説明

各台対応装置及びそのロック解除許可方法

【課題】遊技客が不利益を被るのを防止することを課題とする。
【解決手段】CRユニット10では、受皿ユニットのロック解除の要件に含まれるCRユニット10と取付枠のロック機構を解除する指示を受け付けた場合に、センサユニット30の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定し、解除許可条件を満たすと判定した場合に、CRユニット10と取付枠のロック機構の解除を許可することで、受皿ユニットの取外し時に計数されるべきパチンコ玉がこぼれ落ちる事態を防ぐこととした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台に対応して設けられる獲得遊技媒体の計数を行う各台計数装置に接続される各台対応装置及びそのロック解除許可方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技台と並設され、パチンコ玉やメダルといった遊技媒体を貸し出す貸出処理機(以下、CRユニットと記載する)が知られている。また、遊技台において遊技者が獲得した遊技媒体の数量をCRユニットと接続された各台計数装置が計数する、いわゆる各台計数方式も知られてきた。
【0003】
かかる各台計数装置は、遊技台が設置される膳板上に配置されており、遊技台の下皿から排出される遊技媒体を受皿部が受け入れ、受皿部から流出した遊技媒体を通路部経由でCRユニットの下部に設けられた計数部へと案内する。そして、計数部では送り込まれた遊技媒体を計数する。
【0004】
しかし、各台計数方式を採用した場合、計数ユニットの通路部などを悪意のある遊技客が取り外し、計数部を誤作動させるゴト行為が懸念される。このため、特許文献1には、計数ユニットの前面に鍵穴を設け、遊技店の従業員が鍵を差し込んでロック解除操作を行わない限り、計数ユニットあるいは計数ユニットを構成する各部品を取り外すことができないようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−85442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術は、計数ユニットのロック解除操作を遊技店の従業員に委ねるものであるため、計数ユニットの取外し時に遊技媒体がこぼれ落ち、遊技客が不利益を被るおそれがあるという問題がある。
【0007】
例えば、CRユニットの背面に設けられた遊技媒体の循環通路(ドブ)等のジャムが原因で遊技媒体が計数ユニットに滞留している場合、遊技媒体の計数中に遊技店の従業員が誤って計数ユニットを取り外した場合、或いは計数ユニットの取外し時に計数が行われていなくとも遊技台で行われる抽選において特賞が当選して賞遊技媒体の払出しが始まった場合などには、いずれも計数されてしかるべき遊技媒体がこぼれ落ちて散逸し、遊技客が得られる計数値が目減りしてしまうおそれがある。
【0008】
このことから、計数ユニット(各台計数装置)の取外し時に遊技媒体がこぼれ落ちる事態をいかにして防ぐかが重要な課題となっている。
【0009】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題を解消するためになされたものであり、計数ユニットの取外し時の遊技媒体こぼれを予防し、もって遊技客が不利益を被るのを防止することができる各台対応装置及びそのロック解除許可方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る各台対応装置は、遊技台に対応して設けられる獲得遊技媒体の計数を行う各台計数装置に接続される各台対応装置であって、前記各台計数装置の一部または全部を固定するロック機構に対するロック解除指示もしくは前記各台計数装置のロック機構を解除するための要件に含まれる各台対応装置のロック機構に対するロック解除指示を受け付ける解除指示受付手段と、前記解除指示受付手段によってロック解除指示が受け付けられた場合に、前記各台計数装置の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定する解除許可条件判定手段と、前記解除許可条件判定手段によって前記解除許可条件を満たすと判定された場合に、前記ロック機構の解除を許可する解除許可手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る各台対応装置は、上記の発明において、前記解除指示受付手段は、前記各台対応装置の入力部、複数の各台対応装置に接続される管理装置または遊技店の従業員が所持する遠隔操作装置から前記ロック解除指示を受け付けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る各台対応装置は、上記の発明において、前記各台計数装置の状態として、前記各台計数装置の内部で遊技媒体を流通させる通路を遮断または開放するシャッタの開閉状態及び/又は前記各台計数装置での計数動作状態を取得する状態取得手段をさらに有し、前記解除許可条件判定手段は、前記状態取得手段によって取得された各台計数装置の状態がシャッタ閉状態及び/又は非計数動作状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る各台対応装置は、上記の発明において、前記解除指示受付手段が解除指示を受け付けたが、前記解除許可手段による解除許可が行われなかった場合に前記ロック解除指示を一時的に保持する解除指示保持手段をさらに有し、前記解除許可手段は、前記解除指示保持手段によって保持されたロック解除指示が消去されるまでに、前記解除許可条件判定手段によって前記解除許可条件を満たすと判定された場合に、前記ロック機構の解除を許可することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る各台対応装置は、上記の発明において、前記各台計数装置または前記各台対応装置のロック機構が解除された場合に、該ロック機構がロック状態に復帰するまでロック解除状態にある旨を前記各台対応装置または複数の各台対応装置に接続される管理装置に報知させる報知制御手段をさらに有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る各台対応装置は、遊技台に対応して設けられる各台計数装置に接続される各台対応装置であって、前記各台計数装置による遊技媒体の計数出力を受け付ける計数出力受付手段と、前記各台計数装置の一部または全部が取り外された状態で前記計