説明

合成繊維の製造装置および方法

【課題】 合成繊維の製造装置において、第1および/または第2の引取ローラ部分の加熱構造を改良し、多糸条化に伴う構造上、品質上、作業上の問題を解消する。
【解決手段】 少なくとも第1の引取ローラと第2の引取ローラとを有し、第1の引取ローラと第2の引取ローラの間で糸条を延伸する合成繊維の製造装置であって、第1および/または第2の引取ローラに対向する位置に、該第1および/または第2の引取ローラとは別体の糸条加熱手段を設けたことを特徴とする合成繊維の製造装置、および製造方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の製造装置および方法に関し、とくに、装置構成上および糸条品質上の問題を生じることなく糸条の多糸条化に対応できる合成繊維の製造装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】織物や編物に適したポリエステル繊維などの合成繊維を製造する方法については、たとえば、特許文献1に開示されるような紡糸工程と延伸工程とを連続した方式が提案されている。この方法は、たとえば図1212に示すように、加熱ローラ111とセパレートローラ112とで構成される一対の第1ローラ群に複数糸条113を数周回巻き付けて延伸に必要な温度にまで加熱した後に、より高速で回転する加熱ローラ114とセパレートローラ115とで構成される別の一対の第2ローラ群に数周回巻き付け両ローラ群の間で延伸した後、熱処理するといういわゆる、ネルソンローラを用いた加熱方式であり、延伸斑や染め斑などの品質欠点の少ない繊維を得ることができるため工業的に実用化されている。
【0003】しかしながら、この方法では複数糸条を同時に数周回にわたって一対の加熱ローラとセパレートローラとに巻き付ける作業、すなわち糸掛け作業時間が長くなり、また、多糸条化した場合、各ローラ上に存在する糸条数が多くなるためローラを軸方向に長くしなければならず装置全体が大型化してしまうという問題がある。
【0004】このような問題に対し、先に本出願人により、図13に示すような装置が提案されている(特許文献2参照)。この提案装置では、ネルソンローラ方式を採用せずに、第1引取ローラ121の上流側に赤外線加熱手段122を設けて糸条123の急速加熱あるいはローラ121による加熱を補強可能としており、さらに、第2引取ローラ124の下流側に、熱固定のための加熱手段125を設ける構造としている。
【0005】ところが、この先に提案した装置においても、未だ以下のような問題が残されている。すなわち、図14に示すように、第1引取ローラ121の上流側の位置で糸条123が加熱されると、前延伸がP1において生じやすく糸むらが発生しやすくなって、品質が安定しなくなる。また、第1引取ローラ121の直下流の位置で糸条123が加熱されると、延伸点P2の位置が変動し、やはり糸むらが生じやすくなって品質が安定しない。さらに、装置スペースが限られる場合においては、第2引取ローラ124の下流側についても、図15に示すように加熱手段125を設けずに単にガイド126を介して巻取装置127(ワインダ)に装着された各ボビン128に各糸条123を振り分ける場合に比べ、図16R>6に示すように加熱手段125を設けた場合には、その分、ガイド126から各ボビン128に振り分けるためのスペースが小さくなり、糸条123の走行路が急に折り曲げられることになる。このような状態では、糸切れが生じやすくなるとともに糸が擦過されやすくなってその表面品位の維持が難しい。
【0006】
【特許文献1】特開昭54−18918号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2000−290823号公報(図1313〜図16)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述のような従来技術の限界に鑑み、第1および/または第2引取ローラ部分における加熱方法に着目して、装置構成上の問題を生じることなく、つまり、多糸条化による第1および/または第2引取ローラの長尺化を生じさせることなく、かつ、糸条品質上の問題を生じることなく、つまり、従来の内部ヒータ加熱と同等の均一加熱性能を発揮可能で糸むらの発生を抑制可能な、しかも、設備の簡略化が可能で安価に実施可能な、合成繊維の製造装置および方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る合成繊維の製造装置は、少なくとも第1の引取ローラと第2の引取ローラとを有し、第1の引取ローラと第2の引取ローラの間で糸条を延伸する合成繊維の製造装置であって、第1および/または第2の引取ローラに対向する位置に、該第1および/または第2の引取ローラとは別体の糸条加熱手段を設けたことを特徴とするものからなる。
【0009】この装置において、上記第1および/または第2の引取ローラに対向する位置に設けられる糸条加熱手段としては、第1および/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱するヒータから構成することができる。また、第1および/または第2の引取ローラに対向する位置に設けられる糸条加熱手段として、加熱流体(たとえば、スチーム)を用いて第1および/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段から構成することもできる。とくにスチーム加熱は、効率のよい加熱を安価に達成可能である。
