受信装置及び受信方法
【課題】ディジタル放送の受信及び記録再生装置において、記録した番組を複雑な操作をすることなく直ちに再生できるようにする。
【解決手段】映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報が多重化されて送信されるディジタル信号を受信し、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を分離手段で分離し、所望の番組に関連した情報だけを記録することで、再生時には使用者が複雑な操作をしなくても自動的に直ちに記録した番組を再生することができる。
【解決手段】映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報が多重化されて送信されるディジタル信号を受信し、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を分離手段で分離し、所望の番組に関連した情報だけを記録することで、再生時には使用者が複雑な操作をしなくても自動的に直ちに記録した番組を再生することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン信号の受信及び記録再生装置に関し、特にディジタル信号のまま記録し再生するディジタル放送信号の受信及び記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディジタル信号を記録して再生する技術としては、複数の情報が多重されて伝送されてくるディジタル信号を受信して記録する受信システム及び記録再生装置が特開平8−98164で述べられている。前記従来の技術においては、複数の情報が多重化されて伝送されてくるディジタル情報信号を受信し所望の情報を選択する受信手段と、上記受信手段で受信された情報を記録する記録手段から構成される受信システムについて述べられている。また、複数の情報が多重されて伝送されてくるディジタル信号を受信して番組を提示する際に所望の番組を選択する技術が特開平8−56350に述べられている。前記従来技術においては、複数の番組がそれぞれパケット識別子を付加されてパケット化されるとともに前記番組と前記パケット識別子との対応関係を示す伝送制御データもパケット化され、これらの各パケットが多重化されて電送されてくる多重化信号の中から各番組を探索する装置が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−56350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特開平8−98164で述べられている従来技術においては、記録した番組の再生時に多重された情報から所望の番組に関する情報だけを分離して再生する方法については述べられていない。一方、特開平8−56350で述べられている従来技術においては多重されたディジタル信号から所望の信号を取り出して提示する探索手段について述べられている。しかし、例えば従来からあるアナログ方式のVTRに記録した番組を再生しようとする場合は再生用のスイッチを押すだけでその他の操作を特にしなくても再生できるのが一般的であるのに対し、前述の特開平8−98164で述べられているディジタル情報信号の技術と特開平8−56350で述べられている技術を組み合わせても再生する際には例えば番組探索などの面倒な操作を行わなければならず、前述のアナログ方式VTRのようにスイッチを1つ押しただけで直ちに記録した所望の番組を再生する方法は実現できなかった。
【0005】
本発明は、ディジタル信号のまま記録した番組を面倒な操作をすること無しに直ちに再生することが出来る受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば、複数の番組がパケット形式に多重されたデジタル信号から映像信号、音声信号及びデジタル信号の復号において必要となる時間情報を分離し、さらに、そこから所望の番組に関連する映像信号、音声信号及び時間情報のみを抽出するように成すればよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、再生時には複雑な操作をすることなく記録した番組を再生可能な受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図
【図2】パケット構造およびパケットの多重方式を示す図
【図3】番組提示の手順を示す図
【図4】番組提示の手順を示す図
【図5】本発明の第2の実施例の構成を示す図
【図6】番組提示の手順を示す図
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示す図
【図8】本発明の第4の実施例の構成を示す図
【図9】本発明の第5の実施例の構成を示す図
【図10】本発明の第6の実施例の構成を示す図
【図11】本発明の第7の実施例の構成を示す図
【図12】本発明の第8の実施例の構成を示す図
【図13】本発明の第2の多重分離手段の一構成を示す図
【図14】本発明の第2の多重分離手段の一構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は本発明におけるディジタル放送信号の受信及び記録再生装置のブロック構成を示す図である。以下の説明において、アンテナ300はQuadrature Phase Shift Keying(以下QPSKと略記)方式でディジタル変調された衛星放送電波を受信する例を示すが、これによって本発明で使用する送信方式を衛星放送に限定し、また変調方式をQPSK方式に限定するものではない。また信号の圧縮および伸長方式として国際標準であるMoving Picture Experts Group2(以下MPEG2と略記)を用いた例を示すが、これによって本発明で使用する信号の圧縮および伸長方式をMPEG2に限定するものではない。
【0011】
図1において、300はアンテナ、301は受信した電波をチューナ入力信号に変換するコンバータ、302はケーブル、401はチューナ、402はQPSK復調回路、403は伝送に伴う信号の誤りを訂正するForward Error Correction(以下FECと略記)、414と424はスイッチ、413は第2の多重分離部、423は信号の記録再生手段、404は第1の多重分離部、405はMPEG2デコーダ、406はビデオエンコーダ、407はD/Aコンバータ、408はOn Screen Display(以下OSDと略記)、409は制御手段、410はテレビジョンで、434、415は各々第1の多重分離部404とMPEG2デコーダ405がデータを展開する為のRAM(Random Access Memory)、419は制御手段409の動作プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)である。
【0012】
図1において、衛星(図示せず)から送信された電波を、アンテナ300で受信しコンバータ301でチューナ入力信号に変換してケーブル302を介してチューナ401に入力する。図1に示した例においては、チューナ401は制御手段409の設定に従って入力信号から所望の信号を選局し出力する。前記チューナ401の出力はQPSK復調回路402で復調され、FEC403に入力される。FEC403は伝送に伴う入力ディジタル信号の誤り訂正を行う。
【0013】
上記のようにして入力信号の誤り訂正を行って得られたディジタル信号をスイッチ414と424を介して第1の多重分離部404に入力した場合の動作を説明する。本発明で説明する衛星ディジタル放送は、一般に衛星に搭載された電波中継用トランスポンダ(図示せず)が中継する1つの電波に複数の番組を多重できるという特徴がある。この多重された番組の中から所望の番組を選択するのが第1の多重分離部404である。第1の多重分離部404で分離した信号はMPEG2デコーダ405に入力される。MPEG2デコーダ405は圧縮されたディジタル信号を伸長して圧縮前のディジタル映像信号およびディジタル音声信号を再生する。
【0014】
再生されたディジタル映像信号はOSD回路408を介してビデオエンコーダ406に、ディジタル音声信号はD/Aコンバータ407に入力される。ビデオエンコーダ406は入力ディジタル映像信号をアナログ映像信号に変換してテレビジョン410に出力する。一方、D/Aコンバータ407は入力ディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してテレビジョン410に出力する。上記の動作は、ROM419に記憶したプログラムによって動作する制御手段409によって制御される。
【0015】
上記の説明において、第1の多重分離部404において所望の番組情報を分離する一般的な手順の例を図2、図3を用いて説明する。第1の多重分離部404に入力される信号は図2(A)に示すパケットが多重された構成である。多重の一例を図2(B)に示す。図2(B)のように多重化された信号を第1の多重分離部404で処理することで以下に説明するような動作を行うものである。多重分離部における動作の例を図3に示す。
【0016】
まずステップ201において視聴者が見たい番組の編成チャンネルを入力する。編成チャンネルとは一つの番組を構成する映像、音声等をまとめた呼び方であり従来のアナログ放送でいうテレビチャンネルに相当する。また、ディジタル放送においては一般的に複数の番組が多重された1つの周波数を物理チャンネルと呼ぶ。次にステップ202において現在受信している多重化信号(=Transport Stream,以下TSと表記する)に含まれるPAT(Program Association Table)を受信する。尚、PATは国際標準であるMPEG2規格で規定されているPSI(Program Specific Information)のなかのテーブルの1つである。
