説明

可変の選択可能な項目領域を有するラジアル・メニュー

【課題】 ラジアル・メニューからの項目の選択を容易にする方法及び装置を提供する。
【解決手段】 ラジアル・メニューからの項目の選択を促進する方法及び装置を提供する。ラジアル・メニュー項目は、ラジアル・メニューからの選択の所望の困難さに基づいて互いに区別される。ラジアル・メニュー項目を選択し易くすることが望ましい場合には、そのラジアル・メニュー項目をラジアル・メニューの相対的に大きいパイ片内に配置することができる。反対に、ラジアル・メニュー項目を選択しにくくすることが望ましい場合には、そのラジアル・メニュー項目をラジアル・メニューの相対的に小さいパイ片内に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)に関し、より具体的には、ラジアル・メニューから項目を選択することに関する。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピュータの殆どは、ユーザがアプリケーションに関連する動作の実行中にそのアプリケーションと対話することを可能にするアプリケーションを含む。例えば、ユーザから、データを表示し、データを修正し、特定のタスクを開始するなどのコマンドを受信するように、アプリケーションを構成することができる。従来は、ユーザとアプリケーションの対話は、コマンドライン・インターフェースによって助長された。コマンドライン・インターフェースは、ユーザがアプリケーションと対話するための所定のコマンドをタイプ入力することを可能にするものであった。しかしながら、コマンドライン・インターフェースは、各アプリケーションと通信するための大量のコマンド・リストをユーザが記憶することを必要とする。
【0003】
より最近、ユーザとアプリケーションの対話は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、即ちGUIの使用を含むようになった。例えば、今日の殆どのアプリケーションは、表示スクリーン上にメニュー・バーを含むウィンドウを表示するように構成されている。メニュー・バーは、アプリケーションとの対話に用いることができる機能及びコマンドのリストを含んだ1つ又は複数のプルダウン・メニューを含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ラジアル・メニューからの項目の選択を容易にする方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般にグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)に関し、より具体的には、ラジアル・メニューから項目を選択することに関する。
【0006】
本発明の一実施形態は、ある動作を実行するように1つ又は複数のプロセッサを構成することを含む、ラジアル・メニューを表示するコンピュータ実施の方法を提供する。この動作は一般に、出力デバイスのスクリーン上に、各々がそれぞれのラジアル・メニュー項目の選択ゾーンを定める複数のパイ片を含むラジアル・メニューを表示することを含み、ここで、複数のパイ片のうちの第1のパイ片は第1の所定のサイズを有する。この動作はさらに、スクリーン・ポインタをスクリーン上の第1のパイ片の上に移動させ、これにより、ラジアル・メニューの第1のパイ片をアクティブ化する、第1のジェスチャを受け取ることを含む。第1のパイ片のアクティブ化に応答して、動作はさらに、1つ又は複数のプロセッサ上のメニュー・マネージャを実行して、第1のパイ片のサイズを第1の所定のサイズから第2の所定のサイズへ変更することを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、実行されるとき、ラジアル・メニューを表示する動作を実行するように構成されたプログラム製品を含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。この動作は一般に、出力デバイスのスクリーン上に、各々がそれぞれのラジアル・メニュー項目の選択ゾーンを定める複数のパイ片を含むラジアル・メニューを表示することを含み、ここで、複数のパイ片のうちの第1のパイ片は第1の所定のサイズを有する。この動作はさらに、スクリーン・ポインタをスクリーン上の第1のパイ片の上に移動させて、それによりラジアル・メニューの第1のパイ片をアクティブ化する、第1のジェスチャを受け取ることを含む。第1のパイ片のアクティブ化に応答して、動作はさらに、1つ又は複数のプロセッサ上のメニュー・マネージャを実行して、第1のパイ片のサイズを第1の所定のサイズから第2の所定のサイズへ変更することを含む。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態は、一般に、プログラムを含むメモリとプロセッサとを備えたシステムを提供する。このプロセッサは、プログラムを実行するとき、出力デバイスのスクリーン上に、各々がそれぞれのラジアル・メニュー項目の選択ゾーンを定める複数のパイ片を含むラジアル・メニューを表示するように構成され、ここで、複数のパイ片のうちの第1のパイ片は第1の所定のサイズを有する。プロセッサはさらに、スクリーン・ポインタをスクリーン上の第1のパイ片の上に移動させて、それによりラジアル・メニューの第1のパイ片をアクティブ化する、第1のジェスチャを受け取るように構成される。第1のパイ片のアクティブ化に応答して、プロセッサは、第1のパイ片のサイズを第1の所定のサイズから第2の所定のサイズへ変更するように構成される。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態は、ある動作を実行するように1つ又は複数のプロセッサを構成することを含む、ラジアル・メニューを表示するコンピュータ実施の方法を提供する。この動作は一般に、出力デバイスのスクリーン上にラジアル・メニューを表示するための所定のスクリーン・ポインタ・イベントを受け取り、所定のスクリーン・ポインタ・イベントの受け取りに応答して、ラジアル・メニュー内に表示する複数のラジアル・メニュー項目を決定することを含み、ここで、各々のラジアル・メニュー項目は関連する加重値を有する。本方法はさらに、スクリーン上に、ラジアル・メニューのそれぞれのパイ片内の複数のラジアル・メニュー項目を表示することを含み、ここで、各々のパイ片のサイズは、それぞれのラジアル・メニュー項目の加重値に基づいて決定される。
【0010】
上に記載された本発明の特徴、利点、及び目的を達成する方法を詳しく理解できるように、上で手短に要約された本発明は、添付の図面に示されるその実施形態を参照することによって、より具体的に説明することができる。
【0011】
しかしながら、添付の図面は本発明の典型的な実施形態のみを示すものであり、その範囲を限定するものと見なされるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含むことができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術によるドロップダウン・メニューを示す。
【図2】本発明の一実施形態による例示的なシステムを示す。
【図3】本発明の一実施形態による例示的なラジアル・メニューを示す。
【図4】本発明の実施形態によるさらに別の例示的なラジアル・メニューを示す。
【図5】本発明の一実施形態による、ラジアル・メニューを表示するための例示的なスクリーン・ポインタ・イベントを示す
【図6】本発明の一実施形態による例示的なストロークを示す。
【図7】本発明の一実施形態による、ラジアル・メニュー項目を選択するための例示的なストロークを示す。
【図8】本発明の一実施形態による、ラジアル・メニュー項目を選択するための例示的なストロークを示す。
【図9】本発明の一実施形態による、ラジアル・メニュー項目を選択するための例示的なストロークを示す。
【図10】本発明の一実施形態による過積載のラジアル・メニューを示す。
【図11】本発明の一実施形態による、ジェスチャを定義するための例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す。
【図12】本発明の一実施形態による例示的な選択ゾーンを示す。
【図13】本発明の一実施形態による別の例示的な選択ゾーンを示す。
【図14】本発明の一実施形態による、メニュー・マネージャによって実行される例示的な動作のフロー図である。
【図15】本発明の一実施形態による、可変の選択可能な項目領域を有するラジアル・メニューを示す。
【図16】本発明の一実施形態による、可変の選択可能な項目領域を有するラジアル・メニュー内にラジアル・メニュー項目を配置するために実行される例示的な動作のフロー図である。
【図17】本発明の一実施形態による、可変の選択可能な項目領域を有する別のラジアル・メニューを示す。
【図18】本発明の一実施形態による、重なりのある選択可能な項目領域を有するラジアル・メニューを示す。
【図19】本発明の一実施形態による、重なりのある選択可能な項目領域を有するラジアル・メニューを示す。
【図20】本発明の一実施形態による、重なりのある選択可能な項目領域を有するラジアル・メニューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、一般に、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)に関し、より具体的には、ラジアル・メニューから項目を選択することに関する。ラジアル・メニュー項目は、ラジアル・メニューからの選択の所望の難しさに基づいて互いに区別することができる。あるラジアル・メニュー項目を選択し易くすることが望ましい場合には、そのラジアル・メニュー項目をラジアル・メニュー内の相対的に大きなパイ片内に配置することができる。反対に、あるラジアル・メニュー項目を選択しにくくすることが望ましい場合には、そのラジアル・メニュー項目をラジアル・メニュー内の相対的に小さなパイ片内に配置することができる。
【0014】
以下では、本発明の実施形態を参照する。しかしながら、本発明は特定の説明された実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、本発明を実施及び実行するために、異なる実施形態に関連するか否かに関わらず、以下の特徴及び要素の任意の組合せが考慮される。さらに、種々の実施形態において、本発明は従来技術より優れた多くの利点を提供する。しかしながら、本発明の実施形態は、他の可能な解決策及び/又は従来技術より優れた利点を達成し得るものではあるが、所与の実施形態によって特定の利点が達成されるかどうかは本発明を限定するものではない。従って、以下の態様、特徴、実施形態及び利点は、単に例証的なものであり、特許請求の範囲において明確に記載される場合を除いて、特許請求の範囲の要素又は限定であると考えるべきではない。同様に、「本発明」に対する言及は、本明細書で開示されるいずれかの本発明の主題の一般化として解釈されるべきではなく、特許請求の範囲において明確に記載される場合を除いて、特許請求の範囲の要素又は限定であると考えるべきではない。
【0015】
