説明

台間遊技媒体貸出し装置

【課題】電子マネーを利用した遊技システムにおいて、遊技終了時に、台間遊技媒体貸出装置で預かった電子マネーの残金の返却を忘れた場合であっても、他人が遊技媒体の貸出しを受け、結果的に預かり金が盗まれることを防止する台間遊技媒体貸出装置を提供する。
【解決手段】この遊技システム100は、パチンコホールやパチスロホールなどの遊技店1と、ネットワーク2と、電子マネー決済会社が運営する電子マネー決済センタ3とを備えて構成される。そして遊技店1には、店舗内の電子マネーを管理する電子マネー管理装置4と、パチンコ玉やメダル等を貸出す台間機5と、ローカルネットワーク6と、電子マネー媒体7とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台間遊技媒体貸出し装置に関し、さらに詳しくは、遊技媒体の貸出しを電子マネーで支払う場合の遊技システムにおける電子マネーの処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、Suica(登録商標)やEdy(登録商標)等のように、ICカードや携帯電話端末等に電子マネーをチャージしておき、そのICカード等を利用してコンビニエンスストア等で買い物ができるようにした電子マネーシステムが導入されつつある。このような電子マネーシステムでは、例えば買い物をする前にICカード等に電子マネーをチャージし、買い物をしたときにICカード等に記憶された電子マネー残金より減額する方法がとられている。また、電子マネー決済会社は、ICカード等から電子マネーを減額したことを電子マネーを利用した1つの取引と認定し、電子マネーの利用(減額)金額の数%程度を電子マネー利用手数料として減額し、コンビニエンスストア等の電子マネーで支払いを受けた店舗に代金の支払いをする仕組みとなっている。
そして従来よりこのような電子マネーを、パチンコホールやパチスロホールなどの遊技店内の遊技媒体(パチンコ玉やメダル等)の貸出し代金の支払いに使用する方法が知られている。
例えば特許文献1では、ICカードに記憶された電子マネーの金額を遊技媒体の貸出しに利用されるプリペイド価値に変換し、プリペイド価値より貸出しを行い余ったプリペイド価値を再度、ICカードの電子マネーに変換する方法が開示されている。また、台間機に電子マネーのICカードやプリペイドカードを挿入して上述の変換を行う方法も併せて開示されている。
【特許文献1】特開2004−243011公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術では、ICカードに記憶されている電子マネーをプリペイド価値に変換した時点で、電子マネーを利用した1つの取引が成立したこととなり、電子マネーの手数料が発生する。実際にはプリペイド価値の一部で遊技し、余ったプリペイド価値から電子マネーに変換を行なって精算した場合でも、電子マネー決済会社は当初変換したプリペイド価値に対応する手数料を徴収するため、遊技店は客に精算した分について売上がないのにもかかわらず電子マネー手数料を支払わなければならないという問題が発生する。また、電子マネーからプリペイド価値に変換した後に、他の電子マネーのICカードに入れ替えてしまえば、プリペイド価値から電子マネーに変換することにより、電子マネー価値を贈与したり、トイレ等に行くために一時的に遊技台から離れた隙に電子マネー価値を盗難される可能性があるという問題があった。
特許文献1の問題を回避するための手段として、同一出願人より、非接触型電子マネー記憶媒体(ICカード、携帯電話端末等)に記憶された電子マネーを、電子マネー記憶媒体の媒体管理番号と関連付けて、台間遊技媒体貸出装置に預け入れ、預け入れた電子マネー(預入金)により遊技媒体の貸出しを行い、遊技終了時に預入金の残金がある場合は、台間遊技媒体貸出装置のボタン等を操作し、預入れたときと同一の媒体管理番号を持った電子マネー記憶媒体を近づけることにより、預入金を電子マネー記憶媒体に返金する台間遊技媒体貸出装置が出願されている。しかしながら、前記出願では、遊技終了時に預入金の残金を電子マネー記憶媒体に返金することを忘れてしまうことがあり、返金を忘れた場合に、他人が遊技媒体の貸出しを受けることができ、結果的に預入金を盗むことができるという欠点があった。
また、前記出願では、トイレ等に行くために一時的に遊技台から離れるときに、ボタン操作と電子マネー記憶媒体を近づけることにより、一時的に遊技媒体の貸出しを禁止して、他人が遊技媒体の貸出しを受け、預入金が盗まれることを防止する手段が出願されているが、トイレ等に行くために遊技台から離れるときに、遊技媒体の貸出しを禁止する操作を忘れた場合に、他人が遊技媒体の貸出しを受けることができ、結果的に預入金を盗むことができるという欠点があった。
本発明はかかる課題に鑑み、電子マネーを利用した遊技システムにおいて、遊技終了時に、台間遊技媒体貸出装置で預かった電子マネーの残金の返却を忘れた場合であっても、他人が遊技媒体の貸出しを受け、結果的に預かり金が盗まれることを防止する台間遊技媒体貸出装置を提供することを目的とする。