【0017】
ステップ203では、ステップ202で受信したPATの中から所望の編成チャンネルを検索する。所望の編成チャンネルがあればステップ207に移る。所望の編成チャンネルが無い場合は、ステップ204に移行し、PSIの1つであり、編成チャンネルと物理チャンネルの関係が記述されているNIT(Network Information Table)を受信、所望の編成チャンネルが含まれる物理チャンネルを取得し、次のステップ205でステップ204において取得した物理チャンネルに移行する。
【0018】
物理チャンネルの移行は、実際の回路においては図1において示したように、制御手段409からチューナ401に選局すべき周波数を設定することで行われる。その後、ステップ206で移行後の物理チャンネルにおけるTSのPATを受信する。PATを受信したら、ステップ207において入力された編成チャンネルを構成する映像、音声などのPIDが記述されているPMT(Program Map Table)のPID(Packet ID)をPATから取得し、前記PIDを有するPMTを受信する。
【0019】
但し、PMTはPSIのテーブルの1つであり、またPIDはパケットのヘッダに含まれるパケット識別子である。PMTには受信中のTSに含まれる各編成チャンネルを構成する映像、音声及び時間情報を示すPCR(Program Clock Reference)などのPIDが記述されているので、ステップ208において所望の番組の映像、音声、PCRなどのPIDを取得する。その後取得したPIDをステップ209において第1の多重分離手段404に設定し、所望の映像、音声のストリームを受信、MPEG2デコーダ405に入力してデコードを行う。
【0020】
以上で説明した動作によって復号した映像信号をOSD408を介してNTSCエンコーダで処理してアナログ信号に変換するとともに、音声信号をD/Aコンバータ407でアナログ信号に変換してテレビジョン410に入力することで視聴者が希望した番組を提示することが出来る。
【0021】
次に、スイッチ414と第2の多重分離部413を通して記録再生手段423に受信した信号を記録し、また記録再生手段423からスイッチ424を通して記録した信号を再生する手順を説明する。
【0022】
記録再生手段423に信号を記録する場合は、制御手段409からの制御に従ってスイッチ414がFEC403と第2の多重分離部413を接続するように切り替わる。第2の多重分離部413は、記録したあとの再生時に視聴者が所望の番組だけを再生するために必要なデータだけを抜き出す手段である。図1の実施例においては、前述したPAT、PMT、映像、音声などの各TSに加えてMPEG2デコーダ405で必要となる時間情報を示すデータであるPCR(Program Clock Reference)と、番組関情報のうち所望の番組(現在視聴している番組)に関する情報のみを抜き出す。
【0023】
第2の多重分離部413の構成の一例を図13に示す。図13においては所望の情報を抽出する多重分離手段4131と、多重分離手段4131の出力信号の伝送レートを前記記録再生手段に適合する様に速度変換する速度変換手段4132から構成するものである。速度変換手段4132は、具体的には例えばFIFO(Fast in Fast Out)メモリである。
【0024】
さらに第2の多重分離部413の他の構成例を図14に示す。図14において4133は、第2の多重分離部413と記録再生手段423とのインターフェース手段であり、例えば速度変換手段4132から出力される信号がパラレル信号であった場合にシリアル信号に変換する手段である。図13または図14に示す例のような構成の第2の多重分離部413によって抜き出した信号を記録再生手段423に記録する。
【0025】
再生時は、記録再生手段423で再生された信号をスイッチ424を介して多重分離手段404に入力する。多重分離手段404は記録再生手段423に記録された信号を再生する場合は制御手段409から制御して図4に示す手順で動作させる。以下、その動作を説明する。尚、一般的には番組関連情報であることを示すPIDは番組によらず特定の値で示されるものであり、本実施例においてもこれを前提として説明する。
【0026】
記録再生手段423から信号が入力されると第1の多重分離手段404は制御手段409からの制御にしたがって最初にステップ441に示すように所望の番組関連情報を受信して所望の番組関連情報に記述されている編成チャンネルの番号を取得する。次にステップ442においてPATを受信する。この段階で記録されている編成チャンネルのチャンネル番号がステップ441においてわかっているので、次のステップ443においては記録した番組の映像、音声などのPIDが記述されているPMTのPIDが直ちに取得できる。以下の手順は図3において説明したのと同様である。
【0027】
以上で説明したように本実施例においては、多重されたディジタル信号の状態で番組を記録した記録再生手段423から再生した番組を、視聴者が複雑な操作をすることなく直ちに多重分離してデコードし提示することが出来る。更に、所望の番組関連情報を記録しているので、ディジタル放送の特徴の1つである番組に関する情報を利用したサービスの充実を図ることが出来る。
【0028】
図5を用いて本発明の第2の実施例を示す。図1の実施例においては第2の多重分離部413によって所望の番組関情報だけを抽出しているが、図5の実施例においては所望の番組に関する情報であるか否かの区別はせずに全ての番組関連情報を抽出して記録する構成としたものである。
【0029】
図6に図5の実施例の構成を用いた場合の記録再生手段423からの再生信号を処理する手順を示す。図6の手順は図4において示した手順のうちステップ441の所望の番組関連情報から編成チャンネルを取得する手順がなくなり、編成チャンネルの情報はPATに記述されたPIDが記録されているPMTと一致するか否かをステップ601においてチェックする。一致しなければ一致するまでステップ601の動作を繰り返し、一致したらステップ602の動作に移る。この後の動作は図4のステップ443以降と同じである。
【0030】
図5の実施例によれば、図1の実施例の場合より第2の多重分離部413の回路構成を簡略化することが出来、また図1の実施例の場合と同様に番組関連情報に記述されている番組に関する情報を利用してサービスの充実を図ることが出来る。
【0031】
図7に本発明の第3の実施例を示す。図7の実施例が図5の実施例と異なるのは番組関連情報を抽出せず、PAT,PMT、PCR及び映像、音声のデータだけを抽出するようにした点である。これにより、図5の実施例の場合より更に第2の多重分離部413の構成を簡略化することが出来る。
【0032】
図8に本発明の第4の実施例を示す。図8の実施例が図1の実施例と異なるのは第2の多重分離部413によって抽出するのはPMT、PCR、映像、音声だけにするとともにPID書き換え手段433を設けた点である。すなわち図8の実施例においてはPID書き換え手段433によってPMTのPIDを制御手段409から設定する特定の値に書き換えて記録再生手段423に信号を記録する構成とした。これにより、記録した信号を再生する場合にはPMTのPIDが予めわかっているので、PMTに記述されている映像、音声及びPCRのPIDが直ちに取得でき、図1の実施例の場合と同様使用者が複雑な操作をすることなく直ちに再生することが出来る。
【0033】
図9に本発明の第5の実施例を示す。図9の実施例が図8の実施例と異なるのは第2の多重分離部413によって抽出するのはPCR、映像、音声の情報だけにするとともに、PID書き換え手段433によってPCR、映像、音声のPIDを制御手段409から設定する特定の値に書き換える構成とした点である。
【0034】
図9の実施例によれば、再生時には記録したPCR,映像、音声のPIDが予めわかっているので図1の実施例の場合と同様使用者が複雑な操作をすることなく直ちに再生することが出来、また記録する情報量を図8の実施例の場合より少なく出来るとともに第2の多重分離部413の構成を簡略化することが出来る。
【0035】
図10に本発明の第6の実施例を示す。図10の実施例が図9の実施例と異なるのはPID書き換え手段433のかわりにパケット挿入手段453を設けた点である。図10の実施例においては、第2の多重分離部413は所望のPCR、映像、音声などの各情報のPIDを取得するとともに前記PCR、映像、音声などを抽出しパケット挿入手段453に入力する。パケット挿入手段453は第2の多重分離部413からの入力信号に、第2の多重分離部413において取得したPCR、映像、音声などのPIDを記述したパケットを作成して挿入し記録再生手段423に記録する。
【0036】
記録した信号を再生する場合は、第1の多重分離手段404がまず前記パケット挿入手段453によって挿入したパケットを受信するように制御手段409から制御を行って、これに記述されているPCR、映像、音声などのPIDを取得するので図9の実施例と同様に使用者が複雑な操作をすること無しに直ちに所望の番組を提示することが出来る。
【0037】
尚、前述の説明において、パケット挿入手段453によって挿入するパケットのPIDとしては、MPEG2規格で規定されているPATと同じPIDを付与してもよい。MPEG2規格においては、PATのPIDは特定の値とすることが規定されているので、第1の多重分離手段404において記録再生手段423から再生した信号の処理を行う際には、制御手段409がまずPATと同じPIDを有するパケットを抽出するよう第1の多重分離手段404を制御するようあらかじめ設定することで図10を用いて説明した動作を実現することができる。
【0038】
以上で説明したように、図10の実施例を用いることで使用者が複雑な操作をすること無しに直ちに所望の番組を提示することが出来る。
【0039】
