説明

可動体の可動装置

【課題】使用材料に係らず、単純な構成で誤作動時に自動復帰可能な当接体及び当受体を有する可動体の可動装置を提供することが可能となる。
【解決手段】可動体110の可動装置1は、支持体100及び支持体100に相対的に移動する可動体110の一方に固定され、支持体100及び可動体110の一方から互いに離間して突出する複数の係合部13,14を有する当受体10と、支持体100及び可動体110の他方に設けられた基体21と、可動体110の移動方向に沿って移動可能に形成され、可動体110がその移動終了位置に移動する場合に係合部13,14のいずれかと係合する当接体22と、基体21及び当接体22間に付勢可能に形成されるとともに、付勢による基体21又は当接体22の移動を規制し、当接体22が複数の係合部13,14のいずれかと係合することで、基体21又は当接体22の移動の規制を解除可能な付勢機構と、を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動体の動作を補助する可動体の可動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
戸枠等の支持体を可動する引き戸等の可動体の動作を補助するため、所謂クローザ等と呼ばれ、付勢機構を用いて可動体を強制移動させる可動体の可動装置が知られている。この可動体の可動装置は、支持体側又は可動体側の一方に所謂ストライカと呼ばれる当受体が設けられ、他方に樹脂材料等で形成され、当受体に係合可能に形成された当接体が設けられる。当接体は、可動体のスライド方向に沿って前記支持体又は可動体の他方に延設固定された基体に当該スライド方向に沿って移動可能に設けられるとともに、引張りコイルばね等の付勢部材を介して基体と連結される。
【0003】
このような可動体の可動装置は、可動体がその移動終了位置以外にあるとき、当接体が引張りコイルばねを最も引き伸ばした状態で保持される。当該位置から操作者が可動体を移動終了位置に向かって移動させると、当接体は、移動途中で当受体に突き当たり、当受体と係合する。同時に、当接体の保持が解かれ、当接体が当受体と係合した状態で引張りコイルばねに引張られて基体に対して移動する。
【0004】
当受体及び基体は、支持体及び可動体のいずれかにそれぞれ設けられていることから、当受体と係合した状態の当接体が基体に対して移動することで、可動体が支持体に対して移動終了位置に向かって強制的に移動することとなる。
【0005】
なお、可動体が移動終了位置にあるとき、当接体は、引張りコイルばねが圧縮した状態であって、且つ、当受体と係合した状態となる。この閉位置から操作者が可動体を開位置に向けて移動させると、引張りコイルばねを引張りながら可動体が移動する。所定位置に至ると当接体と当受体との係合が解除され、再び、当接体が引張りコイルバネを最も引き伸ばした状態で保持される。
【0006】
しかし、可動体の可動装置では、様々な要因により、可動体の移動終了位置以外に位置する場合であっても、当接体が当受体に係合しないまま引張りコイルばねが圧縮した状態となる誤作動状態となる場合がある。
【0007】
このため、誤作動状態から復帰させる機構として、当接体に斜めのガイド面を設け、当受体との当接により当受体から退避する下向きに圧力を作用させて回動することにより当受体と当接体とを係合させることが行われている(例えば特許文献1参照)。
【0008】
この可動装置では、当接体は軸を中心として回動することで当受体に再係合するように所定の形状に構成され、当接体を収容した枠体が下向きに弾性変形するように形成され、かつ、枠体の変形を許容する隙間を設けている。
【0009】
また、当受体は、円柱状等に形成されるため、係合部が当受体に係合する位置が一箇所しかなく、このため、当接体に係合部とは別に、誤作動時のみ対応する係止部を設ける必要がある。このような係止部は、当受体との係止が解除されるように係止部が弾性変形することで、自動復帰が可能に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−169723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した技術では、次のような問題がある。即ち、上述した技術は、軸を固定したまま当接体を回動させる構成であり、部品の変形をともなうと共に複雑な寸法設定が必要となる。また、係止部は、弾性変形可能な構成である必要があり、樹脂材料により形成され、当該樹脂材料の弾性力により当受体と係止部が自動解除されることが多い。しかし、樹脂材料は、疲労や経年変化を考慮して用いる必要がある。このため、樹脂材料等の高い弾性力を有する材料でなくとも自動復帰が可能な可動部材が要求されている。
【0012】
また、係合部とは別に、誤作動時のみに対応する係止部を設ける構成では、当接体の形状が複雑となり、可動装置の全長が長くなる等の問題もある。
【0013】
そこで本発明は、使用材料に係らず、単純な構成で誤作動時に自動復帰可能な当接体及び当受体を有する可動体の可動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の可動体の可動装置は次のように構成されている。
【0015】
