説明

可変パッド、レール高さ調整方法および樹脂供給装置

【課題】ノズルを注入口に挿跋する作業や樹脂注入作業を楽にする。
【解決手段】タイプレート14とレール底面36Aとの間に軌道パッド38と共に装着され、樹脂供給ノズル84から供給される樹脂の注入量により軌道パッド38上のレール36高さを調整可能にする樹脂注入式の可変パッド38において、扁平かつ柔軟性を持った袋体と、この袋体から平面視でレール底面36Aに重ならない位置に伸びる樹脂注入用の舌状部56と、上端がこの舌状部56から上方に向かって突出しかつ樹脂供給ノズル84が上方から接続可能であり下端が舌状部56を介して袋体内に連通する樹脂注入管60と、この樹脂注入管60に設けられ袋体に供給する樹脂の逆流を防止する逆止弁62とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール底面とタイプレートとの間に軌道パッドと共に介装される樹脂注入式の可変パッドと、これを用いたレール高さ調整方法と、この方法の実施に直接使用する樹脂供給装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
軌道スラブやPCまくら木にレールを締結する場合、タイプレートをこれら軌道スラブやPCまくら木に固定し、このタイプレートに可変パッドおよび軌道パッドを挟んでレールを載せ、レールを保持している。
【0003】
ここに可変パッドは、扁平かつ柔軟性を持った袋体であって、通常平坦なポリエチレン、ポリプロピレン、EVA(ポリエチレン・ビニル アセテート)、ナイロンなどのシートをラミネートしたものなどから所定形状の上下一対のシートを切抜き、これら上下のシートの周縁を接着(溶着)して扁平かつ柔軟性を持った袋状としたものである。この中に樹脂を注入し、樹脂の注入量を調節することによりレール面の高さを調整するものである。なおこの樹脂は通常2液混合型のものであり、主剤と硬化剤を注入の直前に混合して袋へ注入し、その後に硬化させるものである。
【0004】
軌道パッドはこの可変パッドの上に載せられるものであり、ステンレス板などの金属板の下面にゴム板を接着したものである。このゴムはレールの衝撃を吸収する。また金属板は、その上面に当接するレールが温度変化などにより伸縮あるいは移動する時に、レールを滑り易くするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−28857
【特許文献2】特開2005−282112
【0006】
特許文献1および2には、可変パッドに設ける注入口(樹脂注入用の舌状部)に逆止弁を装着し、注入した樹脂が注入口から逆流して外に漏れる(液だれ)するのを防ぐものが示されている。ここに注入口は扁平な可変パッドとほぼ同一な平面上でほぼ水平に突出し、その突出部の先端を開口させる一方、注入口内に逆止弁を固定している。そして樹脂ポンプが吐出する樹脂主剤と硬化剤を混合した混合液を注入口に接続したノズル(樹脂供給ノズル)から注入するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2に開示されたものでは、注入口にポンプのノズルを接続してから樹脂を注入し、樹脂の充填後にこのノズルを注入口から抜いて、次の可変パッドの注入口に接続し、同様に樹脂を順次充填するものである。
【0008】
ここに注入口は水平方向に開口しているので、ノズルは軌道スラブやPCまくら木の上面に沿って水平にして注入口に挿入する必要があり、この際には作業者は注入口とノズルをそれぞれ固定する必要がある。また樹脂の充填中にはノズルが抜けないように注入口に押さえておく必要があることもある。さらに樹脂の充填後にノズルを注入口から抜く際にも、両手で注入口とノズルを別々につかんで離す方向に引っ張る必要がある。
【0009】
このようにノズルの挿入、抜き取りや注入を一人の作業員で行う時には、注入口とノズルを別々につかんで注入中は互いに接近方向にまた抜き取り時は逆方向に力を加える必要があり、力が伝わりにくく作業がしにくいという問題がある。また、樹脂の注入完了時に樹脂供給ノズルを可変パッドの注入口から抜くと、注入口が水平なので、ここに逆止弁があったとしても注入口の先端から多少の樹脂が周囲にこぼれいわゆる液だれ現象が避けられない。
【0010】
一方このような作業は、作業者が中腰になって行う必要があるため作業性が悪く作業者の身体的な負担が大きいものとなっている。特にレールの定期的な保守管理において行うレール高さ調整(高さ補正)は、深夜などの車両が走行しない時間内に予定する距離の長いレールを調整する必要があるばかりでなく、気候条件が厳しい場合もあるから、作業者にとっては一層過酷な作業になる。
【0011】