本発明の一実施形態は、コンピュータ・システムと共に用いるためのプログラム製品として実施される。プログラム製品のプログラムは、実施形態の機能(本明細書で説明する方法を含む)を定めるものであり、様々なコンピュータ可読記憶媒体上に収容することができる。例証的なコンピュータ可読記憶媒体には、それらに限定されないが、(i)情報が恒久的にストアされる書き込み不可記憶媒体(例えば、CD−ROMドライブにより読み出し可能なCD−ROMディスクのようなコンピュータ内の読み出し専用メモリ・デバイス)、及び(ii)変更可能な情報をストアする書き込み可能記憶媒体(例えば、ディスケット・ドライブ内のフロッピー・ディスク又はハードディスク・ドライブ)が含まれる。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、本発明の機能を指示するコンピュータ可読命令を収容するとき、本発明の実施形態となる。他の媒体は、例えばコンピュータ又は電話網などを通じてコンピュータに情報を伝達する通信媒体を含み、無線通信ネットワークを含む。後者の実施形態は、特にインターネット及び他のネットワークへ/から情報を伝送することを含む。そのような通信媒体は、本発明の機能を指示するコンピュータ可読命令を収容するとき、本発明の実施形態となる。大まかに言うと、本明細書ではコンピュータ可読記憶媒体及び通信媒体をコンピュータ可読媒体と呼ぶことができる。
【0016】
一般に、本発明の実施形態を実施するために実行されるルーチンは、オペレーティング・システムの部分、又は、特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、モジュール、オブジェクト、又は命令のシーケンスとすることができる。本発明のコンピュータ・プログラムは、典型的には、ネイティブ・コンピュータによって機械可読形式、従って実行可能命令に変換されることになる多数の命令から構成される。また、プログラムは、プログラムに局所的に存在するか、又は、メモリ内若しくは記憶デバイス上に見出される変数及びデータ構造体から構成される。さらに、以下に説明する種々のプログラムは、本発明の特定の実施形態においてそのプログラムが実装されるアプリケーションに基づいて識別することができる。しかしながら、以下のいずれかの特定のプログラム用語は単に便宜上用いられるものであり、従って、本発明は、そのような用語によって識別及び/又は暗示されるいずれかの特定のアプリケーションにおける用途のみに限定されるべきではないことを理解されたい。
【0017】
図1は、従来技術による例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)100を示す。GUI100は、ユーザとアプリケーションの間の通信を容易にするために、例えば、コンピュータ・モニタのような表示スクリーン上に表示することができる。GUI100は、図1に示すように、例えば、ファイル・メニュー、編集メニュー、表示メニュー、ツール・メニュー、及びヘルプ・メニューを含む複数のメニューを有するメニュー・バー120を含むことができる。例えば、マウスを用いて所望のメニューをクリックすることにより、メニュー・バーから特定のメニューを選択することができる。メニュー・バー120の中の各メニューはドロップダウン・メニューである。従って、特定のメニューが選択されると、メニュー中の項目のリストが表示される。
【0018】
マウス・ポインタが所望の項目上にくるまで、リストの垂直方向上下にマウス・ポインタを動かすことにより、ドロップダウン・メニューから特定の項目を選択することができる。メニュー項目の選択は、所望の項目を選択するための第2のマウス・クリックの実行を含むことができる。例えば、所望のメニュー上での第1のマウス・クリックがドロップダウン・リスト中のメニュー項目を表示することができる。次いで、ユーザはマウス・ポインタが所望のメニュー項目上にくるまで、マウス・ポインタを垂直方向上及び/又は下に動かすことができる。ひとたびマウス・ポインタが所望のメニュー項目上にくると、第2のマウス・クリックでメニュー項目を選択することができる。
【0019】
幾つかの場合、メニュー項目はサブ・メニューとすることができる。例えば、ファイル・メニューの「送る(SendTO)」項目をサブ・メニューとすることができる。従って、図1に示すように、マウス・ポインタを「送る」項目上に動かすことにより、カスケード型サブ・メニュー122を表示することができる。各カスケード型サブ・メニューはそれら自体のカスケード型サブ・メニューを有することができ、このことにより、幾つかのカスケード型サブ・メニューを表示した後に所望の項目を選択することが可能になる。
【0020】
しかしながら、メニュー・バー及びドロップダウン・メニューは、ユーザが迅速に所望の項目を選択できるようにする上で効率的ではない。第1に、上述のように、メニュー項目の選択には、少なくとも2回のマウス・クリックが必要である。第2に、多数の項目を有するドロップダウン・メニュー内では、メニュー項目は密集する可能性があり、このことは、ユーザが所望の項目を見つけるまでに数回メニューに沿って上下に走査することを必要とする可能性がある。さらに、多数の密集した項目を有するドロップダウン・メニューでは、メニュー項目の間違った選択の確率を増す。
【0021】
ドロップダウン・メニューの非効率性は、アプリケーションとの対話中のユーザからの高速の応答時間が必要なアプリケーションのユーザに悪い影響を与える可能性がある。例えば、ゲーム用アプリケーションにおいて、ゲーム中の特定の状況に応答するユーザの応答時間がそのユーザのゲーム成績にとって決定的となる可能性がある。一例として、対戦中の敵を倒すユーザの能力によって成績が決定されるゲームにおいては、ユーザが敵を見つけて迅速に攻撃する能力は、ゲームを成功裏に実行して完了するのに重要であり得る。
【0022】
本発明の実施形態は、ユーザが、一組の所定のジェスチャを用いてメニュー項目の選択を迅速に行えるようにするラジアル・メニューを提供する。所定のジェスチャは、単純な及び/又は複雑なジェスチャを含むことができる。本明細書で用いられる「単純な」及び「複雑な」という用語は、本発明を限定することを意味するものではない。むしろ、「単純な」及び「複雑な」という用語は、ユーザとラジアル・メニューの間の対話を容易にするのに、広範囲の異なるジェスチャを用いることができることを示すのに用いられる。
【0023】
一実施形態において、ラジアル・メニューは、マウス・クリックのような所定のスクリーン・ポインタ・イベントの検出に応答して、表示スクリーン上に表示することができる。他のスクリーン・ポインタ・イベントは、表示スクリーンに指又はスタイラス・ペンでタッチすること、キーボード上の1つ又は複数のキーを押すこと、音声コマンドを受信することなどを含むことができる。以下では、アクティブ・ラジアル・メニュー項目を選択するために、スクリーン・ポインタを用いて複雑なジェスチャを行うことができる。
【0024】
例示的なシステム
図2は、本発明の実施形態を実施することができるシステム200のブロック図を示す。システム200は、バス220を介して、メモリ212、記憶装置216、入力デバイス217、出力デバイス218、及びネットワーク・インターフェース・デバイス219に接続された中央演算処理装置(CPU)211を含むことができる。入力デバイス217は、入力をシステム200に与える任意のデバイスとすることができる。例えば、キーボード、キーパッド、ライトペン、タッチスクリーン、トラックボール、又は音声認識ユニット、及びオーディオ/ビデオ・プレーヤーなどを用いることができる。出力デバイス218は、出力をユーザに与える任意のデバイス、例えば、任意の通常の表示スクリーンとすることができる。入力デバイス217と分離して図示したが、出力デバイス218と入力デバイス217は結合させることができる。例えば、組み込みタッチスクリーンを有する表示スクリーン、組み込みキーボードを有するディスプレイ、又は、テキスト音声コンバータと結合させた音声認識ユニットを用いることができる。
【0025】
ネットワーク・インターフェース・デバイス219は、ネットワーク290を介するシステム200と1つ又は複数の他のデバイス291との間のネットワーク通信を可能にするように構成された任意の入力/出力デバイスとすることができる。例えば、ネットワーク・インターフェース・デバイス219は、ネットワーク・アダプタ又は他のネットワーク・インターフェース・カード(NIC)とすることができる。
【0026】
記憶装置216は、直接アクセス記憶装置(DASD)であることが好ましい。これは単一のユニットとして示したが、固定ディスク・ドライブ、フロッピー・ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、取り外し可能なメモリ・カード、又は光記憶装置のような固定及び/又は取り外し可能な記憶装置の組合せとすることができる。メモリ212及び記憶装置216は、多数の一次及び二次記憶装置にわたる1つの仮想アドレス空間の部分とすることができる。
【0027】
メモリ212は、本発明の必要なプログラミング及びデータ構造体を保持するのに十分に大容量のランダム・アクセス・メモリであることが好ましい。メモリ212は単一のエンティティとして図示したが、メモリ212は実際には複数のモジュールを含むことができ、またメモリ212は、高速レジスタ及びキャッシュから、より低速であるがより大容量のDRAMチップに至るまでの多数のレベルで存在し得ることを理解されたい。
【0028】
例証的に、メモリ212はオペレーティング・システム213を含む。有利に用いることができる例証的なオペレーティング・システムは、Linux(Linuxは米国、他の国々、又はその両方におけるLinus Torvaldsの登録商標である)及びMicrosoft社のWindows(登録商標)を含む。より一般的には、本明細書で開示される機能をサポートする任意のオペレーティング・システムを用いることができる。
【0029】
メモリ212はまた、1つ又は複数のアプリケーション214を含むことができる。アプリケーション214は、コンピュータ・システム200内のメモリ及び記憶装置内に種々の時間に常駐する複数の命令を含むソフトウェア製品とすることができる。アプリケーション214は、1つ又は複数のCPU211によって読み出され、実行されるとき、コンピュータ・システム200に、本発明の種々の態様を具体化するステップ又は要素を実行するのに必要なステップを実行させることができる。
【0030】
一実施形態において、アプリケーション214は、以下で詳述するように、出力デバイス218上にラジアル・メニューを表示し、1つ又は複数のラジアル・メニュー項目の洗濯を検出するように構成することができるメニュー・マネージャ・プログラム215を含むことができる。幾つかの実施形態において、アプリケーション・プログラム214及びメニュー・マネージャ215は、ネットワーク接続されたコンピュータ装置291上に常駐し、コンピュータ・システム200の出力デバイス218上のラジアル・メニューを管理するように構成することができる。アプリケーション214は、ユーザ選択221を含むこともできる。ユーザ選択221は、以下で詳述するように、例えば、ラジアル・メニューを表示すること、ラジアル・メニューから選択することなどの、ラジアル・メニューの1つ又は複数の特性を定めることができる。
【0031】
例示的なラジアル・メニュー
