説明

受信装置

【課題】放送されている間にしか、放送と同じコンテンツをビデオ・オン・デマンド視聴開始できない制限がある場合に、ユーザが意図せず番組の最後の方迄視聴できる受信装置を提供する。
【解決手段】前記番組が放送されている放送時間内であれば、前記放送以外から前記番組に対応したコンテンツを再生開始することができる見逃し視聴サービスによる番組を受信する見逃し視聴サービス受信手段を備える。見逃し視聴サービス受信時に番組の放送終了時刻を記憶する。放送されている番組が前記放送終了時刻に達する付近または達したとき、見逃し視聴サービス受信中に受信停止要求があると、ユーザに対して本当に停止させるかを通知し、この通知に応じて受信継続させるか受信停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、VOD(Video On Demand)ではない形態にて放送されている番組を、まだこの番組が放送されている最中にこの番組をVOD(Video On Demand)配信されているものを受信することができる受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1では、実放送番組を見逃した場合に、VODで同一番組を視聴でき、両者の終了時刻の差を検出して、ユーザが実放送番組への切換が行えるように表示する技術が知られている。
【0003】
従来、見逃した放送番組を、後からIP(Internet Protocol)網を用いたネット配信サービスで視聴する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、放送番組と同一内容のコンテンツを、IP(Internet Protocol)網等の通信路でも別途配信するデジタル放送サービスにおいて、元の番組の放送時間内であれば、その番組の最初からVOD(Video On Demand)として視聴することができる、「さいしょから機能」と称する見逃し視聴サービスがある(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
このような見逃し視聴サービスでは、通常、対象となる番組の放送中にのみ再生開始が可能である。このため番組Aの見逃し視聴サービスを利用中に、一旦視聴を止めて放送に戻った場合、既に対象となる番組Aが終了してしまっていると、次に見逃し視聴サービスとして視聴できるのは番組Bに変わってしまっており、改めて番組Aの見逃し視聴サービスに戻ることはできない。この結果、番組Aの残りを視聴できなくなってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−253311号公報(図1,13,14,16,17)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】NHKオンデマンド、[online]、NHK、[2011年1月31日検索]、インターネット<URL:http://www.nhk.or.jp/nhk-ondemand/>
【非特許文献2】番組が始まっていても、最初から視聴できる!「さいしょから機能」のトライアル提供を開始、[online]、株式会社アイキャスト、株式会社NTTぷらら、[2011年1月31日検索]、インターネット<URL:http://www.nttplala.com/news_releases/2010/10/20101012.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように従来の受信装置においては、既に対象となる番組が終了してしまっていると、改めて番組Aの見逃し視聴サービスに戻ることはできず、番組の残りを視聴できなくなってしまうという問題があった。
【0009】
この発明は、番組の残りを視聴できなくなくなることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明においては、放送されている番組を受信する放送受信手段と、前記番組が放送されている放送時間内であれば、前記放送以外から前記番組に対応したコンテンツを再生開始することができる見逃し視聴サービスによる番組を受信する見逃し視聴サービス受信手段と、見逃し視聴サービスの視聴指示または視聴停止指示を受ける指示受手段と、前記指示受手段が受けた前記視聴指示に応じて、前記放送受信手段が受信中の番組の放送終了時刻を記憶する記憶手段と、前記指示受手段が受けた前記視聴指示に応じて、前記放送受信手段が受信中の番組に対応する前記放送以外から前記番組に対応したコンテンツを前記見逃し視聴サービス受信手段に再生開始させる受信開始制御手段と、前記指示受手段が受けた前記視聴停止指示に応じて、現在の時刻に所定の正の時間を加えたが時刻が前記放送終了時刻に達しない場合、前記見逃し視聴サービス受信手段に受信停止させる第1の受信停止制御手段と、前記指示受手段が受けた前記視聴停止指示に応じて、現在の時刻に所定の正の時間を加えたが時刻が前記放送終了時刻に達する場合、ユーザに対して本当に停止させるかを通知し、この通知に対して前記指示受手段が視聴指示を受けたときには前記見逃し視聴サービス受信手段に受信継続させ、視聴停止指示を受けたときには前記見逃し視聴サービス受信手段に受信停止させる第2の受信停止制御手段とを備えた受信装置を提供する。
