口腔関連圧力測定装置及び圧力測定プローブ
【課題】扁平形状のバルーンを用いた圧力測定プローブを用い、口腔内にバルーンを適切な状態に挿入して良好な測定精度を安定して確保することを可能とする。
【解決手段】弾性材料により形成されたバルーン4をバルーン基材5に保持させて構成された圧力測定プローブ1と、バルーン基材を介してバルーンの内部と連通しその空気圧を伝達する内腔を有する連通部材と、連通部材の後端と接続されて、伝達される空気圧を検出する圧力検知部8とを備える。バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部2a及び受圧部の内部に連通するバルーン管状部2bを備え、バルーン管状部でバルーン基材の先端部に結合している。バルーン基材は、バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブ5cを有する。
【解決手段】弾性材料により形成されたバルーン4をバルーン基材5に保持させて構成された圧力測定プローブ1と、バルーン基材を介してバルーンの内部と連通しその空気圧を伝達する内腔を有する連通部材と、連通部材の後端と接続されて、伝達される空気圧を検出する圧力検知部8とを備える。バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部2a及び受圧部の内部に連通するバルーン管状部2bを備え、バルーン管状部でバルーン基材の先端部に結合している。バルーン基材は、バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブ5cを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定を行うために使用する口腔関連圧力測定装置、および当該装置に使用される圧力測定プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
口腔関連圧力測定装置による測定は、舌、舌下筋肉、唇、頬などの機能を診断する目的で用いられる。それらの診断は、高齢者の摂食・嚥下機能の維持・回復のための治療の一環として、摂食・嚥下機能を解明するために行われる。摂食・嚥下には舌の動きが深く関与しており、食塊の形成及び咽頭への送り込みには舌圧が必要となる。このため、舌圧の測定とその解析が重要な意味を持つ。その他の、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定も、適切な診断を行なうためには重要である。
【0003】
口腔関連圧力測定装置の一例として、特許文献1に開示されている構成を図10に示す。この構成例では、バルーンを押圧部とした圧力測定プローブが用いられる。口腔にバルーンを挿入して舌で押圧することにより、バルーンと連通した変換部で空気圧を検出し電気信号に変換して、口腔関連圧力の測定結果を得ることができる。
【0004】
図10に示す口腔関連圧力測定装置は、圧力測定プローブ20が本体装置21の本体チューブ22と接続された状態により機能する。本体チューブ22は、空気圧を伝達するための適度の肉厚と柔軟性を備え、弁23を介して圧力検知部24に接続されている。圧力検知部24は、空気圧を電気信号に変換する圧力変換器を含み、その出力は、例えばデジタルパネルからなる表示部25に供給される。本体チューブ22と圧力検知部24の間には、弁23を介して加圧部26が接続されている。
【0005】
圧力測定プローブ20は、ゴム製のバルーン27を含み、バルーン27が圧締リング28を用いて、硬質プラスチック製のプローブ管29に接続された構造を有する。圧締リング28により、バルーン27がプローブ管29に対して気密に固定されている。バルーン27のプローブ管29に対する取付部と膨張部の間には、硬質リング30が装着されている。
【0006】
プローブ管29にはオス嵌合部31が設けられ、本体チューブ22に設けられたメス嵌合部32と嵌合させることにより、プローブ管29と本体チューブ22が接続される。オス嵌合部31とメス嵌合部32は、ルアー・テーパーに形成され、嵌合が着脱自在であり、従って、圧力測定プローブ20は本体装置21に対して着脱自在である。これにより、圧力測定プローブ20の部分だけを包装・滅菌したものを提供すれば、この部分だけを使い捨てにして舌圧等の測定の都度交換し、口にくわえる部分は常に清潔なものを使用できる。
【0007】
バルーン27に装着された硬質リング30は、2つの機能を持つ、第1の機能は、バルーン27の根元が切歯圧等によって不要な圧迫を加えられることを防止して、圧力測定に与える悪影響を回避することである。第2の機能は、バルーン27を口腔内に入れた際に、硬質リング30を唇または歯に対して位置決めすることによって、安定した圧力測定を可能にすることである。
【0008】
口腔関連圧力を測定するにあたっては、まず、弁23を開けて加圧部26によりバルーン27内が所定の圧力になるように加圧する。次に、加圧したバルーン27を口に含んで舌で圧迫し最大舌圧や嚥下舌圧等を測定する。バルーン27内の圧力は、例えば10〜30kPa程度に調整される。
【0009】
口腔関連圧力を測定する際には、図11に示すように、硬質リング30が唇または歯33の位置になるように位置決めしてバルーン27を口にくわえる。その状態で舌34によりバルーン27を最大圧力で圧迫すれば、最大舌圧を測定できる。また、液体を口に含んだ状態でバルーン27をくわえ、嚥下動作を行った時の圧力変化を連続的にモニターすれば、嚥下舌圧を測定できる。このようにして、種々の動作を行ったときの圧力を測定することにより、患者の舌の機能を解析することができる。
【0010】
特許文献1に開示された圧力測定プローブ20は、実際の製品としては、例えば図12に圧力測定プローブ20aとして示すような形態で作製される。図10に示した構造の要素部材と実質的に同一の要素部材については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図12では、メス嵌合部32までが圧力測定プローブ20aとして示されている。
【0011】
この圧力測定プローブ20aの製造に際しては、図12に示すとおりの各要素部材がそれぞれ成形され、それらを結合して圧力測定プローブ20aとしての構造体が作製される。すなわち、圧力測定プローブ20aには、硬質リング30、圧締リング28、プローブ管29及びメス嵌合部32が、バルーン27を保持するための部品として用いられる。バルーン27は、図13に示すように、閉鎖状空間を形成する受圧部27aと、受圧部27aの内部に連通するバルーン管状部27bを有し、バルーン管状部27bでプローブ管29と結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−275994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1に開示された圧力測定プローブ20は、測定精度を安定して確保するためには、以下のとおり改良の余地がある。
【0014】
すなわち、精度の高い測定を安定して行うためには、図11に示されるように口腔内にバルーン27を挿入したとき、舌に対して前後方向の位置が適切な範囲になるようにバルーン27を戴置することが必要である。舌でバルーン27を押し潰すときに、バルーン27の中央部が押されることが望ましいからである。これに対して、口腔内の浅い位置でバルーン27を舌の上に戴置した場合は、先端部が押圧されることになり、良好な測定精度を得ることが困難になる。
【0015】
しかしながら、図12に示したような構造には、舌に対するバルーン27の前後方向の位置を調整して戴置するための機能が付与されていない。従って、バルーン27の戴置位置を適切に調整して、良好な測定精度を安定して得ることは困難である。
【0016】
上述の問題を考慮して、本発明は、扁平形状のバルーンを用いた圧力測定プローブを用い、口腔内にバルーンを適切な状態に挿入して良好な測定精度を安定して確保することが可能な口腔関連圧力測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の口腔関連圧力測定装置は、弾性材料により形成されたバルーンをバルーン基材に保持させて構成された圧力測定プローブと、前記バルーン基材を介して前記バルーンの内部と連通しその空気圧を伝達する内腔を有する連通部材と、前記連通部材の後端と接続されて、伝達される空気圧を検出する圧力検知部とを備える。前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している。上記課題を解決するために、前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有する。
【0018】
本発明の圧力測定プローブは、弾性材料により形成されたバルーンと、前記バルーンを保持したバルーン基材とを備え、前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している。上記課題を解決するために、前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有する。
【発明の効果】
【0019】
上記構成によれば、バルーンを口腔内に挿入した際に、バルーン基材に設けられたリブにより、口腔内でのバルーンの位置決めを容易にすることができる。すなわち、リブを歯に当接させれば、口腔内でのバルーンの位置が浅くなり過ぎることを回避でき、バルーンの適切な位置を押し潰して、良好な測定精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態における口腔関連圧力測定装置の概略構成を示す斜視図
【図2】同口腔関連圧力測定装置の測定先端部を構成する圧力測定プローブと把持部が結合された状態を示す斜視図