【0010】上記の加熱流体を用いて第1および/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段においては、第1および/または第2の引取ローラを取り囲むボックスを設け、加熱流体をボックス内に供給するノズルを1〜100個配設し、該ボックス外へ加熱液体を排出する排出孔を設けられている構成とすることもできる。ノズルを1〜100個配設する場合においては、加熱流体をボックス内に、それぞれのノズル配設箇所から供給することで、ボックス内の加熱流体の圧力分布状態を均一化することができ、糸条の均一加熱をすることができる。
【0011】上記の加熱流体を用いて第1および/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段においては、ボックスに糸条が通過するための開口部が1ヶ所以上配設され、開口部からローラ表面へ引いた接線において、開口部からロール接点までの距離が、0.5〜50mmである構成とすることもできる。このように構成すれば、第1の引取ローラ上流側の糸条の前延伸を抑制でき、また、第1の引取ローラ下流側での延伸点の位置の変動を少なくすることができる。
【0012】上記の加熱流体を用いて第1および/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段においては、貫通する引取ローラの回転軸とボックスとの隙間を0.1〜5mmとすることが好ましく、または/および、上記開口部のそれぞれの開口面積が1〜750mm2である構成とすることが好ましい。このように構成すれば、ボックス内に供給されている加熱流体のボックス外側への漏れを少なくすることができ、ボックス内の加熱流体の圧力を安定させることができる。このことにより、糸条の均一加熱をすることができる。
【0013】本発明に係る装置では、上記第1および/または第2の引取ローラのローラ径を10〜500mmで構成することもできる。このように構成すれば、引取ローラ上の糸を十分に加熱することができる。
【0014】また、本発明に係る装置では、上記第1および/または第2の引取ローラを加熱可能なローラとして構成することができる。
【0015】また、第2の引取ローラの下流側に、糸条走行用に2つ以上のローラが設けられている構成とすることもできる。このように構成すれば、第2の引取ローラにネルソン方式のローラを使用しない場合にあっても、下流の巻取装置からの張力の伝播を適切に遮断することが可能となる。同様に、第1の引取ローラの上流側に、2つ以上のローラを設ければ、たとえば上流側の糸条冷却風等に起因する糸揺れ等の振動が第1の引取ローラに伝わることを防ぐことができる。
【0016】本発明の装置構造は、第1の引き取りローラの速度が1000m/分以上4000m/分未満、第2の引取ローラの速度として5000m/分以上の製造装置に用いることができる。
【0017】本発明に係る合成繊維の製造方法は、上記のような装置を用いて合成繊維を製造することを特徴とする方法からなる。
【0018】また、本発明方法は、単なる巻き返し等にも適用可能であるが、とくに、口金から吐出された溶融ポリマを冷却固化して糸条とし、第1の引取ローラと第2の引取ローラの間で糸条を延伸し、延伸された糸条を巻取装置で巻き取る、いわゆる直接紡糸延伸に適用してとくに優れた効果が得られるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施態様に係る合成繊維の製造装置を示しており、本発明を直接紡糸延伸装置に適用した場合を示している。図1において、口金1から吐出された溶融ポリマの状態にある糸条2は、冷却手段3(たとえば、冷却空気吹き付けによる冷却手段)によって冷却固化され、本実施態様では油剤付与手段4を経た後、第1の引取ローラ5へ送られる。第1の引取ローラ5は、本実施態様では、片掛けローラ(つまり、ネルソン方式ではないローラ)に構成されており、この第1の引取ローラ5に対して、そのローラ上で糸条2を直接的に非接触かつ急速加熱する糸条加熱手段としてのヒータ6が配置されている。このヒータ6は、第1の引取ローラ5とは完全に別体に構成されている。
【0020】第1の引取ローラ5の下流側に、第2の引取ローラ7が設けられており、低速側の第1の引取ローラ5と高速側の第2の引取ローラ7との間に所定の速度差をもたせることにより、糸条2が両ローラ間で所定の倍率にて延伸される。この第2の引取ローラ7も、片掛けローラに構成されている。第2の引取ローラ7に対向する位置には、そのローラ7上を案内される糸条2を直接的に非接触にて急速加熱可能な糸条加熱手段としてのヒータ8が配置されている。このヒータ8は、第2の引取ローラ7とは完全に別体に構成されている。
【0021】第2の引取ローラ7を通過した糸条2は、本実施態様では、ガイド9を経た後、ローラベール10を介して、巻取装置11のスピンドル12に装着されたボビン13上に巻き取られる。ボビン13が満巻になると、ターレットにより巻取位置に移動されてきた空のボビンに巻き替えられる(図示略)。