【0011】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムを説明するための図。
【図2】実施形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示す図。
【図3】オンエアまたはIP放送による番組A(オンエアまたはIP放送番組A)と、見逃しサービスによる番組A(VOD番組A)の視聴タイミング例を説明するための図。
【図4】実施形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置111の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】実施形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置111の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】注意を喚起するメッセージの表示例(ODS表示)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明を適用したデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムの一例を概略的に示している。
【0014】
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置111は、主として、薄型のキャビネット112と、このキャビネット112を起立させて支持する支持台113とから構成されている。そして、キャビネット112には、例えばSED(Surface-conduction Electron-emitter Display)表示パネル,液晶表示パネル等でなる平面パネル型の映像表示器114、スピーカ115、操作部116、リモートコントローラ117から送信される操作情報を受ける受光部118等が設置されている。
【0015】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えばSD(Secure Digital)メモリカード、MMC(Multimedia Card)及びメモリスティック等の第1のメモリカード119が着脱可能となっており、この第1のメモリカード119に対して番組や写真等の情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0016】
さらに、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えば契約情報等の記録された第2のメモリカード(ICカード)120が着脱可能となっており、この第2のメモリカード120に対して情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0017】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、第1のLAN(Local Area Network)端子121、第2のLAN端子122、USB(Universal Serial Bus)端子123及びi.LINK端子124を備えている。
【0018】
このうち、第1のLAN端子121は、LAN対応HDD専用ポートとして使用されるもので、接続されたNAS(Network Attached Storage)であるLAN対応のHDD125に対して、イーサネット(登録商標)により情報の記録再生を行なうために使用される。
【0019】
このように、LAN対応HDD専用ポートとしての第1のLAN端子121を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD125に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行なうことができる。
【0020】
また、第2のLAN端子122は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ126を介して、LAN対応のHDD127、コンテンツサーバ128、HDD内蔵のDVD(Digital Versatile Disk)レコーダ129等の機器を接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0021】
なお、コンテンツサーバ128については、家庭内ネットワークにおいてコンテンツのサーバ機器として動作するための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要なURI(Uniform Resource Identifier)情報を提供するサービスを備えたUPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)対応機器として構成される。
【0022】
なお、DVDレコーダ129については、第2のLAN端子122を介して通信されるデジタル情報が制御系のみの情報であるため、デジタルテレビジョン放送受信装置111との間でアナログの映像及び音声情報を伝送するために、専用のアナログ伝送路130を設ける必要がある。
【0023】