図3は、本発明の一実施形態による例示的なラジアル・メニュー300を示す。一実施形態において、ラジアル・メニュー300は、図3に示すようにメニュー・マネージャ215によりアプリケーション・ウィンドウ100内に表示することができる。しかしながら、代替的な実施形態においては、メニュー・マネージャ215は、ラジアル・メニュー300を、ウィンドウの内部又は外部のスクリーン上の任意の場所に表示するように構成することができる。
【0032】
一般に、ラジアル・メニュー300は、中心310、及び中心310から放射状に外向きに配置された複数のラジアル・メニュー項目320を含むことができる。説明のために、ラジアル・メニュー300は、画像編集ソフトウェアに関連するものと仮定する。従って、図3に表示されたラジアル・メニュー項目320は、「前の画像」、「次の画像」、「注釈付け」、「時計回りに回転」、「半時計回りに回転」、「保存」、「終了」、及び「削除」を含む。特定の実施形態において、ラジアル・メニュー300は、6乃至8個のラジアル・メニュー項目を含むことができるが、他の実施形態においては、任意の妥当な数のラジアル・メニュー項目をラジアル・メニュー300内に含めることができる。
【0033】
ラジアル・メニュー項目320は、以下で詳述するように、例えば、マウス・ポインタ、スタイラス・ペン、トラックボール・ポインタなどのスクリーン・ポインタを用いて選択することができる。ラジアル・メニュー項目320の各々は、ラジアル・メニュー300に関連付けられたアプリケーション214と通信するのに用いることができるコマンド及び/又は機能に関連付けることができる。例えば、「次の画像」のラジアル・メニュー項目は、選択されるとき、図3のウィンドウ100のアプリケーション・コンテンツ領域130内に新規の画像を表示させることができる。別の例として、「注釈付け」ラジアル・メニュー項目は、選択されるとき、ユーザがアプリケーション・コンテンツ領域130に表示された画像に関する注釈を挿入できるようにする機能を起動することができる。幾つかの実施形態においては、ラジアル・メニュー項目を選択した結果、第2の又はカスケード型のラジアル・メニューが表示されるようにすることができる。
【0034】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニュー項目320は、図3に示すように「パイ片」320として表示することができる。しかしながら、代替的実施形態においては、ラジアル・メニュー項目は、複数のラジアル・メニュー項目320を中心310から放射状に外向きに表示することが可能な任意の妥当な形状を有することができる。図4(A)及び図4(B)は、ラジアル・メニュー項目320の幾つかの代替的な形状を示す。さらに、図3には円形のラジアル・メニュー300を示したが、代替的な実施形態においては、ラジアル・メニュー300は、半円形、四分円形、又は任意の他の放射形状とすることができる。例えば、図4(C)は、本発明の一実施形態による半円形のラジアル・メニューを示す。
【0035】
ラジアル・メニュー300は、所定のスクリーン・ポインタ・イベントの発現によって表示されるポップアップ・メニューとすることができる。例えば、一実施形態において、メニュー・マネージャ215は、マウス・クリックの検出によって、スクリーン上に(例えば、ウィンドウ100内に)ラジアル・メニュー300を表示するように設定することができる。特定の実施形態においては、マウスの右ボタンをクリックしたときにラジアル・メニュー300を表示することができる。本明細書ではラジアル・メニューを表示するのにマウス・クリックを用いることを説明するが、ラジアル・メニューを出現させることができる代替的なスクリーン・ポインタ・イベントは、例えば、スタイラス・ペン又は指でスクリーンにタッチすること、キーボード上の1つ又は複数のキーを押すこと、音声コマンドを受信することなどを含むことができる。
【0036】
本発明の一実施形態において、メニュー・マネージャ215は、ラジアル・メニューの中心がスクリーン・ポインタに一致するようにラジアル・メニューを表示することができる。図5は、ラジアル・メニュー300の中心310がスクリーン・ポインタ510の位置520と一致するように表示されたラジアル・メニュー300を示す。図5に示すように、スクリーン・ポインタはマウス・ポインタとすることができ、位置520はマウスをクリックするときのマウス・ポインタの位置とすることができる。代替的に、位置520は、スタイラス・ペン又は指が表示スクリーンにタッチする位置とすることができる。
【0037】
ラジアル・メニューからのラジアル・メニュー項目の選択は、スクリーン・ポインタ510を所望のラジアル・メニュー項目320の方向に動かすことを含むことができる。例えば、「注釈付け」ラジアル・メニュー項目を選択するために、スクリーン・ポインタを「注釈付け」ラジアル・メニュー項目のパイ片に向かった真っすぐ上に(概ね90度の方向に)動かすことができる。表示スクリーン上でスクリーン・ポインタを動かすことは、一般に、以下では「ストローク」又は「ジェスチャ」と呼ぶ(「ジェスチャ」及び「ストローク」という用語は本明細書では同じ意味で用いる)。マウス・ポインタの場合、ストロークは、単にマウスをマウスパッド上で動かすことによって実施することができる。タッチスクリーン上でスタイラス・ペン又は指を用いる際には、指又はスタイラス・ペンを単にスクリーン上でドラッグしてストロークを実施することができる。
【0038】
ラジアル・メニュー項目を選択するのに用いるジェスチャは、一組の所定のジェスチャから選択することができる。所定のジェスチャの組は、単純及び又は複雑な所定のジェスチャの任意の組合せを含むことができる。換言すれば、広範囲の異なるジェスチャを定義してユーザとラジアル・メニューの間の対話を容易にすることができる。一例として、単純なジェスチャは、スクリーン・ポインタの単一方向の移動を含むことができる。複雑なジェスチャは、スクリーン・ポインタの多様な方向の移動を含むことができる。一実施形態において、ジェスチャの実施にはまた、例えば、ボタンのクリック・ダウン、ボタンのリリースなどのような他のスクリーン・ポインタ・イベントを含めることもできる。例えば、幾つかの実施形態においては、ジェスチャはマウスボタンをクリック・ダウンしながら実施することができる。代替的に、他の実施形態においては、ジェスチャは、1つ又は複数のスクリーン・ポインタ・イベントの前、後、又はそれらの間、例えば、マウスボタンのクリック・ダウンとリリースの間に実施することができる。
【0039】
一実施形態において、スクリーン・ポインタをラジアル・メニュー項目320の上に置くことで、ラジアル・メニュー項目をアクティブ化することができる。ラジアル・メニュー項目320がアクティブになると、例えば、マウス・クリックのような選択イベントの発現により、ラジアル・メニュー項目320を選択することができる。本発明の一実施形態において、メニュー・マネージャ215は、可視指示を与えてアクティブなラジアル・メニュー項目を識別するように設定することができる。
【0040】
図6は、本発明の一実施形態によるラジアル・メニュー項目のアクティブ化をもたらす例示的なストローク610を示す。図6に示すように、ストローク610は、スクリーン・ポインタを「注釈付け」ラジアル・メニュー項目の上に移動させる。その結果、メニュー・マネージャ215は、「注釈付け」パイ片の背景色を変更することができ、これは図6においては「注釈付け」パイ片の陰影付けによって示される。色の変更により、「注釈付け」ラジアル・メニュー項目をアクティブな項目として識別することができる。可視表示を与える他の方法、例えば、アクティブなラジアル・メニュー項目の文字を太字にすること、非アクティブなラジアル・メニュー項目のパイ片又は文字を暗くすること又は薄くすることなども企図されている。図6には直線的なストロークを示すが、代替的な実施形態において、ストローク610は、表示スクリーン上での任意の及び/又は多様な方向への任意の移動を含むことができる。
【0041】
一実施形態において、ラジアル・メニュー300の中心300は、非アクティブな中心とすることができる。換言すれば、スクリーン・ポインタ510が中心部分310の上にある間は、どのラジアル・メニュー項目320もアクティブでないようにすることができる。従って、メニュー・メニューが上述のように表示される場合にメニュー・マネージャ215がラジアル・メニューの中心310に一致するとき、どのラジアル・メニュー項目320も最初はアクティブでないようにすることができる。その後、ユーザのストロークが1つ又は複数のラジアル・メニュー項目をアクティブ化することができる。ユーザのストロークがスクリーン・ポインタを中心310に戻す場合には、全てのラジアル・メニュー項目を再び非アクティブ化することができる。
【0042】
本発明の一実施形態は、複数のジェスチャを用いて、ラジアル・メニュー項目320を選択できるようにすることができる。幾つかの実施形態において、ジェスチャは、1つ又は複数のスクリーン・ポインタ・イベント、例えば、マウスクリック・ダウン(マウスボタンを押す)、マウスクリック・オフ(マウスボタンをリリースする(放す))、スタイラス・ペン又は指でスクリーンをタッチすること、スタイラス・ペン又は指をスクリーンから離すことなどを含むことができる。メニュー・マネージャ215は、表示スクリーン上で実施されたジェスチャを分析してラジアル・メニュー項目が選択されたかどうかを判断するように構成することができる。一実施形態において、複数の所定のジェスチャをそれぞれのメニュー項目選択に対応させることができる。
【0043】
例えば、ラジアル・メニュー項目を選択するための例示的なジェスチャは、第1のマウス・クリック、即ち、マウスボタンのクリック・ダウン及びリリースの実行を含むことができる。第1のマウス・クリックは、ラジアル・メニュー、例えばラジアル・メニュー300を表示スクリーン上に表示することができる。その後、1つ又は複数のジェスチャを実施してマウス・ポインタを所望のラジアル・メニュー項目320の上に移動させることができる。上述のように、メニュー・マネージャ215は、所望のラジアル・メニュー項目がアクティブであることの可視表示を与えることができる。マウス・ポインタが所望のラジアル・メニュー項目の上にあるとき、2回目のマウス・クリックを行うことができる。第2のマウス・クリックは、マウス・ポインタがラジアル・メニュー項目の上にある際に行われるので、メニュー・マネージャは、ラジアル・メニュー項目の選択が行われたと判断することができる。従って、メニュー・マネージャ215は、選択されたラジアル・メニュー項目に関連するコマンド又は機能を実行させることができる。
【0044】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニュー項目を選択するためのジェスチャは、表示スクリーン上にラジアル・メニューを表示させる第1のマウス・クリック(即ち、マウスクリック・ダウン及びリリース)と、ラジアル・メニュー項目をアクティブ化するように構成された第1のジェスチャと、ラジアル・メニュー項目を選択するように構成された所定の第2のジェスチャとを含むことができる。図7は、本発明の一実施形態による例示的な第1及び第2のジェスチャを示す。図7に示すように、第1のジェスチャ710は、スクリーン・ポインタ510を、ラジアル・メニューの中心310から「注釈付け」ラジアル・メニュー項目まで動かすことができる。その後、所定の第2のジェスチャを実施して「注釈付け」ラジアル・メニュー項目を選択することができる。図7に示すように、所定の第2のジェスチャは、スクリーン・ポインタが同じ経路上でジグザグの前後運動で移動させることを含むことができる。スクリーン・ポインタがラジアル・メニュー項目の上にある際に所定の前後運動がメニュー・マネージャによって検出された場合、そのラジアル・メニュー項目を選択することができる。
