説明

合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

【課題】近年における合成繊維の紡糸工程や加工工程での高速化にも対応して、毛羽や糸切れの発生を充分に防止でき、ひいては染色斑の発生をも充分に防止できる合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法を提供する。
【解決手段】合成繊維用処理剤として、A成分:特定のポリエーテル化合物、B成分:特定の非イオン界面活性剤、C成分:イオン界面活性剤、以上のA成分、B成分及びC成分の3成分を合計で70質量%以上含有しており、且つ該3成分の合計100質量部当たり、該A成分を72〜99質量部、該B成分を0.5〜27質量部及び該C成分を0.1〜10質量部の割合で含有して成るものを用いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法に関する。近年、合成繊維の紡糸工程や加工工程においては、高速化が更に一段と進み、これに伴って生産糸の毛羽や糸切れがますます発生し易くなっており、またかかる生産糸を用いた例えば編物においては染色斑が発生し易くなっている。かかる毛羽や糸切れ、更には染色斑の発生を防止するため、合成繊維に付着させる合成繊維用処理剤としてこれらを防止するための機能性向上剤の含有割合を増加させたものを使用することや、合成繊維に対する合成繊維用処理剤の付着量を上げることが行われているが、依然として近年の高速化には充分に対応できていない。本発明は、合成繊維の紡糸工程や加工工程における近年の高速化にも対応して、毛羽や糸切れの発生を充分に防止でき、ひいては染色斑の発生を充分に防止できる合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成繊維用処理剤として一般に、潤滑剤及び機能性向上剤を含有するものが使用されている。かかる合成繊維用処理剤には、毛羽や糸切れの発生を防止するための機能性向上剤を含有するものも各種が知られている(例えば、特許文献1〜8参照)。ところが、これら従来の合成繊維用処理剤には、近年の高速化された紡糸工程や加工工程において、毛羽や糸切れの発生を充分に防止できず、ひいては染色斑の発生をも充分に防止できないという問題がある。
【0003】
【特許文献1】特開平1−298281号公報
【特許文献2】特開平5−279924号公報
【特許文献3】特表平6−509593号公報
【特許文献4】特開平6−329503号公報
【特許文献5】特開平8−60532号公報
【特許文献6】特開2000−273766号公報
【特許文献7】特開平11−131091号公報
【特許文献8】特開平11−116522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、近年における合成繊維の紡糸工程や加工工程での高速化にも対応して、毛羽や糸切れの発生を充分に防止でき、ひいては染色斑の発生をも充分に防止できる合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の3成分を所定の割合で含有する合成繊維用処理剤が正しく好適であり、またかかる合成繊維用処理剤の水性液を合成繊維に対し所定量付着させることが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記のA成分、B成分及びC成分の3成分を合計で70質量%以上含有しており、且つ該3成分の合計100質量部当たり、該A成分を72〜99質量部、該B成分を0.5〜27質量部及び該C成分を0.1〜10質量部の割合で含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤に係る。
【0007】
A成分:下記の化1で示されるポリエーテル化合物、化2で示されるポリエーテル化合物及び化3で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上であって、且つ化1中のA、化2中のA及び/又は化3中のAを合計で40〜99質量%となるよう含有するもの。
【0008】
【化1】

