説明

可動式アンカ固定落下防止装置

本発明の装置は、空間近傍にいながら、また、屋内または屋外の既存の構造物(床、壁、天井)に損壊を与えることなく、建造物の内側から、壁上で、前記壁の張り出し窓を通り抜けて作業を行うすべての業種の作業者の安全を提供することを意図している。本発明によれば、この装置は、張り出し窓に対向して配置された剛性構造物(7、10、12)と、構造物(7、10、12)の上側部分に連結され、張り出し窓上方の壁においてその両側で支持する2本のアーム(15)と、構造物(7、10、12)に対して、その上側部分で連結されるアンカ固定手段(16)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護具(PPE)、すなわち落下防止安全システムを取り付けることを可能にする、一時的かつ移動式のアンカ固定のための方法および装置に関する。
【0002】
本発明はまた、地面上方に位置する高さによる、扉、バルコニまたは窓棚の正面における作業の安全を確保するための装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
窓棚、バルコニ棚上での作業、または屋外に近い高所における他の作業は、作業者の落下のリスクを鑑みると重大な安全問題を引き起こす。こうしたリスクは、特に、開口部が地面上方に見出される高さにあるために存在する。
【0004】
こうしたリスクはまた、屋外からプラットフォームを使用する、あるいは足場などの作業構造物を使用することが不可能な場合にも存在する。
【0005】
固定式アンカ固定要素として、本発明者は、落下防止保護具を連結することを可能にする建築用アンカを認識している。本発明者は、建築用アンカは、PPEを取り付けることが可能である構造物上に永続的に固定された要素であることを想起する。これらの配置には長い時間がかかり、また、これらの要素は、建造物の正面に損壊を与えることに加え、化学シーリング剤が使用されている場合は使用前に待機時間を必要とする。
【0006】
可動式アンカ固定要素として、本発明者はまた、作業場近くの壁を貫通することによって2つの締結具を必要とするアルミニウムリングも認識している。本発明者は、アンカ固定点は、アンカ固定装置の取り付け後に保護具を取り付けることができる要素であると想起される。このアンカ固定点は、一般に、PPEを介してアンカ固定点に連結された作業者の落下を吸収するのに十分な抵抗力を有するリングまたは任意の他の手段である。これらの手段は、損壊を与え、配置に長い時間を必要とする。
【0007】
可動式アンカ固定要素として、本発明者はまた、扉または窓の棒材も認識している。棒材は、落下リスクの方向とは反対側に扉または窓を通って配置される。棒材の中心のリングは、作業者に連結されたPPEを引っ掛けることを可能にする。このリングは、扉の幅に応じて1人または2人によって使用可能である。作業者が落下した場合、棒材は、その落下を止める。この欠点としては、係留具が作業者よりも低いため、落下の場合、ロープおよび係留具上に及ぼされる応力が減少すること、ロープは、全作業場、地面にまで張り巡らされているため、作業者にとっては厄介なものになること、扉が常に作業場に面しているわけではないので、数多くのシナリオで使用することが不可能であることがあげられる。
【0008】
こうした作業の市場で現在知られているすべての装置は、配置、複雑性、取り付けコスト、取り付け時間、これらの装置が機能しない特定の作業場に対する特有の適応に関して深刻な欠点を有しているため、命にかかわる事故が発生する。加えて、これらの装置のほとんどは、実際には、壁を穿孔してアンカ固定を確保することを可能にするなどの調整を必要とするが、その場所の所有者は、これを承諾しない。
【0009】
作業者の安全は、高所における作業時間が短いとき、あるいは作業時間が、現在の既存の安全装置の配置の時間よりも短い場合、常に保証されるとは限らない。作業者は、安全ではなく落下のリスクを選択する。
【0010】
まとめると、知られている装置は、不適切であり、実施に時間がかかり、制限的であり、作業場に損壊を与えるため、高所で作業する作業者は、安全策を全く使用せず、それによって落下のリスクを被る。
【0011】
特許文献1および特許文献2もまた、この用途において使用可能である装置について記載しているが、満足のいくものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】AE-387143
