説明

可とう性平板を用いる侵入型ポリマーの平坦化方法

【課題】誘電侵入型層を有するインクジェット・プリントヘッドの侵入型層を均一な厚さに形成するための方法および構造体を提供する。
【解決手段】プレスへ付着される可とう性の上板72は、未硬化の誘電侵入型層50へ圧力を加えるために用いられてもよい。未硬化の誘電侵入型層50は、未硬化の誘電侵入型層50を可とう性の上板72と接触させかつプレス68を用いて圧力を加える間に硬化される。硬質の上板ではなく可とう性の上板72の使用は、圧電素子20のアレイ上により均一な、または平坦な上面を有する硬化された侵入型層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ドロップ・オン・デマンド・インク・ジェット技術は、印刷産業において広く用いられている。ドロップ・オン・デマンド・インク・ジェット技術を用いるプリンタは、サーマル・インク・ジェット技術、または圧電技術の何れかを用いることができる。圧電インクジェットは、サーマル・インク・ジェットよりも製造費用が高いにも関わらず、一般的に、より広範なインクを使用できかつコゲーションによる問題点を減じる、またはなくすることができるという理由で選好される。
【0002】
圧電インク・ジェット・プリント・ヘッドは、典型的には、可とう性のダイヤフラムと、ダイヤフラムへ付着される圧電素子(即ち、トランスデューサまたはPZT)のアレイとを含む。圧電素子へ電圧が、典型的には電圧源へ電気接続される電極との電気接続を介して印加されると、圧電素子は曲がり、または偏向してダイヤフラムを屈曲させ、これにより、チャンバから一定量のインクがノズルを介して放出される。この屈曲はさらに、主インクリザーバから開口を介してチャンバへインクを引き込み、放出されたインクが置換される。
【0003】
圧電インクジェット技術を採用するインク・ジェット・プリンタの印刷解像度を上げることは、設計エンジニアの目標である。圧電インク・ジェット・プリント・ヘッドの噴射密度を高めれば、印刷解像度を上げることができる。噴射密度を高める1つの方法は、ジェットスタック内部のマニホールドをなくすることである。この設計の場合、各ジェットにジェットスタックの背面を介する単一のポートを有することが好ましい。このポートは、インクがリザーバから各ジェットチャンバへ移送されるための通路として機能する。高密度プリントヘッドには多数のジェットが存在することから、各ジェットに1つという多数のポートがダイヤフラムを介して圧電素子間を垂直に通っていなければならない。
【0004】
ジェットスタックを形成するためのプロセスは、ポリマーから各圧電素子間に侵入型層を形成すること、及びプロセスによっては、各圧電素子の頂部を覆う侵入型層を形成することを含む可能性がある。侵入型層が各圧電素子の頂部を覆って分配される場合、これは、導電性の圧電素子を露出させる際に除去される。次に、侵入型層へ、内部に開口を有するパターン化されたスタンドオフ層が装着されることが可能であり、各圧電素子の頂部は、これらの開口によって露出される。各圧電素子の頂部へは、導電エポキシ、導電ペーストまたは別の導電材料等の一定量(即ち、一微小液滴)の導体が個々に分配される。フレキシブルプリント回路(即ち、フレックス回路)またはプリント基板(PCB)の電極は、各圧電素子とフレックス回路またはPCBの電極との間の電気連通を促進するために、各導体微小液滴と接触して配置される。スタンドオフ層は、導電性微小液滴の流れを圧電素子頂部の所望されるロケーションへ封じ込めるように機能し、かつ侵入型層とフレックス回路またはPCBとの間の接着材としても機能する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ジェットスタック形成の間は、侵入型層等のジェットスタック層をジェットスタックの表面に渡って均一な厚さに保つことが重要である。厚さの整合性は、ジェットスタックの厚さ変動、PZTの厚さ変動またはアタッチメントの厚さ変動によって生じる問題の軽減を促進できることから効果的である。侵入型層を均一な厚さに形成することは、完成されたプリントヘッド内のインク連通不良等の問題を減少させ、かつプリントヘッド内のインク漏れの発生率を下げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための方法は、未硬化の誘電侵入型層を圧電素子アレイ上へ分配することと、未硬化の誘電侵入型層と上側のプレス板との間に可とう性の上板および離型剤を挿入することと、未硬化の誘電侵入型層を離型剤に接触させることと、未硬化の誘電侵入型層と離型剤との接触を保持しながら上側のプレス板を用いて未硬化の誘電侵入型層へ圧力を加えることを含み、未硬化の誘電侵入型層への圧力印加の間、可とう性の上板は曲がる。本方法はさらに、未硬化の誘電侵入型層と離型剤との接触を保持しかつ上側のプレス板を用いて未硬化の誘電侵入型層に圧力を加えながら、誘電侵入型層を硬化することも含む。
【0007】
別の実施形態において、インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための装置は、下側のプレスカセットおよび上側のプレス板を有するプレスと、離型剤と、ガラス、シリコン、石英、サファイアおよび金属のうちの少なくとも1つを含む可とう性の上板とを含むことが可能であり、ガラス、シリコン、石英、サファイアおよび金属のうちの1つは約25μmから約12,700μmまでの間の厚さを有し、離型剤および可とう性の上板は、未硬化の侵入型層と上側のプレス板との間に挿入されるように構成される。
