受動運動器
【課題】足踏み運動、又は、足踏み運動と腰捻り運動を同時に行なうことができる受動運動器において、使用者が、自らの運動状態を視覚的又は聴覚的に判断できるようにする。
【解決手段】左右一対の踏み板33,34を傾動可能に具えたユニット部30と、踏み板を交互に傾動させる駆動部80と、該駆動部の作動を制御する制御手段40と、を具えた受動運動器であって、制御手段に電気的に接続され、駆動部の動作状態を使用者に告知する告知部92を有しており、制御手段は、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知するようにした。
【解決手段】左右一対の踏み板33,34を傾動可能に具えたユニット部30と、踏み板を交互に傾動させる駆動部80と、該駆動部の作動を制御する制御手段40と、を具えた受動運動器であって、制御手段に電気的に接続され、駆動部の動作状態を使用者に告知する告知部92を有しており、制御手段は、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み運動、又は、足踏み運動と腰捻り運動を同時に行なうことのできる受動運動器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使用者の足を左右一対の踏み板に載せ、踏み板をモータで交互に傾動させることにより、足踏み運動をすることができる受動運動器が知られている(例えば、特許文献1参照)。使用者は、受動運動器の踏み板に左右の足を載せるだけで、自ら足を動かさなくても、踏み板の傾動に合わせた足踏みの受動運動を受けることができる。また、自ら踏み板を踏み込むことにより、より運動効果の高い受動運動を受けることもできる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−358058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如く、踏み板に足をただ載せているだけの場合と、自ら踏み板を踏み込んでいる場合では、使用者の受ける運動効果は大きく異なる。従って、例えば、所定時間、受動運動を受けたとしても、その効果がどの程度なのかは知ることができず、また、運動負荷が適切であるか、また、積極的な運動を行なっているか、能動的又は怠惰的な運動であるのか等を確認、判断することはできない。
【0005】
本発明の目的は、足踏み運動、又は、足踏み運動と腰捻り運動を同時に行なうことができる受動運動器において、使用者が、自らの運動状態を視覚的又は聴覚的に判断できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の受動運動器は、
左右一対の踏み板を傾動可能に具えたユニット部と、
踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
該駆動部の作動を制御する制御手段と、
を具えた受動運動器であって、
制御手段に電気的に接続され、駆動部の動作状態を使用者に告知する告知部を有しており、
制御手段は、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知するようにした。
告知部は、視覚的に表示を行なう表示部や、聴覚的に告知を行なうスピーカ等の発音部とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の受動運動器によれば、制御手段は、駆動部の動作状態に基づいて、使用者による踏み板の踏み込み状態を検知し、告知部から使用者に伝達するようにしている。これにより、使用者は、受動運動器により受ける運動効果を知ることができ、運動負荷が、適切であるか、また、積極的な運動を行なっているか、能動的又は怠惰的な運動であるのか等を確認、判断することができる。
これにより、使用者は、自らの判断により、さらに積極的な運動を行なったり、運動時間を長短するなど、適切且つ効果的な受動運動を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を、足踏み運動だけでなく、腰捻り運動も同時に行なうことのできる受動運動器(10)に適用した実施例について説明するが、本発明は、足踏み運動だけを行なうことのできる受動運動器にも勿論適用することができる。
【0009】
本発明の受動運動器(10)の概略を説明すると、受動運動器(10)は、床面に載置されるベース部(20)と、該ベース部(20)の内部に配備された駆動部(80)(図7乃至図9参照)を介して、ベース部(20)に対して左右に所定角度ずつ回動可能となるように支持されたユニット部(30)と、ベース部(20)の前端に上向きに形成されたハンドル部(50)とを具える。
ここで、使用状態における使用者の目線の方向を前方(ハンドル部(50)のある方向)、逆側を後方とする。
【0010】
ユニット部(30)は、後述する駆動部(80)に一体回動可能に支持された回動プレート(31)と、該回動プレート(31)の天面に貫通開設された左右一対の細長い形状の開口部(37)(37)から臨出した踏み板(33)(34)を具える。
踏み板(33)(34)は、駆動部(80)により左右互い違いに傾動するよう支持されている。踏み板(33)(34)の上面には、使用者が足を載せる面が形成されており、該面は、緩衝用及び滑り止めの目的で、ゴム等のクッション(35)(35)が配備されている。
【0011】
また、ハンドル部(50)は、ベース部(20)の前端から上向きに突設されたハンドル台座(51)に、ハンドルポスト(60)が起立状態(図1乃至図3参照)から後傾状態(図4乃至図6参照)に傾動可能となるように支持されている。ハンドルポスト(60)の上端には、後述する操作表示部(90)を具える。また、ハンドルポスト(60)の上端近傍には、使用者が掴んだり肘を置くことのできるハンドル(70)が回動可能に支持されている。
【0012】
