説明

可搬式ヒータ

【課題】燃料タンクをガードできる可搬式ヒータを提供する。
【解決手段】ヒータ1は、燃焼装置10と、燃焼装置10の下側に設けられた燃料タンク30と、燃料タンク30および燃焼装置10を支持するフレーム40と、燃焼装置10の重心位置Gを通る垂線Hに対して前側にずれた位置に設けられた一対の車輪41aおよび41bと、垂線Hに対して後側にずれた位置に設けられた一対の脚部42aおよび42bを有する。フレーム40は、燃料タンク30よりも前側に張り出す一対のタンクガード部分44aおよび44bと、燃料タンク30よりも後側に張り出すハンドル部分43とを備える。一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tは、一対の車輪41aおよび41bに外接するとともに燃料タンク30の前方下側のコーナー30cに接する線よりも斜め下側に張り出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料を燃焼させて赤外線などを得る可搬式ヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、扁平形状の燃料タンクと、該燃料タンクの上面に配置されてバーナ部を覆う本体カバーと、該本体カバーの上面でバーナ部上方に配置された赤外線の輻射熱を放射可能な放熱部とを備えた赤外線輻射ヒータが開示されている。
【0003】
この赤外線輻射ヒータでは、燃料タンクの前端側である給油口側で外周フランジの下面(裏面)に、脚パイプがボルトにより固着されている。脚パイプは、金属パイプを屈曲形成することにより、燃料タンクの幅方向に設けられた一対の固定部と、固定部からそれぞれ下方に延設されて床面上に当接する一対の設置部と、設置部から前方斜め上方に延設されて両設置部を連結する把手部とにより構成されている。また、燃料タンクの後端側の両側壁には、キャスタ取付板を介してキャスタがそれぞれ取り付けられている。これにより、脚パイプの把手部を上方に持ち上げて設置部を床面上から浮かせ、把手部を引っ張ると、キャスタの回転で赤外線輻射ヒータが所定方向に移動できるようになっている。
【特許文献1】特開2007−40579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような赤外線輻射ヒータは、把手部を不用意に高く持ち上げると、燃料タンクのコーナーが床面に接触し、燃料タンクが破損するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、可搬式ヒータであって、液体燃料を燃焼させるための燃焼装置と、燃焼装置の下側に設けられた、液体燃料を溜めるための燃料タンクと、燃料タンクに取り付けられ、燃料タンクおよび燃焼装置を支持するフレームと、燃焼装置の重心位置を通る垂線に対して可搬方向の第1の側にずれた位置であって、燃料タンクの左右両側に位置するように、フレームに設けられた一対の車輪と、上記垂線に対して可搬方向の第2の側にずれた位置であって、燃料タンクの左右両側に位置するように、フレームに設けられた一対の脚部とを有する。この可搬式ヒータにおいて、フレームは、燃料タンクよりも第1の側に張り出すように延びる一対のタンクガード部分と、燃料タンクよりも第2の側に張り出し、第2の側に斜め上方に延びるハンドル部分とを備える。一対のタンクガード部分の先端部分は、一対の車輪に外接するとともに燃料タンクの第1の側の下側のコーナーに接する線よりも第1の側または斜め下側に張り出している。
【0006】
この可搬式ヒータによれば、ハンドル部分を持ち上げ、一対の脚部を床面から浮かせることにより、一対の車輪を利用して、可搬式ヒータを可搬方向の第1の側または第2の側に動かすことができる。また、ハンドル部分を離し、一対の脚部を床面に置くことにより、一対の脚部がストッパとなり、可搬式ヒータをその場所(任意の場所)に設置することができる。
【0007】
また、この可搬式ヒータによれば、一対のタンクガード部分は、燃料タンクよりも第1の側に張り出すように延び、さらに、その先端部分は、一対の車輪に外接するとともに燃料タンクの第1の側の下側のコーナーに接する線よりも第1の側または斜め下側に張り出している。このため、ハンドル部分を高く持ち上げても、燃料タンクの第1の側の下側のコーナーが床面に接触するより先に、一対のタンクガード部分の先端部分が床面に接触する。したがって、燃料タンクの第1の側の下側のコーナーが床面に不用意に接触することがなく、燃料タンクの破損を抑止できる。さらに、タンクガード部分は、燃料タンクよりも張り出しているので、ハンドル部分を高く持ち上げたり、地震などにより、第2の側よりも第1の側が低くなるような姿勢で可搬式ヒータが傾いて、一対のタンクガード部分の先端部分が床面に接触したときに、可搬式ヒータの上側に位置する燃焼装置の重心位置が一対のタンクガード部分の先端部分の外側(第1の側)へ外れることを防止できる。このため、一対のタンクガード部分が支えになり、可搬式ヒータが転倒するのを抑制できる。
