説明

可逆熱変色遮光性−透光性積層体

【課題】 可逆熱変色像が着色時には不透明で高い遮光性を有するため、明瞭な像を視認でき、無色透明時には高い透光性を有すると共に像の形状が視認され難い装飾性に富む可逆熱変色遮光性−透光性積層体を提供する。
【解決手段】 透明性支持体2上に、可逆熱変色性組成物を内包した平均粒子径が0.01〜3.0μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を、透明性樹脂に分散、固着した可逆熱変色像3を設けてなり、前記可逆熱変色像表面の表面粗さ(Ra)が0.1〜15μmであり、前記可逆熱変色像表面の表面粗さと、可逆熱変色像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差が2.0以下である可逆熱変色遮光性−透光性積層体1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可逆熱変色遮光性−透光性積層体に関する。更に詳細には、温度変化によって色と透過度が変化する可逆熱変色像を設けた可逆熱変色遮光性−透光性積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度変化により無色透明と着色不透明の互変性を示して変色する積層体としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を透明性樹脂中に分散した可逆熱変色層を支持体上に設けた積層体が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
前記積層体は、熱変色性能によって可逆熱変色層が無色透明時に高い透光性を有し、着色不透明時には高い遮光性(隠蔽効果)を有する積層体であって、前記可逆熱変色層を透明性支持体の全面に設ける場合は、無色透明時の高い透光性と着色不透明時の高い遮光性を共に満足させることができるとしても、透明性支持体上に可逆熱変色層を部分的に設ける(可逆熱変色像を設ける)場合、可逆熱変色像が無色透明時に高い透光性を有しているにもかかわらず像の形状が視認されるといった不具合を生じ易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−234119号公報
【特許文献2】特開2007−237602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、透明性支持体上に無色透明と着色不透明の互変性を示して変色する可逆熱変色像を設けた積層体について更に検討を重ねた結果、可逆熱変色像が着色時には不透明で高い遮光性を有するため、明瞭な像を視認でき、無色透明時には高い透光性を有すると共に像の形状が視認され難い可逆熱変色遮光性−透光性積層体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、透明性支持体上に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の三成分から少なくともなる可逆熱変色性組成物を内包した平均粒子径が0.01〜3.0μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を、透明性樹脂に分散、固着した可逆熱変色像を支持体上に設けてなり、前記可逆熱変色像表面の表面粗さ(Ra)が0.1〜15μmであり、前記可逆熱変色像表面の表面粗さと、可逆熱変色像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差が2.0以下である可逆熱変色遮光性−透光性積層体、或いは、透明性支持体上に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の三成分から少なくともなる可逆熱変色性組成物を内包した平均粒子径が0.01〜3.0μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を、透明性樹脂に分散、固着した可逆熱変色像と、前記可逆熱変色像表面を覆う透明性樹脂像を設けてなり、前記透明性樹脂像表面の表面粗さ(Ra)が0.1〜15μmであり、前記透明性樹脂像表面の表面粗さと、透明性樹脂像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差が2.0以下である可逆熱変色遮光性−透光性積層体を要件とする。
更には、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、0.01〜2.0μmの粒子が全マイクロカプセル顔料中40体積%以上であること、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の見かけ屈折率が1.45〜1.55の範囲にあり、且つ、透明性樹脂は前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の見かけ屈折率の±0.1の範囲にある樹脂であること、前記支持体の裏面に鏡面反射層を設けてなること等を要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、可逆熱変色像が着色時には不透明で高い遮光性を有するため、明瞭な像を視認でき、無色透明時には高い透光性を有すると共に像の形状が視認され難い装飾性に富む可逆熱変色遮光性−透光性積層体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明可逆熱変色遮光性−透光性積層体の一実施例の要部縦断面図である。
