説明

可逆性感熱記録材料

【課題】高湿下で保存した際にも支持体と接着層の密着性が良好な可逆性感熱記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を有し、該可逆性感熱記録層とは反対の支持体面に接着層を有する可逆性感熱記録材料において、該接着層がポリウレタン樹脂とブロックイソシアネート組成物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱エネルギーを制御することにより色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一時的な画像の形成が行え、不要となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。可逆性感熱記録材料としては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性を有する顕色剤(以下、可逆性顕色剤とも言う)を用いた感熱記録材料(例えば特許文献1〜3)、塩化ビニル−酢酸ビニル等の樹脂中に高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱記録材料、屈折率の異なるポリマーを二種以上混合した感熱記録材料等が知られている。特に、染料前駆体と可逆性顕色剤とから構成される可逆性感熱記録材料は、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回に渡って可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
【0003】
ICカード等としては可逆性感熱記録層を設けたPETフィルム等の支持体と様々な基材とを熱圧着して作製されることが多く、可逆性感熱記録層を設けていない側の支持体上に接着層を設けることがある(特許文献4〜5参照)。
【0004】
こうした可逆性感熱記録材料は一般に、ロール状に巻き取られた長尺の支持体上に可逆性感熱記録層を塗布、乾燥して、支持体上に可逆性感熱記録層を塗設した後にロール状に巻き取り、該支持体の反対面側に接着層を塗設して再度ロール状に巻き取る、いわゆるロールツーロールの製造方法で製造されることが一般に行われる。しかしながら、このような製造方法にて製造した可逆性感熱記録材料と、別の基材を熱圧着してICカード等を製造した場合、高湿下でのカードの保存中に上記接着層と支持体との密着性が悪化し、この結果、他の基材と可逆性感熱記録層を有する支持体との間で十分な密着性が得られず、改善が求められていた。
【0005】
この密着性の悪化の原因は定かではないが、ロール状に巻き取った際に可逆性感熱記録層形成後に層中に含まれる可逆性顕色剤に代表される低融点物質が可逆性感熱記録層とは反対の支持体面に転写することが原因と推定される。なお低融点物質の転写が原因であれば、例えばロール状に巻き取られた長尺の支持体上に接着層を塗設してロール状に巻き取り、その後、支持体の反対面側に可逆性感熱記録層を塗設すれば上記問題は生じない。しかしながらこのような製造方法で製造すると、可逆性感熱記録層の乾燥時に接着層が溶融する場合があり、得られたロール状の可逆性感熱記録材料を巻き出すことができなくなるという別の問題が生じる。特に前記した特許文献4〜5に記載されるように、可逆性感熱記録層のバインダー樹脂としては、可逆性感熱記録層の繰り返し耐久性を高めるために、イソシアネート化合物に代表される架橋剤により熱硬化させた熱硬化性樹脂を利用することが一般に行われるが、この場合、可逆性感熱記録材料を巻き出すことができなくなるという問題はとりわけ顕著に現れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−210954号公報
【特許文献2】特開平6−210955号公報
【特許文献3】特開平7−125428号公報
【特許文献4】特開2004−212567号公報
【特許文献5】特開2006−076095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高湿下で保存した際にも支持体と接着層の密着性が良好な可逆性感熱記録材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、接着層がポリウレタン樹脂を含有すること、更には接着層が特定のイソシアネート組成物を含有することで、高湿下で保存した際の支持体と接着層との密着性が改善できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、支持体上に通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を有し、該可逆性感熱記録層とは反対の支持体面に接着層を有する可逆性感熱記録材料において、該接着層がポリウレタン樹脂とブロックイソシアネート組成物を含有することを特徴とする可逆性感熱記録材料により、上記した優れた効果が得られることを見出したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、高湿下で保存した際にも支持体と接着層の密着性が良好な可逆性感熱記録材料を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の可逆性感熱記録材料について詳細に説明する。本発明の可逆性感熱記録材料は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成させるものであり、可逆性感熱記録層とは反対の支持体面上に接着層を有し、該接着層中にポリウレタン樹脂とブロックイソシアネート組成物を含有することを特徴とする。こうした構成とすることにより、接着層と支持体間の密着性を改善する。
【0012】
接着層中にブロックイソシアネート組成物を含有させることにより、良好な密着性を得ることができる理由は以下のように推定している。可逆性顕色剤はその構造が界面活性剤に近く、可逆性感熱記録層とは反対面側の支持体上に転写した場合に接着層とPETフィルムの間の結合を阻害する。接着層中にイソシアネート基が存在するときに熱圧着すると、イソシアネート基が可逆性顕色剤の水素結合基と結合し、更に阻害物質が接着層中に取り込まれるため、接着層とPETフィルムが正常に結合する。ところが非ブロック化イソシアネート化合物を添加しても経時により、空気中の水分と反応して失活するためかえって接着性が弱化する。そこでブロックイソシアネート組成物を接着層に添加することで経時した際にもイソシアネート基が反応せずに残存することになり、残存した場合には熱圧着時のみイソシアネート基が反応することで、良好な接着性が得られるものと推定される。