【0009】
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
化1、化2及び化3において、
,R:水素原子又は1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基
:1価の炭素数1〜26の脂肪族アルキル基、1価の炭素数2〜26の脂肪族アルケニル基又は1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基
:水素原子、1価の炭素数1〜26の脂肪族アルキル基、1価の炭素数2〜26の脂肪族アルケニル基又は1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基
,A,A:オキシエチレン単位の繰り返し数が2〜200であるポリオキシエチレン基
:オキシアルキレン単位として炭素数2〜4のオキシアルキレン単位から選ばれる2種以上を有し、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が合計2〜200であって、且つ該オキシアルキレン単位がランダム結合しているポリオキシアルキレン基
,B:オキシアルキレン単位として炭素数2〜4のオキシアルキレン単位から選ばれる2種以上を有し、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が合計2〜200であって、且つ該オキシアルキレン単位がブロック結合、ランダム結合又はブロック・ランダム結合しているポリオキシアルキレン基
Y:m価の炭素数2〜26の脂肪族アルコールから全ての水酸基を除いた残基又はm価の炭素数4〜26の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基
Z:n価の炭素数4〜26の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基
m,n:2〜6の整数
【0012】
B成分:1価の炭素数4〜26の脂肪族アルコールにエチレンオキサイドを付加した分子量180〜1300の非イオン界面活性剤
【0013】
C成分:イオン界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上
【0014】
また本発明は、本発明に係る合成繊維用処理剤を5〜30質量%の水性液となし、この水性液を合成繊維に対し該合成繊維用処理剤として0.1〜3質量%となるよう付着させる合成繊維の処理方法に係る。
【0015】
先ず、本発明に係る合成繊維用処理剤(以下単に本発明の処理剤という)について説明する。本発明の処理剤は、A成分、B成分及びC成分の3成分を含有して成るものである。
【0016】
A成分は、化1で示されるポリエーテル化合物、化2で示されるポリエーテル化合物及び化3で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上である。
【0017】
化1で示されるポリエーテル化合物において、化1中のRとしては、1)水素原子、2)アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基、テトラコサノイル基、ヘキサコサノイル基、ヘキサデセノイル基、オクタデセノイル基等の1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基が挙げられるが、なかでも水素原子が好ましい。また化1中のRとしては、1)メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、2−メチル−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、2−プロピル−ヘプチル基、2−ブチル−オクチル基、2−ペンチル−ノニル基、2−ヘキシル−デシル基、2−ヘプチル−ウンデシル基、2−オクチル−ドデシル基、2−ノニル−トリデシル基、2−デシル−テトラデシル基、2−ウンデシル−ペンタデシル基等の1価の炭素数1〜26の脂肪族アルキル基、2)10−ウンデセニル基、9c−オクタデセニル基、9t−オクタデセニル基、9c、12c−オクタデカジエニル基、9c、12c、15c−オクタデカトリエニル基、9c−エイコセニル基、5,8,11,14−エイコサテトラエニル基、13c−ドコセニル基、13t−ドコセニル基等の1価の炭素数2〜26の脂肪族アルケニル基、3)アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基、テトラコサノイル基、ヘキサコサノイル基、ヘキサデセノイル基、オクタデセノイル基等の1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基等が挙げられるが、なかでも1価の炭素数1〜26の脂肪族アルキル基が好ましい。また化1中のAは、オキシエチレン単位の繰り返し数が2〜200であるポリオキシエチレン基とするが、なかでもオキシエチレン単位の繰り返し数が5〜100であるポリオキシエチレン基とするのが好ましい。更に化1中のBは、オキシアルキレン単位として炭素数2〜4のオキシアルキレン単位から選ばれる2種以上を有し、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が合計2〜200、好ましくは5〜100であって、且つ該オキシアルキレン単位がランダム結合しているポリオキシアルキレン基である。ここで炭素数2〜4のオキシアルキレン単位としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位及びオキシ(1−エチルエチレン)単位が挙げられる。
【0018】