図11に本発明の第7の実施例を示す。図11において463は伝送レート検出手段である。図11において、第2の多重分離手段413は図1または図5の実施例の場合と同様、映像・音声などの情報とともに番組情報などの付加データを抽出するものである。第2の多重分離手段413から出力されたTSは伝送レート検出手段463に入力される。伝送レート検出手段463において入力TSの伝送レートがあらかじめ設定した特定の値を超えたことが検出された場合、伝送レート検出手段463は制御手段409に伝送レートがあらかじめ設定した値を超えた旨を告知する信号を出力する。
【0040】
伝送レート検出手段463からの告知信号が入力されると、制御手段409は第2の多重分離手段413を制御して、あらかじめ設定した優先度にしたがって番組の提示に直接影響しない情報の抽出を行わないよう制御する。すなわち、例えば第2の多重分離手段413から出力されるTSの伝送レートがあらかじめ設定した値を超えた場合は例えば番組情報の抽出を止めることで第2の多重分離手段413から出力される多重化信号の伝送レートが一定の値以下になるようにするものである。
【0041】
以上で説明したように、図11の実施例においては、例えば記録再生手段423として、記録できる多重化信号の伝送レートに上限がある記録手段を用いた場合に、記録する多重化信号があらかじめ設定した伝送レートを超えない限りは番組を構成する映像・音声などの情報とともに番組情報などの付加情報を記録して付加価値を高められるとともに、記録する多重化信号の伝送レートがあらかじめ設定した伝送レートを超えた場合でも番組内容の提示に直接関わらない情報の抽出をやめることで番組情報を記録することができる。
【0042】
図12に本発明の第8の実施例を示す。図12において473はスイッチ手段である。図12において、第2の多重分離手段413は著作権の保護などに関わる記録関連情報を抽出するとともに、前記記録関連情報として記録を禁止する旨の情報が抽出された場合、制御手段409は記録を禁止する旨の情報が抽出されたことを検出してスイッチ手段473を制御し第2の多重分離手段413から出力された信号が記録再生手段423に印加されないようにする。
【0043】
すなわち図12の実施例を用いることで、送信側において著作権の保護などの目的で記録を禁止する旨の情報を付加した信号を送出した場合に、これに従った動作をさせることができる。
【0044】
尚、図12の実施例においては、記録を禁止するためにスイッチ手段473を設けた例を示したが、制御手段409から第2の多重分離手段413の一部(速度変換手段4132など)又は全部の動作を停止させるよう制御しても同じ効果が選られることは明らかである。
【0045】
尚、実施例においては、第1の多重分離手段404と第2の多重分離手段413を別回路として説明したが、この2つの手段は同一の回路ブロックとしても構わない。
【0046】
また、上記実施例をまとめると、下記のような受信装置として表現できることは言うまでもない。
【0047】
(1)映像・音声・データ等を全てディジタル情報としてあらかじめ定められたパケット形式の一つのビット列に多重して伝送するシステムにおいて、
少なくとも、伝送されたディジタル情報を受信し、あらかじめ定められた形式のビット列に復調するチャンネルデコード手段と、
前記ビット列より指定したパケットを抽出する第1のパケット分離手段と、
前記パケット分離手段より出力される映像・音声・データ等の情報を復号し、テレビジョン信号として出力するソースデコード手段と、
前記第1のパケット分離手段より出力される情報パケットを分析しシステムを制御する制御手段を備えると共に、
新たに、前記チャンネルデコード手段の出力ビット列から指定したパケットを抽出する第2のパケット分離手段と、
前記第2のパケット分離手段から出力されるビット列の伝送レートを変換する速度変換手段と、
前記速度変換手段の出力を外部記録・再生機器の入出力形式に変換するインターフェース手段を設け、
前記インターフェース手段からの入力ビット列を前記第1のパケット分離手段へ出力し、映像・音声・データ信号をテレビジョン信号として復号可能な構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(2)上記(1)の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、MPEG2規格で定められたPAT(Program Association Table)パケット、1つあるいは複数のPMT(Program Specific Information)パケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(3)上記(2)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記PATと前記PMTを比較する手段を含み、再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(4)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、すくなくともMPEG2規格で定められたPMTパケット及び前記PMTパケットで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記PMTパケットのパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(5)上記(4)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つPMTを抽出し、前記PMTに従って再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(6)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を含む事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(7)上記(6)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つ映像・音声・データ等を前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(8)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを挿入する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(9)上記(8)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットは、MPEG2規格で定められたPATと同一のパケットIDを有することを特徴とするディジタル放送信の受信装置。
(10)上記(8)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(11)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、少なくともMPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(12)上記(11)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(13)上記(11)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記番組情報パケットは特に第2のパケット分離手段によって抽出する映像・音声・データ等のパケットの情報を記述した特定の番組情報パケットであることを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(14)上記(13)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記特定の番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記特定の番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(15)映像・音声・データ等を全てディジタル情報としてあらかじめ定められたパケット形式の一つのビット列に多重して伝送するシステムにおいて、
少なくとも、伝送されたディジタル情報を受信し、あらかじめ定められた形式のビット列に復調するチャンネルデコード手段と、
前記ビット列より指定したパケットを抽出する第1のパケット分離手段と、前記パケット分離手段より出力される映像・音声・データ等の情報を復号し、テレビジョン信号として出力するソースデコード手段と、
前記第1のパケット分離手段より出力される情報パケットを分析しシステムを制御する制御手段を備えると共に、
新たに、前記チャンネルデコード手段の出力ビット列から指定したパケットを抽出する第2のパケット分離手段と、
前記第2のパケット分離手段から出力されるビット列の伝送レートを変換する速度変換手段と、