【0013】
本発明の接着層が含有するポリウレタン樹脂としては熱圧着によって軟化する必要があることから分子量50000〜100000、水酸基価が1〜10(KOH mg/g)であるポリウレタン樹脂がより好ましい。ポリウレタン樹脂はイソシアネート化合物とポリオール化合物が架橋したものである。接着層におけるポリウレタン樹脂の割合は接着層の全固形分量に対して70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましい。
【0014】
ポリオール化合物としては、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、シリコーンポリオール、ポリカプトラクトンポリオール、アルキドポリオール等が挙げられる。
【0015】
ポリ(メタ)アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをいい、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミドおよびその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
【0016】
また、ポリエステルポリオールとは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものをいい、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多塩基酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルこはく酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
【0017】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばポリブチロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンポリオールや、前記多塩基酸と多価アルコールに加え高級脂肪酸の3種を縮合して得られるアルキドポリオール等がある。
【0018】
ポリカーボネートポリオールとしては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、あるいは、ポリテトラメチレングリコール等のようなジオール類と、ホスゲン、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、あるいは、エチレンカーボネート等の環式カーボネートとの反応生成物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0019】
ポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応生成物、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸との反応生成物などが例示される。
【0020】
ポリエーテルポリオールとしては、上記多価アルコールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0021】
シリコーンポリオールとしては、分子中にシロキサン結合を有し、かつ末端が水酸基を有するシリコーンオイル類等が挙げられる。
【0022】
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等の環状エステル化合物(即ち、ラクトン類)の開環重合により得られる化合物等が挙げられる。
【0023】
アルキドポリオールとしては、飽和または不飽和の油変性または脂肪酸変性アルキドポリオール、アミノアルキドポリオール等が挙げられる。
【0024】
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、ポリオール水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用できる。更には、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いられる
【0025】
ポリオール化合物と架橋せしめるイソシアネート化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体3量体である3官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。
【0026】
また上記したポリウレタン樹脂は例えば日本ポリウレタン工業株式会社から市販されるニッポラン2301(軟化点80℃)、ニッポラン3113(軟化点45℃)、ニッポラン5120(軟化点100℃)等を入手し、利用することもできる。
【0027】
本発明において接着層が含有するブロックイソシアネート組成物は上記イソシアネート化合物とブロック剤を反応することで得られる。ブロック剤の例としては活性メチレン系、オキシム系、ピラゾール系が挙げられる。活性メチレン系ブロック剤としては、イソブタノイル酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどがある。オキシム系ブロック剤としては、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどが挙げられる。ピラゾール系ブロック剤としては、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールなどが挙げられる。また、ブロックイソシアネート組成物としては市販品を用いても良く、例えばバーノックD−550、バーノックD−500、バーノックDB−980K(いずれもDIC株式会社製、商品名)コロネート2503、コロネート2515、コロネート2507、コロネート2513、コロネートAP−M、ミリオネートMS−50(いずれも日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名)、デュラネート17B−60PX、デュラネートTPA−B80E、デュラネートMF−B60X、デュラネートMF−K60X、デュラネートE402−B80T(いずれも旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名)、BI−7950、BI−7951、BI−7960、BI−7961、BI−7963、BI−7981、BI−7982、BI−7984(いずれもBaxenden製、商品名)等を利用し用いることもできる。