数出力受付手段によって計数出力が受け付けられた場合に、当該計数出力を無効化する計数出力無効化手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る各台対応装置は、遊技台に対応して設けられる各台計数装置に接続される各台対応装置であって、前記各台計数装置による遊技媒体の計数出力を受け付ける計数出力受付手段と、前記各台計数装置の一部または全部が取り外された状態で前記計数出力受付手段によって計数出力が受け付けられた場合に、不正計数が行われたおそれがある旨を前記各台対応装置または複数の各台対応装置に接続される管理装置に報知させる報知制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るロック解除許可方法は、遊技台に対応して設けられる獲得遊技媒体の計数を行う各台計数装置に接続される各台対応装置に適用するロック解除許可方法であって、前記各台計数装置の一部または全部を固定するロック機構に対するロック解除指示もしくは前記各台計数装置のロック機構を解除するための要件に含まれる各台対応装置のロック機構に対するロック解除指示を受け付ける解除指示受付工程と、前記解除指示受付工程によってロック解除指示が受け付けられた場合に、前記各台計数装置の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定する解除許可条件判定工程と、前記解除許可条件判定工程によって前記解除許可条件を満たすと判定された場合に、前記ロック機構の解除を許可する解除許可工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各台計数装置の一部または全部を固定するロック機構に対するロック解除指示もしくは各台計数装置のロック機構を解除するための要件に含まれる各台対応装置のロック機構に対するロック解除指示を受け付け、ロック解除指示を受け付けた場合に、各台計数装置の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定し、解除許可条件を満たすと判定した場合に、ロック機構の解除を許可するように構成したので、計数ユニットの取外し時に計数されるべき遊技媒体がこぼれ落ちる事態を防ぎ、遊技客が不利益を被るのを防止することが可能になるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、各台対応装置の入力部、複数の各台対応装置に接続される管理装置または遊技店の従業員が所持する遠隔操作装置からロック解除指示を受け付けるように構成したので、ロック解除指示を遊技店関係者だけに行わせることができ、計数ユニットに接触可能な人物を効果的に限定することが可能になるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、各台計数装置の状態として、各台計数装置の内部で遊技媒体を流通させる通路を遮断または開放するシャッタの開閉状態及び/又は各台計数装置での計数動作状態を取得し、取得した各台計数装置の状態がシャッタ閉状態及び/又は非計数動作状態であるか否かを判定するように構成したので、計数ユニット内に滞留遊技媒体が存在しないことを正確に確認した上でロック解除を許可することができ、計数ユニットの取外し時に計数されるべき遊技媒体がこぼれ落ちる事態をより正確に防止することが可能になるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、解除指示を受け付けたが、解除許可が行われなかった場合にロック解除指示を一時的に保持しておき、保持したロック解除指示が消去されるまでに、解除許可条件を満たすと判定した場合に、ロック機構の解除を許可するように構成したので、ロック解除指示を受け付けた時点では解除許可条件を満たさなくともそれ以降に解除許可条件を満たした時点でロック解除指示を有効とすることができ、ロック解除指示の重複操作を防止することが可能になるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、各台計数装置または各台対応装置のロック機構が解除された場合に、該ロック機構がロック状態に復帰するまでロック解除状態にある旨を各台対応装置または複数の各台対応装置に接続される管理装置に報知させるように構成したので、計数ユニットが不正を行われやすい状態にある旨を注意喚起することができ、不正計数を予防することが可能になるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、各台計数装置による遊技媒体の計数出力を受け付け、各台計数装置の一部または全部が取り外された状態で計数出力を受け付けた場合に、当該計数出力を無効化するように構成したので、計数ゴトが行われた可能性が高い状況下での不正カウントを除外することができ、不正計数が行われた場合でも遊技店が損害を被ることを防止することが可能になるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、各台計数装置による遊技媒体の計数出力を受け付け、各台計数装置の一部または全部が取り外された状態で計数出力を受け付けた場合に、不正計数が行われたおそれがある旨を各台対応装置または複数の各台対応装置に接続される管理装置に報知させるように構成したので、計数ゴトが行われた可能性が高い状況下で一般従業員から幹部従業員までの遊技店関係者全体に不正計数の注意喚起を行うことができ、不正計数への対応措置を可及的速やかに取ることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本実施例に係る計数機能付きCRユニット1の配置を示す図である。
【図2】図2は、受皿ユニット300の取り外し手順を示す図である。
【図3】図3は、解除許可条件を説明するための説明図である。
【図4】図4は、本実施例に係るセンサユニット30を側面から見た場合の断面図である。
【図5】図5は、本実施例に係るセンサユニット30の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、本実施例に係るCRユニット10の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図7は、本実施例に係る解除許可条件判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本実施例に係る不正計数判定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る各台対応装置及びそのロック解除許可方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、いわゆるパチンコ台に対応して設けられ、パチンコ玉を計数する各台計数装置(以下、計数ユニットと記載)に接続される各台対応装置(以下、CRユニットと記載)についての実施例を説明することとする。