化2で示されるポリエーテル化合物において、化2中のRは、化1中のRについて前記したことと同じである。化2中のYは、1)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビタン、ジグリセリン、トリグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、テトラグリセリン等の2〜6価の炭素数2〜26の脂肪族アルコールから全ての水酸基を除いた残基、2)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、α、ω−ドデカンジカルボン酸、α、ω−ドコサンジカルボン酸、α、ω−テトラコサンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクタデセニルジカルボン酸、1,2,3−ブタントリカルボン酸、2,3,5−ヘキサントリカルボン酸、3−(カルボキシメチル)ヘプタン二酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2−(3−カルボキシプロピル)−1,1,5,6−ヘプタンテトラカルボン酸、1,6,7,8,9,14−テトラデカンヘキサカルボン酸等の2〜6価の炭素数4〜26の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基が挙げられるが、なかでも2又は3価の炭素数2〜26の脂肪族アルコールから全ての水酸基を除いた残基、2価の炭素数4〜26の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基が好ましい。化2中のmは、2〜6の整数とするが、2又は3の整数とするのが好ましい。また化2中のAは、化1中のAについて前記したことと同じである。更に化2中のBは、オキシアルキレン単位として炭素数2〜4のオキシアルキレン単位から選ばれる2種以上を有し、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が合計2〜200、好ましくは5〜100であって、且つ該オキシアルキレン単位がブロック結合、ランダム結合又はブロック・ランダム結合しているポリオキシアルキレン基である。炭素数2〜4のオキシアルキレン単位としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位及びオキシ(1−エチルエチレン)単位が挙げられる。
【0019】
化3で示されるポリエーテル化合物において、化3中のRは、それが水素原子である場合を除き、化1中のRについて前記したことと同じである。化3中のZとしては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、α、ω−ドデカンジカルボン酸、α、ω−ドコサンジカルボン酸、α、ω−テトラコサンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクタデセニルジカルボン酸、1,2,3−ブタントリカルボン酸、2,3,5−ヘキサントリカルボン酸、3−(カルボキしメチル)ヘプタン二酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2−(3−カルボキシプロピル)−1,1,5,6−ヘプタンテトラカルボン酸、1,6,7,8,9,14−テトラデカンヘキサカルボン酸等の2〜6価の炭素数4〜26の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基が挙げられるが、なかでも2価の炭素数4〜18の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基が好ましい。化3中のnは、2〜6の整数とするが、2又は3の整数とするのが好ましい。また化3中のAは、化1中のAについて前記したことと同じである。更に化3中のBは、化2中のBについて前記したことと同じである。
【0020】
A成分は、以上説明した、化1で示されるポリエーテル化合物、化2で示されるポリエーテル化合物及び化3で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上であるが、なかでも化1で示されるポリエーテル化合物及び化2で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上が好ましい。またA成分は、A成分100質量%中に化1中のA、化2中のA及び/又は化3中のAを合計で40〜99質量%となるよう含有するものとするが、合計で50〜99質量%となるよう含有するものとするのが好ましい。例えば、A成分が化1で示されるポリエーテル化合物の単独であって、このポリエーテル化合物が化1中のAを50質量%の割合で含有しているものの場合、A成分中の化1中のAは50質量%となる。またA成分が化1で示されるポリエーテル化合物と化2で示されるポリエーテル化合物との50/50(質量比)の混合物であって、化1で示されるポリエーテル化合物が化1中のAを70質量%の割合で含有し、化2で示されるポリエーテル化合物が化2中のAを30質量%の割合で含有しているものの場合、A成分中の化1中のAと化2中のAとの合計は、70質量%×0.5+30質量%×0.5=50質量%となる。
【0021】
