説明

口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期保存システム

【目的】 多様な組織や器官に成長可能な優良な幹細胞や線維芽細胞を口腔粘膜や親不知から抽出し、それを健全なものとして将来の再生医療その他の処置に備えて培養試料となし相当な長期間安全かつ確実に管理保存する新たな技術を提案する。
【構成】 被採取者のあらゆる組織・器官に成長する可能性を秘めた幹細胞を口腔粘膜から採取し、将来の再生培養に使用するための試料として長期間冷凍保存するに際して、採取した幹細胞の健全性を試験・確認した後に所定数量の培養試料として冷凍保存するものとなし、所定期間経過毎に定期的にその一部を解凍し再生機能に関する健全性の確認をした上で、更に所定数量の培養試料としてバックアップ保存することで10年以上の長期間に亘る健全な培養可能性を保証する口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多様な組織や器官に成長可能な優良な幹細胞や線維芽細胞を口腔粘膜や親不知から抽出し、それを健全なものとして将来の再生医療その他の処置に備えて培養試料となし相当な長期間安全かつ確実に管理保存する新たな技術を提案するものである。
【背景技術】
【0002】
幹細胞や線維芽細胞といった特殊な細胞は非常に多種多様な組織や器官に成長可能な因子を持つことが知られており、名古屋大学の上田実教授の研究により口腔内粘膜、特に親不知やその周囲から優秀な再生培養能力を持った細胞が採取できることが見出されていて、その研究成果として、実際に歯や皮膚の再生培養が行われている。
また、一般にはこのような優れた幹細胞はヒトの受精卵細胞を利用して採取されることが多く行われている。
【特許文献1】 特開2004−331557号公報
【特許文献2】 再表03/101502号公報
【特許文献3】 再表03/101503号公報
【特許文献4】 特開2004−357567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような優れた性質を持った幹細胞等は再生医療や再生美容その他の分野に大きな可能性を秘めたものであるが、ヒトの受精卵細胞を利用するような場合には生命倫理上の問題が指摘され、一般への実用化は中々進んでいない。しかしこの点、本発明で利用する幹細胞等は口腔内粘膜由来のものであるから、ヒトの生命倫理上の問題は生じないものである。
【0004】
このように現時点における幹細胞等を利用した組織や器官の再生技術は、未だ研究施設における臨床実験的なものが殆んどであり、一般への具体的な応用・実用化を目指したきめ細やかな技術についての開発は着手されていない。
【0005】
すなわち、将来の不測の事態に備えて幹細胞等を利用した組織や器官の再生技術を活用するのであれば、利用者の幹細胞等をできるだけ健全な状態で採取し、それを相当な長期間に亘って安全かつ確実に管理保存して備える必要があるが、このような目的を持った研究開発はなされていないのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記したような課題を解消すべく鋭意研究開発を進めた結果として実現されたものであり、口腔内粘膜由来の幹細胞等をできるだけ健全な状態で被採取者から採取して培養試料となし、しかもそれを将来の不測の事態に対処する再生医療等に利用するために相当な長期間に亘って安全かつ確実に管理保存し続けるための総合的な技術システムを完成したものであって、具体的には以下のとおりである。
【0007】
(1) 被採取者のあらゆる組織・器官に成長する可能性を秘めた幹細胞を口腔粘膜から採取し、将来の再生培養に使用するための試料として長期間冷凍保存するに際して、
採取した幹細胞の健全性を試験・確認した後に所定数量の培養試料として冷凍保存するものとなし、
所定期間経過毎に定期的にその一部を解凍し再生機能に関する健全性の確認をした上で、
更に所定数量の培養試料としてバックアップ保存することで10年以上の長期間に亘る健全な培養可能性を保証すること
を特徴とする口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0008】
(2) 幹細胞の健全性を培養能力のレベルにより試験・確認することを特徴とする前記(1)項に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0009】
(3) 予め被採取者の各種感染症の有無を確認し、しかも所定期間の健康管理を経た上で口腔粘膜から幹細胞を採取するものとすることで、より健全性に優れた培養試料を得ることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0010】
(4) 被採取者の所定期間の健康管理を主に食事や各種サプリメント類摂取、運動トレーニング指導などの総合的な管理により行うことを特徴とする前記(3)項に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0011】
(5) 培養試料の1回の培養細胞数を10000個以下、望ましくは1000個以下とすることで培養回数過多による再生機能低下を防止することを特徴とする前記(1)項〜(4)項の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0012】
(6) バックアップ保存を少なくとも3年毎、望ましくは1年毎に行うことで健全な再生可能性を30年間以上、望ましくは50年間以上確保し保証可能とすることを特徴とする前記(1)項〜(5)項の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0013】