【実施例】
【0027】
図1は、本実施例に係る計数機能付きCRユニット1の配置を示す図である。なお、同図では、遊技台の記載を省略しているが、遊技台は、同図に示すCRユニット10の右側に隣接する位置であって、計数ユニット3の受皿部310の後方位置に設けられるものとする。
【0028】
まず、CRユニット10について説明する。CRユニット10は、計数ユニット3に属するセンサユニット30の上方に設けられている。なお、センサユニット30は、CRユニット10に属するユニットとして取り扱われることもある。ここで、センサユニット30は、CRユニット10の着脱機構である図示しない台間装置ロック機構に対して固定されており、さらに、計数ユニット3の通路部320が接続される。
【0029】
次に、計数ユニット3の構成について説明する。図1に示したように、計数ユニット3は、着脱可能な受皿ユニット300と、着脱可能なセンサユニット30とを接合することで構成されている。また、受皿ユニット300は、受皿部310と、通路部320とが一体化されたユニットである。なお、受皿部310と通路部320は、着脱可能に構成することとしてもよい。
【0030】
ここで、受皿ユニット300は、膳板上を手前側(遊技客側)にスライドさせることで、センサユニット30から取り外すことができる。なお、受皿部310は、上面が開放された受皿で遊技台から落下してきたパチンコ玉を受け止め、受皿に設けられた自然勾配によってパチンコ玉を通路部320へと送り出す。
【0031】
また、受皿部310の前方(遊技客側)には、計数結果を表示するディスプレイなどの表示部310aと、センサユニット30による計数値(持ち玉)の一部または全部を現物のパチンコ玉で返却する操作を受けるボタンなどの操作部310bとが設けられる。なお、計数ユニット3に属する受皿ユニット300およびセンサユニット30は、図示しないロック機構で、膳板などに固定されているものとする。
【0032】
次に、計数ユニット3に属する受皿ユニット300の取り外し手順について図2を用いて説明する。図2は、受皿ユニット300の取り外し手順を示す図である。図2の(a)に示すように、受皿ユニット300を取り外す場合には、まず、CRユニット10を同図の(1)に示した向きに引き出す必要がある。このように、CRユニット10を引き出すことによって、たとえば、計数ユニット3に属するセンサユニット30の上面に設けられたロック解除レバーを操作することが可能となる(同図の(2)参照)。
【0033】
このCRユニット10は、取り付け状態では同図に示す取付枠200に固定されており、CRユニット10を引き出すためには、遊技店の従業員が保持するリモコンなどの遠隔操作装置で、取付枠200とのロックを解除することが必要となる。なお、従業員がCRユニット10の操作ボタン経由で暗証番号を入力することで、CRユニット10と取付枠200とのロックを解除することも可能である。
【0034】
このように、計数ユニット3に属する受皿ユニット300を取り外す場合には、CRユニット10を引き出す手順が必要となることから、たとえ悪意のある遊技客であっても、人目につきやすい図2の(a)に示した手順を実行することは困難である。
【0035】
すなわち、本実施例では、受皿ユニット300の複数のロック機構のうち少なくとも1つを遊技客の目が届かない位置、すなわちCRユニット10が取り付け状態にある場合にはCRユニット10により覆われる位置に設けることで、CRユニット10と取付枠200のロック解除を受皿ユニット300のロック解除の要件の一部に含めることとした。これによって、悪意のある遊技客が計数ユニット3のロック機構の位置を察知することを妨げ、計数値を水増しするゴト行為などの不正行為を防止する。
【0036】
ここで、CRユニット10は、CRユニット10と取付枠200のロックを解除する指示を受け付けたからといって直ちにロックを解除するようなことはしない。つまり、計数ユニット3の状態が所定の解除許可条件を満たす場合に限り、CRユニット10と取付枠200のロック解除を許可することとした。
【0037】
すなわち、CRユニット10では、図3(a)に示すように、センサユニット30でパチンコ玉Pが計数されていない場合、さらには、図3(b)に示すように、センサユニット30の内部でパチンコ玉Pを流通させる玉通路を遮断または開放するシャッタ32aが閉状態である場合には、先のロック解除指示にしたがってロック機構を解除することを許可する。
【0038】
図3(a)に示す解除許可条件に反する場合には、センサユニット30内に計数センサ37をまだ通過していない他のパチンコ玉Pが存在する可能性が高く、計数されるべき玉が受皿ユニット300の取外し時にこぼれ落ちるおそれがある。
【0039】
図3(b)に示す解除許可条件に反する場合には、各センサユニット30の背面に設けられる玉循環通路(ドブ)で玉詰まりが発生して逆流したパチンコ玉(戻り玉)が遊技客の獲得玉として流入したパチンコ玉を自然勾配に逆らって押し戻し、該押し戻されたパチンコ玉が受皿ユニット300の取外し時にこぼれ落ちるおそれがある。
【0040】
このように、CRユニット10は、解除許可条件を満たさない場合には、センサユニット30内に計数されるべきパチンコ玉が滞留しているおそれがあるので、CRユニット10と取付枠200のロック解除を許可しない。これによって、計数ユニット3に属する受皿ユニット300が取り外されることもなくなり、受皿ユニット300の取外し時にセンサユニット30内の滞留玉がこぼれ落ちることを防止できる。
【0041】
したがって、本実施例によれば、センサユニット30内に滞留玉が存在しない場合にだけCRユニット10と取付枠200のロック解除を許可するので、受皿ユニット300の取外し時に計数されるべきパチンコ玉がこぼれ落ちる事態を防ぎ、遊技客が不利益を被るのを防止することが可能になる。
【0042】
このようにして、CRユニット10と取付枠200のロックを解除してCRユニット10を同図の(1)に示した向きに引き出した場合には、センサユニット30の上面に設けられたロック解除レバーを操作することが可能となる(同図の(2)参照)。
【0043】