【0008】
さらに、一対のタンクガード部分が、燃料タンクよりも第1の側に張り出すように延びていることにより、可搬式ヒータを可搬方向の第1の側に移動させているときに、燃料タンクが障害物に接触するのを未然に防止できる。この点からも、タンクガード部分により燃料タンクの破損を抑止することができる。
【0009】
この可搬式ヒータにおいて、フレームは、さらに、一対のタンクガード部分の先端部分を繋ぐように水平に延びる連結部分を含むことが好ましい。一対のタンクガード部分の先端部分の間に入り込むような障害物の存在に対しても、燃料タンクをガードできる。
【0010】
一対のタンクガード部分の先端部分は、斜め下側に張り出していることが好ましい。この場合、一対のタンクガード部分の先端部分と燃焼装置の重心位置を通る垂線とのなす角度θは以下の条件(1)を満たすことが望ましい。
10° ≦ θ ≦ 30° ・・・(1)
【0011】
一対のタンクガード部分の先端部分と上記垂線とのなす角度θが10°未満であると、可搬式ヒータが傾いて一対のタンクガード部分の先端部分が床面に接触したときに、一対のタンクガード部分の先端部分により可搬式ヒータの加重を支えきれないおそれがある。一方、一対のタンクガード部分の先端部分と上記垂線とのなす角度θが30°を越えると、タンクガード部分の先端部分の張り出しが大きくなり、設置や搬送の邪魔になりやすい。
【0012】
この可搬式ヒータでは、一対の車輪と一対の脚部とが離れている(一対の車輪および一対の脚部がともに上記垂線から離れている)方が、可搬式ヒータを安定して設置できる。反面、一対の車輪が上記垂線から遠いほど、搬送時、ハンドル部分を持ち上げるのに、大きな力が必要となる。一対の車輪が上記垂線に近いほど、小さな力でハンドル部分を持ち上げることができるため、搬送を考慮すると、一対の車輪は、燃焼装置の重心位置を通る垂線に近い方が好ましい。この可搬式ヒータによれば、上述のように、万一、第2の側よりも第1の側が低くなるような姿勢で可搬式ヒータが傾いても、一対のタンクガード部分の先端部分が床面に接触し、可搬式ヒータを支えるので、可搬式ヒータが転倒し難い。このため、この可搬式ヒータによれば、一対の車輪を、一対の脚部より上記垂線に近づけ、安全に設置でき、さらに、搬送も容易な可搬式ヒータを提供できる。
【0013】
この可搬式ヒータによれば、燃焼装置の重心位置が高く、可搬式ヒータ全体の重心位置が高い場合でも、いっそう安全に可搬式ヒータを設置でき、さらに持ち運び容易となる。
燃焼装置として、放熱方向の後側より放熱方向の前側が広がったチャンバを形成するためのシェルと、シェルの放熱方向の前側に配置された多孔性の放熱板と、シェルの放熱方向の後側に配置されたロータリーバーナーおよびファンとを有する赤外線発生装置を備えた可搬式ヒータは、重心が高くなりやすいが、本発明の一態様にかかる可搬式ヒータによれば、より安全に設置できる。ロータリーバーナーは、回転気化筒、筒状の燃焼盤、および、燃焼外筒が、内側からこの順序で配置され、燃焼盤と燃焼外筒との間がガス室となり、液体燃料を回転気化筒で気化させ、気化させた液体燃料をファンから供給される燃焼空気とともに混合ガスとし、ガス室を介して混合ガスを燃焼盤から燃焼盤の内側へ吹出させて燃焼させ、放熱板から前方に赤外線を放射させるものである。ロータリーバーナーを用いた可搬式ヒータは、燃焼効率が良く、燃焼騒音も小さく、例えば、暖房装置(赤外線暖房装置)などに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる可搬式ヒータについて説明する。本実施形態では、図1に示したガード部分44側(可搬方向の第1の側)を前側F、ハンドル部分43側(可搬方向の第2の側)を後側Bと称して説明するが、可搬式ヒータはいずれの方向にも移動できる。図1は、本発明の一実施形態にかかる可搬式ヒータを右側面図により示している。図2は、図1の可搬式ヒータを背面図(後面図)により示している。図3は、図1の可搬式ヒータを正面図(前面図)により示している。図4は、図1の可搬式ヒータを一部断面にして背面図(後面図)により示している。
【0015】
この可搬式ヒータ1は、液体燃料Fを燃焼させるための燃焼装置10と、燃焼装置10の下側に設けられた、液体燃料Fを溜めるための燃料タンク30と、燃料タンク30に取り付けられ、燃焼装置10および燃料タンク30を支持する下部フレーム40とを有している。下部フレーム40は、一対の車輪41aおよび41bと、一対の脚部42aおよび42bとを有している。一対の車輪41aおよび41bは、燃焼装置10の重心位置Gを通る垂線Hに対して前側(可搬方向の第1の側)Fにずれた位置であって、燃料タンク30の左右両側に位置し、下部フレーム40を介して可搬式ヒータ1が可動できるように設けられている。一対の脚部42aおよび42bは、上記垂線Hに対して後側(可搬方向の第2の側)Bにずれた位置であって、燃料タンク30の左右両側に位置するように、下部フレーム40に設けられている。一対の脚部42aおよび42bには、それぞれ、キャスター(車輪)などを設けてもよい。下部フレーム40には、さらに、後側(可搬方向の第2の側)Bに、ハンドル部分43が設けられている。