本発明の一態様として、支持体及び前記支持体に相対的に移動する可動体の一方に固定され、前記支持体及び前記可動体の一方から互いに離間して突出する複数の係合部を有する当受体と、前記支持体及び前記可動体の他方に設けられた基体と、前記基体に前記可動体の移動方向に沿って移動可能に設けられ、前記可動体がその移動終了位置に移動する場合に前記複数の係合部のいずれかと係合する当接体と、前記基体及び前記当接体間に付勢可能に形成されるとともに、前記付勢による前記基体又は記当接体の移動を規制し、前記当接体が前記複数の係合部のいずれかと係合することで、前記基体又は記当接体の移動の規制を解除可能な付勢機構と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用材料に係らず、単純な構成で誤作動時に自動復帰可能な当接体及び当受体を有する可動体の可動装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係る支持体及び可動体に用いられる可動装置の構成を模式的に示す説明図。
【図2】同可動装置による可動体の動作を模式的に示す説明図。
【図3】同可動装置の構成を一部切欠して示す斜視図。
【図4】同可動装置の構成を一部切欠して示す側面図。
【図5】同可動装置の構成を示す上面図。
【図6】同可動装置の正常時の動作を示す説明図。
【図7】同可動装置の誤作動時の動作を示す説明図。
【図8】本発明の第1の変形例に係る可動装置に用いられる当受体及び当接体の構成を示す斜視図。
【図9】本発明の第2の変形例に係る可動装置に用いられる当受体の構成を示す斜視図。
【図10】本発明の第3の変形例に係る可動装置に用いられる当受体の構成を示す斜視図。
【図11】本発明の第4の変形例に係る可動装置に用いられる当受体の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態かかる可動体110の可動装置1について、図1乃至図7を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施の形態に係る支持体100及び可動体110に設けられる可動装置1の構成を模式的に示す説明図、図2は可動装置1による可動体110の動作を模式的に示す説明図、図3は可動装置1の構成を一部切欠して示す斜視図、図4は可動装置1の構成を一部切欠して示す側面図、図5は可動装置1の構成を示す上面図、図6は可動装置1の正常時の動作を示す説明図、図7は可動装置1の誤作動時の動作を示す説明図である。
【0020】
なお、図1乃至図7中、矢印X,Y,Zはそれぞれ互いに直交する3方向を示す。なお、X方向は可動体110のスライド方向を、Y方向は可動体110の厚み方向を、Z方向は上下方向を示す。
【0021】
図1及び図2に示すように、可動装置1は、支持体100及び可動体110に設けられ、可動体110の移動の補助を行う、所謂クローザである。可動装置1は、支持体100及び可動体110の一方に設けられたストライカ10と、支持体100及び可動体110の他方に設けられたアシストユニット20と、を備えている。本実施形態においては、ストライカ10が支持体100に、アシストユニット20が可動体110に設けられる構成にて説明する。
【0022】
なお、本実施形態において、例えば支持体100は戸枠、可動体110は引き戸である。以下、支持体100を戸枠100とし、可動体110を引き戸110として説明する。
【0023】
図1に示すように、戸枠100は、上枠101、左枠102、右枠103、及び下枠を備えている。上枠101には引き戸110のスライド方向に沿う引き戸溝104が形成されており、この引き戸溝104に引き戸110がスライド可能に収められている。
【0024】
引き戸110の上端部には、スライド方向に沿ってアシストユニット20を収める溝111が形成されている。なお、ここでは一枚の引き戸110に着目し、左側が戸先側、右側が戸尻側とし、引き戸110が左枠102と当接する位置を、引き戸110の移動終了位置とする。引き戸110の戸先側である左端部には取っ手112が形成されている。
【0025】
図1に示すように引き戸110が移動終了位置に達していない(移動終了位置以外に位置する)開状態を第1状態、図2に示すように戸先側の移動終了位置に移動し左枠102に当接した閉状態を第2状態とする。
【0026】
ストライカ10は、当受体である。図1及び図2に示すように、ストライカ10は、上枠101の引き戸溝104であって、引き戸110の戸先側の移動終了位置から一定の位置に固定される。
【0027】
ストライカ10は、上枠101に取り付けられる板状の取付部材11と、取付部材11からY方向及びZ方向に沿って設けられ、X方向に離間する2つの異なる面状をなし、上枠101から下方に突出する係合突起部12と、を備えている。ストライカ10は、取付部材11及び係合突起部12が、一枚の板状の金属板を板金加工等により曲折して成形される。
【0028】
取付部材11は、一対の平板上のベース11aと、ベース11aに設けられ、上枠101に木螺子等の締結部材によりベース11aを上枠101に固定する孔部11bと、を備えている。
【0029】
係合突起部12は、一対のベース11a間を渡すように、ベース11aに設けられる。具体的には、係合突起部12は、Y方向からの側面視で上方が開口する「コ」の字形状に形成されており、その端部がベース11aに接続される。係合突起部12は、引き戸110の移動により、引き戸110の溝111上を通過してアシストユニット20の一部に係合してアシストユニット20内に入り込み、あるいはアシストユニット20の一部から解放可能に形成されている。