以下、各構成について詳述する。
ベース部(20)は、前後に長い略楕円形状の樹脂ケースから構成されており、前端側にハンドル台座(51)が突設されている。また、ハンドル台座(51)の後方側には、ユニット部(30)が回動可能に支持されると共に、内部に駆動部(80)が配備されている。
駆動部(80)は、ベース部(20)に対して回動可能に支持されたユニットフレーム(81)上に形成されており、該ユニットフレーム(81)は、ユニット部(30)の回動プレート(31)で覆われており、回動プレート(31)と一体回転可能となっている。
【0013】
駆動部(80)は、図7乃至図9に示すように、ベース部(20)とユニット部(30)の回動プレート(31)により形成された空間に配備される。
駆動部(80)は、ベース部(20)に回動可能に支持されたユニットフレーム(81)に1基のモータ(82)を載置し、該モータ(82)を、内部にウォームギア(83)を具える減速機構(84)を介してメインシャフト(85)に連繋して構成される。モータ(82)として、DCモータを例示できる。
【0014】
駆動部(80)のモータ(82)のオン、オフや、回転速度の制御は、後述の制御手段(40)(図10参照)により行なわれる。
【0015】
ユニットフレーム(81)は、そのほぼ中央にある垂直軸(81a)をベース部(20)に軸支することで回転可能となっている。図7では、減速機構(84)の上側ギアケース(84a)のみ示しており、下側ギアケースは省いている。
メインシャフト(85)は、ユニットフレーム(81)の左右方向に延びており、減速機構(84)を挟んだ左右の位置に、偏心角が互いに180°ずれたプーリ(86)が取り付けられている。
【0016】
ユニットフレーム(81)には、左右一対の支持台(81b)が立設され、メインシャフト(85)の両端は、支持台(81b)の後側に軸支されている。左右のプーリ(86)の外周には、軸受を介して外輪体(86a)が枢支されており、この外輪体(86a)の上部には、筒部(86b)が固定されている。符号(89)は左右一対ある揺動体で、前部(89a)と、前部(89a)とパイプ(89d)により結合された後部(89b)より構成され、前部(89a)は、揺動体(89)がユニットフレーム(81)に対して上下に揺動するように支軸(89c)にて軸支されている。支軸(89c)の一端は支持台(81b)の前側に支持され、他端は、モータ(82)との間に設けた軸受部(81c)に支持されている。揺動体(89)の前部(89a)と後部(89b)間には、前後方向に延びる揺動シャフト(89e)が取り付けられている。揺動シャフト(89e)の後方は、外輪体(86a)の上部の筒部(86b)内に出し入れ自在に挿入されている。左右の揺動体(89)上に、夫々左右の踏み板(33)(34)が取り付けられている。
【0017】
揺動体前部(89a)のモータ(82)側の側面とベース部(20)間は、ツイスト用リンク(87)で連結されている。ツイスト用リンク(87)の両端は自在継手(88)(88)を介して夫々揺動体前部(89a)側面とベース部(20)に連結されている。
【0018】
上記の如くベース部(20)に対して回動可能に配備されたユニットフレーム(81)の回動は、検知手段(42)により検知することができる。検知手段(42)として、マグネット(43)及びホール素子(44)の組合せを例示できる。図示の実施例では、マグネット(43)をユニットフレーム(81)に配置し、踏み板(33)(34)が略等しい傾動角度となり、且つ、踏み板(33)(34)が、前後方向に対して左右対称な位置で、ホール素子(44)がマグネット(43)を検知できるように、固定側であるベース部(20)にホール素子(44)を配備している。ホール素子(44)は、後述する制御手段(40)に電気的に接続される。
検知手段(42)は、マグネット(43)及びホール素子(44)の組合せに限定されず、光素子、赤外線素子、圧電素子、近接スイッチ等を用いることができる。
【0019】
回動プレート(31)が左右に回動して、検知手段(42)となるホール素子(44)の近傍をマグネット(43)が通過する毎に、検知手段(42)は、制御手段(40)に信号を送信する。従って、この信号を用いて、回動プレート(31)の回動往復回数(一往復当たり検知手段(42)を2回通過する)を検知することができ、後述するように、制御手段(40)にて、単位時間当たりの回動往復回数から回動プレート(31)の往復速さを算出できる。また、回動プレート(31)が一往復する間に、踏み板(33)(34)は夫々上下に一往復するから、踏み板(33)(34)の踏み込み回数を算出することもできる。
【0020】
使用者が、踏み板(33)(34)に足を載せた状態で、身体の安定性を高めるために、ベース部(20)の前端には、ハンドル部(50)が形成されている。
ハンドル部(50)は、ベース部(20)の前端から上向きに突設されたハンドル台座(51)を具え、該ハンドル台座(51)の上端は、左右にブラケット(52)(52)が形成されている。ブラケット(52)(52)間には、ハンドルポスト(60)が軸支されている。ハンドルポスト(60)は、ハンドル台座(51)に対して、図1乃至図3に示すように、起立した状態から、図4乃至図6に示すように、後傾して折り畳んだ状態まで傾動可能となっている。起立状態では、図3に示すポスト固定ネジ(64)を、ハンドル台座(51)に螺合させることにより、ハンドルポスト(60)をハンドル台座(51)に固定することができる。なお、図8において、ブラケット(52)の骨格を形成するブラケットフレームを符号(52)で示している。
【0021】
