説明

可逆性感熱記録媒体

【課題】 低温環境下でも、PVC、PET−G、アクリルのような多様化する貼り合わせ用基材に対して接着力が高く、繰り返し耐久性を有し、かつ記録媒体表面層とのブロッキングのない接着層を有する可逆性感熱記録媒体、該可逆性感熱記録媒体を用いた情報記憶部を有する部材、画像処理方法および画像処理装置を提供すること。
【解決手段】 支持体上に熱により色調が可逆的に変化する熱可逆性記録層を設け、前記支持体の反対面に接着層を有する可逆性感熱記録媒体において、前記接着層が、架橋型球状粒子を含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱エネルギーを制御することにより画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一時的な画像形成が行うことができ、不要となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆性感熱記録媒体が注目されている。その代表的なものとして樹脂母材中に長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物のような顕色剤とロイコ染料のような発色剤を分散した可逆性感熱記録媒体が知られている(特許文献1、2など)。
このような可逆性感熱記録媒体(以降単に「記録媒体」ということがある)は、磁気記録層を持つPETフィルムを支持体としているものが多く、主にポイントカードとして市場で使われている。その一方で、薄手の支持体上に熱可逆性記録層を設け、その支持体の反対面に接着層があり、様々な基材に対して熱と圧力によってラミネートして可逆性感熱記録媒体として使用する方法も多く見られるようになってきている。例えば 特許文献3、4には接着層付きの可逆性感熱記録シートが、特許文献5には接着層付きの可逆性感熱記録媒体が、特許文献6には可逆性感熱記録フィルムが、特許文献7には可逆性感熱記録カードが、特許文献8には接着層を設けた可逆性感熱カード記録媒体等が開示されている。
しかし、これらで用いている接着材料から構成される可逆性感熱記録媒体を熱と圧力によりラミネートして作成したカードは、多様化する貼り合わせ用基材(塩化ビニルシート(PVC)や非晶性コポリエステル(PET−G)やアクリル等)に対して接着力が乏しく、特に5℃以下の低温環境下での接着力が低下し、その環境下で繰り返し消去印字を繰り返すと消去印字装置による熱と圧力の繰り返しにより基材と接着層面の間で剥離が起き、消去と印字に不良が発生し、媒体本来の繰り返し使用能力を発揮できなくなる、あるいはカードのエッジ部分から剥がれが発生し、使用回数が増えると共に剥がれが広がり繰り返し使用できなくなってしまうという問題が発生する。
一方で、低温環境下での接着力を維持できる接着剤もあるが、このようなものは記録媒体の表面層に対して貼り付き易いという欠点があり、接着層と最表面層が接した時に熱と圧力が加わると各層同士が貼り付いてしまうというブロッキングが発生してしまう。このような現象が発生すると可逆性感熱記録媒体として使用することができなくなってしまう問題がある。
このような接着層の課題に対して特許文献9、10等には、低温接着性を向上させる技術が提案されているが、可逆性感熱記録媒体として使用するには低温環境での繰返し消去印字の耐久性と耐ブロッキング性が不十分である。
また、感熱性粘着ラベル(熱活性粘着ラベル)用途の粘着力とブロッキング向上を目的に特許文献11では粘着層中に無機フィラーを含有するものも提案されているが、使用用途も異なり、繰り返し耐久性を必要とする記録媒体としては不十分である。
【0003】
【特許文献1】特開平5−124360号公報
【特許文献2】特開平6−210954号公報
【特許文献3】特開2000−94866号公報
【特許文献4】特開2003−80853号公報
【特許文献5】特開2000−251042号公報
【特許文献6】特開2001−63228号公報
【特許文献7】特開2002−103654号公報
【特許文献8】特開2000−263934号公報
【特許文献9】特開2001−63228号公報
【特許文献10】特開2001−279226号公報
【特許文献11】特開2002−114953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、低温環境下でも、PVC、PET−G、アクリルのような多様化する貼り合わせ用基材に対して接着力が高く、繰り返し耐久性を有し、かつ記録媒体表面層とのブロッキングのない接着層を有する可逆性感熱記録媒体を提供することである。
また本発明の別の目的は、このような可逆性感熱記録媒体を用いた情報記憶部を有する部材、画像処理方法および画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、これらの課題を解決するための検討を行った結果、接着層に特定のフィラーを用いることで、接着層塗布製造工程においての液凝集やフィルター詰まりがなく、均一な塗工が可能で、品質面では各種基材に対する低温環境下での繰り返し耐久性(接着性)と記録媒体最表面層に対する耐ブロッキング性を兼ね備えた可逆性感熱記録媒体を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
請求項1の発明は、支持体上に熱により色調が可逆的に変化する熱可逆性記録層を設け、前記支持体の反対面に接着層を有する可逆性感熱記録媒体において、前記接着層が、架橋型球状粒子を含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
請求項2の発明は、前記架橋型球状粒子が、アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項3の発明は、前記架橋型球状粒子の粒度分布が、平均粒径に対して±10%以内の範囲に粒子が集合する粒度分布であることを特徴とする請求項1または2記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項4の発明は、前記架橋型球状粒子の粒径が、接着層膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項5の発明は、前記架橋型球状粒子の平均粒径が5〜20μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項6の発明は、前記接着層が少なくともガラス転移点(Tg)に差がある2種類の樹脂とイソシアネート基を持つ架橋剤とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項7の発明は、前記接着層に含まれる2種類の樹脂のガラス転移点(Tg)の差が30℃以上であることを特徴とする請求項6に記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項8の発明は、前記接着層に含まれる2種類の樹脂が、−30〜10℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂と30〜80℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項9の発明は、前記接着層に含まれる2種類の樹脂において、−30〜10℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂の割合が、50〜95質量%であることを特徴とする請求項8に記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項10の発明は、前記接着層に含まれる樹脂に対し、前記架橋型球状粒子が5〜30質量%の割合で含まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