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、ノズルを注入口に挿入あるいは抜く(挿跋する)作業や樹脂注入中にノズルを押さえる作業を楽にすることができ、この作業を作業員が片手ででき、またノズルを注入口から抜く時に注入口から樹脂が周囲に出る液だれを防止でき、作業者の身体的負担を減らし作業能率向上に適する可変パッドを提供することを第1の目的とする。またこの可変パッドを用いたレール高さ調整方法を提供することを第2の目的とする。さらにこの方法の実施に直接使用する樹脂供給装置を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明によれば第1の目的は、タイプレートとレール底面との間に軌道パッドと共に装着され、樹脂供給ノズルから供給される樹脂の注入量により前記軌道パッド上のレール高さを調整可能にする樹脂注入式の可変パッドにおいて、扁平かつ柔軟性を持った袋体と、この袋体から平面視で前記レール底面に重ならない位置に伸びる樹脂注入用の舌状部と、上端がこの舌状部から上方に向かって突出しかつ前記樹脂供給ノズルが上方から接続可能であり下端が前記舌状部を介して前記袋体内に連通する樹脂注入管と、この樹脂注入管に設けられ前記袋体に供給する樹脂の逆流を防止する逆止弁とを有することを特徴とする可変パッド、により達成される。
【0013】
また第2の目的は、請求項1に記載の可変パッドを用いたレール高さ調整方法であって、
a)レール底面とタイプレートとの間に可変パッドを軌道パッドと共に保持し、
b)可変パッドの舌状部から起立する樹脂注入管に上方から樹脂供給ノズルを挿入し着脱可能に接続し、
c)前記樹脂供給ノズルを接続した後に樹脂の供給を開始し、
d)樹脂注入完了後に樹脂の供給を停止して樹脂供給ノズルを前記樹脂注入管から抜き取る、
以上の工程を有することを特徴とするレール高さ調整方法、
により達成される。
【0014】
さらに第3の目的は、請求項8のレール高さ調整方法に用いる樹脂供給装置であって、レールに乗って移動可能な台車と、この台車に乗せた樹脂の主剤および硬化剤の収容タンクと、前記台車に乗せられ前記収容タンクの主剤および硬化剤を樹脂供給ノズルに供給する樹脂供給ポンプとを備え、前記樹脂供給ノズルを可変パッドの樹脂注入管に上方から挿跋可能にしたことを特徴とする樹脂供給装置、により達成される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、可変パッドに設けた樹脂注入用の舌状部からほぼ垂直に突出する樹脂注入管を設け、この樹脂注入管の上端に樹脂供給ノズルを上方から着脱可能に接続したから、作業者は片手でこのノズルをつかんで樹脂注入管に上方から押し付けて接続することができる。この際、樹脂注入管の下端は袋体の舌状部の下方に位置する軌道スラブやまくら木などに支持されるから、作業者がノズルを樹脂注入管上端に押し付ける力は能率よくノズルおよび樹脂注入管に伝わることになり、作業が容易になる。
【0016】
また樹脂の注入中は必要に応じて片手で樹脂供給ノズルを樹脂注入管に下向きに押さえておくことにより樹脂が漏れるのを防ぐことができる。また樹脂注入管は上方に向かって開口しているので、ノズルを抜いた時に樹脂注入管から樹脂が周囲に漏れる恐れが無く、液だれを防ぐことができる。さらに中腰での作業が減るので作業者の身体的負担が減少し、作業能率の向上が可能でもある。第2の発明(請求項8)によれば、この可変パッドを用いたレール高さ調整方法が得られる。さらに第3の発明(請求項13)によれば、このレール高さ調整方法の実施に直接使用する樹脂供給装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例を適用したレール締結装置の一例を示す断面図、
【図2】同じく平面図、
【図3】樹脂充填作業の概念図
【図4】樹脂充填用注入ガンの側断面図
【図5】同じく注入ガンの正面図
【図6】注入ガンを可変パッドの樹脂注入管に挿入した状態を示す側断面図
【図7】樹脂注入管および逆止弁の側断面図(A、B)と逆止弁の底面図(C)
【図8】動作の流れ図
【図9】樹脂注入管の他の実施例を示す側面図(A)と底面図(B)
【図10】図9(B)におけるX−X線断面図
【図11】弁体の平面図(A)と側断面図(B)
【図12】樹脂供給装置の一実施例を示す側面図
【図13】樹脂充填作業の他の実施例を示す概念図
【図14】樹脂充填ノズルを閉位置したミキサ部の側断面図(A)と底面図(B)
【図15】図14におけるXV−XV線断面図
【図16】樹脂充填ノズルを開位置にしたミキサ部の一部側断面図
【図17】樹脂注入管の側面図(A)と底面図(B)
【図18】図17(B)におけるXVIII−XVIII線断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