(7) 再生培養技術を利用した将来の各種処置の費用を保証するための保険契約の内容として幹細胞の培養試料の長期間保存を保険契約者が選択可能なものとすることを特徴とする前記(1)項〜(6)項の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0014】
(8) 被採取者の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した再生用培養試料の作成、バックアップ試料の作成、それらの健全性の試験・確認、長期間の保存などにかかる費用を所定割合で保険契約料金に組込むことを特徴とする前記(7)項に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0015】
(9) 保存している培養試料の一部を利用して統計的に再生利用頻度の高い組織や器官を予め培養し別途保存しておくことを特徴とする前記(1)項〜(8)項の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0016】
(10) 予め培養し別途保存しておく組織や器官が毛髪や皮膚であることを特徴とする前記(9)項に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【0017】
(11) 被採取者や保険契約加入者の意思に従って選択した組織や器官を予め培養し保存しておくことを特徴とする前記(9)項又は(10)項に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期保存システム。
【0018】
(12) 保存している培養試料に関する個別的情報を被採取者や保険契約加入者の要求に応じて開示することを特徴とする前記(1)項〜(11)項の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期保存システム。
【0019】
(13) 保存している培養試料に関する個別的情報を被採取者や保険契約加入者に開示するに際して、生体的認証情報による照合手続きを要求することを特徴とする前記(12)項に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期保存システム。
【発明の効果】
【0020】
(a) 被採取者のあらゆる組織・器官に成長する可能性を秘めた幹細胞を口腔粘膜から採取し、将来の再生培養に使用するための試料として長期間冷凍保存するに際して、採取した幹細胞の健全性を試験・確認した後に所定数量の培養試料として冷凍保存するものとなし、所定期間経過毎に定期的にその一部を解凍し再生機能に関する健全性の確認をした上で、更に所定数量の培養試料としてバックアップ保存することで10年以上の長期間に亘る健全な培養可能性を保証することにより、将来の不測の事態に備える予防的措置としての再生医療や再生美容に資するための可能な限り健全な幹細胞培養試料の長期間保存システムを実際のユーザーが信頼できるものとして技術的に実現することができるようになる。
すなわち、口腔粘膜由来の幹細胞といっても被採取者の採取時におけるコンディションによってその健全性にも相違があり、また、長期間の冷凍保存により不可避的に一定比率での細胞死滅が生じることも明らかで、不確定な時期の将来に備える再生技術を信頼に足るものとするには、このような技術的措置を総合的にきちんと行うことが必要なのである。
【0021】
(b) 幹細胞の健全性を培養能力のレベルにより試験・確認することにより、再生培養能力を客観的に確証しながら幹細胞の長期冷凍保存を行うことが可能となる。すなわち、幹細胞の種類などによって、当然に有すべき再生培養能力は数値的に知られているところであり、これに達しているか否かを指標として培養試料とする幹細胞の健全性を評価することができるのである。
【0022】
(c) 予め被採取者の各種感染症の有無を確認し、しかも所定期間の健康管理を経た上で口腔粘膜から幹細胞を採取するものとすることで、より健全性に優れた培養試料を得ることにより、不良な因子を除去して可能な限り優秀なコンディションの幹細胞を採取することができるようになる。
すなわち、不良な感染症因子を含んだままでの細胞培養が相応しくないことは当然であり、長期間保存して将来に予防的に備えるためには被採取者の健康状態を最良なものとして幹細胞の採取を行うことが望ましいのである。必要な技術的措置を組合わせることで信頼に足るシステムが実現するのである。
【0023】
(d) 被採取者の所定期間の健康管理を主に食事や各種サプリメント類摂取、運動トレーニング指導などの総合的な管理により行うことにより、より健全性の高い幹細胞を確実に採取することが可能となる。
すなわち、上記のような条件を一定期間総合的に管理することで健康状態をより優れたものとするための具体的な技術は確立されており、そのような良好な健康状態において被採取者から幹細胞を採取することが培養試料の健全性実現に直結することが確認されているのである。
【0024】
(e) 培養試料の1回の培養細胞数を10000個以下、望ましくは1000個以下とすることで培養回数過多による再生機能低下を防止することにより、相当な将来において多様な組織や器官の再生培養を行う場合でも確実に可能であると信頼することが可能となる。つまり、1つの細胞が健全な状態で分裂できる回数は無限ではなく、将来において複数の組織や器官に培養する可能性を考慮すれば、培養試料における培養細胞数を上記程度に制限しておかないと10年以上に亘る長期間の利用可能性を保証し難いのである。
【0025】
