説明

可傾式の背もたれを備えた椅子

【課題】背もたれの後方への傾動時に背もたれと使用者の背中との間に相対移動が生じることを簡素且つ安価な構成で抑制し得る、可傾式の背もたれを備えた椅子を提供すること。
【解決手段】椅子は、座部(14)を支持する基部構造体(12)と、可傾式の背もたれ(16)と、基部構造体(12)または座部(14)に背もたれ(16)を連結するとともに、休止位置と、使用者による後方への押圧下にて後方に傾斜した位置との間で背もたれ(16)が移動することを許容する少なくとも1つのジョイント(26)とを備える。ジョイント(26)は、伸縮自在に一体的に連結される円弧状の第1および第2の湾曲部材(28,30)を含み、同第1および第2の湾曲部材(28,30)は、基部構造体(12)または座部(14)、並びに背もたれ(16)にそれぞれ連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可傾式の背もたれを備えた椅子に関する。
より詳細には、本発明は、座部を支持する基部構造体と、2つの側部ジョイントによって基部構造体に連結される背もたれとを備える椅子に関し、2つの側部ジョイントにより、背もたれは、休止位置と、使用者による後方への押圧下にて後方に傾斜した位置との間で移動自在である。
【背景技術】
【0002】
現在、使用者による後方への押圧によって背もたれを後方に傾動させることを可能にする技術として、いくつかの解決策が周知である。
例えば、同一出願人による特許文献1は、背もたれを後方に傾動させるべく弾性を発揮する連結部材によって基部構造体に連結される可傾式の背もたれを備えた椅子を開示する。
【0003】
別の周知の解決策は、特許文献2に開示され、背もたれが2つの弾性装置によって基部構造体に連結され、各弾性装置は、弾性部材によって形成され、屈曲されることにより変形可能であり、複数の積層された部分内に挿入される。
【0004】
周知の解決策の課題のうちの1つは、後方への傾動時における背もたれの回動の中心が、使用者の背中の回動の中心と一致しないことにある。すなわち、背もたれの後方への傾動時に、背もたれの支持面と使用者の背中との間に相対移動が生じる。この相対移動は衣服を引き出す原因となる。
【0005】
例えば、使用者がズボン内に入れられたシャツを着用している場合に、周知のタイプの椅子においては、背もたれの後方への傾動に伴い、ズボンからシャツが引き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1557115号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2183997号明細書
【特許文献3】米国特許第2307621号明細書
【特許文献4】米国特許第2430604号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第1779141号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、簡素且つ安価な背もたれ傾動機構を装備した、可傾式の背もたれを備える椅子を提供することを課題とし、これにより上記課題は解決可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明に従い、座部を支持する基部構造体と、可傾式の背もたれと、基部構造体または座部に背もたれを連結するとともに、休止位置と、使用者による後方への押圧下にて後方に傾斜した位置との間で背もたれが移動することを許容する少なくとも1つのジョイントと、を備える椅子が提供される。前記ジョイントは、伸縮自在に一体的に連結される円弧状の第1および第2の湾曲部材を含み、同第1および第2の湾曲部材は、基部構造体または座部、並びに背もたれにそれぞれ連結される。
【0009】
請求の範囲は、本発明に関して行われる教示の必須の部分をなす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明における椅子を示す斜視図。
【図2】図1の椅子を示す側面図。
【図3】休止位置における図2の矢印IIIによって示される背もたれの揺動ジョイントの軸方向断面図。
【図4】最大後方傾斜位置における図2の矢印IIIによって示される背もたれの揺動ジョイントの軸方向断面図。
【図5】図3および図4に示す揺動ジョイントを透過的に示す斜視図。
【図6】図5に示す揺動ジョイントを示す斜視部分分解図。
【図7】図6の矢印VIIによって示される部分を示す斜視分解図。