樹脂注入管は樹脂注入用の舌状部の上面を貫通して上方に伸びるように舌状部に封着し、逆止弁はこの樹脂注入管の底部と舌状部の内底面との間に装着することができる(請求項2)。この場合には、通常舌状部の先端が樹脂注入管よりも先端側に伸びていることになるので、この伸びた先端部分を例えば作業者が靴底で踏んで軌道スラブやまくら木の上面との間に押さえることが可能になり樹脂注入管を位置決めすることにより一層安定した作業が可能になる。
【0019】
すなわち樹脂注入管は舌状部から上方に突出しているので、樹脂注入管の先端側あるいはその周囲に舌状部が広がり(幅が広くなり)また伸びることになるから、ここを踏み付けることにより同様に固定できるものである。また樹脂の注入後にノズルを樹脂注入管から抜く時に舌状部の周囲や先端部分を靴底で押さえておくことにより片手で作業でき、作業性が良い。
【0020】
このように舌状部の先端を靴底などで踏み付けて固定するためには、舌状部の先端を樹脂注入管より先端側に十分に長く延出させておき、この部分(踏み付け固定用端部)を踏み付けて固定し易くするのがよい(請求項3)。この場合には作業性が一層向上する。
【0021】
樹脂注入管は、上部が舌状部の上面シートを貫通して起立する上パイプ部と、その下部に下方から嵌合され下端にフランジ部を形成した下パイプ部とを備え、前記下パイプ部には前記上パイプ部の下端開口に下方から対向し上パイプ部を開閉する弁板が形成された構成とすることができる(請求項4)。
【0022】
樹脂注入管は、舌状部の上面に設けた開口を貫通して起立するパイプ部と、このパイプ部の下端に形成され下方および径方向に向かって開く拡径部とを備え、前記拡径部に逆止弁を構成する弁体が装填された構成とすることもできる(請求項5)。この場合は、拡径部が舌状部の下面を軌道スラブやまくら木の上面に押し付けることになるから、舌状部の保持と位置決めが安定し、作業能率を上げることができる。
【0023】
弁体は、パイプ部の下端開口に弾接する独立気泡の発泡樹脂で形成し、これを拡径部内に装填することによって逆止弁を構成することができる(請求項6)。例えば発泡ポリエチレン、ゴムスポンジなどの弾性を有する材料であって耐溶剤性(耐樹脂性)の材料が適する。ここにその上面(パイプ部の下端開口に弾接する面)を適度な剛性を持ったシート状に加工したり、同様な別部材(金属フィルムやプラスチックシート)を貼ったものとすれば、樹脂ポンプの圧力が効率よく弁体の上面に加わり、弁としての機能が向上する。この場合は発泡樹脂の底面を舌状部の内底面に当てて保持できるので、弁構造が単純であり、製造が簡単で安価でもある。
【0024】
弁体は、パイプ部の下端開口に弾接する樹脂製あるいは金属製の薄板で形成することができる(請求項7)。ここに樹脂薄板は、ポリエチレン、ポリプロピレン製が好適であり、この場合は、樹脂製薄板の弾力性と形状を適切に設定することにより、弁体の可動性を向上させて弁の機能を一層向上させることができる。
【0025】
第2の発明においては、工程d)で樹脂供給ノズルを樹脂注入管から抜く時には舌状部を例えば作業者の靴で踏んだり別に用意した棒状の押さえ具などで押さえることにより固定しておくことが必要であるが(請求項9)、靴で踏み付けやすくするためには、舌状部の先端を樹脂注入管よりも先に突出させておき、ここを踏み付け固定用端部とするのが良い(請求項10)。
【0026】
工程c)で供給する樹脂は、主液とその硬化剤とを混合した混合液であり、樹脂供給ノズルは、樹脂注入管の先端に挿入・抜取り可能なノズル部材と、一端がこのノズル部材に接続され他端から供給された前記主剤と硬化剤を混合するスタティックミキサと、このスタティックミキサと前記ノズル部材との間に設けられ樹脂の供給を断続する開閉弁とを有するものが望ましい(請求項11)。この場合、ノズルを可変パッドの樹脂注入管から抜く時に逆止弁を閉じておくことにより樹脂がノズルからこぼれるのを防ぐことができる。
【実施例1】
【0027】
図1において符号10は軌道スラブであり、この軌道スラブ10はレール長さ方向に数mの長さを持ったPC(Prestressed concrete)の板であり、路盤に位置決めされて敷設される。このスラブ10には所定位置に予め埋込栓カラー12が埋込まれている。
【0028】
同図において14は鉄製のタイプレートであり、ゴムマットなどの絶縁板16を挟んでスラブ10上に位置決めされて置かれる。このタイプレート14はアンカー用Tボルト18とナット20によってスラブ10に固定される。
【0029】
Tボルト18は下端にT字型のボルト頭18aを持つ。前記埋込栓カラー12はこのボルト頭18aを通すように略ダ円形の平断面形状を持ち、ボルト頭18aをここに上方から挿入して90°回転させることによりボルト頭18aを埋込栓カラー12の底に設けた
係合部12aに係合させるものである。
【0030】