また、他の目的は、トイレ等に行くために遊技台から離れるときに、遊技媒体の貸出しを禁止する操作を忘れた場合であっても、他人が遊技媒体の貸出しを受け、結果的に預かり金が盗まれることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、を備え、予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止にすることを特徴とする。
本発明は、読出手段により読み出した電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号と残高から、遊技をするための預かり金を媒体管理番号に関連付けて預り金記憶手段に記憶し、この預かり金を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額し、遊技媒体の貸出しを行う場合に預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段を更に備え、予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、他人により預かり金を盗まれないようにするために自動的に遊技媒体の貸出しを禁止するものである。
請求項2は、電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、を備え、遊技機から供給される当選情報と関連付けて、自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止にすることを特徴とする。
本発明は、読出手段により読み出した電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号と残高から、遊技をするための預かり金を媒体管理番号に関連付けて預り金記憶手段に記憶し、この預かり金を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額し、遊技媒体の貸出しを行う場合に預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額し、遊技機から供給される当選情報と関連付けて、自動的に遊技媒体の貸出しを禁止にするものである。
【0005】
請求項3は、電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止設定する禁止設定手段と、を備え、前記電子マネー記憶媒体と関連付けて前記禁止設定を解除できることを特徴とする。
本発明は、読出手段により読み出した電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号と残高から、遊技をするための預かり金を媒体管理番号に関連付けて預り金記憶手段に記憶し、この預かり金を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額し、遊技媒体の貸出しを行う場合に預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額し、予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、自動的に遊技媒体の貸出しを禁止設定する禁止設定手段を更に備え、電子マネー記憶媒体と関連付けて遊技媒体の貸出しの禁止設定を解除できるようにしたものである。
【0006】
請求項4は、電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、遊技機から供給される当選情報と関連付けて自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止設定する禁止設定手段と、を備え、前記電子マネー記憶媒体と関連付けて前記禁止設定を解除できることを特徴とする。
本発明は、読出手段により読み出した電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号と残高から、遊技をするための預かり金を媒体管理番号に関連付けて預り金記憶手段に記憶し、この預かり金を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額し、遊技媒体の貸出しを行う場合に預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額し、遊技機から供給される当選情報と関連付けて自動的に遊技媒体の貸出しを禁止設定する禁止設定手段を更に備え、子マネー記憶媒体と関連付けて貸出しの禁止設定を解除できるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、席を離れるときに他人に勝手に操作されないように、予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、自動的に遊技媒体の貸出しを禁止にするので、第三者により無断で遊技媒体を貸出されることを防止することができる。