【図2】本発明可逆熱変色遮光性−透光性積層体の他の実施例の要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に可逆熱色性組成物の(イ)、(ロ)、(ハ)成分について化合物を例示する。
本発明の(イ)成分である電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられる。
以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ジフェニルアミノフルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン、
2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3´,6´−ビス〔フェニル(2−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン等を挙げることができる。
更には、蛍光性の黄色乃至赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
【0009】
前記(ロ)成分の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合物群等があり、特に芳香環を2又は3個有する化合物が用いられる。
前記化合物としてはフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、更に置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
4−(1−メチルエトキシフェニル)スルホニルフェノール、
4−(4−ブチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、
4−(4−ペンチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、
4−(4−ヘキシルオキシフェニル)スルホニルフェノール、
4−(4−ヘプチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、
4−(4−オクチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
1−フェニル−1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン、
1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、それらの金属塩や、芳香族カルボン酸、カルボン酸金属塩から選ばれる化合物等であってもよい。
【0010】
(ハ)前記(イ)、(ロ)による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化合物としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類を挙げることができ、そのうち、芳香環を1又は2個有するエステル類が好適に用いられる。
前記エステル類のうち、マイクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するので、安定的にカプセル内に保持させるために、炭素数10以上のエステル類が好適に用いられ、液体状態で1.46〜1.52の範囲の屈折率を有するものが遮光性−透光性に優れる。
【0011】
前記エステル類のうち、分子中に芳香環を1個有するエステル化合物としては、例えば、安息香酸セチル、安息香酸ステアリル、安息香酸ベヘニル、2−メチル安息香酸ステアリル、4−tert−ブチル安息香酸セチル、4−tert−ブチル安息香酸ステアリル、パルミチン酸ベンジル、ステアリン酸ベンジル、ミリスチン酸−p−メチルベンジル、パルミチン酸−p−メチルベンジル、ステアリン酸−p−メチルベンジル、4−メトキシ安息香酸デシル、4−メトキシ安息香酸ステアリル、カプリン酸−4−クロロフェニルメチル、カプリン酸−4−メトキシフェニルメチル、パルミチン酸フェニルエチル、ステアリン酸フェニルエチル、ステアリン酸−4−イソプロピルフェニルメチル等が挙げられる。
【0012】
分子中に芳香環を2個有するエステル化合物としては、例えば、安息香酸フェニル、4−tert−ブチル安息香酸フェニル、アジピン酸ジフェニルエチル、セバシン酸ジベンジル、セバシン酸ジ−p−メチルベンジル、セバシン酸ジ−p−メチルベンジル、1,10−デカメチレンジカルボン酸ジベヘンジルエステル、1,10−デカメチレンジカルボン酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,18−オクタデカメチレンジカルボン酸フェニルエチルエステル、カプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ラウリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル等が挙げられる。
【0013】
その他、必要に応じて融点が60℃以上のエーテル類、エステル類、ケトン類、酸アミド類、脂肪酸類、芳香族炭化水素類から選ばれる化合物を(ニ)変色温度調整剤として可逆熱変色性組成物中に添加することもできる。
(ニ)成分により、消色温度と着色温度の幅(即ち、ヒステリシス幅)を狭めることができ、(ハ)成分に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%含有すると効率的にヒステリシス幅を調整できる。
【0014】
前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分からなる必須3成分、更に必要に応じて(ニ)成分を含むことにより可逆熱変色性組成物を得ることができる。