【特許文献2】独国特許出願公開第9318317号明細書(DE9318317)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、既存の装置のすべての欠点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
可動式アンカ固定落下防止装置は、空間近傍にいながら、また、屋内または屋外の既存の構造物(床、壁、天井)に損壊を与えることなく、建造物の内側から、壁上で、前記壁の張り出し窓を通り抜けて作業を行うすべての業種の作業者の安全を確保することを可能にする。
【0015】
本発明によれば、この装置は、
- 張り出し窓に対向して配置された剛性構造物と、
- 構造物の上部に連結され、壁上の、張り出し窓上方のその両側で支持することが意図された2本のアームと、
- 前記構造物と一体化した、前記構造物の上部に配置されたアンカ固定点とを備える。
【0016】
本発明による装置は、すべてのシナリオで完璧に作動し、時間をかけずに取り付けられる点で、既存装置の欠点を解決することを可能にする。本装置は、取り付け後すぐに使用可能である。本装置は、2分未満で取り付けられ、それ無しでは作業者に落下リスクを与えるすべての作業を可能にする。本装置は、特に、以下の地面上方の高所におけるあらゆる種類の作業を実施することを可能にするように適合されている。
- 建造物の内側
- 建造物の外側
- 窓棚の側板
- 屋内の作業場、解放窓近傍の脚立上
【0017】
本装置は、機械式固定を必要とする建築用または可動式アンカの使用、および建造物外側からのプラットフォーム、足場、梯子の使用を回避することを可能にする。
【0018】
可能性としては、
- 巻上げ小割板ブラインドの欠陥の補修、屋内または屋外近くで取り付け作業を行う作業者、
- 窓ふき屋、
- 屋外正面に装置を取り付ける作業者、
- 屋内または屋外の梯子上で、あるいは屋内の脚立上で作業する作業者、
- 建築用アンカ固定点の取り付け、足場またはプラットフォームの使用が許されない高所において作業を実施しなければならないすべての作業者(限定的なリスト)によって使用可能である。
【0019】
したがって、本発明の目的は、特に取り付けられる作業場に対する、簡単ですばやく、安全で、効率的であり、損壊を与えない取り付けを有し、取り付け場所に多くの選択の自由を有する、移動式の一時的アンカ固定のための方法および装置を提案することである。
【0020】
前記構造物は、作業が行われる部屋の床および同部屋の天井に載接することが意図された単一の柱であって、その端部をこの床およびこの天井それぞれにしっかりと押し当てる(apply)ようにその柱の長さを調整するための手段を装備した柱を備えることができる。
【0021】
あるいは、前記構造物は、床に載接することが意図された2本の横方向の柱およびこれら2本の柱を互いに連結する少なくとも1本の横木を備えることができる。
【0022】
前記単一の柱の長さを調整する前記手段は、
- 前記柱を形成する少なくとも2つの伸縮要素であって、特にこれらの伸縮要素に配置された穴のシステムおよび少なくとも1つのキーによって、互いに対して決められた位置に固定可能であり、前記決められた位置が、この位置において、前記柱が、作業が行われる部屋の天井から床を分離する距離よりもわずかに短い長さを有するような位置である、少なくとも2つの伸縮要素と、
- 前記柱の長さの微調整を行う手段であって、この柱の少なくとも一方の端部のレベルで締め付けを行うことができるように動作し、柱の端部を床および天井それぞれにしっかりと押し当てることを可能にする手段とを備える。
【0023】
これらの微調整手段は、特に伸張性のねじまたは引き締めねじタイプのものでよい。
【0024】
有利には、
-少なくとも一方のアームが、構造物に対して枢動するように取り付けられ、
-装置は、摺動することができるように構造物の柱上に係合された少なくとも1つの部分を備え、
- 装置は、前記アームに枢動式に連結されたスペーサおよびこの摺動部品を備え、
- 装置は、前記柱部に固定された部分であって、前記アームの配備位置で、前記摺動部品がそれに対して当接するストッパを形成する部分を備える。
【0025】
好ましくは、構造物の各々の柱は、その上に載接することが意図された表面に接する支持パッドを備える。
【0026】
