説明

可動磁石または固定磁石を有する流体磁気処理ユニット

流体磁気処理ユニットおよび処理方法が開示される。流体は、環状磁石によって発生した磁力線に対して常に垂直な流れの方向に、少なくとも1つの環状磁石を通って、かつ環状磁石の表面にぴったりと沿って流れる。流体は、直列、並列、または直列および並列の任意の組合せで流れる。環状磁石は、リング磁石、円板磁石またはリング状電磁石であってよい。磁気処理効果を最大にするために、環状磁石は、好ましくは流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、環状磁石(複数可)によって発生した磁力線に対して常に垂直であり、かつ環状磁石(複数可)の表面にぴったりと沿った流れの方向を有する流体を、磁気的に処理するための機器および方法であって、上記流体が、直列、並列、または直列および並列の任意の組合せで流れ、特に、環状磁石(複数可)を好ましくは流体の流れの方向に対向する方向に任意にスピンさせることによって、磁気処理の効果を最大にする、流体を磁気的に処理するための機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明より以前から、磁気処理ユニットを通過する流体は流体分子を活性化することが、知られてきた。流体分子の活性化の効率は、流体が磁気処理ユニットを通過する仕方に依存する。
【0003】
米国特許第5882514号は、リング磁石または円板磁石の積層体を備える、流体を磁気的に処理するための機器であって、流体が、機器の内部または外部を、それぞれ螺旋状に通って通過する機器を開示している。この方法は、流体の流れの方向を磁力線に対しほぼ45度であるが磁力線に対し決して垂直ではない角度にすることで、流体が機器を通過する所要時間を延長する。米国特許第6752923号は、流体が機器の内部を通って螺旋状に機器を通過する、リング磁石の積層体を備える同様の機器を開示している。米国特許第5882514号と同様に、流体が機器を通過する所要時間は、流体の流れの方向を磁力線に対しほぼ45度であるが磁力線に対し決して垂直ではない角度にすることで延長される。米国特許第4935133号は、リング磁石の積層体を備える、流体を磁気的に処理するための機器であって、流体がリング磁石の内側からラジカリー(radically)に機器を通過する、機器を開示している。この方法により、流体の流れの方向が磁力線に対し常に垂直となることが確実になるが、所要時間は延長されない。米国特許第5866010号は、リング磁石の積層体を備える、流体を磁気的に処理するための同様の機器であって、流体が、積層されているリング磁石を1つずつ直列状態でラジカリーに通過する、機器を開示している。この方法により、流体の流れの方向が常に磁力線に対し垂直となり、所要時間が大きく延長されることが確実になる。それにもかかわらず、まだ改良の余地がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来技術の磁気流体処理ユニットに関連した欠点をなくし、またこれらの欠点を改善する、流体磁気処理ユニットを設計することは有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、環状磁石(複数可)によって発生した磁力線に対して常に垂直な流れの方向と、環状磁石(複数可)の表面にぴったりと沿った流れと、を有する流体を、磁気的に処理するための機器および方法であって、上記流体が、直列、並列、または直列および並列の任意の組合せで流れる、機器および方法に関する。磁気処理効果を最大にするために、環状磁石(複数可)は、好ましくは流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動される。
【0006】
本発明は、環状磁石の積層体を備える、流体を磁気的に処理するための機器を開示する。環状磁石は、リング磁石、円板磁石またはリング状電磁石であってよい。リング磁石の場合、4つ(4)の環状面―上部、下部、内側、および外側の環状面―がある。機器は、入口と、出口と、少なくとも1つのリング磁石(複数可)と、を有するハウジングを含む。流体は、入口を通ってハウジングに流入し、次いで、各リング磁石の環状面に沿って環状に流れ、最終的に、出口を通ってハウジングを出る。流体は、並列状態の各リング磁石の各環状面に沿って環状に流れ、上記流体は、直列または並列および直列の任意の組合せで流れる。例えば、リング磁石の平均径が2インチ、厚さ0.25インチの場合、流体がリング磁石を通って垂直に流れると、有効距離は0.25インチのみであり、かつ流体の流れの方向が、リング磁石によって発生した全ての磁力線に対して常に垂直であるというわけではない。流体がリング磁石の各環状面に沿って環状に直列に流れると、この場合、有効距離は25.13インチ(4×2×3.1416)となり、これは上述の100倍以上であり、しかも、流体の流れの方向は、リング磁石によって発生した全ての磁力線に対して常に垂直である。磁力線の強度の分布に関しては、位置がリング磁石の極に近ければ近いほど、磁力線の強度は強くなる。磁力線の強度は、距離の平方に反比例する。したがって、磁力線の強度は、リング磁石の上面および下面における方が、同一リング磁石の外面および内面における方より強く、特に、リング磁石の積層体が、隣接するリング磁石同士が対極を有する状態で、互いに対面するように位置づけられている場合には、そうである。したがって、各リング磁石の上部および/または下部の環状面のみに環状に沿った流体の流れを有し、上記流体が、直列、並列、または直列もしくは並列の任意の組合せで流れることが、より好ましい。
【0007】
さらに、粒状の磁鉄鉱が磁石の表面に置かれる場合には、上記粒状の磁鉄鉱は、上記磁石の表面にしっかりと固着する一群の小さな磁石になり、磁鉄鉱のない上記磁石の表面の場合よりも、極めて多くの磁力線が、上記磁石の表面と上記磁鉄鉱の表面との両方から出る。したがって、環状チャネルに沿って均一に分配された粒状の磁鉄鉱を有する上記環状チャネルを通って流体が流れる場合には、上記流体は、極めて多くの磁力線を横切ることになる。したがって、環状チャネルに沿って均一に分配された磁鉄鉱を有する、上記環状チャネルに環状に沿った流体の流れを有することが、好ましい。
【0008】
さらに、流体が環状磁石の環状面を通って並列に流れる場合、流体を2つの等しい流れに分流し、環状に半回転だけ流すことが、好ましい。この理由を以下に説明する。hおよびdがそれぞれ環状チャネルの高さおよび直径であるとすると、この場合、流体が完全に環状に1回転流れることの効率は、d/hLに比例する。流体の流れの効率は、磁石の表面からの距離の平方に反比例し(すなわち1/hL)、かつ移動した距離(すなわちd)に正比例する。同じ流速を保つためには、環状チャネルの高さを0.5hまで低減させ、流体が2つの等しい流れへ分流し環状に半回転流れるようにする。したがって、流体を2つの等しい流れへ分流し、環状に半回転流すことの効率は、0.5d/(0.5h)L=2d/hLに比例し、これは、流体が完全に環状に1回転流れる場合の2倍の効率である。
【0009】
さらに、流体が、片側にリング磁石の1つの極を有する環状チャネルを通って流れ、反対側はパーティションだけであり、かつこの流体分子を活性化する効率が1である場合、同一の流体が、環状チャネル一方の側にリング磁石の1つの極を有しかつ同一の環状チャネルの反対側に別のリング磁石の他の極を有する同一の環状チャネルを通って流れると、流体分子を活性化する効果は4倍になる。したがって、環状チャネルの両側にリング磁石の両極を有した状態で流体が環状に流れることが、より好ましい。
【0010】
また、上下の環状面の代わりに外側および内側の環状面に両極を有するリング磁石を有することができることも、理解されたい。流体に磁石の両方の極を通過させることはより
有利であるが、S極を通過する流体とN極を通過する流体との間では、流体分子の活性化の効率に差がある。磁気の研究により、N極エネルギとS極エネルギとの間に有意差があることが明らかになっている。N極エネルギは、反時計回りのスピンを有し、かつエネルギを与える。S極エネルギは時計回りのスピンを有し、かつエネルギを吸収する。したがって、流体が3つの異なる仕方でリング磁石を通過することが必要である。すなわち、両方の極を通過する流体、S極を通過する流体、およびN極を通過する流体である。さらに、リング磁石の積層体は、好ましくは流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動される様なやり方で、配置され得る。例えば、流体が1秒につき1回転の速度で流れ、かつリング磁石の積層体が1秒につき100回転反対方向にスピンするように駆動される場合には、効率は100倍改善される。
【0011】
変更例では、上述の機器において、リング磁石の積層体をリング状電磁石の積層体に置換することができ、結果は同じである。
【0012】
更なる変更例では、上述の機器において、リング磁石の積層体を円板磁石の積層体に置換することができ、結果は、4つ(4)の環状面(上部、下部、内側および外側の環状面)の代わりに3つ(3)の環状面(上部、下部および外側の環状面)しかないことを除いては、上述と同じである。
【0013】
本発明の利点および特徴を、添付図面に関連して本発明の以下の好ましい実施形態の説明を参照しながら、さらに明らかにする。添付図面において、同等の要素には同等の参照符号が適用されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
好ましい実施形態の詳細な説明
流体を磁気的に処理するための流体磁気処理ユニットであって、この流体が該ユニットを通って流れるユニットを、本願明細書において開示する。このユニットは、入口と、出口と、少なくとも1つの環状磁石と、を有するハウジングを備える。流体は、入口を通ってハウジングへ流れ、次いで、各環状磁石の環状面に沿って環状に流れ続け、最終的に、出口を通ってハウジングを出る。流体は、各環状磁石の各環状面に沿って環状に流れ、上記流体は、直列、並列、または直列および並列の任意の組合せで流れる。磁気処理効果を最大にするために、環状磁石は、好ましくは流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動される。この点に関し、環状磁石は、流体通路のハウジングに接触せずにハウジング内に位置づけられており、したがって、自由にスピンできるようになっている。環状磁石は、例えば流体の流れによって駆動されるモータまたはタービンと結合することや、他の任意の一般に許容できる方法などの回転手段によって、直接的または間接的に回転可能にスピンさせられ得る。
【0015】
本発明の処理ユニットを採用している流体の磁気処理のための方法もまた、開示する。
図1を参照すると、概略図が、流体の流れの方向と、磁石によって発生した磁力線の方向との関係に及ぼす処理効果を示している。処理効果は、流体の流れが磁力線に対し平行である時、最小であり、徐々に増大して、流体の流れが磁力線に対して垂直になった時に最大となる。
【0016】
図2を参照すると、概略図が、磁石の磁力線の強度の分布を示している。どちらかの磁極に近ければ近いほど、磁力線の強度は強くなる。最終的に、磁力の強度は中間で最小となる。
【0017】
図3を参照すると、概略図が、リング磁石の4つの環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング磁石と、を示し