(f) バックアップ保存を少なくとも3年毎、望ましくは1年毎に行うことで健全な再生可能性を30年間以上、望ましくは50年間以上確保し保証可能とすることにより、被採取者の一生涯に亘って随時再生医療や再生美容などによる恩恵を享受することが可能になる。すなわち、天災などに備えて培養試料をバックアップ保存する必要があることは確かであるが、上記したように冷凍保存した細胞も一定比率で死滅することが明らかで、将来十分な再生可能性を保証するにはバックアップ培養が不可欠になるのである。
【0026】
(g) 再生培養技術を利用した将来の各種処置の費用を保証するための保険契約の内容として幹細胞の培養試料の長期間保存を保険契約者が選択可能なものとすることにより、保険制度により経済的負担を軽減しながら将来の再生医療や再生美容などを安心して活用することができるようになる。必ずしも健康保険制度による保護を受け得ない分野の再生技術を受ける際にも対処することができるのである。
【0027】
(h) 被採取者の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した再生用培養試料の作成、バックアップ試料の作成、それらの健全性の試験・確認、長期間の保存などにかかる費用を所定割合で保険契約料金に組込むことにより、本発明システムをより低い経済的負担で総合的に利用することができるようになる。
【0028】
(i) 保存している培養試料の一部を利用して統計的に再生利用頻度の高い組織や器官を予め培養し別途保存しておくことにより、このような組織や器官に関しては早急に再生医療や再生美容などを利用できる状態にしておくことが可能になる。
【0029】
(j) 予め培養し別途保存しておく組織や器官が毛髪や皮膚であることにより、毛髪や皮膚に関する再生医療や再生美容などを即座に受けることが可能になる。
【0030】
(k) 被採取者や保険契約加入者の意思に従って選択した組織や器官を予め培養し保存しておくことにより、利用者の個別的な事情に即応して必要な組織や器官を培養保存しておくことが可能になる。
【0031】
(l) 保存している培養試料に関する個別的情報を被採取者や保険契約加入者の要求に応じて開示することにより、培養試料の健全性などに関する状態を最新状態で確認可能とすることで利用者のより高い信頼を得ることが可能になる。
【0032】
(m) 保存している培養試料に関する個別的情報を被採取者や保険契約加入者に開示するに際して、生体的認証情報による照合手続きを要求することにより、重要な個人情報を確実に保護することが可能になる。
つまり、再生医療や再生美容などを行うにはその組織や器官の適合性が非常に重要であるから、まさに生体的認証情報によってその生体的適合性を具体的に確認できることが重要になるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
上記してきたような本発明の具体的な実施の形態の若干例を添付図面などを利用しながら説明すると以下の如くである。
すなわち、図1は本発明システムの全体概念をその手順に基づいて説明した図面である。
【0034】
つまり、本発明においてはできる限り健全性において優れた幹細胞を採取する必要があることから、被採取者の事前健康管理を行うものである。期間は短くて数日、長い場合が数ヶ月に及ぶ可能性があり、その間に食事やサプリメントを利用した栄養指導と運動トレーニング指導を総合的に行うことで被採取者の健康状態を最良なものとするのである。
【0035】
また、培養試料に影響を及ぼす可能性のある各種感染症等の検査やその他の一般的な健康検査も行い、被採取者の身体的な健全性を確認する。この幹細胞採取の事前段階においては、被採取者自身の身体的な健全性が口腔粘膜から採取する幹細胞等の健全性を推定しているものと理解できる。
【0036】
このような幹細胞等の健全性推定を経た上で、実際に被採取者から口腔粘膜由来の幹細胞等を採取し試料作成のための培養処理を行うが、同時に再生培養能力の具体的な数値レベルを確認し、水準を満たしたものを健全なものとして培養試料の元にするように管理する。
【0037】
このような健全性確認を経た幹細胞等を培養した試料を長期間の冷凍保存対象とするものである。このような培養試料は被採集者にとってその時点における最良の健全性を備えた幹細胞等の培養試料であると解釈できる。
【0038】
このような幹細胞の培養試料の冷凍保存においては、数年で20〜30%の培養細胞死滅がどうしても生じてしまうので、10数年以上の将来における再生目的に利用する健全な培養細胞を必要なだけ確保するためには、1〜3年毎の健全性の再確認と災害等の不測の事態に備えるためのバックアップ試料の作成が不可欠である。
【0039】
バックアップ資料に関しては、災害等による同時損傷リスクを回避するために別個な場所における管理保存が要請される。
【0040】
このような手順内容を正確に実践することで、数十年後、場合によっては100年後においても被採取者の健全な幹細胞培養試料を確保し、再生目的に適切に利用できることを保証することができるのである。
【実施例】
【0041】
被採取者の口腔粘膜(特に親不知周辺の粘膜)から採取した肝細胞や線維芽細胞を基にして培養試料とした後に、その一部を解凍し該被採取者の再生医療に用いるために皮膚組織として培養処理した。
【0042】
この培養皮膚組織を被採取者の患部に移植したところ、拒絶反応も引き起こさず極めて短期間に良好な回復状態を得ることができた。
【0043】
冷凍保存していた幹細胞等の培養試料を数年経過後に解凍し、皮膚組織などとして培養可能であることは実験的に確認されているところである。
【0044】