【0008】
別の実施形態において、インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための方法は、未硬化の誘電侵入型層を圧電素子アレイ上へ分配することと、未硬化の誘電侵入型層と上側のプレス板との間に可とう性の上板および離型剤を挿入することと、未硬化の誘電侵入型層を離型剤に接触させることと、未硬化の誘電侵入型層と離型剤との接触を保持しながら上側のプレス板を用いて未硬化の誘電侵入型層へ圧力を加えることを含む方法であって、未硬化の誘電侵入型層への圧力印加の間、可とう性の上板は曲がる方法を用いて少なくとも1つのインク・ジェット・プリント・ヘッドを形成することを含む。本方法はさらに、未硬化の誘電侵入型層と離型剤との接触を保持しかつ上側のプレス板を用いて未硬化の誘電侵入型層に圧力を加えながら、誘電侵入型層を硬化することも含む。本方法はさらに、少なくとも1つのプリントヘッドをプリンタのハウジング内へ取り付けることも含む可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本教示の一実施形態による、製造過程のデバイスの中間圧電素子を示す斜視図である。
【図2】図2は、本教示の一実施形態による、製造過程のデバイスの中間圧電素子を示す斜視図である。
【図3】図3は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図4】図4は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図5】図5は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図6】図6は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図7】図7は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図8】図8は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図9】図9は、硬質の上板を用いて形成された侵入型層の厚さを描いたグラフである。
【図10】図10は、可とう性の上板を用いて形成された侵入型層の厚さを描いたグラフである。
【図11】図11は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図12】図12は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図13】図13は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図14】図14は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図15】図15は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図16】図16は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図17】図17は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図18】図18は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図19】図19は、製造過程のデバイスのジェットスタックを含むインク・ジェット・プリント・ヘッドの形成を描いた断面図である。
【図20】図20は、ジェットスタックを含むプリントヘッドを示す断面図である。
【図21】図21は、本教示の一実施形態によるプリントヘッドを含む印刷デバイスである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これらの図面が示す詳細の中には、厳密な構造上の精度、ディテール及び縮尺を保持するというよりは発明的実施形態の理解を容易にするために単純化されて描かれたものがあり得る点を留意されたい。
【0011】
本明細書において、「プリンタ」という用語は、任意の目的で印刷出力機能を実行する、デジタルコピー機、製本機械、ファックス機、多機能機械、静電写真デバイス、他等の任意の装置を含む。「ポリマー」という用語は、熱硬化性ポリイミド、熱プラスチック、樹脂、ポリカーボネート、エポキシ及び技術上既知である関連化合物を含む、長鎖分子から形成される広範な炭素ベース化合物のうちの任意のものを含む。
【0012】
図1の斜視図では、圧電素子層10は接着材14によって転写キャリア12へ分離可能式に接着されている。圧電素子層10は、内部誘電体として機能するための例えばジルコン酸チタン酸鉛を約25μmから約150μmまでの間の厚さで含むことができる。誘電層は、誘電層の各側面に導電素子を設けるために、両側を例えば無電解メッキ処理を用いてニッケルでメッキされることが可能である。ニッケルメッキされた誘電層10は、本質的には、内部誘電体材料に渡って電位差を発生させる平行板キャパシタとして機能する。キャリア12は、金属シート、プラスチックシートまたは別の転写キャリアを含むことが可能である。圧電素子層10を転写キャリア12へ付着する接着層14は、ダイシングテープ、熱プラスチックまたは別の接着材を含むことが可能である。別の実施形態では、転写キャリア12は、別の接着層14が不要であるように、粘着性熱プラスチック層等の物質であることが可能である。