ハンドルポスト(60)の上端には、図1等に示すように、ハンドル(70)が取り付けられている。ハンドル(70)は、ハンドルポスト(60)を左右に貫通するハンドル軸部(71)により、ハンドルポスト(60)に回動可能に支持される。ハンドル(70)は、使用状態において、図1乃至図3に示すように、ハンドル軸部(71)がハンドルポスト(60)から左右に突出し、上向きに屈曲したアーム部(72)(72)を有し、該アーム部(72)(72)の先端は、内向きに屈曲して、グリップ部(73)を構成している。グリップ部(73)(73)どうしは所定の間隔を存して対向している。グリップ部(73)は、使用者が掴んだり、肘を置く部分となる。グリップ部(73)(73)間に間隙を設けたのは、使用時に使用者が操作表示部(90)を視認し易くするためである。ハンドル(70)は、ハンドルポスト(60)に対して、回動可能且つハンドル固定ネジ(75)により位置決め可能とすることができる。
【0022】
使用者は、受動運動器(10)の使用に際し、図1乃至図3に示すように、まず、ハンドルポスト(60)を起立し、固定させた状態から、ハンドル(70)を掴んで、踏み板(33)(34)に夫々左右の足を載せればよい。
【0023】
ハンドルポスト(60)の上端には、制御手段(40)に電気的に接続された操作表示部(90)が設けられている。操作表示部(90)には、使用者が操作する種々のボタン、後述する使用者の運動状態を告知する告知部となり、さらに、受動運動器(10)の状態、運動時間、消費カロリー、METs(metabolic equivalents)等を表示する表示部(92)とを具える。なお、METsとは、受動運動における使用者の代謝量が、安静時の代謝量に対して何倍に相当するかを換算して示す運動強度である。
【0024】
本発明の受動運動器(10)は、上記した操作表示部(90)により操作され、図10に示す制御手段(40)により制御される。
図10は、本発明の受動運動器(10)のブロック図を示している。制御手段(40)には、前述した駆動部(80)のモータ(82)、モータ(82)の回転速度を検出する速度検出手段(46)、操作表示部(90)、表示部(92)、及び、回動プレート(31)の回動を検知する検知手段(42)等が電気的に接続されており、その他、種々の制御プログラムや後述する基準電流等を記憶するメモリなどを具える。
モータ(82)の速度検出手段(46)として、モータ(82)の電流波形を検出する電流検出回路を例示できる。
【0025】
制御手段(40)は、操作表示部(90)からの操作命令を受けると、該操作命令に応じた速度指令値でモータ(82)を回転駆動させるように、PWM制御等により、モータ(82)に電圧を印加する。また、制御手段(40)は、表示部(92)により、使用者の選択した操作内容、運動時間、消費カロリー、METs、及び、後述する使用者の運動状態の告知を表示する。
【0026】
然して、モータ(82)を回転させると、メインシャフト(85)が回転し、左右のプーリ(86)が180°ずれた位相で偏心回転を行ない、この偏心回転が、外輪体(86a)、筒部(86b)、揺動シャフト(89e)を介して揺動体(89)に伝わり、揺動体(89)を支軸(89c)を中心に上下に揺動させる。この結果、左右の踏み板(33)(34)が互いに逆位相となるよう上下に傾動運動する(図11参照)。なお、図11は、受動運動器(10)の踏み板(33)(34)の位置と回動プレート(31)の位置とを模式的に示したものであり、中央上側の図は、回動プレート(31)を上側から見た図、左側の図は、回動プレート(31)が左に最も回転したときの踏み板(33)(34)の傾動状態を右斜め後方から見た図、右側の図は、回動プレート(31)が右に最も回転したときの踏み板(33)(34)の傾動状態を左斜め後方から見た図、中央下段の図は、踏み板(33)又は(34)の傾動状態を側方から見た図である。
この揺動体(89)の傾動運動により、揺動体(89)に接続されたツイスト用リンク(87)(87)がベース部(20)を押し引きすることで、ユニットフレーム(81)がベース部(20)に対して所定角度ずつ左右に回動する。これにより、ユニットフレーム(81)に取り付けられた回動プレート(31)が左右に回動する(図11参照)。
【0027】
操作表示部(90)の操作により、所望の速度、時間、その他のプログラム等を設定することで、モータ(82)が設定された速度で回転し、ユニット部(30)の回動プレート(31)が左右に所定角度ずつ回動運動すると共に、踏み板(33)(34)が交互に上下に傾動する。
上記により、使用者は、足踏み運動と腰の捻り運動を受けることができる。
しかしながら、踏み板に足をただ載せているだけの場合と、自ら踏み板を踏み込んでいる場合では、使用者の受ける運動効果は大きく異なる。従って、例えば、所定時間、受動運動を受けたとしても、その効果がどの程度なのかは知ることができず、また、運動負荷が適切であるか、また、積極的な運動を行なっているか、能動的又は怠惰的な運動であるのか等を確認、判断することはできない。
【0028】
そこで、本発明では、使用者による踏み板(33)(34)の踏み込み状態に応じて変化するモータ(82)の動作状態を検知し、図12に示すように、表示部(92)に使用者の運動状態として表示できるようにしている。
図12では、使用者の運動状態を、使用者に対する運動負荷レベルとして表示しており、踏み板(33)(34)の踏み込み状態が設定された速さに対して適切な受動運動を行なっていると判断された場合には「適切」、使用者が、設定された速さよりも速い、積極的な踏み込みを行なっていると判断された場合には「重い」(モータ(82)に対する負荷は軽くなる)、使用者が、設定された速さよりも遅く、能動的又は怠惰的な踏み込みを行なっていると判断された場合には「軽い」(モータ(82)に対する負荷は重くなる)として表示するようにしている。なお、「重い」及び「軽い」は、段階表示とすることができる。
【0029】
踏み板(33)(34)の踏み込み状態によって、モータ(82)へ加わる負荷が変動するから、使用者の運動状態の判断は、モータ(82)の電流値を監視することにより行なうことができる。
【0030】