さらに、この第2のLAN端子122は、ハブ126に接続されたブロードバンドルータ131を介して、例えばインターネット等のネットワーク132に接続し、このネットワーク132を介してコンテンツサーバ133や携帯電話134等と情報伝送を行なうために使用される。
【0024】
なお、コンテンツサーバ133についてはコンテンツのサーバ機器として動作するための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要なURI情報を提供するサービスを備えたUPnP対応機器として構成される。
【0025】
また、上記USB端子123は、一般的なUSB対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ135を介して、携帯電話136、デジタルカメラ137、メモリカードに対するカードリーダ/ライタ138、HDD139、キーボード140等のUSB機器を接続し、これらのUSB機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0026】
さらに、上記i.LINK端子124は、例えばAV−HDD141、D(Digital)−VHS(Video Home System)142等をシリアル接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0027】
図2は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示している。
すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ243で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子244を介して衛星デジタル放送用のチューナ245aに供給される。
【0028】
チューナ245aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器245bに出力する。
【0029】
PSK復調器245bは、制御部261からの制御信号により、チューナ245aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、TS復号器245cに出力する。
【0030】
TS復号器245cは、制御部261からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信号処理部247内のSTDバッファ247fへ出力する。
【0031】
また、TS復号器245cは、デジタル放送により送られているセクション情報を信号処理部247内のセクション処理部247hへ出力する。
また、地上波放送受信用のアンテナ248で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子249を介して地上デジタル放送用のチューナ250aに供給される。
【0032】
チューナ250aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器250bに出力する。
【0033】
OFDM復調器250bは、制御部261からの制御信号により、チューナ250aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、TS復号器250cに出力する。
【0034】
TS復号器250cは、制御部261からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信号処理部247内のSTDバッファ247fへ出力する。
【0035】
また、TS復号器250cは、デジタル放送により送られているセクション情報を信号処理部247内のセクション処理部247hへ出力する。
ここで、上記信号処理部247は、テレビ視聴時には、TS復号器245cおよびTS復号器250cからそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力している。また、信号処理部247は、コンテンツ再生時には、制御部261から入力されたコンテンツの再生信号を選択し、所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力している。
【0036】
制御部261には、信号処理部247から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)が入力されている。
【0037】
制御部261は、これら入力された情報からEPG,字幕を表示するため画像生成処理を行い、この生成した画像情報をグラフィック処理部254へ出力する。
セクション処理部247hは、TS復号器245c(250c)から入力されたセクション情報の中から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を制御部261へ出力する。
【0038】
グラフィック処理部254は、(1)信号処理部247内のAVデコーダ247gから供給されるデジタルの映像信号と、(2)OSD(On Screen Display)信号生成部257で生成されるOSD信号と、(3)データ放送による画像データと、(4)制御部261により生成されたEPG,字幕信号とを合成して映像処理部258へ出力する機能を有する。
【0039】