有利には、各々のアームは、前記構造物の対向側のその端部に、それに対して連接された、張り出し窓を備える壁に押し付けられる支持パッドを備える。
【0027】
本発明の別の態様によれば、2本のアームは、前記構造物の両側で、ケーブルによって互いに連結されており、このケーブルは、一方のアームの他方のアームに対する分離の可能性を抑える。
【0028】
このケーブルは、その中心部分において、前記構造物に対してアームを折り畳む間、このケーブルの折り畳みを容易にする弾性の締め具に連結可能である。
【0029】
装置は、特に張り出し窓内部で配備可能である、張り出し窓を画定する縁上で支持することができる剛性要素を備えることができ、これらの剛性要素によって形成された追加の構造物が、装置の前記構造物に連結されている。このようにして装置のさらなる安定化が、実現され、張り出し窓を通り抜ける負荷の持上げを行うことができる。
【0030】
前記追加の構造物は、張り出し窓を画定する縁の一方上で支持するように設計された少なくとも1本の棒材、好ましくは少なくとも2本の棒材を備えることができ、少なくともその一方は、張り出し窓を画定する下側縁部に押し付けられて支持するように設計され、その他方は、張り出し窓を画定する上側縁部に押し付けられて支持するように設計される。有利には、前記追加の構造物の棒材の少なくとも一方の長さが、調整可能である。
【0031】
装置はまた、床およびレールを含む、張り出し窓外側に置かれるように設計されたコンソールであって、少なくとも1本のアームおよび/または少なくとも1本のケーブルによって装置の残りの部分に連結される、コンソールを含むこともできる。
【0032】
前記単一の柱の長さを調整するための前記手段が、少なくとも2つの伸縮要素を備えるとき、装置は、有利には、
- 伸縮要素の一方が、下側基部に対して摺動することができるようにその上に取り付けられる下側基部と、
- この基部とこの伸縮要素の間に挿入されたばねと、
- 基部上で枢動するように取り付けられたペダルと、
- ペダルと伸縮要素を連結するロッドとを備える。
【0033】
このようにペダルを作動させることにより、前記ロッドを介して、伸縮要素を隣接する伸縮要素に対して決められた摺動位置に容易に戻すことを可能にするために、ばねの弾性力に抵抗して縦方向にこの伸縮要素を摺動させることが可能になる。この決められた摺動位置は、特に、伸縮要素の一方が備える穴が、他方の伸縮要素が備える穴と対向しており、その結果、これらそれぞれの穴からの、一方の伸縮要素を他方に対して固定化するためのピンの挿入を容易にすることを可能にする位置でよい。
【0034】
説明:
アルミニウム製または鋼製の組立可能および分解可能な軽量の構造物であって、円形、正方形、矩形、または他の部分を有し、作業場の天井下の高さに応じて3つまたは4つの要素から構成される構造物。
【0035】
この構造物は、4点で支持する構造物であり、1点は床上に、2点は壁に押し付けられて、4番目の点は、床上の点と縦方向に反対側に、天井に押し付けられて存在するが、この最後の点は、必要なものではない。
- 内側の壁に対してかなり後退された床上の第1の支持点により、木工品の配置、作業場に必要な材料の脚立、足場・・・の取り付けのための利用可能な作業空間が残される。
- 壁に押し付けられる2つの支持点は、目の高さの張り出し窓の両側の、天井近傍に配置される。
- 縦方向のブロッキングシステムが、システムを固定化する。
【0036】
作動および配置:
付属の図は、本発明を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による装置の全体的な斜視図である。
【図2】本発明による装置の下側部分の側面図である。
【図3】本発明による装置の上側部分の側面図である。
【図4】本発明による装置の引き上げ部分の側面図である。
【図5】引き上げ部分を有さない本発明による装置の上面図である。
【図6】本発明による装置の全体的な側面図である。
【図7】本発明による装置の拡張部の側面図である。
【図8】折り畳まれた上側部分の側面図である。
【図9】任意選択品が設けられた本発明による装置の斜視図である。
【図10】装置が備えることができる追加の構造物の実施形態の変形形態の側面図である。
【図11】装置が備えることができるコンソールの斜視図である。
【図12】装置が備える基部の実施形態の変形形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