【0030】
係合突起部12は、一方のベース11aと連続する板状(面状)の第1係合部13と、他方のベース11aと連続する板状(面状)の第2係合部14と、第1係合部13及び第2係合部14を連続させる連結部15と、を備えている。
【0031】
第1係合部13は、一対のベース11aのうち、引き戸110の移動終了位置側のベース11aに連続して上枠101の引き戸溝104から突出する方向に延設されたY方向及びZ方向に沿った面である。第1係合部13は、アシストユニット20の一部と係合する。
【0032】
第2係合部14は、他方のベース11aに連続して引き戸溝104から突出する方向に延設されたY方向及びZ方向に沿った、第1係合部13と略同一形状の面である。第2係合部14は、アシストユニット20の一部と係合する。
【0033】
詳しく説明すると、第2係合部14は、一方の主面である第1係合部13と対向する側の主面が、後述するラッチ22のフック部32fと当接し係合する係合面を形成し、その他方の主面が後述する被押圧部32cを押圧する押圧面を形成する。第2係合部14は、第1係合部13よりも、スライド方向であって、引き戸110の移動終了位置(左枠102)から離間して配置される。
【0034】
連結部15は、第1係合部13及び第2係合部14を連続させると共に、そのY方向の幅が第1係合部13及び第2係合部14のY方向の幅よりも小さく形成されている。この連結部15は、第1係合部13及び第2係合部14の下端であって、第1係合部13及び第2係合部14のY方向で略中央に配置される。連結部15は、後述するラッチ22のフック部32fを通過可能に形成されている。
【0035】
アシストユニット20は、引き戸110の上端部の溝111に設けられる。アシストユニット20は、ハウジング21と、ラッチ22と、付勢機構23と、制動機構24と、を備えている。
【0036】
ハウジング21は、樹脂材料で形成された、引き戸110の溝111に固定される基体である。図3乃至図5に示すように、ハウジング21は、その一方側(図1乃至図5中左側)の上面が開口するスライド方向に細長い箱状に形成されている。なお、ここで一方側とは、引き戸110の移動終了位置(左枠102)側を示す。
【0037】
ハウジング21は、Y方向に離間して設けられた一対の側壁21a、21aを有し、その一方側においては、Z方向に開放し、且つ、その他方側(図1乃至図5中、右側)にZ方向中央に仕切板25が設けられ、上側の上部室25a、下側の下部室25bが形成されている。即ち、ハウジング21は、上部室25aの一方側は開放され、側壁21a,21aの間にラッチ22を収納可能に形成されている。
【0038】
ハウジング21の側壁21a,21aは、それら一方側に、互いに対向する同形状のスリット27を有している。スリット27は、X軸に沿って延びる主ガイド路27aと、主ガイド路27aの移動終了位置側の端部(一端部)から湾曲して下方に延びる待機路27bと、主ガイド路27aの他端部側の中途部から分岐して下方及び一方側に向かって円弧状に湾曲して延びる退避路27cと、を有している。スリット27は、主ガイド路27a、待機路27b及び退避路27cが連続して形成される。
【0039】
なお、スリット27の一端側は、ラッチ22がストライカ10と係合していない待機状態の場合にラッチ22が位置する待機位置(第1位置)である。また、スリット27の他端側は、ラッチ22とストライカ10とが係合し、引き戸110を移動させた場合にラッチ22が位置する引込位置(第2位置)である。なお、後述する誤作動時においては、ラッチ22は、ストライカ10と係合していなくても、引込位置に位置する。
【0040】
ハウジング21の下部室25bには付勢機構23の一部をハウジング21に固定する連結部21bが形成されている。連結部21bは、例えば側壁21a,21a間に掛け渡された軸状部材である。
【0041】
ラッチ22は、ストライカ10と当接する当接体である。ラッチ22は、ハウジング21の側壁21a,21aの間のスライド方向の一方側(図1中左側)の端部に収められるとともに、待機位置と引込位置との間でスライド移動可能にハウジング21に支持される。
【0042】
具体的には、図3乃至図5に示すように、ラッチ22は、ラッチベース31と、ラッチベース31の先端部に回動可能に連結したカム部32と、を備えている。
【0043】
ラッチベース31は、その側面にX方向に沿って延設された突起部31aを有している。突起部31aは、スリット27へ挿入可能に形成されている。ラッチベース31は、突起部31aがスリット27へ挿入されることで、スリット27に沿ってスライド可能に一対の側壁21a,21aの間に保持される。ラッチベース31は、その先端部に、退避路27cに沿って円弧状に開口する溝31bを有する支持片31cが設けられている。
【0044】
カム部32は、その軸心がY方向に沿って配置されたY方向に突出する一対の第1軸部32bを有している。この第1軸部32bは、スリット27及び溝31bに挿通される。カム部32は、スリット27及び溝31bに挿入された第1軸部32bにより、スリット27内を移動可能、かつ、第1軸部32bを中心に回動可能に形成されている。
