説明

受粉日マーカー

【課題】 簡便な作業で植物の受粉日を識別するタグ3を植物のつる2、枝又は茎に取り付けることができる受粉日マーカー1を提供する。
【解決手段】 2つの支持片4a、4bの夫々の一端側を回動自在にボルト9によって固定すると共に、クッション部材5a、5bを固定した夫々の他端側が互いに離反する方向に回動するように引張バネ11によって付勢した押さえ部材5と、一端3a及び他端3bの表面13に剥離可能な粘着材14が付けられることで剥離自在に積層されていると共に、2つのククッション部材5a、5bの相向かい合う内面に、その最下層の一端3a及び他端3bの裏面15が固定されることで、弓形になった凸側を内側に向けて前記押さえ部材5内に収納されたタグ3と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の受粉日を識別するタグを植物のつる、果こう、枝又は茎に取り付ける受粉日マーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スイカ、メロン等の植物は、人工受粉した後、所定日数後に収穫時期が訪れることが知られている。そのため、それらの栽培農家は受粉日を識別するため、受粉したスイカ等の植物のつる等にクレヨン等の筆記具で印をつけたり、着色棒を立てたりしている。
【0003】
ここで、特許文献1に開示される園芸用ラベルは、識別用のタグとしても使用できると一見考えられるものであり、受粉日等の情報を記入可能な本体部と、その一端から帯状に伸びて、植物のつる等に巻きつけ可能な巻付け部を有している。この園芸用ラベルは、前記巻付け部を植物のつる等に巻き付けた後、その先端を前記本体部に設けられた差込用切込み部に差し込んだ後折り曲げる。これにより、前記園芸用ラベルは、前記巻付け部の先端が前記差込用切込み部より抜けにくくなり、植物のつる等に取り付けることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−17108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される園芸用ラベルにおいては、その植物のつる等への取り付けにあたり、作業者が手で巻付け部を植物のつる等に巻き付ける作業を行う必要があり、大量にスイカ等を栽培する農家においては、取り付け作業に膨大な手間と時間がかかってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、簡便な作業で植物の人工受粉日を識別するタグを植物のつる、果こう、枝又は茎に取り付けることができる受粉日マーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の受粉日マーカーは、2つの支持片の夫々の一端側を回動自在に軸によって固定すると共に、クッション部材を固定した夫々の他端側が互いに離反する方向に回動するように引張バネによって付勢した押さえ部材と、両端の表面に剥離可能な粘着材が付けられることで剥離自在に積層されていると共に、前記2つのクッション部材の相向かい合う内面に、その最下層の両端の裏面が固定されることで、弓形になった凸側を内側に向けて前記押さえ部材内に収納されたタグと、を具備していることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の受粉日マーカーは、上層の前記タグに付けられた前記粘着材が、下層の前記タグに付けられた前記粘着材と比べて粘着強度が強いことを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の受粉日マーカーは、前記タグの一端に付けられた前記粘着材が、他端に付けられた前記粘着材と比べて粘着強度が弱いことを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の受粉日マーカーは、前記タグが、前記植物の受粉日毎に色づけされていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の受粉日マーカーは、一端が前記軸に固定され、他端が前記2つの支持片の他端側に夫々に達する弓形になった凸側を外側に向けた2つの指掛けばねを具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の受粉日マーカーは、一端側が回動自在に軸により固定された2つの支持片の他端側にクッション部材を固定した押さえ部材と、剥離自在に積層されて、2つのクッション部材の相向かい合う内面にその最下層の両端が固定されたタグを具備している。