【図3A】同口腔関連圧力測定装置に用いられる圧力測定プローブを示す斜視図
【図3B】図3Aに示した圧力測定プローブの縦断面図
【図3C】図3BのX−X線に沿ったバルーンの横断面図
【図3D】同口腔関連圧力測定装置に用いられる圧力測定プローブの他の形態を示す斜視図
【図4】同口腔関連圧力測定装置のプローブ装着部材を示す斜視図
【図5】図2に示した測定先端部の構成による機能及び作用効果を説明するための斜視図
【図6】同口腔関連圧力測定装置のプローブ装着部材の他の構成を示す斜視図
【図7】圧力測定プローブの異なる押し潰し方向(角度)について行なった圧力応答性試験の方法を示す正面図
【図8】同圧力応答性試験に用いた試験検体のバルーンの態様を示す正面図
【図9】同圧力応答性試験の結果を示す表
【図10】従来例の口腔関連圧力測定装置の概略構成を示す正面図
【図11】同口腔関連圧力測定装置の一部を構成する圧力測定プローブを使用している状態を示す断面図
【図12】同圧力測定プローブを含む測定先端部の構造を示す斜視図
【図13】同圧力測定プローブの要素であるバルーンの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の口腔関連圧力測定装置は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0022】
すなわち、前記連通部材は、先端部に前記バルーン基材が着脱自在に接続されその後部に把持部が設けられたプローブ装着部材と、前記プローブ装着部材の後端と前記圧力検知部とを接続する連結チューブとを備えた構成であることが好ましい。これにより、圧力測定プローブは、バルーンが一つの要素のバルーン基材により保持されて、プローブ装着部材から切り離された簡素な構造を有し、安価に製造可能である。
【0023】
また、前記バルーン基材の後端部にはプローブコネクタが設けられ、前記プローブ装着部材の先端部には、前記プローブコネクタと着脱自在に接続可能な装着部コネクタが設けられ、それにより、前記圧力測定プローブが、前記圧力検知部を含む本体側に対して着脱自在となっている構成とすることができる。これにより、圧力測定プローブだけを包装・滅菌したものを提供して、この部分を舌圧測定の都度交換可能とすることが容易になる。
【0024】
また、前記バルーンは、前記受圧部における前記バルーン管状部の軸方向に直交する横断面の外周形状が、長軸方向と短軸方向を有する扁平形状であり、前記プローブ装着部材には、その内腔の軸周りの所定の回動角度の方向を認識可能とする角度標識部が設けられ、前記バルーン基材と前記プローブ装着部材が接続された状態で、前記バルーンの扁平形状の長軸方向と前記角度標識部が示す前記回動角度の方向の成す角度が一定の範囲内になるように構成されていることが好ましい。これにより、バルーンの扁平形状の長軸方向とプローブ装着部材の角度標識部が示す回動角度の方向の成す角度が一定の範囲内に制御されるので、口腔内にバルーンを適切な姿勢で挿入することが容易であり、良好な測定精度を安定して確保することが可能である。
【0025】
また、前記把持部は、前記角度標識部に接触するように手で掴んで前記バルーンを口腔内に挿入する操作が可能なように構成され、前記角度標識部は手で接触することにより前記回動角度の方向を認識することが可能であることが好ましい。それにより、目視による確認が不要となり、操作性が向上する。
【0026】
また、前記把持部は、前記管状部の管軸方向を含む平面内において外形が広がった平坦形状を有し、前記把持部が前記角度標識部として機能する構成とすることができる。把持部を掴むことにより、プローブ装着部材の軸周り回動角度の方向が一定となるように操作することが容易である。
【0027】
また、前記バルーン基材には、前記プローブ装着部材との接続側の端部に径大となったフランジ状のシールド部が設けられていることが好ましい。シールド部を設けることにより、圧力測定プローブがコンパクトなものとなっても、測定の際に飲み込んでしまう事故の発生を防止でき、また、圧力測定プローブの側からプローブ装着部材の側への唾液の流れを遮断し、プローブ装着部材を衛生的に維持する効果も得られる。
【0028】
また、前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されていることが好ましい。インサート成型により、バルーンとバルーン基材とが互いに結合した状態が得られるので、接着剤を使用することなくバルーンが固定され、人体に対する安全性を向上させることができる。
【0029】
本発明の圧力測定プローブは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0030】
すなわち、前記バルーン基材の開口端側には、径大となったフランジ状のシールド部が設けられていることが好ましい。シールド部を設けることにより、圧力測定プローブがコンパクトなものとなっても、測定の際に飲み込んでしまう事故の発生を防止でき、また、圧力測定プローブの側からプローブ装着部材の側への唾液の流れを遮断する効果も得られる。
【0031】
また、前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されていることが好ましい。インサート成型により、バルーンとバルーン基材とが互いに結合した状態が得られるので、接着剤を使用することなくバルーンが固定され、人体に対する安全性を向上させることができる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態における口腔関連圧力測定装置について、図面を参照して具体的に説明する。
【0033】
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態である口腔関連圧力測定装置の概略構成を示す斜視図である。本実施の形態における口腔関連圧力測定装置の基本的な構成は、図10に示した従来例の装置と同様である。但し、本実施の形態では、圧力測定プローブの構造が、従来例とは異なる特徴を有する。さらに、バルーンの内部と連通してその空気圧を圧力検知部に伝達するための連通部材の構成が、従来例とは異なる特徴を有する。
【0034】
図1に示す口腔関連圧力測定装置は、圧力測定プローブ1が本体装置2のプローブ装着部材3の先端部と接続された状態により機能する。圧力測定プローブ1は、バルーン4がバルーン基材5に保持された構成を有する。バルーン基材5の開口端は、プローブ装着部材3の先端部と着脱自在に接続可能である。
【0035】
バルーン基材5とプローブ装着部材3が接続された状態を図2に示す。この接続状態により、圧力測定プローブ1がプローブ装着部材3に装着された測定先端部が形成される。口腔関連圧力測定装置の全体構造から見れば、プローブ装着部材3は、圧力測定プローブ1を口腔関連圧力測定装置の本体に着脱自在に装着するための要素を構成している。
【0036】
図1に示されるように、プローブ装着部材3の後端は、チューブコネクタ6aにより連結チューブ6の先端と接続されている。連結チューブ6は空気圧を伝達するための適度の肉厚と柔軟性を備え、その後端は、弁7を介して圧力検知部8に接続されている。プローブ装着部材3と連結チューブ6の連結体により、本体装置2に付属する連通部材が構成される。この連通部材の内腔がバルーン4の内部と連通して、バルーン4の空気圧が圧力検知部8に伝達される。
【0037】
圧力検知部8は、空気圧を電気信号に変換する圧力変換器を含み、その出力は、例えばデジタルパネルからなる表示部9に供給される。連結チューブ6と圧力検知部8の間には、弁7を介して加圧部10が接続されている。
【0038】
圧力測定プローブ1の構造について、図3A〜3Cを参照して説明する。図3Aは、圧力測定プローブ1の斜視図、図3Bはその縦断面図である。バルーン4は弾性材料により形成され、閉鎖状空間を形成する受圧部4aと、受圧部4aの内部に連通するバルーン管状部4bとを備えている。受圧部4aの横断面形状が、図3Cに示される。この受圧部4aの横断面は、図3BのX−X線に沿った断面、すなわち、バルーン管状部4bの管軸方向に直交する断面である。図3Cから判るように、受圧部4aの横断面は、長軸A方向と短軸B方向を有する扁平形状である。
【0039】
バルーン基材5は硬質材料からなり、先端部がバルーン保持部5aを形成し、バルーン管状部4bと結合している。バルーン基材5の後端部には、径大となったフランジ状のシールド部5bが形成されている。バルーン基材5の内腔の後部開口端部には、一例として雌ねじにより構成されたプローブコネクタ11が設けられている。更に、バルーン保持部5aの先端(バルーン4側)には、外周方向に沿って、外方に隆起したリブ5cが設けられている。
【0040】
バルーン基材5は例えば硬質の樹脂材料を用いて、バルーン管状部4bの端部を埋め込んだインサート成型により作製される。インサート成型により、バルーン4とバルーン基材5とが互いに結合した状態が得られている。これにより、接着剤を使用することなくバルーン4が固定され、人体に対する安全性を向上させることができる。
【0041】
図1に示されるように、プローブ装着部材3は、中間部分が管状部3aを形成している。管状部3aの先端側には、装着部コネクタ12が設けられている。管状部3aの後部には、平坦な形状を有する、手で掴むための把持部3bが設けられている。図4に、プローブ装着部材3のみを斜視図で示す。同図に表わされるように、装着部コネクタ12は一例として、プローブコネクタ11と螺合する雄ねじにより構成される。また、プローブ装着部材3の後端には、チューブコネクタ6a(図1、2参照)と結合するチューブ結合部3cが設けられている。
【0042】
把持部3bは、管状部3aの管軸を含む平面に平行な方向において外形が平坦に広がった形状を有する。すなわち、把持部3bは、全体として平坦な構造を形成している。なお、装着部コネクタ12、管状部3a、把持部3b及びチューブ結合部3cには、プローブ装着部材3を縦貫通する内腔が形成されていることは言うまでもない。