B成分は、1価の炭素数4〜26の脂肪族アルコールにエチレンオキサイドを付加した非イオン界面活性剤である。1価の炭素数4〜26の脂肪族アルコールとしては、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、ヘンエイコシルアルコール、ドコシルアルコール、トリコシルアルコール、テトラコシルアルコール、2−メチル−ペンチルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール、2−ブチル−オクチルアルコール、2−ペンチル−ノニルアルコール、2−ヘキシル−デシルアルコール、2−ヘプチル−ウンデシルアルコール、2−オクチル−ドデシルアルコール、2−ノニル−トリデシルアルコール、2−デシル−テトラデシルアルコール、10−ウンデセニルアルコール、9c−オクタデセニルアルコール、9t−オクタデセニルアルコール、9c,12c−オクタデカジエニルアルコール、9c,12c,15c−オクタデカトリエニルアルコール、9c−エイコセニルアルコール、5,8,11,14−エイコサテトラエニルアルコール、13c−ドコセニルアルコール及び13t−ドコセニルアルコール等が挙げられるが、なかでもヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール、2−ブチル−オクチルアルコール等の1価の炭素数6〜12の脂肪族アルコールが好ましい。
【0022】
B成分は、以上説明した1価の炭素数4〜26の脂肪族アルコールにエチレンオキサイドを付加した非イオン界面活性剤であるが、該非イオン界面活性剤の分子量は180〜1300とし、好ましくは300〜800とする。かかる非イオン界面活性剤は、公知の方法で合成することができる。これには例えば、1価の炭素数4〜26の脂肪族アルコールに、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性触媒の存在下、エチレンオキサイドを付加反応させる方法が挙げられる。
【0023】
C成分は、イオン界面活性剤である。かかるイオン界面活性剤としては、従来公知のものが使用できる。これには例えば、1)アニオン界面活性剤、2)カチオン界面活性剤、3)両性界面活性剤が挙げられる。
【0024】
C成分について、アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、有機スルホン酸塩、有機硫酸塩、有機リン酸エステル塩等が挙げられる。アニオン界面活性剤として用いる脂肪酸塩としては、1)炭素数6〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩、2)炭素数6〜22の脂肪酸のアミン塩が挙げられる。かかる炭素数6〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノール酸、ドデセニルコハク酸等が挙げられる。かかる炭素数6〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩を構成することと成るアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられ、またアミン塩を構成することとなるアミンとしては、1)メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、オクチルアミン等の脂肪族アミン、2)アニリン、ピリジン、モルホリン、ピペラジン又はこれらの誘導体等の芳香族アミン又は複素環アミン、3)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン、オクチルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルカノールアミン、4)アンモニア等が挙げられる。これらの脂肪酸塩のうちでは特にドデセニルコハク酸カリウム塩が好ましい。
【0025】
アニオン界面活性剤として用いる有機スルホン酸塩としては、1)デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸リチウム、ヘキサデシルスルホン酸カリウム等のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、2)ブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩、3)1,2−ビス(ジオクチルオキシカルボニル)−エタンスルホン酸ナトリウム、1,2−ビス(ジブチルオキシカルボニル)−エタンスルホン酸リチウム、ドデシルスルホ酢酸エステルナトリウム、ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルホ酢酸エステルカリウム等のエステルスルホン酸アルカリ金属塩が挙げられるが、これらのうちではアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩が好ましく、特に炭素数12〜18のものが好ましい。
【0026】
アニオン界面活性剤として用いる有機硫酸塩としては、1)硫酸デシル=ナトリウム、硫酸ドデシル=ナトリウム、硫酸テトラデシル=リチウム、硫酸ヘキサデシル=カリウム等の硫酸アルキル=アルカリ金属塩、2)牛脂硫酸化油、ひまし油硫酸化油等の天然油脂の硫酸化物のアルカリ金属塩等が挙げられる。なかでも硫酸ドデシル=ナトリウムが好ましい。
【0027】
アニオン界面活性剤として用いる有機リン酸エステル塩には、1)アルキル基の炭素数が4〜22であるアルキルリン酸エステル塩、2)アルキル基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜5個である(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩が挙げられる。
【0028】