- 図1は、建造物の内側からの、本発明による装置の斜視図である。
【0039】
- 図2は、本発明による装置の下側部分の側面図である。この装置の下側部分には、負荷の分散を可能にする支持面を提供する基部(1)が設けられる。この基部は、床上に配置されることにより、組立中、装置を安定させることができる。この基部の下面には、床の損壊を防止することができる薄い厚さの小型のフォームマット(2)が設けられてよい。この基部上には、装置がその上で保持されるプレート(3)が固定され、このプレート(3)は、一連の組立作業が終了した後、上部からおよび底部からのすべての構造物のブロッキング、および僅かな縦方向の加圧を可能にする。この縦方向のブロッキングは、ガスシリンダまたは任意の他のシステム、図1のこの場合、引き締めねじタイプの逆ねじ切り(reversed threadings)を有する機械的システム(4)などのシステムを用いて行うことができる。プレート(3)上には、締め具の下側部分である、ねじ切りされたロッド(5)が固定される。引き締めねじの上側部分を構成する第2のねじ切りされたロッド(6)は、棒材(7)の端部に固定される。棒材(7)の上側部分では、穴(8)により、キー(9)の配置が可能になる。
【0040】
- 図3は、本発明による装置の上側部分の側面図である。この上側部分は、棒材(10)を棒材(7)内側で摺動させることによって下側部分内に嵌合する。
【0041】
棒材(10)の上部には、中空部分(11)が、固定され、その内部において、引き上げ部分の図4の棒材(12)が縦方向に移動することができ、この引き上げ部分は、中空部分(11)の上部に配置された穴(14)内に収容されるブロッキングキー(13)を用いて固定化される。
【0042】
この中空部分(11)上の2本のアーム(15)間には、作業者のPPEを引っ掛けるのを可能にする図1、3、および6のアンカ固定リング(16)が存在する。2本のアーム(15)は、それらの端部の一方で、部分(11)上の(17)内において連接され、この連接から数10センチメートルの(18)では、スペーサ(19)を形成する棒材が、アーム(15)上の(18)および摺動する中空部分(21)上の(20)に連接される。
【0043】
中空部分(21)は、棒材(10)に沿って上方向に垂直移動することによって中空部分(11)に当接することにより、2本のアーム(15)の配備を可能にする。
【0044】
この場合は互いに垂直である、互いに十分に離間されたこれらの2本のアーム(15)には、その他方の端部に連接部(22)が設けられる。これらの連接部は、作業場の内側の壁上の開口部の両側で支持する保護フォーム(24)を装備した「負荷分散」パッド(23)を受け入れる。この連接部(22)は、壁の状態および構造物の折り畳みに関係なく、壁に対する接触を可能にする。
【0045】
これら2本のアーム(15)は、図5のケーブル(25)により、2つのリング(26)によって互いに連結される。
【0046】
図5の弾性の締め具(27)は、図3および5の部分(11)の上部において、ケーブル(25)の中央部とリング(29)を連結して、構造物を閉じる間のケーブルの湾曲を容易にする。
【0047】
2点(18)および(20)で連接された図3のアーム(19)は、中空部分(21)上に固定されたハンドル(28)による開閉を助ける。
【0048】
穴(31)内に収容されたブロッキングキー(30)は、要素(21)を高い位置でロックし、それによってアーム(19)によって支持された両方のアーム(15)は、開いた位置に保たれる。
【0049】
図4は、本発明による装置を引き上げることを可能にする要素の側面図である。その高さの調整は、要素の下側の棒材(12)を棒材(10)の内部で摺動させ、棒材(12)上に配置された孔(32)の1つを用いてその棒材(12)を固定化することによって行われる。この引き上げ部分は、穴(14)内に収容されるキー(13)を用いてブロックされる。この引き上げ部分は、連接可能であるプレート(33)の上部に設けられ、その上には、天井の損壊を回避するためにフォーム(35)を装備した負荷分散パッド(34)が固定される。図3のこの上側要素は、フォーム(35)が天井と接触するまで棒材(7)内において棒材(10)を介して縦方向に摺動する。上側要素は、第2のブロッキングキー(9)によってできるだけ天井近傍に固定化され、この第2のブロッキングキー(9)は、棒材(7)上の穴(8)内および棒材(10)上で利用可能な最も近い穴内に収容される。構造物を固定化する縦方向のブロッキングは、引き締めねじ(4)を介して行われる。