ている。リング磁石10は、4つの環状面、すなわち、下部環状面11と、外側環状面12と、上部環状面13と、内側環状面14と、を有する。矢印21、矢印22、矢印23および矢印24が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面11、外側環状面12、上部環状面13、および内側環状面14に沿って流れ、リング磁石10は、矢印25で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。
【0018】
本発明で使用される環状リング磁石は、上下の環状面の代わりに、外側および内側の環状面上に両極を有してもよいことを、理解されたい。
【0019】
図3Aを参照すると、カバーを有するリング磁石の断面図。いくつかの磁石材料(10倍強力であるネオジム鉄ホウ素(Nd−Fe−B)など)は、一般的な磁石材料(フェライトなど)より強力であるが、さび易い。したがって、保護が必要である。図3Aに示すように、いかなる磁気の力をも犠牲にすることなく磁石を保護する最善の仕方は、リング磁石10の両極の上にフェライトなどの磁性材料を使用したカバー10aおよび10bを置き、リング磁石10の他の2つの環状面の上にプラスチックなどの非磁性材料を使用したカバー10cおよび10dを置くことである。
【0020】
図4を参照すると、概略図が、同一極が互いに対向しているリング磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング磁石の積層体と、を示している。リング磁石の積層体は、3つのリング磁石、すなわち、同一極が互いに対向している、リング磁石30と、リング磁石31と、リング磁石32と、からなり、その結果、磁力線の強度が4つの環状面上により均一に分配されるようになっている。これら4つの環状面に沿って流体の流れを有することが好ましい。リング磁石30に関しては、矢印33、矢印34、矢印36および矢印37が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面、外側環状面、上部環状面および内側環状面に沿って流れ、リング磁石30は、矢印35で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。リング磁石31に関しては、矢印36、矢印38、矢印40および矢印41が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面、外側環状面、上部環状面および内側環状面に沿って流れ、リング磁石31は、矢印39で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。リング磁石32に関しては、矢印40、矢印42、矢印44および矢印45が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面、外側環状面、上部環状面および内側環状面に沿って流れ、リング磁石32は、矢印43で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。
【0021】
図5を参照すると、概略図が、対極が互いに対向しているリング磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング磁石の積層体と、を示している。図4と同様であるが、リング磁石50、51および52は、対極が互いに対向するように配置されており、その結果、磁力線の強度は、外側および内側環状面におけるよりも上下の環状面において、強くなっている。リング磁石の上下の環状面に沿ってのみ流体の流れを有することが好ましい。
【0022】
図6を参照すると、概略図が、円板磁石の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されている円板磁石と、を示している。円板磁石70は、3つの環状面、すなわち下部環状面71と、外側環状面72と、上部環状面73と、を有する。矢印74、矢印75および矢印77が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面71、外側環状面72および上部環状面73に沿って流れ、円板磁石70は、矢印76で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。
【0023】
図6Aを参照すると、カバーを有する円板磁石の断面図。先に述べたように、いくつかの磁石材料(10倍強力であるネオジム鉄ホウ素(Nd−Fe−B)など)は、一般的な磁石材料(フェライトなど)より強力であるが、さび易い。したがって、保護が必要である。図6Aに示すように、いかなる磁気の力をも犠牲にすることなく磁石を保護する最善の仕方は、円板磁石70の両極の上にフェライトなどの磁性材料を使用したカバー70aおよび70bを置き、円板磁石70の外側環状面の上にプラスチックなどの非磁性材料を使用したカバー70cを置くことである。
【0024】
図7を参照すると、概略図が、同一極が互いに対向している円板磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されている円板磁石の積層体と、を示している。円板磁石の積層体は、3つの円板磁石、すなわち、同一極が互いに対向している、円板磁石80と、円板磁石81と、円板磁石82と、からなり、その結果、磁力線の強度は、3つの環状面により均一に分配されるようになっている。3つの環状面全てに沿って流体の流れを有することが好ましい。円板磁石80に関しては、矢印83、矢印84および矢印86が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面、外側環状面および上部環状面に沿って流れ、円板磁石80は、矢印85で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。円板磁石81に関しては、矢印86、矢印87および矢印89が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面、外側環状面および上部環状面に沿って流れ、円板磁石81は、矢印88で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。円板磁石82に関しては、矢印89、矢印90および矢印92が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面、外側環状面および上部環状面に沿って流れ、円板磁石82は、矢印91で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。
【0025】
図8を参照すると、概略図が、対極が互いに対向している円板磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されている円板磁石の積層体と、を示している。図7と同様であるが、円板磁石100、101および102は、対極が互いに対向しているように配置されており、その結果、磁力線の強度は、外側環状面におけるより上下の環状面において、より強くなっている。円板磁石の上下の環状面のみに沿って流体の流れを有することが好ましい。
【0026】
図9を参照すると、概略図が、リング状電磁石の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング状電磁石と、を示している。リング状電磁石120は、4つの環状面、すなわち、下部環状面124と、外側環状面125と、上部環状面126と、内側環状面127と、を有する。矢印128、矢印129、矢印131および矢印132が示すように、流体は、それぞれ、下部環状面124、外側環状面125、上部環状面126および内側環状面127に沿って流れ、リング状電磁石120は、矢印130で示すように、流体の流れの方向に対向する方向にスピンするように駆動されている。
【0027】
図10を参照すると、リング状電磁石の好ましい実施形態の分解図。リング状電磁石120は、電気コイル122と、ハウジング121と、ハウジングカバー123とからなる。
【0028】
図11を参照すると、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体の組立図。リング磁石の積層体が、リング磁石180と、リング磁石181と、リング磁石182と、からなる。インサート186、インサート185、インサート184およびインサート183は、図11に示すように、各リング磁石の間に挿置されている。
【0029】
図12を参照すると、図11に示すように、インサートが間に具設されたリング磁石の
積層体の好ましい実施形態の分解図。リング磁石の積層体の実施形態は、インサートが間に具設された、リング状電磁石の積層体の実施形態に置換され得る。
【0030】
図13を参照すると、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体と、各リング磁石の3つの環状面に沿って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの断面図。この図では、外壁200と、頂部仕切壁201と、底部仕切壁199と、を有するハウジング153を備える液体処理ユニットである、本発明の好ましい実施形態が示されている。この外壁200と、頂部仕切壁201と、底部仕切壁199が、外壁200内にチャンバを画成している。ハウジング153は、中心縦軸と、この軸に沿って間隔を置いた1対の対向する両端部と、を有する。ハウジング153には、チャンバを通る流体の流れを可能にするために、上端部に流体入口202と、下端部に流体出口213とが、共に図14で示すように具設されている。3つの環状磁石の積層体がチャンバ内に設置されている。これら3つの環状磁石は、縦軸に関してチャンバ内を垂直方向に延在している。仕切壁が各環状磁石の上および下に追加されて、流体の流れが、環状磁石の少なくとも1つの環状面に沿って流れることができるようにしている。環状磁石は、好ましくは、流体の流れに対向する方向にスピンするように駆動され得る。
【0031】
リング磁石180、181および182は、図13において環状磁石の例として使用されており、これらについて、以下に詳述する。
【0032】
リング磁石の積層体は、3つのリング磁石180、181および182からなり、インサート186、185、184および183が間に挿置されている。リング磁石の積層体とハウジング153との間には間隙があり、その結果、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体は、ハウジング153内で、各リング磁石の3つの環状面に沿った直列の流体の流れに対向する方向にスピンするように駆動されるか、または静止している。先に述べたように、リング磁石は、例えば流体の流れによって駆動されるモータまたはタービンと結合することや、他の任意の一般に許容できる方法などの回転手段によって、直接的または間接的に回転可能にスピンさせられ得る。ハウジング153内には7つのアニュアル(annual)流路がある。すなわち:
・リング磁石182の上部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第1の環状流路188が、シーリングのためのOリング145およびOリング146を有した状態で、仕切壁201および仕切壁187によって形成されている。