ここにTボルト18とタイプレート14とは絶縁カラー22により電気的に絶縁される。この絶縁カラー22は、円筒形のボス部と、このボス部24の上端から外径方向へ拡径するフランジ部とを有する。この絶縁カラー22は、例えばガラス短繊維を約8重量%混入したポリカーボネート樹脂を射出成形することにより製作される。
【0031】
Tボルト18には、図1に示すように、絶縁板16、タイプレート14が通され、さらに鉄製のカバープレート28、絶縁カラー22、座金30、ばね座金32、座金34が通される。そして最後にナット20が螺着され、締付けられる。ここに絶縁カラー22のボ
ス部はカバープレート28およびタイプレート14のボルト孔内へ進入している。このようにしてタイプレート14とTボルト18との間は絶縁カラー22により電気的に絶縁される。
【0032】
図1で36はレールであり、レール高さ調節用の樹脂注入式可変パッド38および軌道パッド40を介してタイプレート14に載せられる。そしてレール36を押える板ばね42は、ボルト44およびナット46によってタイプレート14に締付け固定される。
【0033】
ここにタイプレート14には、レール底部ガイド用の突壁48,48が一体に形成されている。これらの突壁48,48は、レール36の底部36Aの幅にほぼ一致する間隔を空けて起立する。前記可変パッド38および軌道パッド40はこれら突壁48,48の間
に敷かれ、その上にレール36の底部36Aが載せられる。そしてレール36は両突壁48,48により左右方向(幅方向)への移動が規制される。
【0034】
突壁48,48には下方に向って広がった切欠部50,50が幅方向に横断するように形成され、ここに前記ボルト44の略台形に形成されたボルト頭(図示せず)が係合する。
【0035】
軌道パッド40はステンレス鋼板で作られた金属板52と、この金属板52の下面に接着されたゴム板54とを有する。金属板52は、タイプレート14のレール長手方向の長さにほぼ等しい長さである。
【0036】
次に可変パッド38を説明する。この可変パッド38は、樹脂製の袋体の内部に樹脂を注入して硬化させたものである。この袋体は図3に示すように偏平状であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、ナイロンなどのシートをラミネートしたものなどから所定形状の上下一対のシートを切抜き、これら上下のシートの周縁を接着(溶着)して扁平かつ柔軟性を持った袋状としたものである。
【0037】
この可変パッド38は図2、3に示すように、タイプレート14の突壁48間を埋める寸法よりも、レール長手方向に長く、両端の突出部分の対角位置付近には樹脂注入用の舌状部56と空気抜き用の舌状部58とが形成されている。舌状部56はレール36の底部36Aの側方に斜めに延出し、舌状部58はレール底部36Aの下方にあってレール36と平行に延出している。また樹脂注入用の舌状部56には後記する樹脂注入管60と逆止弁(一方向弁)62とが装着される(図6参照)。逆止弁62は樹脂の注入を許容する一方、樹脂の逆流を防止する。
【0038】
この可変パッド38の上には前記した軌道パッド40が重ねられる。この時可変パッド38の両端は軌道パッド40およびタイプレート14よりレール10の長さ方向に突出している。可変パッド38に樹脂を充填した状態ではその両端が上下に膨らんで軌道パッド40およびタイプレート14の端縁に係合し、可変パッド38の移動が規制され、正確に位置決めされる。
【0039】
この軌道パッド40の上にレール36を載せた状態でレール36の高さ調節を行い、所定の高さでレール36の下方にスペーサ63を入れて高さを保持する。この状態で可変パッド38に樹脂を充填して、レール36とタイプレート14との間にできる空隙を埋める。そして樹脂が硬化した後、スペーサー63を除去する。
【0040】
この作業は、可変パッド38の空気抜き用の舌状部58を開いた状態で樹脂注入用の舌状部56から樹脂を注入し、空気が抜けた状態で空気抜き用の舌状部58を閉じて注入量を制御することにより行われる。この樹脂の注入は後記する樹脂供給装置74(図3)によって行われ、充填する樹脂の量によってレール高さを適正に保持する。舌状部56には前記した逆止弁62が装着されているので樹脂は逆流することがない。そして、樹脂は所定時間後に硬化する。
【0041】
次に樹脂注入管60と逆止弁62について説明する。樹脂注入管60は、図6、7に示すように、上パイプ部61と、これに下から嵌合される下パイプ部64とを備える。逆止弁62は、下パイプ部64の中間付近に一体形成された薄板状の弁体66と、下パイプ部64の下部に形成されたフランジ部68とを有する。上パイプ部61の下端開口は弁体66に対向し、この弁体66により開閉される。下パイプ部64は、舌状部56の上面のシート56A(図6)を貫通して上方に起立している。シート56Aはフランジ部68の上面に液密に熱圧着(溶着)あるいは接着されている。