前記速度変換手段の出力をディジタル信号のまま記録・再生するディジタル記録・再生手段を設け、前記ディジタル記録・再生手段からの入力ビット列を前記第1のパケット分離手段へ出力し、映像・音声・データ信号をテレビジョン信号として復号可能とする構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(16)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、MPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(17)上記(16)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記PATと前記PMTを比較する手段を含み、再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(18)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、すくなくともMPEG2規格で定められたPMTパケット及び前記PMTパケットで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記PMTパケットのパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(19)上記(18)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つPMTを抽出し、前記PMTに従って再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(20)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を含む事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(21)上記(20)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つ映像・音声・データ等を前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御することを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(22)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを挿入する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(23)上記(22)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットは、MPEG2規格で定められたPATと同一のパケットIDを持つことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(24)上記(22)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(25)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、少なくともMPEG2で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(26)上記(25)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(27)上記(25)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記番組情報パケットは特に第2のパケット分離手段によって抽出する映像・音声・データ等のパケットの情報を記述した特定の番組情報パケットであることを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(28)上記(27)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記特定の番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記特定の番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(29)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記インターフェース手段の出力を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(30)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記第2のパケット抽出手段の機能を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(31)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記速度変換手段の出力を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(32)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記第2のパケット抽出手段の機能を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(33)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は少なくともMPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成とするとともに、前記第2のパケット分離手段から出力される信号の伝送レートを検出する手段を設けたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(34)上記(33)の制御手段は前記第2のパケット分離手段が出力する信号の伝送レートがあらかじめ設定した値を超えたことが伝送レート検出手段によって検出された場合はあらかじめ設定した特定のパケットの抽出を中止する様第2のパケット分離手段制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(35)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は少なくともMPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成とするとともに、前記第2のパケット分離手段から出力される信号の伝送レートを検出する手段を設けたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(36)上記(35)の制御手段は前記第2のパケット分離手段が出力する信号の伝送レートがあらかじめ設定した値を超えたことが伝送レート検出手段によって検出された場合はあらかじめ設定した特定のパケットの抽出を中止する様第2のパケット分離手段制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(37)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記速度変換手段の出力を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
【符号の説明】
【0048】
300…アンテナ 301…コンバータ 302…ケーブル 401…チューナ
402…QPSK復調回路 403…FEC 404…多重分離部
405…MPEG2デコーダ 406…ビデオエンコーダ 407…D/Aコンバータ
408…OSD 409…制御手段 410…テレビジョン
413…第2の多重分離部 423…記録再生手段 433…PID書き換え手段
453…パケット挿入手段
414、424…スイッチ 415434…RAM 419…ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン信号の受信及び記録再生装置に関し、特にディジタル信号のまま記録し再生するディジタル放送信号の受信及び記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディジタル信号を記録して再生する技術としては、複数の情報が多重されて伝送されてくるディジタル信号を受信して記録する受信システム及び記録再生装置が特開平8−98164で述べられている。前記従来の技術においては、複数の情報が多重化されて伝送されてくるディジタル情報信号を受信し所望の情報を選択する受信手段と、上記受信手段で受信された情報を記録する記録手段から構成される受信システムについて述べられている。また、複数の情報が多重されて伝送されてくるディジタル信号を受信して番組を提示する際に所望の番組を選択する技術が特開平8−56350に述べられている。前記従来技術においては、複数の番組がそれぞれパケット識別子を付加されてパケット化されるとともに前記番組と前記パケット識別子との対応関係を示す伝送制御データもパケット化され、これらの各パケットが多重化されて電送されてくる多重化信号の中から各番組を探索する装置が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−56350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特開平8−98164で述べられている従来技術においては、記録した番組の再生時に多重された情報から所望の番組に関する情報だけを分離して再生する方法については述べられていない。一方、特開平8−56350で述べられている従来技術においては多重されたディジタル信号から所望の信号を取り出して提示する探索手段について述べられている。しかし、例えば従来からあるアナログ方式のVTRに記録した番組を再生しようとする場合は再生用のスイッチを押すだけでその他の操作を特にしなくても再生できるのが一般的であるのに対し、前述の特開平8−98164で述べられているディジタル情報信号の技術と特開平8−56350で述べられている技術を組み合わせても再生する際には例えば番組探索などの面倒な操作を行わなければならず、前述のアナログ方式VTRのようにスイッチを1つ押しただけで直ちに記録した所望の番組を再生する方法は実現できなかった。
【0005】