植物のつる、果こう、枝又は茎へのタグの取り付けを行う際は、まず、弓形となって抑え部材内に収納されているタグの内周側に前記植物のつる、果こう、枝又は茎を位置させる。この状態で、2つの支持片を押圧して引張バネの付勢力に抗して回動させて、2つのクッション部材を接近させ撓ませることにより、粘着材が付けられたタグの両端の表面を互いに密着させる。これにより、タグは両端の表面が粘着させられて、前記植物のつる、果こう、枝又は茎に取り付けられる。当該タグは、前記2つの支持片が、それへの押圧の解除後、引張バネの付勢力でクッション部材を固定した夫々の他端側を互いに離反する方向に回動することにより、自動的に積層された状態から剥離できる。従って、本受粉日マーカーは、タグの取り付けを容易且つ迅速に行うことができる。更に、本受粉日マーカーは、タグが積層されていることにより、一枚毎に新たにタグを装着する必要なく、連続的に多数の植物のつる、果こう、枝又は茎へタグを取り付けることができる。このことも相俟って、本受粉日マーカーは、大量にスイカ等の植物を栽培する農家においても好適に使用できる。
【0013】
請求項2に記載の受粉日マーカーは、上層のタグに付けられた粘着材が、下層のタグに付けられた粘着材と比べて粘着強度が強い。これにより、2つのクッション部材を接近させることで両端の表面が上記粘着材により粘着させられて植物のつる、果こう、枝又は茎に取り付けられた上層のタグは、2つの支持部材が互いに離反する方向に回動することにより、自動的に積層された状態から剥離される。従って、上記構成は、本受粉日マーカーを使用したタグの取り付け作業の作業性を更に高めるという効果を発揮する。
【0014】
請求項3に記載の受粉日マーカーは、タグの一端に付けられた粘着材が、他端に付けられた粘着材と比べて粘着強度が弱い。これにより、2つのクッション部材を近接させることで両端の表面が上記粘着材により粘着させられて植物のつる、果こう、枝又は茎に取り付けられた上層のタグの粘着強度の弱い方である一端は、2つの支持部材が互いに離反する方向に回動することにより、自動的に積層された状態から剥離される。この状態で、当該タグを押さえ部材より引き離せば、その粘着強度の強い方である他端も容易に積層された状態より剥離できる。従って、上記構成は、請求項2の構成と同様に、本受粉日マーカーを使用したタグの取り付け作業の作業性を更に高めるという効果を発揮する。
【0015】
請求項4に記載の受粉日マーカーは、タグが色づけされていることにより、作業者が離れた場所からでも容易に受粉日を認識できるので、出荷前の個数の集計が容易になり、更に当該タグが取り付けられた植物の収穫作業等の際に、収穫忘れ等のトラブルが発生することを未然に防ぐことができる。
【0016】
請求項5に記載の受粉日マーカーは、一端が軸に固定され他端が2つの支持片の他端側に夫々達する2つの指掛ばねを備えているので、作業者が指掛ばねに指を引っ掛けて押さえ部材を保持及び操作できる。従って、上記構成は、本受粉日マーカーを使用したタグの取り付け作業の作業性を更に高めるという効果を発揮する。又、指につけたままで、他の作業もし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】受粉日マーカーの全体構成を示す斜視図。
【図2】押さえ部材の平面図。
【図3】積層されたタグを示す拡大図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図。
【図4】受粉日マーカーを用いて、植物のつるにタグを取り付ける方法を説明する平面図であり、(A)はクッション部材の間に植物のつるを挿入した状態を示す平面図、(B)はクッション部材同士を近接させることによりタグの一面の一端と他端とを粘着させた状態を示す平面図。
【図5】植物のつるに取り付けられたタグを積層されたタグから剥離した状態を示す平面図。
【図6】他の実施形態の積層されたタグを示す拡大図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の受粉日マーカー1の実施形態について、各図を参照しつつ説明する。受粉日マーカー1は、受粉したスイカ雌花2aの果こう2b、又はスイカ雌花2a付近のつる2に、人工受粉日を識別可能なタグ3を取り付けるものであり、図1に示すように作業者が指12に掛けて使用するものである。この受粉日マーカー1は、受粉したスイカ雌花2aの果こう2b又は、スイカ雌花2a付近のつる2に限らず、メロン等多様な植物のつる、果こう、枝又は茎に、受粉日を識別可能なタグ3を取り付けることができるものであり、図1及び図2に示すように、2つの湾曲した支持片4a、4b夫々の一端側を回動自在にボルト9及びナット10によって固定すると共に、タグ3が装着されるクッション部材5a、5bを固定した夫々の他端側が互いに離反する方向に回動するように引張バネ11により付勢した押さえ部材5を具備している。