【0045】
スクリーン・ポインタ510の任意の妥当な所定の移動をラジアル・メニュー選択イベントとして用いることができる。図8は、ラジアル・メニュー項目の選択をもたらす代替的な所定の第2の移動を示す。図8に示すように、第1のジェスチャは、スクリーン・ポインタ510を、中心310から「注釈付け」ラジアル・メニュー項目まで移動させることができる。所定の第2のジェスチャは、スクリーン・ポインタを中心310に向かって戻すことができ、その結果として「注釈付け」ラジアル・メニュー項目の選択を行うことができる。さらに別の代替的な所定の第2のジェスチャは、ラジアル・メニュー項目上でのスクリーン・ポインタの実質的に円形及び/又は半円形の移動を含むことができる。
【0046】
別の実施形態において、ラジアル・メニュー項目を選択するためのジェスチャは、マウスボタンのクリック・ダウン(リリースせず)、ラジアル・メニュー項目をアクティブ化するための第1のジェスチャと、ラジアル・メニュー項目を選択するための第2の所定のジェスチャとを含むことができる。ラジアル・メニュー項目の選択の後でマウスボタンをリリースすることができる。マウスボタンのクリック・ダウンにより、ラジアル・メニューを表示させることができる。第1のジェスチャ及び所定の第2のジェスチャは、上述のように機能することができる。
【0047】
幾つかの実施形態において、ラジアル・メニューのアクティブ化後の所定時間内に第2の所定のジェスチャが受信されない場合、メニュー・マネージャ215がラジアル・メニューを閉じるように構成することができる。ラジアル・メニューを閉じることは、表示スクリーンからラジアル・メニューを除去することを含むことができる。幾つかの実施形態において、所定の時間は、第1のジェスチャの終了後、例えば、スクリーン・ポインタが移動を停止した後に開始することができる。例えば、あるスクリーン・ポインタ・イベントがラジアル・メニューを表示させることができる。その後、ラジアル・メニュー項目をアクティブ化するための第1のジェスチャを終了させることができる。第1のジェスチャの終了後の所定時間内に所定の第2のジェスチャが受信されない場合、ラジアル・メニューはメニュー・マネージャ215によって閉じることができる。
【0048】
さらに別の実施形態において、ラジアル・メニュー項目が所定の時間内にアクティブになった場合、メニュー・マネージャ215は、そのアクティブなラジアル・メニュー項目を選択することができる。従って、ラジアル・メニュー項目を選択するためのジェスチャは、マウスボタンのクリック・ダウン(リリースを伴うか又は伴わない)と、ラジアル・メニュー項目をアクティブ化するための第1のジェスチャとを含むことができる。マウスボタンのクリック・ダウンによりラジアル・メニューを表示させることができる。第1のストロークは上述のようにラジアル・メニュー項目をアクティブ化するように機能することができる。メニュー・マネージャ215は、特定のラジアル・メニュー項目がアクティブ化されている時間をモニタし、所定の時間後にそのラジアル・メニュー項目を選択することができる。
【0049】
第1のジェスチャは、ラジアル・メニューの中心310から所望のラジアル・メニュー要素320までの直線として図示したが、幾つかの実施形態においては、第1のジェスチャは、表示スクリーンの任意の部分に沿った移動を含むことができる。例えば、ユーザは、初めにスクリーン・ポインタを第1のラジアル・メニュー項目の方向に動かし、しかし次に、その代わりに第2のラジアル・メニュー項目を選択するように決定する可能性がある。従って、ユーザは所望の第2のラジアル・メニュー項目がアクティブ化されるまでスクリーンを横切ってスクリーン・ポインタを動かすことができる。ひとたび第2のラジアル・メニュー項目がアクティブ化されると、ユーザは所定の第2のジェスチャを実施して、第2のラジアル・メニュー項目選択することができる。
【0050】
図9は、本発明の別の実施形態による例示的な第1及び第2のジェスチャを示す。図9に示すように、第1のジェスチャ710は、第1のラジアル・メニュー項目(「注釈付け」)に向かう最初の移動を含むことができる。第1のストローク710は、スクリーンを横切って、第2のラジアル・メニュー項目(「削除」)が陰影付けで示すようにアクティブ化されるまで移動し続けることができる。その後、所定の第2のジェスチャ720を実施して第2のラジアル・メニュー項目を選択することができる。幾つかの実施形態において、第1のジェスチャは、所望のラジアル・メニュー項目がアクティブ化されるまでの複数のラジアル・メニュー項目にわたる移動を含むことができる。
【0051】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニュー項目を選択するためのジェスチャは、表示スクリーン上にラジアル・メニューを表示させる第1のマウス・クリック(即ち、マウスクリック・ダウン及びリリース)と、ラジアル・メニュー項目をアクティブ化して選択するように構成された第1のジェスチャとを含むことができる。第1のジェスチャは、マウス・ポインタがその上を移動したときにメニュー項目320をアクティブ化することができる。さらに、メニュー・マネージャ215は、第1のストローク中のスクリーン・ポインタの速度を分析するように構成することができる。速度が所定の閾値を上回る(又は下回る)場合、アクティブ化されたラジアル・メニュー項目を選択することができる。速度の閾値は幾つかの実施形態においてユーザ設定可能とすることができる。例えば、速度の閾値は、ユーザによりユーザ選択221(図2を参照されたい)において定めることができる。
【0052】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニューの異なる部分と対話するための異なるジェスチャを定義することができる。例えば、一実施形態において、第1の側、例えば、ラジアル・メニューの右側に位置するラジアル・メニューの項目を選択するために第1の所定のストロークを定義し、第2の側、例えば、ラジアル・メニューの左側に位置するラジアル・メニュー項目を選択するために第2の所定のストロークを定義することができる。代替的な実施形態においては、同じストロークが、ラジアル・メニューの異なる部分において、異なる結果をもたらすことができる。例えば、一実施形態において、ラジアル・メニューの第1の側において実施されたストロークは、ラジアル・メニュー項目のアクティブ化をもたらすことができる。しかしながら、同じ所定のストロークをラジアル・メニューの第2の側において実施することにより、ラジアル・メニュー項目の選択をもたらすことができる。
【0053】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニューの各々のパイ片は2つ又は複数のラジアル・メニュー項目で過積載状態にすることができる。図10は、複数のパイ片730を含む例示的なラジアル・メニュー700を示す。図10に示すように、各々のパイ片730は第1のラジアル・メニュー項目751及び第2のラジアル・メニュー項目752を含むことができる。本発明の一実施形態において第1のラジアル・メニュー項目751を選択するためのジェスチャは、ラジアル・メニューを表示スクリーン上に表示させる第1のマウス・クリック(即ち、リリースを伴う又は伴わないマウスのクリック・ダウン)、第1のラジアル・メニュー項目751及び対応する第2のラジアル・メニュー項目752をアクティブ化するように構成された第1のストローク、並びに第1のラジアル・メニュー項目751を選択するように設定された所定の第2のストロークを含むことができる。例示的な所定の第2のストロークは、時計回り方向のストロークを含むことができる。第2のラジアル・メニュー項目752を選択するためのジェスチャは、ラジアル・メニューを表示スクリーン上に表示させる第1のマウス・クリック(即ち、リリースを伴う又は伴わないマウスのクリック・ダウン)、第2のラジアル・メニュー項目752及び対応する第1のラジアル・メニュー項目751をアクティブ化するように設定された第1のストローク、並びに第2のラジアル・メニュー項目752を選択するように構成された所定の第3のストロークを含むことができる。例示的な所定の第3のストロークは、反時計回り方向のストロークを含むことができる。
【0054】
本発明の一実施形態において、ユーザがラジアル・メニューから項目を選択するための特定のジェスチャを定義できるようにすることができる。例えば、一実施形態においてアプリケーション214は、ユーザがラジアル・メニュー項目を選択するためのジェスチャを定義できるようにするグラフィカル・ユーザ・インターフェースを表示するように構成することができる。ユーザが定義したジェスチャは、一実施形態においてユーザ選択221内にストアすることができる。図11は、ラジアル・メニュー項目を選択するためのジェスチャを定義するための例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す。図11に示すように、ユーザ選択221は、スクリーン・ポインタの移動(又はストローク)を定義するための第1の列761、マウスボタン入力を定義するための第2の列762、並びに、列761及び762内の定義された入力に基づいて実行されるアクションを定義するための第3の列763を含むことができる。
【0055】
図11に示すように、GUI760は、特定の入力、及び入力に応答して実行されるアクションを定義するための複数のドロップダウン・メニュー767を含むことができる。代替的に、GUIは入力及びアクションを定義するためのラジオ・ボタン、テキスト・ボックス、チェック・ボックスなどを含むことができる。幾つかの実施形態において、GUI760は、入力(例えば、ストローク及びマウス・クリック)を実行して入力及び/又はアクションを定義することができるスクリーンを含むことができる。
【0056】
第1行764は、ラジアル・メニューの表示をもたらす例示的なスクリーン・ポインタ・イベント、即ち右マウスボタンのクリック・ダウンを定義する。代替的に、右マウスボタンのクリック・ダウン及びクリック・オフを、ラジアル・メニューを表示するための所定のスクリーン・ポインタ・イベントとして選択することもできる。図11の行764から分かるように、スクリーン・ポインタの移動は何も定義されていない。代替的な実施形態においてユーザは、右マウスボタンのクリック・ダウンの代わりに(又はそれに加えて)、ラジアル・メニューを表示するためのスクリーン・ポインタの移動を定義することができる。
【0057】
行765はラジアル・メニュー項目をアクティブ化するための入力を示す。示されるように、ラジアル・メニュー項目は、右マウスボタンを押し下げ且つスクリーン・ポインタを行765列761の記号で示されるように任意の方向に移動させるときにアクティブ化することができる。代替的にユーザは、ラジアル・メニュー項目を選択するためのスクリーン・ポインタの直線移動を選択するように選ぶことができる。行766はラジアル・メニュー項目を選択するための所定の第2のストローク、即ち円形ストロークを示す。行767はマウスボタンのクリック・オフを示す。図11にはマウスボタンのクリック・オフに関するアクションが何も示されていないが、幾つかの実施形態において、マウスボタンのクリック・オフは所定のアクション、例えば、ラジアル・メニュー項目の選択、ラジアル・メニューを表示スクリーンから除去することなどをもたらすことができる。