本発明は、ディジタル信号のまま記録した番組を面倒な操作をすること無しに直ちに再生することが出来る受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば、複数の番組がパケット形式に多重されたデジタル信号から映像信号、音声信号及びデジタル信号の復号において必要となる時間情報を分離し、さらに、そこから所望の番組に関連する映像信号、音声信号及び時間情報のみを抽出するように成すればよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、再生時には複雑な操作をすることなく記録した番組を再生可能な受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図
【図2】パケット構造およびパケットの多重方式を示す図
【図3】番組提示の手順を示す図
【図4】番組提示の手順を示す図
【図5】本発明の第2の実施例の構成を示す図
【図6】番組提示の手順を示す図
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示す図
【図8】本発明の第4の実施例の構成を示す図
【図9】本発明の第5の実施例の構成を示す図
【図10】本発明の第6の実施例の構成を示す図
【図11】本発明の第7の実施例の構成を示す図
【図12】本発明の第8の実施例の構成を示す図
【図13】本発明の第2の多重分離手段の一構成を示す図
【図14】本発明の第2の多重分離手段の一構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は本発明におけるディジタル放送信号の受信及び記録再生装置のブロック構成を示す図である。以下の説明において、アンテナ300はQuadrature Phase Shift Keying(以下QPSKと略記)方式でディジタル変調された衛星放送電波を受信する例を示すが、これによって本発明で使用する送信方式を衛星放送に限定し、また変調方式をQPSK方式に限定するものではない。また信号の圧縮および伸長方式として国際標準であるMoving Picture Experts Group2(以下MPEG2と略記)を用いた例を示すが、これによって本発明で使用する信号の圧縮および伸長方式をMPEG2に限定するものではない。
【0011】
図1において、300はアンテナ、301は受信した電波をチューナ入力信号に変換するコンバータ、302はケーブル、401はチューナ、402はQPSK復調回路、403は伝送に伴う信号の誤りを訂正するForward Error Correction(以下FECと略記)、414と424はスイッチ、413は第2の多重分離部、423は信号の記録再生手段、404は第1の多重分離部、405はMPEG2デコーダ、406はビデオエンコーダ、407はD/Aコンバータ、408はOn Screen Display(以下OSDと略記)、409は制御手段、410はテレビジョンで、434、415は各々第1の多重分離部404とMPEG2デコーダ405がデータを展開する為のRAM(Random Access Memory)、419は制御手段409の動作プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)である。
【0012】
図1において、衛星(図示せず)から送信された電波を、アンテナ300で受信しコンバータ301でチューナ入力信号に変換してケーブル302を介してチューナ401に入力する。図1に示した例においては、チューナ401は制御手段409の設定に従って入力信号から所望の信号を選局し出力する。前記チューナ401の出力はQPSK復調回路402で復調され、FEC403に入力される。FEC403は伝送に伴う入力ディジタル信号の誤り訂正を行う。
【0013】
上記のようにして入力信号の誤り訂正を行って得られたディジタル信号をスイッチ414と424を介して第1の多重分離部404に入力した場合の動作を説明する。本発明で説明する衛星ディジタル放送は、一般に衛星に搭載された電波中継用トランスポンダ(図示せず)が中継する1つの電波に複数の番組を多重できるという特徴がある。この多重された番組の中から所望の番組を選択するのが第1の多重分離部404である。第1の多重分離部404で分離した信号はMPEG2デコーダ405に入力される。MPEG2デコーダ405は圧縮されたディジタル信号を伸長して圧縮前のディジタル映像信号およびディジタル音声信号を再生する。
【0014】
再生されたディジタル映像信号はOSD回路408を介してビデオエンコーダ406に、ディジタル音声信号はD/Aコンバータ407に入力される。ビデオエンコーダ406は入力ディジタル映像信号をアナログ映像信号に変換してテレビジョン410に出力する。一方、D/Aコンバータ407は入力ディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してテレビジョン410に出力する。上記の動作は、ROM419に記憶したプログラムによって動作する制御手段409によって制御される。
【0015】
上記の説明において、第1の多重分離部404において所望の番組情報を分離する一般的な手順の例を図2、図3を用いて説明する。第1の多重分離部404に入力される信号は図2(A)に示すパケットが多重された構成である。多重の一例を図2(B)に示す。図2(B)のように多重化された信号を第1の多重分離部404で処理することで以下に説明するような動作を行うものである。多重分離部における動作の例を図3に示す。
【0016】
まずステップ201において視聴者が見たい番組の編成チャンネルを入力する。編成チャンネルとは一つの番組を構成する映像、音声等をまとめた呼び方であり従来のアナログ放送でいうテレビチャンネルに相当する。また、ディジタル放送においては一般的に複数の番組が多重された1つの周波数を物理チャンネルと呼ぶ。次にステップ202において現在受信している多重化信号(=Transport Stream,以下TSと表記する)に含まれるPAT(Program Association Table)を受信する。尚、PATは国際標準であるMPEG2規格で規定されているPSI(Program Specific Information)のなかのテーブルの1つである。
【0017】
ステップ203では、ステップ202で受信したPATの中から所望の編成チャンネルを検索する。所望の編成チャンネルがあればステップ207に移る。所望の編成チャンネルが無い場合は、ステップ204に移行し、PSIの1つであり、編成チャンネルと物理チャンネルの関係が記述されているNIT(Network Information Table)を受信、所望の編成チャンネルが含まれる物理チャンネルを取得し、次のステップ205でステップ204において取得した物理チャンネルに移行する。
【0018】
物理チャンネルの移行は、実際の回路においては図1において示したように、制御手段409からチューナ401に選局すべき周波数を設定することで行われる。その後、ステップ206で移行後の物理チャンネルにおけるTSのPATを受信する。PATを受信したら、ステップ207において入力された編成チャンネルを構成する映像、音声などのPIDが記述されているPMT(Program Map Table)のPID(Packet ID)をPATから取得し、前記PIDを有するPMTを受信する。
【0019】
但し、PMTはPSIのテーブルの1つであり、またPIDはパケットのヘッダに含まれるパケット識別子である。PMTには受信中のTSに含まれる各編成チャンネルを構成する映像、音声及び時間情報を示すPCR(Program Clock Reference)などのPIDが記述されているので、ステップ208において所望の番組の映像、音声、PCRなどのPIDを取得する。その後取得したPIDをステップ209において第1の多重分離手段404に設定し、所望の映像、音声のストリームを受信、MPEG2デコーダ405に入力してデコードを行う。
【0020】
以上で説明した動作によって復号した映像信号をOSD408を介してNTSCエンコーダで処理してアナログ信号に変換するとともに、音声信号をD/Aコンバータ407でアナログ信号に変換してテレビジョン410に入力することで視聴者が希望した番組を提示することが出来る。
【0021】
次に、スイッチ414と第2の多重分離部413を通して記録再生手段423に受信した信号を記録し、また記録再生手段423からスイッチ424を通して記録した信号を再生する手順を説明する。
【0022】
記録再生手段423に信号を記録する場合は、制御手段409からの制御に従ってスイッチ414がFEC403と第2の多重分離部413を接続するように切り替わる。第2の多重分離部413は、記録したあとの再生時に視聴者が所望の番組だけを再生するために必要なデータだけを抜き出す手段である。図1の実施例においては、前述したPAT、PMT、映像、音声などの各TSに加えてMPEG2デコーダ405で必要となる時間情報を示すデータであるPCR(Program Clock Reference)と、番組関情報のうち所望の番組(現在視聴している番組)に関する情報のみを抜き出す。
【0023】
第2の多重分離部413の構成の一例を図13に示す。図13においては所望の情報を抽出する多重分離手段4131と、多重分離手段4131の出力信号の伝送レートを前記記録再生手段に適合する様に速度変換する速度変換手段4132から構成するものである。速度変換手段4132は、具体的には例えばFIFO(Fast in Fast Out)メモリである。
【0024】
さらに第2の多重分離部413の他の構成例を図14に示す。図14において4133は、第2の多重分離部413と記録再生手段423とのインターフェース手段であり、例えば速度変換手段4132から出力される信号がパラレル信号であった場合にシリアル信号に変換する手段である。図13または図14に示す例のような構成の第2の多重分離部413によって抜き出した信号を記録再生手段423に記録する。
【0025】