【0013】
図1の構造体の形成後、図2に描かれているように、圧電素子層10はダイシングされ、複数の個々の圧電素子20が形成される。図2は4x3アレイの圧電素子を描いているが、より大きいアレイが形成される可能性もあることを認識されたい。例えば、現行のプリントヘッドは、344x20アレイの圧電素子を有することも可能である。ダイシングは、ウェーハダイシングソー等のソーのような機械技術を用いて、ドライエッチングプロセスを用いて、レーザ・アブレーション・プロセス、他を用いて実行されてもよい。隣接する各圧電素子20の完全な分離を保証するために、ダイシングプロセスは、接着材14の一部を除去して転写キャリア12上で停止した後に、または接着材14を通過してキャリア12内の途中までダイシングした後に終了することができる。
【0014】
個々の圧電素子20を形成した後、図2のアッセンブリは、図3の断面図に描かれているように、ジェット・スタック・サブアッセンブリ30へ付着されることが可能である。図3の断面図は、図2の構造体のディテールをより良く示すために拡大されたものであり、1つの部分的な圧電素子20及び2つの完全な圧電素子20の断面を描いている。ジェット・スタック・サブアッセンブリ30は、既知の技術を用いて製造されることが可能である。ジェット・スタック・サブアッセンブリ30は、例えば、インレット/アウトレットプレート32と、ボディプレート34と、接着性ダイヤフラムの付着材38を用いてボディプレート34へ付着されるダイヤフラム36とを含むことが可能である。ダイヤフラム36は、後述するように、完成したデバイスにおいてインクを通すための複数の開口40を含むことが可能である。図3の構造体は、さらに、プロセスにおけるこの時点で周囲空気を充填されることが可能な複数のボイド42も含む。ダイヤフラムの付着材38は、ダイヤフラム36を介する開口40が覆われるように、単一のポリマーシート等の材料の固体シートであってもよい。
【0015】
一実施形態では、図2の構造体は、ダイヤフラム36と圧電素子20との間の接着材を用いてジェット・スタック・サブアッセンブリ30へ付着されることが可能である。例えば、測定された一定量の接着材(個々には描かれていない)が圧電素子20の上面上、ダイヤフラム36上または双方の上の何れかへ分配される、スクリーン印刷される、ローラで延ばされる、他が可能である。一実施形態では、ダイヤフラム上へ、各圧電素子20に一滴の接着材を置くことができる。接着材を付した後、ジェット・スタック・サブアッセンブリ30及び圧電素子20は互いに位置合わせされ、次いで圧電素子20が接着材でダイヤフラム36へ機械的に接続される。接着材は、その接着材が図3の構造体をもたらすことに適する技術によって硬化される。
【0016】
続いて、図3の構造体から転写キャリア12及び接着材14が除去され、図4の構造体がもたらされる。
【0017】
次には、図5に描かれているように、図4の構造体を覆って未硬化の誘電侵入型層50が計量分配される。侵入型層は、例えば、Miller−Stephenson Chemical Co.(Danbury,CT)から市販されているEpon(商標)828エポキシ樹脂(100重量部)とHexion Specialty Chemicals(Columbus,OH)から市販されているEpikure(商標)3277硬化剤(49重量部)とを組み合わせたポリマーであってもよい。侵入型層50は、ダイヤフラム36の上面52の露出された部分を覆いかつ硬化に続いて圧電素子20を封入するに足る量で計量分配されることが可能である。侵入型層50はさらに、図に描かれているように、ダイヤフラム36内の開口40も満たすことが可能である。ダイヤフラム36内の開口40を覆うダイヤフラムの付着材38は、誘電充填材が開口40を通過することを防止する。
【0018】
侵入型層50の硬化に先立って、均一な厚さを有する侵入型層50を提供するためにレベリングプロセスが実行される。レベリングプロセスは、侵入型層50を、侵入型層50が各圧電素子20を同じ材料厚さで覆うように分散すべく実行される。侵入型層50がレベリングされない、またはそのレベリングが不良であれば、侵入型層50は幾つかの圧電素子20上で他の圧電素子20上より厚くなる可能性がある。侵入型層50は、圧電素子20を露出させるべく除去される間のエッチング速度が比較的低いことから、レベリング不良から生じる僅かな厚さの増加も各圧電素子20の露出を確実にするために処理時間を実質上増やす結果となる可能性があり、これにより生産スループットは下がり、コストは上がる。圧電素子20を露出させるための侵入型層50のエッチング時間は、厚さ4μmのポリマー侵入型層を除去するために30分を超える可能性がある。さらに、侵入型層の不均一な厚さは、完成したデバイスにおけるインク連通に問題を引き起こす可能性もある。
【0019】
