説明

可視光応答型光触媒の製造方法

【課題】可視光の照射によって励起し、高い光触媒活性を安定して発現する光触媒を提供する。
【解決手段】未焼成の光触媒粒子を200〜700℃の範囲の温度で焼成し、次いで、得られた光触媒粒子とハロゲン化白金化合物と担持促進剤とを媒液中で加熱下で反応させて、光触媒粒子の表面にハロゲン化白金化合物を担持する。光触媒粒子としては異方性形状を有する酸化チタン粒子が好ましく、ハロゲン化白金化合物としては塩化白金化合物が好ましい。ハロゲン化白金化合物の担持量は、光触媒粒子に対して、Pt換算で0.01〜5重量%の範囲が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光の照射下で励起可能な所謂可視光応答型光触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光触媒は、そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射すると励起し、強い触媒活性が発現するものである。特に、有機物やNOxなどの一部無機物の酸化・分解力が大きく、エネルギー源として低コストで、環境負荷の非常に小さい光を利用できることから、近年環境浄化や脱臭、防汚、殺菌などへの応用が進められている。また、光触媒が励起するとその表面が親水性になり水との接触角が低下することが見出され、この作用を利用して防曇、防汚などへの応用も進められている。光触媒としては、酸化物や硫化物などの金属化合物が、特に、高い光触媒活性を有する微粒子の酸化チタン、酸化亜鉛などが一般的に用いられている。一方、酸化チタン、酸化亜鉛などは、励起光の波長が400nm以下の紫外線領域にあるので、紫外線ランプなど特別な光源が必要であり、利用分野が制限されている。このため、これらの紫外光領域で光触媒活性が発現する光触媒粒子の表面に、ハロゲン化白金化合物を担持させ、可視光下での光触媒活性を付与する技術(特許文献1)や、この技術において光触媒粒子として紡錘状、棒状、針状等の異方性形状を有する粒子を用いる技術(特許文献2)が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−239395号公報
【特許文献2】特開2004−72910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術により、可視光・光触媒活性が発現し、且つ、安定した活性が得られ、特許文献2の技術により、可視光・光触媒活性が向上するが、用いる光触媒粒子の結晶性や、光触媒粒子が保有する水酸基や水分の量などによって、可視光・光触媒活性が変動し易く、更なる改良が求められている。本発明は、可視光・光触媒活性が更に優れた可視光応答型光触媒を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、光触媒粒子の表面にハロゲン化白金化合物を担持させる技術において、200〜700℃の範囲の温度で焼成することにより光触媒粒子の結晶性を高め、あるいは含有する水酸基や水分の量を適度に減少させることができ、光触媒粒子表面とハロゲン化白金化合物との反応性に変化が生じ、可視光の照射下で励起が大きくなることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、200〜700℃の範囲の温度で焼成した光触媒粒子の表面にハロゲン化白金化合物を担持させることを特徴とする可視光応答型光触媒の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明で得られる光触媒は、400〜800nmの波長を有する可視光の照射下で優れた光触媒活性を有しており、紫外線ランプなどの特殊な光源を必要としないため、一般家庭用途を中心に幅広い分野で光触媒作用を活用することができる。更に、紫外線領域の波長で励起可能な光触媒を可視光の照射下でも励起するようにでき、紫外線領域のほか、可視光領域の光も有効に使うことができ、光触媒活性をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明における「可視光応答型光触媒」とは、400〜800nmの波長の可視光を照射した際の光触媒活性を測定して、少しでも光触媒活性の発現を確認できる光触媒を言う。光触媒活性の測定方法としては、後述するアセトアルデヒド等の有機物の分解活性や、NOxガスの除去活性、あるいは、水との接触角を測定しても良い。
【0009】
本発明は、未焼成の光触媒粒子あるいは特定温度での焼成によって光触媒粒子となる光触媒前駆体を200〜700℃の範囲の温度で焼成し、その後、得られた光触媒粒子の表面にハロゲン化白金化合物を担持する。焼成によって、未焼成の光触媒粒子の結晶性は高くなり、あるいは含有する水酸基や水分の量を適度に減少させることができる。また、光触媒前駆体も焼成によって結晶性を高めた、あるいは水酸基や水分の量を調節した光触媒粒子が得られる。焼成温度が前記範囲より低いと、可視光・光触媒活性の改良効果が得られ難く、一方、前記範囲より高くても改良効果が得られ難いばかりでなく、生成または成長した光触媒粒子の粒子間の焼結が生じ易くなる。より好ましい焼成温度の範囲は200〜600℃であり、更に好ましい範囲は300〜600℃である。焼成時間、焼成雰囲気等の条件は適宜設定することができ、焼成時間としては例えば1〜10時間程度が適当であり、焼成雰囲気としては空気または酸素含有ガスの雰囲気下あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うのが適当である。