図13は、所定の速度(以下「基準速度」と称する)でモータ(82)を駆動したときに、速度検出手段(46)によって検出される電流波形であって、無負荷、即ち、踏み板(33)(34)に載っていない状態の電流(以下「基準電流」と称する)の波形を示している。
【0031】
これに対し、使用者が、積極的に踏み込みを行なう運動をした場合には、踏み板(33)(34)の傾動速さが速くなることにより、図14に示すように、モータ(82)の回転速度(以下「負荷速度」と称する)が速くなり、モータ(82)の負荷電流が小さくなる。
制御手段(40)は、上記基準電流と負荷電流との差(例えば、振幅の差、周期の差)を算出し、この差及び差の大きさに基づいて、運動負荷レベル「重い」と判断し、表示部(92)に表示する。
【0032】
逆に、使用者が、能動的又は怠惰的な踏み込みを行なっている場合には、踏み板(33)(34)の傾動速さは遅くなるから、図15に示すように、モータ(82)の負荷速度が遅くなり、モータ(82)の負荷電流が大きくなる。
このため、制御手段(40)は、上記基準電流と負荷電流との差を算出し、この差及び差の大きさに基づいて、運動負荷レベル「軽い」と判断し、表示部(92)に表示する。
【0033】
上記のように、運動負荷レベルとして、使用者の踏み板(33)(34)の踏み込み状態を表示部(92)に表示することで、使用者は、自らの判断により、運動時間を調節したり、さらに積極的な運動を行なう目安とすることができ、適切な受動運動を受けることができる。
【0034】
なお、運動負荷レベルの判断は、使用者の設定等により、「適切」の幅を広くし、使用者に無理な運動とならないようにすることもできる。また、運動状態に応じて、徐々に運動負荷レベルが重くなるように誘導するよう、「適切」と判断される基準を変動させてもよい。
【0035】
表示部(92)に表示される運動状態の告知は、上記に限定されるものではなく、他の表示(メッセージ、アドバイス等の表示)とすることもできる。また、視覚的な表示に限らず、告知部を、スピーカ、イヤホン等の発音部として、音声により聴覚的に告知するようにしてもよい。
【0036】
なお、運動終了後、受動運動器(10)を格納する場合には、ハンドル(70)を固定ネジ(75)を緩めて図4乃至図6に示す位置まで回動させて、ハンドル(70)を格納する。次に、ポスト固定ネジ(64)を緩めて、ハンドルポスト(60)を図4乃至図6に示すように後傾させればよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、足踏み運動、又は、足踏み運動と腰捻り運動を同時に行なうことができる受動運動器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の受動運動器の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の受動運動器の使用状態を示す正面図である。
【図3】本発明の受動運動器の使用状態を示す右側面図である。
【図4】本発明の受動運動器の格納状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の受動運動器の格納状態を示す正面図である。
【図6】本発明の受動運動器の格納状態を示す右側面図である。
【図7】本発明の受動運動器の図2の線A−Aに沿う矢視断面図である。
【図8】本発明の受動運動器の駆動部を示す斜視図である。
【図9】本発明の受動運動器の駆動部を示す平面図である。
【図10】制御手段のブロック図である。
【図11】踏み板の傾動状態と回動プレートの関係を模式的に示す図である。
【図12】運動負荷レベルを表示する表示部を示している。
【図13】モータの基準電流波形を示すグラフである。
【図14】運動負荷レベルが「重い」場合のモータの負荷電流を示すグラフである。
【図15】運動負荷レベルが「軽い」場合のモータの負荷電流を示すグラフである。
【符号の説明】
【0039】
(10) 受動運動器
(20) ベース部
(30) ユニット部
(31) 回動プレート
(33) 踏み板
(34) 踏み板
(40) 制御手段
(46) 速度検出手段
(80) 駆動部
(82) モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み運動、又は、足踏み運動と腰捻り運動を同時に行なうことのできる受動運動器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使用者の足を左右一対の踏み板に載せ、踏み板をモータで交互に傾動させることにより、足踏み運動をすることができる受動運動器が知られている(例えば、特許文献1参照)。使用者は、受動運動器の踏み板に左右の足を載せるだけで、自ら足を動かさなくても、踏み板の傾動に合わせた足踏みの受動運動を受けることができる。また、自ら踏み板を踏み込むことにより、より運動効果の高い受動運動を受けることもできる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−358058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如く、踏み板に足をただ載せているだけの場合と、自ら踏み板を踏み込んでいる場合では、使用者の受ける運動効果は大きく異なる。従って、例えば、所定時間、受動運動を受けたとしても、その効果がどの程度なのかは知ることができず、また、運動負荷が適切であるか、また、積極的な運動を行なっているか、能動的又は怠惰的な運動であるのか等を確認、判断することはできない。
【0005】
本発明の目的は、足踏み運動、又は、足踏み運動と腰捻り運動を同時に行なうことができる受動運動器において、使用者が、自らの運動状態を視覚的又は聴覚的に判断できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の受動運動器は、