【0058】
本発明の一実施形態において、選択イベントがラジアル・メニューの境界の外で起る場合でもラジアル・メニュー項目を選択することが可能である。図12は、それぞれのラジアル・メニュー項目320に関連する複数の域外ゾーン810−810を含む例示的なラジアル・メニュー300を示す。図12に示すように、ゾーン810−810はラジアル・メニュー300の可視の境界の外側に存在することができる。図12に示すように、ラジアル・メニュー300の外側の境界は円301で定められる。円301は単に例証的なものに過ぎない。他の実施形態においては、任意の可視の幾何学的形状が考慮される。本発明の一実施形態において、スクリーン・ポインタがゾーン810内にある場合、ゾーン810に関連するラジアル・メニュー項目320をアクティブ化することができる。従って、選択イベントがゾーン810内で行われる場合にゾーン810に関連するラジアル・メニュー項目320の選択を行うことができる。換言すれば、ラジアル・メニュー項目320のパイ片及びそれぞれのゾーン810が、ラジアル・メニュー項目の選択のためのジェスチャをその内部で実行することができるラジアル・メニュー項目の選択ゾーンを定めることができる。
【0059】
例えば、図12は、スクリーン・ポインタ510を、「注釈付け」ラジアル・メニュー項目のパイ片を横切って、「注釈付け」ラジアル・メニュー項目に関連するゾーン810に移動させる第1のストローク710を示す。図12から分かるように、「注釈付け」ラジアル・メニュー項目は、スクリーン・ポインタがラジアル・メニュー300の境界の外にあってもアクティブのままに留まる。さらに図12に示すように、所定の第2のストローク720は「注釈付け」ラジアル・メニュー項目に関連するゾーン810内で行うことができる。メニュー・マネージャ215はゾーン810内の所定の第2のストロークを検出してそれぞれの「注釈付け」ラジアル・メニュー項目を選択することができる。
【0060】
ユーザが、例えば図12の長い第1のストローク710のような長い第1のストロークを行えるようにすることにより、ラジアル・メニュー項目の選択の間違いを減らすことができる。図12から分かるように、スクリーン・ポインタをラジアル・メニューの中心310からより遠くに移動させると、例えば所定の第2のジェスチャなどのジェスチャを行うために利用できる領域がより大きくなる。ジェスチャのためのより大きな領域を設けることにより、ジャスチャのストロークが誤って望まないラジアル・メニュー項目のゾーン810に入る確率を減らすことができる。
【0061】
さらに、ユーザがラジアル・メニュー項目の境界の外の第1のストロークを実行するときにラジアル・メニュー項目をアクティブ化することは、所望のラジアル・メニュー項目をアクティブ化する精度を高めることができる。例えば、スクリーン・ポインタが中心310からより遠くにあると、スクリーン・ポインタ510が隣のラジアル・メニュー項目のゾーン810に移動するのに必要な半径方向距離がより大きくなる。当業者であれば、ユーザがスクリーン・ポインタをラジアル・メニューの回りのより広い円弧内で移動できるようにすると、所望のラジアル・メニュー項目をアクティブ化する精度を高めることができることを認識するであろう。
【0062】
図12に示すように、幾つかの実施形態においてゾーン810は表示領域の端、例えば、表示スクリーン、アプリケーション・ウィンドウなどの端まで延ばすことができる。代替的実施形態において、所定の限定的な選択領域は、ラジアル・メニュー項目の選択を受けるラジアル・メニューの境界の外に定めることができる。図13は、各々のラジアル・メニュー項目320のための複数のゾーン910−910を定める、ラジアル・メニュー300の回りの円形外周900を示す。一実施形態において、外周は、例えば実線、破線を表示するか又はゾーン910に陰影を付けるなどにより、ユーザに見えるようにすることができる。外周900はラジアル・メニューの中心300から所定の距離dを有することができる。例えば、距離dは、図2に示すユーザ選択221内でユーザが定めることができる。本明細書においては円形外周を示すが、代替的実施形態においては、外周900はラジアル・メニュー300を取り囲む任意の妥当な形状を有することができる。外周の寸法は、幾つかの実施形態においてユーザ設定可能とすることができる。
【0063】
本発明の一実施形態において、上述のように、所定の第2のストロークがゾーン910内で実行される場合、それぞれのラジアル・メニュー項目320の選択をもたらすことができる。スクリーン・ポインタが外周900の外側で移動される場合には全てのラジアル・メニュー項目320を非アクティブ化することができる。従って、所定の第2のストロークが外周900の外側で実行される場合、ラジアル・メニュー項目320を選択することができず、従って、ユーザが彼/彼女の選択に関する考えを変える場合にジェスチャの方向に非選択ゾーンを生成する。
【0064】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニュー項目320を選択することは、上記の第1のストローク及びそれに続く所定の第2のストロークを実行することを含むことができる。第1のストロークは、スクリーン・ポインタを外周900の内外に移動させることを含むことができる。例示的な第1のストローク710を図13に示す。図示するように、第1のストローク710は、第1のラジアル・メニュー項目(「以前の画像」)の方向へのマウス・ポインタの移動で開始することができる。スクリーン・ポインタが第1のラジアル・メニュー項目を表すパイ片及びそれに関連するゾーン910を横切って移動するとき、メニュー・マネージャ215は第1のラジアル・メニュー項目をアクティブ化することができる。しかし、スクリーン・ポインタが外周900の外に移動するとき、第1のラジアル・メニュー項目はメニュー・マネージャ215によって非アクティブ化することができる。
【0065】
図13にさらに示すように、第1のストロークは、引き続いてスクリーン・ポインタを外周900の外側で移動させて第2のラジアル・メニュー項目(「反時計方向の回転」)に関連するゾーン910において外周900内に再び入るようにすることができる。スクリーン・ポインタが第2のラジアル・メニュー項目に関連するゾーン910入るとき、メニュー・マネージャ215は第2のラジアル・メニュー項目をアクティブ化することができる。しかし、スクリーン・ポインタが再び外周900の外に移動するとき、第2のラジアル・メニュー項目はメニュー・マネージャ215によって非アクティブ化することができる。
【0066】
スクリーン・ポインタは、上記のように外周900の内外に数回移動することができ、これにより幾つかのラジアル・メニュー項目のアクティブ化及び非アクティブ化をもたらすことができる。図13は、第3のラジアル・メニュー項目(「終了」)の選択ゾーン内で終わり、それにより図示するように第3のラジアル・メニュー項目をアクティブ化する第1のストロークを示す。アクティブのメニュー項目に関連する所定の第2のストローク720もまた示され、これが第3のラジアル・メニュー項目の選択をもたらす。特定の実施形態において、押したマウスボタンのリリースによって選択を行うことができる。
【0067】
本発明の一実施形態において、スクリーン・ポインタを外周900の外に移動させることにより、ラジアル・メニュー300を表示スクリーンから除去することができる。これは、ユーザが付加的なアクションのない滑らかなジェスチャでラジアル・メニューを取り消す又はスクリーンから除去することができるようにすることができる。例えば、ユーザがラジアル・メニューをスクリーン上に表示させ(例えばマウスボタンをクリックして)、そしてラジアル・メニューからの選択を最早望まないと決定した場合、ユーザは、スクリーン・ポインタを所定の外周900の外に移動させることになる長い直線の第1のストロークを簡単に行うことができる。スクリーン・ポインタが外周900の外にあることを検出すると、メニュー・マネージャ215は、表示スクリーンからラジアル・メニューを除去することができる。
【0068】
図14は、本発明の一実施形態による、メニュー・マネージャ215によって実行することができる例示的な動作のフロー図である。動作はステップ1010において所定のスクリーン・ポインタ・イベントを受け取ることによって開始することができる。例示的な所定のスクリーン・ポインタ・イベントは、例えば、マウスのクリック・ダウン、スタイラス・ペン又は指でタッチスクリーンにタッチすることなどを含むことができる。所定のスクリーン・ポインタ・イベントを受け取ることに応答して、メニュー・マネージャ215は、ステップ1020において表示スクリーン上にラジアル・メニューを表示することができる。
【0069】
ステップ1030において、メニュー・マネージャ215は、スクリーン・ポインタの第1のストロークを受け取ることができる。上述のように、第1のストロークは、表示スクリーン上でのスクリーン・ポインタの任意の及び/又は複数の方向における移動を含むことができる。第1のストローク中にスクリーン・ポインタがスクリーンを横切る際に、メニュー・マネージャは、ステップ1040において、スクリーン・ポインタがラジアル・メニューの1つ又は複数のラジアル・メニュー項目の所定の選択ゾーン内にあるかどうかを判断することができる。所定の選択ゾーンは図3に示したパイ片320を含むことができる。幾つかの実施形態において、所定の選択ゾーンはまた、図13を参照して説明したようにゾーン910を含むことができる。
【0070】
スクリーン・ポインタが所定の選択ゾーンの外にあると判断される場合、ステップ1050において全てのラジアル・メニュー項目を非アクティブ化することができる。一方、スクリーン・ポインタが所定の選択ゾーン内にあると判断される場合、ステップ1060において、所定の選択ゾーンに関連するラジアル・メニュー項目を選択のためにアクティブ化することができる。一実施形態において、選択のためにラジアル・メニュー項目をアクティブ化することは、そのラジアル・メニュー項目がアクティブであることの可視表示を与えることを含む。
【0071】
ステップ1070において、メニュー・マネージャ215は、例えば、図7及び図8を参照して説明した、所定の第2のストローク720などの所定の第2のストロークを受け取ることができる。所定の第2のストロークを受け取ることに応答して、ステップ1080において、メニュー・マネージャ215は、それぞれのアクティブなラジアル・メニュー項目を選択することができる。一実施形態において、ラジアル・メニュー項目を選択することは、選択されたラジアル・メニュー項目に関連するコマンド又は機能の実施を開始することを含むことができる。
【0072】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニュー項目の選択後、メニュー・マネージャ215は、表示スクリーンからラジアル・メニューを除去することができる。特定の実施形態においては、ラジアル・メニュー項目の選択後、所定の時間後に表示スクリーンからラジアル・メニューを除去することができる。幾つかの実施形態において、ラジアル・メニューは、所定の時間中、徐々に消えていくようにすることができる。