【0042】
フランジ部68の下面には、図7(B)、(C)に示すように、径方向に伸びる溝からなる4本の樹脂流路70が形成されている。通路70は、舌状部56の下面のシート56Bとの間に、径方向に開く樹脂の通路を形成する。フランジ部68の下面を舌状部56の下のシート56Bに熱圧着あるいは接着しておけば、樹脂注入管60が下のシート56Bから浮き上がらず樹脂の注入が一層安定する。
【0043】
この実施例ではこの弁体66は、下パイプ部64に一体に形成したが、弁体66に代えて上パイプ部61の下端開口に弾接する独立気泡の発泡樹脂などで形成した弁体としてもよい。この弁体については図18、19に基づいて実施例5において説明する。
【0044】
次に樹脂供給装置74を図3を用いて説明する。この樹脂供給装置74は、主剤を収容する気密タンク(収容タンク)76と、硬化剤を収容する気密タンク(収容タンク)78と、これらのタンク76、78に空気圧を供給し主剤と硬化剤を送出する空気ポンプ(樹脂供給ポンプ)80と、送出された樹脂を袋体に注入する樹脂注入ガン82と、ポンプ80を駆動する制御部(図示せず)とを備える。
【0045】
樹脂注入ガン82は、樹脂注入管60(図6)の先端に挿入・抜取り可能な樹脂供給ノズルとしてのノズル部材84と、一端がこのノズル部材84に接続され他端から供給された前記主剤と硬化剤を混合するスタティックミキサ86(図4参照。図4にはスタティックミキサ86の収容部のみが示されている。)と、このスタティックミキサ86の出口側で前記ノズル部材84内に収容され樹脂の供給を断続する開閉弁88とを有する
【0046】
開閉弁88は図4、6に示すように、上部が逆円錐状に拡径しその下方が下方から見て十字状のガイドとなっている弁体90と、この弁体90を下向きに押下するバネ92とを備える。弁体90の上部の逆円錐面が、ノズル部材84の内面に形成した円錐面からなる弁座面に当接/離隔することによって、この開閉弁88は開閉する。
【0047】
ここに弁体90の下端には、このノズル部材84を樹脂注入管60に接続した時に樹脂注入管60の上端が当たり、この弁体90が押し上げられる。この結果開閉弁88は開かれる。また注入ガン82を樹脂注入管60から抜けば、弁体90はバネ92によって押し下げられるから、開閉弁88は自動的に閉じる。
【0048】
樹脂注入ガン82にはグリップ部94(図3、4)が設けられ、作業者はこのグリップ部94を手でつかんで作業を行う。 スタティックミキサ86の他端側には手動開閉器96を介してY字型の接続管98(図3、5)が接続され、この接続管98には、前記樹脂供給装置74から送出される主剤と硬化剤が導かれている。従って主剤と硬化剤はこの接続管98によってスタティックミキサ86に入り、ここで混合されて開閉弁88に導かれる。
【0049】
次にこの実施例を用いた施工手順を図8を用いて説明する。まず可変パッド38の上に軌道パッド40を重ねて、レール36の底部36Aとタイプレート14の間に挿入する(ステップS100)。この可変パッド38は、樹脂注入用の舌状部56に設けた樹脂注入管60が上方に突出する面56Aを上面にしておく(図6)。すなわち樹脂注入管60が上方に突出し、この時舌状部56の下面56Bは軌道スラブ10に当たって下方から支持される。
【0050】
なお、可変パッド38と軌道パッド40の挿入は、レール36の高さをレール引上げ機などで調整し所定の高さでレール36の下にスペーサー63を入れてから行い、樹脂注入ガン82の手動開閉器96を開いて注入の準備をしておく(ステップS100)。
【0051】
次にこの樹脂注入管60に樹脂注入ガン82を接続する。そして先端にあるノズル部材84を図4に示すように、樹脂注入管60の上方に位置合わせして下に押し込むことにより、ノズル部材84に樹脂注入管60を進入させて接続する(ステップS102)。
【0052】
この時に開閉弁88は開かれ、スタティックミキサ86で混合された主剤と硬化剤が可変パッド38に流入開始する。すなわち樹脂の注入が始まる(ステップS104)。樹脂は開閉弁88から逆止弁62を通って舌状部56、可変パッド38内に流入する(ステップS106)。
【0053】
樹脂の注入が完了すると、樹脂注入ガン82のノズル部材84を樹脂注入管60から抜く(ステップS108)。すると樹脂注入ガン82の開閉弁88が自動で閉じる(ステップS110)。
【0054】
樹脂を注入する次の可変パッド38があれば、ステップS102〜110の操作を繰り返してこれに樹脂を注入し、次の可変パッド38が無くなれば施工が終わる(ステップS112)。樹脂注入管60には逆止弁62が一体に設けられ、ノズル部材84には開閉弁88が有るので、樹脂注入管60を抜いた時に可変パッド38からその中の樹脂が逆流して外にたれることがなく、樹脂注入ガン82のノズル部材84の先端からも樹脂が外に漏れない。
