情報検出手段14では、データ入力端子11より入力された放送データから、その放送データの受信対象地域の情報を検出する。
【0060】
出力制御手段15では、地域情報記憶手段13に記憶された地域情報と地域情報検出手段14で放送データから検出された地域情報を比較し、一致していれば、出力手段12を制御して、データ入力端子11から入力された放送データを出力可能とする。一致していなければ、出力手段12を制御して、データ入力端子11から入力された放送データを出力不可能にする。
【0061】
出力不可能の場合には、出力制御手段15からの出力を受け、情報表示手段16は接続端子22、または出力手段12に、受信した放送データの受信地域と中継装置20の所在地が一致しないため、中継した放送データは出力できない旨や、地上波放送の中継等の代替案を出力させ、ユーザに伝えることができる。
【0062】
地域情報記憶手段13に中継装置20の所在地の地域情報を登録する際には、IPによる放送の再送信局社50との双方向通信によって、IPによる放送の再送信局社50が保有する中継装置20のユーザの居住地域の情報と、中継装置20の所在地の地域情報とを比較し、地域情報記憶手段13に記憶される中継装置20の所在地の情報がより正確であるか否かの判断が行われる。
【0063】
なお、IPによる放送の再送信局社50に登録されているユーザの居住地域の情報は、インターネット利用申込時に登録したユーザの氏名や住所等の個人情報を基に得られた居住地域の情報や、公の機関により認証された居住地域の情報等であり、接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段による地域情報の登録とは別手段で登録または認証された情報である。
【0064】
また、地域情報記憶手段13に記憶される情報は、中継装置20の所有者の氏名やその住所等の個人情報を含んでいるので、地域情報記憶手段13に記憶される情報を確認する際には、生体認証やパスワード等により確認する者が登録者本人であることの認証が行われる。
【0065】
また、中継装置20とIPによる放送の再送信局社50との間で送受信される個人情報は、図示されていない暗号化手段により暗号化される。暗号化手段は地域情報記憶手段13、または地域情報送受信手段17に組み込まれている仕組みにしても良いし、単独で設けてもよい。
【0066】
IPによる放送の再送信局社50に記憶されているユーザの居住地域の情報と、地域情報記憶手段13に記憶された地域情報が一致すれば、地域情報記憶手段13に記憶された地域情報はより正確であると判定できる。地域情報記憶手段13は、地域情報記憶手段13に記憶された地域情報の有効性を判定し、表示制御手段15を制御する。
【0067】
すなわち、地域情報記憶手段13に記憶された地域情報が有効でないと判定された場合は、たとえ地域情報検出手段14の検出した地域情報と地域情報記憶手段13に記憶された地域情報が一致しても、表示制御手段15は入力された放送データの映像音声などを出力手段12に表示させないように制御する。
【0068】
また、その場合には、情報表示手段16は表示制御手段15、または地域情報記憶手段13からの出力を受け、出力手段12に、登録した地域情報が誤っている旨を出力させることや、地上波放送の中継等の代替案を出力させること、または接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段に登録した地域情報が誤っている旨を表示させることや、地上波放送の中継等の代替案を表示させることができる。これにより、地域情報記憶手段13に地域情報を登録する際の誤りや不正登録等を防止する効果がある。
【0069】
図6は、中継装置20の制御動作を示すフローチャート図である。ステップS201では、ユーザが中継装置20の所在地の地域情報を地域情報記憶手段13に登録する。
【0070】
ステップS202では、ユーザが登録しようとしている中継装置20の所在地の地域情報を、IPによる放送の再送信局社50との間で送受信するか否かを接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段に表示、または出力手段12に出力する。
【0071】
ステップS203では、ユーザが中継装置20の所在地の地域情報についてIPによる放送の再送信局社50との間で送受信することを許諾したかどうかを検出する。許諾した場合にはステップS204に進み、許諾しなかった場合にはステップS205へ進む。
【0072】
ステップS205では、中継装置20の所在地の地域情報を、IPによる放送の再送信局社50との間で送受信できないことにより地域情報記憶手段13に中継装置20の所在地の地域情報を記憶することができないこと、そのためIPにより再送信された放送を視聴できないことを接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段に表示、または出力手段12に出力する。
【0073】
さらに地上波放送を視聴することやビデオモニタとしての利用といった代替案を接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段に表示、または出力手段12に出力する。
【0074】
ステップS204では、ステップS201でユーザが登録した中継装置20の所在地の地域情報をIPによる放送の再送信局社50に送信する。
【0075】
ステップS206では、S201でユーザが地域情報記憶手段13に登録した中継装置20の所在地の地域情報と、IPによる放送の再送信局社50が保有する中継装置20のユーザの居住地域の情報とが一致するかどうかを、中継装置20または前記再送信局社50により比較される。
【0076】
その結果、ユーザが地域情報記憶手段13に登録した中継装置20の所在地の地域情報とIPによる放送の再送信局社50が保有する中継装置20のユーザの居住地域の情報とが一致したと中継装置20または前記再送信局社50により判断された場合は、ステップS207へ進む。