また請求項2では、遊技機から供給される当選情報と関連付けて、自動的に遊技媒体の貸出しを禁止にするので、席を離れるときに、第三者により無断で遊技媒体を貸出されることを防止することができる。
また請求項3では、予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、自動的に遊技媒体の貸出しを禁止した設定を、電子マネー記憶媒体と関連付けて禁止設定を解除できるので、本人だけが行い得る操作により、遊技を再開することができるので、電子マネー価値の盗難を防止する上で効果を奏する。
また請求項4では、遊技機から供給される当選情報と関連付けて自動的に遊技媒体の貸出しを禁止した設定を、電子マネー記憶媒体と関連付けて禁止設定を解除できるので、本人だけが行い得る操作により、遊技を再開することができるので、電子マネー価値の盗難を防止する上で効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明にかかわる電子マネーを利用した遊技システムの全体構成を示すブロック図である。この遊技システム100は、パチンコホールやパチスロホールなどの遊技店1と、ネットワーク2と、電子マネー決済会社が運営する電子マネー決済センタ3とを備えて構成される。そして遊技店1には、店舗内の電子マネーを管理する電子マネー管理装置4と、パチンコ玉やメダル等を貸出す台間機5と、ローカルネットワーク6とを備えており、電子マネー媒体7を所有する客に対してサービスを提供可能としている。
遊技店1はネットワーク2を介して、電子マネー決済会社が運営する電子マネー決済センタ3に接続されている。電子マネー決済センタ3では遊技店1等から送られてきた電子マネー利用データに基づき、電子マネーで遊技媒体貸出し等の代金の支払いを受けた遊技店に、電子マネー利用手数料を減額して、代金を支払う業務を行っている。
また遊技店1内には、店舗内の電子マネーを管理する電子マネー管理装置4と、パチンコ玉やメダル等を貸出す台間機5が設置されており、それらは遊技店内のローカルネットワーク6を介して接続されている。また、7は電子マネー媒体と使用者の少なくともひとつを特定するための媒体管理番号と、電子マネー残高等が記憶されている電子マネー記憶媒体(携帯電話端末やICカード等)を示している。
【0009】
また本発明における台間機5は、電子マネー記憶媒体7が近づけられたときに、電子マネー記憶媒体7のメモリに記憶されている媒体管理番号と電子マネー残高データを読み出す手段(読出手段)と、電子マネー記憶媒体7から読み出した媒体管理番号を記憶する手段と、電子マネー記憶媒体7から読み出した前記電子マネー残高の少なくとも一部の電子マネー残高を預かり金として記憶する手段(預かり金記憶手段)と、台間機5に預かり金として記憶した電子マネー残高を電子マネー記憶媒体7のメモリに記憶されている電子マネー残高から減額する手段(減額手段)を有する。
また、遊技終了後に台間機5に記憶されている預かり金の残高がある場合は、台間機5のボタンを操作し、預かり金を減額した電子マネー記憶媒体7を近づけることにより、電子マネー記憶媒体7の電子マネー残高に返金する手段(返金手段)を有する。
預かり金を電子マネー記憶媒体7に返金した場合、または預かり金の残高がなくなった場合、台間機5はローカルネットワーク6を介して、電子マネー管理装置4に電子マネー媒体と使用者の少なくともひとつを特定する媒体管理番号と、遊技媒体の貸出しのために使用した電子マネーの利用金額を通知する手段を有する。
また電子マネー管理装置4は台間機5から通知された媒体管理番号と電子マネー利用金額に、電子マネー管理装置4を特定する番号(管理装置番号)等を付加し、ネットワーク2を介して電子マネー決済センタ3に通知する手段を有する。
また電子マネー決済センタ3は、電子マネー管理装置4から通知された管理装置番号より使用店舗を特定し、電子マネー利用金額にあった手数料を減額して、利用代金を使用店舗等に支払う。
【0010】
図2はICカード等に実装されているメモリのデータ構造(メモリエリア)の一例を示す図である。このICカード(電子マネー記憶媒体)7のIC8内部のメモリには、当該ICカード1であることを特定する媒体管理番号8aと、使用できる電子マネーの残高である電子マネー残高8bと、を記憶している。
媒体管理番号(ID)8aは電子マネー記憶媒体を特定するために電子マネー記憶媒体毎にユニークに付与された番号である。また、電子マネー残高8bは使用できる電子マネーの残高である。電子マネー記憶媒体7のメモリに少なくとも電子マネー残高8bと媒体管理番号8aを記憶することで、電子マネー利用可能額と媒体の特定が可能となる。また、詳細は省略するが、媒体管理番号と電子マネー発行会社の使用者のデータを照合することにより、使用者を特定することも可能となる。