【0028】
接着層に添加するブロックイソシアネート組成物の量は、イソシアネート基とウレタン樹脂の水酸基比(NCO/OH)が0.3〜3.5となる量が望ましい。0.3未満では密着性改善の効果が弱くなる場合があり、3.5より高いと接着層表面と保護層表面が少しの圧力・温度によって貼り付いてブロッキングしてしまう場合がある。
【0029】
接着層には耐ブロッキング性を上げるためにポリエチレンワックス、シリコーンワックス等のワックス類やシリカ、タルク、炭酸カルシウム、シリコーン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子等のフィラー類を添加してもよい。これらワックス類やフィラー類の使用量は接着層が含有するポリウレタン樹脂に対して20質量%以下、より好ましくは15質量%以下とすることが好ましい。
【0030】
本発明に係る接着層の膜厚は1〜15μmであることが好ましい。1μmより薄いと接着効果が得られない場合があり、15μmより厚いと熱圧着時に接着層が軟化してはみ出し熱可逆性記録面を汚してしまう場合がある。
【0031】
本発明に係わる支持体としては、力学的強度、平滑性、耐水性、耐溶剤性、耐熱性の点でポリエステルフィルムが好ましい。ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のフィルムが挙げられる。好ましいポリエステルフィルムとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性、電気絶縁性に優れるPETフィルムまたはPENフィルムが挙げられる。
【0032】
本発明に係わる支持体の厚みは、可逆性感熱記録材料の用途に応じて適宜選択することができるが、10〜2000μmが好ましく、20〜1000μmがより好ましい。
【0033】
熱圧着する基材としては、紙、不織布・織布・編物等の布帛、プラスチックシート、樹脂被覆紙、合成紙が挙げられる。プラスチックシートとしてはポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、PETフィルムおよびポリカーボネート樹脂等の単独、あるいは混合されたシートが挙げられる。また、これらの基材をラミネートし、その後表面をアクリル樹脂等で処理したものでも良い。
【0034】
これら基材中および基材と支持体間にICチップを封入することができる。印字品質の点で基材中に封入することが好ましい。非接触のICチップを封入する場合は、アンテナと共に封入することができる。
【0035】
熱圧着は通常熱プレス機、熱ラミネーター等を用いて行われる。温度と圧力は、使用する貼り合わせ基材および接着層によって設定される。熱圧着温度としては90〜150℃であることが好ましく、圧力としては500〜3000kPaであることが好ましい。圧力および温度が上記範囲より低いときは、基材同士の接着および熱可逆性感熱記録媒体と基材の接着が十分でなく剥がれてしまう場合がある。高いときは、基材の溶融変形および熱可逆性感熱記録媒体が変質することで十分な印字・消色性能が得られなくなる場合がある。この熱圧着は1時間未満、通常3〜45分間上記の状態を維持することで行われる。
【0036】
本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料であり、染料前駆体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロイコ染料等が好適に挙げられる。ロイコ染料としては、フルオラン化合物、アザフタリド化合物を好適に用いることができる。以下、染料前駆体の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン。
【0038】
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン。
【0039】
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(ジ−n−プロピルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン。
【0040】
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−[4−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フェニル]−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
【0041】
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ビス(p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン。
【0042】
2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジ−n−プロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジ−n−プロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン。
【0043】
2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン。
【0044】
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン。
【0045】
これらの染料前駆体は、単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良く、他の色調に発色する染料前駆体を混合することにより調色も行うことができる。また、異なる色調に発色する層を積層したり、平面上に並べたりすることによって、多色可逆性感熱記録材料、フルカラー可逆性感熱記録材料とすることもできる。染料前駆体は、マイクロカプセル化、樹脂被覆化、樹脂との複合粒子化等の処理がなされていても良い。
