説明

同心ナールボールジョイント

交換ボールジョイントアセンブリ(10)は、制御アームのようなサスペンション部品(28)の以前に使用されて歪みが生じ得た受け穴(26)に圧入されるように適合される。アセンブリ(10)のソケットハウジング(12)は、複数の概して環状の同心ナール(36)を含み、各ナールはクレスト部(38)を有し、介在逃げ溝(40)によって互いに分離されている。ナール(36)のクレスト部(38)は、導入特性を提供して圧入設置操作の際にずれを最小化するようにテーパ状であってもよい。ナール(36)は、制御アームの材料よりも柔らかいのが好ましく、これにより、圧入時に受け穴(26)をさらに変形または拡大するのではなく、曲がる。ナール(36)のクレスト部(38)の変位した材料は、逃げ溝(40)に入り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
無し。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、自動車および軽トラックへの用途に使用される圧入型ボールジョイントに関し、より特定的には、サスペンション部品の以前に使用されて歪みが生じ得た受け穴に圧入されるように適合された交換ボールジョイントアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術
多くの自動車および軽トラックのサスペンションシステムは、車輪との枢動回転接続をもたらすためにいくつかのボールジョイントアセンブリを有する。典型的なボールジョイントは、図1に示されるように、上側および/または下側制御アームとそれぞれのステアリングナックルとを接続する球面軸受を有する。このようなアセンブリには限られた耐用年数があり、摩耗の兆候が表れた場合には交換が必要となる。典型的な自動車または軽トラックの耐用期間中に何度もボールジョイントアセンブリを交換することは、珍しいことではない。
【0004】
通常のボールジョイントアセンブリは、1つの制御アームの受け穴に取り付けられるソケットハウジングを有する。これらのソケットハウジングは、直接的なねじ係合、ねじ切られたナットキーパとのテーパ嵌合、スポット溶接、または圧入などの様々な技術を用いて取り付けることができる。圧入ボールジョイントアセンブリは、外側ソケットハウジングと制御アームの内側受け穴との間で強く締まり嵌めすることによって適所に保持される。ソケットハウジングのナールによって、保持力が向上する。圧入接続を補助するためにスナップリングを使用することが多く、これによってソケットハウジングが不意に外れることが無くなる。
【0005】
交換ボールジョイントアセンブリ、すなわち、本来備わっている装置部品としてよりも修理部品として設けられるボールジョイントアセンブリは、制御アームの受け穴との接合が強くなるように、長手方向に延在するスプライン形状で大きめのナールを有して設計される場合が多い。このタイプの例は、例えば、図3に示される。図2に示されるようなC型プレス工具を使用して、古く摩耗したボールジョイントアセンブリを取り外し、新しい交換ボールジョイントアセンブリを周知の手順によって設置してもよい。これらの手順においては、図2に示されるようなスリーブ型受け管およびカップ状アダプタの使用を含み得る。
【0006】
自動車修理業に携わる整備士などが経験する特定の問題としては、摩耗および/または変形した受け穴を有する制御アームに圧入型ボールジョイントを交換することが挙げられる。例えば、ある特定の車両に対してボールジョイントアセンブリの交換作業が以前に複数回にわたって行われた場合、この以前に幾度も行われたボールジョイントの交換作業によって制御アームの受け穴が歪んで拡大し、加工硬化されることもあり得る。これらの場合、受け穴が摩耗および過剰に拡大することのみによって欠陥となった制御アームを全て交換することが推奨される。当然のことながら、これによって修理費用および不要な廃棄物が増加し、消費者の不満が募る結果となり得る。車両用サスペンション部品の以前に使用されて歪みが生じ得た受け穴に圧入型の交換ボールジョイントアセンブリを設置する必要があるという状況に対処することが当該技術において必要とされる。さらなる課題として、受け穴の更なる歪みを防止して制御アームおよび他のこのようなサスペンション部品の耐用年数を延ばすことが必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アセンブリ、およびサスペンション部品の以前に使用されて歪みが生じ得た車両用受け穴に対して圧入型ボールジョイントアセンブリを交換するための方法に関する。ボールジョイントアセンブリは、中心軸を有するソケットハウジングを含む。ソケットハウジングは、リードインエンドと軸方向に間隔を空けた外側ストップフランジとを有する外側壁を含む。ボールヘッド部を有する可動部材は、ソケットハウジングに枢動可能に嵌め込まれる。可動部材はさらに、ボールヘッド部から概して軸方向に延在する取付シャフトを含む。ハウジングの外側壁は、複数の概して環状のナールを含む。各ナールは、その外径を定めるクレスト部を有する。ナールは、介在逃げ溝によって互いに軸方向に間隔が空けられる。各ナールは、中心軸を中心として同心で設けられる。少なくとも、リードインエンドに隣接する第一ナールの外径は、ストップフランジに隣接する最終ナールの外径よりも小さい。これらの仕様によって構成された交換ボールジョイントアセンブリは、車両用サスペンション部品の以前に使用されて歪みが生じ得た受け穴に対する確実な圧入接続を実現するのに特に適している。