再生時は、記録再生手段423で再生された信号をスイッチ424を介して多重分離手段404に入力する。多重分離手段404は記録再生手段423に記録された信号を再生する場合は制御手段409から制御して図4に示す手順で動作させる。以下、その動作を説明する。尚、一般的には番組関連情報であることを示すPIDは番組によらず特定の値で示されるものであり、本実施例においてもこれを前提として説明する。
【0026】
記録再生手段423から信号が入力されると第1の多重分離手段404は制御手段409からの制御にしたがって最初にステップ441に示すように所望の番組関連情報を受信して所望の番組関連情報に記述されている編成チャンネルの番号を取得する。次にステップ442においてPATを受信する。この段階で記録されている編成チャンネルのチャンネル番号がステップ441においてわかっているので、次のステップ443においては記録した番組の映像、音声などのPIDが記述されているPMTのPIDが直ちに取得できる。以下の手順は図3において説明したのと同様である。
【0027】
以上で説明したように本実施例においては、多重されたディジタル信号の状態で番組を記録した記録再生手段423から再生した番組を、視聴者が複雑な操作をすることなく直ちに多重分離してデコードし提示することが出来る。更に、所望の番組関連情報を記録しているので、ディジタル放送の特徴の1つである番組に関する情報を利用したサービスの充実を図ることが出来る。
【0028】
図5を用いて本発明の第2の実施例を示す。図1の実施例においては第2の多重分離部413によって所望の番組関情報だけを抽出しているが、図5の実施例においては所望の番組に関する情報であるか否かの区別はせずに全ての番組関連情報を抽出して記録する構成としたものである。
【0029】
図6に図5の実施例の構成を用いた場合の記録再生手段423からの再生信号を処理する手順を示す。図6の手順は図4において示した手順のうちステップ441の所望の番組関連情報から編成チャンネルを取得する手順がなくなり、編成チャンネルの情報はPATに記述されたPIDが記録されているPMTと一致するか否かをステップ601においてチェックする。一致しなければ一致するまでステップ601の動作を繰り返し、一致したらステップ602の動作に移る。この後の動作は図4のステップ443以降と同じである。
【0030】
図5の実施例によれば、図1の実施例の場合より第2の多重分離部413の回路構成を簡略化することが出来、また図1の実施例の場合と同様に番組関連情報に記述されている番組に関する情報を利用してサービスの充実を図ることが出来る。
【0031】
図7に本発明の第3の実施例を示す。図7の実施例が図5の実施例と異なるのは番組関連情報を抽出せず、PAT,PMT、PCR及び映像、音声のデータだけを抽出するようにした点である。これにより、図5の実施例の場合より更に第2の多重分離部413の構成を簡略化することが出来る。
【0032】
図8に本発明の第4の実施例を示す。図8の実施例が図1の実施例と異なるのは第2の多重分離部413によって抽出するのはPMT、PCR、映像、音声だけにするとともにPID書き換え手段433を設けた点である。すなわち図8の実施例においてはPID書き換え手段433によってPMTのPIDを制御手段409から設定する特定の値に書き換えて記録再生手段423に信号を記録する構成とした。これにより、記録した信号を再生する場合にはPMTのPIDが予めわかっているので、PMTに記述されている映像、音声及びPCRのPIDが直ちに取得でき、図1の実施例の場合と同様使用者が複雑な操作をすることなく直ちに再生することが出来る。
【0033】
図9に本発明の第5の実施例を示す。図9の実施例が図8の実施例と異なるのは第2の多重分離部413によって抽出するのはPCR、映像、音声の情報だけにするとともに、PID書き換え手段433によってPCR、映像、音声のPIDを制御手段409から設定する特定の値に書き換える構成とした点である。
【0034】
図9の実施例によれば、再生時には記録したPCR,映像、音声のPIDが予めわかっているので図1の実施例の場合と同様使用者が複雑な操作をすることなく直ちに再生することが出来、また記録する情報量を図8の実施例の場合より少なく出来るとともに第2の多重分離部413の構成を簡略化することが出来る。
【0035】
図10に本発明の第6の実施例を示す。図10の実施例が図9の実施例と異なるのはPID書き換え手段433のかわりにパケット挿入手段453を設けた点である。図10の実施例においては、第2の多重分離部413は所望のPCR、映像、音声などの各情報のPIDを取得するとともに前記PCR、映像、音声などを抽出しパケット挿入手段453に入力する。パケット挿入手段453は第2の多重分離部413からの入力信号に、第2の多重分離部413において取得したPCR、映像、音声などのPIDを記述したパケットを作成して挿入し記録再生手段423に記録する。
【0036】
記録した信号を再生する場合は、第1の多重分離手段404がまず前記パケット挿入手段453によって挿入したパケットを受信するように制御手段409から制御を行って、これに記述されているPCR、映像、音声などのPIDを取得するので図9の実施例と同様に使用者が複雑な操作をすること無しに直ちに所望の番組を提示することが出来る。
【0037】
尚、前述の説明において、パケット挿入手段453によって挿入するパケットのPIDとしては、MPEG2規格で規定されているPATと同じPIDを付与してもよい。MPEG2規格においては、PATのPIDは特定の値とすることが規定されているので、第1の多重分離手段404において記録再生手段423から再生した信号の処理を行う際には、制御手段409がまずPATと同じPIDを有するパケットを抽出するよう第1の多重分離手段404を制御するようあらかじめ設定することで図10を用いて説明した動作を実現することができる。
【0038】
以上で説明したように、図10の実施例を用いることで使用者が複雑な操作をすること無しに直ちに所望の番組を提示することが出来る。
【0039】
図11に本発明の第7の実施例を示す。図11において463は伝送レート検出手段である。図11において、第2の多重分離手段413は図1または図5の実施例の場合と同様、映像・音声などの情報とともに番組情報などの付加データを抽出するものである。第2の多重分離手段413から出力されたTSは伝送レート検出手段463に入力される。伝送レート検出手段463において入力TSの伝送レートがあらかじめ設定した特定の値を超えたことが検出された場合、伝送レート検出手段463は制御手段409に伝送レートがあらかじめ設定した値を超えた旨を告知する信号を出力する。
【0040】
伝送レート検出手段463からの告知信号が入力されると、制御手段409は第2の多重分離手段413を制御して、あらかじめ設定した優先度にしたがって番組の提示に直接影響しない情報の抽出を行わないよう制御する。すなわち、例えば第2の多重分離手段413から出力されるTSの伝送レートがあらかじめ設定した値を超えた場合は例えば番組情報の抽出を止めることで第2の多重分離手段413から出力される多重化信号の伝送レートが一定の値以下になるようにするものである。
【0041】
以上で説明したように、図11の実施例においては、例えば記録再生手段423として、記録できる多重化信号の伝送レートに上限がある記録手段を用いた場合に、記録する多重化信号があらかじめ設定した伝送レートを超えない限りは番組を構成する映像・音声などの情報とともに番組情報などの付加情報を記録して付加価値を高められるとともに、記録する多重化信号の伝送レートがあらかじめ設定した伝送レートを超えた場合でも番組内容の提示に直接関わらない情報の抽出をやめることで番組情報を記録することができる。
【0042】
図12に本発明の第8の実施例を示す。図12において473はスイッチ手段である。図12において、第2の多重分離手段413は著作権の保護などに関わる記録関連情報を抽出するとともに、前記記録関連情報として記録を禁止する旨の情報が抽出された場合、制御手段409は記録を禁止する旨の情報が抽出されたことを検出してスイッチ手段473を制御し第2の多重分離手段413から出力された信号が記録再生手段423に印加されないようにする。
【0043】
すなわち図12の実施例を用いることで、送信側において著作権の保護などの目的で記録を禁止する旨の情報を付加した信号を送出した場合に、これに従った動作をさせることができる。
【0044】
尚、図12の実施例においては、記録を禁止するためにスイッチ手段473を設けた例を示したが、制御手段409から第2の多重分離手段413の一部(速度変換手段4132など)又は全部の動作を停止させるよう制御しても同じ効果が選られることは明らかである。
【0045】
尚、実施例においては、第1の多重分離手段404と第2の多重分離手段413を別回路として説明したが、この2つの手段は同一の回路ブロックとしても構わない。
【0046】
また、上記実施例をまとめると、下記のような受信装置として表現できることは言うまでもない。
【0047】
(1)映像・音声・データ等を全てディジタル情報としてあらかじめ定められたパケット形式の一つのビット列に多重して伝送するシステムにおいて、
少なくとも、伝送されたディジタル情報を受信し、あらかじめ定められた形式のビット列に復調するチャンネルデコード手段と、
前記ビット列より指定したパケットを抽出する第1のパケット分離手段と、
前記パケット分離手段より出力される映像・音声・データ等の情報を復号し、テレビジョン信号として出力するソースデコード手段と、
前記第1のパケット分離手段より出力される情報パケットを分析しシステムを制御する制御手段を備えると共に、
新たに、前記チャンネルデコード手段の出力ビット列から指定したパケットを抽出する第2のパケット分離手段と、
前記第2のパケット分離手段から出力されるビット列の伝送レートを変換する速度変換手段と、