また、字幕放送による字幕を表示するとき、グラフィック処理部254は、制御部261からの制御による字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0040】
グラフィック処理部254から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部258に供給される。この映像処理部258は、入力されたデジタルの映像信号を、前記映像表示器114で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器114に出力して映像表示させるとともに、出力端子259を介して外部に導出させる。
【0041】
また、上記音声処理部255は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ115で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ115に出力して音声再生させるとともに、出力端子260を介して外部に導出させる。
【0042】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部261によって統括的に制御されている。この制御部261は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、前記操作部116からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ117から送出された操作情報を、前記受光部118を介して受信し、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0043】
この場合、制御部261は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)261aと、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)261bと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ261cとを利用している。
【0044】
また、この制御部261は、カードI/F(Interface)265を介して、前記第1のメモリカード119が装着可能なカードホルダ266に接続されている。これによって、制御部261は、カードホルダ266に装着された第1のメモリカード119と、カードI/F265を介して情報伝送することができる。
【0045】
さらに、上記制御部261は、カードI/F267を介して、前記第2のメモリカード120が装着可能なカードホルダ268に接続されている。これにより、制御部261は、カードホルダ268に装着された第2のメモリカード120と、カードI/F267を介して情報伝送することができる。
【0046】
また、上記制御部261は、通信I/F269を介して第1のLAN端子121に接続されている。これにより、制御部261は、第1のLAN端子121に接続されたLAN対応のHDD125と、通信I/F269を介して情報伝送することができる。この場合、制御部261は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を有し、第1のLAN端子121に接続されたLAN対応のHDD125にIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0047】
さらに、上記制御部261は、通信I/F270を介して第2のLAN端子122に接続されている。これにより、制御部261は、第2のLAN端子122に接続された各機器(図1参照)と、通信I/F270を介して情報伝送することができる。
【0048】
また、上記制御部261は、USB I/F271を介して前記USB端子123に接続されている。これにより、制御部261は、USB端子123に接続された各機器(図1参照)と、USB I/F271を介して情報伝送することができる。
【0049】
さらに、上記制御部261は、i.LINK I/F272を介してi.LINK端子124に接続されている。これにより、制御部261は、i.LINK端子124に接続された各機器(図1参照)と、i.LINK I/F272を介して情報伝送することができる。
【0050】
ところで、この実施形態ではHDD125に、初期登録時のHDD125、HDD127、コンテンツサーバ128、DVDレコーダ129それぞれに割り当てられたストレージID(IPアドレス、機器名を含む)を記述した登録ファイルを記憶保持している。
【0051】
また、不揮発性メモリ261cに、HDD125、HDD127、コンテンツサーバ128、DVDレコーダ129それぞれのストレージIDを記憶している。
<IP放送に対応のための処理>
また、制御部261は、この発明に係わる機能として、(1)サーバ機器発見機能261dと、(2)HTTPを利用したコンテンツ情報取得機能261eと、(3)コンテンツアクセス制御機能261fとを備えている。
【0052】
(1)制御部261は、サーバ機器発見機能261dにより、放送中の番組が見逃し視聴サービスに対応しているかどうかや、見逃し視聴サービスに対応している場合にサーバに接続するためのURL情報を取得する。
【0053】