【0008】
本発明の他の局面によれば、車両用サスペンション部品のボールジョイントアセンブリを交換するための方法が提供される。本方法は、摩減したボールジョイントが受け穴に詰め込まれた車両用サスペンション部品を設けるステップと、受け穴を露出させるために摩減したボールジョイントをサスペンション部品から取り外すステップとを含む。本方法はさらに、リードインエンドと軸方向に間隔を空けた外側ストップフランジとを有する外側壁を含む交換ボールジョイントアセンブリを設けるステップを含む。複数の概して環状のナールが外側壁に形成される。各ナールは、その外径を定めるクレスト部を有する。ナールを形成するステップは、リードインエンドに隣接する第一ナールの外径をストップフランジに隣接する最終ナールの外径と比して小さくするステップをさらに含む。各ナールは、介在逃げ溝によって、次の隣接するナールから分離される。本方法は、交換ボールジョイントをサスペンション部品の露出した受け穴に強制的に圧入すると同時に、受け穴との摩擦に応じてクレスト材料を少なくとも1つのナールから真隣の逃げ溝に変位させるステップを含む。
【0009】
本発明は、先行技術の圧入ボールジョイントアセンブリに特有の欠点および不都合を克服する。同心で配列されたナールと介在逃げ溝とが協働してサスペンション部品の受け穴の更なる歪みを減少させると同時に、変位した材料が不適切にストップフランジの下に蓄積することを防ぎ、これによって設置の際の圧力および受け穴の歪みが最小化される。
【0010】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面と関連付けて考慮されることで、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両用車輪、および上側制御アームと、下側制御アームと、ステアリングナックルと、これらの間に取り付けられた圧入型ボールジョイントアセンブリとを含む関連するサスペンション部品を示す例示的な部分図である。
【図2】C型プレス工具と設置スリーブとアダプタとを使用して下側制御アームに設置された圧入ボールジョイントアセンブリを例示的に示す図である。
【図3】図2の符号3において囲われた領域を拡大して従来の軸方向のスプライン状ナールを示す、従来技術によるソケットハウジングの拡大図である。
【図4】本発明に係る交換ボールジョイントアセンブリを示す断面図である。
【図5】サスペンション部品の受け穴に挿入する体勢にある本発明に係る交換ボールジョイントアセンブリを示す部分正面図である。
【図6】ソケットハウジングのリードインエンドに隣接し、不整合の傾向を軽減するためのガイド機能を果たす第一ナールを示し、図5からさらに進行した状態を示す類似の部分図である。
【図7】図6からさらに進行し、ボールジョイントアセンブリが完全に設置された状態を示す図である。
【図8】ソケットハウジングの外側壁の一部を示す部分拡大図であって、本発明の一実施例においてそれぞれのナールのクレスト部によって形成されるテーパ状の導入角度を示す図である。
【図9】サスペンション部品の露出した受け穴に交換ボールジョイントアセンブリを強制的に圧入する状態を示す他の拡大図であって、受け穴との摩擦によってクレスト材料が比較的柔軟なナールから変位して逃げ溝に入り、受け穴の内径への損傷が最小化される状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施例の詳細な説明
図面を参照すると、幾つかの図の全体において、同様の部品または対応する部品は同様の符号で示され、本発明に係る交換ボールジョイントアセンブリは、図4において符号10で全体的に示される。アセンブリ10は、カップ状のソケットハウジング12を含む。ソケットハウジング12は、鉄鋼のような金属から形成されるのが好ましく、その中にボールスタッド16の関節ボールヘッド部14が嵌め込まれる。ボールスタッド16も鉄鋼または他の適切な材料によって形成されるのが好ましい。ボールスタッド16は、取付シャフト18を含む。取付シャフト18は、ボールヘッド部14から離れる方向に一体的に延在し、ソケットハウジング12から外方向に延在する。取付シャフト18の具体的な形状と取り付け方法は適用例によって様々となり得るが、取付シャフト18はテーパ状の接続面とねじ切りされた端部20とを有してもよい。
【0013】