【0073】
本発明の幾つかの実施形態において、ラジアル・メニュー項目の選択後、ラジアル・メニューが表示スクリーン上に表示されている所定の時間中、ユーザが所定のジェスチャを入力して選択を取り消すことができるようにすることができる。例えば、一実施形態において、所定の時間中にラジアル・メニューが徐々に消えていく際に、例えばマウス・クリック及び/又は所定のストロークによりラジアル・メニュー項目の選択を取り消すことができる。
【0074】
可変の項目領域を有するラジアル・メニュー
上述のように、ラジアル・メニューは、メニュー選択を行う際に伝統的なドロップダウン・メニューと比べて高い精度及び速度を可能にする。ラジアル・メニュー内での選択の精度は、その中に含まれるパイ片の数に依存する場合がある。パイ片の数が多くなるとパイ片のサイズは小さくなり、ラジアル・メニュー内のラジアル・メニュー項目の密度が高くなる。その結果、上記のジェスチャを用いて間違った選択をする確率が増加し得る。一実施形態において、パイ片の数は6乃至8に制限することができるが、その理由はこの範囲内で選択の最大速度及び精度を達成できるからである。
【0075】
当業者であれば、ラジアル・メニュー内により少数のパイ片を含めることにより、各々のパイ片が相対的により大きくなることを認識するであろう。より大きいパイ片は、ラジアル・メニュー項目を選択するためのスクリーン・ポインタ・ジェスチャを行うために使用できる領域が大きくなるので、正確な選択の確率がより高くなる。反対に、より小さいパイ片は、スクリーン・ポインタ・ジェスチャを行うために使用できる領域が小さくなるために、低い正確な選択の確率がより低くなる。従って、より小さいパイ片に比べて、より大きいパイ片からラジアル・メニュー項目を選択することはより容易である。上述した例において、ラジアル・メニューは、同じサイズを有する複数のパイ片を有するものとして示された。従って、複数のパイ片の各々の正確な選択の確率は同じである。
【0076】
幾つかの実施形態において、幾つかのラジアル・メニュー項目の選択をより容易にし、他のラジアル・メニュー項目の選択をより難しくすることが望ましい場合がある。例えば、普通に用いられる機能に関連するラジアル・メニュー項目の選択を、より容易にすることが望ましい場合がある。別の例においては、破壊的な機能、例えば削除機能に関連するラジアル・メニュー項目の選択をより難しくすることが望ましい場合がある。ラジアル・メニュー項目の選択をより難しくすることで、ユーザが、そのラジアル・メニュー項目を選択するために、より意識的な努力及び集中した努力を払うことが必要になる。従って、ラジアル・メニュー項目を選択するのに困難を偶然選択する確率を減らすことができる。
【0077】
本発明の幾つかの実施形態は、ラジアル・メニュー項目を内部に配置することができる可変サイズのパイ片を有するラジアル・メニューを提供することができる。従って、より大きいパイ片内のラジアル・メニュー項目を選択することは、より小さいパイ片内のラジアル・メニュー項目に比べて相対的に容易になり得る。本発明の一実施形態において、複数の使用可能なラジアル・メニュー項目の各々はそれに関連する選択可能性値を有することができる。ラジアル・メニュー項目の選択可能性値は、そのラジアル・メニュー項目の選択の望ましい容易さを示すことができる。一実施形態において任意の範囲の選択可能性値を定めることができる。例えば、選択可能性値は1〜10の範囲の値を有することができ、ここで1の選択可能性値は、そのラジアル・メニュー項目の選択が最も困難であるのが望ましいことを示し、10の選択可能性値はそのラジアル・メニュー項目の選択が最も容易であるのが望ましいことを示す。本明細書では数値の選択可能性値を説明するが、代替的実施形態においては、選択可能性値は任意の他の妥当な型にすることができる。例えば、一実施形態において、選択可能性値はブール値、例えば、容易又は困難とすることができる。
【0078】
以下の実施例において、「より高い選択可能性値」及び「より低い選択可能性値」という用語は、ラジアル・メニュー項目の選択可能性値を言及するのに用いる。本明細書の目的に関して、より高い選択可能性値は関連するラジアル・メニュー項目を選択することの難度がより低いことを示すと仮定し、より低い選択可能性値は関連するラジアル・メニュー項目を選択することの難度がより高いことを示すと仮定する。しかし、代替的な実施形態においては逆にすることができる。即ち、より高い選択可能性値が、関連するラジアル・メニュー項目を選択することの難度がより高いことを示し、より低い選択可能性値が、関連するラジアル・メニュー項目を選択することの難度がより低いことを示すとすることができる。
【0079】
ラジアル・メニュー項目の選択可能性値は、本発明の一実施形態においては、ユーザ選択221内で定めることができ、従ってユーザによって変更することができる。代替的な実施形態において選択可能性値は、ラジアル・メニュー項目の履歴選択222に基づいて決定することができる。そのような実施形態において、メユー・マネージャ215は、各々のラジアル・メニュー項目の履歴選択データ222を保持し、各々の項目の選択可能性値を履歴選択データに基づいて計算するように設定することができる。
【0080】
履歴選択データ、選択の確率、ラジアル・メニュー項目に関連する機能の性質などに基づいて選択可能性値を決定することを本明細書において開示するが、代替的な実施形態においては、任意の基準を用いて選択可能性値を決定することができる。例示的な基準には、例えば、ラジアル・メニュー項目に関連する機能の実行に関連する時間の長さ、対応する費用、機能の可逆性、機能の実行の安全性などを含めることができる。
【0081】
本発明の一実施形態において、メニュー・マネージャ215は、複数の寸法の各々を有する所定数のパイ片を有するラジアル・メニューを表示するように設定することができる。図15は、第1の複数のパイ片1110及び第2の複数のパイ片1120を含む例示的なラジアル・メニュー1100を示す。図15に示すように、第1の複数のパイ片1110は、第2の複数のパイ片1120に比べて領域をより大きくすることができる。本明細書では2つの異なるサイズのパイ片1110及び1120を示すが、代替的な実施形態においては任意の数の異なる寸法のパイ片をラジアル・メニュー1100内に表示することができる。
【0082】
一実施形態において、第1の複数のパイ片1110及び第2の複数のパイ片1120は、図15に示すように交互に配置することができる。パイ片を交互に配置して、可変サイズのパイ片が同じサイズのパイ片と実質的に同じ方向に配置されるようにすることができる。しかし、他の実施形態においては、パイ片1110及び1120の任意の妥当な配置が可能である。例えば、特定の実施形態において、全ての第1のパイ片1110が互いに隣り合うように配置することができ、さらに全ての第2のパイ片1120が互いに隣り合うように配置することができる。
【0083】
本発明の一実施形態において、メニュー・マネージャ215は、相対的に高い選択可能性値を有するラジアル・メニュー項目を大きなパイ片内に配置し、相対的に低い選択可能性値を有するラジアル・メニュー項目を小さなパイ片内に配置するように設定することができる。例えば、ラジアル・メニュー項目A、C、E、及びGが、ラジアル・メニュー項目B、D、F、及びHよりも相対的に高い選択可能性値を有することができる。従って、ラジアル・メニュー項目A、C、E、及びGはパイ片1110内に配置することができ、ラジアル・メニュー項目B、D、F、及びHはパイ片1120内に配置することができる。高い選択可能性値を有するラジアル・メニュー項目を大きなパイ片1110内に配置することにより、メニュー・マネージャ215は、パイ片1110内のラジアル・メニュー項目を選択するジェスチャを実行するためのより大きな移動範囲をユーザに与えることができる。換言すれば、パイ片1110内のラジアル・メニュー項目を選択することが、パイ片1120内のラジアル・メニュー項目に比べてより容易になる。
【0084】
前述のように、ラジアル・メニューは、ラジアル・メニューを表示するための所定のスクリーン・ポインタ・イベントが検出されるときに、表示スクリーン内に表示することができる。前述のように、ラジアル・メニュー内に表示される特定のラジアル・メニュー項目は、例えば、スクリーン上のスクリーン・ポインタの位置、所定のスクリーン・ポインタがその上で行われるスクリーン・オブジェクトなどに依存し得る。従って、本発明の一実施形態において、メニュー・マネージャ215は、ラジアル・メニューを表示するための所定のスクリーン・ポインタ・イベントを受け取って、ラジアル・メニュー1100内に表示する特定のラジアル・メニュー項目を決定するように設定することができる。次にメニュー・マネージャ215は、決定されたラジアル・メニュー項目の各々に関連する選択可能性値を読み出すことができる。その後、メニュー・マネージャ215はラジアル・メニュー項目の読み出された選択可能性値に基づいて、ラジアル・メニュー項目をパイ片1110及び1120内に配置することができる。
【0085】
図16は、ラジアル・メニュー項目をラジアル・メニュー内に配置する際に、メニュー・マネージャによって実行される例示的な動作のフロー図である。ステップ1210において、動作は、ラジアル・メニューを表示するための所定のスクリーン・ポインタ・イベントを受け取ることによって開始することができる。ステップ1220において、メニュー・マネージャ215は、ラジアル・メニュー内に表示されることになる複数のラジアル・メニュー項目を決定することができる。複数のラジアル・メニュー項目は、例えば、表示スクリーン内のスクリーン・ポインタの位置、スクリーン・ポインタ・イベントがその上で行われる特定のスクリーン・オブジェクトなどに基づいて決定することができる。
【0086】
ステップ1230において、メニュー・マネージャ215はラジアル・メニュー項目の各々に関連する選択可能性値を読み出すことができる。次いでメニュー・マネージャは、ラジアル・メニュー項目の選択可能性値に基づいて、異なるサイズを有するラジアル・メニューのパイ片内にラジアル・メニュー項目を配置することができる。
【0087】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニュー項目に割り当てることができる各々の選択可能性値は、ラジアル・メニュー内のパイ片に関する一組の異なる可能な寸法のうちの特定の寸法のパイ片に関連させることができる。例えば、一実施形態において、ラジアル・メニューのラジアル・メニュー項目は、3つの可能な選択可能性値のうちの1つを有することができる。例えば、「削除」ラジアル・メニュー項目には第1の選択可能性値を関連させることができ、「保存」ラジアル・メニュー項目には第2の選択可能性値を関連させることができ、「印刷」ラジアル・メニュー項目には第3の選択可能性値を関連させることができる。
【0088】
選択可能性値の各々は、ラジアル・メニュー内に配置することができる種々異なるサイズのパイ片に対応させることができる。例えば、第1の選択可能性値は第1の寸法を有するパイ片に関連させることができ、第2の選択可能性値は第2の寸法を有するパイ片に関連させることができ、第3の選択可能性値は第3の寸法を有するパイ片に関連させることができる。従って、第1、第2及び第3の選択可能性値を有するラジアル・メニュー項目は対応する寸法を有するパイ片内にのみ配置することができる。