【0016】
この可搬式ヒータ1は、ハンドル部分43を持ち上げ、一対の脚部42aおよび42bを床面Sから浮かせることにより、一対の車輪41aおよび41bを利用して、前側Fまたは後側B(可搬方向の第1の側または第2の側)に動かすことができる。また、ハンドル部分43を離し、一対の脚部42aおよび42bを床面Sに置くことにより、一対の脚部42aおよび42bがストッパとなり、可搬式ヒータ1をその場所(任意の場所)に設置することができる。
【0017】
本例の可搬式ヒータ1は、赤外線暖房装置(赤外線ヒータ)であり、燃焼装置10は赤外線発生装置として機能する。この可搬式ヒータ1では、側方(赤外線発生装置10を基本姿勢(図1ないし図4)としたときには後方Bから見て左側方)に赤外線が放射されるように、赤外線発生装置10が、燃料タンク30を跨ぐように設けられた旋回台9を介して、下部フレーム40に支持されている。すなわち、赤外線発生装置10は、旋回台9を介して下部フレーム40に取り付けられた上部フレーム8に支持されている。このため、赤外線発生装置10は、赤外線を照射する向きを適当に変えてセットできるようになっている。また、赤外線発生装置10は、適当な角度範囲において繰り返し旋回させることができるようになっている。
【0018】
また、本例の赤外線発生装置10は、旋回軸6を介して上下に旋回(回動)するように、上部フレーム8に支持されている。このため、赤外線発生装置10は、その軸線(シェル12(シェル12により形成されるチャンバ12c)の中心を通る線、ロータリーバーナー20の回転気化筒21の軸線(回転軸))Lが略水平となる姿勢と、軸線Lが上側を向くように傾斜する姿勢との間で、上下に旋回(回動)可能となっている。
【0019】
燃焼装置(赤外線発生装置)10は、図4に示すように、ハウジング11と、ハウジング11内に収容され、放熱方向の後側(図4において右側)より放熱方向の前側(左側)が広がったチャンバ12cを形成するためのシェル12と、シェル12の放熱方向の後側(右側)に配置された(設けられた)ファン13と、シェル12の放熱方向の後側(右側)であって、シェル12とファン13との間に配置された(設けられた)バーナー20と、シェル12の放熱方向の前側(左側)に、シェル12の放熱方向の前側(左側)の開放部(開口部)12dを覆うように配置された(設けられた)多孔性の放熱板(穿孔金属板、金属板、パネル、放熱パネル)17とを有している。本例では、バーナー20として、ロータリーバーナー(回転霧化式バーナー)が用いられている。
【0020】
シェル12は、ほぼ角錐台状であって、放熱方向の後側(右側)より放熱方向の前側(左側)が広がり、前方に開放部12dが設けられた、耐熱性ステンレススチール製のシェル本体12aと、シェル本体12aの内側(内面)に設けられた断熱材12bとを備え、その内部に、放熱方向の後側(右側)から放熱方向の前側(左側)に向かって径(断面積)が大きくなるように開いた形状のチャンバ12cが形成されている。なお、断熱材12bは、シェル本体12aの外側(外面)に設けてもよく、また、シェル12自体を断熱性の壁(断熱壁)により形成してもよい。また。シェル12およびチャンバ12cは、角錐台状に限らず、円錐台状などの他の前方に広がった形状であってもよい。
【0021】
シェル12の放熱方向後側には、収容筒15が配置されており、そのさらに放熱方向後側には、ファンカバー16が配置されている。収容筒15内には、ロータリーバーナー20が収容されている。ファンカバー16内には、ファン13およびモータ14が収容されている。モータ14は、ファン13を回転させる手段と、ロータリーバーナー20が備える回転気化筒21を回転させる手段とを兼ねている。
【0022】
ハウジング11の放熱方向前側、すなわち、放熱板17の放熱方向前側には、安全ガード7が取り付けられている。また、ハウジング11の上部には、ハウジング11の内部を換気するためのサーキュレータ65が設けられている。換気用の空気Aは、ハウジング11の後方下部に設けられた吸引口71および72から吸い込まれ、ハウジング11の放熱方向前側上部に設けられた放出口73から放出される。ハウジング11の内部を換気することにより、ハウジング11の内部温度が極端に上昇するのを抑止できる。それとともに、加熱された換気用の空気Aをハウジング11から放熱方向前側に放出することにより、放熱板17から放出される赤外線とともに、室内を暖房することができる。
【0023】
