説明

可燃性液体

【課題】次世代の地球環境や産業などに貢献できる可燃性液体を提供する。
【解決手段】可燃性液体中に金属ポルフィリン錯体を含有させることで、二酸化炭素量を減少させるものである。これによって、可燃性液体の用途一般、一例として自動車、火力発電などの燃焼で生じる二酸化炭素の排出量を減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性液体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題など人類の未来を担う問題が真剣に討議され、国際的な問題として国際レベルで研究、報告されている。例えば、このような人類の未来を担う問題を例示すると、石油などの資源の枯渇、二酸化炭素の排出による地球温暖化の問題、環境ホルモンによる人体への健康面での影響、オゾン層破壊による紫外線の影響などが挙げられる。これらは、どれほど深刻な問題であるかもはや証明を要する必要はないほどである。
【0003】
液体有機溶媒、原油を原材料とする製品、石油製品、石油化学原料、液化天然ガス、ガソリン、オイル製品、揮発油、切削油、機械油を含む液体(難・不燃性液体との混合液体を含む)、およびこれらの廃油などの可燃性液体は熱エネルギー、または熱エネルギーから電気エネルギー・機械エネルギーを得るためなどに燃焼させ、また、廃油については燃焼によって焼却処分することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、可燃性液体は焼却などで炭素と酸素との化学反応によって二酸化炭素を放出してしまうことになる。二酸化炭素の排出量は、京都議定書(1997年12月、気候変動枠組条約の目的を達成するため、京都で開かれた第3回締約国会議(COP3)にて採択された議定書)により、例えば日本国では6%の削減が急務とされている。したがって、可能な限り適用範囲の大きな二酸化炭素を減少させる方法が必要となる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決することに鑑みてなされたものであり、二酸化炭素排出量をより減少できる可燃性液体を提供することをその主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は少なくとも金属ポルフィリン錯体を含む可燃性液体であることを特徴とする。
【0007】
前記可燃性液体であって、前記金属ポルフィリン錯体は50〜800nmの粒径を有する粒状物中に含有されると好適である。
【0008】
前記可燃性液体であって、前記可燃性液体は、核物質とこれを包含する外殻物質とからなるカプセルであって、前記金属ポルフィリン錯体は前記核物質中に含有されてなると好適である。
【0009】
前記可燃性液体であって、前記外殻物質は、前記核物質よりも前記可燃性液体と親和性を有する可燃性液体親和性物質と前記可燃性液体よりも前記核物質と親和性を有する核物質親和性物質とを含む親和性物質であると好適である。
【0010】
前記可燃性液体は、リポソーム中に含有された前記金属ポルフィリンが分散されると好適である。
【発明の効果】
【0011】
より二酸化炭素の排出量を減少できる可燃性液体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本実施形態に係る可燃性液体、可燃性液体の製造方法、可燃性液体の使用について説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。
【0013】
「可燃性液体」
本発明者は、従来、酸素センサー、燃料電池触媒として用いられている金属ポルフィリン錯体について、研究した。鋭意検討した結果、金属ポルフィリン錯体を二酸化炭素発生時に含ませることで、二酸化炭素が減少する効果をえることができた。したがって、これを基に金属ポルフィリン錯体を少なくとも含む可燃性液体を提供することで二酸化炭素の排出量を減少させるものである。
【0014】
金属ポルフィリン錯体がどのように二酸化炭素を減少させる方法に寄与したかは、金属ポルフィリン錯体による炭素と酸素の化学反応時(二酸化炭素生成時)について、金属ポルフィリン錯体の反応スピードが同等もしくはそれよりも大きく、酸素と炭素の反応が阻害されることや、金属ポルフィリン錯体が一度生成した二酸化炭素を還元して分解することなどの理由が一考察として考えられる。したがって、同様の作用を示す、レドックス性高分子を適用してもよいことになる。以下、金属ポルフィリン錯体に代えてレドックス性高分子を用いることもできる。可燃性液体としては、金属ポルフィリン錯体、レドックス性高分子が挙げられる。これらは炭素と酸素の結合を阻害して、あるいは、生成した二酸化炭素を還元して炭素と酸素に分解することで二酸化炭素が減少するものであればよい。
【0015】
金属ポルフィリン錯体は下記化学式(I)、(II)に示されるものから選んで使用することができる。
【0016】
【化1】

(式中、Mは、鉄、マンガン、モリブデン、銅、コバルト、クロム、イリジウムから選ばれる金属を示し、4つのRのうち少なくとも1つは、チオフリル基、ピロリル基、フリル基、メルカプトフェニル基、アミノフェニル基、ヒドロキシフェニル基から選ばれるいずれかの基であり、他のRは、前記のいずれかの基またはアルキル基、アリール(aryl)基もしくは水素を示す)
【0017】
【化2】