本教示のレベリングプロセスの一実施形態では、図6に描かれているように、図5のデバイスは支持面上へ置かれることが可能である。別の実施形態では、図4のデバイスは、侵入型層50を計量分配する前に支持面上へ置かれることが可能であり、次に侵入型層50が計量分配される。支持面は、スタック・プレス・ヒータ60と、従来型の下側プレスカセット等の基板62と、再使用が可能な、または使い捨てのライナ64と、離型剤コーティング66とを含むことが可能である。ライナ64は、ポリマー、ポリイミドまたはプラスチックのシート等の材料を含むことが可能である。離型剤コーティング66は、ジェットスタック30の一部がライナ64へ粘着することを防止するに足る厚さまでライナ64上へ被覆されるフルオロポリマーの層を含むことが可能である。剥離剤コーティング66は、スプレーコーティングまたはスキージ使用等の様々な技術によって塗布されてもよい。
【0020】
レベリングプロセスはさらに、上側のプレス板68と、可とう性の中間基板70と、可とう性の平板(上板)72と、離型剤74とを含むことが可能である。離型剤74は、可とう性の上板72の表面へ塗布されるコーティングであってもよく、または離型剤74は、フルオロポリマー等の離型化合物で被覆されて可とう性の上板72と侵入型層50との間へ挿入されるライナ(例えば、ポリマー、ポリイミド、プラスチック、金属)であってもよい。可とう性の中間基板70は、例えば、厚さが約1mmから約25mmまでの間であるシリコーンゴムの層であってもよい。可とう性の上板72は、例えば、柔軟であるに足る薄さのガラスまたはシリコンウェーハであってもよい。一実施形態において、可とう性の上板72は、Schott North America Co.(Louisville,KY)から市販されているBorofloat(登録商標)ガラスウェーハであってもよい。他の実施形態において、可とう性の上板は、石英、サファイア、金属、他等の材料から製造されてもよく、かつ導電体または電気絶縁体の何れであってもよい。可とう性の上板72は、約25マイクロメートル(μm)と約12,700μmとの間、または約500μmと約900μmとの間、または約650μmと約750μmとの間であってもよく、例えば約700μmであってもよい。
【0021】
一実施形態において、「可とう性の」上板は、硬質材料から製造されるが、破砕または永久変形のない軽度の曲りまたはたわみを見込むに足る薄さの上板であることが可能である。「可とう性の」上板は、約1メガパスカル(MPa)と約300MPaとの間、または約5MPaと約100MPaとの間、または約10MPaと約50MPaとの間の、例えば約25MPaである曲げ強さ(即ち、撓み強さまたは破壊係数)を有する材料から形成されてもよい。別の実施形態において、可とう性の上板は、10MPa以上かつ50MPa以下である曲げ強さを有する。硬質過ぎる、または可とう性過ぎる材料は何れも、侵入型層を十分にレベリングしない。可とう性の上板は、約1.0ナノメートル(nm)と約5.0μmとの間の平坦度(PV値)を有してもよい。
【0022】
レベリングを実行するために、可とう性の中間基板70、可とう性の上板72および離型剤74は、上側のプレス板68と侵入型層50との間に挿入される。これは、離型剤74、可とう性の上板72および可とう性の中間基板70をジェットスタックと位置合わせし、次いでこれらを侵入型層50上へ置くことによって実行されることが可能である。別の実施形態では、可とう性の中間基板70は場合により上側のプレス板68へ付着されてもよく、可とう性の上板72は場合により可とう性の中間基板70へ付着されてもよく、かつ離型剤74は場合により可とう性の上板72へ付着されてもよい。
【0023】
続いて、上側のプレス板68は、圧電素子20を覆う侵入型層50へ向かって移動される。プレス下での物理的接触の後、図7に描かれているように、離型剤74と侵入型層50との間に圧力が確立され、このプレスは可とう性の上板72を侵入型層50に、約10psiと約500psiとの間、または約100psiと約300psiとの間、または約225psiと約275psiとの間の圧力で接触した状態に保持することができる。スタック・プレス・ヒータ60は、ジェット・スタック・サブアッセンブリ30を介する侵入型層50への熱伝達によって侵入型層50の硬化を急がせるために、約50℃と約250℃との間の温度まで加熱されることが可能である。侵入型層50は、圧力下で、約10分間と約120分間との間の時間に渡って、または侵入型層50を十分に硬化させるに足る持続時間に渡って加熱される。
【0024】
侵入型層50を計量分配しかつ硬化する間、ライナ64は、侵入型材料が圧搾によるその平坦化の後に下側のカセット上へ流れ落ちることを防止する。ライナ64は、レベリングプロセスの完了後に廃棄されて交換されることが可能であり、またはクリーニングされて再使用されることが可能である。ライナ64はオプションであり、別の実施形態では、ライナ64を使用せず、下側のプレスカセット62が侵入型層の硬化後にクリーニングされることが可能である。
【0025】
プレスから除去された後は、図8に描かれているものに類似するジェット・スタック・サブアッセンブリが残り得る。
【0026】