ハウジング11の放熱方向後側には、ハウジング11の内部を前後に区切るように、遮熱板66が配置されている。遮熱板66の放熱方向前側には、チャンバ12cを形成するシェル12と、収容筒15と、収容筒15に収納(収容)されたロータリーバーナー20とが設けられ、遮熱板66の放熱方向後側には、ファンカバー16と、ファンカバー16に収納(収容)されたファン13とモータ14とが設けられている。したがって、本例では、ロータリーバーナー20の後方にモータ14が設けられ、モータ14の後方にファン13が設けられている。
【0024】
ロータリーバーナー20を収納した収容筒15と、ファン13およびモータ14を収納したファンカバー16とは、遮熱板66の前後にそれぞれ取り付けられている。遮熱板66の放熱方向前側は、発熱する部分が収納された区画であり、換気用の空気Aにより換気される。遮熱板66によりハウジング11の前後を区切り、ハウジング11の後方の温度上昇を抑制することにより、ハウジング11の放熱方向後側に熱が放出されたり、ファン13およびモータ14が熱膨張(熱変形)の影響を受けるのを抑制できる。
【0025】
図5は、図1の可搬式ヒータ1の概略構成を断面図(端面図)により示している。赤外線発生装置10が備えるロータリーバーナー20は、筒状の回転気化筒21と、筒状の燃焼盤22と、筒状の燃焼外筒23とを含み、これらは内側(回転気化筒21の回転中心L側)からこの順序で配置されている。
【0026】
回転気化筒21は、放熱方向前側に壁(端壁、底壁、前壁)21aを有する有底円筒状(カップ状)の部材である。回転気化筒21は、放熱方向後側よりも放熱方向前側が若干狭まっている。回転気化筒21の端壁21aの内側には、回転気化筒21に液体燃料Fを導くための略円錐形状の拡散体24が設けられている。拡散体24は、回転気化筒21と一体となってモータ14により回転する。
【0027】
燃焼盤22は、有底円筒状の部材であって、放熱方向後側に壁(端壁、底壁、後壁)22aを有している。燃焼盤22は、放熱方向後側よりも放熱方向前側が若干広がっている。端壁22aは環状で、その中央には開口22bが設けられており、この開口22bと面するように回転気化筒21が設けられている。開口22bの縁と、回転気化筒21との隙間は、起動時などにおいて気化されない燃料Fが噴霧される燃料飛散孔(隙間)25となる。燃焼盤22の周壁22dは、放熱方向前側に向かって若干広がっている。燃焼盤22の周壁22dには、複数の孔(開口、炎孔)22cが千鳥状に形成されている。多孔22cは、周壁22dに対して垂直にあけられている。
【0028】
燃焼盤22の外側に配置された燃焼外筒23は、有底円筒状の部材であって、放熱方向後側に壁(端壁、底壁、後壁)23aを有し、燃焼盤22よりも一回り大きく形成されている。端壁23aは環状で、その内側23bから回転気化筒21の内側に向かって隔壁23cが立ち上がっている。隔壁23cの内側が、ファン13からの燃焼空気を回転気化筒21に供給するための空間となり、さらに、隔壁23cの先端は、回転気化筒21により気化された液体燃料Fと、ファン13から供給される燃焼空気とを、燃焼外筒23と燃焼盤22との間に導くための開口となっている。
【0029】
燃焼盤22と燃焼外筒23との間には、ガス室26が形成されている。このガス室26は、回転気化筒21により気化した液体燃料Fとファン13から供給される燃焼空気とが混合された混合ガスBを、燃焼盤22の多孔22cから吹き出すための空間または経路となる。このロータリーバーナー20は、燃料パイプ51を介して、燃料タンク30と接続されている。パイプ51の途中には、ポンプ52が設けられている。ポンプ52を駆動させることにより、燃料タンク30から供給された液体燃料Fは、燃料パイプ51を介して回転気化筒21の拡散体24に吹き付けられる。
【0030】
モータ14により、回転気化筒21と拡散体24とを一体に回転させると、液体燃料Fが遠心力によって拡散体24の内面に薄膜状に広がりながら、蒸発する(気化する)。そして、気化した液体燃料(蒸発した液体燃料)Fは、まず、燃料飛散孔25から吹き出されて燃焼する。次に、気化した液体燃料Fは、ファン13から供給される燃焼空気と混合してガス状となり、ガス室26を介して燃焼盤22の多孔22cから混合ガスBとして吹出され、燃焼盤22の近傍で燃焼する。本例のロータリーバーナー20では、燃焼盤22の周壁22dが放熱方向前側に向かって若干広がっており、多孔22cが周壁22dに対して垂直にあけられている。このため、混合ガスBは、放熱方向斜め前側に吹き出される

【0031】
燃焼盤22の内側には、フレームロッド18と、着火用の点火棒(電極)19とが配置されている。点火するときは、回転気化筒21に設けられた燃料飛散孔25から放出された燃料Fが、点火棒19によって着火される。そして、燃焼盤22の近傍で燃焼が起き、チャンバ12cの内部が加熱されると、回転気化筒21の拡散体24で気化した液体燃料Fと燃焼空気とが混合した混合ガスBが得られ、燃焼が継続される。
【0032】