また、口腔粘膜由来の幹細胞や線維芽細胞を利用して皮膚組織の培養以外にも歯や毛髪の培養が実際に可能であることは実験データとして確認されているので、少なくとも原理的に口腔粘膜由来の幹細胞等が多種多様な組織や器官に培養可能であることが理解されるのである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明してきたような本発明によれば、生命倫理的に問題の生じることが少ない口腔粘膜由来の幹細胞や線維芽細胞を利用することで、少なくとも原理的にはあらゆる組織や器官を培養再生する可能性があり、しかもそれを最高度に健全な状態で数十年以上に亘る長期間保証可能なものとするのであるから、再生医療や再生美容をはじめとした多くの再生技術応用分野に活用することが期待されるものであり、産業上の利用可能性において非常に有望なものであると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】 本発明システムの全体概念をその手順に基づいて説明した図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被採取者のあらゆる組織・器官に成長する可能性を秘めた幹細胞を口腔粘膜から採取し、将来の再生培養に使用するための試料として長期間冷凍保存するに際して、
採取した幹細胞の健全性を試験・確認した後に所定数量の培養試料として冷凍保存するものとなし、
所定期間経過毎に定期的にその一部を解凍し再生機能に関する健全性の確認をした上で、
更に所定数量の培養試料としてバックアップ保存することで10年以上の長期間に亘る健全な培養可能性を保証すること
を特徴とする口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項2】
幹細胞の健全性を培養能力のレベルにより試験・確認することを特徴とする請求項1に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項3】
予め被採取者の各種感染症の有無を確認し、しかも所定期間の健康管理を経た上で口腔粘膜から幹細胞を採取するものとすることで、より健全性に優れた培養試料を得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項4】
被採取者の所定期間の健康管理を主に食事や各種サプリメント類摂取、運動トレーニング指導などの総合的な管理により行うことを特徴とする請求項3に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項5】
培養試料の1回の培養細胞数を10000個以下、望ましくは1000個以下とすることで培養回数過多による再生機能低下を防止することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項6】
バックアップ保存を少なくとも3年毎、望ましくは1年毎に行うことで健全な再生可能性を30年間以上、望ましくは50年間以上確保し保証可能とすることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項7】
再生培養技術を利用した将来の各種処置の費用を保証するための保険契約の内容として幹細胞の培養試料の長期間保存を保険契約者が選択可能なものとすることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項8】
被採取者の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した再生用培養試料の作成、バックアップ試料の作成、それらの健全性の試験・確認、長期間の保存などにかかる費用を所定割合で保険契約料金に組込むことを特徴とする請求項7に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項9】
保存している培養試料の一部を利用して統計的に再生利用頻度の高い組織や器官を予め培養し別途保存しておくことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項10】
予め培養し別途保存しておく組織や器官が毛髪や皮膚であることを特徴とする請求項9に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期間保存システム。
【請求項11】
被採取者や保険契約加入者の意思に従って選択した組織や器官を予め培養し保存しておくことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期保存システム。
【請求項12】
保存している培養試料に関する個別的情報を被採取者や保険契約加入者の要求に応じて開示することを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1つに記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期保存システム。
【請求項13】
保存している培養試料に関する個別的情報を被採取者や保険契約加入者に開示するに際して、生体的認証情報による照合手続きを要求することを特徴とする請求項12に記載の口腔粘膜由来の幹細胞を利用した組織・器官再生用培養試料の長期保存システム。

【図1】
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【公開番号】特開2008−123(P2008−123A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198726(P2006−198726)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(506248694)株式会社TESホールディングス (1)
【Fターム(参考)】