【0050】
図1、3、5、6の上部に配置されたアンカ固定リング(16)は、
- ロープを地面に這わすことを防ぎ、地面の損壊のリスクを低減し、
- その位置により、アンカ固定によって吸収された衝撃力および落下係数を低減し、したがって落下係数は1より大きくなり得ない。衝撃力は、体重よりもかなり大きいことが想起される。衝撃力は、ロープ、ケーブル、または係留具の破損を引き起こす、あるいは個人を傷付ける場合がある。衝撃は、ロープが作業者をブロックするときに存在する。その値は、落下の高さによって変わる。落下係数は、落下の高さを使用されるロープの長さで割ったものと等しい。これは、できるだけ小さくならなければならない。
【0051】
このアンカ固定点により、作業者は、脚立の取り付け前に作業者のPPEを介して構造物と連結し、窓または別の高さの上部開口部の縁部で支持を得ることが可能になる。
【0052】
吊り下げ天井が装備された場所の場合、図2の上側要素内に組み込まれた引き上げ部分は、既存の天井に到達するまで縦方向に摺動する。図3のつなぎ留め式(captive)キー(13)によってブロッキングすることにより、この引き上げ部分が備わり、大きな高さのプレナムが可能になる。
【0053】
天井下の高さが3メートルを越える場所の場合、アーム(7)および(10)内にそれぞれ嵌合する2本の結合されたアーム(36)および(37)から構成された図7の拡張部により、構造物全体の引き上げが可能になる。追加のブロッキングキー(38)により、拡張部の固定化が可能になる。
【0054】
図3の構造物は、図8で折り畳まれると、下側および上側プレートに相当する領域内に嵌合する。構造物は、ハンドルおよび/またはストラップが設けられたバッグ内に格納され、バッグパックとして移動可能になる。このバックパックは、軽量であるため作業場で容易に移動可能である。
【0055】
あまり一般的でないシナリオの必要性を満たすために寸法を変更(低減または増大)することができる。
【0056】
この構造物の容積は、この構造物が、図8のアーム(15)および図8の(10)、図2の(7)、図7の(37)のアームが互いに結合された状態で製造される場合、折り畳まれると、高さに関して半分に低減することができる。
【0057】
この構造物には、組立ておよび分解中にその安定性を増大させるために床上に追加の支持点を設けることができる。
【0058】
1つの可能な模倣策は、垂直のブロック(引き締めねじ)および天井における支持点を、脚部および横木の追加のセットと置き換えることからなり、この追加のセットは、システムの利益を抑制するが、それでも上記で提示した構造と同じ利点が得られる。このとき、この構造物は、それ自体安定性のものであり、実施により長い時間がかかり、確かにより重くかさばるものであるが、それでもこの構造物は、上部に支持表面の存在を必要としないため、より高度なパフォーマンスのものであり得る。
【0059】
この装置の別の使用方法は、別のシナリオにおいて、図9の作業に関係する、負荷を街路から床に持ち上げるものからなる。構造物の上部の一方側から部屋(11)まで連結され、他方の端部では窓または開口部の縁部の2点に載接する2本のアーム(40)および(41)に連結された棒材39を使用することにより。これら3本のアームは、その下側面に持上げリングを備える連結部分によって互いに連結され、この持上げリング上には、戻り滑車が取り付けられ得る。この滑車は、角度戻り(angle return)として使用され得る。この滑車はまた、建造物外側の正面の下方で下りながら作業する作業者の保護手段として使用されるワイヤの摩擦を回避することにも使用され得る。図9のこの新しい構造物の全ては、昇降機と共に、負荷を地面から持ち上げる手段として使用され得る。
【0060】
図10は、棒材39が、長さ調節を可能にするために伸縮構造物であり得ること、および棒材39〜41によって形成された追加の持上げ構造物が、追加の上側棒材42によって完全なものになり得、この追加の上側棒材42は、棒材39〜41を互いに組み合わせることを可能にする部分に連結され、上側部分内の張り出し窓を画定する建造物の壁の縁部で支持することを示している。この棒材42は、長さ調節を可能にし、締め具43が装備される伸縮構造物を有することができる。棒材39〜41を互いに組み合わせることを可能にする部分は、持上げケーブルがその上を通る滑車を備えることができる。