【0043】
プローブコネクタ11と装着部コネクタ12の結合により、図2に示したように、バルーン基材5とプローブ装着部材3が着脱自在に接続され、測定先端部が構成される。この結合状態で、把持部3bを手で掴んで操作することにより、バルーン4を口腔内に挿入して舌圧の測定を適切に実施することが可能になる。
【0044】
以上のような口腔関連圧力測定装置の構造によれば、圧力測定プローブ1だけを包装・滅菌したものを提供して、この部分を舌圧測定の都度交換可能とすることができる。それにより、口にくわえる部分の清潔度を、常に維持することができる。しかも、バルーン4を保持するバルーン基材5は、一体の樹脂材料のみで形成された簡素な構造である。
【0045】
すなわち、本実施の形態の圧力測定プローブ1では、図12に示した従来例の圧力測定プローブ20aの構成要素のうち、硬質リング30、圧締リング28がバルーン基材5に集約されて、一体の要素となっている。さらに、プローブ管29は圧力測定プローブ1から切り離されたプローブ装着部材3として、本体側の連通部材の一部を構成している。これにより、圧力測定プローブ1は、図12に示した従来例と比べると極めて簡素であり、使い捨て可能な交換要素として使い易い安価なものとすることが可能となる。
【0046】
しかし、本実施の形態による上記改良の結果、圧力測定プローブ1はバルーン4及びバルーン基材5からなるコンパクトなものとなるため、測定の際に飲み込んでしまう事故の発生が懸念される。バルーン保持部5aの後端のシールド部12は、そのような圧力測定プローブ1の飲み込みを防止する機能を持たせる要素である。また、シールド部12を設けることにより、圧力測定プローブ1の側からプローブ装着部材3の側への唾液の流れを遮断する効果も得られる。
【0047】
一方、バルーン保持部5aに設けられたリブ5cは、バルーン4を口腔内に挿入した際に、歯に当接させて口腔内でのバルーン4の位置決めを容易にする機能を持たせる要素である。良好な測定精度を得るためには、バルーン4は、舌に対して前後方向の位置が適切な範囲になるように戴置されることが必要である。舌でバルーン4を押し潰すときに、バルーン4の受圧部4aの中央部が押されることが望ましいからである。これに対して、口腔内の浅い位置でバルーン4を舌の上に戴置した場合は、受圧部4aの先端部が押圧されることになり、良好な測定精度を得ることが困難になる。従って、リブ5cを設けて、バルーン4の位置が浅くなり過ぎないように位置決め可能とすることは、良好な測定精度を得るために効果的である。
【0048】
位置決めの機能を十分に発揮させるためには、バルーン保持部5aの表面からのリブ5cの隆起高さh(図3B参照)は、0.2〜5mmの範囲とすることが望ましい。但し、この上限値は、実用の支障のない範囲で適宜されるものであり、位置決めの効果に意味があるものではない。また、バルーン4の受圧部4aの中心とリブ5cの軸方向の間隔Lは、10〜25mmの範囲とすることが望ましい。なお、リブ5cを設ける位置は、バルーン保持部5aの先端に制限されることはなく、図3Dに示すように、リブ5dを先端から若干後退した位置に設けることもできる。要するに、バルーン4の受圧部4aやバルーン保持部5aの構造等との関係に応じて、適宜調整すればよい。
【0049】
また、図示されたリブ5cは、バルーン保持部5aの外周方向に連続的に形成されているが、不連続な部分が存在する形状とすることもできる。すなわち、歯に当接させて口腔内でのバルーン4の位置決めを容易にする機能を確保できれば、どのような隆起形状を採用してもよい。
【0050】
なお、バルーン保持部5aのリブ5cを設けることによる上述の効果は、バルーン4の受圧部4aが扁平形状であることに限定されるものではない。すなわち、受圧部4aが円形等の他の形状であっても、口腔内でのバルーンの位置を適切に調整可能とする効果は、同様に得られる。また、リブ5cによる上述の効果は、圧力測定プローブ1が把持部3bを有するプローブ装着部材3に装着される構成であることに限定されるものでもない。すなわち、圧力測定プローブ1のバルーン基材5が連結チューブ6に直接装着される構成であっても、上述の効果は相応に得られる。あるいは、バルーン基材5が十分な長さを有し、把持可能な構成であっても、上述の効果は相応に得られる。
【0051】
更に、本実施の形態において、プローブ装着部材3に設けた把持部3bを、平坦な形状にしたことにより得られる機能について、図5を参照して説明する。図5における前部面Pfは、バルーン4の受圧部4aの長軸A方向を含む面を示す。後部面Prは、把持部3bの平面方向に平行な面を示す。中間面Pmは、バルーン基材5の管軸に平行な特定の面を示す。すなわち、中間面Pmは、バルーン基材5の姿勢に対して一定の関係を有する面である。
【0052】
上述のとおり、バルーン4の受圧部4aの横断面形状は、長軸A方向と短軸B方向を有する扁平形状である。これにより、負荷荷重と検知圧の関係の直線性を向上させて測定精度を改善する効果が得られる。また、横断面が円形の場合と比較して口腔内で安定し易く、舌によって押し潰す時も押し潰し方の個人差が発生し難いので、測定精度を安定させることができる。但し、精度の高い測定を安定して行うためには、口腔内にバルーン4を挿入したとき、受圧部4aの長軸A方向、従って前部面Pfが舌の面に平行になるように舌の上に載置されることが望ましい。
【0053】
そのためには、本実施の形態では、圧力測定プローブ1とプローブ装着部材3の相互の方向性を制御する必要がある。バルーン基材5とプローブ装着部材3が着脱可能になっているので、バルーン基材5の装着状態によっては、口腔内に挿入されたバルーン4の軸周りの回動角度に係る姿勢が変化するからである。すなわち、バルーン4の受圧部4aの長軸Aの方向は、プローブ装着部材3に対する相対的な回動角度の方向が一定になるとは限らない。
【0054】
舌圧を測定するためにバルーン4を口腔内に挿入する際には、被測定者はプローブ装着部材3を掴んで操作する。そこで、プローブ装着部材3に設けられた把持部3bを掴むことにより、プローブ装着部材3の軸周り回動角度の方向が一定となるように、すなわち後部面Prが一定の方向に向けられるように操作することが容易となっている。
【0055】
さらに、プローブコネクタ11と装着部コネクタ12は、相互に接続された状態において、軸周り回動角度の方向の相互関係が一定となるように、接続構造が設定されている。当然のことながら、プローブ装着部材3とバルーン基材5の接続状態における軸周り回動角度の方向の相互関係についても、一定の状態が確保される。従って、後部面Prに対して中間面Pmを平行に設定すれば、プローブ装着部材3とバルーン基材5の接続状態において、後部面Prと中間面Pmは常に平行である。そのような状態は、本実施の形態では、プローブコネクタ11と装着部コネクタ12を雌ねじと雄ねじで構成し、ねじの開始位置を一定に形成することにより得ている。但し、同様な効果を得るための構造はこれに限られず、周知の構造から容易に選択することができる。
【0056】
ここで、バルーン基材5とバルーン4の長軸A方向の、軸周り回動角度の方向の相互関係が一定、すなわち中間面Pmと前部面Pfが常に平行であれば、前部面Pfと後部面Prが平行となる。すなわち、受圧部4aの長軸A方向と、プローブ装着部材3の把持部3bの平面方向が平行になる。従って、プローブ装着部材3を掴んで操作すれば、バルーン4を口腔内に挿入したときに、その長軸A方向が舌の面に平行になるように制御することが容易である。
【0057】
但し、後述するように、バルーン管状部4bの端部を埋め込んでバルーン基材5をインサート成型する際に、軸周り回動角度の方向の相互関係を一定にすること、すなわち、中間面Pmと前部面Pfの平行状態を安定して得ることは困難である。そのため、角度関係のバラツキが、実用上支障のない範囲内に収まるように調整することが望ましい。
【0058】
以上のように、圧力測定プローブ1とプローブ装着部材3の回動角度の相互関係を制御するためには、プローブ装着部材3に、軸周り回動角度の一定の方向を認識可能とする角度標識部を設けることが必要である。把持部3bは角度標識部の一例であり、その平面方向を一定の角度方向として認識することができる。バルーン基材5とプローブ装着部材3が接続された状態で、バルーン4の扁平形状の長軸A方向と角度標識部が示す角度方向の成す角度が所定の範囲内になるように構成される。
【0059】
角度標識部は、手で接触することにより角度方向を認識することが可能である構成とすることが望ましい。それにより、プローブ装着部材3を掴んで操作する際に角度標識部に接触してプローブ装着部材3の角度方向を認識し、受圧部4aの長軸A方向を調整することが容易になる。但し、例えば視認により角度方向を認識することが可能な構成であっても、相応の効果を得ることが可能である。
【0060】
以上のような効果を得るために、角度標識部を形成するプローブ装着部材3の把持部3bは、上述のような平坦形状に限らず、種々の態様を採ることが可能である。例えば、図6に示すような構成とすることもできる。同図に示すプローブ装着部材13は、把持部14が、中軸部14aと、その両側部に配置された側枝部14bとからなり、全体として平坦な構造を形成している。なお、中軸部14aには、プローブ装着部材13を縦貫通する内腔が形成されている。把持部は、その他、楕円形、円形、四角形等の平坦形状とすることもできる。平坦であれば、どのような形状を採用することも可能である。また、把持部が管状部3aと同じ厚みであれば、さらに持ち易いので好ましい。
【0061】
次に、インサート成型されたバルーン基材5の装着部コネクタ12と、受圧部4aの長軸A方向を含む面が成す角度、すなわち、中間面Pmと前部面Pfが成す角度の、実用的に十分な舌圧測定精度を得るための範囲を検討した結果について説明する。