尚、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。
【0015】
更に、前記可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するために光安定剤を含有させることができる。
前記光安定剤としては、(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する紫外線吸収剤、酸化防止剤や、カロチン類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類等の一重項酸素消光剤、オキシドジスムスターゼとコバルト、及びニッケルの錯体等のスーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等の酸化反応を抑制する化合物を挙げることができる。
【0016】
前記可逆熱変色性組成物はマイクロカプセルに内包させて、マイクロカプセル顔料として使用される。これにより、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物を同一の組成に保ち、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、同一の作用効果を奏することができる。
前記マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
尚、前記マイクロカプセル中に可逆熱変色性組成物を内包する際、前記光安定剤は可逆熱変色性組成物と共にマイクロカプセルに内包してもよいし、色材として適用される際に用いられるビヒクル中に添加することもできる。又、前記光安定剤をマイクロカプセルに内包すると共に、ビヒクル中にも添加することができる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、見かけ屈折率が1.45〜1.55の範囲になるものが好適に用いられ、後述する透明性樹脂との組み合わせにより消色時の透明性を向上させることができる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の見かけ屈折率は屈折率の異なるシリコーンオイルを用意し、その中に測定するマイクロカプセル顔料を投入・分散したものを分光光度計〔(株)日立製作所製、自記分光光度計U−3210型を使用〕にて特定波長(400nm以上700nm以下)の透過率を測定し、透過率とシリコーンオイルの屈折率とをプロットし、透過率が最大となった時のシリコーンオイルの屈折率を適用する。
【0017】
前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は0.01〜3.0μm、好ましくは0.1〜1.5μm、より好ましくは0.1〜1.0μmに設定される。平均粒子径が前記範囲を満たすことにより、透明性を向上させることができる。
平均粒子径が0.01μmを下回ると、良好な可逆熱変色性能が得られず、また、壁膜自体が薄膜化するために、2次加工時における耐久性が乏しくなって実用性を満足し難くなる。また、粒子径が3.0μmを越えると、カプセル顔料自体の光透過性が極端に低下するため可逆熱変色像の消色時の透明性が低下する。
前記平均粒子径は、堀場製作所製、レーザー式粒度分布測定機(LA−300)を使用し、そのメジアン径を平均粒子径とし、体積%も測定する。
また、前記マイクロカプセル顔料において、内包される可逆熱変色性組成物とマイクロカプセル壁膜の重量比率が7:1〜1:1、好もしくは6:1〜1:1、より好ましくは5:1〜1:1の範囲になるように設定することが有効である。カプセル壁膜の比率が前記範囲より大になると、発色時の色濃度及び鮮明性が低下してしまい、小になると、充分な壁膜強度が得られ難くなる。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.01〜3.0μmの範囲を満たす系において、光を乱反射し難い0.01〜2.0μmのマイクロカプセル顔料を全マイクロカプセル顔料中に40体積%以上、好ましくは50体積%以上、より好ましくは60体積%以上含有することによって、消色時の透明性に優れ、いっそう像の形状を視認し難くすることができる。
前記マイクロカプセル顔料のうち、0.01〜1.5μmの粒子径のマイクロカプセル顔料が全体に占める割合は顕微鏡にて粒度別に数をカウンターし、その全体量から上記条件に合致するものの割合を計算した。
更に、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.1〜1.5μmの場合、0.01〜1.0μmのマイクロカプセル顔料を全マイクロカプセル顔料中に50体積%以上、好ましくは60体積%以上、より好ましくは70体積%以上含有することによって、より消色時の透明性に優れ、いっそう像の形状が視認され難くすることができる。
更に、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.1〜1.0μmの場合も同様に、0.01〜1.0μmのマイクロカプセル顔料を全マイクロカプセル顔料中に50体積%以上、好ましくは60体積%以上、より好ましくは70体積%以上含有することによって、より消色時の透明性に優れ、いっそう像の形状が視認され難くすることができる。
【0018】
前記マイクロカプセル顔料は、バインダーとなる透明性樹脂を含む媒体中に分散されて、インキ、塗料などの色材として適用され、透明性支持体上に可逆熱変色像を形成する。