ソケットハウジング12は中心軸Aを有し、リードインエンド22と軸方向に間隔を空けた外側ストップフランジ24とを有する外側壁を含む。図5および図6に示されるように、実施の際には、まずリードインエンド22がサスペンション部品28の受け穴26に挿入される。圧入操作では、図7に示されるような面接触となるように、ストップフランジ24がサスペンション部品28に当接するまで、C型工具を使用したねじ込みなどによってソケットハウジング12が押し込まれる。ソケットハウジング12は、ひとたびアセンブリ10がサスペンション部品28に配置された時にスナップリングまたは他の形態の補助的摩擦器具を受けるためのリング溝30を含んでもよい。
【0014】
必要に応じてダストブート32を用いて囲いを設けることによって、ソケットハウジング12を外部の汚染物から封止し、かつボールヘッド部との関節接触面における潤滑剤またはグリースを保持してもよい。アセンブリ10は、グリースフィッティング34を介してグリースまたは他の潤滑剤を受け入れるように適合されている。
【0015】
図5−図9を参照すると、ソケットハウジング12の外側面についてより説明しやすくするために、ソケットハウジング12が拡大されて詳細に示される。外側壁のリードインエンド22とストップフランジ24との間の一部は、複数の概して環状のナール36によって構成されている。各ナール36は、それぞれの外径を定めるクレスト部38を有する。ナール36は、介在逃げ溝40によって互いに軸方向に分離されている。図8および図9に最も良好に示されるように、各ナール36のフランク部42は、ほぼ径方向に延在し、クレスト部38の各側部と隣接する逃げ溝40とを相互に結合させる。予備逃げ溝44は、最終ナール36Bとストップフランジ24との間に設けられる。
【0016】
ナール36は、加工硬化の影響を最小限に抑えるために、加工作業によって形成されるのが好ましい。これにより、ナール36の材料硬度が可能な限り柔らかい状態に保たれる。ナール36は、リードインエンド22に隣接する第一ナール36Aの外径が、ストップフランジ24に隣接する最終ナール36Bの外径よりも小さくなるように形成される。第一ナール36をサスペンション部品28の受け穴26に比して小さく設計することによって、設置の際にボールジョイントアセンブリ10を中心に配置することを補助する案内特性または導入特性が実現する。これによって、サスペンション部品28に対する不用意な不整合または損傷が防止される。この相対的な寸法設定によって、結果として想定される修理時の状況としては、ボールジョイントアセンブリ10をサスペンション部品28に圧入した時に、第一ナール36Aのクレスト部と受け穴26との間ではなく、少なくとも最終ナール36Bと受け穴26との間で締まり嵌めするのが好ましい。好ましい一実施例において、全てのナール36のクレスト部38は、図8に示されるような切頭円錐の態様で配列される。図8の破線は、最終ナール36Bの直径と同等の直径を有する円筒を表わす。図9の破線は、受け穴26の理論上の筒縁を表わし、クレスト部38と受け穴26との間の締まり度合いが最終ナール36Bに進むにつれ増大する態様を強調している。代替的な構成において、全てのクレスト部38は、真筒状の外部構成を有しながら単に段階的な直径を有するように構成してもよい。これにより、類似の機能が実現される。他のさらなる変形例においては、最初の2つまたは3つのナール36A、36のみがクレスト部38にテーパ状の導入構成を有し、最終ナール36Bに至るまでの残りのナール36の各々には正確な筒状構成が形成される。当然ながら、本発明の精神から逸脱することの無い範囲内において、他の様々な変形を施すことができる。
【0017】
図8および図9を再度参照すると、各ナール26が所定の軸方向の幅を有し、その一方で逃げ溝40が所定の軸方向の間隔を有していることが見てとれる。例示的な一実施例において、ナール36と溝40との間の寸法は、各ナール36の軸方向の幅がその真隣の逃げ溝の軸方向の間隔よりも約50%大きいという関係になる。ここに示されるような構成によって、図3に示される従来技術の設計に見られるような欠点がなく、設置時の利便性、保持力、および配列の機能性の調和による利点が得られる。より具体的には、各ナール36を補助する逃げ溝40、44は、設置過程において(図7および図9に示されるような巻き部分から明らかである)変位したクレスト材料を入り込ませる。図3に示されるような従来の軸方向のナールの設計では、このような材料の入れ込みができず、変位した材料の蓄積が結果として引き起こされ、ハウジングのストップフランジの下に材料が堆積する。これにより、設置時における圧力の蓄積がもたらされる。本発明は、応力および圧力の不適切な蓄積を引き起こすことなく、このような変位したクレスト材料を隣接する逃げ溝40、44に直接的に入れ込むため、この欠点が回避される。結果として、受け穴26の内径がより良好に保たれ、これにより、将来的な修理または交換作業が可能となる。
【0018】
図5に示されるように、ナール36は実質的に環状かつ別個であるのが好ましい。しかし、代替的な構成においてはナール36をねじ切りパターンとすることができ、アクメ型のねじ切りパターンとしながらも上記のような関係や特性を維持することができることを当業者は理解するであろう。このような代替的な構成によって、図に示されるような実質的に環状のナールに代わり、概して環状のナールが得られる。