【0077】
一方、ユーザが地域情報記憶手段13に登録した中継装置20の所在地の地域情報とIPによる放送の再送信局社50が保有する中継装置20のユーザの居住地域の情報とが一致しないと中継装置20または前記再送信局社50により判断された場合は、ステップS208へ進む。
【0078】
ステップS207では、ステップS201でユーザが地域情報記憶手段13に登録した中継装置20の所在地の地域情報を有効にする。
【0079】
ステップS208では、ステップS201でユーザが地域情報記憶手段13に登録した中継装置20の所在地の地域情報を無効とし、ステップS201でユーザが地域情報記憶手段13に登録した中継装置20の所在地の地域情報とIPによる放送の再送信局社50が保有する中継装置20のユーザの居住地域の情報とが一致しないこと、そのためIPによる放送の再送信を視聴できないことを接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段に表示、または出力手段12に出力する。
【0080】
さらに地上波放送を視聴することやビデオモニタとしての利用といった代替案を接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段に表示、または出力手段12に出力する。
【0081】
ステップS209では、地域情報検出手段14が、入力されたIPにより再送信された放送データから受信地域の情報を検出する。
【0082】
ステップS210では、地域情報検出手段14が検出したIPにより再送信された放送データの受信地域の情報が、地域情報記憶手段13に記憶されている中継装置20が所在する地域の情報と一致するかどうか比較する。比較した結果、一致した場合はステップS211へ、一致しなかった場合はステップS212へ進む
ステップS211では、IPにより再送信された放送を出力手段12に出力する。
【0083】
ステップS212では、IPにより再送信された放送の出力を不可とする。
【0084】
ステップS213では、受信したIPにより再送信された放送データの受信地域と中継装置20の所在地が一致しないため、受信したIPにより再送信された放送データは出力できない旨を表示する。
【0085】
さらに地上波放送を中継等の代替案を接続端子22に接続されたパソコン等の外部制御手段に表示、または出力手段12に出力する。
【0086】
本実施例によれば、中継装置20に記憶された中継装置20の所在地の地域情報と、IPにより再送信された放送の受信地域の情報とが一致しない場合は、IPにより再送信された放送を中継不可とできるため、IPによる地上デジタル放送の再送信等において、受信地域を限定することがより確実に実行できる。
【0087】
また、IPによる放送の再送信局社50が保有する中継装置20のユーザの居住地域の情報と、地域情報記憶手段13に記憶された中継装置20の所在地の情報とを比較することで、地域情報記憶手段13に記憶された中継装置20の所在地の情報がより正確であることが確認できる。
【0088】
また、地域情報記憶手段13に記憶された中継装置20の所在地の情報の送受信に関して、送受信を行うことの許諾確認を行うことで、個人情報の使用許諾確認もでき、個人情報を管理することができる。
【0089】
また、地域情報記憶手段13に記憶されている中継装置20の所有者の氏名やその住所等の個人情報を確認する際には、生体認証やパスワード等により確認する者が登録者本人であることの認証を行う手段が設けられ、個人情報の保護が行われる。
【0090】
また、中継装置20に個人情報を暗号化する手段を設けることで、中継装置20と前記再送信局社50との間で送受信される個人情報は保護される。
【0091】
本実施例においてはIPによる放送の再送信局社50が保有するユーザの居住地域の情報を用いて地域情報記憶手段13に記憶された中継装置20の所在地の情報が正確かどうかを判断したが、IPによる放送の再送信局社50の代わりに、中継装置20のユーザの個人情報を保有し、中継装置20に記憶された地域情報が正確かどうかを判断する機関を別に設けても良い。
【0092】
上述してきた実施例の受信装置をまとめると、以下のようにも表現可能である。
【0093】
例えば、デジタル信号を受信する受信装置において、地域の情報を入力する入力手段と、前記デジタル信号を出力する出力手段と、前記入力手段により入力された前記地域の情報を、前記受信装置に接続された前記受信装置が所在する地域の情報を保有する地域情報保有機関に出力する地域情報出力手段と、前記地域情報出力手段により前記地域の情報を出力する場合に、前記地域の情報を前記地域情報保有機関に出力するか否かを選択する選択手段と、を備えることを特徴とする受信装置。
【0094】
このように、例えば、外部機関である地域情報保有機関に地域情報、あるいは地域情報を含む個人情報(名前、年齢、性別、メールアドレスなど)を送信する前などにそれを本当に送信していいかどうかを確認するための選択画面を出力すれば、ユーザは誤って個人情報を外部機関に送信してしまう恐れを解消できる。
【0095】
この場合、前記選択手段に選択された結果に基づいて前記受信したデジタル信号を出力するかどうかを決定する制御手段を備えてもよい。
【0096】
また、前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力すると選択された場合に前記地域の情報を出力する指示を前記地域情報出力手段に行い、前記機関によって前記地域の情報が正しいと判断されたときには前記出力手段に前記デジタル信号を出力する指示を行うように構成しても良い。
【0097】
また、前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力すると選択された場合に前記地域の情報を出力する指示を前記地域情報出力手段に行い、前記機関によって前記地域の情報が誤っていると判断されたときには前記出力手段に前記デジタル信号を出力しないよう指示するか、あるいは、デジタル信号を出力するための代替方法を提示させ、その代替方法によってはデジタル信号を出力させる指示する構成にしても良い。