前記透明性樹脂としては、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の見かけ屈折率の±0.1の範囲にある樹脂が好適に用いられ、更に好ましくは、±0.7の範囲のものが用いられる。前記範囲内の樹脂を用いることで、可逆熱変色像の消色時の透明性をより高めることができる。
前記透明性樹脂として具体的には、メチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、前記支持体の裏面に鏡面層を設けることにより、鏡のような反射機能を付与することができる。
なお、前記可逆熱変色像上には、該可逆熱変色像を覆う透明性樹脂像を設けることもできる。
前記透明性樹脂を形成する樹脂としては、前記可逆熱変色像を形成する透明性樹脂と同様のものが用いられ、接着性と透明性の観点から可逆熱変色像と同一の樹脂が好適に用いられる。
【0019】
前記マイクロカプセル顔料及び透明性樹脂からなる可逆熱変色像は、公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装、等の手段により透明性支持体に形成することができる。
【0020】
前記透明性支持体の材質としては、プラスチック、ガラスが挙げられる。
【0021】
前記可逆熱変色像は、像表面の表面粗さ(Ra)が0.1〜15μm、好ましくは0.2〜10μm、であり、且つ、前記可逆熱変色像表面の表面粗さと、可逆熱変色像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差を2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下にすることにより、可逆熱変色像が無色透明時に高い透光性を有すると共に像の境界が判別し難くなり、その結果、像の形状を視認し難くすることができる。
前記可逆熱変色像の表面粗さ(Ra)が15μmを超えると、可逆熱変色像が無色透明時に高い透光性を損ない易く、透明性支持体を通して反対側の様相を視認でき難くなるため、商品性を損なうことになる。
また、可逆熱変色像表面の表面粗さと、可逆熱変色像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差が2.0を越えると、可逆熱変色像が無色透明時に像の形状が視認され易くなる。
なお、表面粗さは東京精密社製表面粗さ形状測定機サーフコム1400を使用し、その中心線平均値(Ra)を測定し、計算する。
また、前記可逆熱変色像表面を覆う透明性樹脂像を設ける場合は、透明性樹脂像表面の表面粗さ(Ra)が0.1〜15μm、好ましくは0.2〜10μm、であり、且つ、前記透明性樹脂像表面の表面粗さと、透明性樹脂像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差を2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下にすることにより、可逆熱変色像が無色透明時に高い透光性を有すると共に像の境界が判別し難くなり、その結果、像の形状を視認し難くすることができる。
前記透明性樹脂像の表面粗さ(Ra)が15μmを超えると、可逆熱変色像が無色透明時に高い透光性を損ない易く、透明性支持体を通して反対側の様相を視認でき難くなるため、商品性を損なうことになる。
また、透明性樹脂像表面の表面粗さと、透明性樹脂像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差が2.0を越えると、可逆熱変色像が無色透明時に像の形状が視認され易くなる。
【実施例】
【0022】
以下に本発明の実施例を示す。尚、実施例中の部は質量部である。
実施例1
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の製造
(イ)電子供与性呈色性有機化合物として4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン3部、(ロ)電子受容性化合物として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−デカン8部、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4部、(ハ)反応媒体としてステアリン酸ベンジル(液体状態の屈折率:1.472)50部からなる可逆熱変色性組成物を、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマーを用いてマイクロカプセル化し、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記マイクロカプセル顔料は43℃以上で無色、15℃以下で青色に色変化する顔料であり、平均粒子径は1.88μm、0.01〜2μmの粒子径の割合は70体積%であった。また、見かけ屈折率は1.49であった。
【0023】
可逆熱変色遮光性−透光性材料の調製
前記マイクロカプセル顔料7部、アクリルポリオール樹脂(固形分50%)40部、キシレン46部、ヘキサメチレンジイソシアネート7部を均一に攪拌して可逆熱変色遮光性−透光性材料を得た。
なお、前記アクリルポリオール樹脂の硬化被膜の屈折率は1.49である。
【0024】
可逆熱変色遮光性−透光性積層体の作製
透明性支持体2〔表面粗さ(Ra):2.74μm〕として透明メタクリル樹脂で成形された10cmの立方体表面の一部に、前記可逆熱変色遮光性−透光性材料をスプレー塗装し、70℃で30分間乾燥して可逆熱変色像を形成した。
なお、透明性支持体全面に対して、可逆熱変色像を設けた部分の面積は70%であった。
前記可逆熱変色像の表面粗さ(Ra)は3.54μmであり、透明性支持体の表面粗さ(Ra)との差は0.8であった。