アルキル基の炭素数が4〜22であるアルキルリン酸エステル塩としては、ブチルリン酸エステル塩、ペンチルリン酸エステル塩、ヘキシルリン酸エステル塩、オクチルリン酸エステル塩、イソオクチルリン酸エステル塩、2−エチルヘキシルリン酸エステル塩、デシルホスフェートアルカリ金属塩、ラウリルホスフェートアルカリ金属塩、トリデシルリン酸エステル塩、ミリスチルリン酸エステル塩、セチルリン酸エステル塩、ステアリルリン酸エステル塩、エイコシルリン酸エステル塩、ベヘニルリン酸エステル塩等が挙げられる。これらのアルキルリン酸エステル塩には、モノエステル体の単独物、ジエステル体の単独物、モノエステル体とジエステル体との混合物が含まれ、ジエステル体には、同一のアルキル基を有するジエステル体(対称形のジエステル)と、異なるアルキル基を有するジエステル体(非対称形のジエステル)とが含まれる。以上説明したアルキルリン酸エステル塩は、酸性アルキルリン酸エステルと塩基とから形成されるが、かかる塩基としては、アルカリ金属水酸化物、有機アミン化合物、アンモニウム化合物等が挙げられる。
【0029】
アルキル基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜5個である(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩としては、ポリオキシアルキレンブチルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンヘキシルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンオクチルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンイソオクチルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンデシルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンラウリルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレントリデシルエーテルホスフェートアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンミリスチルエーテルホスフェートアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンセチルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンステアリルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンベヘニルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。かかる(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩において、(ポリ)オキシアルキレン基としては、(ポリ)オキシエチレン基、(ポリ)オキシプロピレン基、(ポリ)オキシエチレンオキシプロピレン基等が挙げられる。これらのポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩には、モノエステル体の単独物、ジエステル体の単独物、モノエステル体とジエステル体との混合物が含まれ、ジエステル体には、同一のアルキル基を有するジエステル体(対称形のジエステル)と、異なるアルキル基を有するジエステル体(非対称形のジエステル)とが含まれる。以上説明した(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩は、酸性(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルと塩基とから形成されるが、かかる塩基としては、アルカリ金属水酸化物、有機アミン化合物、アンモニウム化合物等が挙げられる。
【0030】
C成分について、カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、有機アミンオキサイドが挙げられる。カチオン性界面活性剤として用いる第4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、トリプロピルエチルアンモニウム塩、トリブチルメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソオクチルエチルアンモニウム塩、トリメチルオクチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩ジブテニルジエチルアンモニウム塩、ジメチルジオレイルアンモニウム塩、トリメチルオレイルアンモニウム塩、トリブチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ(ヒドロキシエチル)ジプロピルアンモニウム塩、トリ(ヒドロキシエチル)オクチルアンモニウム塩、トリ(ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0031】
カチオン界面活性剤として用いる有機アミンオキサイドとしては、ヘキシルアミンオキサイド、オクチルアミンオキサイド、ノニルアミンオキサイド、ラウリルアミンオキサイド、ミリスチルアミンオキサイド、セチルアミンオキサイド、ステアリルアミンオキサイド、アラキニルアミンオキサイド、ジヘキシルアミンオキサイド、ジオクチルアミンオキサイド、ジノニルアミンオキサイド、ジラウリルアミンオキサイド、ジミリスチルアミンオキサイド、ジセチルアミンオキサイド、ジステアリルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0032】