金属ポルフィリン錯体を形成するポルフィリン化合物は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、5,10,15,20−テトラキス(2−チオフリル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(3−チオフリル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(2−ピロリル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(3−ピロリル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(2−フリル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(3−フリル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(2−メルカプトフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(3−メルカプトフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(4−メルカプトフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(2−アミノフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(3−アミノフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(4−アミノフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(2−ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(3−ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、[5,10,15−トリス(2−チオフリル)−20−モノ(フェニル)]ポルフィリン、[5,10,15−トリス(3−チオフリル)−20−モノ(フェニル)]ポルフィリン、[5,10−ビス(2−チオフリル)−15,20−ジ(フェニル)]ポルフィリン、[5,10−ビス(3−チオフリル)−15,20−ジ(フェニル)]ポルフィリン、[5,15−ビス(2−チオフリル)−15,20−ジ(フェニル)]ポルフィリン、[5,15−ビス(3−チオフリル)−15,20−ジ(フェニル)]ポルフィリン、[5−モノ(2−チオフリル)−10,15,20−トリ(フェニル)]ポルフィリン、[5−モノ(3−チオフリル)−10,15,20−トリ(フェニル)]ポルフィリンなどを好適例として挙げることができる。
【0018】
また、上記化学式(II)で示された化合物Lで表示される配位子は適宜選択して用いることができるが例えば、イミダゾール誘導体、ピリジン誘導体、アニリン誘導体、ヒスチジン誘導体、トリメチルアミン誘導体、チオフェノール誘導体、システィン誘導体、メチオニン誘導体、安息香酸誘導体、酢酸誘導体、フェノール誘導体、脂肪族アルコール誘導体が一例として挙げられる。
【0019】
イミダゾール誘導体は、特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、プロピオイミダゾール、ジメチルイミダゾール、ベンズイミダゾールなどが一例として挙げられる。
【0020】
ピリジン誘導体は、特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、メチルピリジン、メチルピリジンアセテート、ニコチンアミド、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンなどが一例として挙げられる。
【0021】
アニリン誘導体は、特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、アミノフェノール、ジアミノベンゼンなどが一例として挙げられる。
【0022】
ヒスチジン誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、ヒスチジンメチルエステル、ヒスタミン、ヒップリル−ヒスチジン−ロイシンなどが一例として挙げられる。
【0023】
トリメチルアミン誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどが一例として挙げられる。
【0024】
チオフェノール誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、チオクレゾール、メルカプト安息香酸、アミノチオフェノール、ベンゼンジチオール、メチルベンゼンジチオールなどが一例として挙げられる。
【0025】
システィン誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが例えばシスティンメチルエステル、システィンエチルエステルなどが一例として挙げられる。
【0026】
メチオニン誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えばメチオニンメチルエステル、メチオニンエチルエステルなどが一例として挙げられる。
【0027】
安息香酸誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが一例として挙げられる。
【0028】
酢酸誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、トリフルオロ酢酸、メルカプト酢酸、プロピオン酸、絡酸などが一例として挙げられる。
【0029】
フェノール誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、クレゾール、ジヒドロキシベンゼンなどが一例として挙げられる。