(2)制御部261は、コンテンツ情報取得機能261eにより、コンテンツをアクセスするために必要な情報を取得する。取得には主にHTTPが用いられる。例えばコンテンツ情報取得機能261eは、コンテンツサーバ133に接続し、コンテンツサーバ133内のHDD等に蓄積されているコンテンツをアクセスするために必要な情報(コンテンツのURL、プロトコル、DRMの情報等)を取得する。
【0054】
(3)制御部261は、コンテンツアクセス制御機能261fにより、コンテンツ情報取得機能261eにより取得したコンテンツをアクセスするために必要な情報を用いて、コンテンツサーバ133に接続し、VODコンテンツの取得を行う。
【0055】
図3は、オンエアまたはIP放送による番組A(オンエアまたはIP放送番組A)と、見逃しサービスによる番組A(VOD番組A)の視聴タイミング例を説明するための図である。本実施形態では、VOD番組Aでない方については、エアを介して伝搬される放送であってもよいし、IP放送であってもよい。
【0056】
オンエアまたはIP放送番組Aは、例えば図2のアンテナ243,248を介して受信した番組である。
VOD番組Aは、例えば図1のブロードバンドルータ131を介してネットワーク132(インターネット等のIP網)に接続し、ネットワーク132の先にあるVODのサービスを行っているコンテンツサーバ133から受信した番組である。
【0057】
VODのサービスを行っているコンテンツサーバ133は、オンエアまたはIP放送による番組A(オンエアまたはIP放送番組A)が放送されている間であれば、見逃しサービスによる番組A(VOD番組A)の新たな視聴開始リクエストに応じ、VOD番組Aをデジタルテレビジョン放送受信装置111へ送信するサービスを行っている。
【0058】
図3において、放送されたチャンネル100の番組である、オンエアまたはIP放送番組Aの番組開始時刻は10:00、番組終了時刻は11:00である。オンエアまたはIP放送番組Aは放送のコンテンツであり、VOD番組AはVODによるコンテンツであり、例えば解像度等は放送、VODで異なるが、番組の中身は同じ内容のコンテンツである。なお、解像度等は同じであってもよい。
【0059】
この実施形態では、IP網を用いたVODによる見逃しサービスは、オンエアまたはIP放送番組Aが放送されている10:00〜11:00の間であれば、タイムシフト視聴することができる制限があるものとする。
【0060】
このため、ユーザは視聴開始時にオンエアまたはIP放送番組Aの前半を見逃しに気が付くと、すぐに時刻t2である10:30に見逃し視聴サービスにより視聴可能なVOD番組Aを視聴開始し、オンエアまたはIP放送番組Aの放送が終わった11:00以降の時刻t4(11:15)に、一旦VODを停止し、放送されたチャンネル100の番組Bへ切り替えてしまうと、既にオンエアまたはIP放送番組Aは放送が終ってしまっているため、番組Aの最後の15分間については視聴することができない。
【0061】
本実施形態では、ユーザがVOD視聴を停止させようとすると、すぐにVOD視聴を停止するのではなく、番組A終了を検知したら画面等にメッセージを表示することでユーザが意図せず番組Aを最後まで視聴できない状態になることを防いでいる。
【0062】
図3では、オンエアまたはIP放送番組Aが終った後の時刻である時刻t4(11:15)に、放送されたチャンネル100の番組Bへ切り替える等、図6(a)に示すようにユーザがVOD視聴を停止させようとすると、VOD視聴による番組AであるVOD番組Aを視聴することができなくなってしまうことを示す注意を喚起するメッセージを映像表示器114の画面に表示する。
【0063】
この結果、ユーザはVOD視聴による番組Aを最後まで視聴したい場合、誤ってVODを停止させることを防ぐことができるので、VODによりVOD番組Aを最後まで視聴することができる。
【0064】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、オンエアまたはIP放送による番組が終った後の時刻に、この番組のVOD視聴を停止させようとすると、VOD視聴による番組AであるVOD番組Aを視聴することができなくなってしまうことを示す注意を喚起するメッセージを表示するので、VODによる番組を最後まで視聴することができる。
【0065】
次に、上記の動作を行うときのデジタルテレビジョン放送受信装置111の制御部261の動作について図4乃至図6を用いて詳細に説明する。なお、この図4のフローは、図3の視聴タイミング例を元にして説明する。
【0066】
ステップS401: ユーザによる放送100チャンネルの番組選択動作に応じて、制御部261は、例えば図2のチューナ245a,PSK復調器245b,TS復号器245c,信号処理部247を制御し、100chの番組Aを映像表示器114の画面に表示させるよう制御する。この結果、ユーザは番組Aを番組の途中から視聴することによりオンエアまたはIP放送番組Aの前半を見逃しに気が付く。
【0067】
ステップS402: ユーザは、放送による番組Aを途中から視聴すると、VOD番組Aを番組の頭から視聴するために、リモートコントローラ117等を介して番組Aの見逃し視聴サービスの指示をする。制御部261は、ユーザによる番組Aの見逃し視聴サービスの選択指示を、リモートコントローラ117等を介して受ける。