【0022】上記第1実施態様に係る合成繊維の製造装置においては、第1および/または第2の引取ローラの位置において、糸条2は、第1および/または第2の引取ローラとは別体のヒータによって急速加熱されるので、第1および第2の引取ローラには内部ヒータが不要になり、安価な設備で構成できる。つまり、著しく複雑な構造を採用したり、著しく高価な装置構成を採用したりする必要はなく、簡単な装置構成でありながら、急速加熱により、均一加熱性能を得ることが可能になる。
【0023】また、図2に示す第2実施態様では、上記第1実施態様におけるヒータ6、8の代わりに、第1および/または第2の引取ローラ21、22の全体を囲うように、ボックス型の糸条加熱手段23、24が設けられている。このように構成すれば、周回される糸条2が糸条加熱手段23、24により加熱される。
【0024】図3は、本発明の第3実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分を示している。本発明においては、第1および/または第2の引取ローラとは別構成の糸条加熱手段として、加熱流体を用いた手段を採用でき、とくに加熱効率、コストの面から、加熱流体としてスチームを使用することが好ましい。図3に示す態様では、第1および/または第2の引取ローラ31に対向させてスチーム加熱装置32が設けられている。スチーム加熱装置32は、スチームの導入口33と、導入されたスチームのチャンバ34と、チャンバ34のローラ対向面に穿設された多数の穴またはスリット35と、穴またはスリット35からローラ31上の糸条2に向けて噴射されたスチームが洩れないように回収する吸引口36を有している。
【0025】スチーム加熱装置32からのスチームは、第1および/または第2の引取ローラ31上で糸条2を直接流体接触加熱するので、糸条2を効率よく急速加熱できる。また、スチームは他の熱媒体に比べ安価に供給可能であるので、ランニングコストを低く抑えることができる。
【0026】図4は、本発明の第4実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分を示している。本実施態様においては、第1および/または第2の引取ローラ41部分がスチームボックス42で囲まれており、導入口43から導入され導出口44から排出されるスチームがボックス42内に充満している間に、非接触にて糸条2が加熱されるようになっている。
【0027】図5および図6は、本発明の第5実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分を示している。本実施態様においても、スチームを加熱流体として直接流体接触加熱を行うが、スチームは第1および/または第2の引取ローラ51内に配置された導入側チャンバ52内に導入され、第1および/または第2の引取ローラ51の外周壁に開設された多数の穴またはスリット53を通して噴出されることにより、第1および/または第2の引取ローラ51上の糸条2を直接流体接触加熱できるようになっている。加熱に使用された後のスチームは、ローラ外周側に配置されたチャンバ54内に集められ、導出口55から排出される。このような構成においても、糸条2は効率よく急速加熱される。また、この構成においてスチームの出入口を内外逆に配備しても同様の効果が得られる。
【0028】図7および図8は、本発明の第6実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分を示している。本実施態様においては、第1および/または第2の引取ローラ61がボックス62で囲まれており、スチームはボックス62の外側に配置された導入チャンバ63内に導入され、ボックス62に1〜100個配設されたノズル64を通して噴出されることにより、ボックス62内に充満される。スチームがボックス62内に充満している間に、第1および/または第2の引取ローラ61上の糸条2を直接流体接触加熱できるようになっている。また、ボックス内で発生した液体、たとえば、加熱流体がボックス内で凝縮した液体は、ボックス内に配設された排出孔65からボックス外へ排出される。
【0029】図7および図8に示す本発明の第6実施態様においては、ボックス62に糸条2が通過するための開口部66が1ヶ所以上配設され、開口部66からローラ61表面へ引いた接線において、開口部66からローラ接点までの距離67が、0.5〜50mmである構成としている。
【0030】図7および図8に示す本発明の第6実施態様おいては、貫通する引取ローラの回転軸68とボックス61との隙間69が0.1〜5mmであり、上記開口部のそれぞれの開口面積が1〜750mm2である構成としている。
【0031】図7および図8に示す本発明の第6実施態様においては、ローラ61の直径が10〜500mmのローラで構成することもできる。
【0032】本発明における上記第1〜第6実施態様では、ネルソン方式のローラを採用していないことから、複数糸条を同時に数周回にわたって一対の加熱ローラとセパレートローラとに巻き付ける作業がなくなり、糸かけ作業時間が短くなる。また、多糸条化した場合でも、第1および/または第2ローラに片掛けすることにより各ローラ上に存在する糸条数が少なくなるためローラを軸方向に短くすることが可能となり装置全体を小型化することができ、装置全体の構成を簡略化でき、安価に構成できる。