【0061】
図11は、装置がまた、床およびレールを含む、張り出し窓の外側に置くように設計されたコンソール45であって、少なくとも1本のケーブル46によって装置に連結されたコンソール45を備えることもできることを示している。張り出し窓とコンソール45の間には、工具落下防止ネット47を張ることができる。
【0062】
図12は、下側基部1の実施形態の変形形態を示す。この基部1は、伸縮要素7が、この基部に関して縦方向に摺動することができるように取り付けられた縦方向の指部を備える。ばね50は、垂直の指部上に係合され、基部1と伸縮要素7の間に挿入された状態である。ペダル51が、基部1上で枢動するように取り付けられ、ロッド52は、ペダル51と伸縮要素7を連結する。
【0063】
ペダル51上の作動は、ロッド52を介して、伸縮要素7を隣接する伸縮要素10に対して決められた摺動位置に容易に移動させることを可能にするために、ばね50の弾性力に抵抗して縦方向に伸縮要素7を摺動させることを可能にする。この決められた摺動位置は、特に、伸縮要素7の一方が備える穴が、他方の伸縮要素10が備える穴と向い合い、その結果、これらそれぞれの穴からの、一方の伸縮要素7の他方に対する固定化ピン9の挿入を容易にすることを可能にする位置でよい。
【符号の説明】
【0064】
1 基部
2 フォームマット
3、33 プレート
4 機械式システム
5 ねじ切りされたロッド
6 第2のねじ切りされたロッド
7、10、12、39、42 棒材
8、14、31、32 穴
9、13、30、38 ブロッキングキー
11、21 中空部分
15、36、37、40、41 アーム
16 アンカ固定リング
19 スペーサ
22 連接部
23、34 負荷分散パッド
24 保護フォーム
25、46 ケーブル
26、29 リング
27、43 締め具
28 ハンドル
35 フォーム
45 コンソール
47 工具落下防止ネット
50 ばね
51 ペダル
52 ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間近傍にいながら、また、屋内または屋外の既存の構造物(床、壁、天井)に損壊を与えることなく、建造物の内側から、壁上で、前記壁の張り出し窓を通り抜けて作業を行うすべての業種の作業者の安全を確保することを可能にする、可動式アンカ固定落下防止装置であって、
前記張り出し窓に対向して配置された剛性構造物(7、10、12)と、
前記構造物(7、10、12)の上部に連結され、前記壁上の、前記張り出し窓上方のその両側で支持することが意図された2本のアーム(15)と、
前記構造物(7、10、12)と一体化した、前記構造物の上部に配置されたアンカ固定点(16)とを備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記構造物が、前記作業が中で行われる部屋の床および同部屋の天井に載接することが意図された単一の柱(7、10、12)であって、その端部をこの床およびこの天井それぞれにしっかりと押し当てるようにその長さを調節するための手段(8、9、13、14、32、4)を装備した柱を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記構造物が、前記床に載接することが意図された2本の横方向の柱およびこれらの2本の柱を互いに連結する少なくとも1本の横木を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記単一の柱の長さを調整するための前記手段が、
前記柱を形成する少なくとも2つの伸縮要素(7、10、12)であって、特にこれらの伸縮要素(7、10、12)に配置された穴(8、14、32)のシステムおよび少なくとも1つのキー(9、13)によって、互いに対して決められた位置に固定可能であり、前記決められた位置が、この位置において、前記柱が、前記作業が行われる前記部屋の前記天井から前記床を分離する距離よりもわずかに短い長さを有するような位置である、少なくとも2つの伸縮要素(7、10、12)と、