請求項11の発明は、情報記憶部と可逆表示部を有し、前記可逆表示部が少なくとも請求項1〜10のいずれかに記載の熱可逆性感熱記録媒体を有することを特徴とする情報記憶部を有する部材である。
請求項12の発明は、前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジまたはテープカセットであることを特徴とする、請求項11に記載の部材である。
請求項13の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、または請求項11または12に記載の情報記憶部を有する部材における熱可逆性記録層を加熱することにより、画像の形成および/または消去を行うことを特徴とする画像処理方法である。
請求項14の発明は、サーマルヘッドを用いて画像を形成するものである請求項13に記載の画像処理方法である。
請求項15の発明は、サーマルヘッドまたはセラミックヒータを用いて画像を消去するものである請求項13に記載の画像処理方法である。
請求項16の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、あるいは請求項11または12に記載の情報記憶部を有する部材を搭載し、画像の形成および/または消去を行う手段を具備してなることを特徴とする画像処理装置である。
請求項17の発明は、前記画像の形成手段がサーマルヘッドである請求項16に記載の画像処理装置である。
請求項18の発明は、前記画像の消去手段がサーマルヘッドまたはセラミックヒーターである請求項16に記載の画像処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温環境下でも、PVC、PET−G、アクリルのような多様化する貼り合わせ用基材に対して接着力が高く、繰り返し耐久性を有し、かつ記録媒体表面層とのブロッキングのない接着層を有する可逆性感熱記録媒体、該可逆性感熱記録媒体を用いた情報記憶部を有する部材、画像処理方法および画像処理装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の可逆性感熱記録媒体について詳しく説明する。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体上に熱により色調が可逆的に変化する熱可逆性記録層を設け、前記支持体の反対面に接着層を有する可逆性感熱記録媒体において、前記接着層が、特定のフィラーとして架橋型球状粒子を含有することを特徴としている。
接着層に含まれる前記特定のフィラーは、前記目的を達成するとともに、接着層中にできるだけ均一に分散され、接着層表面から出来るだけ均一に現れている形を取るためや、下地に印刷がある場合などにできるだけ印刷絵柄を隠蔽させないなどの観点から、形状は球状(楕円も含む)であることが好ましく、更には真球状に近いことが好ましい。また前記特定のフィラーである架橋型球状粒子の粒度分布は、出来るだけシャープであることが好ましく、例えば平均粒径に対して±10%以内の範囲に粒子が集合する粒度分布であることがより好ましい(以下、単分散粒子と呼ぶ)。
【0009】
また、理由は定かではないが、溶剤としてトルエンを含む接着塗工液の場合、耐溶剤性に優れる架橋型が好ましく、塗工液中でフィラー自身が凝集体を形成し難い架橋型球状アクリル(PMMA)単分散粒子が特に好ましい。
【0010】
更に、架橋型球状粒子は、その粒径が接着層膜厚よりも大きいことが好ましい。これにより、接着力、耐ブロッキング性、塗工品質を高めることができる。とくに耐ブロッキング性が高められる。この形態において、各種基材への接着力を維持する上である程度の膜厚を維持しながら架橋型球状粒子の一部分が接着層表面に現れるようにするために、該架橋型球状粒子の粒径は5〜20μmの範囲が好ましい。但し、架橋型球状粒子の添加量が多くなりすぎると接着力が低下したり、印刷された基材などと貼り合せた際の隠蔽性に問題が発生する。そのため、架橋型球状粒子の含有量は、接着層の樹脂成分に対して5〜30質量%であることが望ましく、好ましくは10〜20質量%であり、更に好ましくは10〜15質量%である。球状のフィラーとしてはシリコン系粒子やその他有機系樹脂粒子等も知られているが、溶剤中での安定性に欠け、凝集体を形成するため塗工面の均一性が悪かったり、製造工程においてような不具合を招いてしまうものが多かった。また無機系フィラーも一般的にブロッキング防止剤として用いられることがあるが、形状が不定形であったり、ある程度吸油量を有するためか接着剤塗工液の粘度上昇を招いたりする等し、均一な塗工面に出来るだけ均一にフィラーの一部が現れている状態に出来なかったり、接着力、ブロッキング、塗工品質を満足できるものではなかった。
【0011】
また接着層は、少なくともガラス転移点(Tg)に差がある2種類の樹脂とイソシアネート基を持つ架橋剤とを含むことが好ましい。これにより、それぞれの樹脂に接着力を高める機能と耐ブロッキング機能を持たせ、更に架橋剤を添加することで樹脂を架橋させ分子量を大きくし、記録媒体の接着力を向上させると共に、低温環境下での接着力も高める効果を得ることが可能となる。
さらに接着層に含まれる2種類の樹脂のガラス転移点(Tg)の差は、30℃以上であることが好ましい。この差は接着性を高める樹脂とブロッキング性を抑える樹脂のTgの差であり、ガラス転移点(Tg)の差が30℃よりも小さくなると両者の効果がなくなり、接着力はあるがブロッキングし易い、あるいはブロッキングしにくいが接着力が低いというものになる。つまり、低温環境下での繰り返し耐久性とブロッキング性の両立が難しくなる可能性がある。このガラス転移点(Tg)の差はより好ましくは35℃以上であり、更に好ましくは45℃以上である。
前記2種類の樹脂は、−30〜10℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂と30〜80℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂であることが好ましい。ガラス転移点(Tg)が−30〜10℃と低い樹脂は、各種貼り合わせ用基材に対して接着力が高くなる傾向がある。しかし、常温環境下では、樹脂はタック性を持ち、また可逆性感熱記録媒体の最表面に対して接着性を持つため、ブロッキングが発生するという問題がある。一方、Tgが30〜80℃と高い樹脂は貼り合わせ用基材に対する接着力がTgの低い樹脂より低下する傾向があるが常温環境でのタック性が無くなりブロッキングが無いものとなる。よって、Tgの低い樹脂とTgの高い樹脂を2種類以上混合することにより接着力と耐ブロッキング性のバランスを持たせることができる。しかし、低温環境における接着力の低下については樹脂の混合だけでは解決することは難しく、イソシアネート基を持つ架橋剤を配合することで解決することができる。これは、架橋剤を用いて架橋することにより、樹脂の分子量が大きくなり接着力が高くなり、低温環境での接着力も維持することが出来るためだと考えられる。また、樹脂は溶剤に溶解して塗工することで薄膜化することが出来る反面、大きな分子量にする事が出来ない。そのため架橋剤を加えて塗工後に分子量を大きくすることが出来るという効果もある。