前記速度変換手段の出力を外部記録・再生機器の入出力形式に変換するインターフェース手段を設け、
前記インターフェース手段からの入力ビット列を前記第1のパケット分離手段へ出力し、映像・音声・データ信号をテレビジョン信号として復号可能な構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(2)上記(1)の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、MPEG2規格で定められたPAT(Program Association Table)パケット、1つあるいは複数のPMT(Program Specific Information)パケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(3)上記(2)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記PATと前記PMTを比較する手段を含み、再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(4)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、すくなくともMPEG2規格で定められたPMTパケット及び前記PMTパケットで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記PMTパケットのパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(5)上記(4)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つPMTを抽出し、前記PMTに従って再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(6)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を含む事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(7)上記(6)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つ映像・音声・データ等を前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(8)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを挿入する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(9)上記(8)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットは、MPEG2規格で定められたPATと同一のパケットIDを有することを特徴とするディジタル放送信の受信装置。
(10)上記(8)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(11)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は、少なくともMPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(12)上記(11)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(13)上記(11)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記番組情報パケットは特に第2のパケット分離手段によって抽出する映像・音声・データ等のパケットの情報を記述した特定の番組情報パケットであることを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(14)上記(13)のディジタル放送信号の受信装置において、
外部記録・再生機器からのビット列入力時、前記制御手段は前記特定の番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記特定の番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(15)映像・音声・データ等を全てディジタル情報としてあらかじめ定められたパケット形式の一つのビット列に多重して伝送するシステムにおいて、
少なくとも、伝送されたディジタル情報を受信し、あらかじめ定められた形式のビット列に復調するチャンネルデコード手段と、
前記ビット列より指定したパケットを抽出する第1のパケット分離手段と、前記パケット分離手段より出力される映像・音声・データ等の情報を復号し、テレビジョン信号として出力するソースデコード手段と、
前記第1のパケット分離手段より出力される情報パケットを分析しシステムを制御する制御手段を備えると共に、
新たに、前記チャンネルデコード手段の出力ビット列から指定したパケットを抽出する第2のパケット分離手段と、
前記第2のパケット分離手段から出力されるビット列の伝送レートを変換する速度変換手段と、
前記速度変換手段の出力をディジタル信号のまま記録・再生するディジタル記録・再生手段を設け、前記ディジタル記録・再生手段からの入力ビット列を前記第1のパケット分離手段へ出力し、映像・音声・データ信号をテレビジョン信号として復号可能とする構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(16)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、MPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(17)上記(16)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記PATと前記PMTを比較する手段を含み、再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(18)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、すくなくともMPEG2規格で定められたPMTパケット及び前記PMTパケットで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記PMTパケットのパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(19)上記(18)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つPMTを抽出し、前記PMTに従って再生する映像・音声・データ等を決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(20)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDをあらかじめ定められた値に変更する手段を含む事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(21)上記(20)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段はあらかじめ定められたパケットIDを持つ映像・音声・データ等を前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御することを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(22)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを挿入する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(23)上記(22)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットは、MPEG2規格で定められたPATと同一のパケットIDを持つことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(24)上記(22)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記映像・音声・データ等のパケットIDを指定する新たなパケットを前記第1のパケット分離手段で抽出する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(25)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は、少なくともMPEG2で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(26)上記(25)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(27)上記(25)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記番組情報パケットは特に第2のパケット分離手段によって抽出する映像・音声・データ等のパケットの情報を記述した特定の番組情報パケットであることを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(28)上記(27)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記記録・再生手段からのビット列再生時、前記制御手段は前記特定の番組情報パケットをあらかじめ抽