【0089】
例えば、一実施形態において、表示スクリーン上に表示されるラジアル・メニューは、第1、第2、及び第3の寸法を有する複数の各々のパイ片を含むことができる。従って、「削除」ラジアル・メニュー項目は第1の寸法を有するパイ片内にのみ配置することができ、「保存」ラジアル・メニュー項目は第2の寸法を有するパイ片内にのみ配置することができ、「印刷」ラジアル・メニュー項目は第3の寸法を有するパイ片内にのみ配置することができる。
【0090】
本発明の一実施形態において、メニュー・マネージャ215は、ラジアル・メニュー内のパイ片のサイズを、ラジアル・メニュー内に表示されるラジアル・メニュー項目の相対的選択可能性値に基づいて、動的に決定するように設定することができる。特定の実施形態において、ラジアル・メニュー項目の各々のパイ片のサイズは、パイ片の2つの真っすぐな辺が作る角度によって決定することができる。一実施形態において、各々のパイ片の角度は次の式に基づいて決定することができる。
パイの角度=(ラジアル・メニュー項目の選択可能性値)/(全てのラジアル・メニュー項目の選択可能性値の和)×360度
【0091】
一例として、3つのラジアル・メニュー項目「削除」、「保存」、及び「印刷」がラジアル・メニュー内に配置されると仮定する。さらに「削除」ラジアル・メニュー項目が1の選択可能性値を有し、「印刷」ラジアル・メニュー項目が2の選択可能性値を有し、「保存」ラジアル・メニュー項目が3の選択可能性値を有すると仮定する。上の式を用いると、「削除」ラジアル・メニュー項目が配置されることになるパイ片の角度は(1/6)*360°=60°とすることができる。「印刷」ラジアル・メニュー項目が配置されることになるパイ片の角度は(2/6)*360°=120°とすることができ、「保存」ラジアル・メニュー項目が配置されることになるパイ片の角度は(3/6)*360°=180°とすることができる。
【0092】
図17は上記の計算によって寸法が決められたパイ片1310、1320、及び1330を含む例示的なラジアル・メニュー1300を示す。図示するように、パイ片1310は「保存」ラジアル・メニュー項目を含む。従って、パイ片1310は真っすぐな辺1311と1312の間の角度180°を有する寸法にされる。パイ片1320は「印刷」ラジアル・メニュー項目を含む。従って、パイ片1320は真っすぐな辺1311と1313の間の角度120°を有する寸法にされる。パイ片1330は「削除」ラジアル・メニュー項目を含む。従って、パイ片1330は真っすぐな辺1312と1313の間の角度60°を有する寸法にされる。
【0093】
重なりのあるラジアル・メニューのパイ片
本発明の一実施形態において、異なるサイズのラジアル・メニューのパイ片を互いに重なる様式でラジアル・メニュー内に配置することができる。図18は、本発明の一実施形態による例示的なラジアル・メニュー1400を示す。ラジアル・メニュー1400は複数のパイ片1410a〜1410hを含むことができる。本発明の一実施形態において、ラジアル・メニューが初めに表示されるとき、パイ片1410a〜1410hの各々は同じ形状を有することができる。例えば、パイ片1410a〜1410hの各々は、図18に示すように、ラジアル・メニュー内のパイ片を分離する線の間の角度Xを有することができる。
【0094】
代替的な実施形態において、パイ片1410の各々は異なるサイズを有するように表示することができる。例えば、パイ片は図15に示すように配置することができる。パイ片が初めに同じサイズ又は異なるサイズを有するように表示されるかどうかに関わらず、本発明の一実施形態において、各パイ片はそれらに関連する少なくとも2つの可能なサイズを有することができる。特に、各パイ片は非アクティブ・サイズとアクティブ・サイズを有することができる。パイ片内のラジアル・メニュー項目がスクリーン・ポインタによってアクティブにされないとき、そのパイ片はラジアル・メニュー内で非アクティブ・サイズで表示することができる。一方、以下で説明するように、ラジアル・メニュー項目がスクリーン・ポインタによりアクティブにされるとき、そのパイ片はアクティブ・サイズで表示することができる。
【0095】
例えば、図18に示すように、パイ片1410aは角度Xで決められる第1のサイズを有する。第1のサイズは、どのラジアル・メニュー項目もアクティブであるように表示されないので非アクティブ・サイズとすることができる。図18において、陰影付けした領域は非アクティブ・サイズのパイ片1410aを示す。図18はまた、間の角度Yを有する破線1411を示し、これはアクティブ・サイズのパイ片1410aを示す。
【0096】
前述のように、スクリーン・ポインタをラジアル・メニューの選択ゾーンの上、例えばパイ片1410aの上に移動させるとき、そのラジアル・メニュー項目をアクティブ化することができる。一実施形態において、ラジアル・メニュー項目がアクティブであるとき、アクティブなラジアル・メニュー項目を含むパイ片1410のサイズはそれぞれのアクティブ・サイズに変更することができる。例えば、図19は、スクリーン・ポインタ1550をパイ片1410aの上に移動させ、それによりラジアル・メニュー項目Aをアクティブ化するジェスチャ1510を示す。ラジアル・メニュー項目Aをアクティブにした結果として、パイ片1410aのサイズはそのそれぞれのアクティブ・サイズに変更される。図19の陰影付き領域はアクティブ・サイズのパイ片1410aを示す。
【0097】
図19に示すように、ラジアル・メニュー項目Aのアクティブ化の後、線1411及び角度Yがパイ片1410aを定める。角度A及び破線1511はラジアル・メニュー項目Aのアクティブ化の前のパイ片1410aのサイズを示す。パイ片1410aはアクティブ化後に大きくなるので、ラジアル・メニュー項目Aを選択するジェスチャを実行するための選択領域もまた大きくなり、それによりラジアル・メニュー項目Aを選択することがより容易になる。換言すれば、ラジアル・メニュー項目Aの選択ゾーンがアクティブ化によって大きくなり、それによりラジアル・メニュー項目Aを選択することがより容易になる。
【0098】
本明細書では、非アクティブ・サイズより大きなアクティブ・サイズを有するパイ片1410aを開示したが、代替的実施形態においては、パイ片のアクティブ・サイズをその非アクティブ・サイズより小さくすることができる。アクティブ・サイズが非アクティブ・サイズより大きいか又は小さいかは、そのラジアル・メニュー項目の選択の望ましい精度に依存することができる。例えば、より高い精度が望ましい(選択の難しさ)場合には、アクティブ・サイズは非アクティブ・サイズより小さくすることができる。一方、低い精度が望ましい場合には、アクティブ・サイズは非アクティブ・サイズより大きくすることができる。
【0099】
ラジアル・メニューのパイをそれぞれのアクティブ・サイズで表示することは、1つ又は複数の隣接するパイ片のサイズの変化をもたらし得る。例えば、図19を参照すると、パイ片1410aのアクティブ化により、パイ片1410aがパイ片1410b及び1410hに重なるので、パイ片1410b及び1410hのサイズが小さくなる。勿論、パイ片1410aのアクティブ・サイズがそのそれぞれの非アクティブ・サイズより小さい場合には、パイ片1410aのアクティブ化によってパイ片1410b及び1410hのサイズは大きくなる。隣接するパイ片のサイズの変更は、そのスライスの選択ゾーンの対応する変更をもたらし得る。
【0100】
本発明の一実施形態により、パイ片のアクティブ・サイズ及び非アクティブ・サイズは、その中に含まれるラジアル・メニュー項目の選択可能性値に依存することができる。例えば、高い選択可能性値を有するラジアル・メニュー項目をパイ片内に配置する場合、そのパイ片のアクティブ・サイズは非アクティブ・サイズより大きくすることができる。反対に、低い選択可能性値を有するラジアル・メニュー項目をパイ片内に配置する場合、そのパイ片のアクティブ・サイズは非アクティブ・サイズより小さくすることができる。一実施形態において、ラジアル・メニュー項目の選択可能性値を用いてパイ片の正確なアクティブ・サイズを決定することができる。例えば、前節で与えた式によって記述されるように、選択可能性値によってパイ片を分離する線の間の角度を決定することができる。
【0101】
本発明の一実施形態において、ラジアル・メニュー項目のパイ片は、スクリーン・ポインタがアクティブなパイ片によって定められる選択ゾーンの外に移動するまで、アクティブ・サイズのままであることができる。例えば、図19において、スクリーン・ポインタが線1411の間の陰影付き選択ゾーンの内部に留まる限り、ラジアル・メニュー項目Aはアクティブ状態に留まることができる。例えば、ジェスチャ1510がスクリーン・ポインタ1550を線1511の境界の外(しかし線1411の内部)に移動させるが、ラジアル・メニュー項目Aはアクティブのままである。従って、幾つかの実施形態において、図19の線1411の間の全体の陰影付き領域を、ラジアル・メニュー項目を選択するための所定のジェスチャを実行してラジアル・メニュー項目Aを選択するのに使用できるようにすることができる。
【0102】
一実施形態において、スクリーン・ポインタがアクティブなパイ片の境界の外に移動するとき、そのパイ片のサイズをそれぞれの非アクティブなパイ・サイズに戻すことができる。図20は、スクリーン・ポインタ1550をアクティブなパイ片1410aの境界の外の、パイ片1410bの選択ゾーン内へ移動させ、それによりパイ片1410bをアクティブにし、そしてパイ片1410aをそのアクティブ・サイズから非アクティブ・サイズに戻すジェスチャ1610を示す。図20において、線1511はパイ片1410aのアクティブ・サイズを定める。ポインタ1550が線1511の境界の外に移動した後、パイ片1410のサイズは、線1411によって定められる非アクティブ状態に戻る。
【0103】
本発明の一実施形態において、パイ片1410bのアクティブ化により、パイ片1410bがそれぞれのアクティブ・サイズで表示されるようになる。パイ片1410bのアクティブ・サイズはその非アクティブ・サイズより大きく(又は小さく)することができるので、パイ片1410bはパイ片1410aの部分と重なることがある。従って、ポインタ1550がパイ片1410bをアクティブ化するとき、パイ片1410aのサイズは、幾つかの実施形態において、その非アクティブ・サイズ以外の他のサイズに変化する可能性がある。
【0104】
可変サイズのパイ片を有するラジアル・メニューを提供することにより、本発明の実施形態は、伝統的なラジアル・メニューと比較して迅速で効率的なメニュー項目の選択を容易にする。上記は本発明の実施形態に向けられたが、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、本発明の他の及びさらに別の実施形態を考案することができる。
【符号の説明】
【0105】
100:グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)/アプリケーション・ウィンドウ
120:メニュー・バー
122:サブ・メニュー
130:アプリケーション・コンテンツ領域
200:システム/コンピュータ・システム
211:中央演算処理装置(CPU)