【0033】しかし、本発明の第1〜第6実施態様では、第1および/または第2の引取ローラをネルソン方式に構成してもよい。たとえば図9に第7実施態様を示すように、第1の引取ローラ81がセパレートローラ82を伴ったネルソン方式の引取ローラに構成され、第2の引取ローラ83がセパレートローラ84を伴ったネルソン方式の引取ローラに構成され、それぞれ、引取ローラ81、83とセパレートローラ82、84との間に糸条2が数周回巻き付けられる。この第1の引取ローラ81の位置に、該第1の引取ローラ81に対向させて引取ローラ81とは別体の糸条加熱手段としてのヒータ85が設けられている。また、この第2の引取ローラ83の位置に、該第2の引取ローラ83に対向させて引取ローラ83とは別体の糸条加熱手段としてのヒータ86が設けられている。このように、ネルソンローラ方式の第1および/または第2の引取ローラに対しても、その外部から急速加熱を行うことができる。ネルソン方式を用いた場合でも、糸条2は第1および/または第2の引取ローラとは別体のヒータによって急速加熱されるので、従来のネルソン方式の場合よりも糸条2を引取ローラとセパレートローラに巻き付ける回数を減らすことができ、多糸条化した場合にあっても、第1および/または第2の引取ローラのロール長を短くすることができ、装置全体の小型化が可能になる。さらに引取ローラとセパレートローラに巻き付ける回数が減るため、糸かけ性も容易になり、作業性も向上される。
【0034】本発明における上記第1〜第7実施態様では、第2の引取ローラと巻取装置との間に、糸条走行用の2つ以上のローラを設けることにより、巻取張力の伝播を遮断して、第2の引取ローラでの急速加熱およびその後の糸条走行の安定化をはかることができる。たとえば図10に第8実施態様を示すように、前述の第1実施態様と同等の構成を有する合成繊維の製造装置において、第2の引取ローラ7と巻取装置11との間に、2つのガイドローラ91、92が介在されており、巻取装置11による張力が第2の引取ローラ7まで及ぶことが適切に遮断される。これによって、第2の引取ローラ7上では、安定した状態の糸条2に対してヒータ8によって急速加熱され、加熱後の糸条2は、冷却されながら安定した状態で走行される。
【0035】本発明における上記第1〜第8実施態様では、図11に第9実施態様を示すように、前述の第1実施態様と同等の構成を有する合成繊維の製造装置において、第1の引取ローラ5の上流側にプリローラ102、103を設けることにより、冷却装置3の風などに起因する糸揺れ等の振動の影響を第1の引取ローラ5およびヒータ6に与えるのを防ぐことができ、糸条2を安定加熱できる。プリローラ102、103は、その周速を第1の引取ローラ5に合わせるように駆動するのが好ましいが、従動ローラでもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合成繊維の製造装置および方法によれば、第1および/または第2の引取ローラに対向する位置で、第1および/または第2の引取ローラとは別体の糸条加熱手段により糸条を急速加熱できるので、望ましい均一加熱を達成できるようになる。また、第1および/または第2の引取ローラとして、ネルソン方式だけではなく片掛けタイプの引取ローラに構成することが可能で、設備の簡略化、コストダウンが可能になる。その結果、多糸条化した際の生産性と品質の向上をはかることができるとともに、作業性の改善、設備の簡略化、コストダウンをはかることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る合成繊維の製造装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構成図である。
【図4】本発明の第4実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構成図である。
【図5】本発明の第5実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構成図である。
【図6】図5の装置のVI−VI線に沿う縦断面図である。
【図7】本発明の第6実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構成図である。
【図8】図7の装置のVIII−VIII線に沿う縦断面図である。
【図9】本発明の第7実施態様に係る合成繊維の製造装置の第1および/または第2の引取ローラ部分の概略構成図である。
【図10】本発明の第8実施態様に係る合成繊維の製造装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第9実施態様に係る合成繊維の製造装置の部分概略構成図である。
【図12】従来の合成繊維の製造装置の概略構成図である。
【図13】先行技術による合成繊維の製造装置の概略構成図である。
【図14】図13の装置の問題点を示す第1の引取ローラ部分の概略構成図である。
【図15】第2の引取ローラから巻取装置までの概略構成図である。
【図16】図13の装置の問題点を示す、第2の引取ローラから巻取装置までの概略構成図である。
【符号の説明】
1 口金
2、113、123 糸条
3 冷却手段
4 油剤付与手段
5、21、81、111、121 第1の引取ローラ
6、85 糸条加熱手段としてのヒータ
7、22、83、114、124 第2の引取ローラ
8、86 糸条加熱手段としてのヒータ
9、126 ガイド
10 ローラベール
11、127 巻取装置
12 スピンドル
13、128 ボビン