【0030】
脂肪族アルコール誘導体は特に限られることなく、適宜選択して用いることができるが、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコールなどが一例として挙げられる。
【0031】
金属ポルフィリン錯体を含む可燃性液体の添加方法は、適宜選択して適用することができる。例えば、金属ポルフィリン錯体単体でもしくは金属ポルフィリン錯体を溶媒に溶解させて可燃性液体として添加することもできる。もしくは金属ポルフィリン錯体をカプセル内に閉じこめる方法も採用できる。
【0032】
可燃性液体には金属ポルフィリン錯体を含んでいれば足り、その量が主成分となるほど多ければ好適である。
【0033】
単純に廃油などの不要となった可燃性液体を焼却処分させる燃焼に用いてもよいが、他の燃焼反応に適用することもできる。暖炉、ストーブなど暖房具の暖をとる目的の燃焼時に加えたり、熱エネルギーを他のエネルギーに変換させたり(例えば熱エネルギーから電気エネルギーを得る火力発電や熱エネルギーを運動エネルギーに変える自動車などのエンジン機構)などで生じる燃焼時に添加してもよい。なお、可燃性液体は、燃焼するものであれば特に限られることなく適宜選択して用いることができる。可燃性液体中に金属ポルフィリンが含まれることによって、可燃性液体の用途で生じる二酸化炭素の排出量を減少させることができる。したがって上述の京都議定書によって義務づけられた二酸化炭素量の削減に大きく貢献できる。二酸化炭素の排出量が抑制されれば二酸化炭素の削減に大きく貢献できる。
【0034】
本実施形態では、核物質とこれを包含する外殻物質とからなるカプセルを用い、金属ポルフィリンは核物質中に含まれていると好適である。このようにすることで、前記粒状物は均一に可燃性液体中に分散する。ここでより好適に分散させるには前記外殻物質は、前記核物質よりも前記可燃性液体と親和性を有する可燃性液体親和性物質と前記可燃性液体よりも前記核物質と親和性を有する核物質親和性物質とを含む親和性物質であると均一分散に寄与して好適である。
【0035】
均一分散性が向上すると、同様の効果を得るために使用する金属ポルフィリンの使用量を削減することができる。したがって、金属ポルフィリンの使用量の著しい減少により大幅なコストダウンを実現できることとなり、大きな経済的貢献効果を得ることができる。また、金属ポルフィリンが環境に何らかの影響を与える場合などできるだけ使用を差し控えたい場合には、使用量の削減に大幅に寄与することになり、ひいては地球環境問題解決への大きな貢献とすることもできる。
【0036】
前記外殻物質としては界面活性剤、両親媒性脂質が挙げられる。両親媒性脂質は、中和された陰イオン性脂質、両性脂質及びアルキルスルホン酸誘導体からなる群から選択されたり、後述のリン脂質、糖脂質などが挙げられる。
【0037】
中和された陰イオン性脂質は、例えばリン酸ジセチルのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩及びカリウム塩;リン酸ジミリスチルのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩及びカリウム塩;スルホン酸コレステロールのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩;リン酸コレステロールのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩;アシルグルタミン酸のモノナトリウム塩又はジナトリウム塩、特にN−ステアロイルグルタミン酸のモノナトリウム塩又はジナトリウム塩;及びホスファチジン酸ナトリウム塩の中から選ばれるものなどが挙げられる。
【0038】
上述の機能性材料が金属ポルフィリンとともに核物質として含有されているカプセルであると機能性材料がカプセルによって均一分散されるので、同様の機能を得るのに必要な機能性材料の使用量を削減することができ、大きな経済的貢献効果や地球環境問題解決への大きな貢献を提供できることになる。
【0039】
界面活性剤は、適宜選択して用いることができるが、エマルジョン化することに対して好適であるものが好ましく、例えば、燐酸モノエステル、燐酸ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエイト、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリレート、4級アンモニウム塩などを一例として挙げることができる。ポリ乳酸、ライスワックス、大豆レシチン、リン脂質であると好適である。
【0040】
例えばオレイン酸、脂肪酸多価アルコールエステルタイプの非イオン性界面活性剤、例えばソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレートもしくはモノパルミテート、ソルビタントリステアレートもしくはトリオレート、脂肪酸多価アルコールエステルのポリオキシエチレン付加物、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸とポリメタクリル酸とからなる共重合体、スルホン酸基含有の水溶性重合体、例えばスルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレートもしくはスルホプロピルメタクリレートによる重合体、ならびにN−(スルホエチル)−マレインイミド、2−アクリルアミド−2−アルキルスルホン酸、スチロールスルホン酸およびビニルスルホン酸の重合体