【0010】
未焼成の光触媒粒子あるいは光触媒前駆体粒子には公知の物質を用いることができ、特に励起光の波長が400nm以下の紫外線領域にあるものが好ましく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステンなどの酸化物や、硫化亜鉛などの硫化物を用いることができる。その中でも、酸化チタンは光触媒活性が高いので好ましい。酸化チタンとしては、無水酸化チタン、含水酸化チタン、水和酸化チタン、水酸化チタン、チタン酸などと呼ばれるものを含み、アナターゼ型やルチル型など結晶形には特に制限は無く、不定形であっても良く、それらが混合したものであっても良い。また、光触媒粒子には、その励起に悪影響を与えない程度であれば、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Auから選ばれる1種以上の異種元素または酸化物等の異種元素の化合物が含まれていても良い。
【0011】
未焼成の光触媒粒子あるいは光触媒前駆体粒子の形状には制限は無く、真球状、略球状、異方性形状等の定型粒子や、粒塊状等の不定形粒子等を用いることができるが、特に異方性形状を有するものであれば、本発明の効果が得られ易く好ましい。本発明で言う「異方性形状」とは、一般的には、紡錘状粒子、棒状粒子、針状粒子、板状粒子等と呼ばれるものであり、一個の一次粒子を最も安定な状態で平面上に静止させ、平面上への投影像を二つの平行線で挟み、その平行線の間隔が最小となるときの距離を粒子の幅または短軸径w、この2平行線に直角な方向の二つの平行線で粒子を挟むときの距離を粒子の長さまたは長軸径l、最大安定面に平行な面で挟むときの距離を粒子の高さhとした場合、l>w≧hを満たすものを言う。長軸径、短軸径、高さは、一次粒子を電子顕微鏡写真から、約1000個の粒子の算術平均値により求めることができる。本発明で用いる異方性形状を有する粒子の大きさには特に制限は無いが、比表面積(BET法による)が50〜500m/gの範囲にあるものが好ましく、50〜300m/gの範囲であればより好ましい。このような粒子としては、10〜500nmの範囲の平均長軸径と、1〜50nmの範囲の平均短軸径とを有するものが挙げられ、中でも、軸比(平均長軸径/平均短軸径)が1.5以上の紡錘状粒子、棒状粒子、針状粒子と呼ばれるものが好ましく、軸比が1.5〜10の範囲にあればより好ましく、更に好ましくは2〜7の範囲である。
【0012】
異方性形状を有する粒子は、公知の方法で得ることができる。例えば、酸化チタンであれば、含水酸化チタンを水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム等の塩基性ナトリウム化合物で処理した後、塩酸で処理する方法が知られている。このような方法で得られた酸化チタンは微粒子であり、所謂紡錘状のものであるため、好ましく用いられる。得られた紡錘状酸化チタン微粒子は、通常行われる手法で濾別、洗浄、乾燥等の操作を適宜行っても良い。
【0013】
未焼成の光触媒粒子あるいは光触媒前駆体を前記の温度範囲で焼成した後、粒子表面にハロゲン化白金化合物を担持させる。ハロゲン化白金化合物としては、無機系ハロゲン化白金化合物が好ましく、具体的には、PtCl、PtCl、PtCl・2HO、H [Pt(OH)Cl]・nHO等の白金塩化物や、PtBr、PtBr等の白金臭化物、PtI、PtI等の白金ヨウ化物、PtF等の白金フッ化物などの白金ハロゲン化物またはその水和物、塩化白金酸、塩化白金酸塩、ブロモ白金錯塩、ヨウ化白金酸塩等のハロゲン化白金酸、ハロゲン化白金酸塩またはハロゲン化白金錯塩、それらの水和物が挙げられる。ハロゲン化白金化合物の中でも塩素元素と白金の化合物である塩化白金化合物は効果が高く好ましい。ハロゲン化白金化合物の使用量は、光触媒粒子に対しPt換算で0.01〜5重量%の範囲であれば優れた可視光・光触媒活性が得られ易くなるため好ましく、0.01〜1重量%の範囲がより好ましく、0.01〜0.7重量%の範囲が更に好ましい。
【0014】
ハロゲン化白金化合物の担持には、前記特許文献1及び2に記載されている方法を用いることができ、(1)光触媒粒子とハロゲン化白金化合物とを媒液中で混合する方法、(2)光触媒粒子とハロゲン化白金化合物とを媒液中で加熱する方法、(3)光触媒粒子とハロゲン化白金化合物と担持促進剤とを媒液中で反応させる方法、(4)光触媒粒子とハロゲン化白金化合物と担持促進剤とを媒液中で加熱下で反応させる方法などの方法が挙げられる。これらの方法のうち、(2)〜(4)の方法はハロゲン化白金化合物の歩留まりが向上するので好ましく、中でも(4)が最も好ましい方法である。