【0019】
前記支持片4a、4bは、夫々湾曲した形状を有しており、樹脂、金属等の材料により剛性を有して構成されている。支持片4a、4bの一端側は、互いに重ね合わせることができるように形成されており、当該部分にはボルト9を挿通するための図外の貫通孔が設けられている。支持片4a、4bは、一端側を互いに重ね合わせた状態で、前記貫通孔を挿通するボルト9にナット10を取り付けることで、互いにボルト9を軸として回動可能に固定される。又、支持片4a、4bの他端側には、夫々、湾曲の内周面から切欠が設けられている。この切欠には、夫々、ゴム等の弾性を有する材料により構成されるクッション部材5a、5bが、自身の長手方向の半分程度の長さ分だけ突出するように固定されている。
【0020】
なお、支持片4a、4bは、夫々一体の材料を上記の通り形成することにより構成してよいが、製造を容易にするために、複数枚のプレートを積層して構成してもよい。この場合は、支持片4a、4bを夫々構成する複数枚のプレートを所定形状に形成した後、積層し、その所定位置に設けられた図外の貫通孔を挿通するボルト7とナット8とにより、夫々締め付けて一体化することにより、支持片4a、4bを構成する。
【0021】
又、前記ボルト9には、弓形になった凸側を外側に向けるように湾曲した線材からなる指掛けばね12a、12bの一端が固定されている。この指掛けばね12a、12bの他端は、支持片4a、4bの他端側に夫々達している。作業者は、図1に示すように、この指掛けばね12a、12bに親指と中指を引っ掛けて、押さえ部材5を保持して、支持片4a、4b、及びクッション部材5a、5bを内側方向に押圧することにより、2つのクッション部材5a、5bの相向かい合う面を近接させることができる。又、作業者が支持片4a、4b等に対する上記押圧を行っていない場合においては、図2に示すように、他端側に取り付けられた引張バネ11の付勢力により、2つのクッション部材5a、5bとは所定距離開いた状態となる。
【0022】
2つのクッション部材5a、5bに装着される前記タグ3は、図3に示すように、柔軟性を有した短冊形状のものであり、スイカ雌花2aの人工受粉日が識別可能なように、赤色、青色、黄色等、受粉日ごとに色分けされて、色づけされたもの等である。なお、タグ3は、スイカ雌花2aの受粉日が識別可能であれば、色づけする以外にスイカ雌花2aの受粉日を記入したもの等であってもよいが、色付けすることにより作業者が離れた位置からでも受粉日を識別し易いというメリットがある。又、タグ3は、受粉したスイカ雌花2aの果こう2bに取り付けることにより、スイカの直近に配置されることになるので、作業者が当該スイカの受粉日を認識し易いというメリットがあるが、スイカ雌花2aの果こう2bは柔らかくタグ3の取り付けが難しいので、タグ3はスイカ雌花2a付近のつる2に取り付けるのが一般的である。又、タグ3は、ビニールハウス等の施設内で使用する場合には耐候性を有した材料により構成する必要が無く、例えば紙により構成してよい。タグ3を紙により構成することで、使用後分解され易く環境負荷が小さくなるというメリットがある。
【0023】
又、タグ3は、その表面13の一端3a及び他端3bに剥離可能な粘着材14が付けられた状態で、初期状態で100枚程度積層されている。なお、図3においては、簡略化して示すため3枚のタグ3が積層された状態を示している。
【0024】
ここで、タグ3が積層された状態で、上層のタグ3に付けられた粘着材14は下層のタグ3に付けられた粘着材14に比べて粘着強度が強くなるように構成されている。即ち、タグ3は、上層から下層にかけて付けられる粘着材14の粘着強度が順次低下するように積層されている。これは、タグ3が積層された状態より上層から1枚ずつ剥がれるようにするためである。なお、粘着材14の粘着強度が上層から下層にかけて順次低下するようにタグ3を積層するためには、図3に示すように粘着材14が付けられる幅を、上層から下層にかけて徐々にせまくすればよい。或いは、粘着材14の組成を上層から下層にかけて変化させて粘着強度が徐々に弱くなるようにしても同様の効果が得られる。
【0025】