【0068】
ステップS403: 放送のサービス記述子に含まれている番組Aの終了時刻をメモリ等の記憶媒体に記憶する。
ステップS404: 制御部261は、見逃し視聴サービスにより視聴可能なVOD番組Aを映像表示器114の画面に表示(番組Aの見逃し視聴サービスによるVOD視聴)させるよう制御する。この結果、ユーザはVOD番組Aを番組の頭から視聴開始することができる。制御部261は、番組Aが見逃し視聴サービスに対応しているかどうかや、見逃し視聴サービスに対応している場合にサービスに接続するための情報を取得する方法としては、デジタル放送のEIT(Event Information Table)やNIT(Network Information Table)といったサービス記述子に含まれる情報から得る。放送局側ではこれら情報を送信する。
【0069】
ステップS405: 制御部261は、VODによる番組Aの終了であれば処理を終え、終了でなければステップS406へ進む。
ステップS406: 制御部261は、現在時刻がステップS403で記憶した番組Aの終了時刻か否か判断し、終了時刻であればステップS407へ進み、終了時刻でなければステップS408へ進む。
【0070】
ステップS407: 制御部261は、現在時刻がステップS403で記憶した番組Aの終了時刻のときには、図6(a)に示す「番組Aの終了時刻となりました。このため今後VOD視聴を終了すると番組Aの見逃し視聴サービスに戻れなくなります。」という内容のOSD画面(通知画面)を、例えば10秒間、番組の映像と共に表示する。そして10秒後には、OSDによる通知は消え、番組Aのみの画面に戻る。
【0071】
この10秒間の通知によって、ユーザはこの後VOD番組Aを終了まで見なければ、もうVOD番組Aの視聴に戻ることができないということを知ることができる。
ステップS408: 制御部261は、ユーザからVODの停止指示があったか否かを判断し、停止指示があればステップS410へ進み、停止指示が無ければステップS409へ進む。
【0072】
ステップS409: 制御部261は、番組Aの見逃し視聴サービスによるVOD視聴を継続し、ステップS405へ戻る。
ステップS410: 制御部261は、現在時刻が、記憶した番組Aの終了時刻に到達している、または終了時刻迄残りn分、のいずれかに該当するか否かを判断し、該当すれば(Yes)ステップS411へ進み、該当しなければ(No)ステップS401へ戻る。なお、この図4のフローチャートではVOD終了時、ステップS401へ戻る元のチャンネルであるチャンネル100に戻ったが、他のチャンネルの選局指示があったときにはVOD視聴を終了させ他のチャンネルへ移るようにしてもよい。
【0073】
ステップS411: ステップS410にて、制御部261は、現在時刻が、記憶した番組Aの終了時刻に到達するときには、図6(b)に示す「番組Aの終了時刻に到達しています。このため番組Aの見逃し視聴サービスに戻れなくなりますが、本当に番組Aの見逃し視聴サービスを終了しますか?」という内容のOSD画面(GUI)を、番組の映像と共に表示する。この表示によってユーザは、VOD視聴を終了した場合に、番組Aの終了時刻に到達しているために番組Aの見逃し視聴サービスに戻れなくなることを知ることができる。
【0074】
また、ステップS410にて、制御部261は、現在時刻が、記憶した番組Aの終了時刻迄残りn分のときには、図6(c)に示す「番組Aの終了時刻迄残りn分です。本当に番組Aの見逃し視聴サービスを終了しますか?」という内容のOSD画面(GUI)を、番組の映像と共に表示する。この表示によってユーザは、VOD視聴を終了した場合に、番組Aの終了時刻迄残りn分であるかを知ることができる。これを知ったユーザは例えばn=1のとき、即ち後1分でVOD番組Aが終了するとき、先にVOD番組Aを最後迄視聴することでVOD視聴を終えようと考えることができるようになる。
【0075】
ステップS412: 制御部261は、図6(b)または図6(c)に対するユーザの入力が、本当にVOD視聴を停止する場合にはステップS401へ戻る。なお、この図4のフローチャートではVOD終了時、ステップS401へ戻る元のチャンネルであるチャンネル100に戻ったが、他のチャンネルの選局指示があったときにはVOD視聴を終了させ他のチャンネルへ移るようにしてもよい。反対に、VOD視聴を続けることとした場合、ステップS410へ進む。
【0076】
以上説明したステップS401〜S412の動作によって、本実施形態によれば、オンエアまたはIP放送による番組が終った後の時刻に、この番組のVOD視聴を停止させようとすると、VOD視聴による番組AであるVOD番組Aを視聴することができなくなってしまうことを示す注意を喚起するメッセージを表示するので、VODによる番組を最後まで視聴することができる。
【0077】
(番組が延長された場合の対応)
上記実施形態では番組の放送が延長されたとしても、ステップS404にて番組の終了時刻を記憶した後、更新されない。
例えば、図3の例でオンエアまたはIP放送番号Aが1時間延長され終了時刻が12:00となった場合、本来であれば12:00迄はVOD視聴開始が可能であるのであるが、ステップS404にて番組の終了時刻11:00と記憶しているため11:00を過ぎたらVOD視聴開始することができない。
【0078】