【0045】
なお、カム部32の回動において、第1軸部32bを中心としてカム部32の先端が上方に回動する方向を第1回動方向R1とし、カム部32の先端が下方に回動する方向を第2回動方向R2として、以下説明する。
【0046】
カム部32は、その外周部において図4に示す側面視においてその先端上方から時計回りに順番に、キャッチャ32aと、被押圧部32cと、被付勢部32eと、一対の第2軸部32dと、を備えている。
【0047】
キャッチャ32aはカム部32の先端側に設けられ、カム部32の上方に突出する一対のフック部32fを有している。フック部32fはY方向両側にそれぞれ設けられ、三角形の板状部材を有している。
【0048】
被押圧部32cはカム部32の上部において上方に突出形成され、引き戸110の移動によりストライカ10の第2係合部14に当接して引込方向に押圧される。なお、被押圧部32cとフック部32fとの間隔は、係合突起部12を捕捉可能となるように、第1係合部13及び第2係合部14との幅と略同等又は当該幅以上に形成されている。
【0049】
一対の第2軸部32dは、キャッチャ32aにY方向に突出して形成され、Y方向に沿う軸心を有する。第2軸部32dは、スリット27に挿通され、スリット27内に移動可能に係合される。
【0050】
被付勢部32eは、カム部32の下部に設けられ、第2軸部32dよりもX方向で被押圧部32c側であって、且つ、第2軸部32dの下方に位置している。この被付勢部32eはハウジング21の下部に配置され、付勢機構23の後述する引張コイルばね41の一端41aが連結される。この引張コイルばね41により被付勢部32eが常時引込方向に引張られる。
【0051】
付勢機構23は、ラッチ22をハウジング21に対してスライド方向の他方側に付勢するとともに、その付勢によるラッチ22の移動を規制する。付勢機構23は、付勢手段である引張コイルばね41と、引張コイルバネ41の付勢によるカム部32の移動を規制する第2軸部32d及びスリット27とにより構成される。
【0052】
即ち、付勢機構23は、カム部32に引張コイルバネ41により付勢を行うとともに、待機路27bに第2軸部32dが位置することで、カム部32の移動を規制し、且つ、カム部32が第1係合部13と係合してカム部32が回動することで、第2軸部32dが主ガイド路27aに位置し、カム部32の移動の規制が解除される。引張コイルばね41は、ハウジング21の下部において、その軸心方向がスライド方向に沿って配置されている。
【0053】
引張コイルばね41の一端はラッチ22の下部の被付勢部32eに連結され、他端はハウジング21の連結部21bに連結される。この引張コイルばね41は、待機状態にあるラッチ22を引込方向に付勢することで待機路27bに引っ掛けて保持させる機能と、主ガイド路27aにあるラッチ22を引込方向に付勢して強制移動させる機能と、ラッチ22を第2回動方向R2に付勢する機能と、を有している。
【0054】
制動機構24は、ラッチ22に連結され、ラッチ22のスライド移動に抵抗力を付与して干渉する。制動機構24は、ハウジング21の上部室25a内に設けられたピストンダンパ50である。ピストンダンパ50は、内部に流体が封入されたシリンダ51と、シリンダ51内でX方向に沿って往復動するピストンと、このピストンに連結されたピストンロッド52とを有している。
【0055】
ピストンロッド52の端部はハウジング21に固定され、ピストンに対向するシリンダ51の外側端部がラッチ22の後端に接続される。
【0056】
制動機構24は、シリンダ51内に納められたピストンの動作にシリンダ51内の流体の流体対向を作用させることで、シリンダ51もしくはピストンロッド52の押し込み及び引張り動作に対して抵抗力を付与してラッチ22のハウジング21に対するスライド動作を制動する。なおシリンダ51は、封入される流体として、シリコンオイル等の粘性流体が用いられるがこれに限られず、気体を用いてもよい。
【0057】
このように構成された可動装置1によれば、正常時において引き戸110が第1状態から第2状態へと移行した場合にストライカ10とアシストユニット20とが係合する第1の動作と、引き戸110が第2状態から第1状態へと移行した場合にストライカ10とアシストユニット20との係合が解除される第2の動作の際に、ラッチ22のフック部32fが第1係合部13に進入又は脱離し、係合突起部12がキャッチャ32aに係合して捕捉又は係合が解除され解放される。
【0058】
また、誤作動復帰時において引き戸110が第1状態から第2状態へと移行した場合にストライカ10とアシストユニット20とが係合する第3の動作の際にはラッチ22の一対の板状のフック部32fが連結部15を通過して第1係合部13及び第2係合部14間に進入する。これにより、第2係合部14の一方の主面と当接し、第2係合部14がキャッチャ32aに捕捉される。これらの係合によりストライカ10がラッチ22に係合して、一体に移動することとなる。
【0059】
以下、本実施形態にかかる可動装置1の第1の動作及び第2の動作について図1、図2及び図6及び図7を用いて具体的に説明する。
図1及び図6(ST1)に示すように、引き戸110が移動終了位置以外に位置し、引き戸110がストライカ10に到達していない第1状態では、ラッチ22の第2軸部32dが待機路27bに引っかかり引張コイルばね41によって引張られることで保持され、ラッチ22がハウジング21の一端側の待機位置に保持される。