左右一対の踏み板を傾動可能に具えたユニット部と、
踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
該駆動部の作動を制御する制御手段と、
を具えた受動運動器であって、
制御手段に電気的に接続され、駆動部の動作状態を使用者に告知する告知部を有しており、
制御手段は、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知するようにした。
告知部は、視覚的に表示を行なう表示部や、聴覚的に告知を行なうスピーカ等の発音部とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の受動運動器によれば、制御手段は、駆動部の動作状態に基づいて、使用者による踏み板の踏み込み状態を検知し、告知部から使用者に伝達するようにしている。これにより、使用者は、受動運動器により受ける運動効果を知ることができ、運動負荷が、適切であるか、また、積極的な運動を行なっているか、能動的又は怠惰的な運動であるのか等を確認、判断することができる。
これにより、使用者は、自らの判断により、さらに積極的な運動を行なったり、運動時間を長短するなど、適切且つ効果的な受動運動を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を、足踏み運動だけでなく、腰捻り運動も同時に行なうことのできる受動運動器(10)に適用した実施例について説明するが、本発明は、足踏み運動だけを行なうことのできる受動運動器にも勿論適用することができる。
【0009】
本発明の受動運動器(10)の概略を説明すると、受動運動器(10)は、床面に載置されるベース部(20)と、該ベース部(20)の内部に配備された駆動部(80)(図7乃至図9参照)を介して、ベース部(20)に対して左右に所定角度ずつ回動可能となるように支持されたユニット部(30)と、ベース部(20)の前端に上向きに形成されたハンドル部(50)とを具える。
ここで、使用状態における使用者の目線の方向を前方(ハンドル部(50)のある方向)、逆側を後方とする。
【0010】
ユニット部(30)は、後述する駆動部(80)に一体回動可能に支持された回動プレート(31)と、該回動プレート(31)の天面に貫通開設された左右一対の細長い形状の開口部(37)(37)から臨出した踏み板(33)(34)を具える。
踏み板(33)(34)は、駆動部(80)により左右互い違いに傾動するよう支持されている。踏み板(33)(34)の上面には、使用者が足を載せる面が形成されており、該面は、緩衝用及び滑り止めの目的で、ゴム等のクッション(35)(35)が配備されている。
【0011】
また、ハンドル部(50)は、ベース部(20)の前端から上向きに突設されたハンドル台座(51)に、ハンドルポスト(60)が起立状態(図1乃至図3参照)から後傾状態(図4乃至図6参照)に傾動可能となるように支持されている。ハンドルポスト(60)の上端には、後述する操作表示部(90)を具える。また、ハンドルポスト(60)の上端近傍には、使用者が掴んだり肘を置くことのできるハンドル(70)が回動可能に支持されている。
【0012】
以下、各構成について詳述する。
ベース部(20)は、前後に長い略楕円形状の樹脂ケースから構成されており、前端側にハンドル台座(51)が突設されている。また、ハンドル台座(51)の後方側には、ユニット部(30)が回動可能に支持されると共に、内部に駆動部(80)が配備されている。
駆動部(80)は、ベース部(20)に対して回動可能に支持されたユニットフレーム(81)上に形成されており、該ユニットフレーム(81)は、ユニット部(30)の回動プレート(31)で覆われており、回動プレート(31)と一体回転可能となっている。
【0013】
駆動部(80)は、図7乃至図9に示すように、ベース部(20)とユニット部(30)の回動プレート(31)により形成された空間に配備される。
駆動部(80)は、ベース部(20)に回動可能に支持されたユニットフレーム(81)に1基のモータ(82)を載置し、該モータ(82)を、内部にウォームギア(83)を具える減速機構(84)を介してメインシャフト(85)に連繋して構成される。モータ(82)として、DCモータを例示できる。
【0014】
駆動部(80)のモータ(82)のオン、オフや、回転速度の制御は、後述の制御手段(40)(図10参照)により行なわれる。
【0015】
ユニットフレーム(81)は、そのほぼ中央にある垂直軸(81a)をベース部(20)に軸支することで回転可能となっている。図7では、減速機構(84)の上側ギアケース(84a)のみ示しており、下側ギアケースは省いている。
メインシャフト(85)は、ユニットフレーム(81)の左右方向に延びており、減速機構(84)を挟んだ左右の位置に、偏心角が互いに180°ずれたプーリ(86)が取り付けられている。
【0016】
ユニットフレーム(81)には、左右一対の支持台(81b)が立設され、メインシャフト(85)の両端は、支持台(81b)の後側に軸支されている。左右のプーリ(86)の外周には、軸受を介して外輪体(86a)が枢支されており、この外輪体(86a)の上部には、筒部(86b)が固定されている。符号(89)は左右一対ある揺動体で、前部(89a)と、前部(89a)とパイプ(89d)により結合された後部(89b)より構成され、前部(89a)は、揺動体(89)がユニットフレーム(81)に対して上下に揺動するように支軸(89c)にて軸支されている。支軸(89c)の一端は支持台(81b)の前側に支持され、他端は、モータ(82)との間に設けた軸受部(81c)に支持されている。揺動体(89)の前部(89a)と後部(89b)間には、前後方向に延びる揺動シャフト(89e)が取り付けられている。揺動シャフト(89e)の後方は、外輪体(86a)の上部の筒部(86b)内に出し入れ自在に挿入されている。左右の揺動体(89)上に、夫々左右の踏み板(33)(34)が取り付けられている。