プレスおよび硬化プロセスにおける硬質の上板と可とう性の上板との使用を比較する試験では、記述されているような可とう性の上板を用いると、硬質の上板を用いたプロセスよりも均一な上面を有する侵入型層50が形成されることが発見された。プレスおよび硬化プロセスの間に硬質の上板を用いて圧電電極アレイ上に形成された侵入型層は、クラウンまたは凸形状を有することが発見された。図9は、硬質の上板を用いた結果を描いたものであり、結果として、厚さは、圧電アレイにおける行および列に依存して約0μm(即ち、露出された圧電電極)から約4μmまで変動した。これに対して、図10は可とう性の上板を用いた結果を描いていて、結果的に生じた侵入型層の厚さ変動は硬質の上板を用いて形成された侵入型層の変動の約半分である。
【0027】
理論に制約される意図はなしに、上板の柔軟さは、可とう性の上板がPZTアレイおよび基板に適合することからスタックアップにおける適合性を生み出す。可とう性の上板は、プレスを用いる圧力印加中にたわむことがあり、よって、基板62の不均一な輪郭は平衡される。板は幾分か硬質であり、侵入型領域内へ、またはPZTアレイ周辺への曲り込みは発生しない。硬質の上板を用いる場合に侵入型クラウンが発生する理由は知られていないが、ポリマーが硬化している間に支持面の基板62がPZTアレイに渡って十分かつ/または均一な支持を提供せず、よって、プレスおよび硬化プロセスの間にPZTアレイ全体、例えばアレイの中心は硬質の上板に均一にプレスされなかったことが理由である可能性もある。基板62に光学的平面を与えることは、侵入型層の均一性を高める場合があるが、断熱層として作用することにより、硬化プロセスの間に侵入型層へ加えられる熱を低減するものと思われ、これにより、侵入型層の硬化時間は長くなる。伝熱性基板は、硬化中の下側のプレスカセットから侵入型層への熱伝達を向上させるものと思われるが、この目的にとって十分であると思われる光学的平面、例えば磨きアルミニウムまたはモリブデンの光学的平面は製造が難しくかつ高価である。コストは、12インチまで、またはこれを超えるまでの長さであるPZTアレイを包含する可能性があるプリントヘッドのサイズ増大に伴ってより大きな要素となる。
【0028】
図8の構造体を形成した後、プリントヘッドの処理は、例えば圧電素子20の上面から侵入型層50の第1の部分を除去しかつ隣接する圧電素子20間に侵入型層の第2の部分を残すことによって継続することができる。一実施形態では、図11に描かれているように、既知のフォトリソグラフィ技術を用いて、パターン化されたフォトレジストマスク等のパターン化されたマスク110が開口112を伴って形成される。開口112は、侵入型層50の各圧電素子20を覆っている一部を露出させ、かつさらに、図に描かれているように、各圧電素子20の一部も露出させる。
【0029】
別の実施形態において、パターン化されたマスク110は熱可塑性ポリイミドの層であることが可能である。例えば、パターン化されたマスク110は、レーザアブレーション、パンチ処理、エッチング、他を用いてパターン化されたDuPont(登録商標)100ELJの層であってもよい。DuPont 100ELJは、典型的には25μm(0.001インチ)の厚さに製造されて提供されるが、利用可能であれば、例えば約20μmから約40μmまでの間である他の厚さも適切であると思われる。一実施形態では、熱積層プレスを用いて熱可塑性ポリイミドマスクがポリマー侵入型層50の表面へ付着されることが可能である。一実施形態では、この付着は、約180℃と約200℃との間の温度、例えば約190℃で発生してもよい。一実施形態では、この付着は、約90psiと約110psiとの間の圧力、例えば約100psiで発生してもよい。付着プロセスは、約5分と約15分との間の持続時間、例えば約10分間に渡って実行されてもよい。
【0030】
一実施形態において、マスクは、露出された侵入型層50の除去に続いて侵入型層50、圧電素子20または他の構造体を持ち上げない、または別段で損傷しないほどの容易さで侵入型層50から離れることができる材料製であることが可能である。プラズマエッチング等のエッチングの間の温度は、理論に制約される意図はなしにマスク材料を硬化し、固め、圧縮しかつ/またはガスを抜くことができかつ侵入型層50からの除去をより困難にする150℃に達することが可能である。
【0031】
マスクの開口112は、続いて例えばプリント基板(PCB)電極と接触している銀エポキシとの電気接続が行われるポリマーおよび各圧電素子20の上面のみを露出させるように位置合わせされることが可能である。開口112は、圧電素子20と続いて形成される電極との間の電気抵抗を、機能デバイスを容認できる信頼性で提供する許容限度内とするに足るサイズであるべきである。開口自体は、円形、楕円形、正方形、長方形、他であってもよい。
【0032】