また、受皿ユニット300は、図2の(b)に示したように、膳板上に設けられた膳板側ロック機構400で膳板にも固定されている。たとえば、かかるロック機構400のロック解除レバーをロック解除位置で保持したまま(同図の(3a)参照)、同図に示した方向に受皿ユニット300を引き出すことで(同図の(3b)参照)、受皿ユニット300を取り外すことができる。
【0044】
なお、計数ユニット3に属するセンサユニット30を取り外す場合には、上記のロック解除レバーの操作によって、取付枠200に対するロック解除を行うこととすればよい。また、取付枠200に対するロック解除用のロック解除レバーを別途設けることとしてもよい。
【0045】
続いて、本実施例に係る計数機能付きCRユニットの構成について説明する。なお、ここでは、センサユニット30の構成を説明してからCRユニット10の構成を説明することとする。
【0046】
(1)センサユニット30の構成
前述したように、ここでは、本実施例に係るセンサユニット30について説明する。図4は、本実施例に係るセンサユニット30を側面から見た場合の断面図である。
【0047】
図4に示すように、センサユニット30には、CRユニット10の正面側から背面側に進むにしたがって高さが低くなるように傾斜した玉通路が設けられており、受皿部310から受け入れたパチンコ玉は、玉通路の傾斜により玉循環装置の玉回収通路であるドブに流れる。
【0048】
このように、受皿部310、通路部320および玉通路を経由してパチンコ玉をドブに排出することから、本実施例では、玉通路の受皿部310側を上流側、ドブ側を下流側と定めることとする。
【0049】
センサユニット30には、受皿部310から導入されたパチンコ玉をドブに誘導する玉通路38と、パチンコ玉の通過を検出する計数センサ37と、玉通路38の上流側から計数センサ37に至るまでの通路を遮断または開放するためのシャッタ32aと、シャッタ32aを開閉駆動するソレノイド等のシャッタ駆動部32bとが設けられている。なお、実際には、仕切り板でそれぞれを区切ることにより複数の玉通路38が設けられており、計数センサ37センサは各玉通路ごとに設けられているものとする。
【0050】
次に、本実施例に係るセンサユニット30の機能構成について説明する。図5は、本実施例に係るセンサユニット30の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、センサユニット30は、計数センサ37と、通信コネクタ31と、シャッタ32aと、シャッタ制御部32cと、計数値カウンタ33と、計数制御部34と、表示制御部35と、状態応答部36とを有する。
【0051】
計数センサ37は、パチンコ玉が検出対象範囲に存在することを検出する検出装置である。具体的には、パチンコ玉を検出している間だけ検出信号を計数制御部34に出力し続けたり、また、パチンコ玉を検出している間だけ計数制御部34に出力する非検出信号をカットしたりする。
【0052】
なお、本実施例では、計数センサ37として任意の種別のセンサを用いることができる。例えば、メンテナンスの簡易性を重視する場合には、近接センサを用いることができ、また、センサの小型化およびコスト面を重視する場合には、光学式センサを用いることができる。
【0053】
通信コネクタ31は、CRユニット10との間で通信を行うためのコネクタであり、本実施例では、センサユニット30を後付けで追加することが容易になるように、センサユニット30独自に電源部は持たず、通信コネクタ31がCRユニット10の電源部から電源供給を受け、センサユニット30の各機能部に電力を供給することとする。
【0054】
シャッタ制御部32cは、シャッタ駆動部32bを制御して、シャッタ32aの開制御または閉制御を行う処理部である。具体的には、CRユニット10から特賞通知を受け付けた場合に、シャッタ駆動部32bを制御してシャッタ32aの開制御を行い、また、特賞通知を受け付けてから所定の開放期間(例えば、5分間)が経過した場合に、シャッタ駆動部32bを制御してシャッタ32aの閉制御を行う。
【0055】
このように、シャッタ制御部32cでは、CRユニット10に併設される遊技台で特賞(大当たり)が当選した場合にシャッタ32aを一定の期間開放することにより、獲得玉が発生して計数が必要になる期間にだけパチンコ玉が計数センサ37に流入することを許容することとしている。
【0056】
なお、シャッタ32aの開放期間は、CRユニット10またはその上位装置である管理装置の設定により任意に変更することができる。例えば、CRユニット10に併設される遊技台の機種ごとにその機種の大当たりの特性に合った開放期間を定めてもよいし、全ての機種で大当たりを消化できる程度の期間を開放期間として定めてもかまわない。
【0057】
計数値カウンタ33は、計数値を管理するレジスタ等のカウンタであり、後述する計数制御部34の指示を受け付けた場合にインクリメントまたはデクリメントする。なお、ここでは、操作部310bでの持ち玉返却操作に応答して一部が現物のパチンコ玉で返却された返却数がデクリメントされた残存計数値を保持することとするが、返却数カウンタを別途設けて計数値カウンタ33に返却数を含まない計数値を保持させてもかまわない。
【0058】
計数制御部34は、受皿部310から受け入れたパチンコ玉の計数制御を行う処理部である。具体的には、計数センサ37からパチンコ玉の検出信号を受信した場合に、計数値カウンタ33をインクリメントするとともに、計数値の増加を表す計数パルス(カウントアップパルス)を計数パルス出力部34aに出力させる。
【0059】
なお、本実施例では、計数センサ37から検出信号を受信する度に計数パルスを計数パルス出力部34aに出力させることとするが、検出信号を一定の回数受け付けるまで待機しておき、一定の回数を受け付けた場合にその回数分の計数パルスをまとめて出力させてもよいし、また、計数値が複数増加した旨を表す計数パルスを出力することとしてもかまわない。
【0060】
また、本実施例では、センサユニット30の計数出力として、計数パルスを出力することとしたが、計数値カウンタ33に記憶された計数値そのものを任意の間隔または任意のタイミングでデータ通信することとしてもかまわない。
【0061】
表示制御部35は、受皿ユニット300に付設される表示部310aの表示制御を行う処理部である。具体的には、計数値カウンタ33に記憶されている計数値を表示用データとして表示部310aにセットすることにより(残存)計数値を表示させる。
【0062】