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、トリステアレートもしくはトリオレエート、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチルステアレート、ポリエチレングリコール400ステアレート、ポリエチレングリコール2000ステアレート、D−α−トコフェロール、DL−α−トコフェロール、D−α−トコフェロール酢酸エステル、DL−α−トコフェロール酢酸エステル、パルミチン酸アスコルビル、ビタミンFのグリセリド;ビタミンD類、特にビタミンD2及びビタミンD3;レチノール、レチノールエステル(パルミチン酸レチノールエステル及びプロピオン酸レチノールエステル)、β−カロチン、D−パンテノール、ファルネソール、酢酸ファルネシル;必須脂肪酸に富んだ油、特にジョジョバ油及び黒すぐり(cassis)油;5−n−オクタノイルサリチル酸、サリチル酸;α−ヒドロキシ酸、例えばクエン酸、乳酸及びグリコール酸のアルキルエステル;アジア酸、マダガスカル酸(acide madecassique)、アジアチコシド、ツボクサ(Centellaasiatica)の全抽出物、β−グリシレチン酸、α−ビサボロール;セラミド類、特に2−オレオイルアミノ−1,3−オクタデカン;フィタントリオール(phytanetriol)、乳からのスフィンゴミエリン、ポリ不飽和必須脂肪酸に富む海産物由来のリン脂質、エトキシキン、マンネンロウ抽出物、香油抽出物、ケルセチンなど、短鎖(C1〜C6)アルコール例えばエタノール;ポリオール例えばグリコール、特に1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール又はヘキシレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン及びソルビトールなどを例示することができる。
【0041】
親油性界面活性剤の一例は、ショ糖ジステアリン酸エステル、ジステアリン酸ジグリセリン、トリステアリン酸テトラグリセリン、デカステアリン酸デカグリセリン、モノステアリン酸ジグリセリン、トリステアリン酸ヘキサグリセリン、ペンタステアリン酸デカグリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ジエチレングリコール、グリセリンとパルミチン酸とステアリン酸とのエステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン2EO(すなわちエチレンオキシド単位を2個含有するもの)、モノ−及びジベヘン酸グリセリン並びにテトラステアリン酸ペンタエリトリトールである。
【0042】
親水性界面活性剤は一例としては、次の化合物:すなわちモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン4EO、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン20EO、モノステアリン酸ポリオキシエチレン8EO、モノステアリン酸ヘキサグリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン10EO、ジステアリン酸ポリオキシエチレン12EO及びジステアリン酸ポリオキシエチレンメチルグルコース20EOを挙げ得る。
【0043】
非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性の界面活性剤が挙げられる。
【0044】
非イオン性界面活性剤としては、例えばEO付加型非イオン性界面活性剤[例えば高級アルコール(C8〜18、以下同じ)、高級脂肪酸(C8〜24、以下同じ)または高級アルキルアミン(C8〜24)のEO付加物(分子量158〜Mn200,000);グリコールのEO付加物であるポリアルキレングリコール(分子量150〜Mn6,000)の高級脂肪酸エステル;多価アルコール(C2〜18の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)高級脂肪酸エステルのEO付加物(分子量250〜Mn30,000);高級脂肪酸アミドのEO付加物(分子量200〜Mn30,000);および多価アルコール(前記のもの)アルキル(C3〜60)エーテルのEO付加物(分子量120〜Mn30,000)]、および多価アルコ−ル(C3〜60)型非イオン性界面活性剤 [例えば多価アルコールの脂肪酸(C3〜60)エステル、多価アルコールのアルキル(C3〜60)エーテルおよび脂肪酸(C3〜60)アルカノールアミド]が挙げられる。
【0045】
なお界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性いずれであってもよい。
【0046】
アニオン性界面活性剤としては、前記(C1)を除く化合物、例えばカルボン酸(例えばC8〜22の飽和または不飽和脂肪酸およびエーテルカルボン酸)またはその塩;硫酸エステル塩〔例えば高級アルコール硫酸エステル塩(例えばC8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)および高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[例えばC8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]〕;スルホン酸塩[C10〜20、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキルエステル型、ハイドロカーボン(例えばアルカン、α−オレフィン)スルホン酸塩およびイゲポンT型];およびリン酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜60)EO付加物リン酸エステル塩およびアルキル(C4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩]が挙げられる。上記の塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩が挙げられる。