【0062】
上述のとおり、バルーン基材5とプローブ装着部材3の間の二面角、すなわち中間面Pmと後部面Prの間の角度は、設計により、例えば、プローブコネクタ11と装着部コネクタ12のネジの開始位置を適切に設定することにより制御可能である。しかしながら、バルーン4とバルーン基材5の間の二面角、すなわち前部面Pfと中間面Pmの間の角度は、インサート成形時にずれる可能性が高いことから、設計により回避することは困難である。この角度ずれが著しい場合、測定時にバルーン4が適切な方向で押し潰されない可能性がある。
【0063】
そこで、バルーン4の押し潰し方向の違いが、口腔関連圧力測定装置としての圧力応答性に及ぼす影響を検証するため、異なる押し潰し方向(角度)の条件について圧力応答性試験を行い、バルーン4とバルーン基材5の間の二面角のずれ、従って、バルーン4とプローブ装着部材3の把持部3bの角度ずれの許容範囲を求めた。
【0064】
<試験方法>
図7に示すように、圧力測定プローブ1、連結チューブ6、及びデジタル舌圧計15を接続し、バルーン4の内圧が19.6kPaとなるように加圧した。次に、引張試験機16により荷重を制御しながら圧力測定プローブ1のバルーン4を押し潰し、各荷重に対してデジタル舌圧計15に表示される最大圧を記録した。
【0065】
荷重は、5,10,15,20,30,40,50,60Nの計8点、試験検体数n=5とした。押し潰し速度は、20mm/minとした。各試験検体のバルーンの態様を図8に示す。押し潰し方向は、「バルーンのイメージ図」として示される各バルーンに対する上下方向である。
【0066】
<試験結果>
試験結果のデータを図9に示す。図9の数値データを見ると、押し潰し角度が大きくなるに従って、以下の3点の傾向が認められる。
(1)データのバラツキ(±3σ)が大きくなる(高密度ドット付与領域のデータ)。
(2)平均値が小さくなる傾向にある領域がある(低密度ドット付与領域の斜字データ)。
(3)平均値が大きくなる傾向にある領域がある(低密度ドット付与領域のデータ)。
【0067】
このように、バルーンの押し潰し角度は、口腔関連圧力測定装置としての性能、すなわち測定精度、及び圧力応答性能に影響を及ぼすことが明らかとなった。これに対処するためには、バルーン4とバルーン基材5の間の二面角のずれについて、許容範囲を設定することが望ましい。
【0068】
<試験結果に基づく角度ずれ許容範囲の設定>
図9の表に示した結果より、各荷重において表示された最大圧の平均値のバラツキとして、±3σを評価した。評価基準は、「最大圧の平均値のバラツキ(±3σ)が2kPa以内であること」とした。その結果、これを満足するバルーン4とバルーン基材5の間の二面角のずれは、15°以下とすることが望ましいことが判った。すなわち、精度の良い測定結果を得るためには、バルーン4の扁平形状の長軸方向とプローブ装着部材3の把持部3b(角度標識部)が示す角度方向の成す角度が、0度〜15度の範囲内であることが望ましい。
【0069】
但し、この許容範囲の条件を満たさない場合でも、実用上の状況によっては、適切な測定結果を得ることが可能である。
【0070】
以上のような、本実施の形態における口腔関連圧力測定装置を構成するために、バルーン4の材質の例としては、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴムなどの弾性材料が好ましいが、軟質プラスチックなどの可撓性材料を使用することもできる。弾性材料の場合には、材料を医療用バルーンや風船と同様の成形技術で製造すればよい。また、可撓性材料の場合には、フィルムを袋状に成形することにより製造できる。
【0071】
また、バルーン基材5の材質は、バルーン4を口にくわえる際に保持しやすいことから、硬質材料が好ましい。とくに好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどの硬質プラスチックである。また、連結チューブ6については、軟質ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、軟質ポリプロピレン、軟質ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体などの軟質プラスチックで形成されていることが、操作性の点で好ましい。しかし、あまりに柔軟で肉薄であると正確な圧力測定が困難になるので、適度の柔軟性と肉厚を備えたチューブが好ましい。
【0072】
圧力検知部8は、例えば、圧力導入型ひずみゲージ式圧力変換器を用いて、空気圧を電気信号に変換するように構成する。表示部9に出力する前に信号を増幅するためのアンプを含んでも良い。圧力変換器としては、他のどのようなタイプのものを用いてもよい。なお、弁7は、加圧部10の構造によっては、必須ではなく、加圧部10を連結チューブ6に直結した構造も可能である。
【0073】
なお、上述した実施の形態では舌圧の測定について説明したが、同様の構成を用いて、舌下筋圧、口唇圧、頬圧などの口腔内関連の圧力を測定することができる。その場合、目的に応じて、バルーンの大きさ、チューブの太さ、形状などを変えて、目的に合ったものを使用することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の口腔関連圧力測定装置によれば、口腔内にバルーンを適切な状態で挿入することが容易であり、良好な測定精度を安定して確保することが可能であるので、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの測定を行う装置として有用である。
【符号の説明】
【0075】
1、20、20a 圧力測定プローブ
2、21 本体装置
3、13 プローブ装着部材
3a 管状部
3b、14 把持部
3c チューブ結合部
4、27 バルーン
4a、27a 受圧部
4b、27b バルーン管状部
5 バルーン基材
5a バルーン保持部
5b シールド部
5c、5d リブ
6 連結チューブ
6a チューブコネクタ
7、23 弁
8、24 圧力検知部
9、25 表示部
10、26 加圧部
11 プローブコネクタ
12 装着部コネクタ
14a 中軸部
14b 側枝部
22 本体チューブ
28 圧締リング
29 プローブ管
30 硬質リング
31 オス嵌合部
32 メス嵌合部
33 歯
34 舌
A 長軸
B 短軸
Pf 前部面
Pm 中間面
Pr 後部面
【技術分野】
【0001】
本発明は、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定を行うために使用する口腔関連圧力測定装置、および当該装置に使用される圧力測定プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
口腔関連圧力測定装置による測定は、舌、舌下筋肉、唇、頬などの機能を診断する目的で用いられる。それらの診断は、高齢者の摂食・嚥下機能の維持・回復のための治療の一環として、摂食・嚥下機能を解明するために行われる。摂食・嚥下には舌の動きが深く関与しており、食塊の形成及び咽頭への送り込みには舌圧が必要となる。このため、舌圧の測定とその解析が重要な意味を持つ。その他の、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定も、適切な診断を行なうためには重要である。
【0003】
口腔関連圧力測定装置の一例として、特許文献1に開示されている構成を図10に示す。この構成例では、バルーンを押圧部とした圧力測定プローブが用いられる。口腔にバルーンを挿入して舌で押圧することにより、バルーンと連通した変換部で空気圧を検出し電気信号に変換して、口腔関連圧力の測定結果を得ることができる。
【0004】
図10に示す口腔関連圧力測定装置は、圧力測定プローブ20が本体装置21の本体チューブ22と接続された状態により機能する。本体チューブ22は、空気圧を伝達するための適度の肉厚と柔軟性を備え、弁23を介して圧力検知部24に接続されている。圧力検知部24は、空気圧を電気信号に変換する圧力変換器を含み、その出力は、例えばデジタルパネルからなる表示部25に供給される。本体チューブ22と圧力検知部24の間には、弁23を介して加圧部26が接続されている。
【0005】
圧力測定プローブ20は、ゴム製のバルーン27を含み、バルーン27が圧締リング28を用いて、硬質プラスチック製のプローブ管29に接続された構造を有する。圧締リング28により、バルーン27がプローブ管29に対して気密に固定されている。バルーン27のプローブ管29に対する取付部と膨張部の間には、硬質リング30が装着されている。
【0006】
プローブ管29にはオス嵌合部31が設けられ、本体チューブ22に設けられたメス嵌合部32と嵌合させることにより、プローブ管29と本体チューブ22が接続される。オス嵌合部31とメス嵌合部32は、ルアー・テーパーに形成され、嵌合が着脱自在であり、従って、圧力測定プローブ20は本体装置21に対して着脱自在である。これにより、圧力測定プローブ20の部分だけを包装・滅菌したものを提供すれば、この部分だけを使い捨てにして舌圧等の測定の都度交換し、口にくわえる部分は常に清潔なものを使用できる。
【0007】
バルーン27に装着された硬質リング30は、2つの機能を持つ、第1の機能は、バルーン27の根元が切歯圧等によって不要な圧迫を加えられることを防止して、圧力測定に与える悪影響を回避することである。第2の機能は、バルーン27を口腔内に入れた際に、硬質リング30を唇または歯に対して位置決めすることによって、安定した圧力測定を可能にすることである。
【0008】
口腔関連圧力を測定するにあたっては、まず、弁23を開けて加圧部26によりバルーン27内が所定の圧力になるように加圧する。次に、加圧したバルーン27を口に含んで舌で圧迫し最大舌圧や嚥下舌圧等を測定する。バルーン27内の圧力は、例えば10〜30kPa程度に調整される。