前記柱の長さの微調整を行うための手段(4)であって、この柱(7、10、12)の少なくとも一方の端部のレベルで締め付けを行うことができるように動作し、前記柱の端部を前記床および前記天井それぞれにしっかりと押し当てることを可能にする手段(4)とを備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1本のアーム(15)が、前記構造物に対して枢動するように取り付けられることと、
前記装置が、摺動することができるように前記構造物の柱(7、10、12)上に係合された少なくとも1つの部分(21)を備えることと、
前記装置が、前記アーム(15)に枢動式に連結されたスペーサ(19)およびこの摺動部品(21)を備えることと、
前記装置が、前記柱上に固定された部分(11)であって、前記摺動部品(21)が前記アーム(15)の配備位置でそれに対して当接するストッパを形成する部分(11)を備えること、とを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記構造物の各々の柱(7、10、12)が、その上に載接することが意図された表面に押し付けられる支持パッド(1、34)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
各々のアーム(15)が、前記構造物の対向側のその端部において、前記端部に対して連接された、前記張り出し窓を備える前記壁に押し付けられる支持パッド(23)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記2本のアーム(15)が、前記構造物の両側で、ケーブル(25)によって互いに連結され、前記ケーブルが、一方のアーム(15)の他方のアームに対する分離の可能性を抑えることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記ケーブルが、その中心部分で、前記構造物に対して前記アーム(15)を折り畳むのを容易にする弾性の締め具(27)に連結されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記張り出し窓を画定する縁上で支持することができる剛性要素(39〜42)を備え、これらの剛性要素(39〜42)によって形成された追加の構造物が、前記装置の前記構造物に連結されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記追加の構造物が、前記張り出し窓を画定する前記縁一方上で支持するように設計された少なくとも1本の棒材(40〜42)、好ましくは少なくとも2本の棒材を備えることができ、少なくともその一方は、前記張り出し窓を画定する下側縁部に押し付けられて支持するように設計され、その他方は、前記張り出し窓を画定する上側縁部に押し付けられて支持するように設計されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
床およびレールを含む、前記張り出し窓外側に置かれるように設計されたコンソール(45)であって、少なくとも1本のアームおよび/または少なくとも1本のケーブル(46)によって前記装置の残りの部分に連結される、コンソール(45)を備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記伸縮要素(7)の一方が、下側基部(1)に関して摺動することができるようにその上に取り付けられる、下側基部(1)と、
この基部(1)とこの伸縮要素(7)の間に挿入されたばね(50)と、
前記基部(1)上で枢動するように取り付けられたペダル(51)と、
前記ペダル(52)と前記伸縮要素(7)を連結するロッド(52)とを備えることを特徴とする、請求項4から12のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−513762(P2010−513762A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542135(P2009−542135)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/FR2007/002108
【国際公開番号】WO2008/096053
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(509174554)スティラクション・エス・エー・アール・エル (1)
【Fターム(参考)】