【0046】
本発明に係わる染料前駆体と可逆性顕色剤を用いて構成される感熱記録層において、可逆性顕色剤は加熱による画像形成だけでなく、記録画像の消去も考慮された顕色剤であり、可逆性顕色剤を使用した感熱記録層は繰り返し表示内容を書き換えることが可能である。通常の感熱記録材料のように、画像形成を一回だけ行う用途にももちろん使用可能である。可逆性顕色剤としては下記一般式1で示される化合物が好ましい。本発明に係わる可逆性顕色剤はそれぞれ一種または二種以上を混合して使用しても良い。
【0047】
【化1】

【0048】
一般式1において、XおよびXはそれぞれ同じであっても、異なってもよい酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。Rは単結合または炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。Rは炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。Rは炭素数1から50の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から36の炭化水素基である。RおよびRは主として、アルキレン基またはアルケニレン基を表し、Rは主としてアルキル基またはアルケニル基を表す。Rの場合は、芳香環を含んでいてもよい。fは0から4の整数を表し、fが2以上のとき繰り返されるRおよびXは同一であっても異なっていてもよい。
【0049】
一般式1中のX、Xは両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCHNHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCHNHCONH−、−NHCONHCHNHCO−)、マロンアミド(−NHCOCHCONH−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)等の基が挙げられるが、好ましくはジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミド、アシルセミカルバジドである。
【0050】
本発明に係わる可逆顕色剤の具体的な例としては、以下の構造式(1−1)から構造式(1−16)に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
【化2】

【0052】
【化3】

【0053】
本発明に係わる可逆性感熱記録層は、支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも染料前駆体、可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層塗液を塗工・製膜することによって形成される。染料前駆体、可逆性顕色剤を可逆性感熱記録層塗液に含有させるための方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し、均一化した後に冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いても良い。
【0054】
溶媒または分散媒としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、スチレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用できる。
【0055】
可逆性感熱記録層の強度を向上させる等の目的で、可逆性感熱記録層にバインダー樹脂を添加することも可能である。バインダー樹脂の具体例としては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのバインダー樹脂の役割は、可逆性感熱記録層中に含まれている各素材が画像記録や画像消去の熱印加によって、片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。従って、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。耐熱性、耐水性、接着性が要求される場合、硬化性樹脂は特に好ましい。
【0056】
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂が特に好ましい。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、製膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびポリオール樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール化合物をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
【0057】
ポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物は、具体的には接着層が含有するポリウレタン樹脂を構成するポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物で例示したものと同種であり、用いるポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の混合物は、それぞれが液状の場合はそのままの混合物で用いても良いが、更にポリイソシアネート化合物と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を溶解し、かつ染料前駆体や可逆性顕色剤を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、染料前駆体および可逆性顕色剤を可逆性感熱記録層塗液に含有させるための方法で例示した溶剤が使用できる。中でも、ポリイソシアネート化合物と反応性のある活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度30〜160℃、反応時間1分〜120時間で行えば良い。なお、反応温度が低い場合は長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
【0058】