【0009】
口腔関連圧力を測定する際には、図11に示すように、硬質リング30が唇または歯33の位置になるように位置決めしてバルーン27を口にくわえる。その状態で舌34によりバルーン27を最大圧力で圧迫すれば、最大舌圧を測定できる。また、液体を口に含んだ状態でバルーン27をくわえ、嚥下動作を行った時の圧力変化を連続的にモニターすれば、嚥下舌圧を測定できる。このようにして、種々の動作を行ったときの圧力を測定することにより、患者の舌の機能を解析することができる。
【0010】
特許文献1に開示された圧力測定プローブ20は、実際の製品としては、例えば図12に圧力測定プローブ20aとして示すような形態で作製される。図10に示した構造の要素部材と実質的に同一の要素部材については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図12では、メス嵌合部32までが圧力測定プローブ20aとして示されている。
【0011】
この圧力測定プローブ20aの製造に際しては、図12に示すとおりの各要素部材がそれぞれ成形され、それらを結合して圧力測定プローブ20aとしての構造体が作製される。すなわち、圧力測定プローブ20aには、硬質リング30、圧締リング28、プローブ管29及びメス嵌合部32が、バルーン27を保持するための部品として用いられる。バルーン27は、図13に示すように、閉鎖状空間を形成する受圧部27aと、受圧部27aの内部に連通するバルーン管状部27bを有し、バルーン管状部27bでプローブ管29と結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−275994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1に開示された圧力測定プローブ20は、測定精度を安定して確保するためには、以下のとおり改良の余地がある。
【0014】
すなわち、精度の高い測定を安定して行うためには、図11に示されるように口腔内にバルーン27を挿入したとき、舌に対して前後方向の位置が適切な範囲になるようにバルーン27を戴置することが必要である。舌でバルーン27を押し潰すときに、バルーン27の中央部が押されることが望ましいからである。これに対して、口腔内の浅い位置でバルーン27を舌の上に戴置した場合は、先端部が押圧されることになり、良好な測定精度を得ることが困難になる。
【0015】
しかしながら、図12に示したような構造には、舌に対するバルーン27の前後方向の位置を調整して戴置するための機能が付与されていない。従って、バルーン27の戴置位置を適切に調整して、良好な測定精度を安定して得ることは困難である。
【0016】
上述の問題を考慮して、本発明は、扁平形状のバルーンを用いた圧力測定プローブを用い、口腔内にバルーンを適切な状態に挿入して良好な測定精度を安定して確保することが可能な口腔関連圧力測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の口腔関連圧力測定装置は、弾性材料により形成されたバルーンをバルーン基材に保持させて構成された圧力測定プローブと、前記バルーン基材を介して前記バルーンの内部と連通しその空気圧を伝達する内腔を有する連通部材と、前記連通部材の後端と接続されて、伝達される空気圧を検出する圧力検知部とを備える。前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している。上記課題を解決するために、前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有する。
【0018】
本発明の圧力測定プローブは、弾性材料により形成されたバルーンと、前記バルーンを保持したバルーン基材とを備え、前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している。上記課題を解決するために、前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有する。
【発明の効果】
【0019】
上記構成によれば、バルーンを口腔内に挿入した際に、バルーン基材に設けられたリブにより、口腔内でのバルーンの位置決めを容易にすることができる。すなわち、リブを歯に当接させれば、口腔内でのバルーンの位置が浅くなり過ぎることを回避でき、バルーンの適切な位置を押し潰して、良好な測定精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態における口腔関連圧力測定装置の概略構成を示す斜視図
【図2】同口腔関連圧力測定装置の測定先端部を構成する圧力測定プローブと把持部が結合された状態を示す斜視図
【図3A】同口腔関連圧力測定装置に用いられる圧力測定プローブを示す斜視図
【図3B】図3Aに示した圧力測定プローブの縦断面図
【図3C】図3BのX−X線に沿ったバルーンの横断面図
【図3D】同口腔関連圧力測定装置に用いられる圧力測定プローブの他の形態を示す斜視図
【図4】同口腔関連圧力測定装置のプローブ装着部材を示す斜視図
【図5】図2に示した測定先端部の構成による機能及び作用効果を説明するための斜視図
【図6】同口腔関連圧力測定装置のプローブ装着部材の他の構成を示す斜視図
【図7】圧力測定プローブの異なる押し潰し方向(角度)について行なった圧力応答性試験の方法を示す正面図
【図8】同圧力応答性試験に用いた試験検体のバルーンの態様を示す正面図
【図9】同圧力応答性試験の結果を示す表
【図10】従来例の口腔関連圧力測定装置の概略構成を示す正面図
【図11】同口腔関連圧力測定装置の一部を構成する圧力測定プローブを使用している状態を示す断面図
【図12】同圧力測定プローブを含む測定先端部の構造を示す斜視図
【図13】同圧力測定プローブの要素であるバルーンの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の口腔関連圧力測定装置は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0022】
すなわち、前記連通部材は、先端部に前記バルーン基材が着脱自在に接続されその後部に把持部が設けられたプローブ装着部材と、前記プローブ装着部材の後端と前記圧力検知部とを接続する連結チューブとを備えた構成であることが好ましい。これにより、圧力測定プローブは、バルーンが一つの要素のバルーン基材により保持されて、プローブ装着部材から切り離された簡素な構造を有し、安価に製造可能である。
【0023】
また、前記バルーン基材の後端部にはプローブコネクタが設けられ、前記プローブ装着部材の先端部には、前記プローブコネクタと着脱自在に接続可能な装着部コネクタが設けられ、それにより、前記圧力測定プローブが、前記圧力検知部を含む本体側に対して着脱自在となっている構成とすることができる。これにより、圧力測定プローブだけを包装・滅菌したものを提供して、この部分を舌圧測定の都度交換可能とすることが容易になる。
【0024】
また、前記バルーンは、前記受圧部における前記バルーン管状部の軸方向に直交する横断面の外周形状が、長軸方向と短軸方向を有する扁平形状であり、前記プローブ装着部材には、その内腔の軸周りの所定の回動角度の方向を認識可能とする角度標識部が設けられ、前記バルーン基材と前記プローブ装着部材が接続された状態で、前記バルーンの扁平形状の長軸方向と前記角度標識部が示す前記回動角度の方向の成す角度が一定の範囲内になるように構成されていることが好ましい。これにより、バルーンの扁平形状の長軸方向とプローブ装着部材の角度標識部が示す回動角度の方向の成す角度が一定の範囲内に制御されるので、口腔内にバルーンを適切な姿勢で挿入することが容易であり、良好な測定精度を安定して確保することが可能である。
【0025】
また、前記把持部は、前記角度標識部に接触するように手で掴んで前記バルーンを口腔内に挿入する操作が可能なように構成され、前記角度標識部は手で接触することにより前記回動角度の方向を認識することが可能であることが好ましい。それにより、目視による確認が不要となり、操作性が向上する。
【0026】
また、前記把持部は、前記管状部の管軸方向を含む平面内において外形が広がった平坦形状を有し、前記把持部が前記角度標識部として機能する構成とすることができる。把持部を掴むことにより、プローブ装着部材の軸周り回動角度の方向が一定となるように操作することが容易である。
【0027】
また、前記バルーン基材には、前記プローブ装着部材との接続側の端部に径大となったフランジ状のシールド部が設けられていることが好ましい。シールド部を設けることにより、圧力測定プローブがコンパクトなものとなっても、測定の際に飲み込んでしまう事故の発生を防止でき、また、圧力測定プローブの側からプローブ装着部材の側への唾液の流れを遮断し、プローブ装着部材を衛生的に維持する効果も得られる。
【0028】
また、前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されていることが好ましい。インサート成型により、バルーンとバルーン基材とが互いに結合した状態が得られるので、接着剤を使用することなくバルーンが固定され、人体に対する安全性を向上させることができる。
【0029】
本発明の圧力測定プローブは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0030】
すなわち、前記バルーン基材の開口端側には、径大となったフランジ状のシールド部が設けられていることが好ましい。シールド部を設けることにより、圧力測定プローブがコンパクトなものとなっても、測定の際に飲み込んでしまう事故の発生を防止でき、また、圧力測定プローブの側からプローブ装着部材の側への唾液の流れを遮断する効果も得られる。
【0031】