【図8】本発明の第2の実施形態における揺動ジョイントを示す図3に対応する軸方向断面図。
【図9】本発明の第2の実施形態における揺動ジョイントを示す図4に対応する軸方向断面図。
【図10】図8および図9の揺動ジョイントを示す側面分解断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態における椅子を示す斜視図。
【図12】図11の線XII−XIIに沿った断面を示す図。
【図13】本発明の第3の実施形態における椅子を示す斜視図。
【図14】明瞭に示すべくいくつかの構成要素を取り払った、図13の矢印XIVによって示される部分を示す斜視図。
【図15】揺動ジョイントのうちの1つを透過的に示す、図14に類似の斜視図。
【図16】揺動ジョイントのいくつかの構成要素を取り払って示す、図14に対応する斜視図。
【図17】揺動ジョイントのいくつかの構成要素を取り払って示す、図14に対応する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、これらは一例に過ぎず、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
図1および図2に、基部構造体12、座部14、および可傾式の背もたれ16を含む椅子を示す。図示の例において、基部構造体12は、長尺部材およびそれを横断するように延びる横断部材(図示しない)によって相互に連結される2本の前脚18および2本の後脚20を含む。本発明はこのタイプの基部構造体を備えた椅子に制限されるものではない。本発明は、垂直軸線を中心として回転可能で且つ座部と背もたれとを支持する上側部材を基部構造体が備えるオフィスチェアに使用されてもよい。図示の例において、座部14は、基部構造体12の長尺部材および横断部材に固定されるプラスチック材料製の成形部材によって形成される。座部14のこの構成も必須的なものではなく、多数の変形がなされてもよい。
【0012】
背もたれ16は、支持面22と、2つの側部直立部24とを含む。図示の実施形態において、背もたれ16の支持面22および側部直立部24は、射出成形されたプラスチック材料の一体品として形成される。しかしながら、他の多くの例が本発明の範囲内において可能である。
【0013】
背もたれ16は、2つの側部ジョイント26によって基部構造体12に連結され、この2つの側部ジョイント26により、背もたれ16は、図2に実線にて示す休止位置と、図2に破線にて示す後方傾斜位置との間を移動自在である。背もたれ16は、使用者の背中によって付与される押圧の下で、休止位置から後方傾斜位置へ移動する。傾斜位置から休止位置への復帰は、後述するように、側部ジョイント26内に組み込まれた弾性手段によって行われる。
【0014】
図3乃至6に、側部ジョイント26がそれぞれ、伸縮自在に(テレスコピック状に)連結される第1の湾曲部材28および第2の湾曲部材30を含むことを示す。2つの湾曲部材28および30は、曲率半径Rを有する円弧の形状の共通の長手軸線Aを有する。曲率半径Rの中心Cは、背もたれ16の揺動の中心をなす。
【0015】
第1の湾曲部材28には、一端に取り付け部分31が設けられ、この取り付け部分31により、第1の湾曲部材28は、基部構造体12に固定される。第2の湾曲部材30は、背もたれ16の対応する側部直立部24の下端に固定される。2つの湾曲部材28および30同士の伸縮自在な連結により、第2の湾曲部材30は、共通の湾曲した長手軸線Aに沿って湾曲した経路上を、第1の湾曲部材28に対して移動可能である。
【0016】
図2に、側部ジョイント26の回動の中心Cが、使用者の骨盤に略一致するように位置決めされることを示す。したがって、後方への傾動時における背もたれ16の回動の中心は、使用者の背中の回動の中心と略一致する。
【0017】
この特性により、背もたれの後方への傾動が、背もたれ16の支持面22と使用者の背中との間の相対移動を殆ど伴うことなく生じる。これにより、先行技術による可傾式の背もたれのいくつかの解決策に生じる、衣服がズボンから引き出されるという現象が回避される。
【0018】
構造的な視点から見て、側部ジョイント26は様々な方法により実現される。第1の解決策は、2つの湾曲部材28と30との間の回動運動を意図する。図6および図7に、第1の湾曲部材28が、湾曲した長手軸線Aに直交するそれぞれの軸線を中心として回転自在に取り付けられる一対の車輪32を支持することを示す。図3、図4、および図5に示すように、第2の湾曲部材30は、車輪32の径と略等しい内径を有する管形状を有する。したがって、第2の湾曲部材30は、車輪32と第2の湾曲部材30の内側面との間のころがり接触により、図3に示す位置と図4に示す位置との間を移動自在である。