出し、前記特定の番組情報パケットにもとづいて前記第1のパケット分離手段で抽出する映像・音声・データ等のパケットを決定する様制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(29)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記インターフェース手段の出力を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(30)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記第2のパケット抽出手段の機能を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(31)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記速度変換手段の出力を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(32)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記第2のパケット抽出手段の機能を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(33)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記第2のパケット分離手段は少なくともMPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成とするとともに、前記第2のパケット分離手段から出力される信号の伝送レートを検出する手段を設けたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(34)上記(33)の制御手段は前記第2のパケット分離手段が出力する信号の伝送レートがあらかじめ設定した値を超えたことが伝送レート検出手段によって検出された場合はあらかじめ設定した特定のパケットの抽出を中止する様第2のパケット分離手段制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
(35)上記(15)のディジタル放送信号の受信および記録・再生装置において、
前記第2のパケット分離手段は少なくともMPEG2規格で定められたPATパケット、PMTパケット及び前記PMTで定められた映像・音声・データ等のパケットを抽出すると共に、前記映像・音声・データ等の内容を記述する番組情報パケットを抽出する構成とするとともに、前記第2のパケット分離手段から出力される信号の伝送レートを検出する手段を設けたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(36)上記(35)の制御手段は前記第2のパケット分離手段が出力する信号の伝送レートがあらかじめ設定した値を超えたことが伝送レート検出手段によって検出された場合はあらかじめ設定した特定のパケットの抽出を中止する様第2のパケット分離手段制御する構成としたことを特徴とするディジタル放送信号の受信および記録・再生装置。
(37)上記(1)のディジタル放送信号の受信装置において、
前記制御手段が前記映像・音声・データ等の記録不可情報を抽出した場合、前記速度変換手段の出力を停止する手段を設けた事を特徴とするディジタル放送信号の受信装置。
【符号の説明】
【0048】
300…アンテナ 301…コンバータ 302…ケーブル 401…チューナ
402…QPSK復調回路 403…FEC 404…多重分離部
405…MPEG2デコーダ 406…ビデオエンコーダ 407…D/Aコンバータ
408…OSD 409…制御手段 410…テレビジョン
413…第2の多重分離部 423…記録再生手段 433…PID書き換え手段
453…パケット挿入手段
414、424…スイッチ 415434…RAM 419…ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル放送信号受信装置であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル放送信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記ディジタル放送信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された、前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするディジタル放送信号受信装置。
【請求項2】
ディジタル放送信号受信装置におけるディジタル放送信号受信方法であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル放送信号を受信し、
前記受信されたディジタル放送信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離し、
前記分離された前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する、
ことを特徴とするディジタル放送信号受信方法。
【請求項3】
ディジタル信号処理装置であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル信号を入力する入力手段と、
前記入力手段に入力された前記ディジタル信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された、前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするディジタル信号処理装置。
【請求項4】
ディジタル信号処理装置におけるディジタル信号処理方法であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル信号の入力を受け付け、
前記入力されたディジタル信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離し、
前記分離された前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する、
ことを特徴とするディジタル信号処理方法。
【請求項1】
ディジタル放送信号受信装置であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル放送信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記ディジタル放送信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された、前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするディジタル放送信号受信装置。
【請求項2】
ディジタル放送信号受信装置におけるディジタル放送信号受信方法であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル放送信号を受信し、
前記受信されたディジタル放送信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離し、
前記分離された前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する、
ことを特徴とするディジタル放送信号受信方法。
【請求項3】
ディジタル信号処理装置であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル信号を入力する入力手段と、
前記入力手段に入力された前記ディジタル信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された、前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするディジタル信号処理装置。
【請求項4】
ディジタル信号処理装置におけるディジタル信号処理方法であって、
映像信号、音声信号、PMT(Program Map Table)、及び番組に関する情報である番組関連情報が多重されてなるディジタル信号の入力を受け付け、
前記入力されたディジタル信号から、所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、および番組関連情報を分離し、
前記分離された前記所望の番組に関連する映像信号、音声信号、PMT、及び番組関連情報を出力する、
ことを特徴とするディジタル信号処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−51007(P2010−51007A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245036(P2009−245036)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【分割の表示】特願2009−147185(P2009−147185)の分割
【原出願日】平成8年12月17日(1996.12.17)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【分割の表示】特願2009−147185(P2009−147185)の分割
【原出願日】平成8年12月17日(1996.12.17)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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