続いて、露出された侵入型層50を除去するために、図11の構造体にプラズマエッチング等のエッチングが実行される。一実施形態において、プラズマエッチングは、処理時間を短縮するに足る条件下で実行されることが可能である。例えば、活性イオントラップ・プラズマモードは、酸素処理ガスと組み合わせて用いられてもよい。例えば、酸素ガスは、約100ミリトルと約200ミリトルとの間、例えば約150ミリトルの平衡チャンバ圧力を与えるに足る送出量でプラズマエッチ・チャンバへ導入されてもよい。プラズマは、約800Wと1,000Wとの間、例えば約900Wの高周波(RF)電力で点火されることが可能である。活性イオンエッチ・プラズマモードでは、図11のアッセンブリは2つの隣接する活性電極間に置かれることが可能である。2つの隣接する活性電極は、2つの接地電極間に置かれることが可能である。侵入型材料に依存して、エッチング時間は約1秒から約1時間までの範囲、例えば約5分と15分との間、かつより具体的には、約5分と10分との間であることが可能である。層厚さ25μmのDuPont 100ELJを用いる場合、処理時間は約1秒と約15分との間、例えば約1秒と約10分との間であってもよい。侵入型材料に依存して、活性イオン・トラップ・モード以外にも、反応性イオンエッチング、電子フリーエッチング、活性エッチング、電子フリー・イオン・トラップ等のモードを含むプラズマモードを用いることができ、モードは、プラズマチャンバ内のシェルフの構造(即ち、活性、接地および浮動)に依存する。
【0033】
プラズマエッチングは、ニッケルメッキされたPZT圧電素子20の表面から侵入型層50を効率よく除去することができる。ニッケルメッキされたPZT圧電素子20の表面は、比較的深くかつ狭い(即ちアスペクト比が高い)溝からの侵入型層50の除去を困難にする高い表面粗さを有することが発見されている。ニッケルメッキ内の溝に残っている誘電材料は、圧電素子20と、続いて圧電素子20と電気結合されるPCB電極との間の電気抵抗を高める可能性がある。圧電素子20のエッチング表面からの侵入型層50の効率的な除去は、抵抗を下げ、かつデバイスの電気特性を向上させる。本明細書に記述されているようなマスキングされたプラズマエッチングの使用は、これらの溝から誘電材料を従来の除去方法よりも効率的に除去する。圧電素子20内の比較的狭い溝からの侵入型層50のエッチング速度は、隣接する比較的広い間隔の圧電素子20間での侵入型層50のエッチング速度より低い。マスキングされないプラズマエッチングは、隣接する圧電素子20間での侵入型材料50の過度の損失を招く場合があり、よって、圧電素子20上に横たわるロケーションで侵入型材料50を露出させかつ圧電素子20間のロケーションで侵入型材料50を保護するマスキングされたプラズマエッチングは、この損失を防止するために使用されることが可能である。
【0034】
侵入型層50をエッチングした後、パターン化されたマスク110は除去され、図12の構造体が生じる。パターン化されたマスク110がパターン化されたフォトレジストマスクであれば、パターン化されたマスク110は標準的な技法を用いて除去されることが可能である。パターン化されたマスク110がDuPont 100ELJ等の熱可塑性ポリマーであれば、パターン化されたマスクは例えば引き剥がしによって除去されることが可能である。
【0035】
別の実施形態において、図8の構造体のマスキングされないエッチングは、結果的に図12に描かれているものに類似する、かつ概して図12の構造体と同一機能の構造体が得られるように実行されることが可能である。上述のプラズマエッチングは、全ての圧電素子が各圧電素子への電気接触を行えるように十分に露出された時点でエッチングが停止するようなタイミングで実行されることが可能である。このマスキングされないエッチングは、圧電素子20間の侵入型層厚さの一部を除去するが、エッチングは、デバイス性能に悪影響が出ないように、過度の量の侵入型層50を除去する前に停止される。
【0036】
別の実施形態では、結果的に図12の構造体を得るために、図8の構造体にマスキングされた、またはマスキングされないレーザ・アブレーション・プロセスを実行し、圧電素子20を覆う侵入型層50を除去することができる。
【0037】
マスキングされた、またはマスキングされない除去プロセスの何れかを用いて圧電素子20が露出された後、図13に描かれているように、パターン化された接着層130およびパターン化された取外し可能なライナ132を含むアッセンブリが図12の構造体へ位置合わせされて付着される。接着剤130は、例えば、熱硬化性または熱可塑性のシートであってもよい。取外し可能なライナ132は、ポリイミド材料であっても、接着剤130から剥がすことができる別の材料であってもよい。接着層130および取外し可能なライナ132を含むアッセンブリは、内部に、圧電素子20を露出させる予め形成された開口134のパターンを含む。接着剤130およびライナ132内の開口134は、付着に先立って、例えばレーザアブレーション、パンチ処理、エッチング、他を用いて形成されてもよい。開口134のサイズは、図示されているように侵入型層50内の開口112のサイズに一致することを目標にされてもよいが、サイズの不一致が後続処理に悪影響を及ぼさない限り、それより僅かに大きくても、小さくてもよい。接着剤130と取外し可能なライナ132との組み合わされた厚さは、部分的に、後続処理後に圧電素子20上に残る導体の量を決定する。接着剤130と取外し可能なライナ132との組み合わされた厚さは、約15μmと約100μmとの間であってもよく、別の適切な厚さであってもよい。
【0038】
次に、図14に描かれているように、図13のアッセンブリへ導電ペースト等の導体140が、例えば取外し可能なライナ132をステンシルとして用いるスクリーン印刷プロセスによって装着される。あるいは、接着剤がアッセンブリ上へ計量分配されてもよい。
【0039】