・リング磁石182の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第2の環状流路189が、シーリングのためのOリング141およびOリング142を有した状態で、仕切壁187、仕切壁190および外壁200によって形成されている。
・リング磁石182の下部環状面とリング磁石181の上部環状面との両方に沿った流体の流れを可能にする、第3の環状流路191が、シーリングのためのOリング147およびOリング148を有した状態で、仕切壁190および仕切壁192によって形成されている。
・リング磁石181の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第4の環状流路193が、シーリングのためのOリング142およびOリング143を有した状態で、仕切壁192、仕切壁194および外壁200によって形成されている。
・リング磁石181の下部環状面およびリング磁石180の上部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第5の環状流路195が、シーリングのためのOリング149およびOリング150を有した状態で、仕切壁194および仕切壁196によって形成されている。
・リング磁石180の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第6の環状流路197が、シーリングのためのOリング143およびOリング144を有した状態で、仕切壁196、仕切壁198および外壁200によって形成されている。
・リング磁石180の下部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第7の環状流路20
8が、シーリングのためのOリング151およびOリング152を有した状態で、仕切壁198および仕切壁199によって形成されている。
【0033】
図13は、各環状流路に沿って均一に分配された磁鉄鉱を有さない3つのリング磁石の積層体の構造を示しているが、流体が、環状チャネルに沿って均一に分配された磁鉄鉱を有する上記環状チャネルに沿って環状に流れるように、変更することが好ましい。上述の変更は、また、後に言及する全ての図にも適用される。
【0034】
さらに、図13は3つのリング磁石の積層体の構造を示しているが、この構造は、1つのリング磁石または4つ以上のリング磁石の積層体のいずれかに、容易に変更され得る。変更例では、本発明において開示する構造に従って、リング磁石の積層体をリング状電磁石の積層体に置換することができ、結果は、本願明細書において開示するものと同じである。
【0035】
図13Aを参照すると、インサートが間に具設された円板磁石の積層体と、各リング磁石の3つの環状面に沿って流体が直列に通過できるようにする個別のハウジングとの、断面図。処理ユニットのセットアップは、リング磁石の積層体が円板磁石の積層体に置換されていること以外は、図13に示したものと全く同じである。円板磁石の積層体は、間にインサート186a、185a、184aおよび183aを有する3つの円板磁石180a、181aおよび182aからなり、ピン161によって共に保持されている。
【0036】
図14を参照すると、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体と、各リング磁石の3つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの、好ましい実施形態の分解図。流体は、入口202を通って第1の環状チャネル188に入り、突出部170によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ、次いで、出口203を通って出る。流体は、第2の環状チャネル189へ入り、突出部171および突出部172によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、第3の環状チャネル191の入口206を通って出る。流体は、第3の環状チャネル191へ入り、突出部173によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第3の環状チャネル191の出口207を通って出る。流体は、第4の環状チャネル193へ入り、突出部174および突出部175によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第5の環状チャネル195の入口210を通って出る。流体は、第5の環状チャネル195へ入り、突出部176によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第5の環状チャネル195の出口211を通って出る。流体は、第6の環状チャネル197へ入り、突出部177および突出部178によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第7の環状チャネル208の入口212を通って出る。流体は、第7の環状チャネル208へ入り、突出部209によって阻止されるまで時計回り方向に流れ続け、次いで、第7の環状チャネル208の出口213を通って出る。ここに説明した様々なチャネルは、図13Aに示されている。
【0037】
図15を参照すると、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、各リング磁石の上部、外側および下部の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。矢印221が示すように、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体は、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているか、静止している。矢印215が示すように、流体は、入口202を通って第1の環状チャネル188に入り、矢印214および216で示すように、突出部170によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ、次いで、出口203を通って出る。流体は、第2の環状チャネル189に入り、矢印217、218、219および220で示すように、突出部171および突出部172によって阻止されるまで時計回り方向に流れ続け、次いで、第3の環状チャネル191の入口206を通って出る。流体がどのようにリン
グ磁石182の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、また、リング磁石181および180にも適用される。
【0038】
図16を参照すると、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。矢印221が示すように、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体は、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているか、静止している。矢印215が示すように、流体は、入口202を通って第1の環状チャネル188に入り、矢印214および216で示すように、突出部170によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ、次いで、出口203を通って出る。流体の流れは、突出部171aおよび突出部172aによって阻止され、第2の環状チャネル189を迂回する。流体は、矢印217および220で示すように、第3の環状チャネル191の入口206を通って出る。流体がどのようにリング磁石182の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、リング磁石181および180にも適用される。
【0039】
再度、図14を参照するが、突出部173および突出部209が除去される場合、流体は、第3の環状チャネル191および第7の環状チャネル208を迂回する。したがって、流体はリング磁石のN極のみを通って流れる。さらに、突出部170もまた除去される場合には、流体は、環状チャネルの両側にN極を有する環状チャネルのみを通って流れる。同様に、突出部170および突出部176が除去される場合、流体は、第1の環状チャネル188および第5の環状チャネル195を迂回する。したがって、流体はリング磁石のS極のみを通って流れる。さらに、突出部209もまた除去される場合には、流体は、環状チャネルの両側にS極を有する環状チャネルのみを通って流れる。
【0040】
図17を参照すると、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、各リング磁石の上下の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。矢印221が示すように、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体は、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているか、静止している。流体の流れは、更なる突出部223a、223b、224aおよび224bによって阻止され、したがって、第2の環状チャネル189を迂回する。突出部171bおよび突出部172bがあるため、矢印215および220が示すように、流体は、それぞれ、入口202および入口206を通って、第1の環状チャネル188および第3の環状チャネル191へと同時に流れる。流体は、突出部170および173によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続ける。矢印217および225が示すように、流体は、それぞれ、出口203および出口207を通って出る。流体がどのようにリング磁石182および181の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、リング磁石182、181および180にも適用される。
【0041】
再度、図14を参照するが、入口206および入口212が除去される場合、流体は、第3の環状チャネル191および第7の環状チャネル208を迂回する。したがって、流体はリング磁石のN極のみを通って流れる。さらに、入口202もまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にN極を有する環状チャネルのみを通って流れる。同様に、入口202および入口210が除去される場合、流体は、第1の環状チャネル188および第5の環状チャネル195を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のS極のみを通って流れる。さらに、入口212もまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にS極を有する環状チャネルのみを通って流れる。
【0042】
再度、図17を参照するが、突出部170、173、171aおよび172bを除去する。出口203および207を、180度反対側へ移動する。すると、矢印215が示すように、流体は、入口202を通って第1の環状チャネル188へ流れ、2つの等しい流