可逆性感熱記録層におけるバインダー樹脂の使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー樹脂の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると著しく発色濃度が低下する場合がある。逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度の低下、層の変形、発色濃度の低下が起きる場合がある。可逆性感熱記録層における該バインダー樹脂の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下が特に好ましい。
【0059】
可逆性感熱記録層塗液には、必要に応じて、バインダー樹脂を加えることができるが、更に、塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的に、レベリング剤、分散剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、老化防止剤、フィラー、顔料、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色染顔料、蛍光増白剤、消色促進剤、防腐剤等を可逆性感熱記録層に含有させることができる。
【0060】
可逆性感熱記録層に硬化性樹脂が含有されている場合、加熱、紫外線照射、電子線照射を行う。紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を用いて行うことができ、例えば、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置等を備えたものが挙げられる。光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプ等が挙げられる。光源の波長は、光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。紫外線照射の出力や搬送速度は、紫外線硬化性樹脂を架橋するために必要な照射エネルギーに応じて決定される。
【0061】
可逆性感熱記録層の発色感度および/または消色温度を調整するための添加剤である消色促進剤としては、60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等のアミド化合物、N−ブチル−N′−ステアリル尿素、N−ステアリル−N′−ステアリル尿素、N−(1−(4−メチル)ピペラジニル)−N′−オクタデシル尿素、N−(1−ピロリル)−N′−ヘキサデシル尿素等の尿素化合物、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
【0062】
可逆性感熱記録層の老化を防止する目的で添加される老化防止剤としては、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アルドール−α−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、安息香酸エステル類等が挙げられる。その他、o−フェニレンチオ尿素、2−アミノベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル、酸化亜鉛、パラフィン等が挙げられる。また、これらの老化防止剤構造を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖に老化防止剤構造をグラフト化したものも用いることができる。二種類以上の老化防止剤を組み合わせて用いることもできる。
【0063】
可逆性感熱記録層に添加することができる顔料等としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、およびゼオライト、シリカ、カオリン、焼成カオリン、タルク等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。また、滑剤としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩等を使用することができる。
【0064】
可逆性感熱記録層の膜厚は、その組成と所望の発色濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。
【0065】
繰り返し使用時の耐久性を高める目的で、可逆性感熱記録層の上に保護層を設けることができる。保護層は、単層でも、2層または3層以上の複数の層から構成されていても良い。保護層は、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有していることが好ましく、特に電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては、可逆性感熱記録層で使用可能なバインダー樹脂として例示した樹脂が使用できる。また、更に耐久性を高める、あるいは光沢度を調整する目的で顔料を配合したり、滑剤として高級脂肪酸金属塩等を配合したりしても良い。顔料、高級脂肪酸金属塩としては、可逆性感熱記録層で例示した化合物が使用可能である。
【0066】
保護層の膜厚は、0.1〜10μmの範囲が好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。膜厚が10μmを超えると効果が飽和するばかりか、可逆性感熱記録層の感度が低下しやすい。膜厚が0.1μmより小さいと予期した塗層強度が得られにくく、塗層に傷が入りやすくなる。
【0067】
本発明において、耐候性改良等を目的に可逆性感熱記録層と保護層の間に中間層を設けたり、発色感度向上等を目的に支持体と可逆性感熱記録層の間にアンダーコート層を設けたり、光反射層や空気層を設けても良い。中間層には紫外線吸収剤を含有しても良い。また、支持体の片面のみに可逆性感熱記録層を設ける場合、もう一方の面にバックコート層を設けても良い。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サルチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤等を挙げることができる。アンダーコート層には中空粒子を含有しても良い。これらの層は、単層でも、2層以上の複数の層から構成されていても良い。また、これらの層は熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有していることが好ましい。