【0017】
揺動体前部(89a)のモータ(82)側の側面とベース部(20)間は、ツイスト用リンク(87)で連結されている。ツイスト用リンク(87)の両端は自在継手(88)(88)を介して夫々揺動体前部(89a)側面とベース部(20)に連結されている。
【0018】
上記の如くベース部(20)に対して回動可能に配備されたユニットフレーム(81)の回動は、検知手段(42)により検知することができる。検知手段(42)として、マグネット(43)及びホール素子(44)の組合せを例示できる。図示の実施例では、マグネット(43)をユニットフレーム(81)に配置し、踏み板(33)(34)が略等しい傾動角度となり、且つ、踏み板(33)(34)が、前後方向に対して左右対称な位置で、ホール素子(44)がマグネット(43)を検知できるように、固定側であるベース部(20)にホール素子(44)を配備している。ホール素子(44)は、後述する制御手段(40)に電気的に接続される。
検知手段(42)は、マグネット(43)及びホール素子(44)の組合せに限定されず、光素子、赤外線素子、圧電素子、近接スイッチ等を用いることができる。
【0019】
回動プレート(31)が左右に回動して、検知手段(42)となるホール素子(44)の近傍をマグネット(43)が通過する毎に、検知手段(42)は、制御手段(40)に信号を送信する。従って、この信号を用いて、回動プレート(31)の回動往復回数(一往復当たり検知手段(42)を2回通過する)を検知することができ、後述するように、制御手段(40)にて、単位時間当たりの回動往復回数から回動プレート(31)の往復速さを算出できる。また、回動プレート(31)が一往復する間に、踏み板(33)(34)は夫々上下に一往復するから、踏み板(33)(34)の踏み込み回数を算出することもできる。
【0020】
使用者が、踏み板(33)(34)に足を載せた状態で、身体の安定性を高めるために、ベース部(20)の前端には、ハンドル部(50)が形成されている。
ハンドル部(50)は、ベース部(20)の前端から上向きに突設されたハンドル台座(51)を具え、該ハンドル台座(51)の上端は、左右にブラケット(52)(52)が形成されている。ブラケット(52)(52)間には、ハンドルポスト(60)が軸支されている。ハンドルポスト(60)は、ハンドル台座(51)に対して、図1乃至図3に示すように、起立した状態から、図4乃至図6に示すように、後傾して折り畳んだ状態まで傾動可能となっている。起立状態では、図3に示すポスト固定ネジ(64)を、ハンドル台座(51)に螺合させることにより、ハンドルポスト(60)をハンドル台座(51)に固定することができる。なお、図8において、ブラケット(52)の骨格を形成するブラケットフレームを符号(52)で示している。
【0021】
ハンドルポスト(60)の上端には、図1等に示すように、ハンドル(70)が取り付けられている。ハンドル(70)は、ハンドルポスト(60)を左右に貫通するハンドル軸部(71)により、ハンドルポスト(60)に回動可能に支持される。ハンドル(70)は、使用状態において、図1乃至図3に示すように、ハンドル軸部(71)がハンドルポスト(60)から左右に突出し、上向きに屈曲したアーム部(72)(72)を有し、該アーム部(72)(72)の先端は、内向きに屈曲して、グリップ部(73)を構成している。グリップ部(73)(73)どうしは所定の間隔を存して対向している。グリップ部(73)は、使用者が掴んだり、肘を置く部分となる。グリップ部(73)(73)間に間隙を設けたのは、使用時に使用者が操作表示部(90)を視認し易くするためである。ハンドル(70)は、ハンドルポスト(60)に対して、回動可能且つハンドル固定ネジ(75)により位置決め可能とすることができる。
【0022】
使用者は、受動運動器(10)の使用に際し、図1乃至図3に示すように、まず、ハンドルポスト(60)を起立し、固定させた状態から、ハンドル(70)を掴んで、踏み板(33)(34)に夫々左右の足を載せればよい。
【0023】
ハンドルポスト(60)の上端には、制御手段(40)に電気的に接続された操作表示部(90)が設けられている。操作表示部(90)には、使用者が操作する種々のボタン、後述する使用者の運動状態を告知する告知部となり、さらに、受動運動器(10)の状態、運動時間、消費カロリー、METs(metabolic equivalents)等を表示する表示部(92)とを具える。なお、METsとは、受動運動における使用者の代謝量が、安静時の代謝量に対して何倍に相当するかを換算して示す運動強度である。
【0024】
本発明の受動運動器(10)は、上記した操作表示部(90)により操作され、図10に示す制御手段(40)により制御される。
図10は、本発明の受動運動器(10)のブロック図を示している。制御手段(40)には、前述した駆動部(80)のモータ(82)、モータ(82)の回転速度を検出する速度検出手段(46)、操作表示部(90)、表示部(92)、及び、回動プレート(31)の回動を検知する検知手段(42)等が電気的に接続されており、その他、種々の制御プログラムや後述する基準電流等を記憶するメモリなどを具える。
モータ(82)の速度検出手段(46)として、モータ(82)の電流波形を検出する電流検出回路を例示できる。
【0025】
制御手段(40)は、操作表示部(90)からの操作命令を受けると、該操作命令に応じた速度指令値でモータ(82)を回転駆動させるように、PWM制御等により、モータ(82)に電圧を印加する。また、制御手段(40)は、表示部(92)により、使用者の選択した操作内容、運動時間、消費カロリー、METs、及び、後述する使用者の運動状態の告知を表示する。
【0026】