【0011】
図3は本発明における台間機の構造の一例を示す図である。5aはテンキーを、5bは操作部を、5cは表示部を、5dは電子マネー記憶媒体処理部を示している。操作部5bは、預かり金確定ボタン5b1、返金ボタン5b2、遊技禁止ボタン5b3、遊技禁止解除ボタン5b4で構成する。またテンキー5aは、電子マネーの預かり金の金額を指定するためのものである。表示部5cは、電子マネーの預かり金額等を表示するためのものである。電子マネー記憶媒体処理部5dは、電子マネー記憶媒体7を近づけられた時に電子マネー記憶媒体に記憶されているデータの読込み・書込み、およびデータの解析等の処理を行うものである。また、テンキー5aは、電子マネーの預かり金の金額指定ができる手段の一例を示しており、テンキーの構造に固定するものではなく、例えば、10000円、5000円等の金額ボタンとしてもいい。さらに、電子マネーの預かり金を、例えば、残高全額や10000円等であらかじめ固定的にすれば、テンキーや金額ボタン等の電子マネー預かり金の指定手段は、実装しなくてもかまわない。操作部5bは、預かり金確定操作の手段、預かり金の返金操作の手段、遊技禁止操作の手段、遊技禁止解除操作の手段の一例を示しており、ボタンの構成等を固定するものではなく、例えば、遊技禁止操作の手段と、遊技禁止解除操作の手段を1つのボタンで実現してもかまわない。
【0012】
図4は本発明における台間機のブロック構成例を示す図である。同じ構成要素には図3と同じ参照番号を付して説明する。テンキー部5aは、電子マネーの預かり金の金額を指定するためのものである。操作部5bは預かり金確定操作の手段、預かり金の返金操作の手段を有するブロックである。表示部5cは数字表示機(7セグメント)やLED等で構成され、電子マネーの預かり金額の表示手段を有するブロックである。電子マネー記憶媒体処理部5dは、アンテナとデータ送受信回路等で構成され、電子マネー記憶媒体7を近づけたときに、電子マネー記憶媒体7に記憶されている媒体管理番号8aと電子マネー残高8b等のデータを読み出す手段と、読み出した前記データを制御部5eに通知する手段と、制御部5eから通知された電子マネー残高データ等を電子マネー記憶媒体7に書き込む手段を有するブロックである。制御部5eはマイクロプロセッサ等が実装され、台間機5の制御処理を行うブロックである。電子マネー一時預かり部5fは、不揮発性メモリ等で構成され、媒体管理番号と電子マネー預かり金額等のデータを記憶しておくブロックである。遊技媒体貸出し部5gは、パチンコ玉やメダル等の遊技媒体を貸し出す手段を有するブロックである。例えば、CR遊技機の場合は、CR遊技機と接続され、CR遊技機より通知された貸出し要求信号に基づき、CR遊技機に遊技媒体の貸出し指示信号を送出する。日付時刻部5hは、電子マネー使用履歴や遊技禁止時間等を管理するための台間機内での日付、時刻等の時間管理手段を有するブロックである。通信部5iは、ローカルネットワーク6を介して電子マネー管理装置4と、電子マネー使用金額や使用履歴等を通信する手段を有するブロックである。
【0013】
図5は台間機の電子マネー一時預かり部内に実装されたメモリ構造の一例を示す図である。媒体管理番号5f1は、電子マネー媒体から読み出した媒体管理番号を記憶するメモリである。電子マネー預かり金額5f2は、電子マネーの預かり金額の残高を記憶するメモリである。電子マネー使用金額5f3は、遊技媒体の貸出しに使用した電子マネーの金額を記憶するメモリである。遊技媒体貸出し可否フラグ5f4は、電子マネー預かり金の使用を許可・禁止するためのフラグを記憶するメモリである。貸出可タイマー値5f5は、電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出可能時間を制限するタイマー値を記憶するメモリである。
【0014】
図6は台間機への電子マネー預け入れ動作例を示すフローチャートである。
遊技者は台間機に実装されているテンキー部5aから、電子マネー預かり金の金額を入力し(S1)、台間機の預かり金確定ボタン5b1を押下する(S2)。台間機の制御部5eは入力された電子マネー預かり設定金額を記憶する(S3)。次に、遊技者は電子マネー記憶媒体7を台間機の電子マネー記憶媒体処理部5dに近づける(S4)。台間機の電子マネー記憶媒体処理部5dは電子マネー記憶媒体より電子マネー残高8bと媒体管理番号8aを読み出し(S5)、制御部5eに通知する。制御部ではS5で読み出した媒体管理番号と電子マネー一時預かり部5fに記憶されている媒体管理番号5f1を確認し(S6)、媒体管理番号が一致している場合、または電子マネー一時預かり部5fに記憶されている媒体管理番号5f1が初期化されている場合(S7でY)は、S5で読み出した電子マネー残高とS3で記憶されている電子マネー預かり設定金額を比較し(S8)、残高があった場合(S9でY)は電子マネー一時預かり部5fに媒体管理番号5f1と、電子マネー預かり金額5f2にS3で記憶した電子マネー預かり設定金額を加算して記憶し(S10)、S3で記憶した電子マネー残高から電子マネー預かり設定金額を減額し、電子マネー記憶媒体7の電子マネー残高8bに書込み(S11)、貸出可タイマー値5f5を初期化し(S12)、遊技媒体貸出可否フラグ5f4に許可を記憶して(S13)、遊技媒体の貸出を可能とする。遊技者は電子マネー記憶媒体を台間機よりはなす操作を行う(S14)。