ここで、Tgの低い樹脂において、Tgが−30℃より低い樹脂では常温でのタック性が非常に強くなり耐ブロッキング性が悪くなり、10℃よりも高い樹脂では接着力が低下してしまう恐れがある。Tgの低い樹脂として、より好ましくはTgは−20〜10℃であり、更に好ましくは−15〜10℃である。Tgの高い樹脂において30℃よりも低い樹脂では常温でのタック性が強くなり、ブロッキング性が強くなってしまい、Tgの低い樹脂と混合する効果が無くなってしまう。また、Tgが80℃よりも高くなると接着力が低下し、樹脂膜の軟化温度が高くなるために各種基材との貼り合せ(ラミネート)温度が高くなってしまい、十分な接着力を得ることができなくなる。Tgの高い樹脂として、より好ましくは30〜75℃であり、更に好ましくは50〜70℃である。
また、前記接着層に含まれる2種類の樹脂において、−30〜10℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂の割合は、50〜95質量%であることが好ましい。50質量%よりも低くなると接着力が低下し、特に低温環境での繰り返し耐久性(接着性)が低下することがある。95質量%よりも多くなると耐ブロッキング性が低くなってしまう。このTgの低い樹脂の比率はより好ましくは60〜80質量%である。
【0012】
架橋剤の配合としては、イソシアネート基が少なくなると架橋が不十分であるため、低温環境での接着力の低下を抑えることできず架橋剤を添加する効果が見られない。したがって、例えば架橋剤の配合は、イソシアネート基と水酸基の比(NCO/OH)として、0.3〜3.5のモル比が好ましい。0.3よりも少なくなると架橋が不十分であるため、低温環境での接着力の低下を抑えることできず架橋剤を添加する効果が見られない。また、3.5よりも高くなると樹脂膜の硬化が促進され塗膜全体の軟化点が上昇してラミネートが不可能となってしまう。NCO/OHとして好ましくは0.5〜2.5であり、更に好ましくは0.7〜2.0である。
【0013】
本発明の可逆性感熱記録媒体に用いる接着層の樹脂として、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、本発明では樹脂の末端や側鎖に水酸基を持っていることが望ましい。なお、PVC、PET−G、アクリルとPETフィルムとの接着に対しては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂が好ましく、更に好ましくはポリエステル系樹脂である。
【0014】
架橋剤としては、イソシアネート系硬化剤が用いられる。イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等、およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロック化イソシネート類等が挙げられる。中でも特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、このアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましく用いられる。
【0015】
更に接着剤層には耐ブロッキング性を損ねない範囲で接着力向上付与剤を添加することができる。その具体例としてはテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、ロジン誘導体樹脂等が挙げられる。
【0016】
更に耐ブロッキング性の向上のために塗工液中での凝集を悪化させない程度にポリエチレンワックス、カルバナワックス、シリコーンワックス等のワックス類やシリカ、タルク、炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、シリコーン樹脂微粒子、アクリル粒子等のフィラー類を添加してもよい。また、可塑剤や難燃剤等の添加剤を添加してもよい。
【0017】
上記材料から構成される接着層の膜厚は1〜20μmであることが好ましい。1μmより薄くなっては十分な接着力が得ることができず、20μmより厚くなると接着層の膜厚が厚くなり過ぎてラミネート時に媒体の側面から接着剤がはみ出してしまい、媒体表面を汚してしまい消去印字に不良を起こしてしまう。更に好ましくは2〜15μmであり、特に好ましくは5〜15μmである。
接着層と支持体の間には接着性を向上させるための易接着層や中間層、クッション層等を設けても良い。また、支持体上に表面処理を施しても良い。
【0018】
支持体としては耐熱性、引っ張り強度等に優れた強靭なプラスチックフィルムが適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。その中でもPETフィルムを用いることが好ましい。
貼り合わせ用基材としては塩化ビニル樹脂(PVC)、非晶性コポリエステル樹脂(例えばPET−G)、ポリカーボネート樹脂等の単独、あるいは混合されたシートが挙げられる。また、これらの基材をラミネートし、その後表面をアクリル樹脂等で処理したものでも良い。
【0019】
支持体上に接着層を設ける方法として樹脂等を溶剤に溶解して基材に塗布する溶剤コート法と溶剤を介在させない無溶媒コート法があるが、本発明では溶媒コート法を用いるのがよい。これは、ガラス転移点(Tg)に差がある2種類の樹脂とイソシアネート基を持つ架橋剤を用いる場合、これらが混合され加熱して作成されている接着層の膜厚を薄くし、塗布後に架橋させて分子量を増やす方法を行うためには溶媒に溶解して塗布する溶媒コート法で行う必要があるからである。
溶媒の具体例としては水、アルコ−ル類、ケトン類、アミド類、エ−テル類、グリコ−ルエ−テル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
本発明における塗工方法については特に制限はなく、ブレ−ド塗工、ワイヤ−バ−塗工、スプレ−塗工、エアナイフ塗工、ビ−ド塗工、カ−テン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバ−スロ−ル塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の塗工方法や、版印刷法、グラビア法などの凹版印刷法、オフセット方式の平版印刷法、あるいはスクリーン製版を用いた孔版印刷法等の公知の印刷方法を用いることができる。
【0020】
接着層の乾燥・硬化方法は塗布・乾燥後、硬化処理を行なう。恒温槽等を用いて比較的高温で短時間でもよく、また、比較的低温で長時間かけて熱処理してもよい。架橋反応の具体的な条件としては反応性の点から20〜130℃程度の温度条件で1分〜240時間程度加温することが好ましい。
【0021】