燃焼盤22とその端壁22aとのコーナー部および燃焼外筒23とその端壁23aとのコーナー部には、それぞれ、残留した液体燃料Fをドレンとして排出する経路となるドレン孔61および62が設けられている。また、収容筒15には、孔62と対向する位置に、ドレン配管63が設けられている。ドレン配管63は、パイプ(チューブ)64を介して、燃料タンク30と連通され、ロータリーバーナー20に残留した液体燃料Fを燃料タンク30に戻すことができる。
【0033】
放熱板17は、耐熱性金属(例えば、ステンレススチール)の板材により形成され、中央部が前方に膨らむような湾曲形状に形成されている。典型的には、放熱板17は、上下方向は前方が凸となるように湾曲し、左右方向はほぼまっすぐに延びた円筒面(蒲鉾状の面)を形成する形状となっている。放熱板17には、複数の孔17aが形成されている。複数の孔17aは、放熱板17からの燃焼ガスの放出量を適切に調整するためのものである。複数の孔17aの孔径および配置密度(開口率)を変えることにより、チャンバ12c内の圧力と外界との圧力差(放出される際の差圧)を制御できる。
【0034】
この赤外線発生装置10では、燃料タンク30から供給された液体燃料Fを気化した混合ガスBを、ロータリーバーナー20の燃焼盤22で環状に燃焼させ、その燃焼により発生した熱(主には、輻射熱および燃焼ガスによる熱伝達)で放熱板17を加熱する。燃焼により発生した燃焼ガスは、チャンバ12cを介して多孔状の放熱板17を加熱し、さらに、放熱板17の複数の孔17aを通って前方に放出される。この赤外線発生装置10においては、混合ガスBの燃焼により得られる熱エネルギーは、放出される燃焼ガスによる放熱もあるが、主には、放熱板17から前方に放射される赤外線として外部に放出される。
【0035】
ロータリーバーナー(回転霧化式バーナー)20における燃焼は、気化が進んだ混合ガスBの燃焼による青火燃焼となり、燃焼効率が良い。また、混合ガスBは、筒状の燃焼盤22から環状に吹き出されるため、青火は環状に形成される。さらに、この赤外線発生装置10によれば、混合ガスBは短い距離で完全燃焼する。このため、放熱板17とロータリーバーナー20との距離を近づけることもできる。したがって、この赤外線発生装置10によれば、燃焼効率の良いロータリーバーナー20により、チャンバ12cの前面の放熱板17を効率的に加熱できる。したがって、この赤外線発生装置10によれば、少ない燃料量でより多くの赤外線を放出できるため、赤外線ヒータ1に好適であり、暖かい赤外線ヒータ1を提供できる。しかも、液体燃料Fをバーナー内部で気化した後に吹き出して燃焼するロータリーバーナー20は、運転音も比較的小さい。
【0036】
このように、ロータリーバーナー20を適用した赤外線発生装置10は、ガンタイプバーナーを適用した赤外線発生装置よりも、放熱板17の表面の温度を高めることができる。しかも、ロータリーバーナー20を適用した赤外線発生装置10は、気化された燃料を含む混合ガスBがロータリーバーナー20の近傍で燃焼するので、ロータリーバーナー20と放熱板17とを比較的狭い間隔で対峙(対面)させる配置を採用することができる。したがって、ロータリーバーナー20を適用した赤外線ヒータ1は、燃焼効率が高く、放熱板の全面を加熱しやすく、赤外線放熱量(温かさ)も良好であって、しかも、コンパクト化が容易であり、燃焼騒音も小さい、といった数々のメリットがある。
【0037】
その反面、上記の赤外線ヒータ1は、ロータリーバーナー20を放熱板17に正対させるので、赤外線発生装置10の重心位置Gが高く、可搬式の赤外線ヒータ1の全体の重心位置も高くなり易い。すなわち、ロータリーバーナー20は、上述したように、バーナーを構成する主要な部品、モータ、ファンなどが中心軸Lに沿って配置され、さらに、シェル12の中心も中心軸Lの上またはその近傍になるので、本例では、赤外線発生装置10の重心位置Gは中心軸Lの上となる。本例では、燃料タンク30を赤外線発生装置10の下側に配置することにより、稼働している最中の赤外線ヒータ1の重心位置がロータリーバーナー20の中心軸Lの近傍よりも下がるようにしている。しかしながら、燃料タンク30が空のときを考えると、赤外線ヒータ1の傾きを検討するときの重心位置が、赤外線発生装置10の重心位置G、すなわち、ロータリーバーナー20の中心軸Lの上またはその近傍であると仮定することが、安全性の高い(安全サイドの)設計を行う一つの方法となる。したがって、以下では、燃料タンク30が空のときの、赤外線ヒータ1の重心位置が、ロータリーバーナー20の中心軸Lの上にあるとして説明している。
【0038】
この可搬式ヒータ1は、不用意な転倒を防止するために、下部フレーム40に、ガード部分44を設けている。また、このガード部分44により、燃料タンク30が不用意に破損しないようになっている。
【0039】