S6で電子マネー一時預かり部5fに媒体管理番号5f1が記憶されていて、S5で読み出した媒体管理番号と不一致の場合(S7のN)は電子マネー預かり設定金額を加算しない。
S8で電子マネー残高が不足していた場合(S9のN)は、電子マネー預かり設定金額を加算しない。なお、電子マネー預かり設定金額を加算しない場合は、表示部5cに加算しなかったことを表示しても良い。
なお、本フローでは電子マネー一時預かり部5fの電子マネー預かり金額5f2に電子マネー設定金額を加算する例を示しているが、電子マネー預かり金額5f2の残金がなくなった場合のみに新たな電子マネー預かり金を受け付ける方式とし、電子マネー預かり設定金額で電子マネー預かり金額5f2を書き換える方式にしても良い。
以上、説明した方法により、電子マネーを台間機に預け入れることが可能となる。また、電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出可能時間を制限する貸出可タイマーの設定が可能となる。
【0015】
図7は電子マネーを使用して遊技媒体の貸出しを受ける場合の動作例を示すフローチャートである。図7では説明を簡単にするため、CR遊技機の場合を例として示しているが、本発明はCR遊技機に限定するものではない。
遊技者はCR遊技機に実装されている遊技媒体貸出ボタンを押下する(S15)。台間機は遊技媒体貸出し部5gより遊技媒体貸出ボタン押下を検出したら、電子マネー一時預かり部の遊技媒体貸出し可否フラグ5f4を確認し(S16)、貸出許可中の場合(S17でY)は電子マネー一時預かり部の電子マネー預かり金額5f2に遊技媒体貸出金額以上の残高があるか確認する(S18)。残高があった場合(S19でY)は、電子マネー預かり金額5f2から遊技媒体貸出金額を減額し、電子マネー使用金額5f3に遊技媒体貸出金額を加算し、計算結果をそれぞれ電子マネー預かり金額5f2と電子マネー使用金額5f3に記憶する(S20)。台間機は遊技媒体貸出金額分の遊技媒体の貸出を遊技媒体貸出し部5gよりCR遊技機に指示する(S21)。なお、S21のCR遊技機への指示は、S16の動作と前後してもかまわない。
【0016】
次に、電子マネー預かり金額5f2の残高を確認し(S22)、残高がゼロとなった場合(S23のN)は、電子マネー使用金額等を電子マネー決済センタ3に通知するため、台間機は通信部5iを経由して電子マネー管理装置4に少なくとも媒体管理番号5f1と電子マネー使用金額5f3を通知する(S24)。また、通知データには台間機の日付時刻部5hで管理されている日付データや時刻データ等を付与して通知しても良い。
前記通知が完了した後、少なくとも媒体管理番号5f1と電子マネー使用金額5f3を含む電子マネー一時預かり部5fのメモリを初期化する(S25)。
前記S16で遊技媒体貸出し可否フラグ5f4が貸出不可中の場合は、遊技媒体の貸出は行わない。
前記S18で電子マネー預かり金額が不足した場合(S19のN)は、遊技媒体の貸出しは行わない。なお、貸出しを行わなかった場合は、表示部5cに貸出しを行わなかったことを表示しても良い。
また、前記S22で預かり金額の残高がゼロでなかった場合(S23のN)は、貸出可タイマー値5f5を初期化し(S26)、遊技媒体の貸出可能時間を延長する。
以上、説明した方法により、電子マネーを使用して遊技媒体の貸出を受けることが可能となる。また、電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出可能時間を制限する貸出可タイマーの設定が可能となる。
【0017】
図8は電子マネー預かり金残高を電子マネー記憶媒体に返金する場合の動作例を示すフローチャートである。台間機に預け入れた電子マネーの残高を電子マネー記憶媒体に返金させたい遊技者は、返金ボタン5b2を押下し(S31)、電子マネー記憶媒体を台間機に近づける(S32)。台間機の電子マネー記憶媒体処理部5dは電子マネー記憶媒体より電子マネー残高8bと媒体管理番号8aを読出し(S33)、制御部5eに通知する。制御部では読み出した媒体管理番号と電子マネー一時預かり部5fに記憶されている媒体管理番号5f1を確認し(S34)、一致していた場合(S35でY)に、S33で読み出した電子マネー残高に電子マネー一時預かり部の電子マネー預かり金額5f2を加算して電子マネー記憶媒体の電子マネー残高8bに書き込む(S36)。