【0047】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[例えばテトラアルキル(C4〜100)アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイドおよびステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド)、トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩(例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩(例えばセチルピリジニウムクロライド)、ポリオキシアルキレン(C2〜4)トリアルキルアンモニウム塩(例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド)およびサパミン型第4級アンモニウム塩(例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート)];およびアミン塩型[例えば高級脂肪族アミン(C12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよびロジンアミン)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩、脂肪族アミン(C1〜30)のEO付加物などの無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩および3級アミン(C3〜30、例えばトリエタノールアミンモノステアレートおよびステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミン)の無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩]が挙げられる。
【0048】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)のプロピオン酸ナトリウム]、ベタイン型両性界面活性剤[例えばアルキル(C12〜18)ジメチルベタイン]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)の硫酸エステルナトリウム塩およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(例えばペンタデシルスルホタウリンおよびイミダゾリンスルホン酸)およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤 [例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜24)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]が挙げられる。
【0049】
分子量調節剤または重合鎖逓伝体は、適宜選択して用いることができるが、例えば、メルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト琥珀酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトグリセリン、メルカプト酢酸、チオグリコール酸エステル、例えばヘキシルチオグリコレート、メルカプトグリコールシラン、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピル−メチルジメトキシシラン、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、酢酸テトラヒドロフルフリルエステル、アルコール、例えばイソプロパノール、n−ブタノールおよびn−デカノールならびに芳香族炭化水素、例えばイソプロピルベンゾールを一例として挙げることができる。
【0050】
ラジカル形成重合開始剤は、適宜選択して用いることができるが、例えば、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、ジラウロイルペルオキシド、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2´−アゾビス−(2,4−ジメチル)バレロニトリル、2,2´−アゾビス−(2−メトキシブチロニトリル)、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンおよびクモールヒドロペルオキシドである。有利に使用されるラジカル開始剤は、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)−ペルオキシド、4,4´−アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルペルピバレートおよびジメチル−2,2´−アゾビスイソブチレートなどを一例として挙げることができる。
【0051】