【0019】
特に単純な構造的な解決策は、図6および図7に示されるような2つの湾曲した金属バー34間に車輪32を配置することを意図する。金属バー34には、スタッド36が設けられ、また、両金属バー34は、対応するスタッド36においてリベット38によって相互に固定される。車輪32は、金属バー34の穴42内にその端部が挿入されるピン40を中心として回転自在に取り付けられる。スタッド36は、スペーサとして機能し、車輪32を収容するための空間を両金属バー34の間に形成する。2つの隣接するスタッド36間に溝44が形成され、第2の湾曲部材30に固定されるピン46がこの溝44内に挿入される。ピン46および溝44は、第1の湾曲部材28に対する第2の湾曲部材30の移動極限位置を規定する制限手段(或いは、終端停止手段)を形成する。
【0020】
図3乃至図5に、ジョイント26がそれぞれ、背もたれ16をその休止位置に押圧付勢する弾性部材を備えることを示す。図示の例において、弾性部材は、第1の湾曲部材28の一端と、第2の湾曲部材30内に固定される当接部50との間に配置される螺旋状の圧縮バネ48によって構成される。図3および図4を比較することにより明らかなように、弾性部材48は、第2の湾曲部材30が休止位置から最大後方傾斜位置へ移動する際に圧縮される。使用者の背中によって付与される後方への押圧が止まると、弾性部材48は、蓄積された弾性エネルギーによって、図3に示す休止位置に第2の湾曲部材30を復帰させる。
【0021】
図8、図9、および図10は、ジョイント26の変更例を示す。この例において、第1の湾曲部材28と第2の湾曲部材30との間の相対移動は、摺動により生じる。特に、第2の湾曲部材30の内部壁は、第1の湾曲部材28の外側面の一部に摺動するように連結される。相互に接触する摩擦面に、テフロン(登録商標)等の低摩擦係数を有する材料を適用してもよい。
【0022】
この変更例において、第1の湾曲部材28は、車輪32のための空間を形成する必要がないため、中実の金属部材から形成されてもよい。制限手段のピン46は、第1の湾曲部材28の表面に機械加工ツールにより形成される溝44と係合する。
【0023】
図11および図12は、本発明の第2の実施形態による椅子を示す。上述した部材に対応する部材は、同じ参照符号にて示される。
この第2の実施形態においては、単一のジョイント26が、中央の位置に配置される。上述した実施形態と同様に、ジョイント26は、伸縮自在(テレスコピック状)に連結される円弧状の第1の湾曲部材28および第2の湾曲部材30を含む。湾曲部材28および30は、横断方向に延びる。第1の湾曲部材28は、座部14の下部に固定される。第2の湾曲部材30は、背もたれ16の下端に固定されるか一体的に形成される。さらにこの場合において、上述したように、ジョイント26には、制限手段および弾性部材を設けることができる。この場合、同様に、2つの湾曲部材28および30の間の相対移動は、ころがり接触や摺動により生じる。
【0024】
図13乃至図17に、本発明の第3の実施形態における椅子を示す。上述した部材に対応する部材は、同じ参照符号を使用して示される。
図1に示す椅子の例と同様に、図13の椅子10は、基部構造体12、座部14、および可傾式の背もたれ16を含む。図14乃至図17に示すように、基部構造体12は、2つの側部部材52を備え、これらの側部部材52それぞれから前脚18および後脚20が延びる。脚18および20、並びに椅子の各側部の側部部材52は、単一の湾曲した管状部材から好適に形成される。2つの側部部材52は、2つの横断部材54および56によって一体的に固定される。
【0025】
背もたれ16は、支持面22と、管状形態の2つの側部直立部24とを含む。好適に、背もたれ16の支持面22および側部直立部24は、射出成形されたプラスチック材料製の単一部材によって形成される。背もたれ16の側部直立部24は、対応する揺動ジョイント26によって基部構造体12に連結される。図14乃至図17に、揺動ジョイント26がそれぞれ、伸縮自在に連結される内側湾曲部材28および外側湾曲部材30を含むことを示す。上述した実施形態と同様に、2つの湾曲部材28および30は、円弧の形状の共通の長手軸線Aを有する。2つの揺動ジョイント26の円弧の中心Aは、背もたれ16の傾動軸線を形成する水平軸線上に位置する。
【0026】