れへと分流し、1つの流れは左側で時計回りに流れ、他方の流れは右側で反時計回りに流れ、最終的に、両方の流れは、入口202の反対側にある出口203を通って出る。上述と同様に、矢印220が示すように、流体は、入口206を通って第3の環状チャネル191内へ流れ、2つの等しい流れへ分流し、1つの流れは左側で時計回りに流れ、他方の流れは右側で反時計回りに流れ、最終的に、両方の流れは、入口206の反対側にある出口207を通って出る。上述のように変更することにより、流体は、各リング磁石の上下の環状面を通って、流体を2つの等しい流れへ分流して、並列に通過することができ、各流れは、環状に完全に1回転するのではなく、環状に半回転ずつ、流れる。上述の変更は、また、後に言及する全ての図18、25、26、30および31にも適用される。
【0043】
図18を参照すると、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、全てのリング磁石の上部、外側および下部の環状表面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。矢印221が示すように、インサートが間に具設されたリング磁石の積層体は、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているか、静止している。突出部171bおよび突出部172bがあるため、矢印215、218、および220が示すように、流体は、それぞれ、第1の環状チャネル188、第2の環状チャネル189、および第3の環状チャネル191内へ、入口202、入口202の間の空間、および入口206を通って、同時に流れる。流体は、仕切壁170、171b、172b、および173によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続ける。矢印217、219、および225が示すように、流体は、それぞれ、出口203、出口203の間の空間、および出口207を通って出る。流体がどのようにリング磁石182および181の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、リング磁石182、181および180にも適用される。
【0044】
リング磁石の積層体の新たな構造が、図15、16、17および18を任意の組合せで追加することによって構築され得ることを、理解されたい。
【0045】
図19を参照すると、リング磁石の積層体と、各リング磁石の4つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの断面図。インサートが間に具設されたリング磁石の積層体は、静止している。ハウジング253内には10のアニュアル流路がある。すなわち:
・リング磁石232の上部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第1の環状流路235が、シーリングのためのOリング905およびOリング906を有した状態で、仕切壁234および仕切壁236によって形成されている。
・リング磁石232の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第2の環状流路237が、シーリングのためのOリング901およびOリング902を有した状態で、仕切壁236、仕切壁238および外壁249によって形成されている。
・リング磁石232の下部環状面とリング磁石231の上部環状面との両方に沿った流体の流れを可能にする、第3の環状流路239が、シーリングのためのOリング907およびOリング908を有した状態で、仕切壁238および仕切壁240によって形成されている。
・リング磁石231の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第4の環状流路241が、シーリングのためのOリング902およびOリング903を有した状態で、仕切壁240、仕切壁242および外壁249によって形成されている。
・リング磁石231の下部環状面およびリング磁石230の上部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第5の環状流路243が、シーリングのためのOリング909およびOリング910を有した状態で、仕切壁242および仕切壁244によって形成されている。
・リング磁石230の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第6の環状流路245が、シーリングのためのOリング903およびOリング904を有した状態で、仕切壁
244、仕切壁246および外壁249によって形成されている。
・リング磁石230の下部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第7の環状流路247が、シーリングのためのOリング911およびOリング912を有した状態で、仕切壁246および仕切壁248によって形成されている。
・リング磁石230の内側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第8の環状流路252が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁244、仕切壁246、仕切壁248および内壁233によって形成されている。
・リング磁石231の内側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第9の環状流路251が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁240、仕切壁242、仕切壁244および内壁233によって形成されている。
・リング磁石232の内側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第10の環状流路250が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁236、仕切壁238、仕切壁240および内壁233によって形成されている。
【0046】
図19は3つのリング磁石の積層体の構造を示しているが、この構造は、1つのリング磁石または4つ以上のリング磁石の積層体のいずれかに、容易に変更され得る。変更例では、本発明において開示する構造に従って、リング磁石の積層体をリング状電磁石の積層体に置換することができ、結果は、本願明細書において開示するものと同じである。
【0047】
図19に示すように、3つのリング磁石は、仕切壁に接触していない。変更例では、仕切壁とリング磁石の環状面との間の間隙をゼロに低減することができ、このようにして、リング磁石の環状面に接触する仕切壁の部分の材料を除去することができる。このようにして、流体の流れはリング磁石の環状面に接触し、より良い効率が達成される。
【0048】
図20を参照すると、各リング磁石の4つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。流体は、入口260を通って第1の環状チャネル235に入り、突出部913によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ、次いで、出口261を通って出る。流体は、第2の環状チャネル237へ入り、突出部914および突出部915によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第3の環状チャネル239の入口264を通って出る。流体は、第3の環状チャネル239へ入り、突出部916によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第3の環状チャネル239の出口265を通って出る。流体は、第4の環状チャネル241へ入り、突出部917および突出部918によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第5の環状チャネル243の入口268を通って出る。流体は、第5の環状チャネル243へ入り、突出部919によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第5の環状チャネル243の出口269を通って出る。流体は、第6の環状チャネル245へ入り、突出部920および突出部921によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第7の環状チャネル247の入口272を通って出る。流体は、第7の環状チャネル247へ入り、突出部923によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第7の環状チャネル247の出口273を通って出る。流体は、第8の環状チャネル252へ入り、突出部938および突出部939によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第9の環状チャネル251の入口931を通って出る。流体は、第9の環状チャネル251へ入り、突出部936および突出部937によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第10の環状チャネル250の入口932を通って出る。流体は、第10の環状チャネル250へ入り、突出部934および突出部935によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第10の環状チャネル250の出口933を通って出る。
【0049】
図21を参照すると、リング磁石の積層体を示していない、リング磁石230(図示せず)の4つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好
ましい実施形態の分解図。矢印284が示すように、流体は、入口268を通って第5の環状チャネル243に入り、矢印282および283で示すように、突出部919によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ、次いで、出口269を通って出る。流体は、第6の環状チャネル245へ入り、矢印285、286、287および288で示すように、突出部920および突出部921によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第7の環状チャネル247の入口272を通って出る。矢印291が示すように、流体は、入口272を通って第7の環状チャネル247に入り、矢印289および290で示すように、突出部923によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ、次いで、出口273を通って出る。流体は、第8の環状チャネル252へ入り、矢印292、299および301で示すように、突出部938および突出部939によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第9の環状チャネル251の入口931を通って出る。流体がどのようにリング磁石230の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、リング磁石231および232にも適用される。
【0050】
図22を参照すると、中間に仕切壁を有するリング磁石の積層体と、各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにするハウジングとの断面図。リング磁石の積層体は、静止している。効率を最大にするために、流体の流れは全てのリング磁石の全ての表面に接触している。ハウジング800内には10のアニュアル流路がある。すなわち:
・リング磁石312の上部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第1の環状流路801が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁317、リング磁石312の上部環状面、および仕切壁313によって形成されている。
・リング磁石312の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第2の環状流路802が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁313、リング磁石312の外側環状面、仕切壁314、および外壁320によって形成されている。
・リング磁石312の下部環状面とリング磁石311の上部環状面との両方に沿った流体の流れを可能にする、第3の環状流路803が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁314、リング磁石312の下部環状面、およびリング磁石311の上部環状面によって形成されている。
・リング磁石311の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第4の環状流路804が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁314、リング磁石311の外側環状面、仕切壁315、および外壁320によって形成されている。
・リング磁石311の下部環状面とリング磁石310の上部環状面とに沿った流体の流れを可能にする、第5の環状流路805が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁315、リング磁石311の下部環状面、およびリング磁石310の上部環状面によって形成されている。
・リング磁石310の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第6の環状流路806が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁315、リング磁石310の外側環状面、仕切壁316、および外壁320によって形成されている。
・リング磁石310の下部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第7の環状流路807が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁316、リング磁石310の下部環状面、および仕切壁318によって形成されている。
・リング磁石310の内側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第8の環状流路808が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁316、リング磁石310の内側環状面、仕切壁315、および内壁319によって形成されている。
・リング磁石311の内側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第9の環状流路809が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁315、リング磁石311の内側環状面、仕切壁314、および内壁319によって形成されている。
・リング磁石312の内側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第10の環状流路810が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁314、リン
グ磁石312の内側環状面、仕切壁313、および内壁319によって形成されている。
【0051】
図22は3つのリング磁石の積層体の構造を示しているが、この構造は、1つのリング磁石または4つ以上のリング磁石の積層体のいずれかに、容易に変更され得る。変更例では、本発明において開示する構造に従って、リング磁石の積層体をリング状電磁石の積層体に置換することができ、結果は、本願明細書において開示するものと同じである。
【0052】
図23を参照すると、中間に仕切壁を有するリング磁石の積層体と、各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングとの好ましい実施形態の分解図。流体は、入口326を通って第1の環状チャネル801に入り、突出部811によって阻止されるまで反時計回りの方向に流れ、次いで、出口325を通って出る。流体は流れ続け、第10の環状チャネル810を迂回する。流体は、入口327を通って第3の環状チャネル803へ入り、突出部812によって阻止されるまで反時計回りの方向に流れ続け、次いで、第3の環状チャネル803の出口328を通って出る。流体は流れ続け、第4の環状チャネル804を迂回する。流体は、入口330を通って第5の環状チャネル805へ入り、突出部813によって阻止されるまで反時計回りの方向に流れ続け、次いで、第5の環状チャネル805の出口329を通って出る。流体は流れ続け、第8の環状チャネル808を迂回する。流体は、入口331を通って第7の環状チャネル807へ入り、突出部814によって阻止されるまで反時計回りの方向に流れ続け、次いで、第7の環状チャネル807の出口332を通って出る。
【0053】
図24を参照すると、各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングの、好ましい実施形態の分解図。矢印334が示すように、流体は、入口326を通って第1の環状チャネル801へと流れ、矢印333および332で示すように、突出部811によって阻止されるまで反時計回りの方向に流れ続ける。流体は流れ続け、第10の環状チャネル810を迂回する。流体は、入口327を通って第3の環状チャネル803へ入り、矢印336および335で示すように、突出部812によって阻止されるまで反時計回りの方向に流れ続け、次いで、第3の環状チャネル803の出口328を通って出る。流体がどのようにリング磁石312の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、リング磁石311および310にも適用される。
【0054】
再度、図23を参照するが、突出部812および突出部814が除去される場合、流体は、第3の環状チャネル803および第7の環状チャネル807を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のN極のみを通って流れる。さらに、突出部811もまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にN極を有する環状チャネルのみを通って流れる。同様に、突出部811および突出部813が除去される場合、流体は、第1の環状チャネル801および第5の環状チャネル805を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のS極のみを通って流れる。さらに、突出部814もまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にS極を有する環状チャネルのみを通って流れる。
【0055】
図25を参照すると、全てのリング磁石の上下の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングの好ましい実施形態の分解図。環状突出部701、702、703、704、705、706、707および708は、シーリングのために、内壁319または外壁320とぴったりと嵌合されている。環状突出部701は、不変のまま保たれ、環状突出部708は、また、仕切壁316の上部から仕切壁316の下部へ移動されている。環状突出部702、703、704、705および706のそれぞれは、図25に示すように、4つの突出点に置換されている。リング磁石の積層体は、以前と同様、所定の場所に保持されたままである。第3の環状チャネル803に関して、出口328は、仕切壁812の左から仕切壁812の右へ移動されており、入口327は、
仕切壁812の右から仕切壁812の左へ移動されている。第5の環状チャネル805についても同様である。すなわち、出口332は、仕切壁814の左から仕切壁814の右へ移動されており、入口331は、仕切壁814の右から仕切壁814の左へ移動されている。環状チャネル802、804および806は、内側環状チャネル709として連結されている。同様に、環状チャネル808、809および810もまた、外側環状チャネル710として連結されている。流体の流れは、外側環状チャネル710に入り、第1のアニュアルチャネル801へ、さらに、第3の環状チャネル803へと流れる。矢印334および337が示すように、流体は、それぞれ、同時に入口326および入口328を通って、第1の環状チャネル801および第3の環状チャネル803へと流れ、矢印333、332、335および336で示すように、それぞれ、反時計回りの方向に流れる。最終的に、流体は、出口325および出口327を通って出、同時に内側アニュアルチャネル709に入る。流体がどのようにリング磁石312の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、リング磁石311および310にも適用される。
【0056】
再度、図23を参照するが、入口328および入口332が除去される場合、流体は、第3の環状チャネル803および第7の環状チャネル807を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のN極のみを通って流れる。さらに、入口326も除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にN極を有する環状チャネルのみを通って流れる。同様に、入口326および入口330が除去される場合、流体は、第1の環状チャネル801および第5の環状チャネル805を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のS極のみを通って流れる。さらに、入口332が除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にS極を有する環状チャネルのみを通って流れる。
【0057】