【0060】
第1状態から第2状態とする第1の動作について説明する。この第1状態から操作者が引き戸110を左枠102(移動終了位置)に向かって移動させることにより、図6(ST2)に示すように引き戸110が第1の所定位置に至ると、ラッチ22がストライカ10に当接する。
【0061】
具体的には、ラッチ22は、第2軸部32dが待機路27bに位置するため、カム部32が下方へ回動しており、フック部32fは第1係合部13及び第2係合部14と干渉することがない。このため、フック部32fを通過したストライカ10の第2係合部14の他方の主面が被押圧部32cを押圧することで、カム部32は、第1軸部32bを中心として第1回動方向R1に回動する。
【0062】
この回動によって、図6(ST3)に示すように、カム部32の先端のフック部32fがストライカ10に係合し、ラッチ22にストライカ10が捕捉される。また、カム部32が第1回動方向R1に回動すると、下方の第2軸部32dが上方に移動して主ガイド路27aに入り込む位置に至り、待機路27bへの保持が解除されるとともに、主ガイド路27a沿って移動可能な状態となる。
【0063】
そして、図2及び図6(ST4)に示すように、引張コイルばね41の復元力により、ラッチ22は、ハウジング21の他方側に移動し、引込位置まで相対移動する。換言すると、ラッチ22はストライカ10と係合しているため、引張コイルばね41の復元力により、引き戸110及びハウジング21は、戸枠100及びストライカ10に対してスライド方向の一方側(移動終了位置)に向かって相対的に強制移動することとなる。このとき制動機構24により抵抗力が付与され、緩衝しながらゆっくり自動的に引き戸110が閉まる方向に移動する。
【0064】
次に、図2及び図6(ST4)に示す第2状態から第1状態とする第2の動作について説明する。この第2の動作では上記第1の動作と逆に図6(ST4)、(ST3)、(ST2)、(ST1)の順で動作する。
【0065】
引き戸110が左側の終了位置に移動し切った第2状態から引き戸110を右側に移動させる操作をすると、引張コイルばね41の付勢力に抗してラッチ22がストライカ10を捕捉したまま引き戸110及びハウジング21に対して一方側に相対移動しながら、引き戸110が他方側(図1乃至図5中、右側)に移動する(図6(ST3))。このとき、ラッチ22はピストンダンパ50のピストンロッド52に連結されているため、ピストンを移動させつつシリンダ51内の流体の抵抗力を受ける。
【0066】
所定位置に至ると、図6(ST2)に示すように、被押圧部32cからストライカ10が離れて引張りコイルばね41の復元力により第2軸部32dを中心としてカム部32が第2回動方向R2に回動する。この回動によりフック部32fが第1係合部13から離間し、ストライカ10との係合が解除される。
【0067】
同時に、第2軸部32dは、主ガイド路27aの一端側の待機位置に至り、第2軸部32dが待機路27bに入り込むとともに、引張りコイルばね41により再び待機位置に保持される待機状態に戻る。この後、引き戸110の移動は引張コイルばね41の付勢力から開放されるとともに、ストライカ10が解放され、図6(ST1)の第1状態に戻る。
【0068】
次に、第3の動作として、例えば誤作動等によりラッチ22がストライカ10に係合しないまま引込位置に移動してしまった第3の状態からの復帰動作について図7を用いて説明する。
【0069】
図7(ST1)に示すように、ストライカ10との係合が解除された状態でラッチ22が引込位置にある第3の状態から、引き戸110が戸枠100に対して移動終了位置に向かって移動すると、図7(ST2)に示すように、カム部32の一部(ここではフック部32f)がストライカ10に当接し、後方に押圧される。この押圧により、カム部32は、第2軸部32dを中心として、第1軸部32bが退避路27cに沿って下方に移動しつつ第1回動方向R1に回動しながら揺動する。
【0070】
この揺動により、キャッチャ32aのフック部32fの上端が第2状態よりも下方に退避することで、ストライカ10の第2係合部14はフック部32fを乗越え可能となり、スライド方向に沿って移動することでラッチ22に係合可能な位置まで引込方向に移動可能となる。
【0071】
図7(ST3)に示すように、ストライカ10の第2係合部14がフック部32fを乗越えると、引張りコイルばね41の復元力によりカム部32が第2回動方向R2に回動して、フック部32fが連結部15を挿通して、第1係合部13及び第2係合部14間に位置することでストライカ10とラッチ22が係合する。
【0072】
この係合状態で引き戸110を移動終了位置側から離間する方向に向かってに移動させると、図7(ST4)に示すように、ストライカ10がラッチ22に捕捉された状態で、主ガイド路27aに沿って移動する。そして所定位置に至ると、当接体と前記当受体との係合が解除されるとともに前記当接体が待機位置に保持される前記第1の状態に復帰する。
【0073】