【0068】
本発明において、支持体上に設けられた保護層、中間層、アンダーコート層等には、必要に応じて、レベリング剤、分散剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、硬膜剤、防腐剤、フィラー、着色染顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、顔料、滑剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0069】
本発明の可逆性感熱記録材料には、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷;インクジェット記録層、熱転写受像層、昇華型熱転写受像層等の印字記録層を設けても良い。これらの印刷、印字記録層は、可逆性感熱記録層と積層して設けても良いし、可逆性感熱記録層と同一面の一部に設けても良い。印字記録層上に部分的にまたは全面的に硬化性樹脂を主成分とするオーバープリントニス(OPニス)層等を設けても良い。
【0070】
本発明における各層を支持体上に積層し、可逆性感熱記録材料を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロールおよびトランスファロールコーター、ロールコーター、コンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。更に通常の乾燥工程の他、紫外線照射または電子線照射により、更には加熱等によるエージング等により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
【0071】
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、記録画像の消去を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロック等を押し当てるなどして急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却するため、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、およびタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱されるために熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
【0072】
加熱に使用するレーザーとしては、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。半導体レーザー、YAGレーザーよる加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、例えば白金、チタン、ケイ素、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属または半金属の層、インモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物、ポリメチン化合物等の光熱変換色素が挙げられ、可逆性感熱記録層に分散状態または分子状態で含有することができる。好ましい光熱変換色素としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性、紫外光に対する耐光性の点でフタロシアニン化合物および金属錯体化合物が挙げられ、特にフタロシアニン化合物が好ましい。可逆性感熱記録層に近接して光熱変換層を設ける場合は、銅薄膜やITO等の金属膜による光熱変換層を用いることもできる。
【0073】
フタロシアニン化合物の例としては、ナフタロシアニン化合物、無金属フタロシアニン化合物、鉄フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、ニッケルフタロシアニン化合物、バナジルフタロシアニン化合物、塩化インジウムフタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物等が好ましく、より好ましくは、バナジルフタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物である。本発明に用いられるフタロシアニン化合物は吸収波長の調節、溶媒への溶解度の向上、耐光性の改良等の目的で、芳香環に置換基を有しても良い。置換基としては、アルキルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミド基、アミノ基、アルキルエステル基、アリールエステル基、塩素原子、フッ素原子等が挙げられる。芳香環に置換基が二つ以上ある場合に、それらは同一であっても異なっていても良く、また置換基同士が結合して環を形成しても良い。
【0074】
光熱変換色素の使用量は、使用する光源の発振波長における吸光度が0.2以上になるように設定することが好ましい。この量より少ないと十分な発熱が得られず、記録感度が低下する。一方、光熱変換色素は可視部にも若干の吸収を有しており、使用量が多すぎるとコントラストの低下をもたらす。400nmから700nmの平均透過率が60%以上確保できるよう、光熱変換色素の使用量の上限を設定することが好ましい。光熱変換色素は、二種類以上を混合して用いることもできる。
【0075】
光熱変換色素は、ロイコ染料と可逆性顕色剤を含有する層に対して、同一の層か隣接する層の少なくとも一方に含有されることが好ましく、同一の層に含有されることが良好な感度を得る上でより好ましい。
【実施例】
【0076】
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量基準である。
【0077】
(実施例1)
(A)可逆性感熱記録層塗液の調製
染料前駆体として、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン20部、可逆性顕色剤として例示化合物(1−3)を100部、消色促進剤としてN−(1−(4−メチル)ピペラジニル)−N′−オクタデシル尿素5部、ポリエステルポリオール(DIC株式会社製、商品名:バーノック11−408、有効成分:70質量%)60部、メチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間分散し、分散液を得た。こうして得た分散液に、ポリイソシアネート化合物(三井化学株式会社製、商品名:タケネートD−110N、有効成分:75質量%)90部とメチルエチルケトン62部とを加えて十分に混合し、可逆性感熱記録層用塗液を調製した。