図26を参照すると、全てのリング磁石の上部、外側、下部および内側の環状表面を通って並列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングの、好ましい実施形態の分解図。環状突出部701、702、703、704、705、706、707および708は、シーリングのために内壁319または外壁320とぴったりと嵌合されている。環状突出部701および707は、不変のまま保たれ、環状突出部708はまた、仕切壁316の上部から仕切壁316の下部へ移動されている。環状突出部702、703、704、705および706のそれぞれが、図26に示すように、4つの突出点に置換されている。リング磁石の積層体は、以前と同様、所定の場所に保持されたままである。第3の環状チャネル803に関しては、出口328aが、仕切壁812の右側に追加され、入口327aが、仕切壁812の左側に追加されている。第5の環状チャネル805についても同様である。すなわち、出口332aが、仕切壁814の右側に追加され、入口331aが、仕切壁814の左側に追加されている。環状チャネル802、804および806の右側は、入口環状チャネル710bとして連結されている。同様に、環状チャネル802、804および806の左側もまた、出口環状チャネル710aとして連結されている。図26に示すように、突出部811aおよび811bが、仕切壁313に追加されている。上述と同様に、図26に示すように、仕切壁812a、812bが、仕切壁314に追加されている。流体は、入口環状チャネル710bを通ってハウジング800へと流れる。矢印334および337が示すように、流体は、それぞれ同時に、入口326および入口328を通って、第1の環状チャネル801および第3の環状チャネル803へと流れ、矢印333、332、335および336で示すように、それぞれ反時計回りの方向に流れる。同時に、流体はまた、矢印712および711で示すように、それぞれ、仕切壁812a、81la、812bおよび811bによって阻止されるまで、リング磁石312の外側および内側環状面に沿って反時計回りの方向に流れる。最終的に、流体は、リング磁石312の4つの環状面に沿って流れ、同時に出口チャネル710aを通ってハウジング800を出る。流体がどのようにリング磁石312の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、リング磁石311および310にも適用される。
【0058】
リング磁石の積層体の新たな構造が、図19、24、25および26を任意の組合せで追加することによって構築され得ることを、理解されたい。
【0059】
図27を参照すると、中間に仕切壁を有する円板磁石の積層体と、各円板磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにするハウジングとの断面図。円板磁石の積層体は、静止している。効率を最大にするために、流体の流れは全ての円板磁石の全ての表面に接触している。ハウジング868内には7つのアニュアル流路がある。すなわち:・円板磁石854の上部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第1の環状流路841が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁861、円板磁石854の上部環状面、および仕切壁862によって形成されている。
・円板磁石854の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第2の環状流路842が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁862、円板磁石854の外側環状面、仕切壁863、および外壁867によって形成されている。
・円板磁石854の下部環状面と円板磁石853の上部環状面との両方に沿った流体の流れを可能にする、第3の環状流路843が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁863、円板磁石854の下部環状面、および円板磁石853の上部環状面によって形成されている。
・円板磁石853の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第4の環状流路844が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁863、円板磁石853の外側環状面、仕切壁864、および外壁867によって形成されている。
・円板磁石853の下部環状面および円板磁石852の上部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第5の環状流路845が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁864、円板磁石853の下部環状面、および円板磁石852の上部環状面によって形成されている。
・円板磁石852の外側環状面に沿った流体の流れを可能にする、第6の環状流路846が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁864、円板磁石852の外側環状面、仕切壁865、および外壁867によって形成されている。
・円板磁石852の下部環状面に沿った流体の流れを可能にする、第7の環状流路847が、Oリングなしでシーリングのためにぴったりと嵌合させた、仕切壁865、円板磁石852の下部環状面、および仕切壁866によって形成されている。
【0060】
図27は3つの円板磁石の積層体の構造を示しているが、この構造は、1つの円板磁石または4つ以上の円板磁石の積層体のいずれかに、容易に変更され得る。
【0061】
図28を参照すると、中間に仕切壁を有する円板磁石の積層体と、各円板磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの好ましい実施形態の分解図。流体は、入口862aを通って第1の環状チャネル841に入り、突出部882によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ、次いで、出口862bを通って出る。流体は流れ続け、第2の環状チャネル842を迂回する。流体は、入口863aを通って第3の環状チャネル843へ入り、突出部883によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第3の環状チャネル843の出口863bを通って出る。流体は流れ続け、第4の環状チャネル844を迂回する。流体は、入口864aを通って第5の環状チャネル845へ入り、突出部884によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第5の環状チャネル845の出口864bを通って出る。流体は流れ続け、第6の環状チャネル846を迂回する。流体は、入口865aを通って第7の環状チャネル847へ入り、突出部885によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、第7の環状チャネル847の出口865bを通って出る。
【0062】
図29を参照すると、インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、各円板磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジング
の、好ましい実施形態の分解図。矢印891が示すように、流体は、入口862aを通って第1の環状チャネル841へと流れ、矢印892および893で示すように、突出部882によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続ける。流体は流れ続け、矢印894および895で示すように、第2の環状チャネル842を迂回する。流体は、入口863aを通って第3の環状チャネル843へ入り、突出部883によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、矢印898で示すように、第3の環状チャネル843の出口863bを通って出る。流体がどのように円板磁石854の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、円板磁石853および852にも適用される。
【0063】
再度、図28を参照するが、突出部883および突出部885が除去される場合、流体は、第3の環状チャネル843および第7の環状チャネル847を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のN極のみを通って流れる。さらに、突出部882もまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にN極を有する環状チャネルのみを通って流れる。同様に、突出部882および突出部884が除去される場合、流体は、第1の環状チャネル841および第5の環状チャネル845を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のS極のみを通って流れる。さらに、突出部885もまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にS極を有する環状チャネルのみを通って流れる。
【0064】
図30を参照すると、インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、全ての円板磁石の上下の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。突出部882a−b、883a−b、884a−bおよび885a−bのそれぞれは、図30に示すように3つの突出部に置換されている。流体は、仕切壁882eおよび882dの間の空間を通って流れる。矢印891および895が示すように、流体は、入口862aを通って第1の環状チャネル841へ、入口863aを通って第3の環状チャネル843へ、同時に流れる。流体は、突出部882および883によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、出口862bおよび863bを通って出る。最終的に、流体は、仕切壁882fと882dとの間の空間を通って流出する。流体がどのように円板磁石854の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、円板磁石853および852にも適用される。
【0065】
再度、図28を参照するが、入口863aおよび入口865aが除去される場合、流体は、第3の環状チャネル843および第7の環状チャネル847を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のN極のみを通って流れる。さらに、入口862aもまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にN極を有する環状チャネルのみを通って流れる。同様に、入口862aおよび入口864aが除去される場合、流体は、第1の環状チャネル841および第5の環状チャネル845を迂回する。したがって、流体は、リング磁石のS極のみを通って流れる。さらに、入口865aもまた除去される場合、流体は、環状チャネルの両側にS極を有する環状チャネルのみを通って流れる。
【0066】
図31を参照すると、インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、全ての円板磁石の上部、外側および下部の環状表面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。突出部882a−b、883a−b、884a−bおよび885a−bのそれぞれは、図31に示すように、突出部882d、883d、884dおよび885dによってそれぞれ置換されている。流体は、突出部882dの左側の空間を通って中に流れ込む。矢印891、876および895が示すように、流体は、入口862aを通って第1の環状チャネル841へ、第2のチャネル842の左側へ、および入口863aを通って第3の環状チャネル843へと、同時に流れる。流体は、矢印892、893および877で示すように、突出部882、882dおよび883dによって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、矢印894で示すように出口862bを、第2の環状チャネル842の右側を、および矢印898で