また、前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されていることが好ましい。インサート成型により、バルーンとバルーン基材とが互いに結合した状態が得られるので、接着剤を使用することなくバルーンが固定され、人体に対する安全性を向上させることができる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態における口腔関連圧力測定装置について、図面を参照して具体的に説明する。
【0033】
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態である口腔関連圧力測定装置の概略構成を示す斜視図である。本実施の形態における口腔関連圧力測定装置の基本的な構成は、図10に示した従来例の装置と同様である。但し、本実施の形態では、圧力測定プローブの構造が、従来例とは異なる特徴を有する。さらに、バルーンの内部と連通してその空気圧を圧力検知部に伝達するための連通部材の構成が、従来例とは異なる特徴を有する。
【0034】
図1に示す口腔関連圧力測定装置は、圧力測定プローブ1が本体装置2のプローブ装着部材3の先端部と接続された状態により機能する。圧力測定プローブ1は、バルーン4がバルーン基材5に保持された構成を有する。バルーン基材5の開口端は、プローブ装着部材3の先端部と着脱自在に接続可能である。
【0035】
バルーン基材5とプローブ装着部材3が接続された状態を図2に示す。この接続状態により、圧力測定プローブ1がプローブ装着部材3に装着された測定先端部が形成される。口腔関連圧力測定装置の全体構造から見れば、プローブ装着部材3は、圧力測定プローブ1を口腔関連圧力測定装置の本体に着脱自在に装着するための要素を構成している。
【0036】
図1に示されるように、プローブ装着部材3の後端は、チューブコネクタ6aにより連結チューブ6の先端と接続されている。連結チューブ6は空気圧を伝達するための適度の肉厚と柔軟性を備え、その後端は、弁7を介して圧力検知部8に接続されている。プローブ装着部材3と連結チューブ6の連結体により、本体装置2に付属する連通部材が構成される。この連通部材の内腔がバルーン4の内部と連通して、バルーン4の空気圧が圧力検知部8に伝達される。
【0037】
圧力検知部8は、空気圧を電気信号に変換する圧力変換器を含み、その出力は、例えばデジタルパネルからなる表示部9に供給される。連結チューブ6と圧力検知部8の間には、弁7を介して加圧部10が接続されている。
【0038】
圧力測定プローブ1の構造について、図3A〜3Cを参照して説明する。図3Aは、圧力測定プローブ1の斜視図、図3Bはその縦断面図である。バルーン4は弾性材料により形成され、閉鎖状空間を形成する受圧部4aと、受圧部4aの内部に連通するバルーン管状部4bとを備えている。受圧部4aの横断面形状が、図3Cに示される。この受圧部4aの横断面は、図3BのX−X線に沿った断面、すなわち、バルーン管状部4bの管軸方向に直交する断面である。図3Cから判るように、受圧部4aの横断面は、長軸A方向と短軸B方向を有する扁平形状である。
【0039】
バルーン基材5は硬質材料からなり、先端部がバルーン保持部5aを形成し、バルーン管状部4bと結合している。バルーン基材5の後端部には、径大となったフランジ状のシールド部5bが形成されている。バルーン基材5の内腔の後部開口端部には、一例として雌ねじにより構成されたプローブコネクタ11が設けられている。更に、バルーン保持部5aの先端(バルーン4側)には、外周方向に沿って、外方に隆起したリブ5cが設けられている。
【0040】
バルーン基材5は例えば硬質の樹脂材料を用いて、バルーン管状部4bの端部を埋め込んだインサート成型により作製される。インサート成型により、バルーン4とバルーン基材5とが互いに結合した状態が得られている。これにより、接着剤を使用することなくバルーン4が固定され、人体に対する安全性を向上させることができる。
【0041】
図1に示されるように、プローブ装着部材3は、中間部分が管状部3aを形成している。管状部3aの先端側には、装着部コネクタ12が設けられている。管状部3aの後部には、平坦な形状を有する、手で掴むための把持部3bが設けられている。図4に、プローブ装着部材3のみを斜視図で示す。同図に表わされるように、装着部コネクタ12は一例として、プローブコネクタ11と螺合する雄ねじにより構成される。また、プローブ装着部材3の後端には、チューブコネクタ6a(図1、2参照)と結合するチューブ結合部3cが設けられている。
【0042】
把持部3bは、管状部3aの管軸を含む平面に平行な方向において外形が平坦に広がった形状を有する。すなわち、把持部3bは、全体として平坦な構造を形成している。なお、装着部コネクタ12、管状部3a、把持部3b及びチューブ結合部3cには、プローブ装着部材3を縦貫通する内腔が形成されていることは言うまでもない。
【0043】
プローブコネクタ11と装着部コネクタ12の結合により、図2に示したように、バルーン基材5とプローブ装着部材3が着脱自在に接続され、測定先端部が構成される。この結合状態で、把持部3bを手で掴んで操作することにより、バルーン4を口腔内に挿入して舌圧の測定を適切に実施することが可能になる。
【0044】
以上のような口腔関連圧力測定装置の構造によれば、圧力測定プローブ1だけを包装・滅菌したものを提供して、この部分を舌圧測定の都度交換可能とすることができる。それにより、口にくわえる部分の清潔度を、常に維持することができる。しかも、バルーン4を保持するバルーン基材5は、一体の樹脂材料のみで形成された簡素な構造である。
【0045】
すなわち、本実施の形態の圧力測定プローブ1では、図12に示した従来例の圧力測定プローブ20aの構成要素のうち、硬質リング30、圧締リング28がバルーン基材5に集約されて、一体の要素となっている。さらに、プローブ管29は圧力測定プローブ1から切り離されたプローブ装着部材3として、本体側の連通部材の一部を構成している。これにより、圧力測定プローブ1は、図12に示した従来例と比べると極めて簡素であり、使い捨て可能な交換要素として使い易い安価なものとすることが可能となる。
【0046】
しかし、本実施の形態による上記改良の結果、圧力測定プローブ1はバルーン4及びバルーン基材5からなるコンパクトなものとなるため、測定の際に飲み込んでしまう事故の発生が懸念される。バルーン保持部5aの後端のシールド部12は、そのような圧力測定プローブ1の飲み込みを防止する機能を持たせる要素である。また、シールド部12を設けることにより、圧力測定プローブ1の側からプローブ装着部材3の側への唾液の流れを遮断する効果も得られる。
【0047】
一方、バルーン保持部5aに設けられたリブ5cは、バルーン4を口腔内に挿入した際に、歯に当接させて口腔内でのバルーン4の位置決めを容易にする機能を持たせる要素である。良好な測定精度を得るためには、バルーン4は、舌に対して前後方向の位置が適切な範囲になるように戴置されることが必要である。舌でバルーン4を押し潰すときに、バルーン4の受圧部4aの中央部が押されることが望ましいからである。これに対して、口腔内の浅い位置でバルーン4を舌の上に戴置した場合は、受圧部4aの先端部が押圧されることになり、良好な測定精度を得ることが困難になる。従って、リブ5cを設けて、バルーン4の位置が浅くなり過ぎないように位置決め可能とすることは、良好な測定精度を得るために効果的である。
【0048】
位置決めの機能を十分に発揮させるためには、バルーン保持部5aの表面からのリブ5cの隆起高さh(図3B参照)は、0.2〜5mmの範囲とすることが望ましい。但し、この上限値は、実用の支障のない範囲で適宜されるものであり、位置決めの効果に意味があるものではない。また、バルーン4の受圧部4aの中心とリブ5cの軸方向の間隔Lは、10〜25mmの範囲とすることが望ましい。なお、リブ5cを設ける位置は、バルーン保持部5aの先端に制限されることはなく、図3Dに示すように、リブ5dを先端から若干後退した位置に設けることもできる。要するに、バルーン4の受圧部4aやバルーン保持部5aの構造等との関係に応じて、適宜調整すればよい。
【0049】
また、図示されたリブ5cは、バルーン保持部5aの外周方向に連続的に形成されているが、不連続な部分が存在する形状とすることもできる。すなわち、歯に当接させて口腔内でのバルーン4の位置決めを容易にする機能を確保できれば、どのような隆起形状を採用してもよい。
【0050】
なお、バルーン保持部5aのリブ5cを設けることによる上述の効果は、バルーン4の受圧部4aが扁平形状であることに限定されるものではない。すなわち、受圧部4aが円形等の他の形状であっても、口腔内でのバルーンの位置を適切に調整可能とする効果は、同様に得られる。また、リブ5cによる上述の効果は、圧力測定プローブ1が把持部3bを有するプローブ装着部材3に装着される構成であることに限定されるものでもない。すなわち、圧力測定プローブ1のバルーン基材5が連結チューブ6に直接装着される構成であっても、上述の効果は相応に得られる。あるいは、バルーン基材5が十分な長さを有し、把持可能な構成であっても、上述の効果は相応に得られる。
【0051】
更に、本実施の形態において、プローブ装着部材3に設けた把持部3bを、平坦な形状にしたことにより得られる機能について、図5を参照して説明する。図5における前部面Pfは、バルーン4の受圧部4aの長軸A方向を含む面を示す。後部面Prは、把持部3bの平面方向に平行な面を示す。中間面Pmは、バルーン基材5の管軸に平行な特定の面を示す。すなわち、中間面Pmは、バルーン基材5の姿勢に対して一定の関係を有する面である。
【0052】