然して、モータ(82)を回転させると、メインシャフト(85)が回転し、左右のプーリ(86)が180°ずれた位相で偏心回転を行ない、この偏心回転が、外輪体(86a)、筒部(86b)、揺動シャフト(89e)を介して揺動体(89)に伝わり、揺動体(89)を支軸(89c)を中心に上下に揺動させる。この結果、左右の踏み板(33)(34)が互いに逆位相となるよう上下に傾動運動する(図11参照)。なお、図11は、受動運動器(10)の踏み板(33)(34)の位置と回動プレート(31)の位置とを模式的に示したものであり、中央上側の図は、回動プレート(31)を上側から見た図、左側の図は、回動プレート(31)が左に最も回転したときの踏み板(33)(34)の傾動状態を右斜め後方から見た図、右側の図は、回動プレート(31)が右に最も回転したときの踏み板(33)(34)の傾動状態を左斜め後方から見た図、中央下段の図は、踏み板(33)又は(34)の傾動状態を側方から見た図である。
この揺動体(89)の傾動運動により、揺動体(89)に接続されたツイスト用リンク(87)(87)がベース部(20)を押し引きすることで、ユニットフレーム(81)がベース部(20)に対して所定角度ずつ左右に回動する。これにより、ユニットフレーム(81)に取り付けられた回動プレート(31)が左右に回動する(図11参照)。
【0027】
操作表示部(90)の操作により、所望の速度、時間、その他のプログラム等を設定することで、モータ(82)が設定された速度で回転し、ユニット部(30)の回動プレート(31)が左右に所定角度ずつ回動運動すると共に、踏み板(33)(34)が交互に上下に傾動する。
上記により、使用者は、足踏み運動と腰の捻り運動を受けることができる。
しかしながら、踏み板に足をただ載せているだけの場合と、自ら踏み板を踏み込んでいる場合では、使用者の受ける運動効果は大きく異なる。従って、例えば、所定時間、受動運動を受けたとしても、その効果がどの程度なのかは知ることができず、また、運動負荷が適切であるか、また、積極的な運動を行なっているか、能動的又は怠惰的な運動であるのか等を確認、判断することはできない。
【0028】
そこで、本発明では、使用者による踏み板(33)(34)の踏み込み状態に応じて変化するモータ(82)の動作状態を検知し、図12に示すように、表示部(92)に使用者の運動状態として表示できるようにしている。
図12では、使用者の運動状態を、使用者に対する運動負荷レベルとして表示しており、踏み板(33)(34)の踏み込み状態が設定された速さに対して適切な受動運動を行なっていると判断された場合には「適切」、使用者が、設定された速さよりも速い、積極的な踏み込みを行なっていると判断された場合には「重い」(モータ(82)に対する負荷は軽くなる)、使用者が、設定された速さよりも遅く、能動的又は怠惰的な踏み込みを行なっていると判断された場合には「軽い」(モータ(82)に対する負荷は重くなる)として表示するようにしている。なお、「重い」及び「軽い」は、段階表示とすることができる。
【0029】
踏み板(33)(34)の踏み込み状態によって、モータ(82)へ加わる負荷が変動するから、使用者の運動状態の判断は、モータ(82)の電流値を監視することにより行なうことができる。
【0030】
図13は、所定の速度(以下「基準速度」と称する)でモータ(82)を駆動したときに、速度検出手段(46)によって検出される電流波形であって、無負荷、即ち、踏み板(33)(34)に載っていない状態の電流(以下「基準電流」と称する)の波形を示している。
【0031】
これに対し、使用者が、積極的に踏み込みを行なう運動をした場合には、踏み板(33)(34)の傾動速さが速くなることにより、図14に示すように、モータ(82)の回転速度(以下「負荷速度」と称する)が速くなり、モータ(82)の負荷電流が小さくなる。
制御手段(40)は、上記基準電流と負荷電流との差(例えば、振幅の差、周期の差)を算出し、この差及び差の大きさに基づいて、運動負荷レベル「重い」と判断し、表示部(92)に表示する。
【0032】
逆に、使用者が、能動的又は怠惰的な踏み込みを行なっている場合には、踏み板(33)(34)の傾動速さは遅くなるから、図15に示すように、モータ(82)の負荷速度が遅くなり、モータ(82)の負荷電流が大きくなる。
このため、制御手段(40)は、上記基準電流と負荷電流との差を算出し、この差及び差の大きさに基づいて、運動負荷レベル「軽い」と判断し、表示部(92)に表示する。
【0033】
上記のように、運動負荷レベルとして、使用者の踏み板(33)(34)の踏み込み状態を表示部(92)に表示することで、使用者は、自らの判断により、運動時間を調節したり、さらに積極的な運動を行なう目安とすることができ、適切な受動運動を受けることができる。
【0034】
なお、運動負荷レベルの判断は、使用者の設定等により、「適切」の幅を広くし、使用者に無理な運動とならないようにすることもできる。また、運動状態に応じて、徐々に運動負荷レベルが重くなるように誘導するよう、「適切」と判断される基準を変動させてもよい。
【0035】
表示部(92)に表示される運動状態の告知は、上記に限定されるものではなく、他の表示(メッセージ、アドバイス等の表示)とすることもできる。また、視覚的な表示に限らず、告知部を、スピーカ、イヤホン等の発音部として、音声により聴覚的に告知するようにしてもよい。
【0036】
なお、運動終了後、受動運動器(10)を格納する場合には、ハンドル(70)を固定ネジ(75)を緩めて図4乃至図6に示す位置まで回動させて、ハンドル(70)を格納する。次に、ポスト固定ネジ(64)を緩めて、ハンドルポスト(60)を図4乃至図6に示すように後傾させればよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、足踏み運動、又は、足踏み運動と腰捻り運動を同時に行なうことができる受動運動器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の受動運動器の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の受動運動器の使用状態を示す正面図である。