次に、電子マネー使用金額等を電子マネー決済センタ3に通知するため、台間機は通信部5iを経由して電子マネー管理装置4に少なくとも媒体管理番号5f1と電子マネー使用金額5f3を通知する(S37)。また、通知データには台間機の日付時刻部5hで管理されている日付データや時刻データ等を付与して通知しても良い。
前記通知が完了した後、少なくとも媒体管理番号5f1と電子マネー使用金額5f3を含む電子マネー一時預かり部5fのメモリを初期化する(S38)。遊技者は電子マネー記憶媒体を台間機よりはなす操作を行う(S39)。なお、S36の電子マネー記憶媒体の電子マネー残高の書込み後であれば、遊技者はS39の操作を実行しても良い。
S34の媒体管理番号の確認で不一致になった場合は、電子マネー記憶媒体の電子マネー残高の書込みを行わない。
以上、説明した方法により、台間機に預け入れた電子マネーの残金を、預け入れ時と同一の電子マネー記憶媒体に返金することが可能となる。また、媒体管理番号と電子マネー使用金額を、電子マネー管理装置を経由して電子マネー決済センタに通知することで、電子マネーの使用金額に対して手数料を徴収することが可能となる。
【0018】
図9は貸出可タイマーのカウント動作例を示すフローチャートである。台間機の日付時刻部5hで一定時間ごとに貸出可タイマーのカウントタイミングが作成され、カウント動作が起動される。カウント動作が起動された場合は、電子マネー一時預かり部のメモリに記憶されている貸出可タイマー値5f5を確認し(S41)、貸出可タイマー値が0でなかった場合(S42でN)は、確認した貸出可タイマー値から1カウント減算して貸出可タイマー値5f5に記憶し(S43)、記憶した貸出可タイマー値を確認し、0だった場合(S44でY)は遊技媒体貸出可否フラグ5f4に禁止を記憶する。
S41で記憶されている貸出可タイマー値を確認し、貸出可タイマー値が0だった場合(S42のY)は、貸出可タイマー値の減算は行わない。また、S43で貸出可タイマー値を減算した後に、貸出可タイマー値が0でなかった場合(S44のN)は遊技媒体貸出可否フラグに禁止を記憶しない。
なお、本フローでは、説明を簡単にするために貸出可タイマー値を1カウントずつ減算し、ゼロになった場合に遊技媒体貸出可否フラグを禁止にする方法を示したが、貸出可タイマー値の動作を1カウントずつ減算に固定するものではない。例えば、1カウントずつ加算し、あらかじめ定められたタイマー値になった場合に遊技媒体貸出可否フラグを禁止にする方法をとっても良い。また、タイマーのカウント設定値は、常に一定値である必要はなく、例えば電子マネーを電子マネー記憶媒体から電子マネー一時預かり部5fに移行してから一回目の媒体貸出しが行なわれるまでの設定値と、二回目以降の媒体貸出し時の設定値とを異ならせても良い。
以上、説明した方法により、遊技媒体の貸出が予め設定した時間行われなかった場合に、電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出を禁止することが可能となる。
【0019】
図10は電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出禁止解除設定の動作例を示すフローチャートである。遊技者が電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出禁止中に遊技を再開したい場合、遊技禁止解除ボタン5b3を押下し(S51)、電子マネー記憶媒体を台間機に近づけることにより(S52)、台間機の電子マネー記憶媒体処理部5dは電子マネー記憶媒体より媒体管理番号8aを読出し(S53)、制御部5eに通知する。制御部では読み出した媒体管理番号と電子マネー一時預かり部5fに記憶されている媒体管理番号5f1を確認し(S54)、一致していた場合(Y55でY)に、電子マネー一時預かり部5fの遊技媒体貸出し可否フラグ5f4を許可に記憶し、貸出可タイマー値5f5を初期化する(S56)。
遊技者は電子マネー記憶媒体を台間機よりはなす操作を行う(S57)。
S54の媒体管理番号の確認で不一致だった場合は、遊技媒体貸出し可否フラグに許可を記憶する動作は行わない。
本フローでは、遊技者が電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出禁止中に遊技を再開したい場合、遊技禁止解除ボタン5b3を押下した後、電子マネー記憶媒体を台間機に近づけて、遊技媒体の貸出し禁止を解除する方法を示したが、台間機に遊技禁止解除ボタンの実装をせずに、遊技媒体の貸出禁止中に電子マネー記憶媒体を近づけることにより遊技媒体の貸出禁止を解除する方法をとってもいい。
以上、図6、図7、図9、図10で説明したように、遊技媒体の貸出を予め設定された時間受けなかった場合に、遊技媒体の貸出を自動的に禁止することにより、遊技者が遊技終了時に、台間遊技媒体貸出装置で預かった電子マネーの残金の返却を忘れた場合や、トイレ等に行くために一時的に遊技台から離れるときに、遊技媒体の貸出しを禁止する操作を忘れた場合であっても、他人が遊技媒体の貸出しを受け、結果的に預かり金が盗まれることを防止することが可能である。