【実施例2】
【0055】
次に、図9〜11に示す樹脂注入管60Aに設ける逆止弁62Aを説明する。この逆止弁62Aは、前記実施例1の樹脂注入管60の逆止弁62における板状の弁体66を、パイプ部64Aの下端開口に弾接する樹脂薄板で形成したものである。ここに弁体66Aとなる樹脂薄板は、上向きに凸な略逆碗状であり、その周縁の4箇所を拡径したフランジ部68A下面に形成した4つの台部68Bに係止したものである。4つの台部68Bの間にフランジ部68Aから径方向に開く樹脂の通路70Aが形成される。
【0056】
この実施例によれば、樹脂製薄板からなる弁体66Aの弾力性と形状を適切に設定することにより、弁体66Aの可動性を向上させて弁の機能を一層向上させることができる。
なお図9(B)では、弁体66Aの取付状態を明確にするためにハッチングを付して示している。
【実施例3】
【0057】
本発明では樹脂を注入する樹脂注入ノズルであるノズル部材84を、可変パッド38に設けた樹脂注入管60、60Aに上方から挿入し、また上方に抜くから、この時に可変パッド38の樹脂注入管60を固定しておくことが望ましい。上記の実施例では舌状部56を靴底などで踏んで固定するものとしているが、靴底の形状などによっては固定しにくいことがある。
【0058】
そこでこの実施例では、舌状部56を樹脂注入管よりも先端側に延出させて、ここを踏み付け固定用端部56Aとしたものである(図2、3)。樹脂供給ノズル(ノズル部材)84を樹脂注入管60に着脱する際には、作業者は靴底でこの踏み付け固定用端部56Aを強く踏み付けて舌状部56をしっかりと固定することができ、作業性が向上する。なお舌状部56を靴で固定するのに代えて、他のステッキ状の押さえ具(図示せず)を用意しておいても良い。
【実施例4】
【0059】
図12に示す実施例4は、図3に示した実施例1の樹脂供給装置74と同様な樹脂供給装置74を、レール36上で移動可能な台車100に搭載したものである。すなわち台車100には、前記図3に示した樹脂供給装置74と同様に、主剤の収容用の気密タンク76Aおよび硬化剤の収容用の気密タンク78と、ポンプ80と、制御部(図示せず)とを載せたものである。この実施例では台車100にはさらに、作業者用のシート(椅子)102とを載せ手、作業者がこの台車に乗ったまま作業ができるようにしたものである。
【0060】
ここにシート102は、台車100の前端または後端から作業者がレール36を上方から見下ろすように配置され、作業者はシート102の下方に設けた足置き台104に足をおいて姿勢を安定させた状態でシート102に着座する。作業者はここに着座した状態で前記樹脂注入ガン82を握って注入作業を行う。すなわち他の作業者が軌道スラブ10に置いたタイプレート14とレール36の底部36Aとの間に可変パッド38を予め挿入しておき、台車に乗った作業者は樹脂注入ガン82の先端のノズル部材84を可変パッド38の樹脂注入管60に押し付けて両者を連結する。この時には開閉弁88が可変パッド38の樹脂注入管60の先端に当たり、開閉弁88が開かれる(図6参照)。
【0061】
予め手動レバー96Aを操作して手動開閉器96を開にしておけば、主剤と硬化剤がガン82に流入しスタティックミキサ86で混合され、樹脂はさらに可変パッド38の樹脂注入管60に設けてある逆止弁62を押し開いて可変パッド38に流入する。
【0062】
樹脂の注入を完了すると、ガン82の先端のノズル部材84を可変パッド38の樹脂注入管60から抜いて、次の可変パッド38の作業に移る。この時手動開閉器96は閉じなくても開閉弁88が自動的に閉じるから、手動開閉器96は閉じる必要が無い。この実施例によれば、台車100を移動させて予めレールの下にセットした可変パッド38に順次樹脂を注入できるので、作業能率が格段に向上する。
【実施例5】
【0063】
次に樹脂注入ガン82の他の実施例を、図13〜18を用いて説明する。この樹脂注入ガン82Bは、図3に示した前記樹脂充填装置74と同じ装置から供給される主剤と硬化剤を、可変パッド38に注入するものである。ここで用いる可変パッド38には樹脂注入管60Bと逆止弁62Bが取り付けられている。
【0064】
この樹脂注入管60Bは図15、17〜18に示すように、上下端が開口した円筒状のパイプ部材64Bと、その下部に形成され下方および周方向(水平方向)に開口した拡径部66Bとを有する。拡径部66Bには逆止弁62Bとなる弁体68Bが装填される。パイプ部材64Bは、舌状部56の上面のシート56A(図15)を貫通して上方に起立している。シート56Aはパイプ部64Bの外側で拡径部66Bの外上面(肩部)に液密に熱圧着(溶着)あるいは接着されている。
【0065】