図16および図17に、各揺動ジョイント26の内側湾曲部材28が、円弧部60と、基部構造体12の対応する側部部材52に固定される締結部62とを有する湾曲金属バー58を含むことを示す。締結部62は、略L字状に屈曲される一端64を有する。
【0027】
内側湾曲部材28はそれぞれ、湾曲金属バー58の円弧部60を覆うプラスチック材料製の弧状のスリーブ66をさらに含む。図16において視認されるように、弧状のスリーブ66は、一体的に連結される2つの弧状のシェル68によって好適に形成される。スリーブ66は、断面円形状のガイド外側面を有する。
【0028】
図14および図15に、外側湾曲部材30がそれぞれ、締結部70、動締結部70の下端から延びる直線的な管状部72、および直線的な管状部72の下端から延びる弧状の管状部74を含むことを示す。外側湾曲部材30の締結部70は、背もたれ16の対応する側部直立部24内に挿入され固定される。外側湾曲部材30のそれぞれの弧状の管状部74は、対応する弧状のスリーブ66の外側面に摺動して案内されるように連結される断面円形状の内側面を有する。
【0029】
図15に、外側湾曲部材30の直線的な管状部72内に、螺旋状の圧縮バネ48が収容されることを示す。バネ48は、直線的な管状部72に挿入されるバネ支持部76が挿入される上端を有する。バネ48の下端は、内側湾曲部材28の上端に対して載置される。好適に、バネ48は、弧状のスリーブ66の上側の前側端部に対して載置され、スリーブ66の前側端部を超えて突出する湾曲バー58の一端は、バネ48内に挿入される。
【0030】
図14に、背もたれ16の休止位置において、バネ48がわずかに圧縮される位置に外側湾曲部材30を保持する予負荷部材78が各ジョイント26に好適に設けられることを示す。予負荷部材78は、内側湾曲部材28に対して関節接合される第1の端部を有する。好適に、この関節接合は、湾曲バー58のL字状に屈曲した端部64を、予負荷部材78の穴に回転可能に係合することによってなされる。予負荷部材78は、その第2の端部に、外側湾曲部材30の外側突出部82が係合するスロット80を有する。予負荷部材は、終端停止手段としても機能する。実際、背もたれの最大後方傾斜位置において、突出部82はスロット80の前側端部に配置されて、背もたれのさらなる後方への傾動を防止する。
【0031】
通常、発明の原理を失うことなく、構造体の詳細および実施形態は、添付の請求の範囲によって定義される本発明の趣旨を逸脱しない限り上述した例示に対して広く変更可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部(14)を支持する基部構造体(12)と、
可傾式の背もたれ(16)と、
基部構造体(12)または座部(14)に背もたれ(16)を連結するとともに、休止位置と、使用者による後方への押圧下にて後方に傾斜した位置との間で背もたれ(16)が移動することを許容する少なくとも1つのジョイント(26)と、を備える椅子であって、
前記ジョイント(26)は、伸縮自在に一体的に連結される円弧状の第1および第2の湾曲部材(28,30)を含み、同第1および第2の湾曲部材(28,30)は、基部構造体(12)または座部(14)、並びに背もたれ(16)にそれぞれ連結されることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記湾曲部材のうちの一方(28)に固定されて前記湾曲部材のうちの他方に形成される溝に係合するピン(46)を含む終端停止手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
圧縮状態で前記第1および第2の湾曲部材(28,30)間に配置され、背もたれ(16)を前記休止位置に向かって押圧付勢する弾性部材(48)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記湾曲部材のうちの一方(30)が管形状を有し、その内部に前記湾曲部材のうちの他方(28)を受容することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項5】
前記第1および第2の湾曲部材(28,30)間の相対運動は、ころがり接触によって生じることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項6】
前記第1および第2の湾曲部材(28,30)間の相対運動は、摺動接触によって生じることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項7】