図1に示すように、この実施形態において、下部フレーム40は、前部材40aと後部材40bとを有している。下部フレーム40は、前部材40aと後部材40bとが分かれているものに限らず、1つの部材で形成されているもの、3つ以上の部材で形成されているものであってもよい。この実施形態において、前部材40aは、タンクガード部分を含み、後部材40bは、赤外線ヒータ1を搬送および設置するための可搬部を含む。
【0040】
まず、前部材40aは、図1および図3に示すように、可搬方向に水平に延びる一対の第1のタンク取り付け部分45aおよび45bと、一対の第1のタンク取り付け部分45aおよび45bの先端(前端)から延びる一対のタンクガード部分44aおよび44bと、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端(前端)を繋ぐように左右方向に水平に延びる連結部分44cとを含んでいる。一対のタンクガード部分44aおよび44bと、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端(前端)を繋ぐように左右方向に延びる連結部分44cとにより、平面略U字型(前側から見て平面略U字型)のガード部分44が形成されている。第1のタンク取り付け部分45aおよび45bは、燃料タンク30の周囲のフランジ30fに取り付けられている。赤外線ヒータ1が前方Fへ傾いたときは、フランジ30fを介して燃料タンク30と燃焼装置10との加重を前部材40aにより支持できるようになっている。
【0041】
一対のタンクガード部分44aおよび44bは、それぞれ、燃料タンク30よりも前側に張り出すように延びている。一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tは、それぞれ、一対の車輪41aおよび41bに外接するとともに燃料タンク30の前方下側のコーナー30cに接する線W1よりも斜め下側に張り出している。図1には、車輪41bに外接するとともに燃料タンク30の前方下側のコーナー30cに接する線W1を図示している。
【0042】
下部フレーム40の後部材40bは、一対の車輪取り付け部46aおよび46bと、一対の車輪取り付け部46aおよび46bの後端から後側に水平に延びる一対の第2のタンク取り付け部分47aおよび47bと、一対の第2のタンク取り付け部分47aおよび47bの後端を平面略U字型(左右方向から見て平面略U字型)に曲げてなる一対の脚部42aおよび42bと、一対の脚部42aおよび42bの後端から後側に延びるハンドル部分43とを含んでいる。ハンドル部分43は、左右方向に延びる連結部分43cにより連結されて、平面略U字型(後側から見て平面略U字型)に形成されている。第2のタンク取り付け部分47aおよび47bは、燃料タンク30の周囲のフランジ30fに取り付けられており、燃料タンク30の加重を下部フレーム40により支持できるようになっている。また、上述したように旋回台9がタンク取り付け部分47aおよび47bにフランジ30fを挟んで取り付けられており、燃焼装置10の加重も下部フレーム40により支持できるようになっている。
【0043】
本例では、一対の脚部42aおよび42bの後端は、燃料タンク30よりも後側に張り出している。したがって、一対の脚部42aおよび42bの後端から斜め上方に延びるハンドル部分43もまた、燃料タンク30よりも後側に張り出している。また、本例では、一対の車輪41aおよび41bは、一対の脚部42aおよび42bよりも上記垂線Hに近い位置、すなわち、赤外線発生装置10の重心位置Gの下方に近い位置に設けられている。
【0044】
この可搬式の赤外線ヒータ1によれば、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tは、一対の車輪41aおよび41bに外接するとともに燃料タンク30の前方下側のコーナー30cに接する線W1よりも斜め下側に張り出している。このため、ハンドル部分43を不用意に高く持ち上げたり、地震などの外力により赤外線ヒータ1が傾いても、燃料タンク30の前方下側のコーナー30cが床面Sに接触するより先に、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tが床面Sに接触する。図1において、符号S1は、一対の車輪41aおよび41bに外接するとともに一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tに接する線を示している。この線S1は、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tが床面に接触するまで、赤外線ヒータ1が前側Fに傾いたときの、床面の位置を示している。
【0045】
したがって、ハンドル部分43を不用意に高く持ち上げたり、地震などにより後側Bよりも前側Fが低くなるような姿勢になっても、この赤外線ヒータ1においては、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tが床面Sに接触し、赤外線ヒータ1の加重を支持する。このため、一対のタンクガード部分44aおよび44bにより燃料タンク30が保護されるとともに、可搬式の赤外線ヒータ1の転倒を抑制できる。