212:メモリ
213:オペレーティング・システム
214:アプリケーション
215:メニュー・マネージャ
216:記憶装置
217:入力デバイス
218:出力デバイス
219:ネットワーク・インターフェース・デバイス
220:バス
221:ユーザ選択
222:ラジアル・メニュー項目の履歴選択
300、700、1100、1300、1400:ラジアル・メニュー
301:円
310:中心
320:ラジアル・メニュー項目
510:スクリーン・ポインタ
520:位置
610:ストローク
710:第1のジェスチャ/第1のストローク
720:所定の第2のジェスチャ/所定の第2のストローク
730、1110、1120、1310、1320、1330、1410a〜1410h:パイ片
751:第1のラジアル・メニュー項目
752:第2のラジアル・メニュー項目
760:GUI
761:第1の列
762:第2の列
764:第1の行
765、766、767:行
767:ドロップダウン・メニュー
810〜810:域外ゾーン
900:外周
910:ゾーン
1311、1312、1313:真っすぐな辺
1411、1511:破線
1510、1610:ジェスチャ
1550:スクリーン・ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジアル・メニューを表示する方法であって、
1つ又は複数のプロセッサを、
出力デバイスのスクリーン上に、各々がそれぞれのラジアル・メニュー項目の選択ゾーンを定める複数のパイ片を含むラジアル・メニューを表示することであって、前記複数のパイ片のうちの第1のパイ片は第1の所定のサイズを有する、表示することと、
スクリーン・ポインタを前記スクリーン上の前記第1のパイ片の上に移動させ、それにより前記ラジアル・メニューの前記第1のパイ片をアクティブ化する、第1のジェスチャを受け取ることと、
前記第1のパイ片のアクティブ化に応答して、1つ又は複数の前記プロセッサ上でメニュー・マネージャを実行し、前記第1のパイ片のサイズを前記第1の所定のサイズから第2の所定のサイズに変えることと、
を含む動作を実行するように構成すること、
を含む前記方法。
【請求項2】
前記第2の所定のサイズは前記第1の所定のサイズよりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のパイ片の前記サイズを前記第1の所定のサイズから前記第2の所定のサイズに変えることは、前記第1のパイ片に隣接する1つ又は複数のパイ片の少なくとも一部分を前記アクティブにされた第1のパイ片と重ねることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のパイ片に隣接する前記パイ片の前記アクティブにされた第1のパイ片と重なる部分の内部の、所定の第2のジェスチャの少なくとも一部分を受け取ることと、
前記ジェスチャを受け取ることに応答して、前記第1のパイ片に対応するラジアル・メニュー項目を選択することと、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記スクリーン・ポインタを、前記第2の所定のサイズを有する前記アクティブにされた第1のパイ片の境界の外に移動させる第3のジェスチャを受け取ることと、
前記第3のジェスチャを受け取って、前記第1のパイ片の前記サイズを前記第2の所定のサイズから第3のサイズに変えることと、
をさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第3のサイズは前記第1の所定のサイズと同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記パイ片の各々のサイズは、それぞれのラジアル・メニュー項目の加重値に基づいて決定される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
相対的に大きな加重値を有するラジアル・メニュー項目は相対的に大きなパイ片内に表示される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パイ片の各々のサイズは、それぞれのラジアル・メニュー項目がアクティブであるかどうかに基づいて決定される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
実行されたとき、ラジアル・メニューを表示する動作を実行するように構成されたプログラム製品を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記動作は、
表示デバイスのスクリーン上に、各々がそれぞれのラジアル・メニュー項目の選択ゾーンを定める複数のパイ片を含むラジアル・メニューを表示することであって、前記複数のパイ片のうちの第1のパイ片は第1の所定のサイズを有する、表示することと、
スクリーン・ポインタを前記スクリーン上の前記第1のパイ片の上に移動させて、それにより前記ラジアル・メニューの前記第1のパイ片をアクティブ化する第1のジェスチャを受け取ることと、
前記第1のパイ片のアクティブ化に応答して、前記第1のパイ片のサイズを前記第1の所定のサイズから第2の所定のサイズに変えることと、
を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記第2の所定のサイズは前記第1の所定のサイズよりも大きい、請求項10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記第1のパイ片の前記サイズを前記第1の所定のサイズから前記第2の所定のサイズに変えることは、前記第1のパイ片に隣接する1つ又は複数のパイ片の少なくとも一部分を前記アクティブにされた第1のパイ片と重ねることを含む、請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記動作は、
前記第1のパイ片に隣接する前記パイ片の前記アクティブにされた第1のパイ片と重なる部分の内部の、所定の第2のジェスチャの少なくとも一部分を受け取ることと、
前記ジェスチャを受け取ることに応答して、前記第1のパイ片に対応するラジアル・メニュー項目を選択することと、
をさらに含む、請求項12に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記動作は、
前記スクリーン・ポインタを、前記第2の所定のサイズを有する前記アクティブにされた第1のパイ片の境界の外に移動させる第3のジェスチャを受け取ることと、
前記第3のジェスチャを受け取って、前記第1のパイ片の前記サイズを前記第2の所定のサイズから第3のサイズに変えることと、
をさらに含む、請求項10から請求項13までのいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記第3のサイズは前記第1の所定のサイズと同じである、請求項14に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記パイ片の各々のサイズは、それぞれのラジアル・メニュー項目の加重値に基づいて決定される、請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
相対的に大きな加重値を有するラジアル・メニュー項目は、相対的に大きなパイ片内に表示される、請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記パイ片の各々のサイズは、それぞれのラジアル・メニュー項目がアクティブであるかどうかに基づいて決定される、請求項10から請求項17までのいずれか1項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
プログラムを含むメモリと、
前記プログラムを実行するとき、
出力デバイスのスクリーン上に、各々がそれぞれのラジアル・メニュー項目の選択ゾーンを定める複数のパイ片を含むラジアル・メニューを表示し、前記複数のパイ片のうちの第1のパイ片は第1の所定のサイズを有するものであり、
スクリーン・ポインタを前記スクリーン上の前記第1のパイ片の上に移動させて、それにより前記ラジアル・メニューの前記第1のパイ片をアクティブ化する第1のジェスチャを受け取り、
前記第1のパイ片のアクティブ化に応答して、前記第1のパイ片のサイズを前記第1の所定のサイズから第2の所定のサイズに変える、
ように構成されたプロセッサと、
を含むシステム。
【請求項20】
前記第2の所定のサイズは前記第1の所定のサイズよりも大きい、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のパイ片の前記サイズを前記第1の所定のサイズから前記第2の所定のサイズに変えることは、前記第1のパイ片に隣接する1つ又は複数のパイ片の少なくとも一部分を前記アクティブにされた第1のパイ片と重ねることを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは、
前記第1のパイ片に隣接する前記パイ片の前記アクティブにされた第1のパイ片と重なる部分の内部の、所定の第2のジェスチャの少なくとも一部分を受け取り、
前記ジェスチャを受け取ることに応答して前記第1のパイ片に対応するラジアル・メニュー項目を選択する、
ようにさらに構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記プロセッサは、
前記スクリーン・ポインタを前記第2の所定のサイズを有する前記アクティブにされた第1のパイ片の境界の外に移動させる第3のジェスチャを受け取り、
前記第3のジェスチャを受け取って、前記第1のパイ片の前記サイズを前記第2の所定のサイズから第3のサイズに変える、
ようにさらに構成される、請求項19から請求項22までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記第2の所定のサイズは前記第1の所定のサイズよりも大きい、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記パイ片の各々のサイズは、それぞれのラジアル・メニュー項目の加重値に基づいて決定される、請求項19から請求項24までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
相対的に大きな加重値を有するラジアル・メニュー項目は相対的に大きなパイ片内に表示される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記パイ片の各々のサイズは、それぞれのラジアル・メニュー項目がアクティブであるかどうかに基づいて決定される、請求項19から請求項26までのいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−527673(P2012−527673A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511240(P2012−511240)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056606
【国際公開番号】WO2010/133499
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】