また、金属ポルフィリン錯体、レドックス性高分子を機能性材料としてこれらが核物質として含有されているカプセルを分散させた可燃性液体であれば、この可燃性液体を燃焼させたときに発生する二酸化炭素を減少させるのにカプセル化しない場合に比べ少量の金属ポルフィリン錯体、レドックス性高分子の使用量で済むことになる。これら機能性材料は高価であることが通常であり、使用量を少なくして低価格化をはかることが至上の命題である。このように使用量を少なくして低価格化をはかることができるので、このカプセル分散した可燃性液体は低価格で提供できることとなる。これにより、市場の可燃性液体がこの可燃性液体に置換されるので二酸化炭素の削減効果に大きく貢献し、二酸化炭素の減少による環境的、経済的効果は著しい。
【0052】
このようなカプセルはリポソームであると好適である。リポソームであればさらに均一分散などに貢献でき、環境的、経済的、物性的効果をさらに高めることができる。このようなリポソームによる分散性の確保によってさらに金属ポルフィリンの使用量を少なくして低価格化をはかることができるので、このリポソームが分散した可燃性液体は低価格で提供できることとなる。これにより、さらに市場の可燃性液体がこの可燃性液体に置換されるので二酸化炭素の削減効果に大きく貢献し、二酸化炭素の減少による環境的、経済的利益はさらに著しい。また、リポソームは化粧品や食品として用いられるもので、健康面や環境面への影響も少なく次世代の環境社会へ貢献できる可燃性液体を提供することができる。
【0053】
本実施形態において、分散媒となる可燃性液体は、例えば、燃料油、原油、石油製品(揮発油、灯油、ナフサ、軽油、重油など)、石油化学原料、液化天然ガス、ガソリン、灯油、動植物油、オイル製品、機械油、可燃性有機溶媒、溶剤類、タールピッチ類、鉱物油、消防法第4類の引火性液体、を含む液体(難・不燃性液体との混合液体を含む)、およびこれらの廃油などを例示することができる。
【0054】
引火性液体としては、例えば、発火点が100℃以下または引火点が−20℃以下で沸点が40℃以下の液体、エ一テル、二硫化炭素、コロジオン、アセトアルデヒド、酸化プロピレン、ペンタンなど、アセトン、ガソリン、石油ベンジン、リグロイン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、石油エーテル、ヘキサン、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、アクリロニトリル、エチルアミン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの第一石油類、メチルアルコール、エテルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、灯油、軽油、クロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、キシレン、エチルセルソルブ、ギ酸、酢酸、テレピン油、しょうのう油などの第2石油類、重油、クレオソート油、グリセリン、アニリン、ニトロベンゼン、エタノールアミン、エチレングリコール、クレゾールなどの第3石油類、ギヤー油、シリンダー油、潤滑油、タービン油、マシン油、モーター油などの第4石油類、ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油、落花生油、ナタネ油、ごま油、綿実油など動植物油類、およびこれらの混合物などを例示することができる。
【0055】
オイル製品とは、特に限られることがないが、エンジンオイル・ギヤオイルなどの潤滑油、切削油、ベースオイルを複数種混合したもの、これらに添加剤を添加したものなどを挙げることができる。ベースオイルとしては化学合成オイル、部分合成オイル、高粘度指数オイル、鉱物オイル、高VI鉱物オイルなどを挙げることができる。
【0056】
廃油とは、特に限定されることがないが、例えば、潤滑油、絶縁油、洗浄油及び切削油、廃引火性液体、廃溶剤類、タールピッチ類、鉱物性油、動植物性油脂、上記例示されるものの廃物となった油に係るものを挙げることができる。なお「廃物」とはその用途において、時間的・品質的、その他の理由などで用途を終えたものをいう。
【0057】
「可燃性液体の製造方法」
可燃性液体は、金属ポルフィリンを可燃性液体と溶解させて製造してもよく、可燃性液体中に分散させて製造してもよい。金属ポルフィリンを可燃性液体と溶解させて製造するのであれば溶解工程だけで済むのでコスト的には好適である場合が多い。
【0058】
次に可燃性液体中に分散させて製造する一例とした態様について説明する。金属ポルフィリン錯体を核物質とした50〜800nmの粒径を有するリポソームをカプセルとして、これを樹脂中に分散させる方法を例示して可燃性液体の製造方法を説明する。すなわち、本実施形態では好適であることから下記超臨界二酸化炭素法によって、核物質たる封入物質として金属ポルフィリン錯体、外殻物質として脂質からなるカプセルたるリポソームを用いてこれを可燃性液体中に分散させている。
【0059】
(リポソームの準備)
第一に水溶液たる水相中に分散した50〜800nmの粒径を有するリポソームを用意する。リポソームの外殻物質は脂質、脂肪であり、これらのうちから適宜選択して用いることができるがリン脂質または糖脂質であると好適である。リン脂質または糖脂質は脂質2分子膜を形成しうる化合物であるとさらに好適である。脂質は核物質よりも前記可燃性液体と親和性を有する可燃性液体親和性物質と前記可燃性液体よりも前記核物質と親和性を有する核物質親和性物質とを含む親和性物質である。親和性物質の代表例として上述の界面活性剤、乳化剤等の界面活性物質が挙げられる。
【0060】