本発明の可逆性感熱記録媒体を貼り合わせ用基材に貼り合せる(ラミネートする)ためには熱プレス機等を用いて熱と圧力を加える必要がある。ラミネートするためには先に述べた貼り合わせ用基材を積層し、その貼り合わせ用基材の上面に記録媒体を接着層面が基材と接するように重ねる。例えば厚さ250μmの白色ポリ塩化ビニル樹脂シートを2枚積層したコアシートと、このコアシートの表裏面に厚さ100μmの透明ポリ塩化ビニル樹脂シートをオーバーシートとして積層したもの、また例えば厚さ250μmの白色PET−Gシートを2枚積層したコアシートと、このコアシートの表裏面に厚さ100μmの透明PET−Gをオーバーシートとして積層したものなどが挙げられる。 これらの基材シートと前記可逆性感熱記録媒体を貼り付ける方法として、図1および図2に例示されるように両者を鏡面板と対向するように載置して2枚の鏡面板で挟み込み、熱圧着を行う方法がある。図1は、本発明における可逆性感熱記録媒体と基材シートの熱圧着工程の一例を示す図である。図1において、本発明の可逆性感熱記録媒体3は、基材シート4の上面に記録媒体3の接着層面が基材シート4と接するように積層され、2枚の鏡面板2および熱板1で挟みこまれ熱圧着される。また図2は、本発明における可逆性感熱記録媒体と基体シートの熱圧着工程の別の例を示す図である。図2において、2枚積層されたコアシート6の表裏面にオーバーシート7を積層し、さらに一方のオーバーシート7の上面に記録媒体3の接着層面がオーバーシート7と接するように積層され、2枚の鏡面板2および熱板1で挟みこまれ熱圧着される。
熱としては80〜160℃であることが好ましく、より好ましくは90〜150℃、更に好ましくは100〜140℃である。圧力としては5〜50kgf/cmであることが好ましく、より好ましくは10〜30kgf/cmである。温度と圧力は使用する貼り合わせ用基材によって選択される。なお、加熱圧着時の加熱温度または圧力が上記範囲よりも低い場合には貼り合わせ用基材同士の接着や基材と熱可逆性感熱記録媒体との接着性が十分に得ることが出来ずに剥がれが発生する。また、上記範囲よりも高い場合には、貼り合わせ用基材が溶融し変形する、あるいは可逆性感熱記録媒体への熱と圧力の負荷がかかり印字消去特性に悪い影響を及ぼしてしまう。このような熱圧着は、上記した条件下に、たとえば1時間未満、好ましくは1〜50分間程度保持した状態で行うことができる。なお前記保持時間は、単なる例示であり、本発明では特に限定されるものではない。
【0022】
本発明の可逆性感熱記録媒体に用いられる「色調が可逆的に変化する熱可逆性記録層」とは、温度変化によって目に見える変化を可逆的に起こす材料である。目に見える変化は色の状態の変化と形状の変化に分けられるが、本発明では主に色の状態の変化を起こす材料を使用する。色の状態の変化には、透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の熱可逆性記録材料はこれらの変化の組合せで表示を行っている。より具体的には、熱により透明度や色調が可逆的に変化するものならばなんでも良いが、例えば常温より高い第一の特定温度で第一の色の状態となり、第一の特定温度よりも高い第二の特定温度で加熱し、その後冷却することにより第二の色の状態となるもの、等が挙げられる。特に第一の特定温度と第二の特定温度で色の状態が変化するものが好適に用いられる。
これらの例としては、第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定温度で白濁状態となるもの(特開昭55−154198号公報)、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で消色するもの(特開平4−224996号、特開平4−247985号、特開平4−267190号などの公報)、第一の特定温度で白濁状態となり、第二の特定温度で透明状態となるもの(特開平3−169590号公報)、第一の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第二の特定温度で消色するもの(特開平2−188293号、特開平2−188294号公報)等が挙げられる。この中で特に樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分散した系とロイコ染料と長鎖アルキル顕色剤を用いた系が好ましい。
【0023】
ロイコ染料としては、この種の可逆性感熱記録媒体に用いられる化合物を1種または2種以上用いることができ、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。
長鎖アルキル顕色剤としては、代表例として、たとえば特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−95175号公報などに記載の記録層である。ここで用いる顕色剤は、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能をもつ構造、たとえばフェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基などと、分子間の凝集力を制御する構造、たとえば長鎖炭化水素基が連結した構造を一つ以上もつ化合物である。連結部分にはヘテロ原子を含む2価以上の連結基を介していても良く、また長鎖炭化水素基中にも同様の連結基および/または芳香族基が含まれていても良い。このような可逆性顕色剤の具体例はたとえば特開平9−290563号公報、特開平11−188969号公報に記載に示され、1種または2種以上を混合して用いても良い。
【0024】
熱可逆性記録層には、必要に応じて塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
熱可逆性記録層は、ロイコ染料、顕色剤、種々の添加剤をバインダー樹脂とともに形成する。このとき用いられる樹脂は支持体上にこれらの材料を結着できれば良く、従来公知の樹脂が1種または2種以上を混合して用いられる。なかでも、繰り返し時の耐久性を向上させるため、熱や紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられ、とくにイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などがとくに好ましく用いられる。しかし、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。また、架橋をさせた場合、記録層のゲル分率は30%以上であることが好ましい。これよりも低いと架橋状態が十分でなく耐久性に劣る。この値は50%以上であると更に好ましく、特に好ましくは70%以上である。記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色成分1に対して0.1から10が好ましく、これより少ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。また、本発明におけるバインダー樹脂が架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することが出来る。すなわち、非架橋状態にあるバインダー樹脂は、溶媒中に該樹脂が溶けだし溶質中には残らなくなるためである。