このように構成された可動装置1によれば、誤動作状態からの復帰を可能とするとともに部品の破損を回避できる。また、可動装置1は、自動復帰の際に部品を弾性変形させる必要がない。このため、ストライカ10を金属材料により板金加工等により形成することで、簡単な構成で自動復帰が可能であるとともに、高い強度とすることが可能となり、ストライカ10の破損を防止することが可能となる。
【0074】
即ち、ストライカ10は、金属材料の板材を塑性変形させることで、ベース11aに対して直交する方向に延出した面である第1係合部13及び第2係合部14を形成する。また、第1係合部13及び第2係合部14間を連続する連結部15の幅を、カム部32のフック部32fを挿通可能に、そのY方向の幅を第1係合部13及び第2係合部14よりも短い幅で形成する。
【0075】
これにより、第3の動作において、第2係合部14がフック部32fを乗り越えた場合に、フック部32fが連結部15を通過して1係合部13及び第2係合部14間に位置することとなる。これにより、当該フック部32fが第2係合部14の一方側の主面と当接することで、自動復帰が可能となる。
【0076】
このようなストライカ10は、誤作動状態からの自動復帰が可能であっても、ベース11a,11aから突出する複数の係合部13,14を有し、これらの間にフック部32fが挿通可能であればよい。
【0077】
また、スリット27に沿ってカム部32が移動することで、ストライカ10がラッチ22に細くされる構成であり、このため、ストライカ10及びカム部32に高い弾性力が求められておらず、金属材料等により形成することができる。
【0078】
このため、ストライカ10は、金属材料によりベース11a,11aから突出する複数の係合部13,14を曲折等の加工により成形することが可能な単純な構成でよい。即ち、ストライカ10は、板金加工等により一枚板を加工すればよく、容易に成形可能であり、製造コストを抑えることが可能となる。また、金属材料等により成形することが可能であることから、その強度を向上することが可能となり、樹脂材料により形成した場合と比較して、疲労等による部品の破損を防止でき、長期間性能を保つことが可能となる。
【0079】
上述したように本発明の一実施形態に係る可動体110の可動装置1によれば、当受体10及び当接体22が樹脂材料等の高い弾性力を有さない材料で形成されていても、単純な構成で誤作動時に自動復帰が可能となる。
【0080】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、ストライカ10の連結部15は、第1係合部13及び第2係合部14の下端に、これらの幅よりも短い幅で、第1係合部13及び第2係合部14の略中央に配置し、ラッチ22は、そのフック部32fが、カム部32のY方向の両端側に設ける構成を説明したがこれに限定されない。
【0081】
以下、本発明の第1の変形例に係るストライカ10A及びカム部32Aの構成、第2の変形例に係るストライカ10Bの構成、第3の変形例に係るストライカ10Cの構成、及び、第4の変形例に係るストライカ10Dの構成を、図8乃至図11を用いて以下説明する。
【0082】
図8は本発明の第1の変形例に係る可動装置1のストライカ10A及びカム部32Aの構成を示す斜視図である。なお、図8に示す第1の変形例に係るストライカ10A及びカム部32Aのうち、上述した一実施の形態に係るストライカ10及びカム部32と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0083】
図8に示すように本発明の第1の変形例に係る可動装置1のストライカ10A及びカム部32Aは、可動装置1に用いられ、ストライカ10Aは、上述したストライカ10と同様に、引き戸溝104に締結部材により固定される。カム部32Aは、上述したカム部32と同様にアシストユニット20のラッチ22に用いられる。
【0084】
ストライカ10Aは、取付部材11と、取付部材11からZ方向に突出し、且つ、X方向に離間する2つの異なる面をなし、上枠101から下方に突出する係合突起部12Aと、を備えている。係合突起部12Aは、第1係合部13と、第2係合部14と、連結部15Aと、を備えている。連結部15Aは、そのY方向の幅が第1係合部13及び第2係合部14のY方向の幅よりも一つのフック部32fのY方向の幅分短く形成されている。
【0085】
また、連結部15Aは、第1係合部13及び第2係合部14間であって、Y方向のいずれか一端側に寄って配置される。即ち、連結部15Aは、後述するカム部32Aのフック部32fと対向する部位に位置しないように、Y方向のフック部32fが設けられた側とは反対側の一端側に配置される。
【0086】
キャッチャ32aはカム部32の先端側に設けられ、カム部32Aの上方に突出する一つのフック部32fを有している。フック部32fはY方向のいずれか一端側に設けられる。なお、図8に示すストライカ10A及びカム部32Aにおいては、フック部32fは、Y方向の奥側に設けられる構成である。
【0087】
このようにストライカ10A及びカム部32Aを有する可動装置1によれば、カム部32Aは、フック部32fを一つだけ有する構成とし、ストライカ10Aの連結部15Aを一つのフック部32fを通過可能とする構成であっても、上述した及びストライカ10及びカム部32を有する可動装置1と同様の効果を得ることが可能となる。なお、フック部32fを通過させる位置は、一端側でなく、中央側であってもよい。
【0088】