【図3】本発明の受動運動器の使用状態を示す右側面図である。
【図4】本発明の受動運動器の格納状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の受動運動器の格納状態を示す正面図である。
【図6】本発明の受動運動器の格納状態を示す右側面図である。
【図7】本発明の受動運動器の図2の線A−Aに沿う矢視断面図である。
【図8】本発明の受動運動器の駆動部を示す斜視図である。
【図9】本発明の受動運動器の駆動部を示す平面図である。
【図10】制御手段のブロック図である。
【図11】踏み板の傾動状態と回動プレートの関係を模式的に示す図である。
【図12】運動負荷レベルを表示する表示部を示している。
【図13】モータの基準電流波形を示すグラフである。
【図14】運動負荷レベルが「重い」場合のモータの負荷電流を示すグラフである。
【図15】運動負荷レベルが「軽い」場合のモータの負荷電流を示すグラフである。
【符号の説明】
【0039】
(10) 受動運動器
(20) ベース部
(30) ユニット部
(31) 回動プレート
(33) 踏み板
(34) 踏み板
(40) 制御手段
(46) 速度検出手段
(80) 駆動部
(82) モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の踏み板を傾動可能に具えたユニット部と、
踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
該駆動部の作動を制御する制御手段と、
を具えた受動運動器であって、
制御手段に電気的に接続され、駆動部の動作状態を使用者に告知する告知部を有しており、
制御手段は、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知するようにしたことを特徴とする受動運動器。
【請求項2】
制御手段は、使用者の選択により、告知部により告知される使用者の運動状態を変更する請求項1に記載の受動運動器。
【請求項3】
制御手段は、駆動部の駆動速度を検出する速度検出手段を具え、制御手段から駆動部への速度指令値と、速度検出手段により検出された駆動部の実際の駆動速度との差に基づいて、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知する請求項1又は請求項2に記載の受動運動器。
【請求項4】
速度検出手段は、駆動部の電流値を検出することにより、駆動部の駆動速度を検出するものであり、制御手段は、予め設定された基準電流値と、速度検出手段により検出された駆動部の実際の電流値との差に基づいて、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知する請求項3に記載の受動運動器。
【請求項5】
告知部は、使用者の運動状態を表示する表示部である請求項1乃至請求項4の何れかに記載の受動運動器。
【請求項6】
告知部は、使用者の運動状態を音声により伝達する発音部を具える請求項1乃至請求項5の何れかに記載の受動運動器。
【請求項7】
ユニット部は、床面に載置されるベース部に回動可能に配備され、
駆動部は、踏み板を傾動させると共にユニット部を回動させる請求項1乃至請求項6の何れかに記載の受動運動器。
【請求項1】
左右一対の踏み板を傾動可能に具えたユニット部と、
踏み板を交互に傾動させる駆動部と、
該駆動部の作動を制御する制御手段と、
を具えた受動運動器であって、
制御手段に電気的に接続され、駆動部の動作状態を使用者に告知する告知部を有しており、
制御手段は、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知するようにしたことを特徴とする受動運動器。
【請求項2】
制御手段は、使用者の選択により、告知部により告知される使用者の運動状態を変更する請求項1に記載の受動運動器。
【請求項3】
制御手段は、駆動部の駆動速度を検出する速度検出手段を具え、制御手段から駆動部への速度指令値と、速度検出手段により検出された駆動部の実際の駆動速度との差に基づいて、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知する請求項1又は請求項2に記載の受動運動器。
【請求項4】
速度検出手段は、駆動部の電流値を検出することにより、駆動部の駆動速度を検出するものであり、制御手段は、予め設定された基準電流値と、速度検出手段により検出された駆動部の実際の電流値との差に基づいて、使用者による踏み板の踏み込み状態に応じて変化する駆動部の動作状態を検知し、告知部により使用者の運動状態を告知する請求項3に記載の受動運動器。
【請求項5】
告知部は、使用者の運動状態を表示する表示部である請求項1乃至請求項4の何れかに記載の受動運動器。
【請求項6】
告知部は、使用者の運動状態を音声により伝達する発音部を具える請求項1乃至請求項5の何れかに記載の受動運動器。
【請求項7】
ユニット部は、床面に載置されるベース部に回動可能に配備され、
駆動部は、踏み板を傾動させると共にユニット部を回動させる請求項1乃至請求項6の何れかに記載の受動運動器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−219729(P2009−219729A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68864(P2008−68864)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
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