続いて、図14の構造体から取外し可能なライナ132が、例えば引き剥がしによって除去され、よって図15に描かれているものに類似する構造体が残る。
【0040】
次に、複数のバイア162および複数のPCB電極164を有するPCB160が図15のアッセンブリへ接着剤130を用いて付着され、結果的に図16の構造体が得られる。導体140は、導電路がPCB電極164から導体140を介して圧電素子20へ延びるように、圧電素子20をPCB電極164へ電気的に結合する。
【0041】
次に、ダイヤフラム36を介する開口40は、インクがダイヤフラムを介して通過できるように清浄化されることが可能である。開口の清浄化は、接着剤130、侵入型層50及び開口40を覆うダイヤフラム付着材38の一部を除去することを含む。様々な実施形態では、化学的または機械的な除去技術が用いられてもよい。一実施形態において、特にインレット/アウトレットプレート32、ボディプレート34及びダイヤフラム36が金属製である場合、セルフアライン式の除去プロセスは、図17に描かれているように、レーザビーム170の使用を含むことが可能である。インレット/アウトレットプレート32、ボディプレート34及び設計に依存して、場合によりダイヤフラム36は、セルフアライン式のレーザ・アブレーション・プロセスのためにレーザビームをマスキングすることができる。この実施形態では、COレーザ、エキシマレーザ、固体レーザ、銅蒸気レーザ及びファイバレーザ等のレーザを用いることができる。COレーザ及びエキシマレーザは、典型的には、エポキシを含むポリマーをアブレートすることができる。COレーザは、低い動作コスト及び高い製造スループットを有することが可能である。図17には2つのレーザビーム170が描かれているが、単一のレーザビームが1つまたは複数のレーザパルスを用いて各ホールを順々に開いてもよい。別の実施形態では、単一の動作において2つ以上の開口が生成されることも可能である。例えば、その表面にマスクを当てることができ、次に単一の幅広レーザビームが、単一の幅広レーザビームからの1つまたは複数のパルスを用いて2つ以上の開口、または全ての開口を開放する可能性もある。インレット/アウトレットプレート32、ボディプレート34及び恐らくはダイヤフラム36によって形成されるマスクをオーバーフィルし得るCOレーザビームは、順次各開口40を照射し、ダイヤフラム付着材38、侵入型層50及び接着剤130を介して延長された開口を形成することも可能であり、最終的に図18の構造体が得られる。
【0042】
続いて、図19に描かれているように、インレット/アウトレットプレート32へ有孔プレート190を接着材(個々には描かれていない)で付着することができる。有孔プレート190は、印刷中にインクが通って放出される複数のノズル192を含んでもよい。有孔プレート190が付着されると、ジェットスタック194が完成する。
【0043】
続いて、例えば接着材等の流体密封シール式接続部201を用いてPCB160へマニホールド200が接着され、結果的に図20に描かれているようなインク・ジェット・プリント・ヘッド202が得られる。インク・ジェット・プリント・ヘッド202は、マニホールド200内に一定量のインクを貯蔵するためのリザーバ204を含むことが可能である。リザーバ204からのインクは、PCB160内のバイア162を介してジェットスタック194内のポート206へ送出される。図20は単純化された図であり、図の左右に追加的な構造体を有してもよいことは理解されるであろう。例えば、図20は2つのポート206を描いているが、ある典型的なジェットスタックは、例えば344x20アレイのポートを有することが可能である。
【0044】
使用に際して、プリントヘッド202のマニホールド200内のリザーバ204は、一定量のインクを含む。プリントヘッドの最初のプライミングは、インクをリザーバ204からPCB160内のバイア162、ジェットスタック194内のポート206を介してジェットスタック194内のチャンバ208へと流れ込ませるために使用されることが可能である。各電極164上へ印加される電圧210に反応して、各PZT圧電素子20は、デジタル信号に応答する適切な時間に偏向または変形する。圧電素子20の偏向はダイヤフラム36を屈曲させ、これによりチャンバ208内に圧力パルスが生じ、インクの一滴がノズル192から放出される。
【0045】
これにより、上述の方法及び構造体は、インク・ジェット・プリンタのためのジェットスタック194を形成する。一実施形態では、ジェットスタック194は、図20に描かれているようなインク・ジェット・プリント・ヘッド202の一部として使用されることが可能である。
【0046】
図21は、少なくとも1つのプリントヘッド202が取り付けられているプリンタハウジング212を含むプリンタを描いている。動作の間、インク214は、本教示の一実施形態に従って1つまたは複数のノズル192から噴出される。プリントヘッド202は、用紙、プラスチック、他等の印刷媒体216上へ所望される画像を生成するために、デジタル命令に従って動作される。プリントヘッド202は、スワス毎に印刷画像を生成するために、走査動作において印刷媒体216に対して前後に移動してもよい。或いは、プリントヘッド202が固定して保持されかつ印刷媒体216がそれと相対的に移動されて、単一の通過でプリントヘッド202と同じ幅の画像が生成されてもよい。プリントヘッド202は、印刷媒体216より狭い、またはこれと同幅であることが可能である。