また、立方体内部には人形を封入してなる。
前記可逆熱変色遮光性−透光性積層体は、10℃以下に冷却すると可逆熱変色性組成物が発色して青色の不透明な可逆熱変色像が視認されるため、内部の人形は視認し難くなる。また、45℃以上に加温すると可逆熱変色性組成物が消色して可逆熱変色像は透明になり、しかも、透明性支持体表面と可逆熱変色像表面の表面粗さ(Ra)の差が小さいことから、
可逆熱変色像の境界が判別し難くなり、よって、像の形状を視認し難いため、内部の人形を明瞭に視認することができた。
【0025】
実施例2
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の製造
(イ)電子供与性呈色性有機化合物として4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン3部、(ロ)電子受容性化合物として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−デカン8部、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4部、(ハ)反応媒体としてステアリン酸ベンジル(液体状態の屈折率:1.472)50部からなる可逆熱変色性組成物を、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマーを用いてマイクロカプセル化し、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記マイクロカプセル顔料は43℃以上で無色、15℃以下で青色に色変化する顔料であり、平均粒子径は2.9μm、0.01〜2μmの粒子径の割合は40体積%であった。また、見かけ屈折率は1.49であった。
【0026】
可逆熱変色遮光性−透光性材料の調製
前記マイクロカプセル顔料7部、アクリルポリオール樹脂(固形分50%)40部、キシレン46部、ヘキサメチレンジイソシアネート7部を均一に攪拌して可逆熱変色遮光性−透光性材料を得た。
なお、前記アクリルポリオール樹脂の硬化被膜の屈折率は1.49である。
【0027】
可逆熱変色遮光性−透光性積層体の作製
透明性支持体〔表面粗さ(Ra):2.74μm〕として透明メタクリル樹脂で成形された10cmの立方体表面の一部に、前記可逆熱変色遮光性−透光性材料をスプレー塗装し、70℃で30分間乾燥して可逆熱変色像を形成した。
なお、透明性支持体全面に対して、可逆熱変色像を設けた部分の面積は70%であった。
次いで、前記可逆熱変色像上に、アクリルポリオール樹脂(固形分50%)40部、キシレン51.9部、ヘキサメチレンジイソシアネート7部、紫外線吸収剤1部、レベリング剤0.1部を均一に攪拌した透明性塗料をスプレー塗装し、70℃で30分間乾燥して透明性樹脂像を形成した。
前記透明性樹脂像の表面粗さ(Ra)は3.64μmであり、透明性支持体の表面粗さ(Ra)との差は0.9であった。
また、立方体内部には人形を封入してなる。
前記可逆熱変色遮光性−透光性積層体は、10℃以下に冷却すると可逆熱変色性組成物が発色して青色の不透明な可逆熱変色像が視認されるため、内部の人形は視認し難くなる。また、45℃以上に加温すると可逆熱変色性組成物が消色して可逆熱変色像は透明になり、しかも、透明性支持体表面と透明性樹脂像表面の表面粗さ(Ra)の差が小さいことから、
透明性樹脂像及び可逆熱変色像の境界が判別し難くなり、よって、像の形状を視認し難いため、内部の人形を明瞭に視認することができた。
【0028】
実施例3
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の製造
(イ)電子供与性呈色性有機化合物として1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン3部、(ロ)電子受容性化合物として1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン8部、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4部、(ハ)反応媒体としてカプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル(液体状態の屈折率:1.513)50部、(ニ)変色温度調整剤としてジヘプタデシルケトン5部からなる可逆熱変色性組成物を壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマーを用いてマイクロカプセル化し、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記マイクロカプセル顔料は63℃以上で無色、0℃以下でピンク色に変色する顔料であり、平均粒子径は2.1μm、0.01〜0.2μmの粒子径の割合は40体積%であった。また、見かけ屈折率は1.51であった。
【0029】
可逆熱変色遮光性−透光性材料の調製
前記マイクロカプセル顔料7部、アクリルポリオール樹脂(固形分50%)40部、キシレン46部、ヘキサメチレンジイソシアネート7部を均一に攪拌して可逆熱変色遮光性−透光性材料を得た。
なお、前記アクリルポリオール樹脂の硬化被膜の屈折率は1.49である。
【0030】
可逆熱変色遮光性−透光性積層体の作製
透明性支持体2〔表面粗さ(Ra):0.5μm〕として透明PETフィルム裏面に、アルミ蒸着させて鏡面反射層4を設けた。
次いで、透明PETフィルム表面の一部に前記可逆熱変色遮光性−透光性材料をスプレー塗装し、70℃で30分間乾燥してハート型の可逆熱変色像3を形成した。