C成分について、両性界面活性剤としてはベタイン型両性界面活性剤、アラニン型界面活性剤が挙げられるが、ベタイン型両性界面活性剤が好ましい。かかるベタイン型両性界面活性剤としては、オクチルジメチルアンモニオアセタート、デシルジメチルアンモニオアセタート、ドデシルジメチルアンモニオアセタート、ヘキサデシルジメチルアンモニオアセタート、オクタデシルジメチルアンモニオアセタート、ノナデシルジメチルアンモニオアセタート、オクタデセニルジメチルアンモニオアセタート等が挙げられる。
【0033】
C成分は、イオン界面活性剤として、以上説明したアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等を単独で用いても又は二つ以上を混合して用いてもよいが、なかでも前記したようなアニオン界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上を用いるのが好ましい。
【0034】
本発明の処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲内において、他の成分を含有することができる。かかる他の成分としては、乳化調整剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
【0035】
本発明の処理剤は、以上説明したようなA成分、B成分及びC成分の3成分を合計で70質量%以上、好ましくは合計で80質量%以上含有しており、且つ該3成分の合計100質量部当たり、該A成分を72〜99質量部、好ましくは80〜99質量部、該B成分を0.5〜27質量部、好ましくは0.5〜15質量部、及び該C成分を0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の割合で含有して成るものである。
【0036】
次に、本発明に係る合成繊維の処理方法(以下単に本発明の処理方法という)について説明する。本発明の処理方法は、以上説明したような本発明の処理剤を合成繊維に対し0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜1.2質量%となるよう付着させる方法である。本発明の処理剤を合成繊維に付着させる工程としては、紡糸工程、紡糸と延伸とを同時に行なう工程等が挙げられる。また本発明の処理剤を合成繊維に付着させる方法としては、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等が挙げられる。更に本発明の処理剤を合成繊維に付着させる際の形態としては、ニート、有機溶剤溶液、水性液等が挙げられるが、水性液が好ましく、なかでも5〜30質量%の水性液が好ましい。本発明の処理剤の水性液を付着させる場合も、合成繊維に対し本発明の処理剤として0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜1.2質量%となるよう付着させる。
【0037】
本発明の処理剤及び処理方法の適用対象となる合成繊維としては、1)ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸エステル等のポリエステル系合成繊維、2)ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系合成繊維、3)ポリアクリル、モダアクリル等のポリアクリル系合成繊維、4)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系合成繊維、5)ポリウレタン系合成繊維等が挙げられるが、なかでもポリエステル系合成繊維又はポリアミド系合成繊維に適用する場合に本発明の効果の発現が高い。
【発明の効果】
【0038】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、近年における合成繊維の紡糸工程や加工工程での高速化にも対応して、毛羽や糸切れの発生を充分に防止でき、ひいては染色斑の発生をも充分に防止できるという効果がある。
【0039】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
【実施例】
【0040】
試験区分1(合成繊維用処理剤の調製)
・実施例1{合成繊維用処理剤(P−1)の調製}
下記のA成分80部、B成分18部及びC成分2部(合計100部)を均一混合して、合成繊維用処理剤(P−1)を調製した。
A成分:ブチルアルコールにエチレンオキサイド(以下EOという)とプロピレンオキサイド(以下POという)とをEO/PO=50/50(モル比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量408のポリエーテルモノオールに、更にEOを付加した数平均分子量910のポリエーテルモノオール
B成分:3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール1モル当たりEOを5モル付加した数平均分子量496のアルキレンオキサイド付加物
C成分:テトラデカンスルホン酸ナトリウム/α−ドデシル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)(オキシエチレン単位の繰り返し数が3)のリン酸エステルカリウム=1/1(質量比)の混合物
【0041】
・実施例2〜43及び比較例1〜12{合成繊維用処理剤(P−2)〜(P−43)及び合成繊維用処理剤(R−1)〜(R−12)の調製}
実施例1の合成繊維用処理剤(P−1)と同様にして、実施例2〜43の合成繊維用処理剤(P−2)〜(P−43)及び比較例1〜12の合成繊維用処理剤(R−1)〜(R−12)を調製した。以上の各例の合成繊維用処理剤の調製に用いた成分の内容を表1〜6に、また以上の各例で調製した合成繊維用処理剤の内容を表7〜9にまとめて示した。