状態収集部36は、センサユニット30の状態を収集する処理部である。具体的には、CRユニット10からの状態応答リクエストを受け付けた場合に、計数制御部34から計数パルスを最後に出力した時刻(最終計数時刻)を収集するとともに、シャッタ制御部32cからシャッタ32aの開閉状態を収集し、これら最終計数時刻及びシャッタ32aの開閉状態をCRユニット10に応答する。なお、ここでは、計数制御部34での最終計数時刻を応答することとしたが、状態応答リクエストを受信した時点での計数センサ37からの検出信号の有無により計数動作状態または非計数動作状態を応答することとしてもかまわない。
【0063】
(2)CRユニットの構成
次に、本実施例に係るCRユニット10について説明する。図6は、本実施例に係るCRユニット10の構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のCRユニット10では、図示した機能部以外の機能部(例えば、紙幣識別部やカード処理部など)を有するが、図6では、本実施例に係るCRユニット10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
【0064】
図6に示すように、CRユニット10は、表示部11と、通信I/F部12と、パルス受信部13aと、パルス送信部13bと、取付枠ロック14aと、ロック制御部14と、リモコン受光部15aと、リモコン処理部15bと、解除許可条件判定部16と、不正計数判定部17と、報知制御部18と、持ち玉管理部19とを有する。
【0065】
表示部11は、CRユニット10に設けられる表示デバイスの総称であり、例えば、係員の呼び出し時などに点灯する状態表示ランプが含まれる。
【0066】
通信I/F部12は、図示しないパチンコ機、管理装置やホールコンピュータなどの上位装置などの他の装置との間で各種通信を行うためのインタフェースである。
【0067】
パルス受信部13aは、CRユニット10に併設されるパチンコ機やセンサユニット30から各種パルス信号を受信する処理部である。具体的には、パチンコ機から各種のパルス信号を受信した場合には、特賞パルス、セーフパルス、アウトパルス又はスタートパルスなどの各種のパルスをそのままパルス送信部13bに受け渡すとともに、これらの中でも特賞パルスを受信した場合にはシャッタ32aを開制御させるべく特賞通知をセンサユニット30に行う。また、センサユニット30から計数パルスを受信した場合には、その計数パルスをパルス送信部13b及び不正計数判定部17に受け渡す。
【0068】
パルス送信部13bは、遊技台データや計数データの収集・管理を行うホールコンピュータに対して、パルス受信部13aから受け取った各種パルス信号を送信する処理部である。
【0069】
このように、CRユニット10を経由してホールコンピュータに遊技台データ及び計数データを通知する構成は既存のものとして存在するので、本実施例では、かかる構成を流用して、シャッタ32aを開制御する契機となる特賞パルスをホールコンピュータに依存することなく取得することとした。
【0070】
ロック制御部14は、取付枠200に対してCRユニット10を固定する取付枠ロック14aのロック制御またはロック解除制御を行う処理部である。具体的には、取付枠ロック14aがロック状態にある場合には、後述する解除許可条件判定部16による解除許可がない限りは取付枠ロック14aのロック解除制御を行わない一方で、取付枠ロック14aがロック解除状態にある場合には、図示しない装着操作検知手段によって取付枠200に対するCRユニット10の装着操作を検知すると、取付枠ロック14aのロック制御を無条件で行う。
【0071】
リモコン受光部15aは、遊技店の従業員が所持するリモコンが発光する赤外線を受光する受光素子を有する受信部である。具体的には、図示しないコマンド管理テーブルを用いて、リモコンから受け付けた指令コードを解釈してその指令を指令先の機能部に通知する。
【0072】
リモコン処理部15bは、図示しないコマンド管理テーブルを用いて、リモコン受光部15aを介してリモコンから受け付けた指令コードを解釈してその指令を指令先の機能部に通知する処理部である。
【0073】
解除許可条件判定部16は、計数ユニット3の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定する処理部である。具体的には、リモコン処理部15bによって取付枠ロック14aのロック解除指示が受け付けられた場合に、センサユニット30の計数動作状態及びシャッタ32aの開閉状態を応答させるように予め規定した状態応答リクエストをセンサユニット30に送信し、その応答として得られたシャッタ32aの開閉状態及び計数動作状態が解除許可条件を満たす否かを判定する。
【0074】
これを具体的に説明すると、解除許可条件判定部16は、センサユニット30によって応答された最終計数時刻が現時刻から所定の期間(例えば、10秒間)以内ではなく、かつシャッタ32aの開閉状態が閉状態であった場合には、センサユニット30が非計数動作状態(図3(a)参照)にあり、かつシャッタ32aが閉状態(図3(b)参照)であるという解除許可条件を満たすので、取付枠ロック14aのロック解除を許可する。
【0075】
一方、解除許可条件判定部16は、センサユニット30によって応答された最終計数時刻が現時刻から所定の期間以内であった場合には、センサユニット30内に計数センサ37を未だ通過していない他のパチンコ玉Pが存在する可能性が高いので、取付枠ロック14aのロック解除を不許可とする。
【0076】
また、解除許可条件判定部16は、シャッタ32aの開閉状態が開状態であった場合にも、玉循環通路(ドブ)で玉詰まりが発生して逆流したパチンコ玉(戻り玉)が遊技客の獲得玉として流入したパチンコ玉を自然勾配に逆らって押し戻している可能性が高いので、取付枠ロック14aのロック解除を不許可とする。
【0077】
不正計数判定部17は、センサユニット30で不正計数が行われているか否かを判定する処理部である。具体的には、センサユニット30から計数パルスを受信した場合に、取付枠ロック14aがロック解除状態にあるか否かを判定し、ロック解除状態にある場合には、不正計数のおそれありと判定し、取付枠ロック14aがロック解除状態にある時に受信した計数パルスを破棄して無効化する。不正計数のおそれありと判定された計数分は通常計数時とは異なる管理部で管理するようにしてもよい。
【0078】