上述のとおり、バルーン4の受圧部4aの横断面形状は、長軸A方向と短軸B方向を有する扁平形状である。これにより、負荷荷重と検知圧の関係の直線性を向上させて測定精度を改善する効果が得られる。また、横断面が円形の場合と比較して口腔内で安定し易く、舌によって押し潰す時も押し潰し方の個人差が発生し難いので、測定精度を安定させることができる。但し、精度の高い測定を安定して行うためには、口腔内にバルーン4を挿入したとき、受圧部4aの長軸A方向、従って前部面Pfが舌の面に平行になるように舌の上に載置されることが望ましい。
【0053】
そのためには、本実施の形態では、圧力測定プローブ1とプローブ装着部材3の相互の方向性を制御する必要がある。バルーン基材5とプローブ装着部材3が着脱可能になっているので、バルーン基材5の装着状態によっては、口腔内に挿入されたバルーン4の軸周りの回動角度に係る姿勢が変化するからである。すなわち、バルーン4の受圧部4aの長軸Aの方向は、プローブ装着部材3に対する相対的な回動角度の方向が一定になるとは限らない。
【0054】
舌圧を測定するためにバルーン4を口腔内に挿入する際には、被測定者はプローブ装着部材3を掴んで操作する。そこで、プローブ装着部材3に設けられた把持部3bを掴むことにより、プローブ装着部材3の軸周り回動角度の方向が一定となるように、すなわち後部面Prが一定の方向に向けられるように操作することが容易となっている。
【0055】
さらに、プローブコネクタ11と装着部コネクタ12は、相互に接続された状態において、軸周り回動角度の方向の相互関係が一定となるように、接続構造が設定されている。当然のことながら、プローブ装着部材3とバルーン基材5の接続状態における軸周り回動角度の方向の相互関係についても、一定の状態が確保される。従って、後部面Prに対して中間面Pmを平行に設定すれば、プローブ装着部材3とバルーン基材5の接続状態において、後部面Prと中間面Pmは常に平行である。そのような状態は、本実施の形態では、プローブコネクタ11と装着部コネクタ12を雌ねじと雄ねじで構成し、ねじの開始位置を一定に形成することにより得ている。但し、同様な効果を得るための構造はこれに限られず、周知の構造から容易に選択することができる。
【0056】
ここで、バルーン基材5とバルーン4の長軸A方向の、軸周り回動角度の方向の相互関係が一定、すなわち中間面Pmと前部面Pfが常に平行であれば、前部面Pfと後部面Prが平行となる。すなわち、受圧部4aの長軸A方向と、プローブ装着部材3の把持部3bの平面方向が平行になる。従って、プローブ装着部材3を掴んで操作すれば、バルーン4を口腔内に挿入したときに、その長軸A方向が舌の面に平行になるように制御することが容易である。
【0057】
但し、後述するように、バルーン管状部4bの端部を埋め込んでバルーン基材5をインサート成型する際に、軸周り回動角度の方向の相互関係を一定にすること、すなわち、中間面Pmと前部面Pfの平行状態を安定して得ることは困難である。そのため、角度関係のバラツキが、実用上支障のない範囲内に収まるように調整することが望ましい。
【0058】
以上のように、圧力測定プローブ1とプローブ装着部材3の回動角度の相互関係を制御するためには、プローブ装着部材3に、軸周り回動角度の一定の方向を認識可能とする角度標識部を設けることが必要である。把持部3bは角度標識部の一例であり、その平面方向を一定の角度方向として認識することができる。バルーン基材5とプローブ装着部材3が接続された状態で、バルーン4の扁平形状の長軸A方向と角度標識部が示す角度方向の成す角度が所定の範囲内になるように構成される。
【0059】
角度標識部は、手で接触することにより角度方向を認識することが可能である構成とすることが望ましい。それにより、プローブ装着部材3を掴んで操作する際に角度標識部に接触してプローブ装着部材3の角度方向を認識し、受圧部4aの長軸A方向を調整することが容易になる。但し、例えば視認により角度方向を認識することが可能な構成であっても、相応の効果を得ることが可能である。
【0060】
以上のような効果を得るために、角度標識部を形成するプローブ装着部材3の把持部3bは、上述のような平坦形状に限らず、種々の態様を採ることが可能である。例えば、図6に示すような構成とすることもできる。同図に示すプローブ装着部材13は、把持部14が、中軸部14aと、その両側部に配置された側枝部14bとからなり、全体として平坦な構造を形成している。なお、中軸部14aには、プローブ装着部材13を縦貫通する内腔が形成されている。把持部は、その他、楕円形、円形、四角形等の平坦形状とすることもできる。平坦であれば、どのような形状を採用することも可能である。また、把持部が管状部3aと同じ厚みであれば、さらに持ち易いので好ましい。
【0061】
次に、インサート成型されたバルーン基材5の装着部コネクタ12と、受圧部4aの長軸A方向を含む面が成す角度、すなわち、中間面Pmと前部面Pfが成す角度の、実用的に十分な舌圧測定精度を得るための範囲を検討した結果について説明する。
【0062】
上述のとおり、バルーン基材5とプローブ装着部材3の間の二面角、すなわち中間面Pmと後部面Prの間の角度は、設計により、例えば、プローブコネクタ11と装着部コネクタ12のネジの開始位置を適切に設定することにより制御可能である。しかしながら、バルーン4とバルーン基材5の間の二面角、すなわち前部面Pfと中間面Pmの間の角度は、インサート成形時にずれる可能性が高いことから、設計により回避することは困難である。この角度ずれが著しい場合、測定時にバルーン4が適切な方向で押し潰されない可能性がある。
【0063】
そこで、バルーン4の押し潰し方向の違いが、口腔関連圧力測定装置としての圧力応答性に及ぼす影響を検証するため、異なる押し潰し方向(角度)の条件について圧力応答性試験を行い、バルーン4とバルーン基材5の間の二面角のずれ、従って、バルーン4とプローブ装着部材3の把持部3bの角度ずれの許容範囲を求めた。
【0064】
<試験方法>
図7に示すように、圧力測定プローブ1、連結チューブ6、及びデジタル舌圧計15を接続し、バルーン4の内圧が19.6kPaとなるように加圧した。次に、引張試験機16により荷重を制御しながら圧力測定プローブ1のバルーン4を押し潰し、各荷重に対してデジタル舌圧計15に表示される最大圧を記録した。
【0065】
荷重は、5,10,15,20,30,40,50,60Nの計8点、試験検体数n=5とした。押し潰し速度は、20mm/minとした。各試験検体のバルーンの態様を図8に示す。押し潰し方向は、「バルーンのイメージ図」として示される各バルーンに対する上下方向である。
【0066】
<試験結果>
試験結果のデータを図9に示す。図9の数値データを見ると、押し潰し角度が大きくなるに従って、以下の3点の傾向が認められる。
(1)データのバラツキ(±3σ)が大きくなる(高密度ドット付与領域のデータ)。
(2)平均値が小さくなる傾向にある領域がある(低密度ドット付与領域の斜字データ)。
(3)平均値が大きくなる傾向にある領域がある(低密度ドット付与領域のデータ)。
【0067】
このように、バルーンの押し潰し角度は、口腔関連圧力測定装置としての性能、すなわち測定精度、及び圧力応答性能に影響を及ぼすことが明らかとなった。これに対処するためには、バルーン4とバルーン基材5の間の二面角のずれについて、許容範囲を設定することが望ましい。
【0068】
<試験結果に基づく角度ずれ許容範囲の設定>
図9の表に示した結果より、各荷重において表示された最大圧の平均値のバラツキとして、±3σを評価した。評価基準は、「最大圧の平均値のバラツキ(±3σ)が2kPa以内であること」とした。その結果、これを満足するバルーン4とバルーン基材5の間の二面角のずれは、15°以下とすることが望ましいことが判った。すなわち、精度の良い測定結果を得るためには、バルーン4の扁平形状の長軸方向とプローブ装着部材3の把持部3b(角度標識部)が示す角度方向の成す角度が、0度〜15度の範囲内であることが望ましい。
【0069】
但し、この許容範囲の条件を満たさない場合でも、実用上の状況によっては、適切な測定結果を得ることが可能である。
【0070】
以上のような、本実施の形態における口腔関連圧力測定装置を構成するために、バルーン4の材質の例としては、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴムなどの弾性材料が好ましいが、軟質プラスチックなどの可撓性材料を使用することもできる。弾性材料の場合には、材料を医療用バルーンや風船と同様の成形技術で製造すればよい。また、可撓性材料の場合には、フィルムを袋状に成形することにより製造できる。
【0071】
また、バルーン基材5の材質は、バルーン4を口にくわえる際に保持しやすいことから、硬質材料が好ましい。とくに好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどの硬質プラスチックである。また、連結チューブ6については、軟質ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、軟質ポリプロピレン、軟質ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体などの軟質プラスチックで形成されていることが、操作性の点で好ましい。しかし、あまりに柔軟で肉薄であると正確な圧力測定が困難になるので、適度の柔軟性と肉厚を備えたチューブが好ましい。
【0072】
圧力検知部8は、例えば、圧力導入型ひずみゲージ式圧力変換器を用いて、空気圧を電気信号に変換するように構成する。表示部9に出力する前に信号を増幅するためのアンプを含んでも良い。圧力変換器としては、他のどのようなタイプのものを用いてもよい。なお、弁7は、加圧部10の構造によっては、必須ではなく、加圧部10を連結チューブ6に直結した構造も可能である。
【0073】