【0042】
【表1】

【0043】
表1において、
の割合(%):化1で示されるポリエーテル化合物中におけるAの割合(%)
OE:オキシエチレン単位
OP:オキシプロピレン単位
OTM:オキシテトラメチレン単位
OEE:オキシ(1−エチルエチレン)単位
*1:オクタン酸から水酸基を除いた残基
これらは以下同じ









【0044】
【表2】

【0045】
表2において、
の割合(%):化2で示されるポリエーテル化合物中におけるAの割合(%)
R:ランダム結合
B:ブロック結合
Y−1:エチレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
Y−2:1,6−ヘキサンジオールから全ての水酸基を除いた残基
Y−3:グリセリンから全ての水酸基を除いた残基
Y−4:ソルビタンから全ての水酸基を除いた残基
Y−5:トリグリセリンから全ての水酸基を除いた残基
Y−6:ソルビトールから全ての水酸基を除いた残基
Y−7:アジピン酸から全ての水酸基を除いた残基
Y−8:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全ての水酸基を除いた残基
Y−9:1,6,7,8,9,14−テトラデカンヘキサカルボン酸から全ての水酸基を除いた残基
これらは以下同じ

【0046】
【表3】

【0047】
表3において、
の割合(%):化3で示されるポリエーテル化合物中におけるAの割合(%)
Z−1:コハク酸から全ての水酸基を除いた残基
Z−2:アジピン酸から全ての水酸基を除いた残基
Z−3:セバシン酸から全ての水酸基を除いた残基
Z−4:1,2,3−ブタントリカルボン酸から全ての水酸基を除いた残基
Z−5:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全ての水酸基を除いた残基
Z−6:1,6,7,8,14−テトラデカンヘプタカルボン酸から全ての水酸基を除いた残基
Z−7:1,6,7,8,9,14−テトラデカンヘキサカルボン酸から全ての水酸基を除いた残基








【0048】
【表4】

【0049】
表4において、
s:オキシエチレン単位のモル数(以下同じ)
【0050】
【表5】

【0051】
【表6】













【0052】
【表7】

【0053】
表7において、
使用量:部
*2:合成繊維用処理剤中におけるA成分、B成分及びC成分の合計割合(%)
*3:A成分中における化1中のA、化2中のA及び/又は化3中のAの合計割合(%)
これらは以下同じ

【0054】
【表8】




【0055】
【表9】

【0056】
試験区分2(合成繊維への合成繊維用処理剤の付着、仮撚加工及び評価)
・合成繊維への合成繊維用処理剤の付着
試験区分1で調製した各合成繊維用処理剤を希釈水と均一混合して10%水性液とした。固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタレートチップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、調製した10%水性液を、計量ポンプを用いたガイド給油法にて、合成繊維用処理剤としての付着量が表10〜12記載の付着率となるよう付着させた後、ガイドで集束させ、機械的な延伸を伴うことなく3000m/分の速度で巻き取り、128デシテックス36フィラメントの部分延伸糸を10kg捲きケークとして得た。
【0057】
・仮撚加工
前記で得たケークを用いて、下記のコンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工を行なった。
コンタクトヒーター式仮撚機(帝人製機社製のSDS1200)を用いて、加工速度=700m/分又は1000m/分、延伸倍率=1.652、施撚方式=3軸デイスク外接式摩擦方式(入り側ガイドデイスク1枚、出側ガイドデイスク1枚、硬質ポリウレタンデイスク4枚)、加撚側ヒーター=長さ2.5mで表面温度210℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚り数=3300T/mの条件で、25日間連続運転による仮撚加工を行なった。
【0058】
・毛羽の評価
前記の仮撚加工において、仮撚加工糸を巻き取る前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製のDT−105)にて1時間当たりの毛羽数を測定し、次の基準で評価した。結果を表10〜12にまとめて示した。
AAA:測定された毛羽数が0個
AA:測定された毛羽数が1個未満(但し、0を含まない)
A:測定された毛羽数が1〜2個
B:測定された毛羽数が3〜9個
C:測定された毛羽数が10個以上
【0059】
・糸切れの評価
前記の仮撚加工において、連続運転の25日間に発生した糸切れ回数を1日当たりの回数に換算し、次の基準で評価した。結果を表10〜12にまとめて示した。
AAA:発生した糸切れ回数が0回
AA:発生した糸切れ回数が0.5回未満(但し、0を含まない)
A:発生した糸切れ回数が0.5〜1回未満
B:発生した糸切れ回数が1〜5回未満
C:発生した糸切れ回数が5回以上
【0060】
・染色性の評価
前記の毛羽を測定した仮撚加工糸を用い、筒編機で直径70mm、長さ1.2mmの編地を作製した。作製した編地を、分散染料(日本化薬社製のカヤロンポリエステルブルーEBL−E)を用い、高圧染色法により染色した。染色した編地を、常法にしたがい水洗、還元洗浄及び乾燥した後、直径70mm、長さ1mの鉄製の筒に装着して、編地表面の濃染部分の点数を肉眼で数えるという評価を5回実施し、得られた評価結果から編地1枚当たりの点数に換算し、次の基準で評価した。結果を表10〜12にまとめて示した。
AAA:濃染部分がない
AA:濃染部分が1点ある
A:濃染部分が2点ある
B:濃染部分が3〜6点ある
C:濃染部分が7点以上ある
【0061】
【表10】