【0047】
先に論じたような圧電素子からエポキシ材を除去するプラズマエッチングが、先に論じた特有の実施形態に加えて他の構造体の形成中に実行され得ることを認識されたい。例えば、PZT圧電構造体は、固体構造体との物理的接触からの損傷を防ぐ、圧電構造体へダンピングを供給する、他のために、ガスまたは液体が圧電構造体に接触することの防護として封入されてもよい。メッキされた、またはメッキされていないPZT圧電構造体は、物理的または電気的な接点を提供するために、先に記述したようなプラズマエッチングを用いて露出されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための方法であって、
未硬化の誘電侵入型層を圧電素子アレイ上へ計量分配することと、
前記未硬化の誘電侵入型層と上側のプレス板との間に可とう性の上板および離型剤とを挿入することと、
前記未硬化の誘電侵入型層を前記離型剤と接触させることと、
前記未硬化の誘電侵入型層と前記離型剤との接触を保持しながら、前記上側のプレス板を用いて前記未硬化の誘電侵入型層に圧力を加えることであって、前記可とう性の上板は前記未硬化の誘電侵入型層へ圧力を加える間にたわむ圧力を加えることと、
前記未硬化の誘電侵入型層と前記離型剤との接触を保持しかつ前記上側のプレス板を用いて前記未硬化の誘電侵入型層に圧力を加えながら、前記誘電侵入型層を硬化することと、を含む方法。
【請求項2】
前記可とう性の上板と前記上側のプレス板との間に、約1mmと約25mmとの間の厚さを有するシリコーンゴム層を挿入することと、
前記侵入型層の硬化の間に、前記シリコーンゴム層を前記可とう性の上板および前記上側のプレス板と接触させることとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可とう性の上板は、前記上板がたわむ間に、約25μmと約12,700μmとの間の厚さおよびガラス、シリコン、石英、サファイアおよび金属のうちの少なくとも1つを含む組成を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化された誘電侵入型層の第1の部分を除去して圧電素子のアレイを露出し、かつ隣接する圧電素子間に前記硬化された誘電侵入型層の第2の部分を残すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
約10MPaと約50MPaとの間の曲げ弾性率を有する可とう性の上板を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための装置であって、
下側のプレスカセットと上側のプレス板とを備えるプレスと、
離型剤と、
ガラス、シリコン、石英、サファイアおよび金属のうちの少なくとも1つを含む可とう性の上板であって、前記ガラス、シリコン、石英、サファイアおよび金属のうちの1つは約25μmと約12,700μmとの間の厚さを有する可とう性の上板とを備え、
前記離型剤注文前記可とう性の上板は、未硬化の侵入型層と前記上側のプレス板との間へ挿入されるように構成される装置。
【請求項7】
前記ガラス、シリコン、石英、サファイアおよび金属のうちの1つは約500μmと約900μmとの間の厚さを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
インク・ジェット・プリンタを形成するための方法であって、
少なくとも1つのインクジェット・プリントヘッドを、
未硬化の誘電侵入型層を圧電素子アレイ上へ計量分配することと、
前記未硬化の誘電侵入型層と上側のプレス板との間に可とう性の上板および離型剤とを挿入することと、
前記未硬化の誘電侵入型層を前記離型剤と接触させることと、
前記未硬化の誘電侵入型層と前記離型剤との接触を保持しながら、前記上側のプレス板を用いて前記未硬化の誘電侵入型層に圧力を加えることであって、前記可とう性の上板は前記未硬化の誘電侵入型層へ圧力を加える間にたわむことと、
前記未硬化の誘電侵入型層と前記離型剤との接触を保持しかつ前記上側のプレス板を用いて前記未硬化の誘電侵入型層に圧力を加えながら、前記誘電侵入型層を硬化することと、を含む方法を用いて形成することと、
前記少なくとも1つのプリントヘッドをプリンタのハウジング内へ取り付けることと、を含む方法。
【請求項9】
前記可とう性の上板は、前記上板がたわむ間に、約25μmと約12,700μmとの間の厚さおよびガラス、シリコン、石英、サファイアおよび金属のうちの少なくとも1つを含む組成を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
約10MPaと約50MPaとの間の曲げ弾性率を有する可とう性の上板を提供することをさらに含む、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−1119(P2013−1119A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−133324(P2012−133324)
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】