リン脂質は、ホスファチドともいわれ、複合脂質のうちリン酸エステルおよびC−P結合を持つ一群の物質の総称であることが一応の定義として考えられる。リン脂質としては、一例として例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、卵黄レシチン、水添卵黄レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質などを挙げることができる。
【0061】
糖脂質としては、一例として例えばジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステル等のグリセロ脂質、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4等のスフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。
【0062】
リポソームの核物質たる封入物質たる金属ポルフィリン錯体の態は気体、液体、固体いずれであってもよい。
【0063】
リポソームの製造方法は適宜選択してもちいることができるが例えば、一例として以下の方法を採用することができる。
(1)脂質のサスペンションを超音波で処理する超音波処理法。
(2)脂質と界面活性剤の混合ミセルを形成し界面活性剤を除去する界面活性剤除去法。
(3)有機溶媒に溶かした脂質を水槽に注入して、水と有機溶媒の界面でリポソームを形成させる有機溶媒注入法。
(4)脂質を懸濁した水溶液を凍結した後、溶融して脂質二重膜を形成し、これをさらに凍結溶融してリポソームを形成させる凍結融解法。
(5)水に溶解しない有機溶媒に、少量の水系溶媒を加え、超音波をあててW/Oエマルジョン(逆ミセル)を形成し、有機溶媒を減圧下で除去する逆相蒸発法。
(6)超臨界流体を利用した方法。超臨界流体としては特に限られることがないが、例えば、二酸化炭素、水、エタン、エチレン、プロパン、亜酸化窒素などが挙げられる。二酸化炭素とエタノールの混合流体に脂質を溶解し、減圧過程で保持対象水溶液を攪拌注入する超臨界二酸化炭素法は好適である。
【0064】
超臨界二酸化炭素法は様々な態様を取りうるが本法のうち一例を挙げて説明すると、超臨界二酸化炭素と必要に応じて助溶媒などをそれぞれポンプで送り、リン脂質を充填したカラムへ通す。リン脂質は二酸化炭素と助溶媒の混合流体に溶解した状態で減圧弁まで運ばれ、減圧される。減圧過程でリン脂質は析出するが、このとき保持対象となる水溶性物質(本実施形態では金属ポルフィリン錯体)を含む水相をポンプを介して流入させ、ミキサーで攪拌することにより、リポソームをミキサー内で形成させる方法などが挙げられる。
【0065】
また、超臨界状態または臨界点以上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素とリン脂質または糖脂質の均一混合流体中に、封入物質(本実施形態では金属ポルフィリン錯体)を含む水相を加えることを特徴とする封入物質を内包した超臨界二酸化炭素法によってこのリポソームを製造する方法であると好適である。この方法であると超臨界状態または臨界点以上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素にリン脂質を均一に溶解させた混合物中に、水溶性または親水性の封入物質を含む水相を加えて、一段で封入物質を内包するリポソームを製造することにある。本方法により製造したリポソームは、保持効率が高いので、従来のリポソームに比べて、より多量に封入物質を内包させることができる。なお、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度(30.98℃)および臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素とは、臨界温度だけ、あるいは臨界圧力だけが臨界条件を超えた条件下の二酸化炭素を意味する(ただし、もう片方が臨界条件をこえていないものである)。以下、超臨界状態または臨界点以上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素を「超臨界二酸化炭素」と総称するのが一応の定義として考えられる。
【0066】
当初透明であった均一混合流体は水相の導入とともに徐々に白濁し(逆ミセルが形成されていると考えられる)、さらに水相を導入すると超臨界二酸化炭素(および逆ミセル)への水の溶解限界を越えた時点で反応容器底部に白濁した水相が形成される。所定水相を注入した後、減圧することにより均一なリポソームが得られることになる。
【0067】
リン脂質と超臨界二酸化炭素との均一混合物を調製するに際し、助溶媒を用いることが好ましい。助溶媒を系に添加することにより、超臨界二酸化炭素に対する難溶性の封入物質の溶解度を増加させることができる。助溶媒としては、例えばエチルアルコール、極性溶媒、ジクロロエタン、ジクロロメタン等を挙げることができるが特にジクロロエタン、ジクロロメタン等を用いると金属ポルフィリンを封入物質とする場合に溶解性などに好適である場合が多い。
【0068】
水相の添加量は、水が流動性をもって流入できる範囲で、なおかつリポソームの形成が阻害されない範囲で適宜選択すればよい。
【0069】
封入物質(本実施形態では金属ポルフィリン錯体)が含まれる水相を構成する媒体としては、水、水道水、蒸留水、純水、海洋深層水、限外濾過水、濾過水、地下水、伏流水、脱塩水、精製水(RO水、膜処理水)、雨水、井戸水、中和水、電解水、水溶液などを挙げることができる。
【0070】
準備されたリポソームは、乾燥させて固体のリポソームカプセルとして可燃性液体中に分散させてもよい。
【0071】