示すように863bを、通って出る。最終的に、流体は、突出部882dの右側の空間を通って流出する。流体がどのように円板磁石854の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、円板磁石853および852にも適用される。
【0067】
図32を参照すると、インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、各円板磁石の上部、外側および下部の環状表面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図。矢印891が示すように、流体は、入口862aを通って第1の環状チャネル841へ流れ、矢印892および893で示すように、突出部882によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続ける。流体は、矢印894、876および877で示すように、突出部882cおよび883aによって阻止されるまで第2の環状チャネル842を通って時計回りの方向に流れ続ける。流体は、矢印895で示すように、入口863aを通って第3の環状チャネル843へ入り、突出部883によって阻止されるまで時計回りの方向に流れ続け、次いで、矢印898で示すように、第3の環状チャネル843の出口863bを通って出る。流体がどのように円板磁石854の環状面に沿って流れるかについての上述の詳細な説明は、円板磁石853および852にも適用される。
【0068】
リング磁石の積層体の新たな構造が、図29、30、31および32を任意の組合せで追加することによって構築され得ることを、理解されたい。
【0069】
図33を参照すると、リング磁石の上部環状面に沿った2つの環状通路を通る流体の流れを有する、そのリング磁石の上の仕切壁の好ましい実施形態の分解図。基本的に、図24で説明したことと同様であるが、流体は、図24で示したように1つのみの環状通路ではなく、リング磁石312の上部環状面に沿った2つの環状通路を通って流れる。流体は、矢印990で示すように、入口326へ流れる。次いで、流体は、矢印991、992、993、994で示すように、2つの環状通路を通って流れ続け、矢印995で示すように、出口325を通って出る。
【0070】
図33は、リング磁石の上部環状面に沿った2つの環状通路を通る流体の流れを有する、そのリング磁石の上の仕切壁の好ましい実施形態を示しているが、この構造は、1つのみ、2つ、または多数の環状通路を通る流体の流れを有するように、容易に変更され得る。変更例では、本発明で開示する構造に従って、リング磁石を、リング状電磁石または円板磁石に置換することができ、結果は、本願明細書において開示するものと同じである。
【0071】
したがって、上述の実施形態は、開示した本発明を実施するために使用される、開示した要素の配置の数多くの変形例のうちのほんの数例を例示したものにすぎないことを、理解されたい。さらに、本発明を、特に、好ましい実施形態およびその変更例に関して詳細に明示、説明、および例示してきたが、前述および他の変更は例示にすぎないこと、ならびに従来技術によって排除される場合を除き、請求する本発明の真の精神と範囲から逸脱することなく、同等の形および細部の変更がなされ得ることを、理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】流体の流れの方向と、磁石によって発生した磁力線の方向との関係に及ぼす処理効果を示す概略図である。
【図2】磁石の磁力線の強度の分布を示す概略図である。
【図3】リング磁石の4つの環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング磁石とを示す概略図である。
【図3A】カバーを有するリング磁石の断面図である。
【図4】同一極が互いに対向しているリング磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング磁石の積層体とを示す概略図である。
【図5】対極が互いに対向しているリング磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング磁石の積層体とを示す概略図である。
【図6】円板磁石の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されている円板磁石とを示す概略図である。
【図6A】カバーを有する円板磁石の断面図である。
【図7】同一極が互いに対向している円板磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されている円板磁石の積層体とを示す概略図である。
【図8】対極が互いに対向している円板磁石の積層体の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されている円板磁石の積層体とを示す概略図である。
【図9】リング状電磁石の環状面に沿った時計回りの方向の流体の流れと、反時計回りの方向にスピンするように駆動されているリング状電磁石とを示す概略図である。
【図10】リング状電磁石の好ましい実施形態の分解図である。
【図11】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体の組立図である。
【図12】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体の好ましい実施形態の分解図である。
【図13】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体と、各リング磁石の3つの環状面に沿って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの断面図である。
【図13A】インサートが間に具設された円板磁石の積層体と、各円板磁石の3つの環状面に沿って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの断面図である。
【図14】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体と、各リング磁石の3つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの好ましい実施形態の分解図である。
【図15】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、各リング磁石の上部、外側、および下部の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図16】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図17】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、全てのリング磁石の上下の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図18】インサートが間に具設されたリング磁石の積層体を示していない、全てのリング磁石の上部、外側および下部の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図19】リング磁石の積層体と、各リング磁石の4つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの断面図である。
【図20】各リング磁石の4つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図21】リング磁石の積層体を示していない、リング磁石の4つの環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図22】中間に仕切壁を有するリング磁石の積層体と、各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにするハウジングとの断面図である。
【図23】中間に仕切壁を有するリング磁石の積層体と、各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングとの好ましい実施形態の分解図である。
【図24】各リング磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図25】全てのリング磁石の上下の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図26】全てのリング磁石の上部、外側、下部および内側の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする仕切壁を有するハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図27】中間に仕切壁を有する円板磁石の積層体と、各円板磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにするハウジングとの断面図である。
【図28】中間に仕切壁を有する円板磁石の積層体と、各円板磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングとの好ましい実施形態の分解図である。
【図29】インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、各円板磁石の上下の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図30】インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、全ての円板磁石の上下の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図31】インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、全ての円板磁石の上部、外側、および下部の環状面を通って並列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図32】インサートが間に具設された円板磁石の積層体を示していない、各円板磁石の上部、外側、および下部の環状面を通って直列に流体が通過できるようにする個別のハウジングの、好ましい実施形態の分解図である。
【図33】流体がリング磁石の上部環状面に沿った2つの環状通路を通って流れる、そのリング磁石の上にある仕切壁の好ましい実施形態の分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体磁気処理ユニットであって、
外壁と、頂部と、底部とを有するハウジングであり、該外壁と、該頂部と、該底部とが前記外壁内にチャンバを画成しているハウジングであって、前記ハウジングが、中心縦軸と、前記軸に沿って間隔を置いた1対の対向する端部と、を有し、前記ハウジングは、流体が前記チャンバを通って流れることができるようにするために、前記一端に流体入口と、前記同一の端部または他方の端部に流体出口と、を有して形成されている、ハウジングと;
前記チャンバ内に設置された少なくとも1つの環状磁石であって、前記環状磁石が前記軸に関して前記チャンバ内を垂直方向に延在している、環状磁石と;