拡径部66Bの底部周縁は図18に示すように、フランジ状に水平に拡大し、この拡大した底部70Bが下面のシート56B(図15)に舌状部56の内側から当たっている。なおこの拡大した底部70Bの底面には、図17、18に示すように、径方向に伸びる4本の通路72Bが形成されている。通路72Bは、舌状部56の下面のシート56Bとの間に、径方向に開く樹脂の通路を形成する。拡径部66Bの底部70Bは、舌状部56の下面のシート56Bに固着しておくのがよい。
【0066】
この実施例ではこの弁体68Bは、パイプ部64Bの下端開口に弾接する独立気泡の発泡樹脂で形成される。この弁体68Bは、例えば発泡ポリエチレン、ゴムスポンジなどの弾性を有する材料であって耐溶剤性(耐樹脂性)の材料が適する。ここにその上面(ノズル挿入管部64Bの下端開口に弾接する面)を適度の剛性を持ったシート状に加工したり、同様な別部材(金属フィルムやプラスチックシート)を貼ったものとすれば、樹脂ポンプの圧力が効率よく弁体68Bの上面に加わり、弁としての機能が向上する。この場合は発泡樹脂の底面を舌状部56Bの内底面に当てて保持できるので、弁構造が単純であり、製造が簡単で安価でもある。
【0067】
樹脂注入ガン82Bは、樹脂注入管60Bのパイプ部64Bの先端に挿入・抜取り可能な樹脂供給ノズルとしてのノズル部材84Bと、一端がこのノズル部材84Bに接続され他端から供給された前記主剤と硬化剤を混合するスタティックミキサ86B(図13、14参照、図14にはスタティックミキサ86Bの収容部のみが示されている。)と、このスタティックミキサ86Bと前記ノズル部材84Bとの間に設けられ樹脂の供給を断続する開閉弁88Bとを有する
【0068】
開閉弁88Bは図14〜16に示すように、スタティックミキサ86Bの先端に接続された弁ホルダ88Cに図4で水平方向(開位置、図7)と下向き方向(閉位置、図4)との間で回動可能に前記ノズル部材84Bを保持したものである。弁ホルダ88Cには、ノズル部材84Bを水平にした時にノズル部材84Bに連通する液通路88Dが形成され、この液通路88Dはノズル部材84Bを下向き方向にした時(スタティックミキサ86Bとノズル部材84Bを直交させた時)にノズル部材84Bとの連通を遮断する。このように開閉弁88Bはノズル部材84Bを水平方向と下向き方向とに回動することによって開閉される。
【0069】
スタティックミキサ86Bの他端にはT字型の接続管98B(図13〜14)が接続され、この接続管98Bには、前記樹脂供給装置74が吐出する樹脂が導かれている。従って主剤と硬化剤はこの接続管98Bによってスタティックミキサ86Bに入り、ここで混合されて開閉弁88Bに導かれる。
【0070】
次にこの実施例を用いた施工手順を説明する。まず可変パッド38の上に軌道パッド40を重ねて、レール36の底部36Aとタイプレート14の間に挿入する(図8のステップ100参照)。この可変パッド38は、樹脂注入用の舌状部56に設けた樹脂注入管60Bのパイプ部64Bが上方に突出する面56Aを上面にしておく。すなわちパイプ部64Bが上方に突出し、この時舌状部56の下面56Bは軌道スラブ10に下方から支持される。
【0071】
この時レール36の高さをレール引上げ機などで調整し所定の高さでレール36の下にスペーサー64(図2参照)を入れてから可変パッド38と軌道パッド40を挿入する。レール36を予め所定高さに上げておくのに変えて、可変パッド38の樹脂供給量を制御してその圧力によって厚さを変化させレール36の高さを制御してもよい。
【0072】
次にこのパイプ部材64Bに樹脂供給装置74の樹脂供給ノズル80を接続する。この際には樹脂供給ノズル80の先端にあるノズル部材84Bを図14に示すように折曲させた開閉弁88Bの閉位置にしておく。そして樹脂注入管60のパイプ部材64Bに上方から挿入して接続する。なおパイプ部材64Bの上方の開口内周はテーパー状に加工しておき、ノズル部材84Bが円滑に挿入できるようにしておく。この状態でスタティックミキサ86Bを上方に起立させて開閉弁88Bを開く
【0073】
樹脂の注入が完了すると、スタティックミキサ86Bを水平に折曲させて開閉弁88Bを閉じる。そしてノズル部材84Bをパイプ部64Bから抜く。次の可変パッド38があれば、これに樹脂を注入し、次の可変パッド38が無くなれば施工が終わる。ノズル部材84Bには逆止弁62Bがあり、樹脂供給ガン82Bには開閉弁88Bが有るので、ノズル部材84Bを抜いた時に可変パッド38からその中の樹脂が逆流して外にたれることがなく、樹脂供給ガン82Bの先端(ノズル部材84B)からも樹脂が外に漏れない。
【符号の説明】
【0074】
14 タイプレート
36 レール
36A レール底部
38 可変パッド
40 軌道パッド
56 樹脂注入用舌状部
56A 踏み付け固定用端部
60、60B 樹脂注入管
61 上パイプ部
64 下パイプ部
62、62A、62B 逆止弁