次に、図9に示すように、第2の変形例に係る可動装置1に用いられるストライカ10Bの構成を説明する。図9は本発明の第2の変形例に係る可動装置1のストライカ10Bの構成を示す斜視図である。なお、図9に示す第2の変形例に係るストライカ10Bのうち、上述した一実施の形態に係る可動装置1のストライカ10と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0089】
可動装置1は、ストライカ10Bと、アシストユニット20と、を備えている。ストライカ10Bは、取付部材11と、取付部材11からZ方向に突出し、且つ、X方向に離間する2つの異なる面をなし、上枠101から下方に突出する係合突起部12Bと、を備えている。
【0090】
係合突起部12Bは、第1係合部13Bと、第2係合部14Bと、連結部15Bと、を備えている。第1係合部13Bは、金属の板材を、ベース11aから突出した一部(中途部)において二つ折りにすることで形成され、ベース11aから面状に突出する。第2係合部14Bは、金属の板材を、ベース11aから突出する一部(中途部)において二つ折りにすることで形成される、ベース11aから突出する面である。連結部15Bは、ベース11aと面位置となるように、第1係合部13B及び第2係合部14Bから曲折され、第1係合部13B及び第2係合部14Bを連続させる。
【0091】
即ち、ストライカ10Bは、第1係合部13B及び第2係合部14Bがベース11aからそれぞれ突出するとともに、ベース11a側で第1係合部13B及び第2係合部14Bを連続させることで、第1係合部13B及び第2係合部14Bの先端側がフック部32fを挿通可能に開口する。
【0092】
このように構成されたストライカ10Bを有する可動装置1によれば、上述したストライカ10を有する可動装置1と同様の効果を得ることが可能となる。さらに言えば、ストライカ10Bは、連結部15Bがベース11aと面位置に配置されることから、第1係合部13B及び第2係合部14B間への当接体の挿入が阻害されることがない。このため、一対のフック部32fを有するカム部32であっても、フック部32fを1つ有しているカム部32Aであってもよく、また他の形状、例えば、フック部とカム部32とが同一幅に形成されているものであってもよい。
【0093】
次に、図10に示すように、第3の変形例に係る可動装置1のストライカ10Cの構成を説明する。図10は、第3の変形例に係る可動装置1に用いられるストライカ10Cの構成を示す斜視図である。なお、図10に示す第3の変形例に係るストライカ10Cのうち、上述した一実施の形態に係る可動装置1のストライカ10と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0094】
可動装置1は、ストライカ10Cと、アシストユニット20と、を備えている。ストライカ10Cは、取付部材11と、取付部材11からZ方向に突出するとともに、上枠101から下方に突出する係合突起部12Cと、を備えている。
【0095】
係合突起部12Cは、第1係合部13Cと、第2係合部14Cと、を備えている。第1係合部13Cは、金属の板材を、ベース11aから突出する一部(中途部)においてV字状に二つ折りにすることで形成される。第2係合部14Cは、金属の板材をベース11aから突出する一部(中途部)においてV字状に二つ折りにすることで形成される。
【0096】
このような係合突起部12Cは、Y方向から側面視でW字状に形成され、第1係合部13C及び第2係合部14Cが、その下方においてフック部32fが挿通可能に開口(離間)する。また、第1係合部13Cの2つ折りにされて第2係合部14Cと連続する部位が、連結部となる。なお、連結部は、第1係合部13C及び第2係合部14Cの先端よりもベース11a側に位置し、フック部32fが挿通可能であればよい。
【0097】
このように構成されたストライカ10Cを有する可動装置1によれば、上述したストライカ10Bを有する可動装置1と同様の効果を得ることが可能となる。
【0098】
次に、図11に示すように、第4の変形例に係る可動装置1のストライカ10Dの構成を説明する。図11は、第4の変形例に係る可動装置1に用いられるストライカ10Dの構成を示す斜視図である。なお、図11に示す第4の変形例に係るストライカ10Dのうち、上述した一実施の形態に係る可動装置1のストライカ10と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0099】
可動装置1は、ストライカ10Dと、アシストユニット20と、を備えている。ストライカ10Dは、取付部材11と、取付部材11からZ方向に突出し、且つ、X方向に離間する2つの異なる面をなし、上枠101から下方に突出する係合突起部12Dと、を備えている。
【0100】
係合突起部12Dは、第1係合部13Dと、第2係合部14Dと、連結部15Dと、を備えている。第1係合部13D及び第2係合部14Dは、金属の板材を、曲折することで形成され、ベース11aから面状に突出する。連結部15Dは、Y方向及びZ方向に沿って延設され、第1係合部13D及び第2係合部14Dの一方の側端部を連続する。この連結部15Dは、第1係合部13D及び第2係合部14Dから曲折され、第1係合部13D及び第2係合部14Dを連続させる。
【0101】