【0098】
このように構成すれば、例えば、神奈川に居住しているのに地域限定(例えば、大阪限定)の番組を視聴しようとするユーザであっても、通常ならば見られない番組をある代替方法によって見ることも可能となる。
【0099】
代替方法としては、例えば、所定の料金を支払わせるようにする、所定の装置を購入させてそれを介して視聴可能とするといったことなども考えられ、これは、番組等を提供するサービス業者の方針に合わせて種々選択できるものである。
【0100】
具体的には、受信装置は、こういった代替案を示すデータを予め記憶しておき、前記地域情報保有機関によって正しいと認められなかった場合には、ディスプレイ等の表示画面にその代替方法を文字やアイコン等を用いて出力するように制御する制御手段を設けるようにすれば実現できる。
【0101】
また、前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力しないと選択された場合には、前記地域の情報を出力しない指示を前記地域情報出力手段に行うことを特徴とする受信装置。
【0102】
また、前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力しないと選択された場合には、前記地域の情報を出力しない指示を前記地域情報出力手段に行うとともに前記デジタル信号を出力しない旨を前記出力手段に出力する指示を行うことを特徴とする受信装置。
【0103】
このように、例えば、外部機関によって正規の機器である又は正規のユーザであると認証を受けた場合に限って放送などのデジタル信号を出力可能とすることで、ユーザの悪意ある地域外受信を防止することができる。
【0104】
また、前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力しないと選択された場合には、前記地域の情報を出力しない指示を前記地域情報出力手段に行うとともに前記デジタル信号を出力するための他の方法を前記出力手段に出力する指示を行うように構成しても良い。
【0105】
また、インターネットプロトコルにより再送信された放送を受信する受信装置において、受信される地域が限定され、前記限定された地域の情報を含む、インターネットプロトコルにより再送信された放送を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した放送を表示する表示手段と、前記受信手段で受信した放送から前記限定された地域の情報を検出する検出手段と、前記受信装置が所在する地域の情報を保有する機関と前記インターネットプロトコルを介して通信可能であり、
前記検出手段により検出された前記地域の情報を前記機関に出力する場合に 前記地域の情報を出力してよいか否かを確認するための情報を前記表示手段へ表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする受信装置。
【0106】
また、前記検出手段により検出された前記地域の情報が前記機関により正しいと判断された場合における当該地域の情報を記憶する記憶手段とを備え、前記表示制御手段は、前記検出手段で検出された地域の情報と前記記憶手段に登録された地域の情報とが一致した場合には前記表示手段に放送を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする受信装置。
【0107】
また、前記検出手段により検出された前記地域の情報が前記機関により正しいと判断された場合における当該地域の情報を記憶する記憶手段とを備え、前記表示制御手段は、前記検出手段で検出された地域の情報と前記記憶手段に登録された地域の情報とが一致しなかった場合には前記表示手段に放送を表示するための方法を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする受信装置。
【0108】
また、前記記憶手段は記憶された情報を暗号化して送受信する暗号化手段を備えることを特徴とする受信装置。
【0109】
また、前記記憶手段に記憶された情報を確認する際に、確認する者が登録を行った者であることを証明する証明手段を備えることを特徴とする受信装置
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の受信システムの一実施例を示すブロック図。
【図2】地域情報に関し、各放送局に割り当てられているネットワーク識別番号の一例を示す図。
【図3】各地域の地域識別番号の一例を示す図。
【図4】図1の受信システムの制御動作を示すフローチャート図。
【図5】本発明の中継システムの一実施例を示すブロック図。
【図6】図5の中継システムの制御動作を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0111】
1,11…データ入力端子、2…表示手段、3,13…地域情報記憶手段、4,14…地域情報検出手段、5…表示制御手段、6,16…情報表示手段、7,17…地域情報送受信手段、10…受信システム、12…出力手段、15…出力制御手段、20…中継システム、21…データ出力端子、22…外部制御手段接続端子、50…IPによる放送の再送信局社

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル信号を受信する受信装置において、
地域の情報を入力する入力手段と、
前記デジタル信号を出力する出力手段と、
前記入力手段により入力された前記地域の情報を、前記受信装置に接続された前記受信装置が所在する地域の情報を保有する地域情報保有機関に出力する地域情報出力手段と、
前記地域情報出力手段により前記地域の情報を出力する場合に、前記地域の情報を前記地域情報保有機関に出力するか否かを選択する選択手段と、を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1の受信装置において、