【0015】
(2)または(4)の方法において、加熱温度は50〜250℃の範囲が好ましく、50〜100℃の範囲がより好ましく、70〜100℃の範囲が最も好ましい。加熱温度が50〜250℃の範囲であれば少なくともハロゲン化白金化合物の歩留まりが高くなり易い。100℃以上の温度では本発明を適用するには、オートクレーブなどの高温高圧装置を用いて行うことができる。
【0016】
(3)または(4)の方法における、担持促進剤としては、例えば、(a)水素化ホウ素ナトリウム、硫化水素等の水素化合物、(b)ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、(c)クエン酸、ギ酸等の有機酸、(d)硫化ナトリウム、硫化アンモニウム等の硫黄化合物、(e)亜リン酸、次亜リン酸、亜硫酸、亜硝酸、次亜硝酸等の低次無機酸素酸及びそれらのナトリウム金属塩等の塩、(f)ヒドラジンまたはその水和物、及び、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン等のヒドラジン系化合物、などの還元作用を有する化合物が挙げられ、これらから選ばれる1種を用いるか、または2種以上を組み合わせて用いても良い。担持促進剤の使用量は、適宜設定することができるが、添加するハロゲン化白金化合物中のPt1重量部に対して、0.5〜1000重量部の範囲が好ましく、1〜500重量部の範囲がより好ましく、5〜100重量部の範囲が更に好ましい。
【0017】
媒液としては、水、アルコール、トルエンなどの無機系、有機系の液を用いることもできるが、工業的には水が取り扱い易く好ましい。また、(2)、(4)いずれの方法においても、媒液に用いる水には加熱前、加熱途中、加熱後に、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸などの酸、あるいはアンモニア、アミン類、水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加しても良い。得られた光触媒は粉末とする場合、公知の方法によって洗浄後、濾別、乾燥を行っても良く、必要に応じて粉砕を行っても良い。
【0018】
本発明で得られる可視光応答型光触媒に含まれる光触媒粒子は、その粒子表面にハロゲン化白金化合物が担持されたものである。本発明では、ハロゲン化白金化合物の担持量が微量であるので、担持状態を特定することは難しく、このため、蛍光X線分析によって少なくともハロゲン元素と白金とが検出されていれば、「担持」に包含される。また、前述のように担持促進剤を用いるのであれば、担持促進剤とハロゲン化白金化合物とが錯体のような化合物を形成する場合も、ハロゲン化白金化合物に包含する。この光触媒粒子の粒子形状は、出発物質となる未焼成の光触媒粒子あるいは光触媒前駆体粒子の形状が反映される。本発明では光触媒粒子として異方性形状を有するものが好ましいので、出発物質も異方性形状を有するものが好ましい。出発物質が前記の50〜500m/gの範囲の比表面積を有していれば、焼成により粒子成長して、比表面積は好ましくは10〜100m/gの範囲に、より好ましくは10〜80m/gの範囲となる。また、出発物質の軸比が前記の1.5〜10の範囲にあれば、通常は粒子成長時に長軸方向で収縮が生じるので、軸比が1.2〜5程度の紡錘状となる。
【0019】
得られた可視光応答型光触媒を、光触媒反応に実際に用いる場合、必要に応じて、基材に固定させたり、光触媒を成形・造粒して成形体として用いるのが便利である。基材としては例えば、金属、タイル、ホーロー、セメント、コンクリート、ガラス、プラスチック、繊維、木材、紙などの種々の材質で形成されたものであり、その形状としては板状、波板状、ハニカム状、球状、曲面状など種々の形状のものを用いることができる。このような基材に光触媒を固定するには公知の方法、例えば、光触媒を基材表面に塗布あるいは吹きつけた後、乾燥、焼成する方法、光触媒とバインダとを含む塗液を基材表面に塗布あるいは吹きつけた後、乾燥、必要に応じて加熱する方法などで行うことができる。バインダとしては無機系樹脂、有機系樹脂を用いることができ、光触媒反応により分解され難いバインダ、例えばセメント、コンクリート、石膏、珪酸化合物、シリカ、ケイ素化合物、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などのバインダが好ましい。また、光触媒を成形して用いる場合には、必要に応じて粘土、珪藻土、有機系樹脂、無機系樹脂などのバインダと混合した後、任意の形状に成形することができる。
【実施例】
【0020】
次に実施例によって本発明を更に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0021】
実施例1
未焼成の光触媒粒子として平均長軸径64nm、平均短軸径13nm(軸比4.9)、比表面積160m/gの紡錘状二酸化チタン粒子を350℃で5時間焼成した。得られた焼成紡錘状二酸化チタン粒子の比表面積は63m/g、平均長軸径は38nm、平均短軸径は19nm(軸比2.0)であった。