【0025】
硬化剤は、特に限定されるものではないが、好ましくはイソシアネート系硬化剤が用いられる。イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等、およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロック化イソシネート類等が挙げられる。中でも特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、このアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましく用いられる。ただし、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されることにより架橋状態にある樹脂が存在することが示唆されるからである。また更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。
【0026】
熱可逆性記録層は、ロイコ染料、顕色剤、種々の添加剤、バインダー樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いて形成する。塗液調製に用いられる溶媒の具体例としてはアルコール類、ケトン類、エーテル類、グリコールエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を例示することができるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
塗液調製はペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行うことができる。また、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解して急冷または除冷によって析出させても良い。
塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0027】
記録層上には、保護層を設けても良い。保護層は、上記記載の溶媒、バインダー樹脂とともに有機/無機フィラー、紫外線吸収剤、滑剤、着色顔料などを用いることができ、上記記載の分散装置、塗工方法を用いて塗膜を作製することができる。
記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けることが好ましく、これによって発色画像の保存性が改善できる。また、記録層の上に設置される保護層、中間層には、酸素透過性の低い樹脂を用いることにより記録層中の発色剤および顕色剤の酸化を防止または低減することが可能になる。中間層は主に樹脂からなり、必要に応じてフィラーを含んでいてもよい。また、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。中間層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。また、中間層中のフィラーの含有量は体積分率で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。中間層中に前記保護層中に用いられた有機紫外線吸収剤を含有しても良く、その含有量はバインダー100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。中間層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、中間層の塗工方法、中間層の乾燥・硬化方法等は、前記記録層、保護層で用いられた公知の方法を用いることができる。また、発色感度の向上、接着性の向上のために中間層の下にアンダー層を設けても良い。
【0028】
無機フィラーの具体例としては、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物等が挙げられ、有機フィラーの具体例としては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、サリシレート構造、シアノアクリレート構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造などを有する化合物が挙げられる。滑剤の具体例としては、合成ワックス類、植物性ワックス類、動物性ワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類、アミド類などが挙げられる。ただし本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
また、レーザー記録が可能にするためレーザー光を吸収して光を熱に変換する光熱変換層を設けても良い。
【0029】
熱可逆性記録層は、例えば図3に示すプロセスで発色・消色する。はじめ消色状態(A)を昇温していくと、温度T1以上でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。このように記録層は加熱温度および加熱後の冷却速度の制御によって記録消去ができる。
【0030】
また本発明は、前記可逆性感熱記録媒体を含む、情報記憶部を有する部材を提供する。さらに本発明は、可逆性感熱記録媒体における熱可逆性記録層を加熱することにより、画像の形成および/または消去を行う画像処理方法および装置を提供する。
本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて作成された可逆表示部と情報記憶部の両方を設けることにより、情報記憶部に記憶された情報を可逆表示部に表示することで、特別な装置がなくても情報を確認することができ、利便性が向上する。その際に用いられる記憶部は磁気記録層やIC記録部、光メモリーなどが好ましく用いられる。
【0031】
また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、ロール状、シート状、リボン状に加工され、それらを用いてその使用用途に応じた形でラミネート加工され、具体的にはカード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等に加工される。カード状に加工されたものについてはプリペイドカードやポイントカードさらには定期券等の交通アプリケーション、工程管理用のFR−ID、クレジットカードなどへの応用が挙げられ、A4サイズなど一般文書サイズに加工されたシート状のものは、印字/消去装置を用いることにより、試し印字はもちろんのこと、回覧文書や会議資料などに広く用いることができる。
【0032】
本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。好適な加熱部材はサーマルヘッドである。
一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。好適な加熱部材は、サーマルヘッド、セラミックヒーターである。また、記録層を消色温度域に加熱するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。