【0046】
さらに、ガード部分44(一対のタンクガード部分44aおよび44bと連結部分44c)は、燃料タンク30よりも前側Fに張り出すように延びている。このため、赤外線ヒータ1を可搬方向の前側Fに移動させているときに、進行方向前側(第1の側、前側)に壁などの障害物があっても、燃料タンク30が障害物に接触するより先に、ガード部分44が障害物に接触し、燃料タンク30を保護する。なお、後方Bにおいては、一対の脚部42aおよび42bは、燃料タンク30よりも後側に張り出している。このため、赤外線ヒータ1を可搬方向の後側に移動させているときには、進行方向前側(第2の側、後側)に障害物があっても、燃料タンク30が障害物に接触するより先に、一対の脚部42aおよび42bまたはハンドル部分43が障害物に接触し、燃料タンク30を保護する。
【0047】
さらに、ガード部分44が燃料タンク30より前方Fに張り出しているので、燃料タンク30のサイズに関係なく、赤外線ヒータ1が前方Fに傾いたときに、赤外線発生装置10の重心位置Gがガード部分44の先端44sおよび44tより前方Fへ外れないようにすることができる。赤外線ヒータ1が前方Fに傾いたときに、重心位置Gがガード部分44の先端44sおよび44tより前方Fに移動してしまうと、ガード部分44の先端44sおよび44tが床面に接しても赤外線ヒータ1の転倒を防止できない。したがって、ガード部分44の先端44sおよび44tと重心位置Gとを結ぶ線W2と、傾いたときの床面を示す線S1とのなす角度αは90度未満であることが要求される。赤外線ヒータ1が傾いたときの慣性力を考えると、角度αは小さいことが望ましく、少なくとも80度(ディグリー)以下であることが望ましい。
【0048】
一方、ガード部分44が十分に燃料タンク30より前方Fに張り出しており、赤外線ヒータ1が傾いてガード部分44の先端44sおよび44tが床面Sに接したときに、重心位置Gが一対の車輪41aおよび41bよりも後方Bにあれば、赤外線ヒータ1は傾いても、自重により元の姿勢に復帰する。したがって、線W2と、傾いたときの床面を示す線S1とのなす角度αは小さいことが望ましい。しかしながら、角度αが小さいと、ガード部分44の張り出し量は大きくなり、かえって赤外線ヒータ1の走行に邪魔になり、赤外線ヒータ1の設置スペースが無用に広くなる。このため、角度αは60度(ディグリー)以上であることが望ましい。したがって、角度αは、以下の条件(2)の範囲であることが望ましい。
60° ≦ α ≦ 80° ・・・(2)
【0049】
後側Bにおいては、一対の脚部42aおよび42bと重心位置Gとを結ぶ線W3と床面Sとのなす角度βが十分に小さいので、赤外線ヒータ1が転倒することは殆ど無い。
【0050】
また、本例では、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tの伸びた方向と上記垂線Hとのなす角度θを20°としている。したがって、上述した条件(1)の範囲を満たす。なお、一対のタンクガード部分44aおよび44bの先端部分44sおよび44tは、それぞれ、一対の車輪41aおよび41bに外接するとともに燃料タンク30の前側の下側のコーナー30cに接する線W1よりも前側Fに水平に張り出すように形成してもよい。しかしながら、本例のように、先端部分44sおよび44tを下方に曲げた方が、タンクガード部分44aおよび44bの張り出し量が小さい状態で、角度αを大きくできる。
【0051】
また、本例の可搬式ヒータ1は、寒冷地などで用いられることが多く、野外で使用されることもある。この可搬式ヒータ1は、燃料タンク30よりも前側に張り出して斜め下側に延びるガード部分44を備えているため、このガード部分44で雪やごみを前方に掻いて集めたり、ヒータ1が移動するための通路を確保することもできる。
【0052】
以上のように、本例の可搬式ヒータ1によれば、ロータリーバーナー20を用いているため、燃焼効率が高く、より暖かく、しかも、運転音(燃焼騒音)が小さく、コンパクトな赤外線ヒータを得ることができる。また、この可搬式ヒータ1によれば、下部フレーム40に、ガード部分44を設けているため、本例のように、赤外線発生装置10の重心位置Gが高い場合であっても、不用意な転倒を防止することができる。また、ガード部分44が設けられているため、搬送中において、燃料タンク30が不用意に前方の障害物に当たることがない。しかも、可搬式ヒータ1が傾いたときであっても、燃料タンク30が不用意に床面Sに当たらない。したがって、燃料タンク30の破損を防止することができる。
【0053】