【0019】
上記で示唆したように、ナール36および関連する逃げ溝40は、従来の機械加工技術を使用して、機械加工によって金属製のソケットハウジング12に設けられるのが好ましい。すなわち、切削工具を使用して材料をソケットハウジング12から除去してもよい。これは、材料を取り外して図3に示されるようなスプライン状のナールを形成するための高圧鍛造を必要とする従来の処理と比較される。他方で、機械加工は、より良好な処理制御を可能とし、機械加工器具の摩耗を減らすことができる。この設計はさらに、整備士によるボールジョイントアセンブリ10の設置を改善する。このような設置の改善は、第一ナール36および追加のナール36にリードインテーパが形成され、これによってソケットハウジング12が少なくとも初期段階において正しい配向で受け穴26に受けられることに帰する。後段階の同心ナール36,36Bは、設置時に取り除かれるよう設計される。これにより、従来の軸方向のナールの設計では受け穴が損傷していた代わりに、一致する受け穴26の内径を保つことができる。
【0020】
逃げ溝40を多く設けることにより、圧入段階において変位したクレスト材料を入れ込む空間がもたらされる。これにより、変位した材料をハウジングのストップフランジの下に蓄積させ、不必要なストレスの集中および受け穴26へのさらなる損傷/歪みを引き起こしてきた従来のナールの設計(図3)に関連する問題を回避することができる。
【0021】
上述の発明は、関連する法的基準に基づいて記載されており、この記載は例示であって限定ではない。開示された実施例への変形や変更は当業者にとって明瞭であり、本発明の権利範囲内となり得る。従って、本発明に対する法的保護の範囲は、添付の請求項によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用サスペンション部品の以前に使用されて歪みが生じ得た受け穴に対して圧入されるように適合された交換ボールジョイントアセンブリであって、前記ボールジョイントアセンブリは、
中心軸を有するソケットハウジングを備え、前記ソケットハウジングは、リードインエンドと軸方向に間隔を空けた外側ストップフランジとを有する外側壁を含み、前記ボールジョイントアセンブリはさらに、
前記ソケットハウジングに枢動可能に嵌め込まれたボールヘッド部とボールヘッド部から概して軸方向に延在する取付シャフトとを有する可動部材を備え、
前記ハウジングの前記外側壁は複数の概して環状のナールをさらに含み、各ナールは外径を定めるクレスト部を有し、前記複数のナールは、介在逃げ溝によって互いに軸方向に間隔が空けられ、前記ナールは各々が中心軸を中心として同心で設けられ、
少なくとも、前記リードインエンドに隣接する第一ナールの外径は、前記ストップフランジに隣接する最終ナールの外径よりも小さい、ボールジョイントアセンブリ。
【請求項2】
前記リードインエンドに隣接する前記第一ナールは、接頭円錐形状のクレスト部を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ストップフランジに隣接する前記最終ナールは、真筒状のクレスト部を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ナールの各々は軸方向の幅を有し、前記逃げ溝の各々は軸方向の間隔を有し、前記ナールの各々の軸方向の幅は、各ナールに隣接する前記逃げ溝の各々の軸方向の間隔よりも大きい、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ナールの各々は、実質的に環状である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ナールの各々は、前記クレスト部と隣接する前記逃げ溝とを相互結合する機械加工されたフランク部を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記最終ナールと前記ストップフランジとの間に設けられた予備逃げ溝をさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
車両用サスペンション部品の受け穴に圧入されるように適合された交換ボールジョイントアセンブリであって、前記アセンブリは、
内径を有する受け穴を含む車両用サスペンション部品と、
中心軸を有するソケットハウジングとを備え、前記ソケットハウジングは、リードインエンドと軸方向に間隔が空けられた外側ストップフランジとを有する外側壁を含み、前記アセンブリはさらに、
前記ソケットハウジングに枢動可能に嵌め込まれたボールヘッド部とボールヘッド部から概して軸方向に延在する取付シャフトとを有する可動部材を備え、
前記ハウジングの前記外側壁は、複数の概して環状のナールをさらに含み、各ナールは外径を定めるクレスト部を有し、前記複数のナールは、介在逃げ溝によって互いに軸方向に間隔が空けられ、前記ナールは各々が中心軸回りに同軸で設けられ、
少なくとも、前記リードインエンドに隣接する第一ナールの外径は、前記ストップフランジに隣接する最終ナールの外形よりも小さく、