前記選択手段に選択された結果に基づいて前記受信したデジタル信号を出力するかどうかを決定する制御手段を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項2記載の受信装置において、
前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力すると選択された場合に前記地域の情報を出力する指示を前記地域情報出力手段に行い、前記機関によって前記地域の情報が正しいと判断されたときには前記出力手段に前記デジタル信号を出力する指示を行うことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
請求項2記載の受信装置において、
前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力すると選択された場合に前記地域の情報を出力する指示を前記地域情報出力手段に行い、前記機関によって前記地域の情報が誤っていると判断されたときには前記出力手段に前記デジタル信号を出力しないよう指示することを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項2記載の受信装置において、
前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力すると選択された場合に前記地域の情報を出力する指示を前記地域情報出力手段に行い、前記機関によって前記地域の情報が誤っていると判断されたときには前記出力手段に前記デジタル信号を出力するための方法を出力するよう指示することを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1に記載の受信装置において、
前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力しないと選択された場合には、前記地域の情報を出力しない指示を前記地域情報出力手段に行うことを特徴とする受信装置。
【請求項7】
請求項1〜5いずれか1に記載の受信装置において、
前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力しないと選択された場合には、前記地域の情報を出力しない指示を前記地域情報出力手段に行うとともに前記デジタル信号を出力しない旨を前記出力手段に出力する指示を行うことを特徴とする受信装置。
【請求項8】
請求項1〜5いずれか1に記載の受信装置において、
前記制御手段は、前記選択手段により前記地域情報保有機関に前記地域の情報を出力しないと選択された場合には、前記地域の情報を出力しない指示を前記地域情報出力手段に行うとともに前記デジタル信号を出力するための他の方法を前記出力手段に出力する指示を行うことを特徴とする受信装置。
【請求項9】
インターネットプロトコルにより再送信された放送を受信する受信装置において、
受信される地域が限定され、前記限定された地域の情報を含む、インターネットプロトコルにより再送信された放送を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した放送を表示する表示手段と、
前記受信手段で受信した放送から前記限定された地域の情報を検出する検出手段と、
前記受信装置が所在する地域の情報を保有する機関と前記インターネットプロトコルを介して通信可能であり、
前記検出手段により検出された前記地域の情報を前記機関に出力する場合に 前記地域の情報を出力してよいか否かを確認するための情報を前記表示手段へ表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする受信装置。
【請求項10】
請求項9記載の受信装置において、
前記検出手段により検出された前記地域の情報が前記機関により正しいと判断された場合における当該地域の情報を記憶する記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記検出手段で検出された地域の情報と前記記憶手段に登録された地域の情報とが一致した場合には前記表示手段に放送を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする受信装置。
【請求項11】
請求項9記載の受信装置において、
前記検出手段により検出された前記地域の情報が前記機関により正しいと判断された場合における当該地域の情報を記憶する記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記検出手段で検出された地域の情報と前記記憶手段に登録された地域の情報とが一致しなかった場合には前記表示手段に放送を表示するための方法を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする受信装置。
【請求項12】
請求項10又は11記載の受信装置において、
前記記憶手段は記憶された情報を暗号化して送受信する暗号化手段を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項13】
請求項9〜12いずれか1に記載の受信装置において、
前記記憶手段に記憶された情報を確認する際に、確認する者が登録を行った者であることを証明する証明手段を備えることを特徴とする受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−329783(P2007−329783A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160430(P2006−160430)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】