又、積層されたタグ3のうち、最も下層のタグ3の裏面15の一端3a及び他端3bが、クッション部材5a、5bの互いに相向かい合う内面に夫々固定されることにより、タグ3は、図1に示すように、積層された状態でクッション部材5a、5bに装着されて、弓形になった凸側を内側向けて押さえ部材5内に収納された状態となる。
【0026】
なお、上記タグ3の裏面15の一端3a及び他端3bのクッション部材5a、5bへの固定は、その固定の強度を増すために、ゴムや薄いアルミ等の弾性を有する材質により構成される支持プレート16a、16bを介在させて行ってもよい。この場合には、図3に示すように、予め最も下層のタグ3の裏面15の一端3a及び他端3bに支持プレート16a、16bを夫々接着しておき、当該支持プレート16a、16bをクッション部材5a、5bの互いに相向かい合う内面に夫々固定する。
【0027】
以上のように、押さえ部材5内にタグ3が収納された受粉日マーカー1を用いたスイカ雌花2aの果こう2b又はスイカ雌花2a付近のつる2へのタグ3の取り付けは、図4及び図5に示すようにして行う。まず、図4(A)に示すように、弓形となって押さえ部材5内に収納されているタグ3の内周側につる2を位置させる。この際、作業者は、図1に示すように指掛けばね12a、12bに親指と中指を掛けることができるので、容易に押さえ部材5を保持及び操作することができる。
【0028】
次に、図4(B)に示すように、引張バネ11の付勢力に抗して、クッション部材5a、5bが互いに近接するように、支持片4a、4b及びクッション部材5a、5bを内側方向に押圧する。この際、クッション部材5a、5b及び支持プレート16a、16bが弾性を有していることにより、これらは撓む。これにより、積層されたタグ3のうち、最も上層のタグ3の表面13の一端3a及び他端3bは、面として密着し、それらは夫々に付けられた粘着材14により粘着させられるので、つる2の周囲を完全に囲んだ状態で、当該タグ3はリング状に形成されて、当該つる2に取り付けられる。
【0029】
次に、作業者は、支持片4a、4b及びクッション部材5a、5bの内側方向への押圧をやめて、図5に示すように、引張バネ11の付勢力によりクッション部材5aとクッション部材5bが所定距離はなれた状態に戻す。これによって、つる2に取り付けられたタグ3が積層された状態より自動的に剥離される。これにより、つる2へのタグ3の取り付け作業が完了する。
【0030】
なお、上記作業において、下層のタグ3の積層が維持されることを確実にするために、作業者は、下層のタグ3の一端3a付近及び他端3b付近を夫々クッション部材5a及びクッション部材5b側に空いているもう一方の手の指で軽く押圧しつつ、支持片4a、4b及びクッション部材5a、5bの内側方向への押圧を停止してもよい。
【0031】
ここで、積層されたタグ3は、上述の通り、粘着材14による粘着強度が上層から下層にかけて順次低下するように積層されていると、図5(B)の作業によりつる2に取り付けられた上層のタグ3の表面13の一端3aと他端3bとの粘着強度は、その下層のタグ3に取り付けられた粘着材の粘着強度より強いことから、引張バネ11の付勢力によりクッション部材5a、5bが所定距離はなれた状態に戻る際に、つる2に取り付けられた最も上層のタグ3のみが剥離される。従って、もう一方の開いた手の指でタグ3を押さえることなく、片方の手のみの操作でタグ付けを行うことができる。
【0032】
以上説明したように、受粉日マーカー1は、人工受粉したスイカ雌花2aの果こう2b、又はスイカ雌花2a付近のつる2等、多様な植物のつる、果こう、枝又は茎に、受粉日を識別可能なタグ3を取り付けることができる。当該タグ3の取り付け作業は、積層されたタグ3が装着された押さえ部材5のクッション部材5a、5bの間に、つる2等を挿入した状態で、支持片4a、4b及びクッション部材5a、5bを片方の手の指で近接させて、タグ3の一端3a及び他端3bを粘着材14により粘着させることによりできるので、容易、且つ、迅速に行うことができる。
【0033】
また、受粉日マーカー1は、タグ3が積層されていることにより、1枚ずつタグ3をクッション部材5a、5bに装着する必要がなく、連続して多数のつる2等へタグ3を取り付けることができる。このことも相俟って、受粉日マーカー1は、大量にスイカ等を栽培する農家においても好適に使用することができる。
【0034】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、図6に示すような、タグ3の表面の一端3aに粘着材17aを、他端3bに粘着材17aより粘着強度が強い粘着材17bを付けて積層されたタグ3を使用してもよい。これは、粘着材17a、17bを同じ粘着強度の粘着材で構成した場合でも、粘着材17aが付けられる幅を、粘着材17bが付けられる幅に比べて狭くすることで実現できる。