【0062】
【表11】

【0063】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA成分、B成分及びC成分の3成分を合計で70質量%以上含有しており、且つ該3成分の合計100質量部当たり、該A成分を72〜99質量部、該B成分を0.5〜27質量部及び該C成分を0.1〜10質量部の割合で含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤。
A成分:下記の化1で示されるポリエーテル化合物、化2で示されるポリエーテル化合物及び化3で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上であって、且つ化1中のA、化2中のA及び/又は化3中のAを合計で40〜99質量%となるよう含有するもの。
【化1】

【化2】

【化3】

(化1、化2及び化3において、
,R:水素原子又は1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基
:1価の炭素数1〜26の脂肪族アルキル基、1価の炭素数2〜26の脂肪族アルケニル基又は1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基
:水素原子、1価の炭素数1〜26の脂肪族アルキル基、1価の炭素数2〜26の脂肪族アルケニル基又は1価の炭素数2〜26の脂肪族アシル基
,A,A:オキシエチレン単位の繰り返し数が2〜200であるポリオキシエチレン基
:オキシアルキレン単位として炭素数2〜4のオキシアルキレン単位から選ばれる2種以上を有し、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が合計2〜200であって、且つ該オキシアルキレン単位がランダム結合しているポリオキシアルキレン基
,B:オキシアルキレン単位として炭素数2〜4のオキシアルキレン単位から選ばれる2種以上を有し、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が合計2〜200であって、且つ該オキシアルキレン単位がブロック結合、ランダム結合又はブロック・ランダム結合しているポリオキシアルキレン基
Y:m価の炭素数2〜26の脂肪族アルコールから全ての水酸基を除いた残基又はm価の炭素数4〜26の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基
Z:n価の炭素数4〜26の脂肪酸から全ての水酸基を除いた残基
m,n:2〜6の整数)
B成分:1価の炭素数4〜26の脂肪族アルコールにエチレンオキサイドを付加した数平均分子量180〜1300の非イオン界面活性剤
C成分:イオン界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上
【請求項2】
A成分、B成分及びC成分の3成分を合計で80質量%以上で含有しており、且つ該3成分の合計100質量部当たり、該A成分を80〜99質量部、該B成分を0.5〜15質量部及び該C成分を0.5〜5質量部の割合で含有する請求項1記載の合成繊維用処理剤。
【請求項3】
A成分が、化1で示されるポリエーテル化合物及び化2で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤。
【請求項4】
A成分が、化1中のRが水素原子である場合の化1で示されるポリエーテル化合物及び化2中のRが水素原子である場合の化2で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤。
【請求項5】
B成分が、1価の炭素数6〜12の脂肪族アルコールにエチレンオキサイドを付加した数平均分子量300〜800の非イオン界面活性剤である請求項1〜4のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤。
【請求項6】
C成分が、アニオン界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1〜5のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.1〜3質量%となるよう付着させる合成繊維の処理方法。
【請求項8】
合成繊維用処理剤を5〜30質量%の水性液となし、この水性液を合成繊維に対し該合成繊維用処理剤として0.1〜3質量%となるよう付着させる請求項7記載の合成繊維の処理方法。
【請求項9】
合成繊維がポリエステル系合成繊維又はポリアミド系合成繊維である請求項7又は8記載の合成繊維の処理方法。

【公開番号】特開2007−154324(P2007−154324A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347402(P2005−347402)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000210654)竹本油脂株式会社 (138)
【Fターム(参考)】