なお、上述した実施の形態では舌圧の測定について説明したが、同様の構成を用いて、舌下筋圧、口唇圧、頬圧などの口腔内関連の圧力を測定することができる。その場合、目的に応じて、バルーンの大きさ、チューブの太さ、形状などを変えて、目的に合ったものを使用することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の口腔関連圧力測定装置によれば、口腔内にバルーンを適切な状態で挿入することが容易であり、良好な測定精度を安定して確保することが可能であるので、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの測定を行う装置として有用である。
【符号の説明】
【0075】
1、20、20a 圧力測定プローブ
2、21 本体装置
3、13 プローブ装着部材
3a 管状部
3b、14 把持部
3c チューブ結合部
4、27 バルーン
4a、27a 受圧部
4b、27b バルーン管状部
5 バルーン基材
5a バルーン保持部
5b シールド部
5c、5d リブ
6 連結チューブ
6a チューブコネクタ
7、23 弁
8、24 圧力検知部
9、25 表示部
10、26 加圧部
11 プローブコネクタ
12 装着部コネクタ
14a 中軸部
14b 側枝部
22 本体チューブ
28 圧締リング
29 プローブ管
30 硬質リング
31 オス嵌合部
32 メス嵌合部
33 歯
34 舌
A 長軸
B 短軸
Pf 前部面
Pm 中間面
Pr 後部面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料により形成されたバルーンをバルーン基材に保持させて構成された圧力測定プローブと、
前記バルーン基材を介して前記バルーンの内部と連通しその空気圧を伝達する内腔を有する連通部材と、
前記連通部材の後端と接続されて、伝達される空気圧を検出する圧力検知部とを備え、
前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している口腔関連圧力測定装置において、
前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
【請求項2】
前記連通部材は、先端部に前記バルーン基材が着脱自在に接続されその後部に把持部が設けられたプローブ装着部材と、前記プローブ装着部材の後端と前記圧力検知部とを接続する連結チューブとを備えた請求項1に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項3】
前記バルーン基材の後端部にはプローブコネクタが設けられ、前記プローブ装着部材の先端部には、前記プローブコネクタと着脱自在に接続可能な装着部コネクタが設けられ、それにより、前記圧力測定プローブが、前記圧力検知部を含む本体側に対して着脱自在となっている請求項2に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項4】
前記バルーンは、前記受圧部における前記バルーン管状部の軸方向に直交する横断面の外周形状が、長軸方向と短軸方向を有する扁平形状であり、
前記プローブ装着部材には、その内腔の軸周りの所定の回動角度の方向を認識可能とする角度標識部が設けられ、
前記バルーン基材と前記プローブ装着部材が接続された状態で、前記バルーンの扁平形状の長軸方向と前記角度標識部が示す前記回動角度の方向の成す角度が一定の範囲内になるように構成されている請求項2または3に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項5】
前記把持部は、前記角度標識部に接触するように手で掴んで前記バルーンを口腔内に挿入する操作が可能なように構成され、前記角度標識部は手で接触することにより前記回動角度の方向を認識することが可能である請求項4に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項6】
前記把持部は、前記管状部の管軸方向を含む平面内において外形が広がった平坦形状を有し、前記把持部が前記角度標識部として機能する請求項4または5に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項7】
前記バルーン基材には、前記プローブ装着部材との接続側の端部に径大となったフランジ状のシールド部が設けられている請求項2〜6のいずれか1項に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項8】
前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項9】
弾性材料により形成されたバルーンと、
前記バルーンを保持したバルーン基材とを備え、
前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している圧力測定プローブにおいて、
前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有することを特徴とする圧力測定プローブ。
【請求項10】
前記バルーン基材の開口端側には、径大となったフランジ状のシールド部が設けられている請求項9に記載の圧力測定プローブ。
【請求項11】
前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されている請求項9または10に記載の圧力測定プローブ。
【請求項1】
弾性材料により形成されたバルーンをバルーン基材に保持させて構成された圧力測定プローブと、
前記バルーン基材を介して前記バルーンの内部と連通しその空気圧を伝達する内腔を有する連通部材と、
前記連通部材の後端と接続されて、伝達される空気圧を検出する圧力検知部とを備え、
前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している口腔関連圧力測定装置において、
前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
【請求項2】
前記連通部材は、先端部に前記バルーン基材が着脱自在に接続されその後部に把持部が設けられたプローブ装着部材と、前記プローブ装着部材の後端と前記圧力検知部とを接続する連結チューブとを備えた請求項1に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項3】
前記バルーン基材の後端部にはプローブコネクタが設けられ、前記プローブ装着部材の先端部には、前記プローブコネクタと着脱自在に接続可能な装着部コネクタが設けられ、それにより、前記圧力測定プローブが、前記圧力検知部を含む本体側に対して着脱自在となっている請求項2に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項4】
前記バルーンは、前記受圧部における前記バルーン管状部の軸方向に直交する横断面の外周形状が、長軸方向と短軸方向を有する扁平形状であり、
前記プローブ装着部材には、その内腔の軸周りの所定の回動角度の方向を認識可能とする角度標識部が設けられ、
前記バルーン基材と前記プローブ装着部材が接続された状態で、前記バルーンの扁平形状の長軸方向と前記角度標識部が示す前記回動角度の方向の成す角度が一定の範囲内になるように構成されている請求項2または3に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項5】
前記把持部は、前記角度標識部に接触するように手で掴んで前記バルーンを口腔内に挿入する操作が可能なように構成され、前記角度標識部は手で接触することにより前記回動角度の方向を認識することが可能である請求項4に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項6】
前記把持部は、前記管状部の管軸方向を含む平面内において外形が広がった平坦形状を有し、前記把持部が前記角度標識部として機能する請求項4または5に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項7】
前記バルーン基材には、前記プローブ装着部材との接続側の端部に径大となったフランジ状のシールド部が設けられている請求項2〜6のいずれか1項に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項8】
前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の口腔関連圧力測定装置。
【請求項9】
弾性材料により形成されたバルーンと、
前記バルーンを保持したバルーン基材とを備え、
前記バルーンは、閉鎖状空間を形成する受圧部及び前記受圧部の内部に連通するバルーン管状部を備え、前記バルーン管状部で前記バルーン基材の先端部に結合している圧力測定プローブにおいて、
前記バルーン基材は、前記バルーン側の先端部の外周方向に沿って外方に隆起したリブを有することを特徴とする圧力測定プローブ。
【請求項10】
前記バルーン基材の開口端側には、径大となったフランジ状のシールド部が設けられている請求項9に記載の圧力測定プローブ。
【請求項11】
前記バルーン基材は、前記バルーン管状部の端部を埋め込んだインサート成型により作製され、それにより前記バルーンと前記バルーン基材とが互いに結合されている請求項9または10に記載の圧力測定プローブ。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−75734(P2012−75734A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224709(P2010−224709)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】
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