即ち、ストライカ10Dは、一枚の凹字状の板材を曲折して、連結部15Dと連続する第1係合部13D及び第2係合部14Bが形成されるとともに、当該第1係合部13D及び第2係合部14Bの一部を曲折して、取付部材11が形成される。このように、ストライカ10Dは、第1係合部13D及び第2係合部14D間がフック部32fを挿通可能に開口する。
【0102】
このように構成されたストライカ10Dを有する可動装置1によれば、上述したストライカ10を有する可動装置1と同様の効果を得ることが可能となる。さらに言えば、ストライカ10Dは、連結部15Dが第1係合部13D及び第2係合部14Dの側縁部を連続するようにX方向及びZ方向に沿って延設される構成であり、第1係合部13D及び第2係合部14D間への当接体の挿入が阻害されることがない。このため、一対のフック部32fを有するカム部32であっても、フック部32fを1つ有しているカム部32Aであってもよく、また他の形状、例えば、フック部とカム部32とが同一幅に形成されているものであってもよい。
【0103】
さらに、ストライカは、上述したストライカ10,10A,10B,10C,10D以外の形状であってもよい。例えば、取付部材11は、一枚のベースとし、その中途部から第1係合部13及び第2係合部14が突出し、それら突出する先端間が開口する構成であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…可動装置、10,10A,10B,10C,10D…ストライカ(当受体)、11…取付部材、11a…ベース、11b…孔部、12,12A,12B,12C,12D…係合突起部、13,13B,13C,13D…第1係合部、14,14B,14C,14D…第2係合部、15,15A,15B,15D…連結部、20…アシストユニット、21…ハウジング(基体)、21a…側壁、21b…連結部、22…ラッチ(当接体)、23…付勢機構、24…制動機構、25…仕切板、25a…上部室、25b…下部室、27…スリット、27a…主ガイド路、27b…待機路、27c…退避路、31…ラッチベース、31a…突起部、31b…溝、31c…支持片、32,32A…カム部、32a…キャッチャ、32b…軸部、32c…被押圧部、32d…軸部、32e…被付勢部、32f…フック部、41…引張コイルばね、50…ピストンダンパ、51…シリンダ、52…ピストンロッド、100…戸枠(支持体)、101…上枠、102…左枠、103…右枠、104…引き戸溝、110…引き戸(可動体)、111…溝、112…取っ手。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体及び前記支持体に相対的に移動する可動体の一方に固定され、前記支持体及び前記可動体の一方から互いに離間して突出する複数の係合部を有する当受体と、
前記支持体及び前記可動体の他方に設けられた基体と、
前記基体に前記可動体の移動方向に沿って移動可能に設けられ、前記可動体がその移動終了位置に移動する場合に前記複数の係合部のいずれかと係合する当接体と、
前記基体及び前記当接体間に付勢可能に形成されるとともに、前記付勢による前記基体又は記当接体の移動を規制し、前記当接体が前記複数の係合部のいずれかと係合することで、前記基体又は記当接体の移動の規制を解除可能な付勢機構と、を備えることを特徴とする可動体の可動装置。
【請求項2】
前記当受体は、
前記支持体又は前記可動体に固定される取付部材と、
前記取付部材から突出し、前記当接体と係合する第1係合部と、
前記取付部材から前記第1係合部と前記可動体の移動方向に離間して突出し、前記当接体と係合する第2係合部と、
前記第1係合部と前記第2係合部とを連続する連結部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の可動体の可動装置。
【請求項3】
前記取付部材、前記第1係合部、前記第2係合部及び前記連結部は、一体に成形され、
前記取付部材は、前記支持体又は前記可動体に固定される一対のベースを有し、
前記第1係合部及び前記第2係合部は板状に形成されるとともに、前記ベースにそれぞれ連結され、
前記連結部は、前記第1係合部及び前記第2係合部の突出する先端を連結するとともに、その一部が前記当接体を挿通可能に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の可動体の可動装置。
【請求項4】
前記取付部材、前記第1係合部、前記第2係合部及び前記連結部は、一体に成形され、
前記取付部材は、前記支持体又は前記可動体に固定される一対のベースを有し、
前記第1係合部及び前記第2係合部は前記ベースにそれぞれ突出するとともに、その中途部で折り返され、その一部が前記当接体と係合可能に形成され、
前記連結部は、前記第1係合部及び前記第2係合部を前記第1係合部及び前記第2係合部の先端よりも前記ベース側で連結することを特徴とする請求項2に記載の可動体の可動装置。
【請求項5】
前記取付部材、前記第1係合部、前記第2係合部及び前記連結部は、一枚の金属材料を曲折することで形成されることを特徴と知る請求項3又は請求項4に記載の可動体の可動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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