64、64B パイプ部材(樹脂注入パイプ)
66、66A 弁体(弁板)
74 樹脂供給装置
76 主剤の収容タンク(気密タンク)
78 硬化剤の収容タンク(気密タンク)
80、80A 空気ポンプ(樹脂供給ポンプ)
82、82B 樹脂注入ガン
84、84B 樹脂供給ノズル(ノズル部材)
86、86B スタティックミキサ
88、88B 開閉弁
96 手動開閉器
100 台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイプレートとレール底面との間に軌道パッドと共に装着され、樹脂供給ノズルから供給される樹脂の注入量により前記軌道パッド上のレール高さを調整する樹脂注入式の可変パッドにおいて、
扁平かつ柔軟性を持った袋体と、この袋体から平面視で前記レール底面に重ならない位置に伸びる樹脂注入用の舌状部と、上端がこの舌状部から上方に向かって突出しかつ前記樹脂供給ノズルが上方から接続可能であり下端が前記舌状部を介して前記袋体内に連通する樹脂注入管と、この樹脂注入管に設けられ前記袋体に供給する樹脂の逆流を防止する逆止弁とを有することを特徴とする可変パッド。
【請求項2】
樹脂注入管は舌状部の上面を貫通して上方に伸びるように舌状部に封着され、逆止弁はこの樹脂注入管の底部と舌状部の内底面との間に装着されている請求項1に記載の可変パッド。
【請求項3】
舌状部には、樹脂注入管よりも先端側に延出する踏み付け固定用端部が形成されている請求項1に記載の可変パッド。
【請求項4】
樹脂注入管は、上部が舌状部の上面シートを貫通して起立する上パイプ部と、その下部に下方から嵌合され下端にフランジ部を形成した下パイプ部とを備え、前記下パイプ部には前記上パイプ部の下端開口に下方から対向し上パイプ部を開閉する弁体が形成されている請求項1に記載の可変パッド。
【請求項5】
樹脂注入管は、舌状部の上面に設けた開口を貫通して起立するパイプ部と、このパイプ部の下端に形成され下方および径方向に向かって開く拡径部とを備え、前記拡径部に逆止弁を構成する弁体が装填されている請求項1に記載の可変パッド。
【請求項6】
弁体は、ノズル挿入管部の下端開口に弾接する独立気泡の発泡樹脂で形成される請求項5の可変パッド。
【請求項7】
弁体は、ノズル挿入管部の下端開口に弾接する樹脂製あるいは金属製の薄板で形成される請求項4の可変パッド。
【請求項8】
請求項1に記載の可変パッドを用いたレール高さ調整方法であって、
a)レール底面とタイプレートとの間に可変パッドを軌道パッドと共に保持し、
b)可変パッドの舌状部から起立する樹脂注入管に上方から樹脂供給ノズルを着脱可能に接続し、
c)前記樹脂供給ノズルを接続した後に樹脂の供給を開始し、
d)樹脂注入完了後に樹脂の供給を停止して樹脂供給ノズルを前記樹脂注入管から抜き取る、
以上の工程を有することを特徴とするレール高さ調整方法。
【請求項9】
工程d)において、舌状部を固定して樹脂供給ノズルを樹脂注入管から抜き取る請求項8に記載のレール高さ調整方法。
【請求項10】
舌状部の先端に設けた踏み付け固定用端部を固定して樹脂供給ノズルを樹脂注入管から抜き取る請求項9に記載のレール高さ調整方法。
【請求項11】
樹脂供給ノズルには樹脂の供給を断続する開閉弁が設けられ、工程d)で樹脂注入後に前記開閉弁を閉じてから樹脂供給ノズルを樹脂注入管から抜き取る請求項8に記載のレール高さ調整方法。
【請求項12】
工程c)で樹脂供給ポンプが供給する樹脂は主液とその硬化剤とを混合した混合液であり、樹脂供給ノズルは、樹脂注入管の先端に挿入・抜取り可能なノズル部材と、一端がこのノズル部材に接続され他端から供給された前記主剤と硬化剤を混合するスタティックミキサと、このスタティックミキサと前記ノズル部材との間に設けられ樹脂の供給を断続する開閉弁とを有する請求項8に記載のレール高さ調整方法。
【請求項13】
請求項8のレール高さ調整方法に用いる樹脂供給装置であって、レールに乗って移動可能な台車と、この台車に乗せられた樹脂の主剤および硬化剤の収容タンクと、前記台車に乗せられ前記収容タンクの主剤および硬化剤を樹脂供給ノズルに供給する樹脂供給ポンプとを備え、前記樹脂供給ノズルを可変パッドの樹脂注入管に上方から挿跋可能にしたことを特徴とする樹脂供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−180633(P2012−180633A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42012(P2011−42012)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(595006762)株式会社アレン (11)
【出願人】(000192844)神東塗料株式会社 (48)
【Fターム(参考)】