【0033】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆の感熱記録層を併用しても良く、このときそれぞれの記録層の発色色調は同じでも異なっても良い。また、本発明の可逆性感熱記録媒体の一部分もしくは全面に、オフセット印刷、グラビア印刷などの印刷、またはインクジェットプリンター、熱転写プリンター、昇華型プリンターなどによって任意の絵柄などを施した着色層を設けても良く、さらに着色層上の一部分もしくは全面に硬化性樹脂を主成分とするOPニス層を設けても良い。
【実施例】
【0034】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
なお、以下に示す部および%は、いずれも質量基準である。
【0035】
(実施例1)
・塗布する支持体
25μm厚の透明なポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムHPE)
・記録層
−記録層液の調整−
1)顕色剤(下記構造を有する): 3部
【0036】
【化1】

【0037】
2)ジアルキル尿素(日本化成社製、ハクリーンSB) 1部
3)アクリルポリオール50%溶液(三菱レイヨン社製、LR327) 9部
4)メチルエチルケトン 70部
上記組成物を、ボールミルを用いて平均粒径約1μmまでなるように粉砕分散した。
5)2-アニリノ-3-メチル-6ジブチルアミノフルオラン 1部
6)イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 3部
顕色剤を粉砕分散した分散液に上記組成物を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製した。
【0038】
上記組成の記録層塗布液を光熱変換層、隠蔽層が塗布されているフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥後、60℃24時間キュアーを行って膜厚約10g/mの記録層を設けた。
【0039】
中間層
−中間層液の調整−
1)アクリルポリオール樹脂50%溶液(三菱レーヨン社製、LR327) 3部
2)酸化亜鉛微粒子30%分散液(住友セメント社製、ZS303) 7部
3)イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 1.5部
4)メチルエチルケトン 7部
上記組成物を加え良く攪拌し中間層塗布液を調整した。
前記記録層塗布済みフィルム上に、中間層塗布液をワイヤーバーにて塗布し90℃1分の加熱乾燥後、60℃48時間加熱し、膜厚約1μmの塗布膜を作成した。
【0040】
保護層
−保護層液の調整−
1)ペンタエリスルトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、KAYARAD DPHA)
3部
2)ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業社製、アートレジンUN−3320HA)
3部
3)ジペンタエリスリトールカプロラクトンのアクリル酸エステル
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120) 3部
4)シリカ(水澤化学工業社製、P−526) 1部
5)光重合開始剤(日本チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.5部
6)イソプロピルアルコール 11部
上記組成物を加え良く攪拌して保護層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層塗布済みフィルム上に、保護層塗布液をワイヤーバーにて塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させ、膜厚約3μmの塗布膜を作成した。
【0041】
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=40℃)
30部
2)HDI系イソシアネート架橋剤(固形分75%) 0.9部
3)トルエン 56部
4)メチルエチルケトン 14部
5)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
6)架橋型球状アクリル単分散粒子(粒径15μm、粒度分布13.5〜16.5μm) 0.9部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0042】
(実施例2)
接着層の形成を除いて、実施例1と同様である。
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=5.5℃)
24部
2)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=65℃)
6部
3)HDI系イソシアネート架橋剤(固形分75%) 0.9部
4)トルエン 56部
5)メチルエチルケトン 14部
6)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
7)架橋型球状アクリル単分散粒子(粒径15μm粒度分布13.5〜16.5μm) 0.9部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0043】
(実施例3)
接着層の形成を除いて、実施例1と同様である。
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=5.5℃)
21部
2)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=65℃)
9部
3)HDI系イソシアネート架橋剤(固形分75%) 0.9部
4)トルエン 56部
5)メチルエチルケトン 14部
6)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
7)架橋型球状アクリル単分散粒子(粒径15μm粒度分布13.5〜16.5μm) 2.5部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0044】
(実施例4)
接着層の形成を除いて、実施例1と同様である。
接着層
−接着層液の調整−
1)水溶性飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、Tg=−10℃) 18部
2)水溶性飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、Tg=35℃) 12部
3)HDI系イソシアネート架橋剤(固形分100%) 1.5部
4)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
5)架橋型球状アクリル単分散粒子(粒径15μm粒度分布13.5〜16.5μm) 0.9部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0045】
(実施例5)
25μm厚の透明なポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムHPE)に約400ÅのAlを真空蒸着して光反射層を設けた。その上に
塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 10部
(電気化学工業社製、デンカビニール♯1000P)
メチルエチルケトン 45部
トルエン 45部
よりなる溶液を塗布、加熱乾燥し、約0.5μm厚の接着層を設けた。
次に、塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製、M110)26部をメチルエチルケトン210部に溶解した樹脂溶解液中に
直鎖炭化水素含有化合物(A);下記構造式(1)の材料 3部
【0046】
【化2】

【0047】
直鎖炭化水素含有化合物(B);ベヘン酸ドコシル(ミヨシ油脂社試作品)7部
を加え、ガラス瓶中に直径2mmのセラミックビーズを入れて、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)を用い48時間分散し、均一な分散液を作成した。その分散液にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート2298−90T)4部を加え記録層液を作成し、前記光反射層を有するPETフィルムの接着層上に加熱乾燥した後、65℃24時間加熱し約10μm厚の記録層を設けた。この記録層上に、
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 10部
(大日本インキ化学工業社製、ユニディックC7−157)
イソプロピルアルコール 10部
炭酸カルシウム 3部
よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、80w/cmの紫外線ランプで架橋させ、約3μm厚の保護層膜を作成した。
【0048】
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=5.5℃)
25部
2)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=65℃)
5部
3)HDI系イソシアネート架橋剤(三井武田ケミカル社製、D−170N) 1部
4)トルエン 56部
5)メチルエチルケトン 14部
6)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
7)架橋型球状アクリル単分散粒子(粒径15μm粒度分布13.5〜16.5μm) 0.5部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0049】
(比較例1)
接着層の形成を除いて、実施例1と同様である。
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=5.5℃)
30部
2)トルエン 56部
3)メチルエチルケトン 14部
4)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0050】
(比較例2)
接着層の形成を除いて、実施例1と同様である。
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=65℃)
30部
2)トルエン 56部
3)メチルエチルケトン 14部
4)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0051】
(比較例3)
接着層の形成を除いて、実施例1と同様である。
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=5.5℃)
30部
2)HDI系イソシアネート架橋剤(固形分75%) 0.9部
4)トルエン 56部
5)メチルエチルケトン 14部
6)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
7)シリコン粒子(東芝シリコーン社製トスパール3120 粒径12μm粒度分布8〜23μm)
0.9部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0052】
(比較例4)
接着層の形成を除いて、実施例1と同様である。
接着層
−接着層液の調整−
1)飽和ポリエステル樹脂(固形分30%、トルエン/MEK=8/2:Tg=5.5℃)
30部
2)HDI系イソシアネート架橋剤(固形分75%) 0.9部
3)トルエン 56部
4)メチルエチルケトン 14部
5)多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン社製、SL−02) 0.6部
6)シリコン粒子(東芝シリコーン社製トスパール145 粒径4.5μm) 0.3部
上記組成物を加えて良く攪拌して接着層塗布液を作成した。
前記、記録層、中間層、保護層塗布済みフィルムの反対面に接着層塗布液をワイヤーバーにて塗布し100℃2分の加熱乾燥後50℃48時間加熱し膜厚約10μmの塗布膜を作成した。
【0053】
以上で作成した可逆性感熱記録媒体と透明な塩化ビニルからなるオーバーシート2枚の間に白色の塩化ビニルからなるコアシート2枚を挟みこんだサンプルを圧力15kg/cm、温度130℃、時間20分でラミネートして塩化ビニルシートを含む可逆性感熱記録媒体を作成した。
さらに、可逆性感熱記録媒体と透明な非晶性コポリエステルからなるオーバーシート2枚の間に白色の非晶性コポリエステルからなるコアシート2枚を挟みこんだサンプルを圧力15kg/cm、温度110℃、時間20分でラミネートして非晶性コポリエステルを含む可逆性感熱記録媒体を作成した。
さらにまた、塩化ビニルシートをラミネートしてその表面がアクリル系樹脂で処理された基材に可逆性感熱記録媒体を圧力15kg/cm、温度130℃、時間20分でラミネートしてアクリル処理塩化ビニルシートを含む可逆性感熱記録媒体を作成した。
ラミネートして作成したサンプルは、カードサイズに加工した。
【0054】
評価1(低温環境(5℃)における繰返し耐久性)
上記で作成したカードとカードリーダーライターR28000(九州松下社製)を5℃の環境の恒温恒湿槽へ入れて十分に調温した後に、印字エネルギー0.75mJ/dot、消去温度136℃設定にて消去と印字を繰り返して行い100回実施した。
評価結果を以下の様に判断した。
○:繰返し消去印字を行ったがカードに剥がれが発生せず印字部、消去部ともに明瞭に判断できる。
△:繰返し消去印字を行うと印字部、消去部の一部に剥がれによる不良部分が観察される。
×:繰返し消去印字を行うとカードエッジ部分から剥がれが生じ、100回繰返し使用することが出来ない。
【0055】
評価2(低温環境(5℃)における接着力)
実施例、比較例で作成した薄いフィルム状の可逆性感熱記録媒体を10mm巾のテープ状にカットして、上記貼り合せに使用した塩化ビニルシート(太平化学社製:M1063)、非晶性コポリエステルシート(三菱樹脂社製:PG−CHI)、アクリル(アクリル処理塩化ビニルシート)に対して20kg/cm、120℃、1分にてラミネート試験機(ユニーク社製)にて貼り合せた後、引っ張り試験機(テスター産業)と共に5℃の環境の恒温恒湿槽へ入れて十分に調温する。その後、剥離速度300mm/minで180度剥離を行った。同様に常温環境(22℃)でも測定を行った。