乾燥させて固体のカプセルとする方法については適宜選択して用いることができるが、例えば、界面沈積法、界面反応法、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードライング法、パンコーティング法、凍結乾燥法、気中懸濁被覆法、粉床法、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化被覆法、オリフィス法、界面反応法などを利用することが挙げられる。
【0072】
本実施形態に係るリポソームなどの粒状物にしての溶解や分散を含め、金属ポルフィリンが添加された可燃性液体はその用途に応じて用い、その燃焼等において二酸化炭素排出量を減少させることができる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例により詳述する。
【0074】
「実施例1」
上記実施形態において例示した可燃性液体に対して、金属ポルフィリン錯体を加え、燃焼ガス分析試験を行った(JIS K 7217に規定される燃焼ガス発生法、ガスクロマトグラフ法(GC−TCD)による二酸化炭素量の分析方法)。
【0075】
その結果、金属ポルフィリン錯体を加えて焼却した場合、金属ポルフィリン錯体を加えずに焼却した同種の可燃性液体に対して二酸化炭素量を削減させることができた。
【0076】
「実施例2」
上記実施形態において例示した可燃性液体に実施例1と同じ燃焼ガス分析試験を行った。
【0077】
その結果、金属ポルフィリン錯体を加えて焼却した場合、金属ポルフィリン錯体を加えずに焼却した同種の可燃性液体に対して二酸化炭素量を削減させることができた。
【0078】
「実施例3」
実施例2において、分散相たる金属ポルフィリンを核物質とし、これを包含する外殻物質とからなるカプセルとした。
【0079】
その結果、実施例2と比較しても同種の可燃性液体における比較により、二酸化炭素量をさらに削減させることができた。
【0080】
「実施例4」
実施例3において、前記外殻物質は、前記核物質よりも前記可燃性液体と親和性を有する可燃性液体親和性物質と前記可燃性液体よりも前記核物質と親和性を有する核物質親和性物質とを含む親和性物質とした。親和性物質としては界面活性剤とした。
【0081】
その結果、同種の可燃性液体を用いた場合の比較で実施例3と比較しても二酸化炭素量をさらに削減させることができた。
【0082】
「実施例5」
実施例4において、リポソーム中に金属ポルフィリン錯体を含ませた系についてJIS K 7217で規定される方法で燃焼させ、ガスクロマトグラフ法(GC−TCD)で測定した。
【0083】
その結果、同種の可燃性液体を用いた場合の比較で実施例4と比較してであってもさらに二酸化炭素減少効果が得られた。
【0084】
「実施例6」
実施例1〜5について可燃性液体としてガソリンを用いた系についてJIS K 7217で規定される方法で燃焼させ、ガスクロマトグラフ法(GC−TCD)で測定した。
【0085】
その結果、同種のガソリンを用いた場合の比較で二酸化炭素減少効果が得られた。
【0086】
「実施例7」
実施例1〜5について可燃性液体としてオイル製品を用いた系についてJIS K 7217で規定される方法で燃焼させ、ガスクロマトグラフ法(GC−TCD)で測定した。
【0087】
その結果、同種のオイル製品を用いた場合の比較で二酸化炭素減少効果が得られた。
【0088】
「実施例8」
実施例1〜5について可燃性液体として引火性液体を用いた系についてJIS K 7217で規定される方法で燃焼させ、ガスクロマトグラフ法(GC−TCD)で測定した。
【0089】
その結果、同種の引火性液体を用いた場合の比較で二酸化炭素減少効果が得られた。
【0090】
「実施例9」
実施例1〜5について可燃性液体として廃油を用いた系についてJIS K 7217で規定される方法で燃焼させ、ガスクロマトグラフ法(GC−TCD)で測定した。
【0091】
その結果、同種の廃油を用いた場合の比較で二酸化炭素減少効果が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも金属ポルフィリン錯体を含む可燃性液体。
【請求項2】
請求項1に記載の可燃性液体であって、
前記金属ポルフィリン錯体は50〜800nmの粒径を有する粒状物中に含有される可燃性液体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の可燃性液体であって、
前記可燃性液体は、核物質とこれを包含する外殻物質とからなるカプセルであって、
前記金属ポルフィリン錯体は前記核物質中に含有されてなる可燃性液体。
【請求項4】
請求項3に記載の可燃性液体であって、
前記外殻物質は、
前記核物質よりも前記可燃性液体と親和性を有する可燃性液体親和性物質と前記可燃性液体よりも前記核物質と親和性を有する核物質親和性物質とを含む親和性物質である可燃性液体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の可燃性液体であって、
リポソーム中に含有された前記金属ポルフィリンが分散される可燃性液体。

【公開番号】特開2007−119627(P2007−119627A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314445(P2005−314445)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(505311308)
【出願人】(505344845)
【出願人】(501370945)株式会社日本ボロン (33)
【出願人】(505344786)イーベーシック株式会社 (23)
【Fターム(参考)】