また、この可搬式ヒータ1は、ガード部分44により不用意な転倒が防止されるため、一対の車輪41aおよび41bと一対の脚部42aおよび42bとを近づけることができる。すなわち、一対の車輪41aおよび41bを、一対の脚部42aおよび42bよりも、赤外線発生装置10の重心位置Gを通る垂線Hに近づけることができる。したがって、ハンドル部分43を持って可搬式ヒータ1を移動させる際、比較的小さな力で、ハンドル部分43を持ち上げることができる。本例の可搬式ヒータ1は、移動が容易である。
【0054】
本実施形態の可搬式ヒータは、大量の赤外線を安価に放出できるので、室内外の暖房を主な目的としたヒータに好適であるが、他の用途、例えば、加熱あるいは乾燥を目的としたヒータであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態にかかる可搬式ヒータを示す右側面図。
【図2】図1の可搬式ヒータを示す背面図。
【図3】図1の可搬式ヒータを示す正面図。
【図4】図1の可搬式ヒータを一部断面にして示す背面図。
【図5】図1の燃焼装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1 赤外線ヒータ(赤外線暖房装置、可搬式ヒータ)
10 赤外線発生装置(燃焼装置)
12 シェル、 12c チャンバ
13 ファン、 20 ロータリーバーナー(バーナー)
21 回転気化筒、 22 燃焼盤
23 燃焼外筒、 26 ガス室
30 燃料タンク、 30c 燃料タンクの第1の側の下側のコーナー
40 下部フレーム(フレーム)、 41a、41b 車輪
42a、42b 脚部、 43 ハンドル部分
44a、44b タンクガード部分、 44c 連結部分
44s、44t タンクガード部分の先端部分
G 燃焼装置の重心位置、 H 燃焼装置の重心位置を通る垂線
W1 車輪に外接するとともに燃料タンクの第1の側の下側のコーナーに接する線
θ タンクガード部分の先端部分と燃焼装置の重心位置を通る垂線とのなす角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を燃焼させるための燃焼装置と、
前記燃焼装置の下側に設けられた、液体燃料を溜めるための燃料タンクと、
前記燃料タンクに取り付けられ、前記燃料タンクおよび前記燃焼装置を支持するフレームと、
前記燃焼装置の重心位置を通る垂線に対して可搬方向の第1の側にずれた位置であって、前記燃料タンクの左右両側に位置するように、前記フレームに設けられた一対の車輪と、
前記垂線に対して可搬方向の第2の側にずれた位置であって、前記燃料タンクの左右両側に位置するように、前記フレームに設けられた一対の脚部とを有し、
前記フレームは、
前記燃料タンクよりも前記第1の側に張り出すように延びる一対のタンクガード部分と、
前記燃料タンクよりも前記第2の側に張り出し、前記第2の側に斜め上方に延びるハンドル部分とを備え、
前記一対のタンクガード部分の先端部分は、前記一対の車輪に外接するとともに前記燃料タンクの前記第1の側の下側のコーナーに接する線よりも前記第1の側または斜め下側に張り出している、可搬式ヒータ。
【請求項2】
請求項1において、前記フレームは、さらに、前記一対のタンクガード部分の先端部分を繋ぐように水平に延びる連結部分を含む、可搬式ヒータ。
【請求項3】
請求項1または2において、前記一対のタンクガード部分の先端部分は、斜め下側に張り出しており、前記一対のタンクガード部分の先端部分と前記垂線とのなす角度は10°〜30°である、可搬式ヒータ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記一対の車輪は、前記一対の脚部よりも前記垂線に近い位置にある、可搬式ヒータ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記燃焼装置は、放熱方向の後側より放熱方向の前側が広がったチャンバを形成するためのシェルと、前記シェルの前記放熱方向の前側に配置された多孔性の放熱板と、前記シェルの前記放熱方向の後側に配置されたロータリーバーナーおよびファンとを有する赤外線発生装置であり、
前記ロータリーバーナーは、回転気化筒、筒状の燃焼盤、および、燃焼外筒が、内側からこの順序で配置され、前記燃焼盤と前記燃焼外筒との間がガス室となり、液体燃料を前記回転気化筒で気化させ、気化させた液体燃料を前記ファンから供給される燃焼空気とともに混合ガスとし、前記ガス室を介して混合ガスを前記燃焼盤から前記燃焼盤の内側へ吹出させて燃焼させ、前記放熱板から前方に赤外線を放射する、可搬式ヒータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−52780(P2009−52780A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218233(P2007−218233)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】