その時の接着強度を以下の様に判断した。
○:接着力が500g/cm以上または基材破断するため十分な接着力がある。
△:接着力が250g/cm以上である。
×:接着力が250g/cm未満である。
【0056】
評価3(媒体表面との耐ブロッキング性の評価)
上記で作成した可逆性感熱記録媒体の記録層面側と接着層を重ねて、50℃環境で3kg/cmの荷重をかけて24時間保持した後に取り出し、両者を剥がして行った。
その時の耐ブロッキング性を以下の様に判断した。
◎:表面層と接着層に貼り付きが全くない。
○:表面層と接着層に多少の貼り付きがあるが問題ない。
△:表面層と接着層の貼り付きが強い。
×:表面層が接着層に貼り付き剥がれが生じる。
【0057】
評価4(接着塗工液中の分散状態)
各実施例、比較例に用いた接着層塗工液の凝集状態(ろ過性)及び作成した可逆性感熱記録媒体の接着層面のザラツキを目視にて観察した。
○:ろ過時のフィルター詰まり、凝集物はなく、接着層塗工面も触手でザラツキはなし。
△:若干ろ過時のフィルターが詰まる傾向はあるが、接着層塗工面のザラツキは少ない。
×:ろ過フィルターに多量の凝集物があり、接着層塗工面もざらついている。
評価結果を下記表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
表1より、本発明によれば、低温環境下において、塩化ビニル、非晶性コポリエステル、アクリル系表面層の各貼り合せ基材について消去と印字を繰り返す耐久性試験を行っても剥離が発生せず、良好な印字と消去を繰り返すことが出来る。また、繰返し耐久性と可逆性感熱記録媒体の記録層面側の表面層と接着層との耐ブロッキング性を両立することが出来る。さらに、接着塗工液中の分散状態も良好であることから塗工性にも優れることが分かる。
【0060】
本発明によれば、低温環境下でも、PVC、PET−G、アクリルのような多様化する貼り合わせ用基材に対して接着力が高く、繰り返し耐久性を有し、かつ記録媒体表面層とのブロッキングのない接着層を有する可逆性感熱記録媒体、該可逆性感熱記録媒体を用いた情報記憶部を有する部材、画像処理方法および画像処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明における可逆性感熱記録媒体と基材シートの熱圧着工程の一例を示す図である。
【図2】本発明における可逆性感熱記録媒体と基材シートの熱圧着工程の別の例を示す図である。
【図3】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 熱板
2 鏡面板
3 可逆性感熱記録媒体
4 基材シート
6 コアシート
7 オーバーシート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に熱により色調が可逆的に変化する熱可逆性記録層を設け、前記支持体の反対面に接着層を有する可逆性感熱記録媒体において、前記接着層が、架橋型球状粒子を含有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【請求項2】
前記架橋型球状粒子が、アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項3】
前記架橋型球状粒子の粒度分布が、平均粒径に対して±10%以内の範囲に粒子が集合する粒度分布であることを特徴とする請求項1または2記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項4】
前記架橋型球状粒子の粒径が、接着層膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項5】
前記架橋型球状粒子の平均粒径が5〜20μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項6】
前記接着層が少なくともガラス転移点(Tg)に差がある2種類の樹脂とイソシアネート基を持つ架橋剤とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項7】
前記接着層に含まれる2種類の樹脂のガラス転移点(Tg)の差が30℃以上であることを特徴とする請求項6に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項8】
前記接着層に含まれる2種類の樹脂が、−30〜10℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂と30〜80℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項9】
前記接着層に含まれる2種類の樹脂において、−30〜10℃のガラス転移点(Tg)を有する樹脂の割合が、50〜95質量%であることを特徴とする請求項8に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項10】
前記接着層に含まれる樹脂に対し、前記架橋型球状粒子が5〜30質量%の割合で含まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項11】
情報記憶部と可逆表示部を有し、前記可逆表示部が少なくとも請求項1〜10のいずれかに記載の熱可逆性感熱記録媒体を有することを特徴とする情報記憶部を有する部材。
【請求項12】
前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジまたはテープカセットであることを特徴とする、請求項11に記載の部材。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、または請求項11または12に記載の情報記憶部を有する部材における熱可逆性記録層を加熱することにより、画像の形成および/または消去を行うことを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
サーマルヘッドを用いて画像を形成するものである請求項13に記載の画像処理方法。
【請求項15】
サーマルヘッドまたはセラミックヒータを用いて画像を消去するものである請求項13に記載の画像処理方法。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、あるいは請求項11または12に記載の情報記憶部を有する部材を搭載し、画像の形成および/または消去を行う手段を具備してなることを特徴とする画像処理装置。
【請求項17】
前記画像の形成手段がサーマルヘッドである請求項16に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記画像の消去手段がサーマルヘッドまたはセラミックヒーターである請求項16に記載の画像処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−76095(P2006−76095A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261738(P2004−261738)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】