前記流体が前記環状磁石の少なくとも1つの環状面に沿って環状に流れることができるようにするための、前記環状磁石の上および下に設置された頂部仕切壁および底部仕切壁と、
を備える、流体磁気処理ユニット。
【請求項2】
前記環状磁石が静止している、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記環状磁石が回転手段によって直接的または間接的にスピンするように回転可能に駆動される、請求項1に記載のユニット。
【請求項4】
前記スピン方向が前記流体の流れの方向に対向している、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
粒状の磁鉄鉱が前記環状磁石の環状面に沿って置かれている、請求項1に記載のユニット。
【請求項6】
環状磁石を備える、請求項1に記載のユニット。
【請求項7】
前記流体が、前記環状磁石の環状面に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項6に記載のユニット。
【請求項8】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の少なくとも1つの環状面に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項6に記載のユニット。
【請求項9】
少なくとも1対の環状磁石を備える、請求項1に記載のユニット。
【請求項10】
前記1対の環状磁石が、隣接する環状磁石の同一極性が互いに対向するように位置づけられている、請求項9に記載のユニット。
【請求項11】
前記流体が、前記環状磁石の両方の極に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項10に記載のユニット。
【請求項12】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の両方の極に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項10に記載のユニット。
【請求項13】
前記流体が、前記環状磁石の同一極に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項10に記載のユニット。
【請求項14】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の同一極に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項10に記載のユニット。
【請求項15】
前記流体が、前記環状磁石の環状面に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項10に記載のユニット。
【請求項16】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の環状面に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項10に記載のユニット。
【請求項17】
前記1対の環状磁石が、隣接する環状磁石の反対の極性が互いに対向するように位置づけられている、請求項9に記載のユニット。
【請求項18】
前記流体が、前記環状磁石の両方の極に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項17に記載のユニット。
【請求項19】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の両方の極に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項17に記載のユニット。
【請求項20】
前記流体が、前記環状磁石の環状面に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項17に記載のユニット。
【請求項21】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の環状面に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項17に記載のユニット。
【請求項22】
前記環状磁石が、リング磁石、円板磁石またはリング状電磁石である、請求項6に記載のユニット。
【請求項23】
前記環状磁石が、リング磁石、円板磁石またはリング状電磁石である、請求項9に記載のユニット。
【請求項24】
流体磁気処理ユニットであって、
外壁と、頂部と、底部とを有するハウジングであり、該外壁と、該頂部と、該底部とが前記外壁内にチャンバを画成しているハウジングであって、前記ハウジングが、中心縦軸と、前記軸に沿って間隔を置いた1対の対向する端部と、を有し、前記ハウジングは、流体が前記チャンバを通って流れることができるようにするために、前記一端に流体入口と、前記同一の端部または他方の端部に流体出口と、を有して形成されている、ハウジングと;
前記チャンバ内に設置された少なくとも1つの環状磁石であって、前記環状磁石が、前記軸に関して前記チャンバ内を垂直方向に延在しており、前記環状磁石が、前記磁石の両極上に、磁性材料から作られたカバーの第1のセットと、前記磁石の他方の環状面上に、非磁性材料から作られたカバーの第2のセットと、を有する、少なくとも1つの環状磁石と;
前記流体が前記環状磁石の少なくとも1つの環状面に沿って環状に流れることができるようにするための、前記環状磁石の上下に設置された頂部仕切壁および底部仕切壁と、
を備える、流体磁気処理ユニット。
【請求項25】
前記環状磁石が静止している、請求項24に記載のユニット。
【請求項26】
前記環状磁石が、回転手段によって直接的または間接的にスピンするように回転可能に駆動される、請求項24に記載のユニット。
【請求項27】
前記スピン方向が前記流体の流れの方向に対向する、請求項26に記載のユニット。
【請求項28】
粒状の磁鉄鉱が前記環状磁石の環状面に沿って置かれている、請求項24に記載のユニット。
【請求項29】
環状磁石を備える、請求項24に記載のユニット。
【請求項30】
前記流体が前記環状磁石の環状面に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項29に記載のユニット。
【請求項31】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の少なくとも1つの環状面に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項29に記載のユニット。
【請求項32】
少なくとも1対の環状磁石を備える、請求項24に記載のユニット。
【請求項33】
前記1対の環状磁石が、隣接する環状磁石の同一極性が互いに対向するように位置づけられている、請求項32に記載のユニット。
【請求項34】
前記流体が前記環状磁石の両方の極に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項33に記載のユニット。
【請求項35】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の両方の極に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項33に記載のユニット。
【請求項36】
前記流体が、前記環状磁石の同一極に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項33に記載のユニット。
【請求項37】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の同一極に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項33に記載のユニット。
【請求項38】
前記流体が、前記環状磁石の環状面に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項33に記載のユニット。
【請求項39】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の環状面に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項33に記載のユニット。
【請求項40】
前記1対の環状磁石が、隣接する環状磁石の反対の極性が互いに対向するように位置づけられている、請求項32に記載のユニット。
【請求項41】
前記流体が、前記環状磁石の両方の極に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項40に記載のユニット。
【請求項42】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の両方の極に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項40に記載のユニット。
【請求項43】
前記流体が、前記環状磁石の環状面に沿って並列または直列に環状に流れる、請求項40に記載のユニット。
【請求項44】
前記流体が、等しい流れに分流し、かつ前記環状磁石の環状面に沿って並列に環状に半回転流れる、請求項40に記載のユニット。
【請求項45】
前記環状磁石が、リング磁石、円板磁石またはリング状電磁石である、請求項29に記載のユニット。
【請求項46】
前記環状磁石が、リング磁石、円板磁石またはリング状電磁石である、請求項32に記載のユニット。
【請求項47】
前記カバーの第1のセットのための前記磁性材料がフェライトであり、前記カバーの第2のセットのための前記非磁性材料がプラスチックである、請求項24に記載のユニット。
【請求項48】
流体を磁気的に処理するための方法であって、前記方法が、流体の流れを、請求項1に記載の液体処理ユニット内に搭載された環状磁石によって発生した磁力線に対し垂直に差し向けるステップを備える、方法。
【請求項49】
前記環状磁石を回転手段によって直接的または間接的にスピンするように回転可能に駆動させるステップをさらに備える、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記スピン方向が前記流体の流れの方向に対向している、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記環状磁石が、リング磁石、円板磁石またはリング状電磁石である、請求項48に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図13A】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2009−533219(P2009−533219A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505688(P2009−505688)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000621
【国際公開番号】WO2007/121555
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(507370585)
【氏名又は名称原語表記】CHAU,YIU CHAU
【Fターム(参考)】