次に、純水0.5リットルに、ヘキサクロロ塩化白金酸6水和物0.675g(TiOに対しPtとして0.5重量%相当)を添加、撹拌した溶液に、前記の焼成紡錘状二酸化チタン粒子50gを混合した。次いで、次亜リン酸水溶液(50%水溶液)を1.44ミリリットル添加し、90℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、冷却してから濾過、洗浄し、110℃で1昼夜乾燥した後、ライカイ機にて粉砕し、淡黄色を呈した本発明の可視光応答型光触媒粒子(試料A)を得た。
【0022】
実施例2
焼成温度を550℃とした以外は、実施例1と同様にして、淡黄色を呈した本発明の可視光応答型光触媒粒子(試料B)を得た。この焼成紡錘状二酸化チタン粒子の比表面積は39m/g、平均長軸径は50nm、平均短軸径は40nm(軸比1.25)であった。
【0023】
比較例1、2
実施例1、2で用いた焼成紡錘状二酸化チタン粒子(ヘキサクロロ塩化白金酸の担持処理を行わないもの)を比較試料とした(試料C、D)。
【0024】
比較例3
焼成温度を880℃とした以外は、実施例1と同様にして、淡黄色を呈した可視光応答型光触媒粒子(試料E)を得た。この焼成紡錘状二酸化チタン粒子の比表面積は9m/g、平均長軸径は250nm、平均短軸径は150nm(軸比1.67)であった。
【0025】
比較例4
未焼成の紡錘状二酸化チタン粒子を用いること以外は、実施例1と同様にヘキサクロロ塩化白金酸の担持処理を行って、淡黄色を呈した可視光応答型光触媒粒子(試料E)を得た。
【0026】
評価1:アセトアルデヒド分解活性の評価
実施例1、2及び比較例1〜4で得られた試料(A〜F)それぞれ0.1gを6cmφのシャーレに均一に広げた。容量が2リットルのフレキシブルバッグにアセトアルデヒドと合成空気を充填し、アセトアルデヒド濃度が210ppmになるように調整した。500ミリリットル・セパラブルフラスコ内に前記のシャーレを設置した後、フレキシブルバッグと接続し、ポンプにより3リットル/分の速度で系内のガスを循環し、反応を行った。暗条件にて、吸着平衡に到達させた後(30分程度)、5700ルクスの白色蛍光灯で光照射を開始した。サンプリング口より系内のガスをシリンジにて採取し、アセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフにて測定した。アセトアルデヒド濃度の減少速度定数を下式1で計算し、光触媒活性を評価した。反応速度定数が大きい程、光触媒活性が優れている。結果を表1に示す。本発明で得られた可視光応答型光触媒は未焼成の比較試料に比べ、波長が400〜800nmの可視光の照射下での光触媒活性が約3倍も高く、ハロゲン化白金化合物を担持していない比較試料に比べ約11〜15倍も高いことがわかった。
式1:ln(C/Co)=−kt
k :反応速度定数(l/h)
t :反応時間(h)
C :光照射後のアセトアルデヒド濃度(ppm)
Co:光照射開始時のアセトアルデヒド濃度(ppm)
【0027】
【表1】

【0028】
本発明で得られた光触媒を、バインダを用いて基材に固定させたり、粘土を用いて光触媒を成形・造粒して光触媒体としても、可視光の照射下での光触媒活性が高く、安定していることが確認され、しかも、紫外線照射下での光触媒活性も高く、照射する光が有効に使用でき、優れた光触媒活性を有していることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明で得られた可視光応答型光触媒は、蛍光灯などの室内照明や太陽光でも、NOxや有機の環境汚染物質などを効果的に分解できるので、浄化材、脱臭材、防汚材、殺菌材、防曇材として好適なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
200〜700℃の範囲の温度で焼成した光触媒粒子の表面にハロゲン化白金化合物を担持させることを特徴とする可視光応答型光触媒の製造方法。
【請求項2】
光触媒粒子が異方性形状を有することを特徴とする請求項1に記載の可視光応答型光触媒の製造方法。
【請求項3】
光触媒粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1に記載の可視光応答型光触媒の製造方法。
【請求項4】
ハロゲン化白金化合物が塩化白金化合物であることを特徴とする請求項1に記載の可視光応答型光触媒の製造方法。
【請求項5】
焼成した光触媒粒子とハロゲン化白金化合物と担持促進剤とを媒液中で加熱下で反応させて、該光触媒粒子の表面にハロゲン化白金化合物を担持させることを特徴とする請求項1に記載の可視光応答型光触媒の製造方法。


【公開番号】特開2006−142209(P2006−142209A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335795(P2004−335795)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】