前記湾曲部材のうちの一方(28)は、ころがり接触により前記湾曲部材のうちの他方(30)の内側面と係合する複数の車輪(32)を支持することを特徴とする請求項5に記載の椅子。
【請求項8】
前記湾曲部材のうちの一方(28)は、2つの湾曲バー(34)を備え、これら湾曲バーの間に前記車輪(32)が配置されることを特徴とする請求項7に記載の椅子。
【請求項9】
前記ジョイント(26)は、前記背もたれ(16)の両側の側部直立部(24)にそれぞれ連結される2つのジョイント(26)であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項10】
前記ジョイント(26)は中央位置に配置される単一のジョイント(26)であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項11】
前記基部構造体(12)は、2つの側部部材(52)を含み、これら側部部材(52)の各々から前脚(18)および後脚(20)が延びており、
前記背もたれ(16)は、支持面(22)および管状の2つの側部直立部(24)を含み、同2つの側部直立部(24)はそれぞれ、前記ジョイント(26)としての揺動ジョイント(26)によって基部構造体(12)に連結され、
各揺動ジョイント(26)は、前記第1および第2の湾曲部材(28,30)としての内側湾曲部材(28)および外側湾曲部材(30)を含み、これら内側および外側湾曲部材(28,30)は、円弧形状の共通の長手軸線(A)を有し、2つの揺動ジョイントの円弧の中心(C)は、背もたれ(16)の傾動軸線を形成する水平軸線上に位置することを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項12】
各揺動ジョイント(26)の内側湾曲部材(28)は、円弧部(60)と基部構造体12の対応する側部部材(52)に固定される締結部(62)とを有する湾曲金属バー(58)を含み、内側湾曲部材(28)はそれぞれ、湾曲金属バー(58)の円弧部(60)を覆うプラスチック材料製の弧状のスリーブ(66)を含み、同弧状のスリーブ(66)は、断面円形状のガイド外側面を有することを特徴とする請求項11に記載の椅子。
【請求項13】
各揺動ジョイント(26)の外側湾曲部材(30)は、締結部(70)、同締結部(70)の下端から延びる直線的な管状部(72)、および同直線的な管状部(72)の下端から延びる弧状の管状部(74)を含み、
各外側湾曲部材(30)の締結部(70)は、背もたれ(16)の対応する側部直立部(24)の内部に挿入されて固定され、各外側湾曲部材(28)の弧状の管状部(74)は、対応する前記弧状のスリーブ(66)の外側面に摺動して案内されるように連結される断面円形状の内側面を有することを特徴とする請求項12に記載の椅子。
【請求項14】
前記外側湾曲部材(30)の直線的な管状部(72)内には螺旋状の圧縮バネ(48)が収容され、同螺旋状の圧縮バネ(48)は、直線的な管状部(72)に挿入されるバネ支持部(76)が挿入される上端、および内側湾曲部材(28)の上端に対して載置される下端を有することを特徴とする請求項13に記載の椅子。
【請求項15】
前記各ジョイント(26)は予負荷部材(78)を含み、同予負荷部材(78)は、背もたれ(16)の休止位置において、前記圧縮バネ(48)がわずかに圧縮される位置に外側湾曲部材(30)を保持し、予負荷部材(78)は内側湾曲部材(28)に関節接合される第1の端部を有し、予負荷部材(78)は、その第2の端部に、外側湾曲部材(30)の外側突出部(82)が係合するスロット(80)を有し、背もたれ(16)の最大後方傾斜位置において、前記突出部(82)は、スロット(80)の前側端部に配置されて、背もたれの後方へのさらなる傾動を防止することを特徴とする請求項14に記載の椅子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−232123(P2012−232123A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−100118(P2012−100118)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(504452332)プロ−コード ソシエタ ペル アチオニ (3)
【氏名又は名称原語表記】Pro−Cord Spa
【住所又は居所原語表記】Via del Battiferro, 4 I−40129 Bologna Italia
【Fターム(参考)】