すなわち、取付枠ロック14aがロック解除状態にある時に計数パルスを受け付けた場合には、受皿ユニット300が取り外されてセンサユニット30が外部に露出した状態で計数されている可能性があり、かかる場合には、パチンコ機から払い出された賞玉をセンサユニット30に受け入れることは不可能であり、センサユニット30に棒状体等を無理やり押し込む等の計数ゴトが行われていることも想定されるので、不正計数のおそれありと判断する。
【0079】
報知制御部18は、CRユニット10を管理する管理装置及びCRユニット10に対する報知制御を行う処理部である。具体的には、ロック制御部14によって取付枠ロック14aがロック解除状態にされてからロック状態に復帰するまで、取付枠ロック14aが解除中である旨を表示部11の状態表示ランプを所定の色で点灯または点滅させて報知したり、また、取付枠ロック14aが解除中である旨を管理装置に通知して報知させる。これによって、センサユニット30が不正を行われやすい状態にある旨を注意喚起し、もって不正計数を予防することとしている。
【0080】
また、報知制御部18は、不正計数判定部17によって取付枠ロック14aがロック解除状態にある時に計数パルスを受け付けたと判定された場合には、不正計数のおそれがある旨を表示部11の状態表示ランプを所定の色で点灯または点滅させて報知したり、また、不正計数のおそれがある旨を管理装置に通知して報知させる。これによって、センサユニット30が不正を行われている旨を注意喚起し、もって不正計数への対応措置を可及的速やかに取ることとしている。
【0081】
持ち玉管理部19は、センサユニット30によって出力された計数パルスをもとに持ち玉管理を行う処理部である。具体的には、不正計数判定部17によって不正計数が行われていないと判定された場合には、取付枠ロック14aがロック状態にある時に受信した計数パルスに基づいて持ち玉数を加算更新する。なお、不正計数のおそれありと判定された場合には、不正計数判定部17によって計数パルスが破棄されるので、持ち玉の加算更新は実行されない。
【0082】
また、持ち玉管理部19は、受皿ユニット300の操作部310bでの持ち玉返却操作に応答して一部が現物のパチンコ玉で返却された場合には、持ち玉数から返却数を減算更新する。なお、持ち玉とは、センサユニット30によって計数された計数値であってその中から現物返却したものを除いた残存計数値を指す。
【0083】
次に、本実施例に係るCRユニットの処理の流れを説明する。なお、ここでは、ロック解除制御時に実行される(1)解除許可条件判定処理について説明してから、(2)不正計数判定処理について説明することとする。
【0084】
(1)解除許可条件判定処理
前述したように、ここでは、本実施例に係る解除許可条件判定処理について説明する。図7は、本実施例に係る解除許可条件判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0085】
図7に示すように、リモコン処理部15bによって取付枠ロック14aのロック解除指示が受け付けられると(ステップS701)、解除許可条件判定部16は、状態応答リクエストをセンサユニット30に送信してセンサユニット30の計数動作状態及びシャッタ32aの開閉状態を取得する(ステップS702)。
【0086】
ここで、解除許可条件判定部16は、ステップS702で取得したシャッタ32aの開閉状態及び計数動作状態が解除許可条件を満たす否かを判定する(ステップS703)。具体的には、センサユニット30から取得した最終計数時刻が現時刻から所定の期間(例えば、10秒間)以内ではなく、かつシャッタ32aの開閉状態が閉状態であるか否かを判定する。なお、ここでは、2つの解除許可条件を両方満たす場合にロック解除を許可することとするが、使用する解除許可条件は1つであってもよく、また3つ以上であってもかまわない。
【0087】
このとき、解除許可条件を満たす場合、すなわちセンサユニット30から取得した最終計数時刻が現時刻から所定の期間以内ではなく、かつシャッタ32aの開閉状態が閉状態であった場合(ステップS703肯定)、解除許可条件判定部16は、取付枠ロック14aのロック解除を許可する(ステップS704)。
【0088】
そして、ロック制御部14は、取付枠ロック14aのロック解除制御を行い(ステップS705)、報知制御部18は、取付枠ロック14aが解除中である旨を表示部11の状態表示ランプを所定の色で点灯または点滅させて報知したり、また、取付枠ロック14aが解除中である旨を管理装置に通知して報知させる(ステップS706)。
【0089】
その後、ロック制御部14によって取付枠ロック14aのロック制御が行われるまで(ステップS707否定)、報知制御部18は、取付枠ロック14aが解除中である旨の報知を表示部11の状態表示ランプまたは管理装置で継続して実行させる(ステップS706)。
【0090】
そして、ロック制御部14によって取付枠ロック14aのロック制御が行われてロック状態に復帰すると(ステップS707肯定)、報知制御部18は、表示部11の状態表示ランプまたは管理装置での報知を解除し(ステップS708)、処理を終了する。
【0091】
なお、解除許可条件を満たさない場合、たとえばセンサユニット30によって応答された最終計数時刻が現時刻から所定の期間以内であった場合またはシャッタ32aの開閉状態が開状態であった場合(ステップS703否定)には、開錠許可条件判定部16は、取付枠ロック14aのロック解除を許可せず、そのまま処理を終了する。
【0092】
(2)不正計数判定処理
次に、本実施例に係る不正計数判定処理について説明する。図8は、本実施例に係る不正計数判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
図8に示すように、センサユニット30から計数パルスを受信した場合(ステップS801)に、不正計数判定部17は、取付枠ロック14aがロック解除状態にあるか否かを判定する(ステップS802)。
【0094】
このとき、取付枠ロック14aがロック解除状態であった場合(ステップS802肯定)には、不正計数判定部17は、取付枠ロック14aのロック解除状態時に受信した計数パルスを破棄し(ステップS803)、報知制御部18は、不正計数のおそれがある旨を表示部11の状態表示ランプを所定の色で点灯または点滅させて報知したり、また、不正計数のおそれがある旨を管理装置に通知して報知させ(ステップS804)、処理を終了する。
【0095】
一方、取付枠ロック14aがロック状態であった場合(ステップS802否定)には、持ち玉管理部19は、取付枠ロック14aのロック状態時に受信した計数パルスに基づいて持ち玉数を加算更新し(ステップS805)、処理を終了する。
【0096】