【0035】
上記粘着材17a、17bが付けられたタグ3も、図4に示す方法にてスイカ雌花2aの果こう2b又はスイカ雌花2a付近のつる2等に取り付けることができる。そして、つる2に取り付けられたタグ3の積層された状態からの剥離は、まず、作業者が支持片4a、4b及びクッション部材5a、5bの内側方向への押圧をやめて、引張バネ11の付勢力によりクッション部材5aとクッション部材5bが所定距離はなれた状態に戻す。これによって、つる2に取り付けられたタグ3の粘着強度の弱い方である一端3aが積層された状態より自動的に剥離される。なお、この作業において、下層のタグ3の積層が維持されることを確実にするために、作業者は、下層のタグ3の一端3a付近をクッション部材5a側に空いている指で軽く押圧しつつ、支持片4a、4b及びクッション部材5a、5bの内側方向への押圧を停止してもよい。
【0036】
次に、つる2に取り付けられたタグ3と押さえ部材5とを引き離せば、つる2に取り付けられたタグ3の粘着強度の強い方である他端3bも積層された状態より剥離される。なお、この作業において、下層のタグ3の積層が維持されることを確実にするために、作業者は、下層のタグ3の他端3b付近をクッション部材5b側にもう一方の手の空いている指で軽く押圧しつつ、つる2に取り付けられたタグ3と押さえ部材5とを引き離してもよい。
【0037】
以上により、粘着材17a、17bが付けられたタグ3を用いた場合でも、粘着材14が付けられたタグ3を用いる場合と同様に、受粉日マーカー1を用いて、容易、且つ、迅速につる2へのタグ3の取り付けを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る受粉日マーカー1は、受粉日を識別可能なタグ3の、人工受粉したスイカ雌花2aの果こう2b又はスイカ雌花2a付近のつる2等、多様な植物のつる、果こう、枝又は茎への取り付けに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 受粉日マーカー
3 タグ
3a 一端
3b 他端
4a、4b 支持片
5 押さえ部材
5a、5b クッション部材
9 ボルト
13 表面
14、17a、17b 粘着材
15 裏面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの支持片の夫々の一端側を回動自在に軸によって固定すると共に、クッション部材を固定した夫々の他端側が互いに離反する方向に回動するように引張バネによって付勢した押さえ部材と、
両端の表面に剥離可能な粘着材が付けられることで剥離自在に積層されていると共に、前記2つのクッション部材の相向かい合う内面に、その最下層の両端の裏面が固定されることで、弓形になった凸側を内側に向けて前記押さえ部材内に収納されたタグと、を具備することを特徴とする受粉日マーカー。
【請求項2】
上層の前記タグに付けられた前記粘着材は、下層の前記タグに付けられた前記粘着材と比べて粘着強度が強いことを特徴とする請求項1に記載の受粉日マーカー。
【請求項3】
前記タグの一端に付けられた前記粘着材は、他端に付けられた前記粘着材と比べて粘着強度が弱いことを特徴とする請求項1に記載の受粉日マーカー。
【請求項4】
前記タグは、前記植物の受粉日毎に色づけされていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の受粉日マーカー。
【請求項5】
一端が前記軸に固定され、他端が前記2つの支持片の他端側に夫々に達する弓形になった凸側を外側に向けた2つの指掛けばねを具備することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の受粉日マーカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−246162(P2011−246162A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121231(P2010−121231)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(592072791)鳥取県 (19)
【出願人】(307016180)地方独立行政法人鳥取県産業技術センター (32)
【Fターム(参考)】