【0078】
(B)可逆性感熱記録層塗液の塗工
厚さ23μm、幅560mmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを2000m巻き取ったロールからPETフィルムを巻き出し、上記(A)で得た可逆性感熱記録層塗液を、マイクログラビアコーターにより乾燥後の膜厚が8μmとなるように連続塗布し、100℃1分の乾燥条件で乾燥した後、ロール状に巻き取った。
【0079】
(C)接着層塗液の調製
ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ニッポラン2301、有効成分40質量%)100部、ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートMF−K60X、有効成分60質量%)4部(NCO/OH=2.2)およびメチルエチルケトン180部を加えて十分に混合し、接着層塗液を調製した。
【0080】
(D)接着層塗液の塗工
上記(B)において巻き取られたPETフィルム(可逆性感熱記録層塗布済み)を再度巻き出し、可逆性感熱記録層とは反対の面に、上記(C)で得た接着層塗液を乾燥後の膜厚が5μmになるようにマイクログラビアコーターにより塗布し、60℃1分の乾燥条件で乾燥して接着層を設けた後にロール状に巻き取り、実施例1の可逆性感熱記録材料を得た。
【0081】
(実施例2)
実施例1(C)で、ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートMF−K60X、有効成分60質量%)4部を用いる代わりに、ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートMF−B60X、有効成分60質量%)3部(NCO/OH=2.0)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の可逆性感熱記録材料を得た。
【0082】
(実施例3)
実施例1(C)で、ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートMF−K60X、有効成分60質量%)4部を用いる代わりに、ブロックイソシアネート(DIC株式会社製、商品名:バーノックD−550、有効成分55質量%)2部(NCO/OH=1.1)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の可逆性感熱記録材料を得た。
【0083】
(比較例1)
実施例1(C)で、ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートMF−K60X、有効成分60質量%)4部を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の可逆性感熱記録材料を得た。
【0084】
(比較例2)
実施例1(C)で、ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートMF−K60X、有効成分60質量%)4部を用いる代わりに、イソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネートHL、有効成分75質量%)2部(NCO/OH=2.1)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の可逆性感熱記録材料を得た。
【0085】
(比較例3)
実施例1(C)で、ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ニッポラン2301、有効成分40質量%)100部を用いる代わりに、飽和ポリエステル樹脂(東亞合成株式会社製、商品名:PES−355S30)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の可逆性感熱記録材料を得た。
【0086】
(試験1)密着性試験
上記実施例1〜3および比較例1〜3にて得られた可逆性感熱記録材料の一部を裁断し、白色塩化ビニルシート(太平化学製品株式会社製、商品名:8527、厚さ280μm)と、接着層が塩化ビニルシートと接するように重ね、ステンレス製鏡面板で挟み、1500kPa、130℃にて30分間熱圧着した。得られたシートの可逆性感熱記録材料と基材との密着性を引っ張り試験器(株式会社オリエンテック製STA−1150)にて測定し評価した。
【0087】
(試験2)耐湿密着性試験
上記実施例1〜3および比較例1〜3にて得られた可逆性感熱記録材料の一部を裁断し50℃90%RHにて1週間保存した。その後試験1と同様に熱圧着した。得られたシートの可逆性感熱記録材料と基材との密着性を引っ張り試験器(株式会社オリエンテック製STA−1150)にて測定して評価した。
【0088】
密着性は以下の基準で判定した。
◎:支持体が破断
○:支持体が破断せず3.5N/cm以上
×:3.5N/cm未満
【0089】
試験1、試験2の結果を表1に示す。
【0090】
【表1】

【0091】
また○以下の評価であったものについては剥離が生じた面を観察した。この結果、いずれのシートにおいてもPETフィルムと接着層の界面において剥離が生じていた。
【0092】
以上の結果から明らかなように、本発明により、高湿下で保存した際にも支持体と接着層の密着性が良好な可逆性感熱記録材料が得られることが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を有し、該可逆性感熱記録層とは反対の支持体面に接着層を有する可逆性感熱記録材料において、該接着層がポリウレタン樹脂とブロックイソシアネート組成物を含有することを特徴とする可逆性感熱記録材料。

【公開番号】特開2012−116129(P2012−116129A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268910(P2010−268910)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】