【0020】
以上はタイマーによるカウントと媒体貸出し操作とに基づいて貸出し禁止を行なう例を説明したが、遊技機の「大当たり」等の当選情報に基づいて貸出し禁止を行うようにしても良い。周知のように、遊技機で大当たりすると多量の出玉が得られ、以降は持ち球による遊技が可能となるため、貸出機による貸出し操作はしばらく不要となる。よって、大当たりが当選した時点、或いは大当たりが当選してある程度の出玉が得られた時点、又は大当たりが終了した時点で貸出し禁止のフラグを記憶するようにしても良い。
図11はタイマーによる貸出し禁止手順に「大当たり」に基づく禁止手順を追加した場合のフローチャートである。同じステップには図9と同じ参照番号を付して説明する。このフローチャートではステップS46が追加されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明にかかわる電子マネーを利用した遊技システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】ICカード等に実装されているメモリのデータ構造(メモリエリア)の一例を示す図である。
【図3】本発明における台間機の構造の一例を示す図である。
【図4】本発明における台間機のブロック構成例を示す図である。
【図5】台間機の電子マネー一時預かり部内に実装されたメモリ構造の一例を示す図である。
【図6】台間機への電子マネー預け入れ動作例を示すフローチャートである。
【図7】電子マネーを使用して遊技媒体の貸出しを受ける場合の動作例を示すフローチャートである。
【図8】電子マネー預かり金残高を電子マネー記憶媒体に返金する場合の動作例を示すフローチャートである。
【図9】貸出可タイマーのカウント動作例を示すフローチャートである。
【図10】電子マネー預かり金を利用した遊技媒体の貸出禁止解除設定の動作例を示すフローチャートである。
【図11】貸出可タイマーのカウント動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
1 遊技店、2 ネットワーク、3 電子マネー決済センタ、4 電子マネー管理装置、5 台間機、6 ローカルネットワーク、7 電子マネー媒体、100 遊技システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、を備え、
予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止にすることを特徴とする台間遊技媒体貸出し装置。
【請求項2】
電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、を備え、
遊技機から供給される当選情報と関連付けて、自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止にすることを特徴とする台間遊技媒体貸出し装置。
【請求項3】
電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、予め設定された時間内に遊技媒体の貸出しがされなかった場合に、自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止設定する禁止設定手段と、を備え、
前記電子マネー記憶媒体と関連付けて前記禁止設定を解除できることを特徴とする台間遊技媒体貸出し装置。
【請求項4】
電子マネー記憶媒体に記憶されている媒体管理番号及び電子マネー残高を読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した電子マネー残高の少なくとも一部を預かり金として前記媒体管理番号と関連付けて記憶する預かり金記憶手段と、該預り金記憶手段に記憶した預かり金額を電子マネー記憶媒体に記憶されている電子マネー残高から減額する減額手段と、遊技媒体の貸出しを行う場合に前記預かり金記憶手段に記憶された預かり金から減額する預かり金減額手段と、遊技機から供給される当選情報と関連付けて自動的に前記遊技媒体の貸出しを禁止設定する禁止設定手段と、を備え、
前記電子マネー記憶媒体と関連付けて前記禁止設定を解除できることを特徴とする台間遊技媒体貸出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−117505(P2007−117505A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315405(P2005−315405)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(305027456)東洋ネットワークシステムズ株式会社 (200)
【Fターム(参考)】