さらに、前記第一のナールの外径は、前記サスペンション部品の前記受け穴の前記直径よりも小さく、その一方で、前記最終ナールの外径は前記受け穴の前記直径よりも大きく、前記ボールジョイントアセンブリを前記サスペンション部品に圧入することによって、前記第一ナールの前記クレスト部と前記受け穴との間ではなく、少なくとも前記最終ナールの前記クレスト部と前記受け穴との間で締まり嵌めがもたらされる、交換ボールジョイントアセンブリ。
【請求項9】
前記リードインエンドに隣接する前記第一ナールは、切頭円錐形状のクレスト部を有する、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記ストップフランジに隣接する前記最終ナールは、真筒状のクレスト部を有する、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ナールの各々は軸方向の幅を有し、前記逃げ溝の各々は軸方向の間隔を有し、前記ナールの各々の軸方向の幅は、各ナールに隣接する前記逃げ溝の各々の軸方向の間隔よりも大きい、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ナールの各々は実質的に環状である、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ナールの各々は、前記クレスト部と真隣の前記逃げ溝とを相互結合する機械加工されたフランク部を含む、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記サスペンション部材は、規定可能な材料硬度を有する材料から加工され、前記ソケットハウジングは、前記サスペンション部材の硬度よりも柔らかい異なる材料硬度を有する材料から加工される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項15】
車両用サスペンション部品のボールジョイントアセンブリを交換する方法であって、前記方法は、
摩減したボールジョイントアセンブリが受け穴に詰め込まれた車両用サスペンション部品を設けるステップと、
受け穴を露出させるために摩減したボールジョイントアセンブリをサスペンション部品から取り外すステップと、
リードインエンドと軸方向に間隔を空けた外側ストップフランジとを有する外側壁を含む交換ボールジョイントアセンブリを設けるステップと、
複数の概して環状のナールを外側壁に形成するステップとを備え、各ナールは外径を定めるクレスト部を有し、
前記形成するステップは、リードインエンドに隣接する第一ナールの外径をストップフランジに隣接する最終ナールの外径に比して小さくするステップを含み、本方法はさらに、
介在逃げ溝によって次の隣接するナールから各ナールを分離するステップと、
交換ボールジョイントアセンブリをサスペンション部品の露出した受け穴に強制的に圧入すると同時に、受け穴との摩擦に応じてクレスト材料を少なくとも1つの前記ナールから真隣の逃げ溝に向かって変位させるステップとを備える、方法。
【請求項16】
前記形成するステップは、少なくとも、リードインエンドに隣接する第一ナールに切頭円錐形状のクレスト部を設けるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記形成するステップは、各ナールに軸方向の幅を設けるステップを含み、前記分離するステップは、各逃げ溝に軸方向の間隔を設けるステップを含み、各ナールの軸方向の幅は、真隣の各逃げ溝の軸方向の間隔よりも大きい、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記形成するステップは、各ナールを実質的に環状の構成に機械加工するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
車両用サスペンション部品を設ける前記ステップは、規定可能な材料硬度を有する材料からサスペンション部品を加工するステップを含み、交換ボールジョイントを設ける前記ステップは、サスペンション部材の材料硬度よりも柔らかい異なる材料硬度を有する材料からナールを加工するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
交換ボールジョイントを強制的に圧入する前記ステップは、外側ストップフランジとサスペンション部品とを直接的に接触させるステップを含む、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−513078(P2013−513078A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542114(P2012−542114)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/058190
【国際公開番号】WO2011/068752
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】