上述してきたように、本実施例によれば、計数ユニット3に属する受皿ユニット300のロック機構を解除するための要件に含まれる取付枠ロック14aに対するロック解除指示を受け付け、ロック解除指示を受け付けた場合に、センサユニット30の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定し、解除許可条件を満たすと判定した場合に、取付枠ロック14aのロック解除を許可するように構成したので、受皿ユニット300の取外し時に計数されるべきパチンコ玉がこぼれ落ちる事態を防ぎ、遊技客が不利益を被るのを防止することが可能である。
【0097】
さらに、本実施例によれば、遊技店の従業員が所持するリモコンからロック解除指示を受け付けるように構成したので、ロック解除指示を遊技店関係者だけに行わせることができ、センサユニット30に接触可能な人物を効果的に限定することが可能である。また、複数のCRユニット10に接続される管理装置からロック解除指示を行わせる場合にも同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、本実施例によれば、センサユニット30によるパチンコ玉の計数出力を受け付け、計数ユニット3に属する受皿ユニット300が取り外された状態で計数出力を受け付けた場合に当該計数出力を無効化するように構成したので、計数ゴトが行われた可能性が高い状況下での不正カウントを除外することができ、不正計数が行われた場合でも遊技店が損害を被ることを防止することが可能である。
【0099】
加えて、本実施例によれば、センサユニット30によるパチンコ玉の計数出力を受け付け、計数ユニット3に属する受皿ユニット300が取り外された状態で計数出力を受け付けた場合に、不正計数が行われたおそれがある旨をCRユニット10または複数のCRユニット10に接続される管理装置に報知させるように構成したので、計数ゴトが行われた可能性が高い状況下で一般従業員から幹部従業員までの遊技店関係者全体に不正計数の注意喚起を行うことができ、不正計数への対応措置を可及的速やかに取ることが可能である。
【0100】
また、上記の実施例では、センサユニット30が非計数動作状態(図3(a)参照)であること、また、シャッタ32aが閉状態(図3(b)参照)であることを解除許可条件として用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の条件を用いることとしてもよい。
【0101】
例えば、本発明では、パルス受信部13aで特賞パルスを受信していないことを解除許可条件とすることもできる。一例を挙げれば、ロック解除指示を受け付けた時点から遡って所定期間内(例えば、5分間)以内に特賞パルスを併設のパチンコ機から受信していない場合には、解除許可条件を満たすと判定し、取付枠ロック14aのロック解除を許可する。
【0102】
この解除許可条件によれば、現時点でセンサユニット30にパチンコ玉が滞留していないことを予測するだけでなく、近い将来にセンサユニット30にパチンコ玉が滞留することを予測した上で、解除許可を行うことができる。
【0103】
なお、ロック解除指示を受け付けた時点から遡って所定期間内(例えば、5分間)以内に所定回数(20回)以上のセーフパルスをパチンコ機から受信していないことを解除許可条件とすることで、特賞パルスをセーフパルスで代用することもできる。また、同様に、セーフパルスだけなく、セーフパルスとアウトパルスから得られる差玉(出玉)が所定個数(例えば、125個)以内であることを解除許可条件とすることもできる。
【0104】
なお、上記の実施例では、計数センサ37として1つのセンサを用いる場合について説明したが、2つ以上のセンサを用いる場合には、本発明をより好適に適用することができる。
【0105】
すなわち、ダブルセンサを用いる場合には、センサユニット30内でのパチンコ玉の進行方向が上流側から下流側に進む正方向であるのか、或いは下流側から上流側に進む逆方向であるのかを判別することができる。そして、センサユニット30内で下流側から上流側に移動する戻り玉が発生している場合には、各センサユニット30の背面に設けられる玉循環通路(ドブ)で玉詰まりが発生して逆流している可能性が高い。
【0106】
このような状況下で受皿ユニット300を取り外した場合には、遊技客の獲得玉として流入したパチンコ玉が戻り玉に押し戻されてこぼれ落ちるおそれがあり、受皿ユニット300を取り外すのは好ましくない。
【0107】
そこで、本発明では、センサユニット30で戻り玉の検出されていないことを解除許可条件とすることもできる。一例を挙げれば、戻り玉が最後に検出された時刻をセンサユニット30から取得し、戻り玉の最終検出時刻がロック解除指示を受け付けた時点から遡って所定期間内(例えば、5分間)以内に含まれなければ、解除許可条件を満たすと判定し、取付枠ロック14aのロック解除を許可する。
【0108】
これによって、現時点でセンサユニット30にパチンコ玉が滞留していないことを予測するだけでなく、過去に計数したパチンコ玉がセンサユニット30内で滞留していないことを予測した上で、解除許可を行うことができる。
【0109】
また、上記の実施例では、解除許可条件判定部16によって解除許可条件を満たさないと判定された場合に取付枠ロック14aのロック解除指示を棄却することとしたが、ロック解除指示の受付時点で解除許可条件を満たさないからといって即座にロック解除を不許可と判定する必要はない。
【0110】
例えば、解除許可条件判定部16では、解除許可条件を満たさないと判定した場合でも、所定の保持期間(例えば、3分間)の間はロック解除指示を保持させておき、保持されたロック解除指示が保持期間を経過して消去されるまでに、解除許可条件を満たすと判定した場合に、保持させておいたロック解除指示をその時点で有効とし、取付枠ロック14aのロック解除を許可することとしてもよい。
【0111】
これによって、ロック解除指示を受け付けた時点では解除許可条件を満たさなくともそれ以降に解除許可条件を満たした時点でロック解除指示を有効とすることができ、ロック解除指示の重複操作を防止することが可能になる。
【0112】
なお、上記の実施例では、センサユニット30内にシャッタ32aや計数センサ37を設けた場合について説明したが、通路部320にシャッタ32aや計数センサ37を設けることとしてもかまわない。
【0113】
また、上記の実施例では、受皿ユニット300のロック機構を解除するための要件に取付枠ロック14aのロック解除を含める場合について説明したが、必ずしもCRユニット10の取り外しを受皿ユニット300のロック解除の要件とする必要はない。