なお、透明性支持体全面に対して、可逆熱変色像を設けた部分の面積は60%であった。
前記可逆熱変色像の表面粗さ(Ra)は0.7μmであり、透明性支持体の表面粗さ(Ra)との差0.2であった。
前記可逆熱変色遮光性−透光性積層体は、0℃以下になると可逆熱変色性組成物が発色してピンク色の不透明な可逆熱変色像が視認され、その部分は鏡面作用を有さなかった。また、63℃以上に加温すると可逆熱変色性組成物が消色して可逆熱変色像が透明になり、
しかも、透明性支持体表面と可逆熱変色像表面の表面粗さ(Ra)の差が小さいことから、
可逆熱変色像の境界が判別し難くなり、よって、像の形状を視認し難いため、全面が鏡として使用できた。
【0031】
比較例1
実施例1の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径を7.1μmに調整し、0.01〜2μmの粒子径の割合を2体積%にしたマイクロカプセル顔料を用いた以外は同様の方法により可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色像の表面粗さ(Ra)は20μmであり、透明性支持体の表面粗さ(Ra)との差17.26であった。
前記積層体は10℃以下に冷却すると可逆熱変色性組成物が発色して青色の不透明な可逆熱変色像が視認されるため、内部の人形は視認し難くなる。
また、45℃以上に加温すると可逆熱変色性組成物が消色するものの、可逆熱変色像は透明性に乏しく内部の人形を明瞭に視認することができないと共に、透明性支持体表面と可逆熱変色像表面の表面粗さ(Ra)の差が大きいことから、可逆熱変色像の境界が判別し易く、よって、像の形状が視認される商品価値の低いものであった。
【0032】
比較例2
実施例2の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径を8.3μmに調整し、0.01〜2μmの粒子径の割合を1体積%にしたマイクロカプセル顔料を用いた以外は同様の方法により可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色像の表面粗さRaは18μmであり、透明性支持体の表面粗さ(Ra)との差は17.5であった。
前記積層体は0℃以下になると可逆熱変色性組成物が発色してピンク色の不透明な可逆熱変色像が視認され、その部分は鏡面作用を有さなかった。
また、63℃以上に加温すると可逆熱変色性組成物が消色するものの、可逆熱変色像は透明性に乏しく、全面が鏡として使用できないと共に、透明性支持体表面と可逆熱変色像表面の表面粗さ(Ra)の差が大きいことから、可逆熱変色像の境界が判別し易く、よって、像の形状が視認される商品価値の低いものであった。
【符号の説明】
【0033】
1 可逆熱変色遮光性−透光性積層体
2 透明性支持体
3 可逆熱変色像
4 鏡面反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明性支持体上に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の三成分から少なくともなる可逆熱変色性組成物を内包した平均粒子径が0.01〜3.0μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を、透明性樹脂に分散、固着した可逆熱変色像を設けてなり、前記可逆熱変色像表面の表面粗さ(Ra)が0.1〜15μmであり、前記可逆熱変色像表面の表面粗さと、可逆熱変色像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差が2.0以下である可逆熱変色遮光性−透光性積層体。
【請求項2】
透明性支持体上に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の三成分から少なくともなる可逆熱変色性組成物を内包した平均粒子径が0.01〜3.0μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を、透明性樹脂に分散、固着した可逆熱変色像と、前記可逆熱変色像表面を覆う透明性樹脂像を設けてなり、前記透明性樹脂像表面の表面粗さ(Ra)が0.1〜15μmであり、前記透明性樹脂像表面の表面粗さと、透明性樹脂像を設けていない箇所の透明支持体表面の表面粗さの差が2.0以下である可逆熱変色遮光性−透光性積層体。
【請求項3】
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、0.01〜2μmの粒子が全マイクロカプセル顔料中40体積%以上である請求項1又は2記載の可逆熱変色遮光性−透光性積層体。
【請求項4】
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の見かけ屈折率が1.45〜1.55の範囲にあり、且つ、透明性樹脂は前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の見かけ屈折率の±0.1の範囲にある樹脂である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可逆熱変色遮光性−透光性積層体。
【請求項5】
前記支持体の裏面に鏡面反射層を設けてなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可逆熱変色遮光性−透光性積層体。

【図1】
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【図2】
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