このように番組が延長された場合への対応について、図5を用いて変形例を説明する。図5において、図4と同じ動作については同一符号を付して説明を省略する。
図5は、図4と比較して、ステップS501がステップS406とS408との間に追加された点のみが異なる。
ステップS501: 制御部261は、延長放送対応のため、新たに番組Aの放送のサービス記述子に含まれている番組Aの終了時刻を記憶する。番組の放送が延長されたことを判断する手法としては、例えば予めステップS403にて番組終了時刻の他に、放送されているストリームに含まれる番組ごとに付けられているユニークな識別子(イベントID)についても記憶し、このステップS505で取得した番組AのイベントIDと比較し、2つのイベントIDが同じであれば放送が延長されたと判断すればよい。
【0079】
この結果、例えば先程の図3の例でオンエアまたはIP放送番号Aが1時間延長され終了時刻が12:00となった場合、ステップS406にてVOD停止の指示が11:15にあったとすると、このステップS501にて番組の終了時刻11:00は12:00に更新される。このため、例えば11:15にチャンネル100(他のチャンネルでもよい)へ切り替えた後、改めて11:16に番組AのVOD視聴を開始することができる。
【0080】
(VOD視聴へのアクセス方法)
上記実施形態によれば、放送により送られた情報から見逃し視聴サービスに接続される必要は必ずしもなく、ユーザがサーバに接続して見逃し視聴サービスに対応している番組Aのコンテンツを視聴するようにしてもよい。
【0081】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせ、所望の番組属性として、ジャンル、チャンネルを組みとしたものとしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
111…デジタルテレビジョン放送受信装置、112…キャビネット、113…支持台、114…映像表示器、115…スピーカ、116…操作部、117…リモートコントローラ、118…受光部、119…第1のメモリカード、120…第2のメモリカード、121…第1のLAN端子、122…第2のLAN端子、123…USB端子、124…i.LINK端子、125,127,139…HDD、126,135…ハブ、128,133…コンテンツサーバ、129…DVDレコーダ、130…アナログ伝送路、131…ブロードバンドルータ、132…ネットワーク、134,136…携帯電話、137…デジタルカメラ、138…カードリーダ/ライタ、140…キーボード、141…AV−HDD、142…D−VHS。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送されている番組を受信する放送受信手段と、
前記番組が放送されている放送時間内であれば、前記放送以外から前記番組に対応したコンテンツを再生開始することができる見逃し視聴サービスによる番組を受信する見逃し視聴サービス受信手段と、
見逃し視聴サービスの視聴指示または視聴停止指示を受ける指示受手段と、
前記指示受手段が受けた前記視聴指示に応じて、前記放送受信手段が受信中の番組の放送終了時刻を記憶する記憶手段と、
前記指示受手段が受けた前記視聴指示に応じて、前記放送受信手段が受信中の番組に対応する前記放送以外から前記番組に対応したコンテンツを前記見逃し視聴サービス受信手段に再生開始させる受信開始制御手段と、
前記指示受手段が受けた前記視聴停止指示に応じて、現在の時刻に所定の正の時間を加えたが時刻が前記放送終了時刻に達しない場合、前記見逃し視聴サービス受信手段に受信停止させる第1の受信停止制御手段と、
前記指示受手段が受けた前記視聴停止指示に応じて、現在の時刻に所定の正の時間を加えたが時刻が前記放送終了時刻に達する場合、ユーザに対して本当に停止させるかを通知し、この通知に対して前記指示受手段が視聴指示を受けたときには前記見逃し視聴サービス受信手段に受信継続させ、視聴停止指示を受けたときには前記見逃し視聴サービス受信手段に受信停止させる第2の受信停止制御手段とを備えた受信装置。
【請求項2】
前記所定の正の時間は、0である請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記受信開始制御手段が前記見逃し視聴サービス受信手段に再生開始させた後、前記記憶手段は一定周期毎に前記放送受信手段が受信中の番組の放送終了時刻を記憶する請求項1乃至2のいずれか1項記載の受信装置。
【請求項4】
前記放送受信手段はIP放送で放送されている番組を受信し、前記放送以外とはIP網を経由してビデオ・オン・デマンドにより取得する請求項1乃至3のいずれか1項記載の受信装置。
【請求項5】
前記放送受信手段は電波による放送で放送されている番組を受信し、前記放送以外とはIP網を経由してビデオ・オン・デマンドにより取得する請求項1乃至3のいずれか1項記載の受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−160921(P2012−160921A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19241(P2011−19241)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】