【0114】
すなわち、CRユニット10の取り外しと連動しておらず、計数ユニット3または受皿ユニット300が独立して取外し可能なケースでは、解除許可条件判定部16によって解除許可条件を満たすと判定された場合に、計数ユニット3または受皿ユニット300のロック機構を直接解除させることとしてもかまわない。
【0115】
また、上記の実施例では、取付枠ロック14aを電気錠で構成した場合を説明したが、必ずしも電気的に作動する必要はなく、シリンダ等の鍵を用いて手動でロックまたはロック解除させることとしてもよく、その場合には、鍵に接続されたロック板(回転してロックをかけるための機構)の回転をソレノイド等で動作不能にさせることとしてもよい。
【0116】
なお、上記の実施例では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上のように、本発明に係る各台対応装置及びそのロック解除許可方法は、遊技客が不利益を被るのを防止する場合に適している。
【符号の説明】
【0118】
1 計数機能付きCRユニット
3 計数ユニット
10 CRユニット
11 表示部
12 通信I/F部
13a パルス受信部
13b パルス送信部
14 ロック制御部
14a 取付枠ロック
15a リモコン受光部
15b リモコン処理部
16 解除許可条件判定部
17 不正計数判定部
18 報知制御部
19 持ち玉管理部
30 センサユニット
31 通信コネクタ
32a シャッタ
32b シャッタ駆動部
32c シャッタ制御部
33 計数値カウンタ
34 計数制御部
34a 計数パルス出力部
35 表示制御部
36 状態応答部
300 受皿ユニット
310 受皿部
310a 表示部
310b 操作部
320 通路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に対応して設けられる獲得遊技媒体の計数を行う各台計数装置に接続される各台対応装置であって、
前記各台計数装置の一部または全部を固定するロック機構に対するロック解除指示もしくは前記各台計数装置のロック機構を解除するための要件に含まれる各台対応装置のロック機構に対するロック解除指示を受け付ける解除指示受付手段と、
前記解除指示受付手段によってロック解除指示が受け付けられた場合に、前記各台計数装置の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定する解除許可条件判定手段と、
前記解除許可条件判定手段によって前記解除許可条件を満たすと判定された場合に、前記ロック機構の解除を許可する解除許可手段と
を有することを特徴とする各台対応装置。
【請求項2】
前記解除指示受付手段は、前記各台対応装置の入力部、複数の各台対応装置に接続される管理装置または遊技店の従業員が所持する遠隔操作装置から前記ロック解除指示を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の各台対応装置。
【請求項3】
前記各台計数装置の状態として、前記各台計数装置の内部で遊技媒体を流通させる通路を遮断または開放するシャッタの開閉状態及び/又は前記各台計数装置での計数動作状態を取得する状態取得手段をさらに有し、
前記解除許可条件判定手段は、前記状態取得手段によって取得された各台計数装置の状態がシャッタ閉状態及び/又は非計数動作状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の各台対応装置。
【請求項4】
前記解除指示受付手段が解除指示を受け付けたが、前記解除許可手段による解除許可が行われなかった場合に前記ロック解除指示を一時的に保持する解除指示保持手段をさらに有し、
前記解除許可手段は、前記解除指示保持手段によって保持されたロック解除指示が消去されるまでに、前記解除許可条件判定手段によって前記解除許可条件を満たすと判定された場合に、前記ロック機構の解除を許可することを特徴とする請求項1、2または3に記載の各台対応装置。
【請求項5】
前記各台計数装置または前記各台対応装置のロック機構が解除された場合に、該ロック機構がロック状態に復帰するまでロック解除状態にある旨を前記各台対応装置または複数の各台対応装置に接続される管理装置に報知させる報知制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の各台対応装置。
【請求項6】
遊技台に対応して設けられる各台計数装置に接続される各台対応装置であって、
前記各台計数装置による遊技媒体の計数出力を受け付ける計数出力受付手段と、
前記各台計数装置の一部または全部が取り外された状態で前記計数出力受付手段によって計数出力が受け付けられた場合に、当該計数出力を無効化する計数出力無効化手段と
を有することを特徴とする各台対応装置。
【請求項7】
遊技台に対応して設けられる各台計数装置に接続される各台対応装置であって、
前記各台計数装置による遊技媒体の計数出力を受け付ける計数出力受付手段と、
前記各台計数装置の一部または全部が取り外された状態で前記計数出力受付手段によって計数出力が受け付けられた場合に、不正計数が行われたおそれがある旨を前記各台対応装置または複数の各台対応装置に接続される管理装置に報知させる報知制御手段と
を有することを特徴とする各台対応装置。
【請求項8】
遊技台に対応して設けられる獲得遊技媒体の計数を行う各台計数装置に接続される各台対応装置に適用するロック解除許可方法であって、
前記各台計数装置の一部または全部を固定するロック機構に対するロック解除指示もしくは前記各台計数装置のロック機構を解除するための要件に含まれる各台対応装置のロック機構に対するロック解除指示を受け付ける解除指示受付工程と、
前記解除指示受付工程によってロック解除指示が受け付けられた場合に、前記各台計数装置の状態が所定の解除許可条件を満たすか否かを判定する解除許可条件判定工程と、
前記解除許可条件判定工程によって前記解除許可条件を満たすと判定された場合に、前記ロック機構の解除を許可する解除許可工程と
を含んだことを特徴とするロック解除許可方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−233679(P2010−233679A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83028(P2009−83028)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】