23、24 ボックス型の糸条加熱手段
31、41、51、61 第1および/または第2引取ローラ
32 糸条加熱手段としてのスチーム加熱装置
33 導入口
34 チャンバ
35 穴またはスリット
36 吸引口
42 スチームボックス
43 導入口
44 導出口
52 導入側チャンバ
53 穴またはスリット
54 チャンバ
55 導出口
62 ボックス
63 チャンバ
64 ノズル
65 開口部
66 開口部からローラ接点までの距離
67 回転軸
68 回転軸とボックスの隙間
82、84、112、115 セパレートローラ
91、92 ガイドローラ
102、103 プリローラ
122 赤外線加熱手段
125 熱固定のための加熱手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも第1の引取ローラと第2の引取ローラとを有し、第1の引取ローラと第2の引取ローラの間で糸条を延伸する合成繊維の製造装置であって、第1および/または第2の引取ローラに対向する位置に、第1および/または第2の引取ローラとは別体の糸条加熱手段を設けたことを特徴とする合成繊維の製造装置。
【請求項2】 前記第1および/または第2の引取ローラに対向する位置に設けられた糸条加熱手段が、第1および/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱するヒータからなる、請求項1の合成繊維の製造装置。
【請求項3】 前記第1および/または第2の引取ローラに対向する位置に設けられた糸条加熱手段が、加熱流体を用いて第1および/または第2の引取ローラ上で糸条を直接加熱する手段からなる、請求項1の合成繊維の製造装置。
【請求項4】 前記第1および/または第2の引取ローラを取り囲むボックスを設け、該ボックス内に加熱流体を供給するノズルを1〜100個配設し、該ボックス外へ加熱液体を排出する排出孔を配設したことを特徴とする、請求項3の合成繊維の製造装置。
【請求項5】 前記ボックスに糸条が通過するための開口部を1ヶ所以上配設し、開口部からロール表面へ引いた接線において、開口部からロール接点までの距離を0.5〜50mmとすることを特徴とする、請求項4の合成繊維の製造装置。
【請求項6】 前記開口部のそれぞれの開口面積を1〜750mm2とすることを特徴とする、請求項5の合成繊維の製造装置。
【請求項7】 前記ボックスを貫通する引取ローラの回転軸とボックスとの隙間を0.1〜5mmとすることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
【請求項8】 引取ローラの直径を10〜500mmとすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
【請求項9】 前記第1および/または第2の引取ローラが加熱可能なローラとして構成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
【請求項10】 第1の引取ローラの上流側および/または第2の引取ローラの下流側に、糸条走行用の2つ以上のローラが設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
【請求項11】 第1の引取ローラの速度を1000m/分以上4000m/分未満、第2の引取ローラの速度を5000m/分以上とすることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の合成繊維の製造装置。
【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の装置を用いて合成繊維を製造することを特徴とする合成繊維の製造方法。
【請求項13】 口金から吐出された溶融ポリマを冷却固化して糸条とし、第1の引取ローラと第2の引取ローラの間で糸条を延伸し、延伸された糸条を巻取装置で巻き取ることを特徴とする、請求項12の合成繊維の製造方法。

【図3】
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【図6】
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【図12】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図7】
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【図10】
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【図14】
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【図16】
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【公開番号】特開2003−166142(P2003−166142A)
【公開日】平成15年6月13日(2003.6.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−272824(P2002−272824)
【出願日】平成14年9月19日(2002.9.19)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】